知事の定例記者会見(平成23年を迎えるにあたって)

公開日 2011年01月04日

更新日 2014年03月19日

知事の定例記者会見(平成23年を迎えるにあたって)

今年の位置づけ
高知県産業振興計画
日本一の健康長寿県構想
教育改革
安全安心の確保
インフラ整備の推進
基本政策に関わる横断的対策
積年の課題への対応
県の財政状況
国と地方の関係
人口減少・高齢化への対応

<以下、質疑>
人口減少・高齢化対策(1)
「正念場」の年に向けて
新しい基本政策の追加
情報発信の重要性
人口減少・高齢化対策(2)



今年の位置づけ

(知事)
 皆様、あけましておめでとうございます。
 年頭にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、昨年でございますが、非常に龍馬ブームに沸いた年でございました。この龍馬ブームの追い風というのを生かそうとして、例えば、土佐・龍馬であい博を開催する。また、「まるごと高知」をはじめとする地産外商戦略を加速するなど、一生懸命、懸命の取り組みを進めてきた年であったというふうに思っています。
 おかげさまで、例えば、多くの観光客が高知県に来ていただいたこと。さらには、地産外商にしましても一定の成果が上がったのではないかと思われる点などもあるわけでございます。そういう意味におきましては、追い風をそれなりに生かすことのできた1年ではなかったかと思っています。
 また、日本一の健康長寿県構想を昨年の2月に策定しまして、その取り組みを進めてまいりました。いわゆる医師確保の取り組みを始動させたこと。さらには、あったかふれあいセンターをはじめとしまして高知型福祉の取り組みを推進することができたことなど、いわば、5つの基本政策全てについて具体的な歩みを進め始めることができた年であったのではないかと思っているところです。
 関係各位の多くの皆様方にお世話になりましたことを、本当に心より御礼を申し上げたいと思います。
 そして、いよいよ今年でございます。今年1年、私は、非常に重要な年だと思っています。ある意味、「正念場の年」だと思わさせていただいておるところです。
 昨年は、龍馬ブームの追い風が吹きました。今年は、この龍馬ブームの追い風というのは、やはり、一定弱まることは間違いがないところでありましょう。昨年に比べましたら、同じことをしようとするにしても、今年は苦労が多いということもあるのではないかと思います。昨年はブームに後押しされ、追い風に後押しされてスムーズに進んだことが、今年は、苦労が重なることが出てくるかもしれません。
 しかし、ここでくじけてはいけないのであって、確かな歩みを継続していくと、少々の困難に負けず、今年は、その歩みを確かなものとしていく。少々のことにくじけずに取り組みを進めていくということが、非常に重要な年なんだろうと思っております。
 ただ、私は思いますが、確かに追い風は弱まるかもしれませんけれども、他方で、この1年間に得た大きな財産が私たちにはあります。高知県全体の知名度が上がったということもありますでしょう。また、対外的なパイプにしましても、数も増え、また太くなった、というふうに言えるのではないかなと思っています。
 また何より「挑戦の年」、1年を通じて、いろんなチャレンジを行ったことを通じて、多くの皆さんの中に新しいノウハウがたくさん蓄積されたのではないかと思っておるところです。追い風は確かに弱まるかもしれませんが、他方で、私たちは、一昨年に比べて、はるかに強くなっているんだと思っています。昨年1年で得た強みというものを生かして、今年は、まさに正念場だということで、腰を据えて、県勢浮揚に向けた取り組みというものを前に進めていく年であるべきだと思っています。
 高知県庁としましては、昨年以上に、大いに汗をかいてまいりたいと考えています。対外的な情報発信。また、地域での産業興しの取り組み、産業振興計画の取り組みを全力で進めていくということ。また、日本一の健康長寿県構想、高知型福祉に代表とされる高知の実情に合った取り組みというものに、大いに力を入れて進めてまいりたいと考えているところです。
 私自身も任期最後の年、今まで以上に、大いに汗をかいてまいりたいと考えておるところです。県民の皆様方と共に、県勢浮揚に向けた歩みを確かなものにしていきたい。
 今年は、「正念場の年」であります。ブームの前の状態に戻ってしまうのか。それとも、ブームの前の状態よりも一歩も二歩も前に進んで、県勢浮揚への足掛かりをしっかりと築いていくことができるのか。「正念場の年」だと考えておるところでございます。県民の皆様方と共に力をあわせて、官民協働で取り組みを進めてまいりたいと考えております。私たちとしましても一生懸命汗をかいてまいります。何より、私が汗をかいてまいりたいと考えておるところでございまして、県民の皆様方のご指導、ご鞭撻、そしてご協力を心よりお願い申し上げたいと思います。


