知事の定例記者会見(平成20年11月10日)

公開日 2008年11月15日

更新日 2014年03月31日

知事の定例記者会見

平成20年11月10日(月曜日) 13時50分から14時40分まで(第一応接室)

目次


会見をする知事

 


 

記者会見のスタイルと政策説明 (1)

(知事)
 皆さんこんにちは。急なことで大変申し訳ございませんが、記者会見のスタイルを(従来の着席スタイルから立ってお話しするかたちに、また冒頭に私から少しお話しさせていただくかたちに)変更させていただきたいと思っています。

 知事に就任いたしまして、約11カ月という時間が流れました。この間、「どうしてこんなに高知県の県勢というのは低迷をしてしまったのか」ということをずうっと考え続けてまいりました。そしてまた、次に県勢浮揚に向けて動き出していくためのいろいろな仕込み、仕掛け、これも一生懸命行ってまいったつもりでございますが、11カ月経ってきて、そろそろこの今までの仕掛け、仕込みを生かして行動に移す時がやってきたのかなと、そういう思いでございます。

 県勢浮揚、この課題に向けて、例えば産業振興も図っていかなければなりませんし、また教育改革についても真剣に取り組んでいかなければなりません。しかし、いざ行動に移そうというような話になった時に本当に思いますのは、いろいろな県政上の課題を解決していくためには、県勢を浮揚させていくためには、官と民との協力、これが不可欠だということであります。県庁だけがどんなに声を上げても、民間の方々の協力がなければ空回りということになってしまいます。

 必要なことは官民協働型の県政を実現できるかどうか、この点に懸かっているというふうに思っています。ただ、官民協働型の県政というのであれば、やはり官、県庁の側から今、県としてはどのようなことをしようとしているのか。今後どのような政策を打っていこうと考えているのかということについて、県民の皆さまに分かりやすくお伝えすることが大切だと思った次第でございます。

 そういうことから、本日の記者会見から冒頭、私のほうで今、県がやろうとしていること、特に重要なトピックスについてお話しを簡単にさせていただきたいというふうに思っています。また県のホームページも活用いたしまして、「政策トピックス」というコーナーを設けさせていただきまして、そこで私自身、どういう政策を進めていこうとしているか、分かりやすくご説明をさせていただきたいというふうに思っています。

 官民協働型の県政が実現できてこそ、いろんな県の課題は解決ができます。具体的なアクションを起こすことができます。そのようにしていきたい、そのための取り組みの一環であるということでございますので、何卒皆さま方のご協力をよろしくお願い申し上げます。

産業振興計画の中間取りまとめと予算編成

(知事)
 ということでございまして、まず本日冒頭、私から申し上げさせていただきたい政策面の課題でございます。

 先週末、11月4日でございますけれども、産業振興計画の中間取りまとめを行いました。こちらにつきましては、別途記者会見もさせていただいたところでございますけれども、この産業振興計画中間取りまとめ、私といたしましては、小手先の対応ではなくて、根本的な課題に抜本的に対応する、正面から取り組む計画になっていると考えているところでございます。

 今後、まもなく今月末に概算要求の締切を行いまして、具体的な予算編成作業を始めていくわけでございますが、各施策につきまして、それぞれについて今、施策の方向、そして概ねの概略、姿というものをお示ししております。

 これをできる限り具体化していく。この作業にかかっていきたいと考えているところでございます。ただ、その過程では、できる限り多くの県民の皆さま方から、お知恵を賜りたいと考えているところでございます。

 パブリックコメントを実施いたしますが、併せまして地域に溢れるいろいろなアイデア、これを具体的に雇用や収入を得るための形にしていくため、地域アクションプランの策定、これに力を入れていきたいと考えておるところでございます。机上の空論であってはいけません。机上の空論でないようにするために必要なことは、根本的な課題に正面から取り組むということが第一、そして二番目に地域の皆さま方、県民の皆さま方の活力とともに歩むということでなければならないと考えているところでございます。

 概算要求が11月の末に取りまとめられましたら、その概算要求の中身自体を私自身精査をさせてもらいたいと考えています。県庁の職員の皆さんとまた徹底した議論をさせてもらいたいというふうに考えています。

 そして、その結果を県民の皆さまにもお示しをしたいし、産業振興計画検討委員会の委員の皆さまとも、この点を踏まえた議論をいろんな形でさせていただきたい。そして県民の皆さまからのいろいろなご批判やご提言を踏まえた形で、またお願いしたい、そのように考えております。

県立大学改革

(知事)
 もう一つ、非常に大きな課題でございますが、県立大学の改革についてでございます。先の9月の県議会で県政上の長年の懸案となっておりました県立女子大学につきまして、池キャンパス整備の予算をお認めいただきました。

 池キャンパスの保健医療福祉系学部の整備につきましては、これをもって具体的に歩みを進めることとなります。去年6月議会と9月議会ともに否決された案件、長らく県政(課題)が停滞をしておりましたけれども、9月の議会によりましていよいよ具体的にこの県立女子大学(の整備)を推進することができることとなりました。長年停滞しておったものがいよいよ動き出したということであろうかと考えております。

 そしてまた、この県立大学の改革の問題は池キャンパスの整備に留まるものではございません。今後の永国寺キャンパスの整備を含め、また公立大学法人化を進めることとしております高知工科大学との連携の観点も含めた、より視野を広げた形での大学改革を進めていかなければならないわけでございます。

