公開日 2009年08月03日
更新日 2014年03月31日
知事の定例記者会見
平成21年7月29日(水曜日) 14時00分から14時50分 第一応接室
目次
産業振興計画の進捗状況
土砂災害の防止に向けた取組
アンテナショップ
飲酒運転による懲戒免職処分
衆院選政党マニフェストの知事会での採点
国と地方の協議の場と地方分権
民主党マニフェストでの暫定税率の廃止
政党マニフェストの採点基準
地産外商公社
県政満足度調査について
衆院選での特定政党の支持
地方分権の考え方
横浜市長の辞職について
日本の成長戦略
航空会社への着陸料補助
産業振興計画の進捗状況
(知事)
それでは、毎月のことではありますけれども、産業振興計画の今の進捗状況についてご説明したいと思います。
詳細は、今、お手元にお配りしている資料(会見資料)のとおりでございますけれども、その中で、特にポイントとなるところについてお話をさせていただきたいと思います。
まず第1に、推進体制でありますけれども、産業振興推進本部を6月29、30日に開催した後、7月6日に追加的に開催しました。さらに明日、第3回の産業振興推進本部を開催することとしております。明日の主たる議題は産業振興計画をこの4カ月ぐらい実行してきた中で、いろいろと、拡充をしていくこともあるんじゃないか。さらには追加をしていくこともあるんではないか、ということも多数考えられることから、9月末に、いわゆる検討委員会の後継組織でございますが、産業振興計画のフォローアップ委員会が開かれることも視野に入れながら、新しくどのような施策を追加し、または拡大していけばいいか、についての議論を始めていくということであります。
さらにもう一つ、「今後の取り組みの重点事項」と書いてありますけれども、8月3日に新しい「一般財団法人高知県地産外商公社」を設立することとなります。愛称として「トレードサポートKOCHI」という名前になりますけれども、新しく、非常に幅広く、高知県の地産外商戦略を担っていくための公社でございます。様々な産品を取り扱っていきながら、民間の皆様と官民協働で地産外商を進めていくための組織が、8月3日に立ち上がることとなったわけであります。
お手元の「一般財団法人高知県地産外商公社、トレードサポートKOCHIの設立について」という1枚紙に、「<以下、予定>」と書いてありますけれども、8月3日に登記の申請をしまして、同日、第1回理事会と第1回評議員会を開催することとなります。この評議員会と理事会が終わりました後、私が、地産外商公社につきまして、詳しく記者会見を行いたいと思っているところであります。役員の皆様方につきましては、裏面に記載してある方々にお願いしております。
最初の紙に戻っていただきたいと思いますが、「広報活動」ですが、いろんなメディアの方々にお願いしながら、広報活動を進めてきたところでございますけれども、そろそろ地域アクションプランも動き出したということであります。その地域アクションプランが、具体的にどのような取り組みがされているのかということを、県民の皆様に分かりやすい形でお示しをしていきたいと考えております。ご存知のとおり、10月23日から25日にかけて、「ふるさとまつり」が鏡川河畔で行われておりますけれども、そちらの場におきまして地域アクションプランの具体的な取り組みなどを紹介するコマを設けて、いろいろと目に見える形で、具体的な形で、この産業振興計画の進展状況についてご紹介をしていきたいと、これによってさらなる盛り上がりを期待していきたい、と思っております。
さらに1枚おめくりをいただきますと、産業成長戦略関係で地産地消・外商戦略を進めてきておるのはご承知のとおりです。高知県産品フェアなど既に13件を開催しておりますし、さらに貿易促進コーディネーターも活動を開始したところでございます。今、4名のコーディネーターの方に高知県貿易協会に常駐していただいております。この方々は、上海事務所、シンガポール事務所と連携しながら、県内の事業者さんのニーズに対してハンズオン〔実地〕で支援をしていくことで、本県の輸出振興を図っていく取り組みを進めていくものであります。
また、「(4)成長分野育成支援研究会の設置」にありますけれども、食品・天然素材・環境・健康福祉の4テーマで新しく新産業の育成をしていきたい。追い風が吹いている。まず、高知県にあるシーズ〔新技術〕について、研究会を設置して、事業化プランを作っていただく。そして、それに対して支援をしてくことをしようとする研究会でございますけれども、現在までに100社を超える企業・団体から参加申し込みを得ています。
