知事の定例記者会見(平成21年6月4日)

公開日 2009年06月09日

更新日 2014年03月31日

知事の定例記者会見

平成21年6月4日(木曜日) 13時30分から14時20分  第一応接室

目次

産業振興計画の実行状況
期末・勤勉手当の支給割合の一部凍結
高知南国道路、地芳道路の一時凍結について
次期衆議院選への対応 (1)
直轄事業負担金 (1)
地方活性化経済対策臨時交付金
高知女子大学の共学化
直轄事業負担金 (2)
国直轄道路の凍結問題とインフラ整備
次期衆議院選への対応 (2)
首都圏のアンテナショップ
次期衆議院選への対応 (3)
産業振興計画の実行について
高知市の財政再建
次期衆議院選への対応 (4)
新型インフルエンザ


産業振興計画の実行状況

(知事) 
 冒頭、お時間をいただきまして、3点ほど私の方からご説明させていただきたいと思います。まず第1が産業振興計画の現在の実行状況でございます。

 今、お手元に紙(動き出した産業振興計画 [PDFファイル/222KB])をお配りさせていただいておりますけれども、大きく3点に分けて。 まず第1に産業振興計画の推進体制についてということでありますけれども、この5月までの2ヶ月間で概ね推進体制は整ったのかなと考えておるところでございます。一番大切なことは、産業振興推進地域本部の立ち上げを行っていくことでございますけれども、こちらについては5月末までに2回の地域本部の会合を実施いたしまして、すべての地域アクションプランにつきましても、実行支援チーム(の編成について)、詰めていったということでございます。

 具体的に誰がこれの支援を推進すべきかということが、すべての地域アクションプランについて決まったという状況にあるわけでございます。また、地域の資源の掘り起こしを行っていきます地域資源活用共有会議の方につきましても、すでに4月から5月に事前説明会を行い、今後、随時、会議を具体的に立ち上げていくという状況になっております。

  それで、今日、この日程については初めてお示しをいたしますが、産業振興推進本部の第2回の会合を6月29日、30日の2日間の予定で開催をいたします。主な目的は、この第1四半期の仕事の進捗状況がどうであったのかということについて、PDCAサイクルを働かせる場ということが第1であります。 そして第2に、計画の次期改定に向けまして、改訂すべきと思われる項目について、論点の洗い出しを行っていくということが産業振興推進本部、第2回の会合の目的ということになります。

 従来、県が持っております推進本部とかいろんな本部については、2時間とか、それぐらいの時間で実施するということが多いわけでございますけれども、産業振興計画は非常に膨大な体系であります。また非常に詰めた議論を行っていくことも重要だと考えておるところでございまして、2日間十分に時間を取って、実施していきたいと考えております。

  また、広報活動についてでございますけれども、昨日までに幡多、高幡、嶺北、安芸地域において住民説明会を開催し、私自身、お伺いして説明をさせていただきました。本日の夕方に仁淀川地域にお伺いをして、ご説明をさせていただくこととなります。

 またいろいろテレビ・ラジオ・ホームページ・広報紙を使ってのPR活動ということも行っておるわけでございますけれども、従来よりこの産業振興計画については、より分かりやすい形で県民の皆様にお示しすべきであるというご指摘を受けておったということがございます。

産業振興計画のPR版を示す尾﨑知事  そこで、このような形でPR版のパンフレットを作成することといたしております。このPR版のパンフレットでございますけれども、県内のコンビニエンスストア、さらには金融機関でもお配りをいただくことになります。もちろん市町村、それから各種団体にもお配りをしていくということになります。「土佐・龍馬であい博」のキャラクターにも登場願って、産業振興計画が何をしようとするものなのか、非常に分かりやすくご説明をしておるものでございますので、ぜひ県民の皆様、こちらをご一読いただきたいと、そのように思うところでございます。

  具体的な事業についてでありますけれども、どのような事業を実施してきたかということでございます。まず、やはり観光について急いでいかなければなりません。「土佐・龍馬であい博」についてのPR活動を具体的に開始いたしました。この5月の初旬には、JR四国の商品説明会がありまして、私自身お伺いしてトップセールスをしてきたところであります。

  また、5月の末には「旅フェア2009」、これは全国的な旅行イベントについてのPRの場、フェスティバルでございます。昨年まで(高知県は)参加をしておりませんでしたけれども、今年から参加をしまして、「土佐・龍馬であい博」に関してのいろいろな商品などについてPR活動を行ってきたという状況にあります。

