知事の定例記者会見(6月議会での女子大関連予算の修正を受けて)

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見(県警捜査費の調査結果報告書に関して)

平成19年6月29日11時45分から(県庁二階 第二応接室)

幹事社:  今回の議会で女子大関連の予算が修正されたことに関する感想をお願いします。
知事:
  県立大学の再編統合は、長年議論を積み重ねたうえで、21年4月から再編統合をスタートするということを、県民の皆様にお約束をして進めてきた訳ですけれども、そのことが十分ご理解いただけなかったことは、とても残念に思います。
 ただ、こうした高等教育の充実というのは、県にとっても、また県民の皆様にとっても大変重要な事業だというふうに思いますのでこのことによって姿勢を変えることなく、自信を持ってこの事業を今後も進めていきたいと思っています。
 また、特に看護学部の拡充のことは、総合看護専門学校の廃止ともからんだことでございますので、このまま延期をさせるということにもなりません。ですから、県民の皆様、また学生の皆さんへの影響をなるべく少なくするために、どういう方策があるかということは、今後検討していきたいと思います。
記者:
 先ほど21年4月の既存学部の再編統合については、今回の議会の判断で厳しい状況になったというご見解を示したということですね。
知事:
 それは、これまでも委員会等でご説明をしてきていると思いますけど、そのとおりでございます。
記者:
  知事ご自身の言葉で、21年4月の再編統合というのを現時点で、どういう判断をされているのかを改めてお伺いしたいのですが。
知事:
 最終的にどういう方策が今後検討できるかを考えなければいけませんから、絶対にということはすべてのことに言えませんけれども、事実上21年4月からの再編統合のスタートというのは難しくなったと今の時点では受け止めています。
記者:
 総看が、20年度末をもって廃止をするということが現状で決定されています。これに対する具体的な対応というのをですね、これからどういう形で検討するかという段階にあると先ほどのお話から思うのですが、今の現状でのお考えがもっと別の角度のお話であるのとか。
 例えば、議会に何らかの形で関わり(?)をするというようなことをお考えになられているのか。そうではなくて、一部新築拡充ということで検討されるのか。そこら辺の今のお考えがありましたら、看護学部の拡充について。
知事:
 具体的な方策については、今日の議決を受けて、今後、担当部と話をしていかなければいけませんので、まだ今の時点で選択肢としてこういうことを考えていますというのをお示しできる段階ではございません。
 ただ、今回のことで、そのまま看護学部の拡充ということも1年なりなんなり見送りということになれば、これはもう県民の皆さんにとっても、また看護学部で学ぶ学生さんにとっても、大きな影響をもたらすということになりますので、何らかの対応策を考えなければいけないということは間違いないことだと思います。
記者:
 今回お示しになられた計画そのものが、造成していくと、A棟、B棟、C棟建てるというこの計画そのものの見直しというのも想定されてくるのか。
知事:
 私はそこまで細かく学部の棟の配置ですとか、また、その中に何学部がどれだけのスペースを取っているということまで聞いている訳ではございません。
 しかも、それはこれからの実際の実施設計や大学側との協議等に伴って、最終的に固まってくるものだと思いますので、今の時点でどういう形ができるかという選択肢想定はまだ持っていません。
記者:
 昨年の9月、今年の2月議会で、議会としては実施設計を含めたゴーサインをだしたのかなという判断があったかと思うんです。で、議会として見たときに、今回、財政的な側面が大いにあったと思うんですけども、一旦立ち止まって考えなさいと。
 状況としてはちょっと変化してると思うんですが、そのことについては知事としてはどういうお考えですか。
知事:
 今、ご質問の中にいくつかの要素がありますので、まず、これまでの経過ということでいえば、長い時間をかけて議論をし、そのことを県議会にもご報告をし、それを通じて県民の皆様にもご説明をしてきた事業です。
 そういう積み重ねのうえに立って、21年の4月開学ということをお約束をして、設計等の予算をお認めをいただいた。
 また、大学とも協議をして既存学部の移転ということに関しては、大学側のご理解もいただいたというふうに受け止めておりますので、そのことが止まるということは、私はやっぱり県民の皆さんへのお約束ということから非常に不本意ですし、残念なことだというふうに思います。
 そうした中で、財政のことはこれは別に女子大の再編統合ということだけではなくて、すべての事業に関わってくることでございますので、何らか次の財政的な大きな変化が起きたときには、これはこの事業だけではなくて、すべての事業を含めて、優先順位だとか、その後どういうふうに組み立てていくかということは、議会並びに県民の皆さんにお計りをしながら考えていかなきゃいけないことだというふうに思います。
 けれども、今の時点で女子大だけを取り上げて、財政的に難しさが出てきているということではないと私は受け止めておりますし、それは優先順位の高さということから考えれば、十分財政的なやりくりということは私はできるというふうに思います。
記者: 
 これまで女子大の再編統合について、どちらかというと推進・賛成する立場にあった自民党会派が、今回立ち止まって考えろといった要因となった4つの新法が、秋口にでてくるだろうと。
 それで今回の提案説明の所信表明の中で、県民生活うんぬんかんぬんというようなことについても言及されたと。
 そうしたことの言質をもってですね、立ち止まって考えてみたらどうかという発言も委員会等でもございましたが、そうしたことに関してどういうふうにお考えになりますか。
 つまり秋口まで様子を見てもいいんじゃないかという考え方で反対をされたという経緯があったかと思いますが、そのことについてはどう思いますか。
知事:
 結果がどうなっていくかはわかりませんけれども、秋口まで様子を見たから来年度予算の歳入構造がどうなるかということが明確になるとは限りませんし、むしろ明確に成らない可能性のほうが多いのではないかと思います。これはいつまでたっても本県の財政が厳しいということに変わりはありませんし、歳入歳出の一括の見直しという今進められている方向性ということからして、今後も地方交付税の削減ということが予想されます。