この第1回の合同研究会が、8月5日に開催する予定となっております。8月3日に地産外商公社が立ち上がる。そして8月5日には、いわば企業版のアクションプランといいますところの企業研究会の取り組みが、いよいよ具体的に始まるということでございます。8月第1週、いよいよ産業振興計画もさらなるステージに入ってきたと、実行の第2ステージに入ってきた。そういうふうに言える状況にあるのではないかな、と考えております。 第1番目は以上です。
土砂災害の防止に向けた取組
そして、もう一つでございますけれども、山口県等におきます土砂災害におきまして、特養老人ホームが被災し、多くの方々が亡くなられたということでございます。犠牲者の方々には心よりお悔やみを申し上げたいと思うところでございますが、本県におきましても、このような災害が起きることは何としても防いでいかなければなりません。
土砂災害の危険個所は、高知県では平成15年度の調査で、全国第7位の1万8,112カ所ございます。その中で災害時要援護者施設が近接している地域が417カ所あるわけでございます。ただ、平成15年度のデータですので、他県のこのようないろいろな被災地例ということに鑑みまして、この度、改めて全市町村に対しまして、土砂災害危険個所内での災害時要援護者施設の有無についての確認をすることとしております。
また併せまして、風水害時の適切な対応がとれるように情報伝達手法の確認、災害時の対応についての要請、さらには、優先的な工事の実施、こういうことについての検討を、これを機にさらに深めていくということで万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
冒頭、私からは以上です。
(広報広聴課課長補佐(広報担当))
それでは質疑に移ります。幹事社の方からお願いします。
アンテナショップ
(石川:テレビ高知記者)
アンテナショップ アンテナショップについてなんですが、現状、銀座、有楽町地域を候補として土地を探しているということですが、物件は決定したんでしょうか。状況を教えてください。
(知事)
申し上げましたとおり、銀座、有楽町を最有力の出店の候補地としまして、今、いろいろと交渉を行っている段階ですけれども、まだ、物件は決まっていないという状況です。場所とか、面積とか、賃料とかについて、我々が望んでいるような条件を満たした物件も見つかった所であります。
しかしながら、いろいろ他の交渉相手の方もいらっしゃる。さらには、細部については詰めも必要ということで、現段階では詳細な交渉を行っているということです。さらには、その他にもいくつかの候補物件がございますので、そちらにつきましても並行的に検討を進めさせていただいておるということです。かなり長期間にわたって使うものでありますし、買い物としても大きなものでございますので、とにかく妥協せずに最善のものを使えるようになりたいということで、慎重に、スピード感を持って、慎重に検討を進めさせていただいているということです。敢えて言えば、場所は銀座1丁目から4丁目ぐらいで何とかならないかなと考えています。
(石川:テレビ高知記者) それは、有楽町は外れるのでしょうか。
(知事)
有楽町、銀座周辺エリアで5丁目から8丁目エリアではなくて、北側の方で一生懸命探しているということですね。
(石川:テレビ高知記者)
ちなみに目途はどうですか。
(知事)
もうちょっと、まだ分かりません。我々だけで決められることだったらいいんですけどね。相手がいらっしゃいますのでね、交渉相手の方がいらっしゃいますので、すみません。
飲酒運転による懲戒免職処分
(石川:テレビ高知記者)
二つ目の質問です。全国で飲酒運転に伴う懲戒処分となった自治体の職員について、懲戒免職処分というのは過酷過ぎるという、処分取り消しを命じる判決というのが相次いでいます。高知県は、飲酒運転で即懲戒免職という方針を全国に先駆けて導入していますが、今後その見直しの可能性というのはいかがでしょうか。
(知事)
現段階では見直しをするという考えは持っておりません。平成9年11月以降、今の姿勢で臨んできているわけです。この飲酒運転が最終的に尊い命を複数奪うこととなる可能性があるという、非常によろしくない行為であるということでありまして、平成9年11月以降、厳罰化ということで臨んできていて、そしてもう何年経ってますかね。
前回申し上げましたが、県庁職員の皆さんが、このことはよくよく分かっておられるはずだと、私は思っています。行えば厳罰が科されることとなるということ。そしてもう一つ、当然のことながら、飲酒運転による交通事故によって尊い命がたくさん奪われてしまった事例がたくさん全国的にも頻発しているということ、この二つは当然分かっているはずです。にも関わらず飲酒運転を行えば、やはり厳罰によって対処するしかないんじゃないかなと、今の段階ではそう考えています。
判決の動向、それぞれの状況、ケースバイケースによって違うというところもあるんだろうと思いますが、本県では従来どおりの対応をしていくと、そういうふうに考えています。
