公開日 2010年08月31日
更新日 2014年03月31日
知事の定例記者会見
平成22年8月26日(木曜日) 14時00分から14時45分 第一応接室
産業振興計画の進捗状況
県立図書館の整備(1)
アンテナショップ(1)
民主党の代表選挙について(1)
行政委員の月額報酬制
アンテナショップ(2)
宮崎県の口蹄疫終息宣言後の対応
高知市営球場へのナイター設備
民主党の代表選挙について(2)
日本航空の東京便の増設
アンテナショップ(3)
県立図書館の整備(2)
国の追加経済対策
配布資料 果敢に挑戦!産業振興計画[PDFファイル/2.59MB]
(知事)
いつもお配りをしております、この産業振興計画の進捗状況、こちらをお示ししておりますが、またご覧いただきたいと思います。
(小笠原:高知新聞記者)
8月幹事社の高知新聞です。よろしくお願いします。1点目は、24日の高知県・高知市連携会議に伴うものなんですけれども。改めて、県立図書館で追手前小学校跡への合築、そういう方向性が出たと思うんですけれども、一つその中で、図書館の現場サイドでですね、県図書館協会の(臨時総会での)単独整備の決議にみられるように慎重論というのが、今、出てきておるというふうに認識しておりますが、現場の理解というのは、これから図書館整備を進めていくうえで大前提になってこようかと思うんですけれど、どういうふうに理解を求めて、どういうふうな手立てで求めていくかのというところ、24日もある程度おっしゃられたんですけれども、改めてその辺をお願いできればと思います。
(知事)
新しい図書館をつくるにしても、(運営は)図書館関係者に担っていただくということになるわけですから、その皆様方のご理解をしっかり得ていくということは非常に大事なことだと私も思っています。
今回、案を作るにあたっては、いろいろ革新的なことも考えているところでありますし、本当にある意味、時代の先を見た図書館像というのを一生懸命考えてきたつもりでありまして、その分、一定、時間がかかって、今後どうしていくかということを具体的にお示ししたのが、昨日(県教育委員会が)オープンにした書類。8月25日まで時間がかかったということですが、その分、熟慮に熟慮を重ねたということで、是非、ご理解をいただきたいと思います。
これからについては、その図書館像というものについて、しっかりと関係の皆様にご説明をしていくということを徹底していかなければならないと思います。 ただ、いろいろ反対ということで、意見書とかをいただいていますが、内容を見させていただきましても、例えば、県立図書館として市町村の支援機能というのは果たすことができるのだろうかというところを不安視しておられるという話ですが、今回の案というのは、この合築することによって箱物にかかるお金を大幅に削って、その分を、例えば、市町村支援とか、そういう機能を大幅に強化していこうという案でありますから、私は、必ず理解が得られるのではないのかなと思っています。
逆に言いますと、合築して箱物の経費を削って、それから、重複部分というのを一定削っていった先に何があるんだ、削っただけで終わりなのかというところを不安視される声があるのかもしれませんが、それは違います。単にリストラすればそれでいいということを言っているわけではなくて、そうした先に、本当に必要な機能の強化を図っていくということがあるんだと。ただ、そのやり方について、もっと、もっと具体的に詰めていかなければならない点はあるかもしれませんが、その機能強化というのがその先にあるんだということをよくご理解を得ていきたいと思います。
(小笠原:高知新聞記者)
2点目です。東京銀座のアンテナショップが先週土曜日にオープンしましたが、まだ1週間足らずなんですけれども、とりあえずオープンして、これまでの知事なりの総括というかその辺を(お願いします)。
(知事)
正直に申し上げて、予想以上に多くのお客さんに来ていただいて盛況でありまして、本当にその点はうれしい限りだなと思っております。 昨日までで、既に、2万8,200人を超えるお客さんに来ていただいていますし、それから、売り上げも1,300万円近くまで達しているという状況でありますから、そういう点において滑り出しは好調だったかなと思っています。
息の長い取り組みではありますから、開店時だけの賑わいで喜んではいけませんが、逆に言うと、開店時にしっかり賑わいができるということも非常に重要なことでありますから、その点においては、まず第一段階としては成功しているのではないのかなというふうに思っています。
もう一つ、うれしいなと思っているのは、飲食の、レストランの部分ですけれど、初日、2日目よりも、確か昨日のほうが、売り上げが良かったりしています。大変ご好評いただいておるようなので、その点はありがたいなというふうに思っておるところです。 昨日が売り上げの最高を更新した形でして、初日が良くてあとはストンと落ちるというのは、こういうものをやった時の一つのパターンかと思うんですが、そうではなくて、むしろ上がっていますから、傾向としてはいいのかなと思っています。とは言いながらも、この「まるごと高知」の運営については、今後とも努力は重ねていかなければなりません。