  また、2番目に「総合補助金」と書いてあります。地域アクションプランの関係でありますけれども、4月末までの審査会を経て、今12件の具体的な事業について、補助金の交付決定がまもなくという状況でございます。具体的に事業が動き出すということになります。 お手元にお配りをさせていただいております2枚目の紙でございます。

 この12件につきましては、事業が実施され始める段階にあります。そしてさらに5月末までの審査会に、追加で12件の事業が審査をされております。全部で221件の地域アクションプランの取り組みがございますが、少なくとも24件について速やかに動き始めるということとなるわけでございます。

  その他、アドバイザー派遣、こういう事業についても実施をしておりますし、それぞれの産業成長戦略においても具体的に実施できるところは実施し始めているという状況であります。

 いずれにしましても、6月の末に開催いたします産業振興推進本部で、さらに進捗状況の詳細を確認しました上で、またご説明をしていきたいと考えております。

期末・勤勉手当の支給割合の一部凍結

 続きまして、2点目についてご説明をさせていただきたいと思います。県庁の職員の期末・勤勉手当の支給割合の一部凍結についてでございます。

 先の臨時県議会におきましても、この趣旨について十分ご説明するようにというご指摘がありましたので、そのご指摘に基づきまして私から今回の凍結の趣旨について、改めてご説明をさせていただきたいと思っております。

  この職員の6月期の期末・勤勉手当につきましては、先月29日の臨時県議会におきまして0.175月分を凍結する内容の条例議案を可決いただきまして、30日に公布、施行をいたしました。

 今回の凍結措置でございますけれども、民間の(一時金の支給の)決定済みの事業所が少ない中での暫定的なものでございます。最終的には県職員の一時金の水準は、今後個々の企業の業績などによって決定される民間の支給状況の調査結果等に基づき、この秋に人事委員会から勧告があることになっております。要するに公務員の給与決定ルールとしましては、民間で独自に決定されましたボーナスの水準に準拠して決めるという原則自体は崩していないという状況にあります。

 今回の暫定措置の実施につきましては、国会でも議論が行われました。多くの民間企業では今後夏季一時金が決定されることとなりますけれども、この暫定措置が民間企業の夏季一時金の引下げ圧力となることがないよう、その経緯及び趣旨の周知徹底を図ること、などといった附帯決議がなされておりまして、先ほどご説明しましたように、先に閉会いたしました臨時県議会におきましても、同様の意見があったところでございます。

 あくまで民間で給与の水準を決めていただく。それに県が従う。それに基づいて県の水準を決めていく。その最終的な水準の決定というのは今年の夏の結果を見て、今年の秋、人事委員会の勧告を受けて最終的に決定をするという原則を崩したものではまったくないということであります。

 今回の凍結措置につきましては、県のホームページにおきましても、いろいろとお知らせをしているところでございますが、事業所の皆様方にもさらに知っていただく必要があると考えておるところでございまして、経営者協会でありますとか、商工会議所等の団体の皆様にも、今回の措置の経過の内容をさらにお知らせをしてきたところでございます。

高知南国道路、地芳道路の一時凍結について 

 第3番目でございますけれども、高知南国道路、地芳道路の一時凍結の問題に対し、この凍結の解除を求めてさらなる活動を、この6月に行っていきたいと考えておるところでございます。その具体的な内容についてお話をさせていただきたいと思います。

 3月31日に一時凍結となりましてから、我々といたしましてもいろんな大会を開催する。さらには関係方面に対して働きかけを行うという形、いろいろな取り組みを進めてまいりました。しかし、この6月中には四国地方整備局事業評価監視委員会が開催をされると(思います。)我々としてはこの場において、一時凍結が解除されるように、さらなる働きかけが必要であると判断をしております。

 そういうことから、6月8日には、凍結されました二つの道路の地元の方々や高知県道路利用者会議の皆様と共に四国地方整備局にお伺いをして、私からこの件についての要望を行っていきたいと思っております。  

 また、6月12日には国土交通省に行きまして、金子国土交通大臣に対しましてこの一時凍結の解除と、そして四国8の字ルート、まだまだ欠けている部分があります。整備計画になっていない部分があります。ミッシングリンク〔一つの体系のうえで欠けている部分〕というのがあります。このミッシングリンクの解消に向けて8の字がすべてネットワークで結ばれていくような形での整備の促進について、私から要望していきたいと考えているところであります。  