(石川:テレビ高知記者)
特に、この過酷過ぎるという考え方に対しては、知事ご自身はどのようにお考えですか。
(知事)
そのような過酷な処分が下されるんだということが、もう十分行き渡っていますよね。平成9年からですから、にも関わらずやったということですよ。それはやはり厳罰を科されて、やむを得ないということじゃないでしょうか。それともう一つが、いろいろな他の非違事案もあるじゃないかという話がありますが、この話は人の命に直結する話。それは重さが違うんじゃないかと私は思っています。
衆院選政党マニフェストの知事会での採点
(石川:テレビ高知記者)
三つ目の質問です。全国知事会の方で政党支持の明確化は行わない代わりに、政党のマニフェストに対しての採点を行うことになりました。希望する知事が参加して地方分権に関する採点を行うということですが、尾﨑知事は採点に参加する考えはありますでしょうか。また、知事会でのこうした動きをどういうふうに見ておられるでしょうか。
(知事)
採点というお話ですが、これは各マニフェストの中での地方分権の部分に限っての採点ということですね。その地方分権に限っての採点について、私もこの採点には参加したいと思っています。
また、知事会のこういう行動、前回の全国知事会でも盛んにこの地方分権の部分というのは議論になったわけですけども、このような行動を取っていくことによって、各党に、それぞれに地方分権を進めていくべきだという地方の熱意が伝わっていって、見させていただいたところで言えば、各党ともに、それぞれ地方分権をかなり推進していこうという方向での検討がなされてきているんじゃないかなというふうに思っています。
全国の知事が非常に結束した動きを示していくことによって、この地方分権が大きく進む。少なくても公約の段階では大きく進むというふうになってきてるんじゃないかなと思っています。
ただ、全て出揃っていませんしね。まだ詳細について不明なところもありますので、まだまだ最終的な結論を出せる段階にはないと思っていますが、流れとしては良い方向に向かっているんじゃないかなと思っているところです。
(広報広聴課課長補佐(広報担当))
それでは各社からお願いします。
国と地方の協議の場と地方分権
(半田:高知新聞記者)
民主党の出したマニフェストですけども、地方分権に関わるところの知事の評価と、もう一つは昨日いろいろ行き違いがあってですね、例の国と地方の協議の場の法制化、どうもマニフェストには載ってないけれども、何か追加マニフェストみたいなものに載せてくるという話もあって、確認は取れないんですが、最初の段階にあれだけ知事会が言っているものを民主党が落としてきた意図みたいなものは何か感じられますか。
(知事)
分かりませんね。私も分かりませんね。
(半田:高知新聞記者)
民主党の地方分権の書いていることに対する評価はどうですか。
(知事)
地域主権ということを掲げておられていて、かつ国と地方の協議の場の法制化ということについても掲げておられるのかなと思っておったんですけどね。大きな前進ではないかなと私は思っているんですが、ただ、確かに報道などから察するところ、マニフェスト本体じゃなくて、インデックスの方に、その協議の場については載っていたりしていて、インデックスとマニフェスト本体との関係というのは、ちょっと分からないものですから、この時点までに確認できていればいいんですけど。ただ何らかの形で書いているので全くなしということはないんじゃないかと思うんですけどね。
いずれにしても、昨日のぶら下がりの会見で申し上げましたが、私は就任当初から申し上げていることです。国がいろいろ政策づくりをしていきます。しかしやっぱり地方の多様性というのは、なかなか捉えきれてないと、自分が霞ヶ関で働いていた時もそういう感じをしていましたし、さらに知事になって高知県の仕事をさせていただいておっても、そのことを益々、意を強くしているところです。
やっぱり、国のいろんな形での政策決定をしていく時に地方の意見というのをよくよく事前に聞いて、地方の多様性にしっかり対応できるような、一種の柔軟な形での政策決定をしていくということが極めて重要だと思うんです。そういうことが確保できるようにすることが、国政関係について言わせていただければ、私は、それが一番大切なことじゃないかなと思っているところです。
今回、衆議院選挙に向けていろんな争点が出てきていると思うんですよ。社会保障の関係、経済、雇用の関係、そもそも行政組織をどうするのかという問題の関係、全て、切り口として、地方から見てどうなんだということをぜひとも考えてもらいたいと思いますし、考えるような政策を今後展開していっていただきたいと思います。さらに単に地方からの視点で考えましたよというだけじゃなくて、それがしっかりと制度化され、法制化されていく仕組み。地方の意見が反映されることによって国の政策が形成されていくという仕組みが法制化されていく、制度化されていく、実効性も担保される。これがすごく大切だと思っています。