 特にこの永国寺キャンパス、こちらにつきましては高知県にとって必要な社会人教育を充実させる場としてのあり方はどうなのかということ、そしてまた県内の高校生の皆さんのニーズの強い社会科学系、人文科学系学部の整備のあり方として、どういうものが必要かということを検討していかなければなりません。

 ただ、この大学の改革でございますが、ひとえに県当局の考えだけでもいけません。大学の皆さんとのお話もしっかりしていかなければなりませんし、そしてもう一つはこの大学の真のユーザーであられる県民の皆さんのご意見もよく聞いて、そのあり方を決めていかなければならないという思いでございます。

 そういうことで永国寺キャンパスのあり方を考えるための検討委員会、こちらを11月中に設置させていただきたいというふうに考えております。こちらには大学関係者のみならず、民間、有識者の方々、そしてまた教育関係の方々にもご参画いただいた上で、委員会形式で検討させていただきたいと考えています。

 そして1か月、2か月という、そういう短い時間ではなくて、多くの方々の意見も賜れるようにするために1年ほどかけて、永国寺キャンパスのあり方の検討を行っていただきたい。そのように考えておるところでございます。

 (県立大学改革については、これまで)5つの視点ということを申し上げました。

 女子大と工科大学との連携が必要であります。視野を広げて考えていく必要があります。

 そしてもう一つ、県勢浮揚、産業の振興という観点から、また生きがいづくりという観点から、何よりも県民の皆さま、学ぶ意欲を持っておられる方がたくさんいらっしゃいます。そういう方々のご要望にお応えするためにも社会人教育の場を充実させていかなければなりません。

 そして社会科学系、人文科学系の学部、残念ながら県内では、極端にこの分野、非常に学ぶ機会が少なくなっておりますので、この機会を増やしていきたいと考えております。

 そして県政上の大きな課題であります県市の連携。高知市との連携も図っていきたいと思いますし、何よりも財政上の問題がございます。

 財政負担を減らしていくあり方として、どのような大学の整備のあり方が、最も効率的かつ効果的かということを考えていきたい。検討委員会の皆さま方に就任をしていただきましたら、私自身も議論の場にもよく参加させていただきながら、検討内容を深めていきたいと、そのように思っています。

定住自立圏構想

(知事)
 三番目でございますが、やや技術的な点ではございますけれども、今後の県政を考える点において非常に重要な課題だと考えておりますので、一言ご説明をさせていただきたいと思います。

 定住自立圏構想についてでございます。この定住自立圏構想でございますが、地域、地域で住み続けられる国土づくりという観点から、昨年12月に福田総理の指示に基づきまして、総務省のほうで検討を進めてまいったものでございます。

 ポイントは、地域、地域に住み続けられる国土づくりを行うために、地域に一定の中心市というものを設けて、その中心市と周辺の市町村が連携をすることで、地域に必要ないろいろな行政上のニーズや経済、社会上のニーズをできるだけ満たすようなものを作っていこうというものでございます。

 これ、実は総務省での元々の検討の過程におきましては、人口5万人以上の都市を中心市として指定をし、その周辺に人が残れるようにしようという構想を立てようとしておりました。しかし、皆さんご存じのように高知県の中で5万人以上の人口がいる市というのは高知市と南国市だけであります。

 我々高知県として目指していきたいのは、それぞれの地域において、人々が住み続けられる県土づくりであります。そういう観点から、この定住自立圏構想、趣旨はいいけれども、高知県の実情には合っていないのではないかということで、いろいろと働きかけをしてまいりました。東京事務所も通じていろいろと議論を行ってきたところでございます。

 そういう中で、確かにそのとおりだということで、今回は四万十市と宿毛市、こちらが2つ合わせば5万人以上になり、また相互の連携も強いということで、中心市として指定をされることとなりました。全国の基準どおりにやったら、これはできなかったわけですけれども、何とか高知県の実情に合わせて国の制度が変更されたということです。

 四万十市と宿毛市、これを中心市として周辺の市町村とが連携をして今後地域で人々が住み続けられる、そのような地域づくりに向けた施策が行われていくこととなります。国の制度に指定されたということで、県としても今後県単独の事業などで産業振興計画なども通じて、この地域の発展に力を尽くしてまいりたいと考えておるわけでございますが、併せて国の定住自立圏構想に指定されたことで、国のあらゆる制度や国の資金というのが柔軟に、かつ豊富に活用できることとなるものと考えています。

 幡多地域の大きな発展の起爆剤になるのではないかと期待をしているところでございます。そしてまた、こういう制度、今回は定住自立圏ということで四万十市と宿毛市が指定をされたわけでございますけれども、国においてもまだ中身をもっともっと拡充していきたいということで、制度づくりにかかっている最中であります。我々からも提案を行っていき、その中身を充実させていく。高知県にも合ったものとしていくように努力をしていきたいと考えておりますが、併せて他の地域についても同様の地域づくりができるような、そのような取り組みを進めてまいりたい、そのように考えているところでございます。

 県勢の浮揚を図っていくためには、本当に県の経済を引っ張っていくような強い力を育てていくことが重要でありますが、併せて県土のいろいろな所で、もっと活力を増すためにあんなことをやろう、こんなことをやろうということが盛り上がってきてこそ、県勢の浮揚というものは成し遂げられるんだというふうに思っております。そういう観点からこの定住自立圏構想というものは大いに活用していきたい、そのように考えているところでございます。
 冒頭、私からは以上であります。