 冒頭、私からは以上であります。

次期衆議院選への対応 (1)

(服部:毎日新聞記者) 
 幹事社の毎日新聞です。よろしくお願いします。3問あります。まず、次の衆議院選が近いということもありますが、5月18日、全国知事会議で大阪府の橋下知事とか宮崎県の東国原知事が、知事会として支持政党の態度表明を明確にすべきだ、という意見を出しました。反対する意見も出ましたが、麻生会長は、そういった態度表明は簡単ではない、と述べるに留まっています。尾﨑知事は政党というより、これは特定の候補者ですが、昨年8月の定例会見で中立のスタンスを貫くと表明していますが、知事会のこうした発言、動きについてどうお考えになっていますでしょうか。

 (知事) 
 5月18日の知事会というのは、宮崎県の知事さんと大阪府の知事さんが、地方分権を推進する政党を支持すると知事会で決定すべきではないか。しかも、多数決で決定すべきではないか。そのようにおっしゃったということだと思います。この点について申し上げれば、正直申し上げて、地方分権というのは非常に重要なテーマであります。

 ですから、知事会が団結してこの地方分権を国に対して訴えていくということは非常に大切な試みだと思います。ただ、それが支持政党を決定する時の、するにあたってどうかということになりますれば、私は支持政党の決定というのは、地方分権という一つの視点だけで決定されるものではないのではないかというふうに思っています。いろいろな課題があります。

 本県の場合ですと、このような疲弊している地域の経済の振興に対してどういう関心を持っておられるかということ。もっと言えば、この国全体の課題でありましょうが、社会保障についてどのような今後の絵姿、国民の安心できるような絵姿を描けるかということ、これも大きな課題ではないのかなというふうに思っています。

 一つの課題だけに基づいて全体を、しかも多数決で知事会としての意見を決定するというのは、私自身としては、少し支持できないなと思っているところであります。

直轄事業負担金 (1)

 (服部:毎日新聞記者)   2問目です。国の直轄事業負担金の問題です。国は6月1日にですね。全国知事会の求めに応じて、先の明細を公表しました。例えば国交省なら高知県分の人件費は7億900万円、内退職手当が6,000万円などと打たれています。他県の知事から、すでに詳細な積算の内訳が示されていないなどの批判も出ています。知事は、負担金の意義というのは認めた上で、内訳の詳細な説明を求めていくと、これまでの会見でもおっしゃっていますが、今回の国の対応についての評価と、今後さらに要請することがあればお聞かせください。

(知事) 
 5月末に木村地方整備局長が私の所へおいでくださり、直轄負担金の内訳についてご説明をしてくださいました。これはある意味、従来にはないことです。今までは、ポンと請求書が送られてきて、ということでありましたから、わざわざ局長が来て詳細を説明してくれるというのは従来ないこと。

 一定の誠意のある対応をしていただいているというふうには思っております。 ただ、その開示された内訳について言えば、残念ながらまだまだ不十分な所があると言わざるを得ないという状況ではないのかなと思っています。人件費などについても、より詳細な積算根拠とかが必要だと思っています。

 個々具体のことと申しますより、むしろ原則で言えば、我々が補助事業の時に国に対しては詳細な積算をつけて説明をいたしております。地方から国については詳細な説明をしてます。国から地方に対しても、地方が国に対してしているのと同じような内容の開示、これが必要ではないのかなと考えているところです。そういう点においては、まだまだより一層詳細な説明を求めていくしかないなと思っています。

  また、直轄負担金の制度全般について、現在の国の直轄事業と区分けされているものについていえば、地方に対して非常に大きな影響の及ぶことが多いものであり、受益をもたらすものが多いものであるというふうに思っています。でありますから、地方においても一定の負担をしていくということについて、私はその意義自体を否定するものではないと、受益に見合った負担はすべきだというふうに思っています。

 ただ、地方自身が負担をすべき金額が分かってきた時に、これが受益と照らしてどうか。負担よりも受益が大きければ受けるということになりますでしょう。しかしながら、受益よりも負担の方が大きいじゃないかと地方が判断した時には、これが国の直轄事業の遂行にあたって地方の意見、判断というものが反映される制度になっているかどうか。 残念ながら、現段階ではそういうことにはなっていないのではないかなというふうに思っています。