そういう意味において、いろいろな形での国と地方の協議の場の設定、その権限関係を明確化していくこと。これはぜひとも必要なことだと、私は思っています。これは、今回の知事会でも、私は、強く主張してきましたし、そもそも直轄事業負担金問題について、私は、昨年の秋ぐらいから、早い段階からこの話を申し上げているつもりですけどね。
いろんな形で、例えば、社会保障政策なんかを実施するにしても、国が一律に決めた基準では、東京23区ではうまくいっても本県のような中山間地域ではうまくいかないなんてことはたくさんあるわけです。もし仮に、私たちの意見を最初から聞いていてくれれば、しかもその意見をしっかり踏まえた形での政策を作っていれば、こういう問題は生じなかったんじゃないかなと思うような政策って、いくらでもあると思うんですよね。
私は、そういう点から、この1年半の経験も踏まえて考えた時に、そういうものを制度化していくことというのは、ぜひとも重要だと思います。
民主党マニフェストでの暫定税率の廃止
(半田:高知新聞記者)
もう1点、マニフェスト全体の中で、いわゆるガソリン税の暫定税率の廃止というのが入ってきているんですけど、これはその財源をどうするのかという話に繋がっていくんでしょうけど、財源論を含めてですね、ガソリン税の点でもかまいませんが、知事の考え方というのは何かありますか。
(知事) 財源をどうするのかという問題について、私は、より具体的な話を聞いていきたいなというふうに思っていますけどね。より具体的な、その財源の手当になるものをどうするのかということについて、暫定税率を廃止するなら他の財源はどうやって確保していくのか。そこのところについては、より詳しく把握していく必要があるのかなと思います。
昨日、民主党の直嶋政調会長ともお話をさせていただいて、一定、毎年度、毎年度の見直しの中で、いろんな無駄なものを排除していくことによって財源を取っていくんだというお話をいただきました。短い時間でしたから、より詳しい具体的なお話をするほどの時間もありませんでしたけれども、果たしてそれを、より具体的に言えばどういう形でやっていくのか。どれだけの財源がそれぞれに捻出されるという見込みでいるのかということは、やはり選挙に当たって明確にしていただきたい事項かなと思っているところです。
国と地方の協議の場というのが出てきてますから、地方分権の関係も踏み込んだ対応を取られようとしているのかなと思ったんですけどね。さっきのインデックス、マニフェストなんていうのは、今のこの時点ではどうなのか分かりませんね。明日にははっきりしているのかもしれませんが。ただ、文書に書いて出しておられることだから、何もないということではないんじゃないかなと思いますけどね。
政党マニフェストの採点基準
(内保:共同通信記者)
それに関連してですけど、今マニフェストを出しているのは民主党のみですけど、今後は自民党なり公明党なり出てくると思うんですが、採点の基準ですね。どこに知事は重きを置きますか。
(知事)
国と地方との協議の場です。これは、知事会の場でもそういうふうに主張しましたし、それこそ大阪の知事さんなんかとも、知事会の時に深夜まで一緒にずっと話していましたけど、そこでもその点は完全に一致していると思っています。
とにかく、知事会が地方分権について主張しているじゃないですか。税源の5対5とか、補助金についての見直しとか、いろんなことについて言ってますよね。7項目あるんですけど、義務付けの廃止とか、税源配分5対5の実現とか、国庫補助負担金の総件数半減とか、地方交付税の復元とか、直轄事業負担金の抜本改革、国の出先機関の廃止縮小とか、そして国と地方の協議の場の法制化ということが掲げてあって、知事会として統一的に、各党にこれを実現していただきたいということを申し入れしているわけですが、気を付けないといけないと思いますのは、この1番から7番の部分で、これをそれぞれどれだけやるのか、その組合せ方によって最後に出来上がる姿というのは全然違ってくると思うんですよ。
恐らく全然違うものになるはずです。義務付けは廃止した、権限はあるのかもしれないけれども実は財源がないというのだったら、全然意味なかったりするでしょう。財源はあるけれども義務付けがたくさんということだったり、だから方向性はこうなんですけど、それぞれをどの程度やっていくのかという組合せによって出来上がる像というのは全然違ってくると思います。
しっかりした地方分権を進めていくためにも、その点について、意見を地方側にしっかり反映された形で作っていかないと。いわゆる中央主導型で一方的に作られてしまったら、それは絶対うまくいかないと思います。だから、それをいいものにしていくためにも、国と地方の協議の場がしっかりと法制化されていく、これが絶対的に私は重要だと思っています。