前後して恐縮ですが、もう一つ、すごくうれしいなと思ったのは、いろいろマスコミの皆様にも大変ご協力をいただきまして、どうもありがとうございました。地元のマスコミの皆さん、大変(新聞・テレビ・ラジオで)報道していただいてありがとうございました。また、あわせまして全国のテレビとか、首都圏版のテレビで盛んに、この「まるごと高知」の放映をしていただいたお陰で、現場からの声を聞きますと「テレビを見たから来た」という人がたくさんいらっしゃるそうで、そういう点では、高知県の全体的なPRということにつながったのではないのかなということを、すごくうれしく思っています。ただ、これからが本番ですから、まだまだ努力を重ねていかなければならないと思いますね。
コンビニエンスストアでも、毎日、毎日、商品の配置、置き方なんて変えていくのは常識だろうと思いますけれど、この「まるごと高知」についても、お店での売り方、レストランでのあり様を、毎日、毎日お客さんの声もお聞きしながら改善を積み重ねていくということが必要だと思います。
そしてまた、9月になりましたら、いよいよこのアンテナショップを直営で設けたことの政策意義であるテストマーケティングとか、外商の仲介・あっせん機能であるとかいうものが本格的に始動することとなります。テストマーケティングも9月1日から、いよいよ開始することになります。
そこのところ、他の県でやっていない、それがゆえに政策機能というところ、そこが非常に重要であるがゆえに直営にこだわったというところ、その政策的な機能が、いよいよ9月から始動することになるわけです。こちらをしっかりと行っていって、単にこのお店が賑わった、このお店で売れたということに止まらず、県内の生産者の実力の底上げに繋がっていくような、そういう機能を果たせるようにしていかなければなりませんよね。新しいエンジンがもう一段、スタートすることになりますから、そこの滑り出しというものにも非常に力を入れていかなければならないと思っています。
(小笠原:高知新聞記者)
3点目です。9月1日告示の民主党代表選挙に関してお尋ねします。図らずも今日、小沢前幹事長が出馬表明となったんですけれども、これに関しては、戦いの構図もさることながら総理大臣が代わる可能性とかですね、党内のいろいろ動きが良くも悪くも目につくんですけれども、そういう論点、様々あるかと思うんですけども、そういうものをひっくるめて、とりあえず知事の民主党代表選に対する所感というところをお願いできればと思います。
(知事)
民主党は、いまや政権与党であられるわけですから、民主党代表選というのは、即ち事実上、総理大臣を選ぶような選挙になっていくわけですよね。もう今、ご存知のとおり、課題は山積をしておるところです。円高対応、経済対策ということもありますでしょう。さらに加えていけば、厳しい財政状況の中でどうやって新年度予算を組み上げていくのかという、この予算編成真っ盛りということになるわけですね。去年も予算編成の途中で政権交代ということで、なかなか厳しいスケジュールで予算編成が行われて、幾つかの課題が先延ばしになっています。そういうことが2回も繰り返されるということがあってはならないわけで、当然、政権与党においても、それは自覚しておられると思いますけれども。
要するに、新しい政権が発足したら、いきなりフルスピードで走り出さなきゃならないということです。ですから、そういうフルスピードで走り出せる、しっかりとした政権というものが作り出せるような、そういう代表選挙であってもらいたいと思いますね。 2つの点においてそうだと思っています。
ここで民主党内での一つの構図というものがしっかり定まっていって、そういう中でしっかりとした政権運営が進めていけるような態勢、政治状況になってもらいたいということ。ただでさえ、ねじれ国会で大変なんですからね。まずは、民主党の中でしっかりまとまっていくということが重要なのではないかなというのが第一。 そして、もう一つは、代表選挙は単にどちらが求心力を、権力を握るかという問題ではなくて、いきなりすぐ対処しなければならない日本が抱える諸課題に対する所見、それがしっかりと議論の中で定まっていくような、そういう選挙であってもらいたいというふうに思います。
(小笠原:高知新聞記者)
そういう方向で進んでいっていると思われますか。
(知事)
わかりませんけど。これから菅総理と小沢前幹事長との戦いということになるんでしたら、本格的な戦いとなるでしょう。是非、政策論争中心で代表選挙をやるという形になってもらいたいものだなというふうに思います。
(半田:高知新聞記者)