産業振興計画の中間取りまとめとアクションプラン

(末崎:朝日新聞記者)
 そうしましたら、幹事社からまず3問質問させていただきます。
 まず第1問は産業振興計画についてなんですが、先日11月4日に中間取りまとめが行われましたけれども、先ほどお話の中で、小手先ではなくて抜本的に取り組むといったことですとか、パブリックコメントの実施というお話もありましたけれども、改めてこの中間取りまとめに対する評価とですね、あと地域アクションプランの策定に向けての課題とか、より実効性のあるものにしていくために、民間との連携など、県として取り組むべきことについて、知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 先日の記者会見でも申し上げさせていただきましたが、高知県というのは今、本当に眠れる獅子みたいな状況になっているんだろうと考えています。

 正直なところ、食の点においても、自然や歴史という観点からも、そしてまた人材という観点からも恐らく全国の他の県に比べても、相当恵まれている県なのではないのかな。いわば天賦の才がある県だというふうに私は思っています。

 本当にそういう点から見てみますと、全国ナンバーワンという指標がたくさん並んでいるわけですよね。これがいわゆる高知県の強みであり、我々が持っている得難い財産だと思っています。

 しかしながら、なぜかこの才能を開花させることができないでいる。1人当たりGDPも全国第46位、全国の7割という状況にあるわけでございます。有効求人倍率もいつまで経っても浮揚しない。四国の他県は浮揚しても、(本県は)できていない。

 私はこの中間取りまとめを行うにあたって、なぜこのように才能を開花させることができないのか。その根本的な問題に踏み込まなければだめだというふうに思っています。浮揚ができない。しかしながら、それを受け入れてしまって、その周辺の諸問題にだけいくら対応したとしても、根本的な問題を解決しようとしていないわけですから、県経済が上向くわけがないのであります。正直、非常にチャレンジングな、挑戦的なことを行おうとするわけではありますけれども、今回はその根本的な問題に正面から取り組んでいくという点において、私はかつてない計画だというふうに思っております。

 人口が減少していきます。高齢化が進んでいきます。県内市場が縮小しておるわけです。では、何をしなければならないか。外に打って出ていかなければならない。地産地消を徹底した上で外に打って出ていく。地産外商ということを行っていかなければなりません。

 そしていろいろなデータを見てみますと、高知県の場合は、一次産業ですごい強みを持っているわけですけど、その一次産業の強みを他の産業に波及させていく、そのような産業間を連携させるルートというのを持っていません。

 いや、持ってはいます。個別の企業さんで頑張っておられる所はたくさんあるわけですが、残念ながら全体の数字を見た時には、そこが十分ではない。いや、四国の中でも極端にそういう点は弱い県になってしまっています。ですから、この産業間の連携を図っていくためには、どうすればいいのかということを考えていかなければならないというわけです。

 そしてもう一つ、三つ目でございますが、これは他の県にも言えることかと思いますけれども、特に強みのある一次産業の分野に、例えば農家で、そして漁村で林家で、そういう所ほど高齢化が進んで人口減少が進んでいるわけです。

 強みのある分野ほど足下が段々、段々弱まっていってしまっています。このままでは10年後には強みは強みでなくなることを自覚して、この一次産業の分野に新たに活力を入れていくための施策を考えていかなければなりません。

 園芸野菜とかいう形で今まではどちらかというと鮮度と技術の良さ、これを売りにして、高知県は多くの作物を県外に売り込んできたわけでございますけれども、段々、段々と産地間の競争が激化していく中で、これだけでは対応できなくなりつつあります。産業間の連携が極端に弱いと申しましたけれど、例えば産業間の連携を思い切り強化して、食品加工の分野をもっともっと振興できないかということを考えてみる。こういう分野であれば産業間の連携も深めることができるし、その上にかつ首都圏でも売れる商品が作れるようになります。そういう取り組みに今後邁進していきたいと思っているわけでございます。

 実はこの中間取りまとめを作るにあたりましては、一つは部局間の連携というものが非常に大きな課題となりました。県庁も他の組織と同じで縦割りの組織であります。しかしながら、縦割りの組織のそれぞれの壺の中だけで仕事をしていたのでは本当の解決策というのは創り出していくことはできないわけです。

 そういう点において、今回は産業間の連携テーマというのをあえて設けて取り組みを進めてまいりました。この産業間の連携テーマを作るにあたっては、結局、部局間の県庁の組織、縦割りの組織間の連携というものが必要になるわけです。

 これは本当にあらゆる組織がそうなのかもしれませんが、どうしても縦割りの弊害に陥りかねない。今回は関係部局長会議ということで、私自身が調整役を相務めて部局間の連携というものに取り組んでまいったつもりであります。

 今後は、今のご質問の中でご指摘がありましたが、地域アクションプラン策定に向けての課題ということです。

 まずこの地域アクションプランそのもの、皆さんもご存じのように、いろんな場でいろんなアイデアは出てきますが、そのアイデア倒れになってしまってはいなかったか。この問題に正面から、これも向き合おうとするものでございます。単にアイデアをアイデアだけで終わらせるのではなくて、雇用と収入を生む仕組みにしていくために、その地域のアイデアを出発点として具体的な対応策というのを練り上げていく過程、これが地域アクションプランの策定過程でございます。

