知事の定例記者会見

公開日 2007年12月08日

更新日 2014年03月16日

知事の定例記者会見

平成18年1月23日16時00分から(県庁二階 第二応接室)

(項目)
 ・18年度当初予算(1)
 ・県警の捜査費
 ・定住促進への取組
 ・18年度当初予算(2)
 ・グリーンピア土佐横浪への貸付に係る判決
 ・指定管理者制度
 ・政治資金パーティーによる資金の使い道
 ・「功名が辻」の放送スタート
 ・財政難の自治体に対する「破綻法」の制定
  



18年度当初予算(1)
(上田:NHK記者)
 最初に幹事社のほうから質問させていただきます。

 来年度の当初予算案の知事査定がそろそろということなんですけれども、ことしの査定の方針。それから、ポイント。あとは、優先順位の高い事業として「こういうものを考えている」というものがあれば、ちょっとお聞かせください。

(知事)
 一応、地方交付税と臨時財政対策債の削減分がどれぐらいになるかということが、ほぼ確定的になってきて、大体、合わせて40億円あまりの減額になるということです。

 で、そうなりますと、およそ200億円あまりの財源不足が生じるということで、これまで予定をしておりました基金の取り崩しなどに加えまして、退職手当基金をさらに取り崩す、また減債基金のルール外をさらに取り崩すというようなことで、18年度予算はほぼ財源手当てとしては組める形になってきたということを感じています。

 ご質問と少し別のことを先にお話しすることになりますけれども、今後、19年度以降はさらに厳しくなっていきますので、例えば起債の借り換え等によって、少し公債費、借金返しを平準化していくことで、1年1年の負担を減らすというようなことをさせてもらえないかということを、金融機関などとお話し合いをするということを、併せて続けております。

 予算の重点、優先度ということですけれども、やはりこういう厳しいときだからこそ、教育とか福祉とか、また地域経済への影響ということを十分に考えていかなきゃいけないと思っていますし、そういう面でのしわ寄せが出ないように、影響をなるべく少なくということを考えております。

 教育で言えば、例えばですけれども、私学助成なども、前年の県の単独のつぎ足し部分はそのまま確保する。

 例えば交付税や国の補助などで、少し、昨年に比べれば増額になった分も、その分を差し引いたりせずに、県の単独分は同じ額でいくというようなことで、話し合いを進めております。

 それから、義務教育、小学校の30人学級の問題ですが、(今年度からスタートした)1・2年の30人学級に加えて、3・4年を30人学級に、ということで検討を進めてきておりますが、県単教員〔県単独で費用を負担する教員〕の数の問題でなかなか難しいという場合でも、「35人の学級編成が3・4年でできないか」というようなことを最終的な詰めとして、取り組んでおります。

 それから、地域経済ということで言いますと、今、歳出総額に占めます投資的な経費の比率が、ざっとした積み上げで20%を若干切るという形になっておりますが、やはり20%を切りますと地域経済に与える影響も大きいのではないかということから、何とか額的に数十億円ぐらい積み増すことができないかなと。

 それによって、地域経済、それは地域的なバランスということもございますし、事業的なバランスということもありますけれども、地域経済に出る影響をなるべく少なくしていきたいなということを思っております。

 このように、非常に厳しくなる中で、なるべくサービス面での影響を減らすということと同時に、当然、内部的な、管理的な経費をきちっともう一度、見積もって削減をしていくという努力を続けていかなきゃいけないと思っています。

 併せて、予算の全体的な方向性というか哲学として、県の経営方針に掲げております住民力との協働とか、アウトソーシングということもきちんと進めていけるように、そういう点にも目を配っていきたいというふうに思っております。

(上田:NHK記者)
 35人学級は3・4年でできるような感じで、予算を組める目途が・・・。

(知事)
 まだ、そこまでは・・・。知事査定でそういうことを議論していきますが、知事査定の大きな項目だという認識でございます。

 教育委員会としては、「ぜひとも3・4年を30人学級で」ということで、秋の政策協議以降、話をしたんですが、これだけ財源的に厳しくなってきますと、県単教員の人件費が占める比率というのが、本県の場合、かなり際立っておりますので、そうした中で、「30人学級でなければ、何とか35人学級で」ということで、その分、何人かの教員数が変わってくるわけですけれども、という議論が上がってきておりますので、ほかとのいろんなやり繰りができれば、できるだけそういうことを実現していきたいなという自分自身の思いではございます。