 私は、地方が受益に見合った負担となってるかどうかを自主的に判断し、その地方の判断の結果を国との間で対等な協議をしていく場というものが、直轄負担金制度の趣旨そのものに照らしてもぜひとも必要ではないのかな、と考えておるところであります。 私はこの対等な協議の場の設置ということについては従来から申し上げてきました。

 知事会においても、段々そういう議論が出てきてるんじゃないのかな。むしろそういう形で議論が収束してきているんじゃないのかなというふうに私は思っておりますけれども、これはぜひとも必要なことだと思いますので、今後ともこの点は知事会等の場などを通じて訴えていきたいと思っております。

地方活性化経済対策臨時交付金

(服部:毎日新聞記者) 
 最後です。4月末に公表された国の地方活性化経済対策臨時交付金が高知県に対しては104億円が入ったことになりますが、知事はこれまでの会見で事業を厳選して一過性で無駄に使ってしまうことのないようにというふうに話していますが、どういった事業に充てるか具体的な内容をお聞かせください。

(知事)
 すみませんが、今、財政課において予算査定中であります。来週以降ぐらいからでしょうかね、私も具体的に協議の中へ入っていくことになりますから。具体的に何をということについては、ちょっとまだ申し上げられる段階にないので、そこはちょっとお許しをいただきたい。

 ただ、まずは、その104億円について、各部局からの要求の総額自体は、210億円だということでございますから、210億円の要求から104億円まで絞り込んでいくということをこれから実施していくということになるわけです。

  ただ、私は、厳選していく際にはということで、従来より指示しておる事項でございますけれども、大きく言えば3点あります。一つはやはり経済危機対策でなければなりません。非常に厳しい経済状況が続いております。県民の雇用、収入、雇用・所得の確保、これに繋がっていくような事業を選んでいくというようなことが第1であります。

 そしてもう一つでありますが、本県にとって必要不可欠なことであるけれども、今まで財政難ということでできなかった事業がたくさんあるのではないかと。この機に今まで不可欠とされながらできなかったことについて、行っていくということも必要ではないかなと考えています。

  そしてもう一つ、3番目でありますが、やや漠然としていますけれども、将来にわたってこの交付金が役に立ったと県民の皆様に実感してもらえるようなこと、そういう使い方が必要ではないのかなと。将来の高知県の産業振興、教育の振興、福祉の振興にとって、あの時やった事業、これが一つの根っことなって、後に花が咲いたと言われるようなもの、そういうものを選んでいきたいなと考えているところであります。2週間ぐらい、お許しをいただきたいと思います。

高知女子大学の共学化

(佐野:NHK記者) 
 今日なんですけど、女子大の学長が記者会見をしまして、再来年の4月から共学化をするということを正式に表明されました。まずこれについて知事のお考えを伺いたいのが一つと、県がこれについてどのような対応というか、支援をしていくのかを伺いたいのですが。

 (知事) 
 私は従来、議会では(共学化の時期を)22年4月からということを申し上げさせていただいておりました。しかしながら、その後、女子大の中でも非常に詰めた議論が行われまして、やはり学生募集の点では、できるだけ早い時期から周知していかないと受験生の皆様には困るということ。

 それともう一つは、何より女子大の場合は、看護でありますとか福祉の関係があります。今まで女性だけでやっておられたわけですが、今度男性が入ってこられるということになると、いろいろな(受け入れ体制の)整備が必要になってくるということでございまして、こういうことを踏まえれば、やはり23年4月からでないとなかなか難しいというお話でございました。

  私も先日、女子大の山根学長とお会いさせていただいて、そういうご説明を受けたところでございますが、従来より22年4月とは言ってまいりましたけれども、学長のお話を聞いておりまして、「なるほど23年4月がよろしいですね」ということで、私としても納得をしたところでございます。

 今後は、23年4月に向けて、共学化に向けての具体的な準備を進めていかないといけないということです。学生さんの募集についてもそうでありますが、併せていろいろな施設の整備などについても、行っていかないといけない。もしかしたら、カリキュラムの有り様はどうかなんてことも検討されるのかもしれません。 県として、我々といたしましても、女子大学がいろいろ進められる準備について、すべき協力は十分にしていかなければならないと考えているところです。