高知県産業振興計画

(知事)
 それでは、それぞれ各政策の各論について、お話をさせていただきたいと思います。
 まず、産業振興計画の取り組みでございます。昨年は、おそらく観光客400万人を達成できたのではないかと推測されるところでございますし、また、有効求人倍率も、統計史上初めて、全国平均を高知の有効求人倍率が上回るといったかたちで、マクロの指数上も一定、経済効果の見え始めた年であったかなと思っています。
 しかしながら、これを単年度のブーム的なものに終わらせてしまってはいけません。この傾向というものをより確かなものにしていかなければなりません。そういう意味において、今年は「正念場の年」であります。
 そういう思いで、まずは、今年の3月まで、現行計画を全力で進めていきたいと考えております。そして、平成23年度に向けてPDCAサイクルをしっかりと働かせ、その検証結果を踏まえまして、この産業振興計画を再度、改定していきたいと考えております。現行計画が産業振興計画の第二版ということでございますので、来年度改定しますと、産業振興計画の第三版、バージョン3となるわけでございます。
 新しく改定をする産業振興計画のポイントでございますが、これは5点ございます。
 まず、第1点目。地産外商戦略の加速化を図りつつ、ものづくりの地産地消の施策を大幅に強化していきたいと考えています。外商戦略につきましては、「まるごと高知」、さらに地産外商公社、大阪事務所、名古屋事務所、シンガポール事務所、上海事務所等々、対外的な機関、公社、多くの方々のお力を得て、一定、仕事が進み始めているのではないかと思っています。
 平成22年度について言えば、11月末現在の段階で、展示商談会などの数は90件が予定されています。成約件数、いわゆる商談が成った件数が233件程度と把握ができているところであります。いずれも、平成21年度の展示商談会件数72件、成約件数178件を11月末現在で、もう既に、大幅に上回っているという状況であります。
 この外商の取り組み、より前に進めていくために体制の強化も含め、一層の取り組みを進めていきたいとは思っていますが、この外商の効果を県内の経済波及効果につなげていく観点からいって、地産外商の地産の部分というのを、より一層強めていくことが重要だと考えています。ものづくりの地産地消の施策というものを、この産業振興計画のバージョン2から大幅に強化したところですけれども、昨年1年の取り組みを踏まえまして、さらに加速しなければならないと考えておるところでございます。これがまず第1点です。
 第2点目は、龍馬ふるさと博を着実に実行していくということであります。この際に、県内各地への誘い込み、これをもう一段強化するということが課題でございます。もう一つは、今年を「国際観光推進元年」と位置づけて、例えば、外国からのチャーター便の誘致などについて、スピード感をもって取り組んでいきたいと考えております。
 3点目でございますけれども、新エネルギービジョンの改定にあわせまして、新エネルギービジョンのうち、産業振興に生かすことのできる部分を産業振興計画の中に取り込んでいきたいと考えています。食料について自給率を高めていく、またエネルギーについても自給率を高めていくというのが、これから日本にとって求められる道だと考えております。そういう中で、高知県は、いずれの分野においても大いに力を発揮していきたい。そういう大きな時代の流れに身を添わせることが、高知県の発展にとって極めて重要なことだと考えておるところでございます。食料については、従前より、日本の食料供給基地を目指すべく努力を重ねてまいりましたが、この自然エネルギー分野につきましても、取り組みを大幅に強化したいと考えています。
 4点目が、産学官連携の強化を図っていくということでございます。研究開発の成果を産業化に生かしていく取り組みを進めていくためにも、産学官の連携を強化していきたいと思っています。また、人材育成面においても、学の持っておるノウハウをこの人材育成に大いに生かしていければと考えておる次第です。
 最後、5点目ということでございますけれども、一次産業振興策、また地域アクションプランの施策、それら一連の施策を通じまして、地域、地域での産業化というものを大いに強化していきたいと考えております。
 地域アクションプラン、いろいろ物が売れるようになってきたところもありますし、一定事業としてスタートし始めたところもございます。こういう地域アクションプランの取り組みというものを、事業化に向けてしっかりと支援していく、後押しをしていくことで、地域に根ざした事業というものを数多く作り出していきたいと考えています。
 また、高知型集落営農の取り組みをはじめとして、農村でいろいろな多様なビジネスを一次産業をはじめ、加工、観光などといったかたちで多様なビジネスを進めていくことでもって、その地域の農村において事業が育っていくというような取り組みというものを強化していきたいと考えておるところでございます。地域での産業化、産業育成の取り組みというものを大いに強化していきたいと考えているところです。
 そして、先ほどと若干だぶりますが、地産外商戦略、産業間の連携の強化、担い手確保、人材育成、新産業の育成といった横串の施策を加えまして、それぞれの各分野におけます300を超える成長戦略、これを着実にPDCAサイクルに基づいてバージョンアップして実施してまいりたいと考えています。先ほどと重複しますが、地域アクションプランの取り組みも着実に実施をしていかなければならんと考えておるところでございます。
 産業振興計画の取り組みは、高知県の経済体質というものを抜本的に強化するための取り組みということでございますが、あわせて、引き続き、緊急の経済対策の取り組みというものも息は抜けないと考えておるところです。時々の経済状況に応じた対策というものを臨機応変に進めてまいりたいと考えています。
 雇用の面につきましては、あったか高知雇用創出プラン、これは、9,100人の雇用創出を目標としまして、現在、取り組みを進めていますが、この取り組みも引き続き着実に実行していきたいと考えておるところです。