 これは非常に重要な取り組みだというふうに考えています。この地域アクションプランを本当に意味あるものにしていくためには何が必要なのか。何よりも大切なことは地域、地域の民間の皆さま方にやる気になっていただいて、この際、いろいろと雇用・収入を生む仕組みを作っていくために頑張ってやろうじゃないかと、そういうような気運が盛り上がってくることが何よりも大切でございます。ただ、そのためにはまず誰かが旗を振って、そして汗をかかなければなりません。

 今回の成長戦略というのは一つ、その旗としての役割を果たすものであろうかと考えておりますし、また地域支援企画員、それに県庁の各出先機関の職員、市町村職員の皆さま方と共に旗振り役として、汗をかく役目を果たすものとして、今後の努力を続けていきたいと考えています。

 この産業振興計画の周知、徹底をはじめといたしまして、私自身もいろいろな形で広報に努めたいと考えておりますし、また各部の部長、さらには各出先機関の職員から地域、地域への中間取りまとめの周知ということを徹底させたい、そのように考えています。

県職員給与の減額措置

(末崎:朝日新聞記者)
 二問目です。
 県職員の給与についてなんですが、財政状況を踏まえて、県職員の給与は減額措置が続いているわけですけれども、尾﨑知事は9月県議会のなかで、「職員の志気や家族も含めた生活への影響を考えると、来年度以降の給与カットはできるだけしたくない」というふうにされながらも「結論は出ていない。21年度当初予算編成のなかで判断する」というお話がありましたけれども、具体的にいつの時点で、給与について判断したいというふうにお考えでいらっしゃるのかお聞かせください。

(知事)
 職員の給与カットという問題については、正直通常の対応ではありません。また今回産業振興計画策定の過程で県庁の職員は、従来になく、例年になく頑張ってくれた、瞬発力を発揮してくれたというふうに思っています。できれば(給与カットは)したくないわけであります。

 しかしながら、やはり県民の皆さまの税金から給料をいただいておることを考えました時、いろいろな要素を勘案しなければいけないだろうというふうに思っています。厳しさを増す経済状況の問題を考えなければなりません。そして引き続き厳しい財政状況の中で、今度、産業振興という課題を掲げています。やらなければならない仕事というのは増えてきておる、こういう状況も考えていかなければならないというふうに思っています。

 県民の皆さまのご理解が得られるのか、また果たして今後、県民の皆さんのためにやらなければならない仕事というものも合わせて考えた時に、どこまでなら実際給与として対応できるのか。そういう点、総合的に考えて決めていかなければいけないと思います。そんなに早々に、軽々には結論は出せないと思っています。熟慮に熟慮を重ねたいと思っています。

世界的金融危機の影響と経済対策

(末崎:朝日新聞記者)
 分かりました。三問目です。
 世界的金融危機への対応についてですが、他府県では市場公募地方債の発行を中止するなどの動きが出てきています。9月の会見で尾﨑知事は「県としても講ずべき対策は講じていかなければならない」とのお話がありましたけれども、その後、県政あるいは県経済に及ぼす影響をどのようにお考えでしょうか。また、麻生首相が、金融危機などを踏まえた経済対策の中で消費税引き上げについて言及しまして「政局より政策」という姿勢を示したことについてはどのように評価されますでしょうか。

(知事)
 総理が100年に一度の大変な状況だとおっしゃっていること自体、非常に厳しい状況なんだろうというふうに思います。

 日本発の状況ではない、当然高知県発の状況ではありません。アメリカ発ですし、むしろ外から始まった今回の経済の混乱なわけでございますけれども、その動きというのは日本の実体経済にじわじわと影響を与えてきていて、今や景気は後退しているという言い方をせざるを得ない状況になってきているんだろうというふうに思っていますが、その影響というのは高知県にもじわじわと効いてきていると思っています。

 元々高知県の経済は非常に厳しい、足下が厳しい状況にあったところに、このような天から降って湧いたような災厄がさらに襲ってきたわけでございまして、非常に厳しい状況ではございます。元々厳しい高知県の経済にさらに追い打ちを掛けるようにじわじわと影響が及んできているというのが、現在の状況ではないのかなというふうに思っています。

 他方で、実は明るい要素もないわけではないと考えています。一つ、一番影響として大きいのかなと思っておりますのは、これは私、今、天から降って湧いた災厄という言い方をさせていただきましたけれど、いわゆる原油価格の高騰、こちらのほうはピークのほぼ半分に近づくぐらいの形で下落をしてきました。

 園芸作物に多く使うとか、油を焚いて漁業をされる方が多いとか、それからそもそも物流をトラック輸送に頼るというのが非常に大きいとか、本県経済の構造を考えました時には、原油価格の下落というのは大きなプラス要素ではないかというふうに考えております。

 そしてもう一つ、今回、先ほど「政局より政策」ということをどう評価するかというお話がございましたが、私は「政局より政策」という今回の麻生総理のご判断というのは非常に正しいと評価しているところであります。

 私は98年、99年当時、インドネシアで外交官としてアジア通貨危機というものを見てまいりましたし、まだその当時、日本経済が金融機関の破綻によって大ショックを受けた、あの惨状というものもつぶさに、当時の国の政策者として見てまいったつもりでございますけれども、あの時の最大の問題というのは、当初経済が悪くなりはじめた時に、あまりしっかりとした手を打たないでいて、根本的にものすごくひどくなってあわてて対策を取ろうとしたことだというふうに思っています。

 今回、どちらかというと、金融面から経済危機が始まって、そしてそれが実体経済に影響を及ぼしていくという。これは前回のパターンと非常に似通っているというふうに思うのですが、前回は実体経済に本当に深刻な影響が及ぼされて初めて対応を取ろうとしました。

