知事の記者発表(平成21年9月18日)

公開日 2009年09月25日

更新日 2014年03月31日

知事の記者発表(9月議会関係ほか)

平成21年9月18日(金曜日) 9時00分から9時50分  第一応接室

9月補正予算案の概要
政権交代による補正予算への影響
米国艦船の入港の申し出
国の出先機関の原則廃止について
財政収支見通し


 

9月補正予算案の概要

 

(知事)

 それでは、皆さん、おはようございます。

 今度9月議会に提出をさせていただきます「平成21年度一般会計9月補正予算の概要」について、私からご説明をさせていただきます。

 資料 平成21年度一般会計9月補正予算の概要 [PDFファイル/9.51MB]

 (資料の1ページを示しながら) 今回の9月補正予算でございますけれども、基本的な考え方はこの3点ということになります。

 補正予算の概要を説明する尾﨑知事一つは、「緊急経済対策の切れ目のない実施」を図っていくということです。今、県経済でございますけれども、一部で下げ止まりの動きが窺われる状況でありますけれども、依然として厳しい状況が続いておるという状況にあります。

 そういう状況の中で、今緊急経済対策を途切れさせるわけにはいきません。県経済と言いますか、日本経済も含めてのことでございますけれども、この現在の、リーマンショック以降の急激な不況のショックから立ち直りを少しでも早めていくためにも、そしてまた、現在の痛みを少しでも和らげるためにも、この緊急経済対策を切れ目なく、間断なく実施していくことが必要であります。

 そして、第2番目が「産業振興計画の一層の加速化」ということでございます。4月以降、本気で実行するぞ、ということで、この産業振興計画を実行してまいりました。その過程で様々な形で当初想定していたよりも、いろいろなチャンスが生まれてきたわけであります。そのチャンスを逃すことなく、スピード感を持って確実に対応することで、県経済の体質強化に取り組んでいきたいと考えているところです。

 そして3番目でございますけれども、「喫緊の県政課題にタイムリーに対応」していかなければなりません。一つは、全国学力・学習状況調査の結果を受けまして、小中学校の基礎学力の(更なる)向上。特に、算数・数学の問題に対しては従来の対策を更にバージョンアップをして対策を図っていくということが重要だと考えております。

 もう一つは、新型インフルエンザに対する対策。秋以降に備えて、新しい体制の整備を、更なる体制の充実を図っていくことが重要であると考えているところです。

 予算規模は、総額で211億6,800万円ということになります。より詳細な金額などにつきましてはこちらに書かさせていただいておりますので、またご覧いただきたいと思いますけれども、財源としましては地域活性化・経済危機対策臨時交付金などの国庫支出金、こちら217億円を活用しております。そしてまた、国の経済対策により積み立てました基金、こちらを10億円ほど活用することとしております。

 一般財源の負担は9億3,300万円に止めておるということでございまして、当初予算の見積時より大幅な増となっておる地方交付税の一部を活用しているということでございます。

 また、もう一つ、地域活性化・公共投資臨時交付金を活用することにより、財源不足額を当初に見積もっておったときよりも、更に縮小することとしております。こちらが約33億円でございます。でありますので、211億円規模の、かなり大きな規模の予算ではございますけれども、財政の健全化は一層進むという形で予算を組んでおるという状況にあります。

 (資料の2ページを示しながら) 先ほど申しましたコンセプトに基づいて、より数字の部分について詳細に説明したのがこちらでございますけれども、先ほどご説明しましたように、一般財源負担につきましては約9億円に止めております。

 特定財源、国庫支出金を中心としまして、こちら217億円を財源として活用していく。そういう結果としまして「減債基金(ルール外分)」の取り崩し額を約33億円圧縮しております。ということは基金の取り崩しを圧縮するということでございますので、逆に言いますと、県の蓄えが当初見積よりも増えると、財政健全化が進むということを意味しております。

 歳出の方でございますけれども、経常経費に138億円、そして普通建設事業費に73億円相当を計上することとしております。この結果としまして、県債残高の推移でございますけれども、この元利の償還について交付税措置がなされることになっております臨時財政対策債を除きますと、こちら、実質県の負担となります県の借金でございますけれども、このように引き続き減少していくという見通しとなっています。

 また他方、普通建設事業費でございますけれども、平成21年度は約1,027億円が計上されることとなります。平成20年が836億円でございましたから、これに対して1,027億円の公共事業、普通建設事業費が計上されることとなるわけでございます。こちら緊急経済対策として増加をさせるというものでございますので、こういう形で去年に比べても増加をしているという形になります。