(内保:共同通信記者)
点数化したものは公表される予定ですか。
(知事)
それは、各委員が採点しているものはどうでしょうね。
(内保:共同通信記者)
知事ご自身としてはどうですか。
(知事)
それは公表されるんじゃないですか。私だけが公表しなくても、みんなで一辺に公表されることになると思います。ちょっと分かりませんけどね。知事会の全体のルールの決定に従いますけど。
地産外商公社
(片岡:高知新聞記者)
地産外商公社の件ですけど、「高知県地産外商公社」の名前で登記の申請をされるということですよね。これに関しては、当初は県のみの単独の出資で、その後、民間からの出資を受けるのですか。
(知事)
市町村からですね。市町村も民間もあります。
(片岡:高知新聞記者)
こちらの資料に理事、それから評議員の名簿が出てますけど、この方達も出資を検討されているのでしょうか。
(知事)
そこまではまだ分かりません。民間出資の話というのはいろいろ議論があるというのはご存知でしょう。
(片岡:高知新聞記者)
分かりました。それと、この公社なんですけど、アンテナショップ開設までに何か地産外商に関する具体的な動きというのはありえますか。
(知事)
たくさんあります。
(片岡:高知新聞記者)
ショップの開店は待たないのですか。
(知事)
ショップの開店を待たなくてもやることはたくさんありますよね。商談会の実施、高知県産品フェアの実施。今はそれを県職員がやっているわけですよ。だから、公務員という立場であるがゆえにやれることにいろいろ限界があります。でも地産外商公社の職員ということであれば、より1歩踏み込んで商談の斡旋とか、そういうことができるようになりますね。
今までも県の職員としてできることをやってきたんです。さっき言いましたように商談会とか、高知県産品フェアというのは、4カ月で13件、去年1年間で8件ですから、相当加速してやっています。今後もそういうことをやり続けていくわけなんですが、いろいろ申し込みもいただいています。今後は、この公社がそれを担ってやっていくことで、1回、1回の機会をより十分に生かし切ることができる。そういうことじゃないかと思っています。
それともう一つ、アンテナショップを設立していくにあたって非常に重要なことは、その商品の品揃えというものをどのようにラインアップして確保していくのか。これはどういう意味かというと、生産地から最終的なアンテナショップの棚に並べるまでになりますけれども、この点について、こちら側のいわゆる机上の計画というのは既に持っていますけれども、ただ、さらに実際には生産者の皆さん達としっかりと向き合った形で、いろいろこういうことをやってみないか、こういう形を利用してみませんか、ということを聞いていって話をしていかないといけませんよね。それも、より踏み込んだ商売に関わる話になってきます。
地産外商公社の職員であれば、それができるということだと思いますね。それをアンテナショップ設立までの間に徹底してやり込んでいくということだと思うんですよね。
従前の県の東京事務所や大阪事務所を中心にやってきた地産外商の様々な取り組みを、この公社は、さらに踏み込んだ形で、よりパワフルに実施していくこととなります。もう一つは、アンテナショップ開設準備について、実際に事業者、生産者の皆さんと向き合う形で、この準備を進めていくこととなります。大きく言えばこの二つです。
県政満足度調査について
(小笠原:高知新聞記者)
私どもの調査で恐縮ですが、県政満足度の調査で「満足」が約10ポイント上がって41%となっていますし、「不満」が7%とほぼ横ばいで、「可も不可もない」というのが6ポイント余り下がったですが、この件に関して、感想がありましたらお願いします。
(知事)
「満足」と言っていただいた方が10ポイント上がったというのはありがたいことだなと思っていますが、「可もなく不可もない」は、まだ4割という状況だというふうに思います。
産業振興計画については、大体8割の方が認知していただいていて、55%以上の方が「期待をしている」と言っていただいているという状況であります。要するに、こっからやろうとしていることについて期待をしているけれども、可もなく不可もなくと仰っている方々については、早くその具体的な成果と言いますか、結果を見せろということを仰っていただいているのではないのかなというふうに思っています。