(佐野:NHK記者) 
 当初22年4月からと言っていたのが、1年、後ろになったということで県の影響というのはどういうことがありますか。

 (知事) 
 いろいろ考えて精査してみましたけど、特段影響はないのではないかと思いますね。一つ言えば、できるだけ早く共学化をという強いご意見が、いろいろ関係者の皆様の中にもありました。 それは早い方がいいとは思っておるわけですが、ただ、共学化はしたけれど、態勢が整ってなかったとか、学生さんたちは十分に知らなかったとか、準備の期間がなかったということがあってはいけないことだと思いますので、「器あって中身整わず」ではいけないと思いますから、そういうことを考えれば、学長がおっしゃいますように23年4月が妥当だなと、今は思っております。

(高橋:高知新聞記者) 
 それは学長からお話をもらって考え、方針を変えたという解釈でよろしいですか。

(知事) 
 学長の決定を真摯に受け止めたということですね。学長というか女子大学での決定を真摯に受け止めたということです。「なるほど、おっしゃるとおりだ」と思ったということであります。

直轄事業負担金 (2)

(畑本:読売新聞記者) 
 直轄負担金のことですが、今回提示された退職金に当たっている分とか、人件費に提示使われている分だとか、全体の地方負担分と国の負担分の比率については、もうご検討されていますか。

 (知事) 
 そこなんかも一つの論点だと思っています。恐らく全国同じように思われてるんじゃないかと思いますけれども、退職金をそもそも計上するのかどうかということもありますが、じゃあ、計上するとした時に、どういう考え方でこれが県の負担となるのかというその考え方、計算方法。仮に、もし簡便な方法をとられるのだとしたら、こういう考え方でこう計算をすべきだけれども、なかなかデータが相整わないので、簡便法としてこうやり方をとったとか。そういう説明が必要だと思うんですね。ここのところについて、まだ十分に議論が尽くされてないというふうに思ってますから、今後そこについていろいろ話し合いをしていかないといけないかなと思っています。

(畑本:読売新聞記者)
 今の印象としては、出されたデータからでは、考え方を含めて分かるものが少ないということですか。

(知事) 
 まだですね。積算内訳をもっと聞いていかないといけません。こんな感じですよ。今までは総額だけだった。今度骨格が出されました。これは一定の進化です。成果であります。ただし、じゃあ、この消費された金額がどうかということについての具体的な説明というところにはまだいってないということですね。

国直轄道路の凍結問題とインフラ整備

(亀岡:朝日新聞記者)  直轄国道の整備の凍結の件なんですけど、この凍結を解除できるかどうかということの現段階の見通しは。あと県として、具体的な考え方を国の方に投げかけておられると思いますけど、それを国の方がとってくれそうな話になるのかどうか、その辺の見方はいかがですか。

(知事) 
 ちょっと答えは複雑になりますけど、前回凍結を決めた時の計算方法というのは、人口減を折り込んだところでは新しいんですけれども、今回新たに盛り込むこととなった「命の道」の要素は、盛り込むこととなっているにも関わらず、あの時の計算には使われてないんですね。そういう状況にあります。

 具体的に言えば、通行規制解消便益ということです。 今後は、この通行規制解消便益をはじめとした計算でもって、凍結すべきなのかどうかということを判断すべきだということを、これから訴えていくわけなんです。これは元々、国の方で通行規制解消便益については折り込んで計算すると決めておるものですから。こういうものを折り込んで計算するんであれば、当然、我々は凍結解除という方向に話は進んでいくのではないかなというふうに思っていますし、一般的にいろいろ話をさせていただく限りにおいては、なるほどというような受け止めをしていただいていると思っています。

 ただし、まだまだ議論は続いておる最中でありますから、とにかくそんなに我々としてすぐ引き下がってこれるような話ではない、ということは従来申し上げてきましたが、大問題でありますので、とにかく気を抜かずに徹底して、我々の主張というのを訴えていきたいと思っています。

  実際にその便益の問題だけではありません。ほかの要素もあります。コストがどうかという問題もあります。それからもう一つは、事業評価を捉えるにあたっての事業区間という考え方がどうなんだろうかとか。余りにも効果をぶつ切りにして、細かく捉えすぎているんじゃないんだろうかとか。そういうような点なんかについても、いろいろな角度から我々は訴え続けていきたいと思っているところです。 多面的に我々の主張というのを繰り返し、繰り返し行っていくと。多方面からというか多様な要素をとらまえて、我々はこの必要性というのを訴えていかなければならないなというふうに思っています。