 経済対策、景気浮揚効果をもたらせる、非常に裾野の広い産業でございますので、景気浮揚効果をもたらせるということが第一でありますが、併せまして極端に遅れている、あらゆる地方を見ましてもインフラ整備の状況は全国第46位とか、47位とか、そういう状況にあります。他県に比べても極端に遅れているインフラ整備をこの機会に少しでも進めていこうと、これによって県民の皆様方の安全・安心を確保しようという対策を取ろうとしているわけであります。

 (資料の3ページを示しながら) 財源としまして、先ほど基金を扱うということを申し上げました。こちらについてでございますけれども、今回、基金の積立は新規・拡充合わせて117億円ということになります。

 新しく積み上げます基金でございますけれども、医療施設の耐震化を図るための臨時特例基金を新しく計上することとします。もう一つ、社会福祉施設の耐震化を図るための基金も計上することとします。人々の命を守るために耐震化を進めるための基金であります。絶対的に必要な基金だと考え、確信し、予算計上をしておるという状況であります。

 また、新しく積み立てますものとしまして、この「グリーンニューディール基金」。温暖化対策を加速化していかなければなりません。そのために必要な基金であります。

 厳しい経済状況の中で就学機会が失われることがあってはなりません。少しでもそういうことをなくしたい。そういうことで高校生の就学を支援するための基金の計上もしておるということであります。

 (資料の4ページを示しながら) 地域活性化・経済危機対策臨時交付金、本県には104億円が交付される見込みのものでございますけれども、全国トップクラスの規模で交付される予定となっているものでございますが、こちらの使い道の内訳を記させていただいております。

 今回20億円を活用しますので、トータルで104億円のうち、9月補正予算までで84億円を活用することとなるわけであります。活用の視点でありますけれども、経済危機対策。そしてもう一つ、本県に不可欠な事業でありながらも、これまで財政難でできなかった事業を実施してまいります。また県民の皆様に、将来までこの交付金が役に立ったと感じていただけるような事業を実施してまいりたいと考えておるところです。

 具体的には、産振計画の推進、県単独の事業によりますインフラ整備、県民の安全・安心の確保、そして少子高齢化社会への対応と教育の充実。先ほど教育対策を緊急の、喫緊の課題として対応しなければならないということを申し上げました。算数・数学学力定着事業なども、この104億円を活用しまして実施していきたいと考えておるところであります。

 (資料の5ページを示しながら) 具体的な事業の概要ということになります。まず、「産業振興計画の加速化」に関しての事業でございます。

 一つには、来年、大河ドラマ「龍馬伝」が放映され始め、それに合わせまして「土佐・龍馬であい博」が開催をされることとなります。この開幕直前に首都圏の中心部におきまして、本県のPR、観光誘客、そして県産品の認知度向上のためのイベントの実施を予定しております。そのために必要な経費ということになっております。東京の丸の内で開催します。

 そしてもう一つでございますけれども、「移住・新規就農等希望者フォローアップ事業費」ということでございます。産業振興計画の大きな課題。産業振興計画は本県の抱えておる課題に正面から取り組むということを掲げておるわけですが、課題の一つは、地産外商を推進しなければならないということ、課題の二つ目は、産業間の連携を進めていかなければならないということ。そして課題の三つ目は、担い手の確保を図るということでございます。そのための具体的な対策を今回いよいよ実施をしていく、加速化していくことを予定しておるわけであります。

 そしてもう一つでありますけれども、「航空路線利用促進高知県PR事業費」ということでございますけれども、名古屋線、福岡線の利用拡大を図っていきたい。「土佐・龍馬であい博」に向けて少しでも県外からのアクセスを向上させていくためには、名古屋線・福岡線を何としても維持をしていきたいと考えております。

 また併せまして、名古屋・福岡におきます地産外商、こちらを進めていくことも重要であります。高知県の観光及び産品のPRを、例えば名古屋ですと、空港のすぐ横にありますショッピングセンターの方で県産品の展示、観光誘客のためのPRを行っていきたいと考えておるところでございます。

 そしてもう一つ、「中心商店街活性化支援モデル事業費」と書いてありますけれども、高知市の中心商店街に、高知県内の各市町村にとってのアンテナショップを設けることとしたいと考えております。