県の行政委員の月額報酬で、大阪高裁の判決で妥当でないという判決がでてですね、それから、知事会のプロジェクトチームで見直しをやっていくとか。それから、8月になって隣の徳島県の飯泉知事さんが、日額への見直しに触れてらっしゃるような動きが出てきているんですけれども。去年、住民監査請求ですか、そういうのも出て、高知県でも動きはあるんですけれども、知事はこの月額報酬について日額に切り替えていくというような考えはお持ちでしょうか。
(知事)
これは、引き続き多角的な観点から検討を深めていく必要があると思っております。 今、6月、7月、8月の実際の勤務実態がどうなのかということについていろいろ調査をさせていただいておるところでありまして、その結果を踏まえて、よくよく考えさせていただきたいというふうに思います。給料の問題、手当の問題、これは、やはり職責に合ったということが非常に重要だと思いますので。職務と責任という両方の観点からしっかり考えておかないといけない話だというふうに思っておりますから、もう少しお時間をいただいて検討を深めさせていただいきたいと思います。
(半田:高知新聞記者)
仮に、この見直しをするとすればですね、一番障害になる問題は(どんなものがあると思いますか)。
(知事)
行政委員の皆様は、いわゆる普通の公務員とは違って、例えば、朝8時半から仕事を始めて5時何分までというふうに毎日勤務時間がぴたっと決まっているわけではないのですよ。何日かに1回、委員会の場に来ておられるかもしれませんが、その委員会に伴って、実際には、それがゆえに、専属でいろんなことの下調べをしたりとか、研究したりとかしておられる場合もあったりする。ただ、タイムカードで計れるわけじゃありませんから、そこのところの把握がなかなか一見わかりにくいというところがあったりする。
それともう一つは、特にいくつかの委員会について言えば、その委員に就任されたことによって、多大なる責任が生じる。日々の生活において制約が生じるよう形での責任が生じるということもあり得るということですよね。そういうことにもしっかりと対応できるような、他方で、仕事をしてないのにお金はたくさんもらいますというのはいけませんし、そこの兼ね合いですよね。ピタッとくる形にするには、どうすればいいかというところは、ちょっと感覚論ではだめで、よく実態も調べて、縦、横、斜め、周りのいろんなところの整合性も考えながら決めなければいけないかなというふうに思いますけどね。
(半田:高知新聞記者)
6月から実態調査に入ってらっしゃるということは、何らかの見直しを視野に(入れていますか)。
(知事)
積極的にいろんなご議論も行われているわけですし、それは、どうしていくか不断に考えてくわけでしょう。考えるにあたっては材料が要りますので、しっかり検討して、しっかり材料を集めて結論を出すということだと思いますけどね。
(西森:高知さんさんテレビ記者)
アンテナショップのことでお伺いしたいんですが。先ほど9月になったらテストマーケティングと外商活動を始められるということだったんですけれども。外商の部分で営業件数ですとか目標は一定ありますけれども、実際に契約が成立したりですとか、そういった数の後追いみたいなものというのは、例えばどういう形でやられて、ある一定の期間で出すとかというのは(ありますか)。
(知事)
例えばですね、後追いというのは定期的にずっとやっている。 平成21年度だったら、高知フェアとか展示商談会を72件実施した。その中で外商して成約に至った件数というのは178件あるんです。これは、平成21年度を契機にして、そのあとずっと商談を重ねていって成約に至るという性質のものですから、ある程度後になって結果がわかってくるというところはありますね。そういう形で、こういう数字を把握してお示ししていくということは、是非やらなければいけないと思います。
今、産業振興計画のパンフレットがあるじゃないですか。バージョン2と書いてあるもの。あのパンフレットの中にも(書いていますが、)平成21年度の商談件数というのは72件で、平成20年度の13件の5.5倍で、成約件数は、確か146件と書いていたんじゃないかと思うんですけど、あれが3月31日時点で集計している数値なんです。今時点でいけば178件ということですけどね。そういう形でお示ししている。
ただ、それを数値データでどうお示しをしていくかということは、是非、私たちも工夫して考えていかなければいけません。 ただし、「あれで商売成り立ちましたね、それで、どれだけ売り上げましたか。」っていうことをどれだけ公表してくれるかということなんです。だから、そこのところは兼ね合いを考えなければなりませんね。
あとは例えば、今年になっていろいろやっているものなんかでも、幾つかありますよ。例えば、〇〇ビスケットとか〇〇けんぴとか。例えば、JR東日本さんの関連の会社さんで採用されたとか。それから、あとは、〇〇の椎茸の関係とか、ある大手百貨店のお歳暮商品に採用されましたとかね。あとは、〇〇というところの商品に、例えばドリンクとか、お菓子とか、フィレとか、アイスクリームとかが採用されたとかね。たくさんありますよ。