日本一の健康長寿県構想

(知事)
 日本一の健康長寿県構想でございますけれども、昨年に策定しまして、いわば実行元年として取り組みを進めてまいりました。ほぼ1年、取り組みを進めてくる中で、より取り組みを加速できる部分、また、いろいろと改善を図っていかなければならない部分というのが明らかになってきているように思います。
 今年早々、1月5日に日本一の健康長寿県構想推進会議を開催しまして、この日本一の健康長寿県構想のバージョンアップについて話合いをさせていただきたいと考えておるところでございます。進捗状況の確認とともに、バージョンアップについて、大いに議論したいと考えています。
 地域で子どもを安心して産み育てられ、かつ、地域、地域で高齢者の皆様方がより安心して暮らせる社会というものを目指していかなければならないと考えておるところでございまして、特に、次の点について取り組みの強化を図っていきたいと考えています。
 まず、保健の分野でありますが、受診勧奨の取り組みをより一層強化しますとともに、特に今年は、がん対策について取り組みを強化していきたいと考えておるところです。既に、子宮頸がんの問題につきましては、12月補正において、取り組みを強化するべく補正予算を計上しましたけれども、あわせまして、肝炎対策についても取り組みを強化することができないかということを考えていきます。
 事前に予防ができる、(早期に)治療することで、進行を遅らせられるでありますとか、予防を進められることができるでありますとか、そういうがんについては、是非、取り組みを強化していきたいと考えているところです。
 医療の分野につきましては、医師確保対策を強化しなければならないと考えておるところです。医療再生機構の取り組みに加えて、より即効性のある医師確保の取り組みを講ずることができないかということを不断に追求していきたいと考えています。
 あわせまして、従来の防災ヘリに加えまして、今年の3月から、ドクターヘリをもう一機就航させ、ヘリによる救急医療の取り組みを2機体制で進めることとなります。救急医療体制を強化、地域の医療連携体制の強化を図っていかなければならないと考えておるところです。
 福祉の分野でございますが、こちらにつきましては、高知型福祉の取り組みを一層充実させていきたいと考えています。あったかふれあいセンターは、県内で約40ヵ所近くができまして、また、サテライトでの取り組みも活発化しています。
 「つどい」ということが、各センターの大きな役割の一つとなっているわけですが、さらに、訪問してみたり、いろいろ相談を受け付けたりなどというかたちでニーズの強い分野について、より機能を強化していくこともできないだろうか。地域の見守り協定と一体となった取り組みなどもできないだろうかということにつきまして、より一層の機能強化ということに向けて、取り組みを進めてまいりたいと考えている次第です。