(亀岡:朝日新聞記者) 
 具体的に県内の業者でいうとですね、もう6月ぐらいまでに解除の方向性が見えないと、当然事業は中断ということになっていくかと思うんですけれども、その辺を含めると、例えば夏ぐらいまでに何とかなりそうなのかどうか、その辺もお伺いします。

(知事) 
 何とかしたいですね。

 (半田:高知新聞記者) 
 大いに希望としてはわかるんですけど、具体的に、現実にそういうことが進むかどうかその辺はどうですか。

 (知事) 
 まだはっきりしませんね。

 (半田:高知新聞記者) 
 
関連してですけど、今度の政府の景気対策で、高知なんかは一時凍結する一方で、新規着工が首都圏を中心に出てきてるんですけども、この政府のやりように関して知事はどういうふうに理解してらっしゃるんですか。

(知事) 
 中土佐とか窪川とか、あっちの方は今回も加速されているわけですよ。それも無くて凍結だけだったら、目がつり上がるということだと思います。そっちはそっちで話は、余りにも乱暴すぎると思いますが、前回の3月31日の事業評価の中でとりあえずクリアしているものについて言えば、高知県内でもかなりの加速が、今回の経済対策に基づいてされることとなってます。都会もやられるということでしょうが、高知県でも仕事が進むということでありますので、それはそれでいいかなと思っていますけれども、ただ一時凍結ということをとらまえて考えていけば、それは到底納得できないということです。

(半田:高知新聞記者) 
 どうしてああいうことになったんですか。9,342キロという線引きがあるのかもしれませんが、こちらの方が入ってないとか、そういうような理屈かもしれませんけれども、こちらがいくら考えても理解できないもので、知事はどういうふうに受けとめていますか。

 (知事) それは一時凍結の決めた時というのが、例えば一律にばあっと単純な計算式で計算して出た数字をそのままポンとオープンにしたからです。それで決めたからです。そうだと思いますよ。むしろ今後、新規着工についてどういうことをやろうかってする議論と全く、ある意味、切り離して考えたんじゃないですか。そういうことからしても、おかしいと思いますよ。一時凍結の議論というのは、余りにも単純過ぎますよ。これは従来から申し上げてきていますけど。

 (亀岡:朝日新聞記者) 
 政治的な動きだという認識はありませんか。

 (知事)  首都圏向けにですか。だから、何というか、インフラ整備について、私は、今度、国土交通大臣の所にも、調整部局にも行こうと思っているわけなんですけど、それから来週の月曜日にですね、私自身が広域地方計画協議会の会議に出て、ここでも発言しようと思うのですが、人口が多い所からインフラ整備をどんどん進めていくというのは、いかがなものかなと。人口が少なかろうが多かろうが、最低限必要なインフラ整備というのは必要なのであって、その点についてはしっかりと認識をしてもらわなければならないと思っています。この点はやっぱり訴えを強めていかないといけないと思います。

  もっと言えば、中山間地域とか過疎地域とかでは、高齢者の皆様がどんどん増えていて、かつ孤立化しつつある。いわゆる一人暮らしになり、周りに若い人もいなくなった時点で、段々、段々生活が不自由になっていくという状況が、高知県で続いているわけですよね。そういう所こそ、ある意味、機械力でもって日々の生活を補っていかないといけないと私は思うわけです。 具体的には買い物に行くにしても軽トラがないと行けないんじゃないかとか、病院に行くにしてもそういうものが必要なんじゃないか。そういうものが力を発揮できるようなインフラ整備。この場合でしたら道路ということになりますが、そういうものの整備というのはぜひとも必要だと思いますよね。

 先ほど国土交通大臣の所へ行って、ミッシングリンクの話をさせていただくというお話を申し上げましたけれども、四国における高速道路整備、これはいわゆる贅沢品ではまったくないのであって、本当に必要不可欠な水準のインフラ整備について訴えているんだということをよくよくお話していきながら、少しでも前に加速していけるように我々としては仕事をしていきたいと思いますけどね。

次期衆議院選への対応 (2)

 (半田:高知新聞記者) 
 一番初めの全国知事会の話で、大阪府の知事と宮崎県の知事がその考えを出されたんですが、実質は別にして、今まで知事会というのが支持政党を明らかにしたことはなかったと思いますが、尾﨑知事はその辺はあってもいいというお考えですか。