ただし、打率はそんなに高くないですよ。ちょっと外商活動をかければすぐに採用されると思ったら大間違い。そんなに簡単なことなんだったら苦労はしない。打率はイチローよりもずっと低いです。低いから、大変だから、力をかけて公社という形で一生懸命売り込むんですよ。それは採用されないものの数のほうが多いのが、当たり前でしょう。
それだけじゃなくて、ただし、こういう形でだんだん、だんだん採用されるようになってきている。そのうち、「外商公社なんかもう関係ない。来ないでくれ」と。「我々だけでやるほうがずっといい商売できるから」というふうになっていってくれる人がたくさん増えることを望んでいるんですけどね。
だから、それらを全て含めて、初めて経済効果ということになるわけですね。そこのお示しの仕方、件数では確実にお示しできますけど、定量的にどうお示しできるかということの工夫は、今後も重ねていきたいというふうに思います。もう少し待ってください。
ちなみに外商活動を開始と言いますけど、外商活動はもう既に開始しています。 ただ、テストマーケティングは9月1日からですね。アンテナショップも使っての外商活動というのは、9月くらいから始動だと思います。今はちょっと、8月いっぱいくらいは、お店の物販とかレストランを軌道にのせるということに力を入れています。
(西森:高知さんさんテレビ記者)
そういう意味では、外商のアンテナショップを使ってのという意味だったんですけど。
(知事)
それは、当然明らかにしたいと思います。
(竹内:テレビ高知記者)
明日ですね、宮崎県が口蹄疫終息宣言を出す方針ということですけど、高知県としてはこれまでの方針と変わりませんか。
(知事)
終息宣言を受けての新しい対応というのは、また考えることになるというふうに思いますけど。ただ、宮崎県が終息宣言したから、本県も自動的ということではなくて、今の状況をもう1回おさらいしたうえで対応するということになると思いますけどね。
(竹内:テレビ高知記者)
あともう一点なんですが、高知球場のナイター設備の件なんですけども。経済波及効果なんていうこともナイター設備によって言われていますが、どういった波及効果というものが考えられるものなのか。ファイティングドッグスがメインになってくるのかもしれませんけども、その辺、伺わせてください。
(知事)
ナイター、野球を観に行った後、どういう状況になっているかということは、皆さんよく、他の県でもご覧になっているんじゃないかと思いますけどね。そういう効果が期待できると思います。はっきり言ったら、野球が終わった、盛り上がった、やったぜって言って皆で飲みに行ったりすることがあったらいいなということなんですけど。
もう一つは、いろんな複合的な効果があると思っているんですよ。例えば、高知県はある意味、常に、レジャーが少ない所だと言われていたりする。レジャーが少ない中で、夜に、非常に健全なレジャー、野球観戦というレジャーが増える。サラリーマンの皆さんが、仕事が終わった後に行く、子どもを連れて行く、家族で行く、いろんなことがあるじゃないですか。実際、私もよく始球式で球場に行きますけど、サラリーマンがいたり、家族連れがいたり、いろんな人が楽しんでおられますよ。あれ、高知はできないです。だから、それができるようになるというのが一つ。
それと、もう一つは、私は、「野球王国なのに高知はナイターがない」と、あるプロ野球関係者の方から言われたことがあったんですけどね。結局は、そういう形で野球王国にふさわしい野球のプレーができる場、機会というのがグーンと広がることでいろんな人達が野球にもっと、もっと関われるようになっていく。スポーツのレベルが上がっていく。またこれは教育振興、スポーツ振興、そしてまた、健康づくり、そういう点でもいいと思うんですけどね。
野球というのは、子どもから大人まで、できるプレーでありますから、ナイターができることによってあの球場のキャパがぐんと広がって、試合ができる機会というのがぐんと広がってくる。観るほうもやる方も、より楽しく有意義にということになればと思います。
(竹内:テレビ高知記者)
球場の照明の設備自体のあれにもよるんでしょうけども、今、プロ野球関係者の方とお話されたということですけど、プロ野球を観てみたいという方は、いらっしゃると思うんですね。その辺の誘致というのはどうなんですか。
(知事)
ナイター設備がどこまでの仕様になるかという問題もあるんですけど、なかなか他方で観客の問題、興行上成り立つか問題があって、そう簡単にプロ野球の試合まで引っ張ってくることは難しいんじゃないかと私は思っています。ただ、キャンプなんかの可能性というのは広がってくるだろうというふうに思うんですよね。