(上田:NHK記者)
 あと、住民力やアウトソーシングということで、もう少し具体的に「例えばこういうことがある」という・・・。

(知事)
 多分、そういうご質問が出るだろうと思って、個別の事業も見てこようと思いましたけれども、なかなかちょっと時間的な余裕がなくて、今この場で「例えばこういうものが出ています」というところまでお答えできないんですけれども。

 きょうの庁議でも、NPOとの協働ということでNPOセンターの方にも来ていただいて、お話をしていただきましたけれども、最後の詰めまでのところに付け加えていければ、協働などの考え方というものを事業の中に取り組めるようにはしていきたいと思っています。
 

県警の捜査費
(上田:NHK記者)
 では、次の質問ですが。
まもなく提出される見通しの県警の捜査費について、「使い道に問題がある」という報告書が出た場合の知事の対応についてお聞きしたいんですが。

(知事)
 それはちょっと、(報告書が)出てみないと、表現の仕方だとか、(仮にご指摘のような内容の報告が出たとしても)「何らかの疑問、疑惑が生じたその根拠が何か」というようなご説明が当然あろうと思いますので。

 そういう内容を見ないと、それに対してどういうスタンスで臨むか、また対応するかというところまでは、今の時点ではお答えできないと思います。

定住促進への取組
(上田:NHK記者)
 そうしましたら、次の質問ですが。
 県の人口が80万人台を割り込んだことに関連してなんですが。来年度以降、県として、具体的に定住策としてどういうふうな施策を検討しているのか、お聞かせください。

(知事)
 定住策というのは、非常に気の長い話であっても、やはり産業振興とか雇用の場を地道につくっていくということに尽きると思いますので、そのためのいろんな事業、施策というものが、そういう定住策につながっていくと思います。

 そのことと別で言えば、政策推進(課)で進めております例のリタイアメントタウンを専門の職員も置いて、少しスピード感覚をもって、具体的に進めていきたいということを思います。

 専門職員を置くということと同時に、市町村ですとか、関係するNPO的なグループですとか、そういう皆さん方に積極的に働きかけて、関心のある市町村を具体的な対象として、少し目に見えるような形で話を進めていくということをしていきたいと思っています。

 それから、一般的な少子化の問題としては、例の「少子化の担当窓口を」ということをお話ししておりましたが、各部局長、理事さんとのお話の中で、今のところ、健康福祉部の中にそういうセクションを設けていこうということで、検討しております。

18年度当初予算(2)
(竹内:高知新聞記者)
 18年度当初予算のことなんですが。交付税、臨時財政対策債の減額幅が、思ったより少なかったという表現をされて、地域経済に出る影響はなるべく少なくしたいというお話でした。

 見積額は4,355(億円)だったと思いますが、これからの知事査定の中で、知事の裁量の中で、見積額を上回る最終的な額ということも念頭に置かれていますか。

(知事)
 まず、2つのことをお答えしたいと思うんですが。「思ったより・・・」とまでは、なかなか言い切れません。
交付税にしろ、臨時財政対策債にしろ(減額された額は)大変大きな額ですし、影響も大きいと受け止めています。

 が、あとさらに10億~30億円ぐらい、そういう交付税、臨時財政対策債の削減がくる可能性があるというところは、どうにか40数億円というところで押しとどまったのではないかということをそのまま事実として受け止めているということです。

 で、その中で、「何かプラスにしていくのか」ということですけれども、ここはいろいろ数字的なやり繰りのことがございますので、今、おっしゃった額に、そのまま歳出の額が増額になっていくということには、多分ならないだろうということを思います。

 何を申し上げたいかと言いますと、19年度に向けての努力として、起債の借り換えをすることによって、少し平準化をして年々の負担を減らしていくということを申し上げましたが、そのことが、金融機関等のご理解を得て、具体的にできるということになりましたときには、18年度も公債費が減るということになります。

 ですから、その公債費が減った分、その分の積み増しをするということになりますので、歳出総額として、今言われた額にポンと上乗せということにはならないんですが、実態的には使えるお金をそのように増やすことによって、投資的な経費があまり落ち込んで、地域経済に影響を与えないようにしていきたい、ということを考えています。

(竹内:高知新聞記者)
 そうしたら、数字の話で言えば4,355(億円)の範囲内での検討?

