公開日 2008年12月26日
更新日 2014年03月31日
知事の定例記者会見
平成20年12月19日(金曜日) 9時から9時40分まで(第一応接室)
目次
1 楽天株式会社との共同事業について
出席者:
尾﨑正直知事
楽天株式会社 小林正忠 取締役・常務執行役員
(知事)
皆さん、おはようございます。本日はお忙しい中、急にお集まりいただきまして誠にありがとうございました。また小林常務様におかれましてはわざわざ東京よりおいでいただきまして、本当にありがとうございます。
楽天市場、ご存じのとおり、日本最大級のインターネットのショッピングモールだと思いますけれども、この楽天市場さんでは「にっぽんを元気にしようプロジェクト」ということで、都道府県別に特産品や観光等の情報を発信できます総合的な地域情報コンテンツ「まち楽」というページを設けておられるわけです。
このたび、こちらのほうに全国では15番目にこの「まち楽 高知」というものを新たに共同で開設させていただくこととなりました。
皆さんご存じのとおり、産業振興計画の中では地産地消に加えて、「地産外商」を徹底するんだということを申し上げさせていただいておるわけです。今回計画策定の過程でも、eコマース、インターネットを使って高知県をPRしていくという取り組み、これを徹底してやっていかなければならないということを議論してきたわけですが、そしてまた中間とりまとめの中でも、その点ははっきりと明示をさせていただいておるわけですけれども、その具体的な取り組みの第一歩ということではないかというふうに思います。
まだ中間とりまとめの段階ですけれども、やれることはすぐさまやっていくということでございます。この「まち楽 高知」、こちらを活かして高知県のいろいろな情報について対外的な発信を強化していきたい、そのように考えております。実際、この楽天市場さんにおかれましては年間の商品販売額が5,370億円。また1日に360万人のユーザーが訪れるサイトであられるということでございます。大きな情報発信力を持つことができるようになるのではないかと、非常に期待をいたしておるところでございます。
ちょっとその具体的な内容について、簡単ですがご説明を申し上げたいと思います。
楽天市場「まち楽 高知『あったか高知で待ちゆうき』」 http://event.rakuten.co.jp/area/kochi/tieup/
大きく三つのコーナーに分かれておるわけでございまして、まず、観光情報のコーナーです。
例えば今、「花・人・土佐であい博」で高知キャンドルフェスタをやっているわけですけれども、こちらについて詳しい情報を全国に発信することが、これによってできるようになるということでございます。そのほか、「高知の観光ガイド『よさこいネット』はこちらから」という形でほかの総合サイトにもリンクをしています。
その下に物産と製品のコーナーがございます。ここにはテレビCMの動画が掲載されています。こういうCMだとか、ひろみちお兄さんの高知野菜体操なんかも動画でPRすることができるということです。物産の紹介、製品も、例えば今は碁石茶ということでPRすることができます。
ちなみに高知県のいろいろな産品を売っておられる方で登録しておられる方々、全部で今121社の方がこの楽天市場に登録されておられますけれども、それが全部「高知・桂浜・須崎」、「安芸・室戸・馬路」というような形になっているところをクリックすると、この地域の業者の方々が出てくるということになります。今までは高知県ということではまとまっていたわけではなかったのですが、この「まち楽」に入らせていただくことで、高知県のサイトとして、高知県のものがここで総合的に見られるようになります。この楽天市場を利用されようとする方にとっても、まとまりをもって、ユーザーにとって非常に分かりやすい形で、高知県の産品という形で売り込みができるようになると。そういう意味においても効果が期待できるかなと、そのように思っています。
最後に三つ目は、交流・定住のコーナーでございます。高知県、団塊世代の方々などをはじめとして、Uターン、Iターン、Jターン、これを今徹底的に促進させていきたいと考えているところですけれど、こちらについての情報も、交流・定住のコーナー、こちらでご覧いただけるわけですね。これで一元的に定住・移住策、Uターン、Iターン、Jターン策、こちらについてワンストップで全ての情報を見られるようにしているということです。
先日、議会でも申し上げましたけれども、交流・定住、Uターン、Iターン、Jターンの促進ということについては、高知県は例えば土地と家と、そしてお仕事と、これら全体をパッケージにして売り込んでいくような、そういう形での移住促進策というのを取っていこうと、いろんな新たな策を検討しているところですけども、そういう策を取っているということを全国の皆さんに知っていただかなければ実効性がないわけです。こちらの「まち楽 高知」を利用させていただきながら、こういうもののPRを徹底していきたいと、そのように考えています。
また、このページではない別のページになりますけれど、本県のとっておきのお気に入りスポットアイテムなどユーザーが自由に書き込める。いわゆる掲示板も別のページに設けられています。各県民の皆さまが、それぞれご自身が大好きな所、とっておきのスポットをどんどん自由に書き込んでいただきたい。県民の皆さまお一人お一人が全国に、これを通じて発信ができるようになります。皆さんが大好きな所をぜひ掲示板に書き込んでいただきたい、そのように思っているところでございます。
最後になりますけれど、このような素晴らしい場を提供していただいた楽天株式会社様、本当にありがとうございました。この場を借りまして深く御礼を申し上げます。ありがとうございます。私からの説明は以上であります。
(記者)
小林常務にお尋ねします。「まち楽」をやっている県のうちで、最近、支社を出している県があると思うんですけど、高知県もしくは四国にも支社を出す予定は?