教育改革

(知事)
 教育改革の取り組みでございますけれども、教育改革につきましては、一定良い傾向が見え始めてきたのではないかと思っています。体力テストは、平成20年に最初のテストがありましたが、平成20年から22年までにかけまして、小学校も中学校も高知県は、改善率は全国1位でありました。
 平成19年から始まりました全国学力テストでございますが、平成19年から22年にかけて高知県の改善率は、小学校では全国第6位。結果、小学校の全国平均とぴったり同じくらいの位置まで学力が回復してまいりました。あわせて中学校でございます。こちらの平成19年から22年にかけての改善率は全国第1位ということでございます。
 ある意味、やればできるということが、段々実感としてわかってきたという状況ではないかというふうに考えているところです。学校現場の先生方、さらには保護者の皆さん、地域の皆様方、そして、何よりも、生徒の皆さんが頑張られた結果が出てきているということでございまして、皆さんの頑張りに本当に敬意を表させていただきたいと思います。
 けれども、まだまだ、この取り組みを継続していかなければなりません。当面の目標としておりますのは、全国平均レベルまで引き上げていくということです。教育の機会均等が確保されなければなりません。学力の面でも、体力の面でも、そして心の面でも、まずは全国平均を目指しまして、今年1年も県教委と一緒に取り組みを進めさせていただきたいと考えています。
 ポイントは、きめの細かさだと考えています。具体的に授業を変える、放課後を変えるという取り組みを続けてまいりました。その結果として、先ほど申し上げたように、やればできるという実感がわくような状況になってきております。県教委の皆さんと共に、この取り組みをより徹底していただきたいと考えています。私は、予算面において大いにバックアップしていくということを心がけてまいりたいと考えている次第です。


安全安心の確保

(知事)
 安全安心の確保の観点からは、この12月補正予算から始まった取り組みではございますけれども、南海地震対策のうち、特に津波対策を加速していきたいと考えています。津波避難タワーの取り組み。さらには、高知市での長期浸水対策に対する対応についての取り組みというのを加速する年にしていきたいと考えておるところです。何といいましても、南海地震の被害想定において、亡くなる方の7割が津波によるという想定がされておるところでございまして、この津波対策の強化というのは、是非とも重要な課題だと考えています。あわせまして、高知県南海地震対策行動計画に基づく取り組みを着実に進展していきたいと考えているところです。


インフラ整備の推進

(知事)
 インフラ整備の観点から、昨年末、平成23年度の国の予算におきまして、(高知東部自動車道)安芸西−芸西西間の事業化が決まったことは、本当に喜ばしいことだというふうに思っています。8の字ネットワークの整備をはじめとしたインフラ整備の重要性を、国に対して、しっかり訴えていきたいと思っていますし、あわせて地域、地域のきめ細かいインフラ整備も着実に進めてまいりたいと考えています。地域での整備が進んだ結果として、安全・安心が大いに高まったということもありますし、また、大型バスが来られるようになった結果、観光が大いに伸びたという事例も聞いておるところでございます。そういうきめ細かさというものも是非追求をしていきたいと考えています。


基本政策に関わる横断的対策

(知事)
 5つの基本政策に加えまして、全体に関わる話でございますけれども、横断的な対策。例えば、鳥獣被害対策の強化、さらには、重複する部分がございますが、中山間対策につきましても着実な進展を図っていかなければなりません。
 特に、鳥獣被害対策でございます。数年間(対策を)講じてきましたが、なかなか厳しい状況にあります。より本格的な対策を講ずるべく努力をしていきたいと考えております。


積年の課題への対応

(知事)
 積年の課題への対応も果たしていかなければなりません。図書館問題、そして、新歴史館の問題につきまして、多くの関係者の皆様方のご意見というものを、よくよく承っていきながら、しっかりと結論を出して、前に進めていきたいと考えている次第であります。どれも数年来にわたる課題でございます。こういう課題というものをいつまでも先延ばしにするというわけにはいきません。他方、多くの関係者に関わる課題であります。よくご意見を聞いて対応していくという姿勢が重要であると考えておる次第です。


県の財政状況

(知事)
 施策を進めていくにあたりまして、2点、全般に関わる問題として、心構えといいますか、考え方についてお話をさせていただきたいと思います。
 まずは、財政問題でございます。国の経済対策を縦横に生かすべく、東京に対する発信力の強化等々、いろいろ取り組みを進めてまいりました。本県のように厳しい状況にある地方に対して、交付金が重点配分されるような計算式の提案もし、また、それが一定かなうこともあるんだというふうに思っています。経済対策があったこと、また、それを縦横に生かしきったこともございまして、本県の財政状況は、私が就任しました時に比べますれば、大幅に改善している状況にございます。
 しかしながら、皆さんご存知のとおり、交付税に依存する比率が非常に大きいという、そもそも脆弱な財政構造にあるわけでございまして、まだまだ気を抜くわけにいかないと思っておるところです。
 常に中長期的に、ある施策をとった時、その影響が中長期的にどのように及ぶかという点について留意し、また常々、中長期的な財政試算というものを繰り返していくことによりまして、先々にわたって財政の安定が図られるよう、そこのところを大いに留意しながら取り組みを進めていかなければならないと考えている次第です。