(知事)
 ええ。4,355(億円)ありきで「範囲内で」ということじゃないんですけれども、それに例えば「何十億(円)という額が少し上乗せできますね」というときに、それが4,355(億円)を大きく上回るようなことになるかというと、それはさっき申し上げたようなデコボコで相殺されるので、「そうはなりません」とう意味で申し上げました。

(竹内:高知新聞記者)
 まだどうなるかは、ちょっと分からないけども・・・。

(知事)
 数字的にどうなるかは、ちょっと今の段階では、まだ分かりませんけれども、投資的経費を増やしたいということは、私自身もそうですし今組んでいるものよりは投資的経費を増やしても、18年度、19年度と、ほぼ予算を組む見通しがつくということで、庁内の合意が一応得られているというところで、その使い方をこれからどうしていくかというところは、早急にまた、庁内で話し合いをしなきゃいけないというふうに思います。

(竹内:高知新聞記者)
 その投資的経費といえば、代表的には普通建設事業費とかそういうところ?

(知事)
 そうですね。そうなるかどうかは分かりませんけれど、事業名の具体例で言えば、1.5車線の道の整備を少しでも増やすとか、それから河川改修によって災害時の被害を減らしてほしいというふうなご要望もあります。

 こういうようなことだとか、また国の補助がつく事業に使うことによって、少ないお金で投資額を増やして地域経済に少しでもいい影響を与える努力をする、というような選択肢があるんじゃないかと思っています。

(亀岡:朝日新聞記者)
 例の駅前の複合ビルとか、まちづくりの事業なんかについては、どの程度の優先順位ということになりますか。

(知事)
 駅前の複合ビルは、まだ18年度予算では、何も形が出てくるものではありませんので「18年度予算として」ということにはなりません。

(釜本:時事通信記者)
 投資的経費を増やすという方針ですけれども、いわゆる当初(予算)段階で増やしてしまうのか。
それとも、公債費の交渉がうまくいった段階で、補正でどんどん積み増していく形になるのか。どちらを想定されていますでしょうか。

(知事)
 お相手のあることですので、公債費、起債の借り換えについての話が、今後、どうなっていくか、ちょっと分かりません。

 けれども、お話としては、かなり最終段階にまで来ているというふうな報告を受けておりますので、ご理解がいただけて、そういうようなことができるのであれば、できるだけ早く当初予算の段階から数字的なものをお示しするほうが、地域の皆さんにとっても心理的な効果としてもよいのではないかというふうに思っておりますが。

 そうできるかどうかは、まだちょっとしばらくの時間的な経過が必要です。

(内田:毎日新聞記者)
 投資的経費の話なんですけれども、パーセンテージとして、ちょっとでも増えればという意味合いなんでしょうか。
額面としては、全体的に減っているんで、多分、前年より額が増えることはなかなか難しいとは思うんですけれども。

(知事)
 パーセンテージだけ増えればということではございませんけれども。

 先ほども言いましたように、今、組み立てている歳出の内容から見れば、投資的経費が20%を割る数字で出ています。割ると言いましても、1コンマ何パーセントという数字ですけれども、20%を割るという形になっております。

 大ざっぱな目安というか、それこそ心理的な影響というようなこともいろいろ含めて、何かの根拠があるという意味で申し上げているわけではないですけれども、やはり20%は確保していくということが、地域経済の落ち込みを防いでいく。

 また、少し全体のものの動きが出てきた中で、もし、右肩に上がっていく、また、そこを抜け出していくという勢いが出るのであれば、その勢いにブレーキをかけるようなことがないようにという趣旨で、20%という数字を出しておりますので、そういうことが実現できるような、そして、一方で歳入から見積もった限度というものがありますから、その中で数十億という額を上乗せできるんではないかということでございます。

グリーンピア土佐横浪への貸付に係る判決
(北村:高知放送記者)
 話は変わりますけれども。先日〔1月20日〕、(財)グリーンピア土佐横浪への貸付について、一部償還を命じる判決が出たわけなんですけれども。

 また、やみ融資のときと同じように、公益性というものが考慮されない判決が出たといいますか。知事、コメントを出されておったんですが、あらためてお考えをいただきたいのですが。