 県内各市町村にとりましては、地産外商の機会にもなるわけであります。そしてまた、併せてテストマーケティングの場にもなるものと考えております。高知市の大きな購買力を本県の中山間地域の振興につなげていくための一つの契機としていきたいと考えています。

 そしてもう一つ、皆様方ご存知のように、今年になりまして高知県関係の映画がたくさんつくられ、上映されてきたのはご存知のとおりであります。映画とか、いろいろテレビの番組とかを誘致してくることによりまして高知県のPRをより強力に進めていきたい、認知度の向上を図っていきたい。そのように考えております。「映像コンテンツ誘致事業費」ということでございまして、具体的にはフィルム・コミッション[映画等の撮影場所誘致や撮影支援をする公的機関]の強化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。

 もう一つ、「『土佐・龍馬であい博』緊急景観整備事業費」ということでございますけれども、県内にはいろいろな景観のすばらしいところがございます。しかしながら、連年の経費不足などによりましてその手入れができていない、結果として、すばらしい景観でありながらも、それが雑草などによって見えないという地域が沢山ございます。

 「土佐・龍馬であい博」に向けまして、本県の観光地の磨き上げを図っていかなければならないわけでございますけれども、その景観、例えば、雑草を刈り取ってよく見えるようにしていく。これなどは非常に身近で、手軽にできる、ある意味、最もスピード感のある観光地の磨き上げということではないかというふうに考えております。

 市町村から県内のフォトスポットとか、ビューエリアとかを募集しまして、応募してくださったところに行って木を切ってくる。雑草を切ってくる。それによってよく見えるようにする。観光の一つの名所として、いろんな形で県外にPRしていく。そういう取組を緊急に進めていかなければなりません。

 もう一つ、BS放送を活用しまして高知県のPR番組を制作し、「土佐・龍馬であい博」直前の時期におきまして、高知県のPRを徹底して行っていきたいと考えております。

 (資料の6ページを示しながら) あと子牛価格の低迷に対する緊急対策としまして、「土佐褐毛牛生産支援緊急対策事業費」を行ってまいります。併せまして、土佐褐毛牛の生産から販売に至るまでの抜本的な対策というものについても産業振興計画に基づいて講じてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

耕作放棄地対策は、担い手の確保と表裏一体のものでございますけれども、こちらも進めてまいりたいと考えておるところでございます。こちら、7月補正予算に計上しておったものでございますけれども、非常に多くの皆様からご利用いただいておる。要望が上がってきておるということを併せまして、追加の対策を図っていきたいと考えているところです。

 高知県の木材の売り込みを進めていかなければなりません。商品性を高めていくことが極めて重要であります。JAS(認定や強度を表示した表示、製材品などの出荷を支援し)、高知県の商品の信頼性向上につなげる。そういうことによって、高知県の木の商品性の向上を図っていこうとする事業も計上をしております。

 そして、またこれは、基金を使った事業でございますけれども、「森林整備加速化・林業再生事業費」ということでございます。高性能林業機械の導入、木材加工施設の整備、木材バイオマス利用施設の整備等で、そしてあと間伐の推進ということでございますけれども、こちらは産業振興計画の中でも取り上げられております。

 森林を整備していく、その森をしっかり活かしていくということにおいて不可欠な、ある意味、基本的な事業がたくさん計上されておるわけです。これのために使うことのできる(森林整備加速化・林業再生)基金を、更に使用して、森林の整備を加速化していきたい。併せて、木質バイオマスの問題についても取り組んでまいります。

 そしてもう一つでございますけれども、県内の水産物の販売強化を図っていくための支援、これをぜひとも進めていきたいということで、ずっと準備を進めてまいりました。

 この半年間準備を進めてきておったわけでございますけれども、実際のところ、本県の水産行政におきまして、流通・販売対策について、本格的に講じてきたことは今までございませんでした。しかしながら、地産外商を進めていくという観点から、これをぜひとも幅広く、そしてものによっては、選択と集中の考え方のもとで水産物の販売を強化することがぜひとも必要だということで、新しく担当する課を設け、この半年間で何をするのか、練り上げてきたところでございます。

 いよいよ水産物の販売強化についても取組を進めてまいります。こちら(水産物販路拡大事業費も)、両方そうです。

 (資料の7ページを示しながら) インフラの充実のために、地域活力基盤創造交付金事業。道路特定財源の一般財源化に伴いまして創設をされました(地域活力基盤創造)交付金を活用しまして、様々なインフラ整備を進めてまいります。併せまして、先ほど申し上げました観点、公共事業の追加を林業関係で行っていくということでございます。