 けれど、今回については、先の補正予算、そして今回出されました2回目の総合経済対策をはじめとして、まだ実体経済に非常に深刻な影響が及ぶという状況になる、極めて初期の段階でこういう経済対策を打ち出したということは、経済対策の規模としても非常に小さくて済むし、また効きも大きいというふうに思っています。

 こういう判断というのは、私は優れているんじゃないかなというふうに思っております。その中には本県なんかにとっても非常に期待できる政策が並んでいますよね。高速道路料金。先ほどの原油価格の下落のデータと相まって、本県の物流構造からしますと、高速道路頼りですから、非常に中間コストの削減という点においては期待できる政策だというふうに思っています。

 そしてもう一つ、「政局より政策」ということにも関わるのかどうか、今回の経済対策について言えば、実体経済対策とともに、もう一つは金融対策というのを併せて講じています。かつての90年代の経済対策というのはどちらかというと、金融面に本当に問題があったにも関わらず、公共事業を中心としたような実体経済面での対策が主でした。そちらも意義のあることだと思いますが、やはりこれも先ほどの産業振興計画ではありませんが、本当の問題であるところの金融問題に手を付けていかないと経済の回復というのは成し遂げられないということなんだろうと思っています。

 今回、金融問題についても資本を改めて強化するというような法案の再成立を図るという対策が取られています。実体経済面と、金融面と、もう一つありますね。政府保証の枠を拡大するなど、いわゆる資金繰り対策、トータルで30兆円ということで行われることとなっています。これらについても、いわゆる金融面において問題が起こった時に一番最初に影響が出てくる資金繰りの問題に正面から取り組んでいるという点において、私は評価できるのではないかなと思っているところです。ですから「政局より政策」ということの判断は、今回は非常に良かったんじゃないかというふうに思っています。いろんな論評はありますが、私は90年代、10年前の教訓をよく生かしておられるんじゃないかなというふうに考えています。

 今後、県としての対策ということになるわけですが、ご存じのとおり、先の10月24日に臨時議会を開催させていただきまして、国の補正予算に対応した約33億円、こちらの公共事業関係の補正予算、災害対策、道路などが中心となるわけですが、こちらを出していただきました。こちらは実体経済に対応するというものであります。そして併せて金融面での資金繰り対策、こちらについても講じさせていただいています。国の緊急保証制度というものを活用しまして、県単独の資金繰り対策を講じることといたしております。「安心・安全のための高知県緊急融資」、この制度を創設したわけでございまして、こちらを併せて年末、少なくても年内の資金繰りには相当程度対応できる体制は整ったのではないかというふうに考えています。

 今後、できる限り早く、先月30日に総理が発表されました追加経済対策、生活対策というものですよね。こちらを裏付ける補正予算の成立を図ってもらいたい、そのように考えています。中小企業への金融支援策、これが9兆円から30兆円まで拡大したということは、誠に時宜にかなったものだというふうに思っていますし、

 また地域活性化生活対策臨時交付金ということで、特に緊急の対応を図らなければならない地方に対する対応というものもしていく。もう一つ、金融機能強化法、この成立は急いでもらいたいというふうに思います。早く、そして根本問題に触れる、すなわち実態経済対策とともに金融面での対応を図る。こういう経済対策をスピード感を持ってやってもらいたいと思います。

(末崎:朝日新聞記者)
 幹事社からは以上です。各社さん質問がございましたらお願いします。


追加経済対策 (道路財源の1兆円)(1)

(半田:高知新聞記者)
 追加経済対策でまず、道路特定財源ですね。1兆円を地方の実情に応じた使い方をしてもらうという目処が出ました。一方で高知県の場合は、非常に使い勝手のよい、地方道路整備臨時交付金の存続を要望してきた経緯もあります。今回の1兆円、道路特定財源の使い方について、知事はどういうふうにお考えですか。

(知事)
 (道路特定財源の一般財源化に際して配分される1兆円に関しては、)まず、(約7千億円の地方道路整備のための)臨時交付金的な制度というのはどうしても必要だと思います。1.5車線的道路整備とか、そういうことをきめ細かく行っていかなければならない県にとって、ああいう制度というのはぜひとも必要であります。

 ですから、そのままなのかどうかは別として、臨時交付金的な制度というのはぜひ今後も存続させることが必要だというふうに思っています。

 そしてもう一つ、地方財政の厳しさということを考えた時に、こういう経済が厳しくなる時ほど地方が独自の政策を打っていかなければいけないんですね。ですから、そのまま充てられるのかどうかは分かりませんけれども、(1兆円を地方の実情に応じて配分する仕組みとして)交付税というとちょっと言い過ぎかな。地方に向けて交付する資金として、こちらも使わせていただくということは重要だというふうに思っています。

 私は今回の話はどっちかという話ではなくて、道路に使うための資金、そして地方の財政を安定させるための資金、この両方が確保されるという形で、ぜひとも行ってもらいたいなというふうに思っています。

追加経済対策 (定額給付金)

(末崎:朝日新聞記者)
 経済対策について、追加の質問なんですが、他府県の知事からは、総額2兆円規模の定額給付金制度について、批判というか効果は薄いのではないかという指摘も出てきているんですけども、知事はその点、どういうふうにお考えでしょうか。