(知事)
 県としては、公益性のある支出だということを考えましたので、今後、判決文をよく読んで、控訴審で争うのかどうかということを検討していきたいと思っています。

 昨年でしたか、裁判所から和解の勧告がございました。

 ということは、裁判所としては多分、違法性が強いというふうに受け止められ、だけれども、今の裁判の手続きからいって、そのとき最終的な決済をした職員にのみ責任を負わすということも、いささかバランスを欠くのではないかと、多分お考えになったのではないかと。

 そういう中で、何らか、原告、被告でお話し合いができないかという投げかけであったろうと思いますので。

 県の主張から考えれば、県がこれまで十分に検討して判断した決断ですので、そのことに関して言えば、コメントで出しましたように、意外な判決ということになりますけれども。

 まあ、こうした判決が出る可能性ということは、ある意味、想定もしておりました。ただ、今も言いましたように、県としてはきちんと公益性ということを考えた上で、判断したことでございますから。

 それが本当に司法の場で認められないことかどうかというものは、よく判決文を読んでからでないと結論は出ませんけれども、もう少し審理をしていただく必要があるんではないかということは感じています。

(北村:高知放送記者)
 県の職員が業務に当たるうえで、今後また、委縮とかそういうことにつながらないかという懸念がありますけれども。

(知事)
 それは、それぞれの職員の人によって、いろいろ受け止め方は違うと思いますし、また、私ども上に立つ立場の者としては、そういうことにならないように努力をしていかなきゃいけないというふうに思います。

(池:高知新聞記者)
 貸付金の時期の話なんですが。(平成)12年の2月議会か、13年の2月議会か、ちょっと忘れましたけれど、知事がよさこい高知国体の関連で、宿泊施設としてグリーンピアを継続する必要があるという意志表明をされたのが14年度15年度の継続につながっています。

 公益性を主張された県の立場というのは分かりますが、政策判断としての貸付が結果として違法というふうに認定されているということについて、判決が求めた、単にはんこを押した職員への求償というものとは別に、知事ご自身の責任も出てくるかと思うんですが。そこについて、ご自身でどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。

(知事)
 私は、政策判断に違法性があったとは思いません。その一言に尽きます。

(池:高知新聞記者)
 判決の中身は、そういった政策判断、政策上の目的であるとか、そこはイコール公益性というものになってくるんでしょうが、そこについての具体的な検討というものが、僕の個人的な感想としては、それほどあったようには思えませんが、知事はどの程度、今、判決文を読んでいらっしゃるのか知りませんけれども、そういった判決の検討した対象になっているものに対するお考えというのが「意外だ」というところにつながってくるんでしょうかね? そのあたりのお考えも、ちょっと聞きたいんですけれども。

(知事)
 ちょっと、かみ合っているかどうか分かりませんが。私、知事として協議にも参加をし、また県庁全体として担当の者ときちんと話し合った上で、公益性がある支出だというふうに判断をしましたので。

 それに対する個別の判決内容を、詳しくは読んではいません。読んではいませんけれども、その公益性が認められなかったということは、私にとっては意外だということです。

(池:高知新聞記者)
 確認ですけれども、控訴の方針ということですか。

(知事)
 いや、まだそこまでは話し合っておりませんし、報告も聞いておりません。

(池:高知新聞記者)
 判決をそのままのむわけにはいかないというような判断があるんじゃないでしょうか。

(知事)
 いや。これまでの県の姿勢として公益性というものを訴えてきたわけですから、そのことが認められなかったというのは意外だし、そのまま受け止めることができるかなということを、私としては思いますということを正直に申し上げましたけれども、県としての判断は、まだこれからでございます。

(亀岡:朝日新聞記者)
 これまでの口頭弁論でも、一応、県のほうとしては「有る無し」という根拠にかかわらず、公益性があるんだという、そういう趣旨のご主張だったと思うんですが、そのあたりが、判決ではまったく償還の可能性はなかったということにおいて、結論的には違法であるというような認定の仕方だったと思うんですけど。

 償還の可能性がなかったということについてのこういう議論というのは、何かお考えのことはございますか?