 教育の問題についてでございます。今回の学力テスト、これで3回目になったわけでございますが、3回分通して分析を進めてみました。今回の学力テストの結果でございますけれども、ある意味明るい兆しも見えましたが、問題点もよりクリアになってきたところであります。

 例えば、中学校では、全国から非常に大きく、全国平均から引き離される形で46位という結果になっているわけでございますが、全国との格差は年々縮小してきています。3年連続で縮小しました。また、子どもたちの勉強時間も着実に増えてきている。勉強を全くしないという子どもたちの割合も全国でもワーストワンクラスでございましたけれども、今は、全国平均並に縮小してきているということで、改善の兆しは見られます。

 しかしながら、まだまだ、取組を進めていかなければならない点もあるということがよく分かってまいりました。単純なことで、簡単なポイントで申し上げさせていただきますと、例えば、算数・数学の調査結果でございます。

 授業で算数・数学がよく分かると回答した小中学生の割合は、全国とほぼ同じであります。3年連続でそうでございました。しかしながら、実際に問題を解いてみますと、その結果は、全国の平均から大きく引き離されて問題ができていないということが分かってまいりました。

 この原因は何なのか。授業で習ったことを十分に習熟するためのいろんな勉強の量が足りないということが一つ。もう一つは、より基礎的な問題、基礎学力関係の問題について理解をほんとに深める。ほんとの意味で分かるということになるためには、いろんな形で応用的な問題も解いていくことで基礎の理解が深まるということがございます。

 そういう取組が足りなかった。一言で言えば、量が足りず、そして質が、勉強の質をもっと高める必要があるということが分かってきたところであります。

 そういうことでございますので、今回、小学生・中学生を対象としまして、従来から実施しようとしておりました単元テスト。学力の定着状況を確認しようとするのが単元テストでございますけれども、この単元テストと単元テストの間に、大体5回ぐらいのペースで算数(・数学)のシートを子どもたちに配布をして、勉強してもらう。量を増やすということです。

 もう一つは、問題の内容について、基礎的な学力の問題を、少しずつ応用的な課題に、子どもたちを導いていくような形で質の向上を図っていく。量を増やし、そして活用問題を意識した問題を作成する。

 このような小学校の算数、中学校の数学についてのシートを作成し、子どもたちに配布をしていきたいということを考えております。また、学校の先生方の日頃の授業に活かしていただきたいという観点から、特に応用問題について対応していく。このように教えたらどうでしょうか。また授業中にこういう問題を出してはどうか、というような標準的な活用問題、応用問題に対応するためのシートを作成していきたいと考えております。

 基礎学力をしっかりと定着をさせていくためには、基礎学力の問題について、いろんな角度から掘り下げた問題を解いていくことで、ほんとの意味で理解が深まるということが必要だというふうに考えております。

 今年の学力テストの結果を見ますと、基礎的な計算問題は、去年に比べてはるかにできるようになっていることがよく分かってきました。しかしながら、その活用を問うでありますとか、少し別の角度から同じ基礎的な問題を見るという問題ができていないということが分かってまいりました。同じ問題を多面的に見ていくことによって理解を深めていく。そしてそういう問題をたくさん解くことによって、本当の意味で力の強い、裾野の広い基礎学力というものの定着を図っていきたいと考えております。

 もう一つ、今回の学力テストから明らかになりましたいろいろな課題がございます。その課題を解説し、適用問題を全学校に配布をしていきたいと考えています。今後の授業対策にこれを活用してもらいたいという考えであります。

 そしてもう一つ、単元テストで単元ごとの学力の定着状況について確認をするということをしてきたわけでございますけれども、単元ごとに学力の定着を確認したとしても、例えば、1学期で定着してたという問題に、2学期で定着してた問題を合わせて、両方加味して解くような問題に対応できるかどうか。

 いわば過去にやったことの学力の定着が、しばらく時間を経ってもまだ定着してるかどうか。こちらについて確認を、1年通しての確認というのをしておかないと、本当の意味で学力の定着状況は確認できないんではないかということを考えているわけです。そういうことで年度末に、年度末と言いましても、もう1回復習の効く2月ぐらいの時期ということになろうかと思いますけれども、もう一度単元テストの総まとめとして確認テストを行い、そこで学力の定着に課題のある部分については補習を行っていくという対応を図っていきたいと考えております。