(小林常務)
そうですね。今ご指摘いただいたとおり、日本を元気にしようということで、我々本当はインターネットであれば東京からだけでもサポートできるのではないかという声をいただいておりますけれども、2000年の終わりから、支社展開を始めまして、まずは大阪からスタートしたんですけれども、今全国で9カ所に支社を構えております。
2009年以降に四国に支社を構えるといったことで、今計画を進めております。(社長の)三木谷からも、やはり四国は可能性があるんじゃないかということで、今どこに支社を構えればいいかということで、皆さんの方がお詳しいと思うんですけど、なかなか四国のどこか1カ所に四国支社というものを構えても、どこからも行きにくいという、本当に営業展開としてふさわしいのかと。例えば店舗にお越しいただくにしても不便な所に作っても仕方ないので、もしかしたら四国の場合は複数設ける方向になるんじゃないかなというふうに考えています。
そういう意味でも(高知県の)121店舗だけですと、我々としても1人ぐらいでサポートできてしまう規模なので早いところ200、300と増やしていくことで支社を構えるといったことはしていきたいと思っております。
(記者)
すでに「まち楽」のページを開設している都道府県の、事業所さんの効果というのはどれくらい出ているんですか。
(小林常務)
4月の北海道から始めて高知は15道府県目なのですが、ここ秋以降、ドドーッと増えていまして、それまでの間はあまり行政側の協力を得ることもできてなかったので、こういう形で高知県のように非常に協力的にやっていただける行政が増えてくると、結果が伴ってくるんじゃないかなというふうに考えています。実際、いくつかの都道府県の中で産業振興セクションの方ですとか行政の協力を得ながら連携を取って地元の事業者さんにEC〔電子商取引〕ビジネスの説明会を開く場を模索しようという動きがもう始まっておりますので、来年以降、これが結果と数字となって出てくるのではないかと考えています。
(記者)
小林常務にお伺いします。今後、高知県に対して期待しているものは何かありますか。
(小林常務)
一番期待したいのは、我々が探しきれていなかった可能性を持っていらっしゃる事業所さんをもっともっと高知県側から教えていただけると、我々としてもご案内しに行きやすいかなということで、勉強会と申し上げると適切じゃないかもしれませんが、ECセミナーみたいなものを開いて、インターネットビジネスというと何かハードルが高そうなんですけれど、決してそんなことはないですというご案内をもっともっとしていきたいんですけども、そこを県の方々にご協力いただきながら、可能性を持っている、やる気のある事業所さんをご紹介いただければなというふうに考えています。
(記者)
知事に伺います。産業振興計画と関連させて、今回の共同事業はどういうふうに捉えられていますか。
(知事)
地産外商戦略、その具体的な第一歩です。地産外商を行っていくためには、いろんなことをしていかなければなりません。今回の議会でもアンテナショップのお話しをしました。首都圏におけるセールス拠点を作っていきたいというのが我々の目的なわけですけども、併せて、特に中山間の方々は、なかなか東京まで足を運んでいくということもできない。そういう方々にとって、このインターネットというのは大きな武器になるだろうということだと思うんですね。
中間とりまとめの中にもeコマースの推進ということをはっきり書かせていただいているわけです。インターネットを活用してPRをし、そして売り込んでいくぞということを書かせていただいているわけですけど、その第一歩ということではないでしょうか。
(記者)
そうしたら、県内のやる気のある事業所さんにも参入してほしいと?
