三位一体改革に対する緊急アピール

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

三位一体改革に対する緊急アピール

平成115年5月13日(火曜日)15時30分から(東京都千代田区 都道府県会館15階 岩手県東京事務所分室)

提言事項及び趣旨  5月8日、地方分権改革推進会議から経済財政諮問会議に国庫補助負担事業の削減案が提示されましたが、内容面ではまだまだ不十分なものであり、地域主権型社会の形成に向けて自律的な地方行財政運営を推進できるよう、国から地方への税源移譲等を前提とした実効性ある三位一体改革の実現に向け、知事有志による連名により緊急にアピールを行うものです。

三位一体改革に対する緊急アピール
岩手県知事  増田  寛也
宮城県知事  浅野  史郎
千葉県知事 堂本  暁子
岐阜県知事 梶原   拓
滋賀県知事 國松  善次
和歌山県知事  木村  良樹
鳥取県知事  片山  善博
高知県知事  橋本 大二郎

〇我が国が現在の閉塞状態から立ち上がり、活力に満ちた真に豊かな社会を実現するためには、徹底した地方分権改革による国と地方の明確な役割分担の下、自己決定・自己責任の原則に基づく地域主権型の社会を形成することが重要である。 

〇そのためには、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含む税源配分の在り方を三位一体で検討することが必要であるにもかかわらず、現在までのところ、税源移譲等による税財源措置についての議論が先送りされるなど進展が見られない。

〇このような中、小泉総理大臣が、4月の経済財政諮問会議において「まず税財源の移譲を行い、そこで出てくる矛盾を交付税と補助金で解消する」ことを検討すべきと指示したことは真に当を得たものである。

〇しかしながら、今回の地方分権改革推進会議から経済財政諮問会議に対してなされた報告は、この小泉総理大臣の指示とはほど遠いものとなっている。

〇報告の内容は、国庫補助負担金の廃止・縮減を先行的に示しながら、自律的な地方行財政運営において不可欠な税源移譲等による税財源措置について具体的に触れられていない。
  また、交通安全対策特別交付金の見直しなど現行制度でも地方の自主的な行財政運営に支障のないものが含まれており、さらには、必置規制の見直しについても早急に実施に移すべきであるにもかかわらず引き続き検討を進めるとしているなど、地方の実態との間のずれやスピード感に欠ける印象は拭えない。

〇これでは、前述の小泉総理大臣の指示に沿わずに、国庫補助負担金の廃止・縮減を先行させようとするものであり、ともすれば自分の庭先のみ小綺麗にしようとする財政当局の意向に沿ったものと受けとめざるを得ない。また、分権型社会の構築にあたって不可欠な、国と地方との信頼関係を損うものと言わざるを得ない。
  国庫補助負担金の廃止・縮減を先行させることなく、税財源の移譲の議論を早急に具体化することが必要である。

〇また、地方交付税についても具体的に触れられていないが、地方債で事業を実施し後年度その元利償還金を地方交付税で補填する仕組みはハード事業を助長させるとともに、地方交付税を「先食い」していることにほかならず、本来の中立的な仕組みに変えるべきである。

〇国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含む税源配分の在り方について、短絡的な財政改革の視点ではなく、文字通り三位一体として改革を進めていただきたい。
  その際には、地方の意見をよく聴取しながら進めていただきたい。

以上、三位一体改革の在り方を考える知事有志の連名により、緊急に提言する。

平成15年5月13日 

 


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