 こういう形で、学力テストの結果をきめ細かく分析しまして、それによって必要だと考えられる学力定着のための対策を緊急に実施していきたいと考えておるところであります。

 (資料の8ページを示しながら) もう一つ、共働きが多いという本県の事情に合わせて、放課後の学びの場を県内すべてに拡大していきたいということを従来より申し上げてまいりました。

 高知市の放課後児童クラブ66カ所、放課後子ども教室11カ所に対しまして、学習ができる環境を整えていくことで、それぞれを真の学びの場にしていく事業を進めていきたいと考えています。教材を整備する。そして学習指導員を配置していきたいと思っています。

 そして、安心こども基金を活用しました子育て支援。それから、来年、全国生涯学習フォーラムが、高知県で開かれることとなりました。こちらの準備を進めてまいります。

 安全・安心の確保のために耐震化のための基金を活用しまして、病院・社会福祉施設の整備を進めてまいります。安全・安心を確保するために、最も必要な施設に対し、安全・安心を確保するために必要なものを整備していこうとする事業でございます。基金を活用して実施していくことがぜひとも必要である。そのように考えております。

 日本一の健康長寿県づくりの観点から、従来より準備を進めてまいりました安芸地域の県立病院の整備事業、こちらを進めてまいります。

 (資料の9ページを示しながら) もう一つ、抗インフルエンザウイルス薬の購入を加速化してまいります。急いで、備蓄目標に向けて、前倒しの購入を進めていきたいと考えておるところです。

 そしてもう一つでございますが、五つの基本政策に、共通にかかわるということでございますが、一つは中山間地域対策。従来より中山間地域の生活を守る観点から移動販売、こちらを支援していかなければならんということで、軽自動車の購入に関する補助金とかを計上してきたところでございますが、特に生活物資の購入に焦点を絞った形で、そういうことを行っておられる市町村もしくは企業に対しまして、車両購入などの支援をしてまいります。

 移動販売を途切れさせないという観点です。暮らしを守るためにそれは守らなければ、やっていかなければならないと考えているところでございます。

 (資料の10ページを示しながら) これはもう全て再掲でございます。緊急雇用対策、ふるさと雇用対策、こちらを行っていきます。そしてまた漁業者の資金繰りの観点から漁業金融対策を行ってまいります。

 もう一つ、高校生の就職が非常に厳しい状況になっています。これは全国的な傾向でございますけれども、高校生に対する求人というのが非常に厳しくなっています。県内でも然り、また県外向けにも然りという状況でございます。

 いろいろな形で就職をぜひ受け入れてくださいというようなお願いをしてくるということもございますが、もう一つは、少しでも高知県の高校生たちが就職活動において有利になるよう、いろんな形で就職に必要なノウハウといったものを教えていく。少しでも高知県の子どもたちの就職活動における競争力が高まるよう、それをバックアップするための事業。これを行っていきたいと考えておるところでございます。

 私から、冒頭、以上でございます。

政権交代による補正予算への影響

(畑本:読売新聞記者)

 今回の予算編成ですが、基本的には国の一次補正を組み込んだ予算になっていると思います。政権交代を今回の予算編成においてどの程度勘案されたのか、あるいは勘案していないのか。教えてください。

(知事)

 一次補正予算と言いますか、平成21年度補正予算ですね、その補正予算の中で、私どもが本県の緊急経済対策の観点、もしくは経済体質の強化の観点、更には喫緊の課題に対する対応の観点から必要と考えられるものは7月補正予算において計上しました。

 9月補正予算におきましても、7月補正予算の考え方と同様に、必要だと思われるものを計上して、そして、それを実行していこうとしているということです。私どもが無駄ではない、これは必要だと思っているものを今回の補正予算においても計上しておるということです。

 国におきましては補正予算の見直しを行っていくということでございますけれども、地方公共団体への配慮ということも打ち出しておられますし、また、国におきましても、何が何でも補正予算だったら全て見直しをしなければならないということをおっしゃっているわけではない。必要ないと思うものについては見直しをするということを掲げておられるわけです。

 私どもは必要だと考えておるものを計上しておるということでありまして、その必要だと考えている私たちの考え方というのは、国においても同様に理解されるものではないのかなと思っているところでございます。