国と地方の関係

(知事)
 そして、もう1点が、国と地方の関係でございます。特に今年は、国との関係で緊張感のある課題というものが多いのではないかなと思わさせていただいております。「子ども、子育て新システム」をどのように構築をしていくか。子ども手当に止まるものではございません。子ども政策についてどういう対応を図っていくべきなのか。
 また、TPP[環太平洋連携協定]の問題もございます。さらには、新しいタイプの交付金がどのように地方、地方に交付されるかという問題もございます。これらの問題について、引き続き、東京事務所での情報収集・折衝能力を縦横に生かしていき、また私自身も知事会等の場を生かしていきながら、本県の主張を積極的に国に訴えていきたいと考えておるところでございます。知事会の取り組み、また政府に対する本県からの個別の折衝、いろいろなありとあらゆる場を設けまして、本県の主張というものを説得的[説得力のある]に訴えをしていきたいと考えている次第です。
 なお、国と地方の協議の場の早期の法制化、これを、特に、この場をお借りしまして、強く訴えさせていただきたいと考えております。


人口減少・高齢化への対応

(知事)
 最後になりますけれども、少し中長期的なお話をさせていただきたいと思います。人口減少が、急速に進んでおります。先の国勢調査の結果というものは、残念な結果ではございましたけれども、ある意味、人口ピラミッドの構成比率を見ますれば、ある意味予想された結果でございました。人口の自然減という現象。ある意味、これはいたしかたのない自然現象的な側面のあるものごとでございますが、これが急速に加速をしております。本格的な人口減少社会に突入して久しい本県でございますが、いよいよ、人口減少が最大のスピードで進む、そういう時代に突入したと、全国に先駆けて突入したのではないかと考えておる次第でございます。
 こういう時代であるということを認識し、従来より、この対策は講じてまいりました。例えば、県外市場から外貨を獲得することを目指していく地産外商戦略を柱とした産業振興計画の推進、また、人口減少の中で地域の支え合いの力が弱まっている。それを見越した高知型福祉を一つの柱とする日本一の健康長寿県構想の推進、こういう取り組みを図ってまいったわけでございますし、今後もこういう取り組みは、さらに進めていかなければならないというふうに考えています。
 ただ、もう一段、この人口減少の流れというものが、本県に及ぼすインパクトの大きさでありますとか、さらには、県外もこれから人口減少が加速化し始めるであろう。もっと言えば、東京のような首都圏においても、人口減少・高齢化が加速し始めるであろうということをにらんで、本県として、どういう対応をとっていくべきなのか。どういう道筋をとっていくべきなのか。その中長期的な視点から、じっくり考えていく1年にしたいと考えております。
 昨年末、人口問題のプロジェクトチームを設置しました。この場におきまして、産業振興計画、日本一の健康長寿県構想といった中短期的な取り組みに加えまして、より中期、長期的な取り組みが、どうあるべきかということを、よくよく研究を重ねてまいりたいと考えています。そして、その研究成果を時々の施策に生かしていく。また、国への政策提言に生かしていきたいと考えておるところです。例えば、県外から高齢者の皆様方を積極的に受け入れていくということが、おそらく各地方において必要となってくる時代が、必ず来るのではないかと、私は思っております。首都圏において、今後、毎年増える数十万人の高齢者の皆様方を全て受け入れることができるのか。そうではなくて、地方でこういう方々を積極的に受け入れさせていただくということが求められる。そういう時代が来るんじゃないか。そこにまた、新しい産業と雇用が生まれてきて、若い方々のやり甲斐というものも生まれてくる、そういう時代が来るんじゃないか。そういう中において、本県は、先頭に立ってそういう役目を果たしていける県になっていくことが重要ではないかと思わさせていただいておるところでありまして、より専門的な視点なども踏まえて、そういう点についての議論をさせていただきたいと考えております。
 以上、年頭にあたりまして、新年1年の向き合い方と、そして各論についての考え方についてお話をさせていただきました。今年は、「正念場の年」であります。引き続き、「対話と実行」の基本姿勢をもちまして、多くの方々にお知恵を賜りながら、やるべき施策につきましては敢然と実行してまいりたいと考えております。
 県勢浮揚、その正念場の年、県勢浮揚をなしていくためには、官民協働の取り組みが必要でございます。何よりも県庁が一生懸命汗をかいてまいります。何よりこの私自身が汗をかいてまいりたいと考えておるところでございます。そういう中で、官民協働の取り組みを進めさせていただき、県勢浮揚を確かなものにしていきたいと考えています。県民の皆様方のご指導、ご鞭撻、そして、ご協力を心よりお願い申し上げまして、私の年頭でのご挨拶とさせていただきたいと思います。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