 (知事) 
 いいとは思いません。それぞれの考え方、それぞれの立場があるんだというふうに思っています。知事でありますから、それぞれの県民から直接選挙で選ばれた首長であります。その意見が多数決で決まって、少数意見になった所が多数決の意見の所に従わないといけないというのは、ちょっと知事会の場合は、そもそもそういう制度を想定してないということもあります。ちょっと乱暴すぎはしないのかなというふうに思っています。私は高知県民に対して責任をもって、高知県のために一番よいと思われる判断を自分自身でしていくことが必要だというふうに思っています。

 (半田:高知新聞記者)
 去年の9月に答弁されていると思うんですけど、知事会じゃなくて、尾﨑知事が国政選挙なんかで、場合によっては、知事の立場でするのかどうかという話ですけど、尾﨑知事もそういうことをやる場合があるということでしょうか。

 (知事) 
 今の段階では、ちょっとお答えしかねるかなと思いますけどね。今の段階では別に、従来のスタンスから変わっていることはありません。

(半田:高知新聞記者)  次の衆議院選に関して、考え方は同じですか。

(知事) 
 今の段階で考え方を変えているわけではありません。いずれにしても、高知県のこの厳しい経済状況、教育の問題、福祉の問題、こういうものを解決してくれる。そういう方々が国政の場において活躍してもらいたいというふうに思っています。

首都圏のアンテナショップ

(古井:高知新聞記者) 
 首都圏のアンテナショップについて、前回は検討中ということだったんですけど、その後の検討状況、併せてこのショップの運営組織の陣容なんかで、何か固まったことがあればお聞かせください。

 (知事)  不動産物件については2、3件に絞って、今具体に交渉中であります。その交渉の結果を見ないと具体的には申し上げられない。相手方のご都合がありますので、ちょっとそこはお許しをいただきたいというふうに思います。 それから運営組織について言えば、今度新たに、地産外商を担う財団を組織したいと考えておりまして、この組織でアンテナショップの運営も行っていくということになります。

 (古井:高知新聞記者) 
 ある程度の陣容は固まっていますか。

(知事) 
 まだそこは検討中です。次の6月議会においては、かなりの姿をお示ししていかなければならないのではないかと思っていますけど。さっきの予算編成の話と同様で申し訳ないんですけど、議論が煮詰まっていない段階ですので、今日は詳しくお答えできないので、すみません。

次期衆議院選への対応 (3)

(畑本:読売新聞記者) 
 一つだけ戻りますが、先ほどの知事会の考えについてで、そもそも県知事として高知県民のためになる範囲で、自分自身で判断したいというご趣旨ですか。

(知事) 
 私が信じる範囲で、私が判断したい、ということですね。

産業振興計画の実行について

(伊藤:日本経済新聞記者) 
 産業振興計画ですけども、住民説明会もされて、工業会とかいろんな総会の場で話をされて、話された方々の反応をどういうふうに感じてらっしゃるのかというのが1点ですね。それとこの2カ月ですけど、課題のようなものが見えてきたとかいうものがあればお聞かせください。

(知事) 
 反応について言わせていただければ、長時間でありますけれども、本当によく最後まで聞いていただいて、終わった後の質疑も活発にやっていただいて、私としてはありがたいことだと思っています。産業振興計画というのはどういうもので何をやろうとしているかということについて、かなり関心を持っていただきつつあるのではないかなと思っています。

 ただ、課題ということでいえば、この詳細な中身について県民の皆様にすべてお伝えしきれているかというと、まだまだそうではないんじゃないのかなというふうに思っておりますので、先ほど申し上げたパンフレットも作って、ご説明をしていきたいと思っているところです。

 それともう一つは、昨年度は計画を作っておりましたけれど、今年の4月、5月というのは具体的な実行に入ったわけです。やっぱりプランを作っている時と実行の段階になってくると、事前に考えていた、これでいいだろうと思っていたことが実際やっている現場においてはどうもうまくいかないということも出てきたりするかもしれません。

 まだ具体的に出てきているというわけではありませんが、そういうことが出てくる可能性があります。でありますので、できるだけ早く計画と実際との齟齬、違いと言いますか、さらには、県庁の建物の中での議論と現場との違い、こういうものが出てくるのであれば、できるだけ早く解消していく必要があるのではないかなというふうに思っています。

 そういうことがありますので、今度6月9日の午後に、地域産業振興監に県庁のほうに来てもらって、かなり時間をかけて私ども、それから関係部局長とも話をしたりして、今の段階でいろいろ調整すべきことがあれば調整をしていく、お互いが意思確認をすべきことがあればしていくという機会を持っていきたいと思っているところです。