(知事)
ぜひ、こういうのをご活用いただきたいと思いますよね。これは二つの意義があると思います。一つは高知県というのはどういう県で、どういうことをやっているかということを全体としてお示しをすることができる。これは一覧性がありますでしょう。観光の面と物販の面と、それから移住促進という形で暮らしということについてもお伝えしていると思うんですけどね。それに加えて、具体的な産品の売り込みということもできる形になっているわけですよね。まず高知県全体のPR。観光PRも含めて行っていくことが第一と。とともに具体的なビジネスに繋げていくという、そのサイトができましたということではないでしょうかね。
今まではバラバラですからね。それぞれこれに加入をしておらた会社さん、それぞれ1社1社で登録しておられたわけですよ。今回、高知県という大きな括りの中に入られるから、ユーザーさんから見た時には非常に分かりやすくて、しかも横にいろいろな産品を併せて見ることができる。その産品を見た時に、高知には別にこんなのもあるんだなということがお客さんに分かる。じゃぁ、一緒に買おうかという形にもなる。販売の売上アップの大きな貢献をする、大きな武器だと思いますよ。
(記者)
小林常務にお伺いします。高知県のこのページに、ほかの今までの14都道府県にないような何か特長的なものはあるんでしょうか。
(小林常務)
一番特長的なのは、先ほど知事もおっしゃった動画ですね。あれは我々の「まち楽」の企画中でも初の試みでして、今年、日本のインターネットの中で、動画というものが非常に大きく取りざたされたというふうに思っているんですけれど、行政単位の中で動画をこういった形で活用されるというのは、今までできていませんでした。高知県の知事はこんなに若くて、県のことを考えているんだみたいなことがビジュアルで見えてくるというのは非常に価値が高いのではないかなと思っていますけれども、これは楽天の中でも初の試みになります。
(記者)
小林常務にお聞きします。この「まち楽」は、今後47都道府県全部でやっていくということでしょうか。
(小林常務)
そうですね、まず47都道府県をやって、多分都道府県のその下の単位に、またさらに落としていって、本来地域、地域が持っている、例えば兵庫県というふうに書くにしても、神戸というブランドと丹波の方と、全く違ったりですとか、本来は県という括りよりも、もっと細かい思いが地域にはあるんじゃないかなと思っていますので、そういう所を一つ一つ丁寧にクローズアップしていきたいなというふうに考えています。
(記者)
高知の産品の中で社長が気になったものはありますか。
(小林常務)
三木谷は、馬路村のもの(「ごっくん馬路村」)は飲んだことがあると思います。結構、うちの店長さんたちが積極的にアピールをいただいているので、メールマガジンでいろんな紹介をいただく中で、楽天の中でも結構有名なので、馬路村の商品なんかは意外と東京の人間というか、全国で出回っているんじゃないかと思うんですけれど、さらに「まち楽」としてクローズアップしていくと、売上が伸びるのではないかと思っています。
多分皆さんあまりインターネット上のお買い物の売上総額みたいなものはピンとこられていないと思いますけれど、例えば昨日1日で約30億円ぐらい買い物されるんですね、楽天市場だけで。そのぐらい、インターネット上でのお買い物が増えてきておりまして、売っていらっしゃるお店になると月商1億円なんていうお店が楽天市場で50店舗ぐらいになっているんですけれど、多分この冬で50店舗は大きく超えてくると思います。非常に大きく成長できるプラットフォームなので、先ほど知事がおっしゃられたように、もっともっと高知県の事業所さんがうまく活用いただければいいんじゃないかなというふうに、我々考えております。
(司会)
ほかにご質問ございませんでしょうか。それでは以上をもちまして、楽天株式会社様との共同事業に関する会見を終了いたします。ありがとうございました。
2 中小企業者の年末年始の資金繰りに関する相談対応及び雇用対策について
(知事)
それでは、続きまして二つの課題についてお話させていただきたいと思います。一つは資金繰り対策、そして、もう一つは雇用対策でございます。
第一に中小企業者の年末年始の資金繰りに関する相談対応体制というのを設けることといたしました。高知県では、「安心実現のための高知県緊急融資」という制度を10月31日に創設いたしております。これは国の指定する業種で売上高が3%以上減少しているなどの条件を満たしている中小企業の方々を対象とし、信用保証協会の100%保証付きで償還期限7年、融資限度額1年で低金利、低保証料の融資が受けられるという制度なわけでありますけれども、こちらにつきまして12月から、償還期限が10年の融資も新たに追加をいたしております。拡大をしているということですね。
この緊急融資の実績ですけれども、12月15日現在まで申込は507件、約93億円、保証承諾は321件、約47億円に達しておりまして、非常に多くの中小企業者の方々にご活用いただいております。