(知事)
 急激な落ち込みを防ぐという点においては意味があるんじゃないでしょうかね。私はむしろ先ほどの保証制度だとか、高速道路料金の値下げであるとか、そういう根本問題に対応した施策という方が効き目があるんじゃないかなと思っていますけれど。実際、この給付金という制度について言えば、一時的な激変緩和措置という点においては意味を持つのではないのかなと思います。逆にいうとそれに留まるということではないでしょうか。

 因みに給付金という形を取るからちょっとイメージが悪いのかもしれませんが、これは実際は減税するのと、実質、同じ効果ですよね。減税すると、税金の申告をしてから初めて効果が出るという点で、効きが遅くなるわけです。スピード感をもって効果を出させるためには給付という形を取った方がいいんじゃないかということで行われたんだというふうに思います。

 いずれにしても、一時的なカンフル剤としての効果はあるけれど、それに留まるのではないでしょうか。むしろ注目したいのは、この30兆円の保証額をはじめとする金融、資金繰り問題への対応、それから金融機能強化法もそうですが、資金繰りの対処ということが大きいと思います。30兆円の保証枠を含めた、こういう根本問題の対応策というのは大きいと思います。

消費税率のアップについて

(内保:共同通信記者)
 追加経済対策に絡めてですが、先月末に麻生首相がそれを表明した後に、これは幹事社の質問にもあったのですが、3年後の消費税のアップを明言されましたが、これについて知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 消費税のアップということを考えた時に、やはり激増していく社会保障給付、これらを考え合わせれば、いずれ、消費税かどうかは別として、受益と負担の関係というものをしっかり見直していく時期が来ると思います。そういう中で消費税の引き上げというものも当然議論の対象にしていかないといけない。これはもう避けて通れない課題だと思います。

 ただこの点についてもそんなに簡単なことじゃない。これは前々回の会見でしたか、私申し上げましたが、消費税の問題というのは、そんなに簡単な問題じゃない。その受益と負担の関係だけを考えて解決できるような問題ではないと思っています。

 これも先ほど来、申し上げたように、経済に与える状況はどうなのか。特にタイミングの問題は重要です。

 そしてもう一つは、この消費税というのは何ゆえに必要なのか。その前に整理すべきことはないのかという点についてよくよく政府側においても整理をしてからでなければ、この消費税の問題に正面から踏み込んでいくことはできないと思います。政府としてもやるべきことをやってからということじゃないかと思います。

 一番、私、教訓にすべきだと思うのは98年当時(の状況)じゃないですかね。実体経済の動向が非常に厳しくなってきておった段階で、消費税の引き上げを行おうとしていた。あの段階というのはタイミングとしては、後付けの知恵なのかもしれませんが、よいタイミングとは決して言えなかった。悪いタイミングだったということなんだろうと思います。

 あの時の愚を犯してはいけないと思います。今回、政府の方で総理が言われた段階的にということについて、若干時期の幅を持たせてあるということについても、その辺りを踏まえたものじゃないのかなというふうに思いますけれども、本当にこういう問題、方針を固定しきってしまってどういう状況であろうが、既定方針を貫くというようなやり方では決してうまくいかないと思いますから、臨機応変の対応が必要だと思っています。

 もう一つ、税のあり方を見直す時というのは、ぜひ地方税財源の充実ということを考えていただきたいというふうに思います。地方分権、こちらは権限の面での分権ということが必要なわけですけれど、ただ実際にそれを成し得る財源というものがないと、本当の意味で地方が地域の実情にあった施策というのは展開することはできないと思っていますから、その時には中央と地方の税財源の配分のあり方の問題ということにも踏み込んだ検討をしてもらいたいというふうに思っています。

追加経済対策 (道路財源の1兆円)(2)

(半田:高知新聞記者)
 先ほどの確認、道路の話なんですけど、与謝野〔馨・経済財政担当大臣〕さんが言ったのは、交付金7,000億円の方は、1兆円が入れば雪のように消えるんだというふうな言い方をされていまして、どうなるのか分からないのですが、高知県としては交付金7,000億円の存続はもちろん要望すると。(それとは別に)1兆円もいただくというような考え方ですか。

(知事)
 そうです。100年に1度の金融危機だと言っているわけですから、それに必要な財源はいろんな形で調達することを政府も考えなければいけない。ここで出し惜しみをしてしまって、ちびちびの小出しの対策なんてことをしてしまって、結局経済が本当に悪くなってしまう。そうしたらその時に、今度次に必要になってくるお金というのは、今必要とされるお金どころじゃ済まなくなってしまいます。

 初期段階でやり始めたことは大いに評価すると私は申し上げましたけれど、初期段階にしっかりと十分な効果をもたらすだけの規模の対策というものを打ってもらわないといけないというふうに思っています。小出し小出し、小手先小手先でずるずるやると、全て効果がなくなってしまう。私がいつも言っている「大海に目薬一滴」みたいなことになってしまいますから。それではいけない。思い切ったことをやるべき時期だと思います。

 逆に、今思い切ったことをやっておけば、先々効果も出てくるし、かつ財政負担も小さくなるということなんじゃないかなと思いますけれど。ぜひ、国の政策当局者の皆さんには、こういった点を踏まえた具体のものをお願いしたいなと思っています。

児童養護施設での「虐待」

(半田:高知新聞記者) 
 続けてもう一点。この前の佐川町の児童養護施設の問題ですよね。県の健康福祉サイドから虐待とは考えないというふうな話を聞いて、南国市の事件では大変な検討委員会をやり、対応策を講じた県としてはいかがなものかというような考えもあるんですけども、知事、率直にこの件についてのお考えはどうですか。