高知市の財政再建

(半田:高知新聞記者) 
 別の話なんですが、高知市の財政難の問題ですけど、今、岡崎市長がですね、財政再建に関して、市民説明会で回っているんですけども、これの原因が積極財政のつけであるとか、三位一体の改革であるとか、いろいろ原因があるんでしょうが、県と高知市のことですから、県に影響も大きくなってくると思うのですが、知事はどういうふうに高知市の今の動きをお考えでしょうか。

 (知事)  高知市は今、一生懸命財政再建に向けて取り組みを進めておられるところなんだろうと思います。我々、高知県としましてもいろいろなことにおいて高知市の取り組みというのはバックアップしていきたいなというふうに思っているところでありまして、いろんな国の事業でありますとか、県の事業にしても、いろいろ高知市と連携してやっていくべきこと、その連携自体を深めていくことは必要かなと思っているところです。

  おっしゃりたいのは、県は積極財政だが、市は超消極財政に転じて方向がずれるのではないかということかと思いますけれども、要するにそこのところは財政再建を進めていきながらも、やるべき勘所をピタッと押さえて仕事をしていけば、効果をもたらすことができるということじゃないのかなと。

 具体的には高知市の場合は、高知市の地域アクションプランというのがありますよね。あの地域アクションプランというのは高知市の産業振興を図っていこう。また、「土佐・龍馬であい博」の準備を進めていくために必要な事業が計上されているわけでありまして、あちらについては、県と市でタイアップして仕事を一緒に進めていくということでもって、高知市の財政再建に向けていろいろ歩みを進められるでしょうけれども、他方で高知市における産業振興、県と市で手を携えて仕事ができていくというふうにしていきたいと思っています。

 (半田:高知新聞記者) 
 具体的には図書館ですとか、球場のナイター設備だと、県の施策自体に影響は及びませんか。

 (知事)  具体的に、個別の課題ごとに高知市と協議をしないと、どういう影響が出るかということは分からないと思います。財政再建をするからすべて仕事を止めるということには当然ならないはずなので、単にすべて止めてしまうということであれば、それは「市の財政あって市民生活なし」ということになるでしょうから、高知市でもそのような判断はされないでしょうから、当然やるべき仕事はしていくというふうに私も理解しておりますので。

 それぞれの個別の課題について、これはやるか、もしくは先延ばしにするか、やっぱり止めるか。そこのあたりというのは個別の議題に応じて議論するということじゃないかと思います。

次期衆議院選への対応 (4)

(畑本:読売新聞記者) 
 さっき途中までお聞きした話なんですが、政党支持についてですね、県民に一体何がいいのかということを知事自身がご判断して決めるということですか。

 (知事) 
  決めるべきだということ。全国的に。だから多数決に従って、私は反対だけどあなたもそれを支持しなさい、なんていうのは乱暴じゃないかということです。

(畑本:読売新聞記者)  知事自身は、この度の衆院選についてどのような支持をするのかということについては、表明を今もしていないし、距離を取っているということですが、最終的に選挙になれば知事個人として投票するということがあると思うんですが、知事が結局、どこを支持するのかということについては表明されるお考えはありますか。

(知事) 
 まだ分かりません。

新型インフルエンザ

(佐野:NHK記者) 
 話は変わりますが、新型インフルエンザについてですが、1カ月強も体制をずっと組んだままということになっていますが、国の方針についても縮小傾向に見えるということもあるんですが、県として今後の見通しはどういうふうにしていかれるおつもりなのか、もしお考えがあればお聞かせてください。

 (知事) 
 国全体でいくと大阪府とか兵庫県とかが、安全宣言をされたりしている状況ですが、ただ四国ですと、例えば先日、徳島で新たに発生されて、患者の方が出られたりという状況にありますから、まだまだ気は抜けないんじゃないかと思っているところです。今後も引き続き警戒体制を緩めずに対応していくということかと思います。

  ただ一つだけ、従来、一番初めの取り組みでは強毒性ということを前提にして取り組みを進めておりましたけれども、やはり弱毒性のウィルスであるようだということでございまして、先日、本部会議を開いて弱毒性の対応に改めました。今後も気は抜きませんけれども、あくまで弱毒性であるということを前提とした対応を続けていくということになります。  

(中村補佐) 
 それでは、以上を持ちまして終了させていただきます。

 

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