ご存知のように、キャンプの期間は、既に球場は満杯になっているじゃないですか。大学野球さんとかいうものも含めて考えますとね。いずれにしても、容量が上がっていくということですから。全体容量もそうですけど、瞬間、瞬間の利用量というのは増えていきますので、いろんな可能性は広がってくるんじゃないかというふうに思います。
(田中:高知放送記者)
関連した質問なんですけども、ナイター設備が全国で唯一なかった高知県にこうした(ナイター設備の設置の)合意が(高知市と)できて、大きな前進だと思うんですが、完成と使用が2012年の春ですね。要するに1年半かかってしまうというのは、ちょっと少し遅い気がしてなりません。数年前まで和歌山県もナイター設備が無かったんですが、そこでは、設計と施工を同時に行うプロポーザル方式を取ることで、県がゴーサインを出してから、およそ半年間で施工し、使用にこぎつけたというふうな話を聞いているんですが。 まず、1年半かかってしまうという理由は何かということと、もう一つ、何としてでも来年の春までに間に合わせたいというふうな考え方というのは知事にはありませんか。
(知事)
住民の皆様のご理解というのも得ていかなければなりませんし、それから、実は、あそこ(の球場)は、ちょっと工事が難しいんですよ、ご存知のように、市営球場は、周りに十分なスペースがあるかというと、そうでもなかったりするし、それから、ちょっと形が変わっているんですよね。そういう制約を乗り越えてつくっていくということになると、やはり一定、時間がかかるということのようです。私は、事務方からは全速力でやっていますと聞きましたけどね。和歌山の話があるんですね。勉強したいと思います。
できるだけ早く。最速であれぐらい(2012年の春)のようなことを言っていましたけど、ちょっと研究させてください。特殊な工事があるらしいんですよ。ポンと建てればいいっていうものではないらしいんです。そこがちょっと難しいらしいんですよ。昨日の会議の時にも、「財政面と技術面の支援」と申し上げたでしょう。技術面というのは、やはりそういう難しさがあるので技術面ということを申し上げたんですね。
(半田:高知新聞記者)
ちょっと質問が変わるかもしれませんけど。民主党の代表選挙なんですが、今朝の状況で言うと、小沢さんのほうに鳩山さんが乗るという話になるとですね、また3、4ヶ月で総理が変わるという可能性がかなり出てきているんじゃないかなと、テレビなんか見ていると思うんですけれども。そういった民主党の姿勢といいますかね、地方を預かる政治家としてですね、これをどういうふうな視線で見てらっしゃるのかというお考えをお聞きしたいんですけど。
(知事)
はっきり申し上げて、懸案山積なので、政局よりは政策ということじゃないかなと思うんですね。急いでいただきたいことがたくさんあります。 例えば、国と地方の協議の場の法制化ということをしっかり、急いで実現してもらいたいと思いますし、予算編成過程でそういう予算編成があってもらわなければならんと思うんですけれども。果たして本当にそれが急いでできるようになるのか。
とにかく今、私たちとしては見守るしかないんですけど、ご注文として言わせていただければ、さっきも言いましたが、代表選も本格的に予算編成にがっぷり四つで取り組めるような、そういう政権であったもらいたい。また、そういういろんな政策論についての争点をもう一度明らかにして戦わせてもらいたいというふうに思いますけども。
衆議院選挙の時とは、また、いろんな考え方も変わってきているんじゃないですか。例えば、子ども手当についての人々の考え方も大分変わっているんじゃないかと思うんですけど。今回の代表選を通じて、新しい世論というのを感じていただきたいというふうに思いますね。そして、それを予算編成に活かしてもらいたいですね。
(竹内:テレビ高知記者)
先週ですね、日本航空の東京便ですか、1便増便になりましたが、他方で廃止予定の3月27日の名古屋便が、3月1日から1便減。この辺の兼ね合いといいますか。しかも、その東京便というのは、おそらくずっとではなく当面であろうと思われる。その辺をどのようにお考えですか。
(知事)
東京便が当面かどうかというのは、ちょっとわかりませんけども、いずれにせよ東京便が増えたというのは、今、非常に利用量が増えてきている中で、ありがたいことではあるなというふうに思っていますね。それから、機材も結構かなりの人数が乗れる機材になっていますから、ありがたいなというふうに思っています。
名古屋の方は残念ですよね。10月末で終わるんじゃなくて、3月末までということでありますから、その点はありがたいんですけれど。 とにかく名古屋線が廃止になる、しかも高知―名古屋線の成績が悪いからならまだしも、そうではなくて、JALさんの小牧の設備全般が廃止されていく中で高知便も廃止されるというわけですから、いわば、私たちにとってみれば巻き添えをくらったようなところがあるわけですよ。だから、そこのところは本当に残念ですけどね。