 そうした中で、どういうやりくりをして事業をするかということを考えながら、執行部としてもご提案をしておりますので、新しい法律による秋の何らかの基準というものが出たからといって、その時点で判断が新しく、大きく変わるというものではないと私は思います。
 提案理由で申し上げたのは、そういうことを踏まえて大きな変化が出てきたときには、来年度の当初の予算等を議論するときには、そのことを踏まえて大きな見直しなどを、また議論もしなければいけない、県民の皆さんにもお願いしなければいけない、そういう事態になるかもしれないということを申し上げました。
 また、そうならないように地方からの声をきちっと今こそ揚げていかなければいけないときではないかということを申し上げました。
記者:
 今回の再編の総事業費を約100億円とするならば、20年度、21年度でほぼ終わるだろうと思います。ということで考えてみたときに、国の財政需要の基準が秋口に示されればですね、その後の面で考えていったときにですね、この100億円というのは、県財政の状況から見たときに、どういう状況であれ、財源的には確保できると、つまり財調に積み立てをするとかという財政的なテクニック的はあろうかと思うのですが、この100億円は確保できるということを知事としてもお考えになられているのか。ということについて、もう一度確認したいのですが。
知事:
 それは、事業の優先順位ということで、これは優先順位が低いですよということを県民合意でいわれるのであれば、そういう県民合意がなされるのであれば、それはまた判断が違ってまいりますけれども、このことはこれまでもずっと長い間議論をして、優先順位の高い仕事だという位置づけで、県としても取り組んできました。そういう位置づけであれば、それは県財政がいかに厳しくても、それをやり繰りしていくのが県の執行部の努めだと、県民から受けた付託に答える道だというふうに自分は思います。
記者:
 優先順位ということでいうと、委員会のほうでですね、県民にアンケートを取ってみたらどうかと、つまりプライオリティーは何が高いかということも含めて、100億円の総事業費もかかりますということも明らかにしたうえで、県民にアンケートを取ってみたらどうかと  いう提案がありましたが、それについてはどうですか。
知事:
 それは優先順位ということにはならないと思います。優先順位っていうのは、そうであれば高速道路から何からいろんなものをお示しをしたうえで、そこの中で何を取りますかということのアンケートするというなら意味はわかりますけれども、そうであればもはや議会というものの努めは何なのかということになってしまうだろうと思います。
 そういうご意見になってしまうのかはわかりませんけれども、そういうご意見も出てくるのではないか。アンケートというのを一つの事業だけで、例えば、高速道路のその負担金をどうしますか、新直轄の事業の負担金をどうしますか、他のいろんな事業の県の負担分をどうしますか、一つずつアンケートを取るのでしょうか。それは、私は少しやり方としてはおかしいのではないかと思います。
記者:
 例えば、100億円の総事業費がかかりますと、これについて県民の皆さんは、今、県立大学は移転統合すべきですかということをいかけるアンケートについてはどうでしょう
知事:
 それは、だから意味はないと思います。
記者:
 それは、県民の代表である県議会という形で選出されてきた議員さんがいらっしゃる訳だからという考え方でよろしいんでしょうか。
知事:
 ひとつ切り分けてのアンケートということでは、優先順位ということにはならないと思います。優先順位と言うことを本当に議論するのであれば、先ほども申し上げましたように、各地域にも関わる、また県全体に関わる大きな事業の計画予定というのがある訳ですから、そういうものの中で取捨選択するというのであれば、また意味があろうと思います。
 けれども、それはまさに県議会に付託をされた、また執行部に付託をされた仕事ではないかということを思います。
 1件、1件について、この事業は、これだけのお金がかかります。どうしますかということを県民の皆さんに問いかけるというのは、私はルールとしてもあまり正しいやり方ではないと思います。
記者:
 では、女子大のアンケートについてはですね、知事自身はお考えになられていないと。
知事:
 考えておりません。
記者:
 駅前複合施設構想の時にアンケートをされて、県民のご意見を聞いて、そのうえで判断したと。凍結というような経緯もあったので 、そういう意見も出てきたかと思います。
知事:
 それはまったく違うと思います。駅前のビルというのは、これまでの議論の中である程度の合意を得て、前に進めようとしていた事業ではまったくありません。
 女子大の事業は、先ほどから申し上げていますように、何年もの議論を通じ、その中で県議会にもご報告をし、ご理解をいただいて、設計の予算などもお認めをいただき、21年4月に開学をしましょうね、ということを県民の皆さんにもお約束をして進めてきてるものですので、駅前のビルのように県として後戻りもありますよという形で、最初にご提案したものへの県民のご意見を聞くということとは、まったく違う、比べものにならない話だというふうに自分は思います。
記者:
 今回の結果を受けてですね、女子大の学長と大学の関係者と知事が直接お話をする場っていうのを今後検討されてるとかということは。
知事:
 今は考えておりません。先ほども申し上げましたように、この事業は県にとりましても、県民の皆さんにとりましても大変重要な事業だと思います。ですから、姿勢を変えることなく、自信を持って進めていきたいということを、こうやって県民の皆様の前で申し上げておりますので、そのことは大学の学長も含めてご理解をいただけることだろうと思います。
記者:
 変な話ですけれども、同様の議案を再提出するということもありうるということでしょうか、臨時議会とか。
知事:
 先ほども申し上げましたように、具体的な選択肢を今、持っている訳ではございません。担当部とそれは検討して考えていきたいと思います。
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