<以下、質疑>


人口減少・高齢化対策(1)

(半田:高知新聞記者)
 最後の高齢者、人口減のところですが、何年か前に、高知工科大学で、シルバータウン構想みたいなのがありましたよね。そういうお話をされているんですか。

(知事)
 まだ具体的にシルバータウンのようなかたちにするのか、もっとあまねく広く、社会全般として受け入れることを誘導していくようなかたちにするのかというのは、よく議論しなければいけないと思っています。

(半田:高知新聞記者)
 方向性として、そういうこともあり得るというお考えですか。

(知事)
 そうですね。あり得ると思ってますね。


「正念場」の年に向けて

(小笠原:高知新聞記者)
 「正念場」というの(言葉)を繰り返したんですけども。「正念場」と言うと、語感からいえば、若干、切迫感、追い込まれている、みたいなことも個人的に感じないこともないんですけれども、今年は、こういうキーワードで(いきますか)。

(知事)
 私は、(1年目は)1年かけて「足固めの年」と言わせていただいて、足固めをさせていただいて、ある意味、迂遠だったかもしれませんが、県内各地のいろんな所を、まわらせていただいて、いろんな方にご参画いただいて、産業振興計画を作って、そして一昨年から、実行元年としての取り組みを始めた。いわば、本当に動きだすぞということを確認したのが一昨年だったと思います。
 昨年は、龍馬ブームの追い風ということもありました。少しでも前に進むべく果敢に挑戦をしていくということが求められ、この追い風をどれだけ生かしきれるかという勝負の年だったというふうに思っているところです。ある意味、追い風を生かすという点においては、まだまだ足りないところもあるかもしれませんが、一定以上生かしきれたのではないかと思っています。ある意味、つかんだものがあるという1年だったと思っています。
 ただ問題は、このつかんだものが1年限りで消えてしまうのか、それとも本当に確かなものにすることができるのか。今年は、その分かれ目だと思うんです。今年、しっかりとつかみ取れることができれば、本当に県勢浮揚に向けて土台ができた。後々に、「あの年から完全に歩みが変わった」と言ってもらえる年にすることができると思うんですよね。元の木阿弥になってしまうのか。しっかりと昨年つかんだものを確かなものとして、後世の礎にすることができるのか。まさにその分かれ目。そういう意味においては正念場だという思いですけれどね。

(亀岡:朝日新聞記者)
 今年は、途中で任期を迎えられるわけですけれども、それに向けて、継続性ということでいうと、今の段階で何かお考えのところはございますか。

(知事)
 昨年いろいろ取り組んできたことを、今年も、しっかり継続していかないといけないというふうに思いますね。昨年1年間実施してきて、追い風だったからうまくいった側面っていうのもあるでしょう。ただ、それだけでうまくいったわけじゃなくて、努力したからうまくいったという側面も多いと思うんですよね。
 ただ、やっぱり、昨年に比べたら困難がつきまとう点も出てくるでしょう。その時に、ちょっとうまくいかなかったというので、「ああもう、うもういかんき、もうやめた、やめた」というようなことになってしまってはいけない。それだと元の木阿弥になってしまうので、やはり、そこで我慢して、歯を食いしばって取り組みを続けて、いわば、継続は力ということで続けていくことで得られるものというのがあるんだろうと思うんですね。そこで後ろにさがるのか、必死になって踏みとどまろうと思って努力するのか。私は、やはり、後者の姿勢が求められる、そういう年なんだろうというふうに思っていますけどね。

