新規採用者辞令交付式での知事挨拶

公開日 2009年04月05日

更新日 2014年03月17日

〔平成21年4月1日(水曜日) 正庁ホール〕

皆さん、ようこそ高知県庁においでをいただきました。

 本日4月1日付けで高知県職員として採用されたということでございます。いつも私は新規採用者の皆様方に申し上げているのですが、今、皆さんは宣誓書を読み上げられましたね。

 主権が国民に存すること、日本国憲法を尊重すること、全体の奉仕者として誠実且つ公正に仕事をすること、これらは基本の中の基本です。

 本日あえて宣誓をするということ、これがどれだけ大事なことか、色々な仕事をしていく中で思いつくことが今後多く出てくるのではないかと思います。

 あまりにも当たり前のことすぎて、あまり意識することが無いかもしれませんが、この宣誓書の写しを常に手元において、迷った時にはその度に振り返って、県民の皆様のために誠実に仕事をこなしていっていただきたいと思います。

 皆様方が仕事を始められますのは、平成21年度ということになりますが、この21年度は高知県にとって特別な年にしていきたいと私は考えております。高知県の県勢は残念ながら隆々と盛り上がっているという状況にはありません。どちらかと言うと、高知県はだんだん衰えていってしまっています。

 しかしながら、この流れを変えていかなければなりません。産業振興計画を本年度4月1日、今日から実行しはじめます。そして、教育の問題についても、正面から課題にぶつかっていきます。福祉についても、高知県に上手くマッチするような高知型の福祉というものをしっかりと追求していきます。すべての基本となる社会資本の整備についても着実に進めていかないといけないし、危機管理には万全を期してまいらなければなりません。

 これら多くの課題について、平成20年度は色々な仕込みや仕掛けを行ってまいりました。それをいよいよ全力で実行しようとするのが平成21年度です。

 まさにこれから高知県の県勢浮揚に向けて動き出す、その初日に皆様は採用されたわけであります。私どもといたしましても、皆様のような若くて活力のある方々に実行の年に加わっていただいたことは心強い限りであります。

 ぜひとも皆様それぞれの持てる力を全力で発揮していただいて、高知県のため、高知県民のために頑張っていただきたいと思います。

 まず、1つは、職場の皆さんとともに仕事をし、皆さんに好かれるようになっていただきたいと思います。最初はつらいこともたくさんあるでしょう。しかしながら、少々のことではくじけず、誰もが皆乗り越えてきた壁でございます。皆さんにできないはずがない、高い倍率をくぐり抜けてきた優秀な皆さんにそれができない訳がない、そう信じてがんばっていただきたいと思います。

 その中で、遠慮せずにどんどん自分の意見を言っていただきたい。「分かってないくせに・・。」と言われることもあるでしょう、そんな時は、謙虚な気持ちで相手の意見も聞いて、また自分の意見を照らし合わせたうえで何が正しいのかということを少しづつ把握していっていただきたいと思います。

 10年経ち、20年経ち、だんだん自分の意見が通るようになってきます。ものによってはもっと早く通るようになってくることもあるでしょう。1ヵ月、2ヵ月、1年、2年で通ることもあると思います。しかし、最初は謙虚な姿勢でもって「学ぶ」という視点を大いに持っていただきたいと思います。

 もう1つ、これからの県庁職員は、県のいわゆる「お役人様」であっては決していけません。県勢の浮揚を成し遂げるということ、産業の振興にしても、教育の問題にしても、県民の皆様に真にやる気を持ってやっていただかなければ、決して達成することができません。

 県民の皆様とともに手をたずさえて行政を遂行していく、これが新しい行政のあり方だと思っています。

 皆様方は昨日まで県庁職員でなかったということで、一番民間の感覚に近い立場であるかもしれない。ぜひとも県庁職員である前のこの感覚を忘れないでいただきたいと思うし、今後の仕事にあたっていく中でも、その感覚を忘れないように自ら色々な工夫を講じていただきたいと思います。

 いつも申し上げていることですが、学生時代の友達を特に大切にして、多くの人と話をしていく中で、民間の感覚はどういうものか、県民の皆様はどういうことを考えておられるのか、ということを常に意識をしていただきたいと思います。

 決して小役人になってはいけません。皆さんは若いのだから、決して小さい視野で仕事をしてはいけません。県民の皆様にやる気になっていただくように、そういう仕事ができるような県庁職員になっていただきたいと思います。

 皆様のご活躍を大いに期待しております。高知県のために、高知県民のためにともに頑張っていきましょう。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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