(知事)
 公益性を判断の中に加味するかどうかということと、償還の可能性がまったくなかったかどうかというところは、県の側から言えば、県の主張の2つの点ですので、それぞれ別の意味を持っているというふうに思います。

 で、先ほども言いましたように、全貌(ぜんぼう)を詳しく判決文として読んでいるわけではございませんので、分かりませんけれども、結局2つの主張が、いずれも否定をされていることであろうと思います。

 県としては、償還の可能性についても、長期的に見て、まったくなかったわけではないというスタンスに立って主張してきたものというふうに受け止めていますし、また、さらに公益性をもって判断をしたものだということも申し上げてきておりますので、そのいずれもが認められなかったということは、大変残念なことだと言わざるを得ません。

(池:高知新聞記者)
 訴訟の当事者でいらっしゃるから、お話はしにくいのかもしれませんけれども、全国的に事業としてグリーンピア全体、13施設のうち7施設は大赤字で、さらに、年金の財政にも3,600億円ですか、大きな損失が出ていると。

 この結果をもってして、納税者あるいは年金を納めている層からすると、怒りなり、このまま年金、税金で補てんされてしまうということへの不満、やる方のなさというのが非常に大きいと思うんですが。

 これをどう総括するものかというものを、訴訟を終わったあとの作業になるのかもしれませんが、知事として、グリーンピアを請け負った、県の一当事者として、どんなお考えをもっていらっしゃいますか?

(知事)
 それはまさに、私自身の思いというのはあります。ありますけれども、最初に言われましたように、訴訟が終わってから、きちんと片が付いてから申し上げるべきことであって、今の時点でということはいろんな影響があろうと思います。

(池:高知新聞記者)
 それは、経営責任に関する総括ということでしょうか?

(知事)
 経営責任についても、総括はしなければいけないとは思います。だけど、そもそもの国の在り方、国がこの事業を進めたことの問題点だとか、そこに政治が介在をしたことの問題点だとか、さまざまな問題点があろうと思います。

 ですから、県だけではなかなか総括し切れないぐらい大きな問題ではないかということは思いますが、その中で、県がそこに介在をし、経営責任を持ったということについての総括はしていかなきゃいけないということを思います。

指定管理者制度
(上田:NHK記者)
 別の質問なんですけれども。先日の会見で、指定管理者制度の話がちょっとあって、場合によっては県の幹部が引き揚げる可能性もちょっと示されたんですけれども。

 その後、何か具体的に「この団体をこうする」というような話は、検討がありましたでしょうか?

(知事)
 個別の団体について、どうするという結論までは聞いておりませんし、至っておりません。

 それぞれの、例えば牧野植物園ですとか、コンベンション協会ですとかということについて、担当部局との協議はしましたけれども、まだ結論として「こうする」というところまでは至っておりません。

政治資金パーティーによる資金の使い道
(竹内:高知新聞記者)
 少し前の話で恐縮なんですけれども。去年、政治資金パーティーの(資金の)使い道に関しては、人材育成とかそういうことに役立てたいというお話でしたけれども。その後、何か・・・。

(知事)
 その人材育成の件は、あのパーティーの資金を使って、例えばどこか場所を借りて、たまり場的にして少し話をしながら人のネットワークをつくり、また、人育てということをしていきたいと思いました。

 ただ、1つは、別に民間の方でそういう政治資金を使わずにそういう学生さんなどが集まる場をつくってやっていこうというお話があり、やはり橋本大二郎個人にそういう思いがなくても、政治資金を使ってというと、政治家とのつながりができて、そういうことを嫌がる若い人も多いのではないかと。

 そういう形でやるよりは、もう少しニュートラルな形でやって、そこに知事が、橋本大二郎が介在をしていったほうが、もっと本来の趣旨に合うんではないかということを言ってくださる方があって、「それはそうだね」ということに、今は、その部分はなってきております。

(竹内:高知新聞記者)
 まだ具体的にどうということまでは、いっていないと。

(知事)
 そこが、借りてやろうとしたところがダイエーショッパーズ絡みであったために、頓挫をしたというか・・・。

(釜本:時事通信記者)
 現状、動いていないということですけれども、その場合に、政治資金としてお金は実際に残っているわけで。後進の若者に使わない場合の使い方として、何か考えているようなことはあるんでしょうか。