皆さんご存じのとおり、今回は金融発の不況、しかもものすごく足が速いということです。年末年始にかけての資金繰りによって、非常に厳しいことになるという状況を少しでも防いでいきたいというふうに県としては思っております。まず、この高知県緊急融資制度、こちらをぜひご活用いただきたいということです。
これに加えまして、この資金繰りの問題についてきめ細かくご相談をする対制を作っていきたいと考えております。年末は12月30日の火曜日まで中小企業の皆さま方の資金繰りについてのご相談にお応えをいたします。相談時間は9時から17時まで。相談先につきましては、高知県商工労働部経営支援課、場所は県庁本庁舎5階東で、電話番号は088-823-9695ですので、こちらにぜひともお気軽にご相談をしていただきたいと思います。
年明けにつきましては、1月5日の月曜日からご相談を受け付けるということでございます。
ちなみに、このような相談体制、県庁でもこういう窓口を設けますけれども、併せて、高知県信用保証協会、高知、中村、土佐清水の各商工会議所、高知県商工会連合会、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、四国経済産業局におかれましても、同様の相談対応を予定しておられるということでございます。ぜひとも、こういう窓口をご活用賜りたいと思います。
第2番目の点でございますけれども、雇用対策でございます。こちらについてですが、今、連日報道にも出てまいりますけれども、全国的に自動車産業をはじめとしまして、派遣労働者や期間工の雇用調整、また新規学卒者の採用内定取消しということが大きな問題となっているわけでございます。県内で、大学生や高校生の就職内定の取り消し、こちらを調べてみますと、大学生で2人、高校生で1人という状況になっています。
また、非正規労働者の契約解除や契約を更新しないという、こういう動きにつきましては、来年3月末までということの見込みを先月25日現在で国が調査いたしておりますが、これによりますと全国では3万人が見込まれるという中で、本県は61人という状況となっています。この雇用の問題にも対応していかなければなりません。
先月15日には、高知労働局が「緊急雇用対策本部」を設置されました。その一環として、こういうことで合理的な理由のない雇用調整について、指導を徹底するなどの施策を講じられるということでございます。これにつきまして、私どもといたしましても、連携をして取り組むということで、本日付けで高知労働局長と私との連名で「雇用の安定・維持及び採用内定取消しの防止等について」ということで、県内の事業者さんに要請を行うことといたしております。
さらには12月24日に高知労働局長にも参加をいただきまして高知県の「雇用対策本部」を開催いたします。今の状況について全庁的に情報を共有するとともに、国の2次補正などで実施を予定しております雇用対策に抜かりなくスピード感を持って対応するということと、もう一つは懸案であります高校生の県内就職促進の取り組みをさらに強化するといった点について協議を行っていきたいと考えておるところでございます。
いずれにしましても、今回の景気後退局面の最大の特徴は、スピードがものすごく速いということではないかというふうに思います。アメリカ発金融、そしてアメリカの実態経済が日本の金融に、日本の実態経済に及んできていると。比較的輸出が少ない本県の場合には、その伝播についても比較的後の方かとも思いますが、すでに高知県にもだんだんと厳しい風が吹き込んできつつあります。
そういうことでございますから、県といたしましても、できる限り速やかな対応を講じることによって、少しでもこの被害を小さくしていくと。遠い海の向こうの世界で起こった問題に端を発する、いわば天災のようなものでございます。天の災厄のようなものですけれども、これに対してできる限りの対策を講じていきたいと、そのように感じているということです。以上です。
(記者)
資金繰り相談の方ですが、県がやっている融資制度以外にどういったことが相談に応じられるんでしょうか。
(知事)
県内各事業所の皆さんに対して、一つは何よりもこの高知県緊急融資制度を使っていただきたいということだと思います。これをどういった形で申し込んでいけばいいか、どこの窓口でお願いしたらいいか。まずこれを最重点でご相談していただきたいと思いますけれども、併せて、それぞれの資金繰りの問題、経営状況の問題なんかについても、概括的なご相談であれば受けられると思います。
(記者)
あと、相談窓口の中に市町村が入ってないんですけれど、緊急融資制度は市町村の認定がないと受けられないですよね。市町村の方で対応していただけなかったら融資を受けられないと思うのですが、その辺はどうなんですか。
(山本・経営支援課チーフ)
市町村は、今回窓口を開設してないです。認定については対応できませんが、金融機関は30日まで営業をやられていますので、年明けにスムーズに融資の対応ができるようにということで、県の方で事前のアドバイスをして、準備をできる体制をとるということです。
(谷脇企画監(広報担当))
よろしいでしょうか。
それではこの辺で終わらせていただきます。皆さん朝早くからご協力ありがとうございました。
−以上−