(半田:高知新聞記者)
 「挑戦」から「正念場」というと。ちょっと(つながっていないようですが)。

(知事)
 昨年も何か、「挑戦の年」と言ったら(同様の質問をいただきました)ね。
 私は、いつもこう思ってるんですね。結果としてどういうものを目指したいかということを述べるよりも、それぞれの行動として、どういう姿勢でもって臨むかということを、キャッチフレーズには掲げたいと思っています。
 例えば、「成果の年」、「成果実感の年」、「実りの年」って、それは結果論じゃないですか。やはり、それは、何か努力した結果として出てくるものであって、それを天から降ってくるように、スローガンとして掲げて示しても、あまり意味が無いんじゃないかなと思ってましてね。
 だから、「実行元年」というのは、本当に実行するんだということを訴えたかったし、それから「果敢に挑戦の年」というのはどういうことかというと、「追い風が吹いているから、まあ、その追い風に身を委ねてみようか。」というのではなくて、むしろ、前に前に出て行く姿勢が必要な年じゃないかということで、「果敢に挑戦」ということを言わせていただきましたし、昨年に比べれば、今年はいろいろ嫌なこともあるでしょう。「昨年お付き合いさせていただいたけど、今年はちょっと。」なんて言われたりすることも出て来るんじゃないかなと思いますけど、そういう中において、我慢して真に踏み止まって前に進む、元に戻るか前に進むか、その分かれ目なんだから一生懸命頑張ろうというふうに思う年じゃないかなと思ってましてね、そういう意味で、自戒の念を込め、また県庁職員が一同そういうつもりで、正念場なんだから頑張んなきゃと、少々の辛いことでくじけないという気持ちで頑張ろう、という意味で申し上げさせていただいてます。また、多くの県民の皆様にご賛同いただいて、そういうつもりで頑張っていただければなと思っています。
 私は常々、行動に関することでキャッチフレーズは掲げさせていただきたいなと思っているところですけれどもね。その結果、後々に、「あの時はターニングポイントの年だった」とか、「あの年が大いに成果(があった)、いわゆる実りの年だった」とかいうことになるのかも知れません。結果についての規定というのは、やはり数年経ってから後で振り返ってやるものではないのかなと思わさせていただいております。


新しい基本政策の追加

(亀岡:朝日新聞記者)
 5つの基本政策でずっともう、知事の場合は、一番最初から掲げてずっと取り組んできておられますけども、さらに5つだけに留まらず、最後のほうにはそれに横断的ないろんなご議論をされていましたけども、新しい6つ目の項目を、例えばあえて掲げられるとかですね、今のところ、そういうお考え方というのはどうでしょう。

(知事)
 おそらく出て来るのかもしれません。2つくらい出てくるのかもしれません。ただ、まだ研究段階だったり、検討段階だったりするんだろうと思っています。もしくは、やはり、大きな項目について言えば、横串を貫くということになるというふうに、留まるということも出てくるんだろうと思っていますが、当面は今、この5つの基本施策ということで取り組みを進めさせていただきたいというふうに思っていますけれどもね。


情報発信の重要性

(井澗:NHK記者)
 「汗をかく」という表現を何度も言われておられましたが、今段階でも多分、今一番、汗をかいておられるお一人だと思うんですけど、さらに、県庁、また民間の方も、さらに汗をかいてもらうために、巻き込むためには、正念場として、どういうことが、さらに必要だと思いますか。

(知事)
 そこが、非常に重要だと思いますよね。
 こんなことを言ったら釈迦に説法になってしまいますけれど、それぞれ皆さんが、取り組まれた今までの結果を振り返って、今年は何をなすべきか、ということを考えていくということが重要なんだろうと思うんですよ。
 だけど、そのきっかけとなることを、県庁として、どうやっていろいろ提示できるかということが非常に重要だと思っているところでして。例えば、私たちは、昨年、いろんな挑戦する場というのを一生懸命、作り出そうとしました。「まるごと高知」もそうですし、いろいろな商談会もそうです。また、福祉にしても、あったかふれあいセンターというのも(そうです)。例えば、それぞれの地域での新しい福祉のかたちというのを作り出していくための場だと思うんですよね。そこで何が起こってどうなったかということについて、いろんな事例というのを、もっともっとわかりやすいかたちで情報発信していくということを大いに心がけていきたいと思いますね。
 「まるごと高知」においては、それぞれについて、テストマーケティングの場で試していただいている部分があるわけですが、「他の方々はこうだったですよ」とか、「こういう事例もありましたよ」とか。それから、地域での取り組みについて、例えば、「こういうかたちでうまくいってるよ」とか、「こういうかたちでうまくいかなかったこともありましたよ」とか、いろんなかたちで情報発信をしていくことで、皆さんが、自らをある意味省みていただいて、そして、今後の参考にしていただくような機会、きっかけというのを、いろいろ作り出していかなければいかんかなと、情報発信というのは、ひとつの核になるんじゃないのかなというふうに思っておるところです。
 実際ですね、昨年1年は、まだまだ、特に前半について言えば、いろんなものごとが動き出しましたけども、動いた結果としてどうなったというところが、昨年の前半くらいは、まだはっきり言えないところがあったように思うんですね。
 ただ、後半ぐらいになりまして、例えば、「まるごと高知」ができたということもあって、どういうものが売れてどういうものが売れなかった。同じものでも、どうやったら売れてどうやれば売れなかったとかというのが具体的にわかるようになってきた。観光地でもどういう取り組みがうけて、どういう取り組みがうけなかったとかというのが、具体的に結果として見えてきている。具体の事例としてわかってきているところが多々出てきたんだと思うんですよね。ですから、こういうものをしっかりとお示ししていく中で、多くの方々が今後どうやっていこうかと思うことについての参考にしていきたいというふうに思いますけれどね。