私が非常に心苦しかったのは、一連の世論調査の中で、去年の秋から今年にかけて生活が苦しくなったとお答えになった7割の方です。100年に一度の不況という大波が県民生活を本当に苦しめているという状況なんだろうというふうに思います。経済について言えば、すさまじい逆風が吹いているというのが、今の実態ではないのかなと思うわけですけども、そういう中で、産業振興計画を本当にスピード感を持ってやって、具体的な結果を出していくようにということを県民の皆様が言っているんじゃないのかなと思っています。そのように受け止めさせていただいて、私は、今後も仕事をさせていただきたいと思っているところです。
(小笠原:高知新聞記者)
産業振興計画に55%の方が期待しているということは、知事にとってかなり勇気が出る結果なのかなと推測するのですが、この55という数字に関してはどう思いますか。
(知事)
そうですね。勇気付けられます。もっともっと一生懸命仕事をして、できるだけ早く成果を出したいなと。県民の7割の方の生活が苦しくなっているというお話ですから。リーマンショック以降、本当に大変ですから。とにかく力を入れて仕事をして、県民生活が少しでもよくなるように努力していきたいなと思います。この方向でやっていきなさい。でももっと早くやって結果を出しなさい、そう言っていただいているんじゃないでしょうかね。そう受け止めさせていただいて頑張っていきます。
衆院選での特定政党の支持
(合庭:NHK記者)
来月投票が行われる衆議院選挙についての質問なんですけど、一番の争点として政権交代というのがあると思うんです。先ほど、知事のお答えにも若干あったと思うんですけど、政権交代も含めて、どういった選挙で、どういうふうな議論が巻き起こって、議論が交わされていけばいいとお考えなのかというのが1点と、昨日の会見でもお話しされてましたけど、マニフェストが出来上がった段階で特定の政党を支持するお考えはあるのかどうか。そういう支持を打ち出さないというのであれば、その理由は何なのか、ということについてお聞かせください。
(知事)
今回の衆議院選挙は、政権選択という選挙になってくるんだろうと思いますけれども、要するに、私は、いつも申し上げていますけれども、今、日本というのは大きな時代の転換点にあると思っています。
人口減少、高齢化が急速に進んでいっています。全国に先駆けること15年前からこういう状況に突入している本県ですが、今のこの苦しみは、高知県だけの問題ではありません。いずれ日本全国が苦しむこととなる課題だというふうに思っています。
この課題に正面から取り組んでいくような対策というのを取らなければ、一言で言えばですね、高知県の抱えている課題というのは高知県だけのものではない。いずれ全国の課題になるんだということだと思います。そういう問題に正面からぶつかっていけるような政権が誕生するかどうかということじゃないでしょうか。
私は、その切り口をどう取るかということはあるかと思いますが、社会保障を論じるにしても、日本の経済、雇用の問題を論じるにしても、このような地方の中の地方がどう生き残っていけるのかということについて、これを全国的な課題として認識して議論をしていただきたいというふうに思っているところです。
私は、常々これを訴えているんですけどね。なかなか、まだ実際にそういう状況に突入していない県の方には、実感が湧かないと思うんです。なかなか実感は湧かないし、今、私が申し上げた高知のような課題というのは全国の課題ですよということを言っても、かなり極端な地方の姿じゃないかと思ったりする人もいると思うんです。
いや、そんなことはない。高知県の姿は、いずれ全国の姿です。だから、これを全国的な課題として受け止めてもらいたいということを常々思っているところです。それを実現する形で私は政権ができたら、国と地方の協議の場というのを法制化してもらいたいと思うし、そこで声を大にして全国的な課題なんだということを訴えていきたいと思っています。
でありますから、一言で言えば地方をどうすると、地方の中の地方、高知みたいな所をどうするかということをぜひ議論してもらいたいと、私は、高知県知事としては、特にその点を強く申し上げたいと思っています。
その他全体的な選挙の選択肢ということになりますと、それは幅広いものがありますでしょう。実際には、教育の問題、何より外交の問題、非常に緊迫した状況にもあるわけです。
この外交の問題などにも責任ある対応がとれるような、その政策は何なのかということについても、これも大きな争点なんじゃないのかなと思っているところでございます。いろいろな議論がされていく中で、地方をどうするという視点については、ぜひとも忘れないで活発な議論をしてもらいたいなと思っています。
政党支持をするかどうかということについては、従来からのスタンスは変わっておりません。政党支持をするかどうかということについて言わせていただきますれば、なぜ特定の政党の支持をしないのかということでございますけれども、それは多様な論点があって、それぞれの具体的な考え方というものがあって、私も他方で県政全般について、責任を負って仕事をさせていただく立場でございます。
