「高知県の道路整備を考える県民総決起大会」での挨拶

公開日 2008年01月25日

更新日 2014年03月31日

「高知県の道路整備を考える県民総決起大会」での挨拶

平成20年1月20日(日曜日) 県民文化ホール

高知県の道路整備を考える県民総決起大会でのメンバーの更新

 

 

 皆さんこんにちは。高知県知事の尾﨑正直でございます。

 主催者のひとつである高知県を代表してご挨拶を申し上げます。本日は、急なご案内にも関わりませず、このようにたくさんの方々にお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

 昨年来、県内をくまなく回っておりますが、その度に、地域地域の道路整備のご要望を強く承って参りました。県民の皆さまお一人お一人が、いかにこの道路整備というものを願っておられるか、切に実感したところです。

 また、本日は1階ぐらいしか埋まらないかなと思っていましたが、2階も満杯でございます。皆さまのお集まり具合一つを見ても、いかに高知県において道路整備に向けたニーズが強いのかを実感しているところです。

 昨年、県が実施しました県民世論調査の結果を見てみますと、厳しい財政状況の下でも「道路の整備を優先して進めるべき」という意見が50.6%で、「道路の整備は我慢すべき」の29%と「十分整備されているので必要ない」の3.5%とを大きく上回っていました。

 また、具体的にどのような道路整備が必要かという問いかけに対しては、「落石などの災害を防ぐ整備」や「歩道や自歩道の整備」という日々の身近な暮らしに直結する意見が多くを占めていました。

 日ごろ通っている道路が、大雨の度に土砂崩れなどで通行止めになる。救急車も十分にすれ違うことができない。また産業振興を図ろうとしても、その基盤となる道が整備されていない。このような状況を憂いておられる県民の方々の声が、この数字にも表れていると考えているところです。

 そのためにも、ぜひこの道路特定財源にかかる暫定税率の維持が絶対的に必要でございます。しかしながら、この暫定税率が維持できるかどうか、これはこの通常国会における国会論議にかかっているところです。

 先日、皆さん方もご覧になられたことと思いますが、共同通信による電話の世論調査によりますと、揮発油税などの暫定税率維持に7割の人が反対したとの結果が出ています。

 これは、昨年来からの原油価格高騰に日々の生活に苦しむ人々の声が反映されたものと思われますが、しかしながら、この暫定税率が道の整備を通じて、結果として人々の福祉や生活や医療そのものに関わるということをしっかりと説明していたならば、この世論調査の結果も大いに変わってきたのではないでしょうか。

 原油価格の高騰ですが、サブプライムローンの問題に端を発する金融的な資金、投機的資金の投機的マネーの流れが原油に向かったことによって、このように高騰したのではないかと言われています。

 金融的な要因、このような流動的、一時的な要因によって県民生活、国民生活の根本に関わる問題がなおざりにされていいはずがないわけです。何としても暫定税率を堅持していくことが絶対的に必要だと、私たちは考えています。

 仮に本則税率になると、ガソリンの値段は1リットル当たりおよそ25円、軽油は17円安くなり、原油高騰前の価格水準に近づくため歓迎する声も多いと思われますが、しかし本県の道路整備は根本的な見直しを迫られることとなってしまいます。

 8の字ルートは元より、日々の生活に関わる地域の基幹道路の整備さえもできないという状況になるわけです。高知県においては死活的な問題です。

 更に私は、この問題は実は地方対都市という対立の問題でも、決してないと思っているところです。

 私はつい最近まで東京にいましたけれども、東京におきましても開かずの踏切問題、基幹道の渋滞問題、これによって病院への救急車の到着が遅れてしまうということが多々起こっています。

 都会においてもまだ道路整備は必要であります。そして都市部であるこの高知市においても、道路整備は引き続き必要です。

 地方においても都市においても必要な、この道路整備を進めていくためには、暫定税率を堅持していくことが何としても必要である。このことを決して高知県だけのエゴということではなくて、日本全体の課題として、これから国会をはじめ日本全国に発信していくことが必要だと考えています。
 
 また、高知県においては皆さまご存じのように、今年3月から「花・人・土佐であい博」は開催されます。

 私はこれを滞在型、体験型観光の起爆剤にしたいと考えているところですが、このような観光振興を図る点でも道路の整備が何としても必要であることは、私が申すまでもなく皆さまは理解されていることと思います。

 高知県においては、これから厳しい財政状況の下ではありますが、暫定税率が維持できれば何とか着実に、日々の生活に関わる道の整備を行っていくことができます。人々の生活に安全・安心を与えることができます。そしてまた、8の字ネットワークにつきましても、この10年の間に次々と完成されていくところです。

 本県の道路事情が大きく変わってくる、この大切な10年であります。そのためにも、この10年間、暫定税率を何とか堅持することが大切だと、私は強く思っているところでございます。

 本日のこの県民総決起大会を契機に、高知県民の声を、日本国民にとってもまた必要なこととして全国に発信していきたいと考えています。皆さま頑張りましょう。

 

 

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