(井澗:NHK記者)
 成功例を示すことで、これにのっかったらいいことがあるんですよということを分かっていただいて、巻き込んでいくという感じになるわけですね。

(知事)
 そういうことだと思いますけどもね。
 また逆に、マスコミの皆さんが成功された方なんかを報道されたりしていると、ものすごく地域にとっては力になるんだそうですよ。ものすごくやりがいが沸くって言いますからね。私も、よく喜んでおられる話を、何度も聞いたことがあります。県民の皆さんと話をしていて、喜んでおられる筆頭格というのは、やっぱりテレビに出たとか、新聞で取り上げてもらったというのは、非常に大きいんですよね。今、皆さんには、積極的に報道をしていただいていますけど、それも大きな力になっていると思いますよ。


人口減少・高齢化対策(2)

(半田:高知新聞記者)
 人口減のですね、なかなか、社会減の対策というのは、大きな話だと思うんですけど。知事の思いとしては、やはり、産振を着実に推進していくしかないとか、そういうところになってくるんでしょうかね。

(知事)
 産業振興計画は、地味な取り組みのようですけども、実際には200を超えるアクションプランがあって、これだけ大規模にやっている県というのは、おそらくないんだと思いますよ。大分県だって1村1品運動だったじゃないですか。
 実際には、かなり大規模にやってるんですけど、ただ、それを地域、地域にかなり分散して実施しているというところ。それともう一つは、単に箱物をつくっていくというのではなくて、先日、産業振興計画推進本部のほうで申し上げたんですが、労働力、資本、技術というものが(経済)成長を規定するとした時、技術、これノウハウも含む部分ですが、ここのところに非常に強く訴えかけていって、全体としての発展を図っていこうということを企図する、と。そういう計画だと思うんですよ。
 もしね、大規模な企業誘致があって、その企業誘致先を核とした産業、そこの工場が稼いだことが全体にGDPを配分するような構造の経済であれば、それでやればいいと思いますけど、そうでない場合、高知県の富の源泉というのは地域、地域にあると思うんですよね。だから、さっき言ったような大きな工場群が全てを引っ張っていくというんじゃなくて、地域、地域で支えていくような経済なんだとすれば、まさに私は、高知県が、そうだと思いますが、地域、地域の富の源泉たる資源というのを発展させていくような施策というのが一番有効だというふうに思っておるところです。
 だから、その取り組みを高知県に合ったタイプとしてそういうものを進めていってるんだというふうに思いますね。県によっては全然違う取り組みをしたほうがいい県もあるんだと思うんですよ。例えば、高速道路が発達していて、大規模インフラ、大規模港湾とかいうものが、すぐ近くにあってというようなところだったら、さっき言ったような、企業群誘致による取り組みのほうが効率的かもしれませんけど、本県なんかの場合は、また違う地域、地域からの資源を生かすという取り組みが有効だというふうに考えているところです。
 ですから、産業振興計画の方向感というのは、高知県の経済発展を目指していくためにおいて、私は、一番効果的かつ効率的な方向を向いているんだと思っていますが、あきらめてそうなっているというより、それが一番効果的なのでその道を選択したということだと思っているところです。もちろん、企業誘致をあきらめたわけじゃありませんけどね。ただ、産業振興計画のフレーズの中に沿って、それを大いに前に進めてくれるような企業誘致というものを目指していくことを狙っていきたいと思っています。
 実際のところ、社会減という問題でいけば、今日、ニュースにも出ていましたけど、県内の求人数と県外企業さんの求人数では、県内企業さんの求人数のほうが多くなりましたよね。これ、県外企業さんの求人数が10%近く減ったというのもありますけど、県内企業さんの求人数が15%近く増えたっていうこともあるわけです。そういうかたちでもって、求人を増やしていく取り組み、一個一個の事業者さんから生まれる求人は少ないかもしれませんが、数が積み重なっていく中で全体として効果を発揮するということ、これを目指していきたいと思いますけどね。
 社会減という話でいけば、ちょっと分析をしてみなければなりませんが、一定減速はしつつあるんだろうというふうに思っているところです。ただ、自然減がそれをはるかに上回るかたちで加速していますのでね、いずれにしましても、人口減少という点においては厳しい状況であるのは間違いありません。


(中村課長補佐)
 それでは、以上をもちまして記者会見を終了します。

 

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