(知事)
 正直申し上げて、県民の目線から見れば、起こったことを踏まえて考えれば、この白蓮寮で行われていたことは虐待じゃないか。私は虐待だというふうに思います。

 それはもう、恐らくですね、当時最初に(健康福祉部が)記者会見をさせていただいた時は、改善勧告、勧告という制度を取った根拠法令が何なのかと。根拠法令が実は虐待という根拠法令と、そして行きすぎた懲戒という根拠法令があって、行きすぎた懲戒というものを根拠法令にしたものですから虐待じゃないとかいうご説明をしたのかもしれませんが、それはあくまで法規上、どっちの法規を使うかという非常に技術的な問題であって、大切なことは、あそこで行われておったことは虐待だという認識を持って、最大限厳しい、そして自己反省の視点に立って、今後の対応を図っていくということじゃないのかなというふうに思っています。

 実際のところ、少し技術的なことを申し上げさせていただきますけれど、対応についていうと県が児童養護施設に対して行う処分のあり方というのは、指導、勧告、改善命令、事業停止命令の順に段々厳しくなっていくんです。今回は、いきなり勧告という、その後の改善命令とか事業停止命令というのは、この勧告を行った後に行うことになっていますから、最初に取り得る対応としては最も厳しい対応を取ったのでありまして、実情に対する我々の認識としては、これは由々しき問題であるということで対応させていただいたつもりでございます。

 一番厳しい処分を取ったということです。

 これは別に根拠法令を虐待にしようが、行きすぎた懲戒にしようが変わらないのであって、どちらの根拠法令であろうが、どちらの根拠法令であると処分が厳しくなるとか厳しくないとかいう問題ではなくて、発端をどちらに重きを置くかということは別としましても、実際の取った処分というのは、最大限厳しいものを取ったつもりであります。

 残念ながらちょっとその点について、ややご説明が十分ではなかったのではないのかなというふうに、残念に思っておりますけれども、私自身の認識は、あれは虐待が行われていたのであって、その対応を改善するために全力を尽くしていくということであります。私はまた担当の県職員とも話をしましたが、県職員もそのような認識で対応したいということであります。

 2月の虐待事件が起こって、県としては子どもを大切にするという施策を全力で進めたいと思っていたところです。その点については、今も私の気持ちは全く変わっておりません。子どもを大切にする、そういうことで対応を真剣に考えていきたい、行っていきたい、そのように思っています。

(小笠原:高知新聞記者)
 最大限厳しい処分だと言われたのですが、その中にいわゆる県として施設名を公表するという選択肢というのはなかったんですか。

(知事)
 子どもを守るということが全ての基本だというふうに思っています。子どもを守るという観点からいった時に、果たして実名を公表することが適当かどうかということで判断をいたしました。

 施設に対しては一番厳しい処分を行いました。そして、施設名を公表するかどうかということは、子どもたちが周辺からいろいろ、君はあそこの寮にいるんじゃないかと言って、いろいろ言われたりするんじゃないかということを踏まえた対応をいたしました。あくまで子どもを守るという視点から全てを考えたということです。

龍馬伝を生かす取り組み

(合庭:NHK記者)
 「龍馬伝」の件なんですけれども、主人公に福山雅治さんが決まりましたが、改めて主人公が決まった点と、あと県として、繰り返しここまで出てきましたけど、ドラマ館も高知駅近くにできる方針ですし、今後の県としてどのように取り組んでいこうと考えていらっしゃるのかをお願いします。

(知事)
 福山雅治さんに決まって本当に良かったです。あれだけの大物が主役になってくれるんですから、ドラマが相当成功に向かってかなり踏み出したなと。成功間違いなしだと思っています。成功してもらいたいですしね、ぜひとも。

 この「龍馬伝」、本当に大切なことは、前回の「功名が辻」の時と違って、全県域にいかに「龍馬伝」の効果を及ぼしていくかということなんじゃないのかなと思っています。これが非常に大切なことだというふうに思っています。

 高知市周辺には龍馬さんが生まれた所ですし、たくさん龍馬にまつわるものがありますが、実際には全県域に龍馬にまつわる、そして岩崎弥太郎さんですね、岩崎弥太郎にまつわるものがあるわけです。

 この「龍馬伝」の機会をぜひ高知県全域を全国の方々に知っていただく機会にしたいというふうに思っているわけです。そういうものとして準備を進めていきたいと思っています。本当に期待感が高まって、私わくわくしていますが、ただ他方で、この機会を本当に生かしきらないといけないという点においては緊張している。そういう状況でございます。 

 とにかく、県内市場が小さくなるなら、県外に打ってでなければいけないと私は思っていますけれども、他方で首都圏も含めて高知県の存在感、プレゼンスというのが小さくなっているなと、それを考えると残念です。県外に打って出ていくために、いろいろ情報発信とかそういうことを思い切り強化していきたいと思っているわけですけど、この「龍馬伝」というのは本当にいい機会ですよね。これを生かしきりたいと思います。

記者会見のスタイルと政策説明(2)

(畑本:読売新聞記者)
 今回、記者会見のスタイルをちょっと変えたということですが、知事が最初に喋るということであれば、前回のスタイルと変わらないわけですけども、知事がスタンドで喋るというスタイルにしていきたいと考えられた理由をお聞かせください。