それぞれ、一部、一部について考えの違うところが出てくるんだろうというふうに思います。それぞれについて考えの違うところも出てくるんだろうと思いますが、私はその一部の違いによって、こっちがよろしい、こっちが悪い、というようなことについて断定するという立場にあるというよりも、むしろどのような形の政権となっていくにしても、私は高知県の実情をしっかりと訴えていって、高知県民がより安全・安心に豊かに暮らしていけるような県政を実現していく必要があると思っているからでございます。
ですから、私はどちらが正しい、どちらが正しくないということ、一部、一部の違いによって、それを論じることもしたくないと思いますし、また、どのような政権ができようとも、私は高知県の最大利益を図るように努力を尽くしていく、そういうことです。
(半田:高知新聞記者)
しつこいようですけど、特定の候補者の陣営でマイクを握るということはないということですか。
(知事)
従来から申し上げているとおりです。ありません。
(服部:毎日新聞記者)
関連して、この間、事務所開きで、ある陣営に祝電を送られたようですが。
(知事)
現職、前職の方から頼まれれば、誰でもそれは送ります。これは統一のルールで行っています。
地方分権の考え方
(小笠原:高知新聞記者)
分権の話に関して、分権推進とずっと言われていて、国と地方の協議の場というとこまで来ているんですが、知事の言う地方という言葉ですよね。分権推進システムは、市町村サイドには、逆に国におんぶに抱っこの性格というのがなお強いわけですし、いわゆる県の分権論と市町村の分権論ですが、知事の進めていこうとしている分権論というのは、軸足はどの辺にあるんでしょうか。
(知事) この間言いましたけど、考え方のスタートが行財政の分権ということからスタートするからどれなんだろうかという選択になってくると思うんですよ。たぶん県民生活の自立ということからスタートして考えていくべきなんじゃないのかなというふうに思っているところなんですよね。
その時に、例えば、道州制の議論なんかにも絡んでくると思うんですが、組合せ方によって、非常に県民にとってよい地方分権とよくない地方分権というのが、結果として出てきうるんじゃないかな、と思っているところなんです。
いわゆる行財政の分権ということを重んじていく。その中でも、特に効率性という側面を重んじていく、結果として、県民生活にとって行政の支援というものが、この人口減少、高齢化で孤立化が進んでいる中で、どんどん薄まってしまって、それでいいんでしょうかということだってあると思います。
私は、その逆であるべきだと思っていますので、やるべき行政サービスというのがきめ細かい形でしっかりと浸透していく。しかしながら、財政的な永続可能性と言いますか、それが確保されていくような仕組みというのはどういうものであるべきなのか。そういう形で私は考えていくべきではないかと思っているんですよね。
だから、これは、いろいろ地方の置かれているタイプによって全然利害得失が違うと思うんですよ。今の段階では、ものすごい都市型の県と本県みたいな中山間地域が多数を占めている県では、全然違ってくると思うんですよ。だから、そこはそれぞれがうまく成り立っていくようなものとなるにはどうすればいいかということを検討していかなければいけないと思います。
だから、いつも言っているのは、行財政のシステムの分権論ということに留まってしまってはいけないということです。一番大切なことは、それぞれの地域の住民が自立して、経済的にも暮らしていける、子どもを子育てしていけることもできる、世代を越えてその地域で暮らしていけるということにしていくことが大切なんだということだと思っています。
産業振興計画とかを一生懸命やっているんだって、その地域、地域で経済的な自力を付けていくことによって、真の意味で、地域、地域に住んでおられる方々が暮らしていける、いわば自立していけるような地方を作りたいと思っているからなんです。そういうものの総体だと思いますよ。
そういうことをやれるためには、じゃあ、どういう行財政システムなのかということだと思いますよ。そんなに簡単に答えが出る話ではないと思います。だからこそ、しっかり協議する場というのが必要だと思っています。
横浜市長の辞職について
(水谷:時事通信記者)
昨日、横浜市の中田市長が辞表を出されて、任期途中で、8か月ほど残しているということなんですけれども、首長連合の中に軸足を置いた活動をということなんですが、こういう動きを知事はどう思われますか。
(知事)
特段コメントすることはありません。
中田市長さんは龍馬ファンでいらっしゃいまして、個人的にもお会いしたりしたこともありますけどね。ただ、市長をお辞めになったとか、ならないとかいう話については、私は特段コメントすることはありません。市長のご判断でしょうから。