(知事)
 現状は、ほとんど使わないまま、通帳の中に入っております。で、今、具体的に「こういうことに使う」というテーマを、正直言って持っておりません。

「功名が辻」の放送スタート
(池:高知新聞記者)
 NHKの大河ドラマの「功名が辻」が始まりましたが、「やや低い」と言われる視聴率について、元テレビマンとしてどう見ていらっしゃって、知事として、今後、盛り上げにどう取り組んでいくかというところをお聞きしたいんですが。

(知事)
 大河ドラマは、私もNHKにいたとはいえ、ドラマ畑とはまったく関係ありませんので。

 それこそドラマの人間から聞く伝聞ですけれども、要は、話題をバーッとつくっていって、初回からドーンと視聴率を稼ぐというスタイルと、地道に視聴率を上げていくという昔ながらのスタイルがあって。

 今回の大河ドラマは、ジャニーズ系の人やなんかを使ってバーッというやり方を少し修正して、非常に一般的な意味で広い層にファンを持つ、また、知られた俳優さんを多く使うことによって、物語として親しみ(を持ってもらって)、見せていこうという形になっているので、視聴率としてはそういう形で伸びていくのではないかというふうに期待をしております。

 また、実は、去年まで、ほとんど大河ドラマを見たことがありませんでしたが、今回だけは3回続けて見ておりますし、きのうはちょっと、午後8時は外に出ていたんで見られませんでしたけれども、10時から衛星放送の分で見ましたが、私は、非常に見やすくて、分かりやすくて、大河ドラマらしい面白いドラマだし、そうなっていくんではないかということを思います。

 高知県の観光としては、やはり民間の方に頑張っていただくということしかないのですね。

 やはり高知の人というのは、欲がないというのか。「功名が辻」なんかで「もうける種なんて、そこらへんに落っこっているのに、なかなか拾おうとされないな」というのが正直な印象です。

 それこそ名前だけかぶせれば、それで売れるたぐいのお菓子だとか、そういうものも、ほとんど県外なんですよね。

 そういうことを潔しとしないとか、いろんな思いが多分あるんでしょうけれども。私は、やっぱり「せっかくのチャンスを、もっとどん欲に使っていくという気持ちが欲しいな」と。

 県外から来られているような方も、口をそろえてそう言っておられて。「高知の人っていうのは、そういう意味では、もったいないですね」と言われますし、私もそう思います。

 まあ、そう言ってもいられないので、もったいない宝物を少しでも何か掘っていくように、努力をしていきたいと思います。

(吉川:テレビ高知記者)
 (今、知事が着ているのは、二十四万石博の)鮮やかなジャンパーですけれども、これから時々、着ていかれるんでしょうか。

(知事)
 よほど場違いのところでなきゃ、着ていきたいと思います。

財政難の自治体に対する「破綻法」の制定
(内田:毎日新聞記者)
 ちょっと関係ない話なんですが。先日、知事もブログで書いていらっしゃったんですけれども、竹中総務大臣の懇談会で破たん法制定を検討するということに対して、知事自身は、一部「僕はその考えに賛同する」みたいなことを書いていらっしゃったんですが。

(知事)
 中身はまったく分からないので何とも言えませんし、国がいろんなことに理由をつけて関与を強めるということであれば、それは反対です。

 けれども、バランスシートなどの作り方とかいろんなやり方がありますので、一概に言えませんけれども、地方の中で、やはりもう少し、地方経営というものに責任を持って総括をし、見詰め直す、また、そういう仕組みをつくっていくということは必要だと思いますので。

 破たん法という名前で、国が何か地方自治体の中に手を入れて「おまえたちはこうこうだから、国で直轄管理をします」という口実に使っていくのであれば、それはいいことではありません。

 けれども、地方の中で、その地方の枠内の中で評価をしていく仕組み、それは、その地域に住む住民の皆さんの評価ということになりますけれども、そのことは必要だと思います。

 さっきのグリーンピアで言えば、やはりグリーンピアにかかわった県の経営責任とかいうことを総括をするというのも、そういうことにつながっていくだろうと思いますので。

 そういう意識をやはり地方が、地方自治の枠の中で持っていくということが、破たん法のご趣旨そのものとは違うんでしょうけれども、必要だということを思うんです。

(記者)
 そのことに関して、何か知事から発信をする・・・。

(知事)
 その内容が分からないと、何とも発信のしようがありません。

 では、ありがとうございました。

(会見終了)
 
 


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