(知事)
 一つは、私は体質的に立っていた方が喋りやすいというのが一番大きいので、ご了承いただきたいというふうに思います。座っていますとどうしてもこう(前傾姿勢に)なりますね。立っているほうが話がしやすいということが第一です。

 それから第二に、前のスタイルですと皆さんの顔が見にくくて、非常に。(楕円形のテーブルに着席していたために)斜めになっていますでしょう。皆さんの顔を一番よく見やすいのはこちらかなと。前回産業振興計画の記者会見で立ってやらせていただいた時に、皆さんの顔が見やすくてやりやすかったので、そういうこともあって、この方式を取らせてもらいたいというふうに思いました。

 あと、もう一つは、カメラに向かって県民の皆さま方にも直接お話しもさせていただきたいというふうに思います。オンエアされる時間というのは限られているので、それだけで県民の皆さんに直接語りかけるということにはならないのかもしれませんが、この高さですとカメラの高さとほぼ一緒になっていますので、県民の皆さんにお話しをさせていただくということもできるのかなと、そういうことを考えたときに、これが一番いいのかなと思います。

(畑本:読売新聞記者)
 県民に分かりやすく話すスタイルということをおっしゃいました。知事が考えている、知事ご自身でできる県民に分かりやすく伝える方法、工夫というのはどういうことをお考えでしょうか。

(知事)
 大切なことは、それなりの情報をしっかり織り込んだ上で、ホームページなんかでご説明をしていくというのは大切なことだと思います。

 例えば医師確保対策といった時に、どういうことをしているかということについては、メニューを羅列すればたくさんある。その羅列しているメニューというのは具体的にどういう戦略、どういう考え方の下に、何を打開したいからこういうことをしようとしているのか、解説がいると思います。そういう政策の意図、目指すべきところについての解説をまず私自身しっかりしていきたい。で、ゆえにもって具体的な政策はこうですということを、今度ホームページでクリックしていただければそのページに入っていけるという形にしていきたい。そういうことですね。

 記者会見の場は回数も限られているし、時間も限られている場ですから、そこまでできないかもしれません。この場でもできる限りそうさせていただきたいというふうに、冒頭のご説明、そういう形にさせていただきたいと思っていますが、本当にホームページの活用を積極的にやっていきたいなというふうに思っています。

オバマ次期大統領の経済政策について

(伊藤:日本経済新聞記者)
 アメリカでオバマ大統領が決まりまして、アメリカの経済政策と日本の経済は密接に関係があると思いますが、オバマ大統領の経済政策にはどういうところを期待されますか。若いリーダーで、知事も若いリーダーですけども。

(知事) 
 期待することは、とにかくこの金融問題に根本から踏み込んだ対応策というのをしっかりと取ってもらいたいなというふうに思います。

 資本注入なんかにしても、具体的にどこにどれだけいつ注入するかということを、速やかに決断できるかどうかというのがカギだと思うんですよね。実際それに合わせて株価も乱高下しますよね。マーケットの求めるところだと思います。マーケットの求めるところによくよく対応してもらって、迅速な施策を打ってもらいたいと思います。

 財務長官の人事がまだ決まっていませんから、ちょっとスタイルというのが読みにくい状況ではありますけれども、マーケットの声が聞ける人で、金融経済の動きが実体経済にどのような影響を及ぼすかというのをよくよく把握できる人をぜひスタッフに宛てていただいた上で、スピード感を持って対応していただきたいというふうに思います。

 そしてもう一つ、外交の関係とも絡んでいるのかもしれませんけれど、オバマ大統領、盛んに対話路線とおっしゃっています。外交の面でも対話路線だと、よくよく話をしていくんだという話をされていました。これは外交の面でも非常に重要なことだと思います。

 しかしながら、もう一つは経済対応という時に、今、国際協調がないとアメリカ一国だけではとてもじゃないですけれど、経済全体に及ぼすような政策を打つことはできないわけで、各国、先進国のみならず新興国も含めた、よくよく対話をしてコーディネートされた政策というのを打っていただきたいと思います。

 オバマ大統領の対話路線、これは非常に重要な路線じゃないかなと思っています。因みに(対話路線というのは、)高知県政にもすごく重要です。

県庁のパワハラ問題への対応

(末崎:朝日新聞記者)
 9月の議会でパワハラの問題がありましたけれども、その後、再発防止策みたいなことは進んでいるのかどうかということと、委員会でですね、議員からは処分をという声も上がったんですが、それについてはどういうふうにお考えなんでしょう。

(知事)
 パワハラの防止策については、本当に妊娠をされた女性の気持ちというのが分かる組織づくりをしていかないといけないと思っていまして、今回の話についていろんな方に、職員も含めて意見を伺っているところなんです。

 実際にはいろいろな多様性があると思うんですよね。症状にはいろいろな違いがあると思うんです。正直、プライベートな話ですが、私も子ども2人おりますけれど、第一子の時と第二子の時で全然違いましたから。

 ですからそんな状況に柔軟に対応できる職員の意識の持ちようを作っていかなければなりませんので、今、県庁内の女性職員の皆さんとか、専門家の皆さんとか、そういう方々のご意見を、今一生懸命伺っています。そしてその伺ったご意見を踏まえて具体的な対応策というのを作りたいと思っていますが、処分とかいう話についても、この結果を踏まえて話をしないといけません。

(谷脇企画監(広報担当))
 よろしいでしょうか。それでは、これで会見を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

 

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