ただ、他方で、そういういろんな全般的な経営判断のお話もあるでしょうから、今となっては、私たちとしては、非常に残念ではあります。残念ではありますけれども仕方ない点もありますね。ただその分、東京便が増えて、その点は良かったなと思っています。
(竹内:テレビ高知記者)
当面かどうかはわからないというお話があったんですが、ちょっと、JALの関係筋に聞くと、おそらく当面であろうということらしいんですが。羽田の国際化と絡んでくる話なので。その辺どうですかね。
(知事)
しっかり対応してくれると信じていますけどね。
(竹村:高知新聞記者)
「まるごと高知」で飲食の部門で、(昨日が)過去最高と(言われましたが)、数日なのであれなんですけど。一番多かったということなんですが、どれくらい、飲食で売り上げたんですか。
(知事)
飲食は、初日が61万7,000円ぐらいでした。昨日が71万3,000円ぐらいです。大体それぐらいの前後で推移しています。目標は30万ぐらいですので、目標は達成です。 ただ、売り上げというより、味をどうみていただいたかとか、雰囲気をどうみていただいたかとか、それからお客さんがどういう形でついていくかとか、そういうところが大切ですし、さらにもっと言えば、そこから先、そこで食べて、こういう食材があるということを知っていただいて、それが日々の購買行動につながっていくように。「リュウキュウのすしを食べておいしかったね」、「リュウキュウって食べられるんだな」、「リュウキュウを買ってきて酢漬けにして食べてみようか」とかいうようなことに繋がっていって、スーパーで手が伸びるとか、「やはり茄子といったら高知県ですね」と、茄子が手にとられるというふうになっていく(ように)と思います。
(竹村:高知新聞記者)
お客さんの感想というのは、アンケートか何かで聞くようなシステムにはしているんですか。
(知事)
アンケート形式というのも考えていますけど、お店ですから、今、いきなりアンケートって、やったりするのもなかなか。それもありますが、いろんな形で声はとっていますね。ツイッターもしかりですし、それから、いろんな口コミだとか話もありますから、いろいろお話は、できるだけ聞くようにしていますけどね。
(井澗:NHK記者)
アンテナショップで一つ。 先ほど申し上げましたけども、物販を販売するだけじゃなくて、それはフィードバックして県経済をどう浮揚させていくかということが課題だと思いますが、どれくらいのスパンでどういうふうに県経済が発展すればいい、数値もあると思うんですが、どういう目的で今後いかれますか。立ち上がりは順調だと思うんですが。
(知事)
アンテナショップだけじゃ浮揚しません。それだけじゃいけない。だから、産業振興計画ということで、全般でいかに実行していくかということが非常に重要だと思います。 私は、これ(高知県産業振興計画)を、作った時から申し上げている話なんですけれど、高知県内の経済は、どこか1箇所だけポッといじったから良くなるなんて、そんな簡単なもんじゃないと思っているんです。
産地から都会における販路開拓まで全てに対応していかなければいけない。なかなか販路が開拓できませんね。知名度が低いですね。テストマーケティングができません。そういうためのキャッシュアウトからキャツシュインまで、期間が長すぎて耐えられない。だから外への挑戦ができない。内にこもってしまう。だから、人口が減ってジリ貧だということがずっと続いてきたわけですよ。
じゃあ、販路が開けますね。販路が開けた時に、ロットが揃わない。だからその販路が十分活かしきれないという問題もある。いかにして収量を確保するかという問題もあれば、ロットは揃わないが少量で納めさせてもらいますよ、という取り引きができるか。そのためには高付加価値じゃないといけません。産地が強くないといけません。
もっと言えば、加工して売るということも考えなければいけません。加工して売るということを考えるために加工技術はどうか。さらに商品として売るための食品表示はどうですかという問題もあるでしょう。加工する時に、加工する場というのは全部県外に行って、「まるごと高知」での売り上げも、実際、高知県の中にどれだけおちているかという問題も出てくるわけでしょう。だから、いかに県内の中で集約して生産できる体制を作りあげていくかということも考えなければいけませんね。
あわせて観光によってお客さんを呼び込んでくるとか、そういうことだって是非とも必要になってくるだろうと思いますし、そういう総合戦だと思うんですよね。 だから、その中の地産外商戦略という点において、広範囲をカバーしているのが、首都圏戦略でいけば、あのアンテナショップということになるとは思っていますけれど。
あとは、大阪は大阪事務所が、その役割を担っています。間もなく「とさ千里」がオープンしますから、大阪では、「とさ千里」も類似の役割を担っていただけるような形になっていこうかと思います。大阪は、もう既に人脈は相当あるので、売り込みも、また別のやり方をとるということになると思います。