 若干、執行について遅れが出たりとかいうような状況にはなるかも知れません。なぜか。必要性を再度吟味したりする。そういうことに時間がかかるかも知れませんが、私どもとしては、その必要性というものを勘案して自信を持って計上しておる補正予算であるということです。高知県に必要なものです。

(畑本:読売新聞記者)

 すいません、質問の趣旨は、要は民主党政権になるということについて勘案したかどうか。今ご説明いただいたのは、今回の予算編成においては勘案する、しないではなくて、これは認められると考えていると。あるいはその予算に影響がないだろうという見通しだと思うんですが、その予算を編成する際にはどう捉えたかについては。

(知事)

 ごめんなさい。私は今それをお答えしたつもりだけど。

(畑本:読売新聞記者)

 じゃあ、結構です。

米国艦船の入港の申し出

(小林:高知新聞記者)

 議案の関係とちょっとずれるんですが、ちょっとイレギュラーなんですが、昨日、県の港湾の方に米国の艦船が入港を申し出ているということで、知事の認識を伺いたいと思うんですけど。過去、宿毛湾港に2度、2006年・2008年に来ておりますが、「ラッセル」・「オカーン」でしたか。そのイージス艦の時は、宿毛湾港の管理者が宿毛市ということでしたが、今回、高知県が管理の港は、初めてになります。

 そこで、その非核三原則、県では、核利用に関する決議[平成9年12月に高知県の港湾の利用に関する非核平和の決議]というのを行ってますが、そちらを踏まえて県の方でも、外務省の方に核の持ち込みがないのかということを照会されていると、そこまで伺っておりますが、知事として、サルベージ船であるにせよ、今後も踏まえて、こういった米国の軍船が来るときの認識を、まず教えていただきたい。

(知事)

 核利用に関する決議に基づきまして、私どもとしましては、引き続き、その核の搭載の有無ということは、今後も照会を続けていくと、それが必要だというふうに思ってますね。

(小林:高知新聞記者)

 その上で、もう積んでないということであれば、日米地位協定の関係もありますんで、国同士の問題にもなってくるんですけど、受け入れるということ(ですか)。

(知事)

 そういうことですね。

(小林:高知新聞記者)

 断る理由がなくなるという(ことですか。)

(知事)

 そういうことになりますね。

(小林:高知新聞記者)

 それで、もう1点なんですが。民主党政権になりました。前回、イージス艦来たときの外務省の回答というのは、「事前協議がない以上、政府として疑いを有しない」というような回答をしています。今回もどういう回答、イージス艦とはちょっと違いますから、端から持っていませんと言うのか、同じ回答をしてくるのか、ちょっと回答は分かりませんけれども、民主党の方はこの核密約問題などを非常に追求している状況がありますんで、その辺で、その従来と同じ回答でも、そのコメントをもって積んでないという認識をお持ちですか。

(知事)

 岡田外務大臣からご指示があったということは承知をしております。それがこれからどうなるのかということについては、現段階では分からないことですね。我々としては、その外交問題については現段階で、現段階と言いますか、外務省を信用するしかないわけでありまして。

 地方分権の観点、これは徹底して進めていかなければなりませんが、地方分権を進めるということは中央政府がやることは中央政府にしっかりやってもらわないといけません。

 地方がやるべきことは地方にということだと思いますが、外交こそ中央政府が責任を持って担っていく最たるものだというふうに思ってます。その中央政府の答えというものを信頼します。

(小林:高知新聞記者)

 もう1点だけ。過去のその議会の方で持ち込みに関する決議をしておるんですが、前知事時代に一度、条例化をするというアクションがあって、それが実現しなかったという経緯がありますが、知事はその条例化に関してはどういう認識をお持ちですか。

(知事)

 やっぱり外交問題は、私は中央政府レベルで行っていくべきことだというふうに思ってます。地方分権を叫ぶなら、私は地方分権を強力に進めていかなきゃいけないというふうに思ってますが、逆に言えば、中央政府がやるべきことは中央政府にしっかり担ってもらうという、その役割分担をはっきりさせるということだと思っていますので、そのようなことが地方において行っていくということは、私は馴染まないというふうに思ってますし、地方分権を声高に叫んでいく姿勢と矛盾をしてしまうということになるのではないかと考えております。

国の出先機関の原則廃止について

(内保:共同通信記者)

 地方分権の絡みなんですけども、昨日、原口総務相が国の出先機関の原則廃止を打ち出しました。高知県にも数多くの出先機関がありますけども、まずご所見を伺えればと思います。