日本の成長戦略
(伊藤:日本経済新聞記者) 次の選挙の争点でですね、今、分配の話がたくさん出ているんですけども、いわゆる社会保障ですけど。一方で、成長戦略をどうするかという話がマニフェストで弱いという見方もあってですね、知事は、どういうふうに進んでいくのがいいと思いますか。
(知事)
日本全体の成長戦略、それは壮大なテーマですね。私は高知県みたいなところの産業振興というのはどうあるべきかということを、一言で言えば地産外商だと思っているところなんですけど、日本国全体ということになれば、やっぱりこういうことでしょう。日本全体も、今後、人口減少が当然進んでいくし、生産人口年齢は当面20年間から30年間、確実に減っていくことは決まっていますから、それは、すなわち、よっぽど機械の効率性が上がったりしない限りにおいては、GDPが小さくなっていくということですよね。
分けるパイというのは小さくなっていくということだと思います。だから、それでもってしてもなお、日本が生き残りを図っていくために何なのかというと、やはり、国内経済だけに頼らない加工貿易立国というのをさらに強化していく必要がある。どうしても科学技術立国ということを目指していかないと、人口減少というのは補っていけない。この2点は、もうポイントの中のポイントじゃないでしょうかね。
だから、両面において、加工貿易立国の側面というのは益々進めていく、さらに言えば、そこの中で生産技術の面、さらに、ものをつくる商品という観点から言っても、技術の高度化というのは不可避だと思います。それをどうやって追求していくか。
ただそういう中で、高知県なんかは面白いところが出てくるんじゃないかと思うんですよね。技術って、結構ニッチ〔すき間〕な部分があるじゃないですか。我々なんかも入り込んでいける余地のあるところというのがたくさん出てくるんじゃないかというのは期待しているし、そういうところは虎視眈々と狙っていないといけないと思いますけどね。
今のは、景気対策と成長戦略は違うという意味でのお話ですね。
航空会社への着陸料補助
(田中:高知放送記者) 選挙から離れますけど、であい博を前に、公共交通の確保というのは非常に重要だと思いますけど、その中で、高知関空便の2便が減らされた。伊丹便を1便増便するというのは確定したようなんですけども、さらに増便を県として要請されていると思うんですが、大体、路線は夏場に決まってしまうと思うんですが、その要請についてどういう反応があったのか、またJALとかでも福岡便、名古屋便というのが非常に不採算路線だと。そういったところに対して、今回補正予算で着陸料補助というものがあったと思うんですが、そういったことに対して向こうからどういう反応があったのかお聞かせください。
(知事)
関空線については残念ですけども、非常に利用率、乗っている人の数が少なくて、残念ですけれどやむを得ないというところがあるのかなと。ただその分、伊丹の方を何とかという話を申し上げてきました。
そしてまた、JALさんの方の福岡、名古屋についてもお客さんの数が減ってきているということで、要するに、去年のリーマンショック以降で、航空会社さん自体の体力もものすごく、経営も厳しくなっておられますので、そういう中、いろんな形での再編、合理化というのが今後図られていくことになるんだろうと思いますが、これから「土佐・龍馬であい博」をやろうという時に、人を呼ぶための航空路線がなくなるということはできるだけ避けたいという思いで、国の管理の空港なんですけど、今回、着陸料を県で全額負担するという、かなり異例の措置を取っているわけなんですよね。
これについては、各航空会社さんともに高く評価していただいているというふうに思います。この間も、全日空の社長にお会いさせていただきましたけれども、冒頭、お会いした時にすぐ、「本当に良かった」というお話をいただきましたし、JALさんについては、間接的ですけれども、それだけ「高知県が頑張っておられるんだったら、我々も一生懸命努力します」というお話をいただいたというふうに思っています。
伊丹のもう1便ということについては、今は、情報を持っていませんので、全般的な受け止めはそういう形になっているんじゃないかというふうに思っています。今度、交通運輸担当理事というのを新しく作ってやってますので、情報収集、今回なんかも典型的に早めに情報が取れて、早めに対応した例だと思うんです。もしこの7月にやってなかったら、無くなっていたかもしれません。でも、今回早く情報が取れて、早く対応したので何とかこうなっていると思うんですが、こういうものも生き物ですから、常にアンテナを傾けて迅速な対応をしたい、そのように思っています。
(広報広聴課課長補佐(広報担当))
それでは、以上を持ちまして終了させていただきます。