そういう形で総合的に産業振興計画というのを実現していく中で、今、高知県経済の体力というのをいかに強化できるかということを、全力で取り組みを進めておるということです。実際のところは、今は、ありがたいことに、例えば、特に観光部門を中心に、比較的に好評で、観光客の皆さんの入り込みにしても宿泊にしても、一定程度、数は伸びている。今年の1月くらいから申し上げてきたのは、まずは観光というのは非常に足が速い[効果が出るのか早いこと]のと裾野が広いので、まずこの「土佐・龍馬であい博」をはじめとして龍馬ブーム、これを観光でしっかり活かしきっていくことで、高知県経済浮揚の一番最初の牽引役になってもらいたいということを願ってきたわけでありますけど。
それで、一定全体としての浮力がついている中でいろんな外商戦略とかそういうもの、「まるごと高知」なんかは、首都圏では拠点になるわけですが、売り込みを図っていって、本格的なつながりというのをたくさん持っている形にして、つなげていければなと思います。
実際、観光で一定効果が出ているだろうなと思われますのは、日銀さんの経済の試算の問題もありますけど、200億円の経済効果っていったら、名目GDP比で1%ですから、相当大きいはずですよ。実際に日銀短観をみても、今、高知県は、1997年以来で一番良いでしょう。だから、どれくらい効果があるかということかというふうに思っているんですけどね。
ただ、まだまだ、これは、一過性のものかもしれません。引っ張り上げてもらうために、スピードがあって効果のあるものとしては意義があると思っています。これを次に続けていかないといけないと思っています。
実現したのが200億円、予想は400億円でしょう。400億円になると、GDP比で、2%です。そういう感じかと思いますけどね。 そんなに簡単じゃありませんよ。あんなこともこんなことも、こんなこともあんなこともやっていって、初めて、じわじわっと上がり始めていくことだと思います。けど、日銀短観は1997年以来で一番良いなんていうのは、逆に言うとそんなに滅多にあることじゃありません。
これは、龍馬ブームのおかげだし、それを活かすべく「土佐・龍馬であい博」というのを仕組んだことの効果だとは思っています。だけど、これは一過性で終わってしまう可能性があるので、ポスト龍馬博を一生懸命やりますということとあわせて、より本格的な外商戦略を同時にスタートさせた。だけど、あわせて産地を強くするとか、加工を強くするためにものづくりの地産地消を進めていきますとか、それを担う人材を育成するとか、そういうことを考えていかなければいけないということだと思いますけどね、引き続き。
そこ[資料:果敢に挑戦!産業振興計画 [PDFファイル/2.59MB]]に進捗状況をいろいろ書いてありますので是非(お読みください)。 また来週には、産業振興推進本部も開催をしますので、そちらもまたご覧いただきたいと思いますね。
(西森:高知さんさんテレビ記者)
図書館のことなんですけども、県の一般公開の時から慎重論があったということで、いろんなところでご理解をいただきたいというお話がありましたけど、そういう場を何らか設けられてということかと思いますけど。具体的にそういう、決まっているのがあるのかどうかということと、昨日、報告書が県教育委員会の方から出ていると思うんですけども、例えば、それについて県民から意見を吸い上げた時に、やっぱり合築というのはどうなのかという反対意見が、仮に多かった場合に、そのお考えをまた変更するということは、お考えとしてあるのかどうかというのを聞きたいんですけど。
(知事)
非常に詳細な報告書になっていますから、まず、図書館関係者の皆様に、是非ご覧いただいて(もらいたい)。あれを公表したこと自体が、まず第一に極めて詳しいご説明だと思っているんですが、図書館行政ですから、具体的には教育委員会の所管ということになるわけですけれども、教育委員会の方で、これから図書館関係者の皆様方といろいろ話し合いをする機会というのをたくさんもつという方向で取り組んでいるというのは聞いていますし、私はそうすべきだと思っておるところです。
それと、いろんな方のご意見を聞いて、やはり合築をしないほうがいいということになるかということについてですが、その点は、私たちとしては、相当時間をかけていろんな方面からこのことを考えたことでありますから、合築ということについて、それは不可能だとか、できないとか、良くないとかいうことには、結論としてならないというふうに思っておるところです。
(西森:高知さんさんテレビ記者)
そういう意見にならないということ(ですか)。
(知事)