(知事)

 地方分権を進めていくという観点の中で、果たしてこの出先機関の廃止、これが今後どういうことになっていくのかということは、ちょっと今の段階では我々も判断できませんですね。

 もう少し情報を集めて、どういう形で出先機関を廃止していこうとされるのか。そこについてよく話を伺っていかなければいけないなというふうに思ってますね。

 ただ何というか、同じもの、同じ出先機関の廃止という言葉で、ものすごく単純な言い方をさせていただきますけど、良い廃止と悪い廃止があると思うんです。その悪い廃止というのは、廃止をしてその仕事を、その財源も何もなしに、人も仕事も一方的に地方に押しつけてくるようなことであっては絶対に困ります。むしろ地方分権の推進に資するような、私どもにとって有意義な形でマンパワーが広がって、かつ財源も広がって、権限も広がっていくという形につながっていくものであればよろしいのかなというふうに思ってますけどね。

 ただもう一つだけ、観点として、国がやるべきこと、地方がやるべきこと、そこの線引きというのを、しっかりと整理をした上で、そういう出先機関の問題というのは取り扱っていく必要があるかなと思います。ただちょっと申し訳ありませんね。思いっきり一般原則だけなんですけど、まだそれ以上情報がないもんですから。

(服部:毎日新聞記者)

 関連で、毎日新聞です。その出先機関なんですけど、現状は地方と国、やってることが重なってるなという感じ、印象はありますか。知事が見てる感じで(どうですか。)

(知事)

 何と言うかな、これぐらいのことはうちで判断させてもらったらどうなのかなと思うことはありますよね。

(服部:毎日新聞記者)

 例えば何か。

(知事)

 例えばということはないですけどね、ただ、広域的な行政についてこういうことは国で力を入れてやってもらいたいなと思うものもありますね。県境をまたぐようなこととかあるではないですか。

 そういうことなんか力を入れてやっていただきたいと思う半面、県内、こういうようなことであればもう少し県独自の考え方で進めていきたいなと思うこともありますよね。

財政収支見通し

(服部:毎日新聞記者)

 すいません、財政の収支見通しの試算の件なんですけども、よろしいですか。

 基本的な認識だけで結構なんですけど。去年の7月の試算よりも大分収支も改善されてるようで、財政健全化団体ですか、それへの転落というのも平成24年度の転落というのが見込まれてたんですけど、それもなくなったということで、基本的な認識だけ(お聞かせください)。

(知事)

 高知県の実情を訴えていきながら、財源確保に努めてまいりました。去年拡充をしました東京事務所をはじめ、いろんなルートで、本当に厳しい地方に対して重点的な資金、資源配分というのがなされるべきだということを主張してまいりました。その成果があって、このような財政収支の改善につながってきてるんじゃないのかなというふうに思ってるところです。もう一つありますね。歳出の合理化に向けたいろいろな努力を重ねてきたこと。

 その歳出面の諸努力ということもあるわけでございますけど、その両方が相まってこういう形で一定程度財政についての安全度を高めることができたのかなと思ってるところです。ただ、従前より申し上げていますが、財政収支というのは、財政の安全性というのは常に変化していくものだと思います。

 そしてまた、この財政の安全性、当該年度、今年度が安全なのは当たり前なのであって、そうでなければ大変なことになるわけです。常に5年先をにらんで、その安全性を確認していきながら、5年後でも何とか大丈夫だということを確保していきながら、毎年の財政運営をしていかなければいけなんだというふうに思ってますね。引き続き、そういう姿勢で対応していきたいと思っています。今回大分改善しましたけれど、かといって油断できる状況にまだあるわけじゃございません。

 そしてもう一つ、この財政収支の観点と言いますか、この観点からいきますと改善はしてますけれど、引き続き、例えば経常比率と言いますか、財政の中身の硬直化とか、そういう問題はまだまだ残っているわけです。

 そういうことを考えて、要するにまとめて言わせていただければ、今は随分改善をしましたが、まだ油断できる状況じゃない。今後も先々の見通しを見ていきながら、毎年の財政運営に進捗していかないといけないということ。更にその他改善すべき問題、特に硬直化という問題ありますが、こういう問題はまだまだ残っているということです。こういうものの改善にも努めていきたいと考えているところでございます。

(広報広聴課課長補佐(広報担当))

 それでは、以上をもちまして知事会見を終了します。

 

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