平成22年度 新規採用者辞令交付式での知事挨拶

公開日 2010年04月01日

更新日 2014年03月17日

〔平成22年4月1日(木曜日) 正庁ホール〕

 高知県職員として本日採用されました皆様、ようこそ高知県庁までおいでをいただきました。私たちといたしましても若き皆様の力を得ることができて、本当に頼もしい限りです。

 先ほど皆様は宣誓をされました。宣誓されたことは当たり前のようなことでありますけれど、それを守り抜くということは本当に大変なことであります。迷った時は、宣誓された文章に基づいてそれに立ち戻って仕事をしていただきたいと思います。是非そばに置いておいてもらいたいと思います。

 皆様もご存知のとおり、今、高知県はいろんな意味で困難に直面をしております。人口が減り始めたのは平成2年から。全国が減り始めたのは平成17年からですから、15年も前から人口が減り続けています。そして高齢化も全国に先駆けること10年先行しているという状況です。この状況が何を意味するかというと人が減って経済の規模が小さくなる、いつまで経っても景気がよくならない、こういう状況がここ10年続いています。健康政策の観点からも医療の観点からも、例えば中山間地域においては多くの高齢者の皆様が孤立をしてしまっている、そういう厳しい状況に今直面しています。

 教育の問題についても様々な課題があります。また、人々の生活を支えるインフラの整備についても全国最下位レベルの整備率、南海地震がやってくる、それに対する対応はどうするのか、まだまだしなければならないことはたくさんあるわけです。本当に厳しい高知県のこのような状況に対して高知県庁が民間の皆様方と一緒に、県民の皆様方とともに全力をあげて取り組んでいかなければなりません。官から民へと言われるような時代ではございませんけれど、今の高知県においては官民協働でなければならない。官と民はともに働いて、そしてこの難局に立ち向かっていかなければならない、そのように思っています。

 そして、人口減少と高齢化、これは日本全体をおおっています。多くの県がわが県と同じように苦しみ、過疎化が進んでいます。しかし、真っ先に突入した高知県。手本はありません。しかし、真っ先に克服することができれば、日本の中でもっとも光輝く県になることができると私は信じています。ここに幹部の職員がいますが、高知県庁の職員の皆様方と一生懸命この課題に向けて努力をしているところです。若き皆様も一緒に頑張っていだだきたい、そのように思います。

 けっして、いかに仕事をやらないで済ませるか、その言い訳ばかりが上手になるような小役人にならないでいただきたい。小役人にならない。そうではなく、高知県をどうしていくのか、この課題を克服するには何をすべきなのか、当然、目の前に課題はたくさんあるでしょう。そんなに簡単にはいかないでしょう。すぐにできることであればすでにやっているはずです。その課題を克服するにはどうしたらいいのか、どうすればその目的を達成することができるのか、必死になって考える。そして、その実現にむけて一生懸命汗をかく。そういう公務員になっていただきたいと思います。熱い心とクールな頭脳とそして一生懸命汗をかいて働く、そういう公務員になっていただきたい。県民の皆様もそれを期待しているかと思います。皆様の活躍を心から期待します。

 まず、今日から採用されてそれぞれの職場に配属されることになります。そうはいっても慣れなければならないことも多く、5月病になったりする人もいるでしょう。そんなことは心配することはありません。ここにいる幹部の皆様がえらい顔をして座っていますが、同じように苦労をしています。同じです。多くの人が乗り越えてきた道です。皆様一人一人が乗り越えられないはずがありません。大変なこともあろうかと思いますが、頑張っていただきたいと思います。

 まずは、いろいろなことを、周りの人に仕事を教えてもらう立場にあるわけです。いろいろな仕事を教えてもらう秘訣はなにか、職場の皆様に愛されることだと思います。礼儀などに気をつけて職場の皆様に愛され、そうすることによって、多くのことを学ぶことができます。是非そういう心がけを持ってもらいたいと思います。

 それと社会人になっても学生時代の友達、つながりを大切にしてください。公務員になったからといって公務の中だけでどっぷり浸かっているようでは、今の時代は務まりません。民間の視野というのも是非とも必要です。他の社会を知っていなければ公務を成し遂げることはできません。学生時代からの友人を大切にし、外とのつながりをあえて意識的に持つようにしていただきたいと思います。

 それでは、今日から皆様頑張ってください。皆様のご活躍を期待しております。

 

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