というか、必ずご理解をいただけるというふうに思っております。ただ、いずれにせよ、ご議論を聞いてみて、もちろん物理的にどうしても不可能だとか、過去に考えてなかった論点とかが出てきたりして、それが非常に深刻な問題だということになれば、見直す可能性だって絶対無いとは言いません。現時点では、私たちは合築するということが一番ベストなんだというふうに思っていますので、それをしっかりとご説明するべく努力を重ねたいと思っています。
ご説明すれば、いろいろわかっていただけると思うんですよ。例えば、一つの建物の中に別の機能が入るなんて無理があるとかいうご主張をされていますけど、一つの建物の中に複数の機能が入っているって、都会では、当たり前です。一つの建物で一つの機能しかないという建物のほうが都会では、珍しいと思いますけど。そんなこといったら省庁統合なんてできないでしょう。
それから、蔵書の構成が違う。ポピュラーな本と専門書、それぞれ集め方が違うからとかいうご意見があると伺いましたけど、ポピュラーな本も借りたければ、専門的な本も借りたい。ポピュラーな本を借りた人が、専門書はといったら、あっちの建物に行ってくださいって、不便じゃないですか。いっぺんに全部済むようにしたほうが利用者目線としていいんじゃないですか。
県立図書館としての蔵書、市民図書館としての蔵書、それがいっぺんにどんと揃っていた方がいいと思うんですけどね。 例えば、合築するから、書庫が大幅に減って県立図書館の蔵書がなくなるとかいうなら話は別ですけど、そんなことはないんですから。今よりも県立図書館の蔵書は充実させるんです。市民図書館の蔵書も充実させるんですよ。だけど、入れるものは、一つの箱の中に入ったほうがはるかに安くて済むでしょう。しかも1箇所で借りられるようになるんだから、はるかに利便性も高まるんじゃないかと思うんですよ。そういう点は、よくよく説明していきたいと思います。
ただ、その中でいろいろ専門家の方から、動線のこういう問題、ああいう問題とかいろいろ出てくれば、それは議論して解決していければという問題ではないのかな(と思います)。動線がちょっと動きにくいからちょっと混乱を生じるかもしれない。だったら、建物を建て直せというんですか。もう一個つくれと言うんですか。動線がちょっと混雑するかもしれないから、だから建物をもう一個建てましょう、ということになりますか。やはり、いわゆる根本的な議論の問題とそういう技術的に解決していくべき問題をよくよく区別して対応を図っていくことが必要かなと思います。
いずれにしても、既に相当、専門家の方のご意見を聞いて作った案でもあります。県内関係者の皆様方にもよくよくご説明を繰り返していきたいと思いますけどね。
(岡村:高知新聞記者)
財政にちょっと絡むんですけど。円高がすごくてですね、そっちの対応を急がなくちゃいけないんでしょうけども。追加の経済対策をですね。リーマンショック以降のあんなじゃぶじゃぶにですね、地方の補助金が増えるとも思えないし、そんな中でどういう、具体的に国に経済対策を求めるかということを今、答えられる範囲で(お願いします)。
(知事)
経済対策の関係でいくと、今一段、継続できるといいかなと、私たちが、経済をみていて実感として思うのは雇用対策です。雇用対策の関係を今一段、ここで息切れしないようにする必要があるのかなということを思っているところです。
いわば、順調に景気は回復してきていたのが、やや息切れ感があって、さらに円高によって相当冷や水を浴びせられたような形になってきているわけですが、景気の回復過程においても雇用が回復するというのが一番遅れてやってきます。だから、景気が回復していても雇用の方には、まだ本格的な波及がないという段階で、回復している景気そのものが弱くなってきてしまっているわけですから、雇用の方は非常に心配です。これはしっかりと下支えができるような補正予算であってもらいたいなというふうに、まずはそこのところを強く思っています。
(岡村:高知新聞記者)
ちなみに、円高対策が、いろいろ言われていますけども、知事から見てどうですか。
(知事)
早くやらんといきませんね。早く。
(岡村:高知新聞記者)
具体的にどういう(ものですか)。
(知事)
なかなか大変だとは思いますけど。ただ、今日、新聞にも書いておられましたけど、各企業さんで、だいぶん円高対策が進んできているという話があるじゃないですか。ああいうものをしっかりと後押しできるような体制って重要かも知れませんね。そんなに簡単なことじゃないと思います。
(岡村:高知新聞記者)
進出企業も結構多いわけですから。
(知事)
外へ出て行くだけじゃなくて、部品の輸入はむしろ増やすとか、内部取引を円建てにするとか、いろんなやり方があると思うんですけど、そういうことであんまり影響を受けないようにしていくとか、ことがいろいろあるでしょうね。そんなに簡単じゃないと思いますけどもね。
(中村課長補佐)
それでは以上をもちまして記者会見を終了します。どうもありがとうございました。
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