平成23年仕事始めにあたっての知事挨拶

公開日 2011年01月11日

更新日 2014年03月17日

平成23年仕事始めにあたっての知事挨拶

平成23年1月4日(火曜日) 第二応接室

 皆さん、あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりまして、本当にありがとうございました。また本年もよろしくお願い申し上げたい、そのように思います。この初庁議の冒頭にあたりまして、私から県庁職員の皆さまに対し年頭のご挨拶をさせていただきたいと思います。

(昨年を振り返って)

 まず、昨年1年間の県庁職員の皆さま方の大変なるご努力、こちらに対しまして心より私からも御礼を申し上げたいと思います。昨年は「挑戦の年」として位置づけたわけでありますが、本当に大変な年でありました。

経済の面におきましては、大河ドラマの追い風を活かすべく、この追い風を活かしきりたいという思いで全力で取組を進めてきた年であったと思っています。観光客の皆さま方の大幅な増、大きな経済効果、こういうことを考えましても一定この追い風を活かすということについて、それなりの達成ができたのではないか、そのように思わせていただいているところです。

 また、保健、医療、福祉の分野におきましても、「日本一の健康長寿県構想」を策定し、その実行を始めた年でございました。様々な面で具体的な取組、こちらが前に進んできたと言えるのではないかと思っているところでございます。

 また、教育改革の面につきましても、いろんな点で成果が出てきている。そういう年であったと思っています。学力テストにしても体力テストにしても、大きな改善、非常によい改善率を示してくれたことからも見てとれますように、教育改革の取組が段々と現場にも浸透しつつあって、また現場からも多くのことを教えていただいて、共に車の両輪となってこの取組が進みつつある。そういう時が来つつあるのではないか、そのように思わせていただいております。

 その他、危機管理の取組、いろいろ緊張感の漂う事案もございましたが、頑張っていただきました。また総務部、監査委員事務局、会計管理局はじめしっかりと予算のファイナンスを行い、中長期の財政の安定化を図りながらも規律をしっかりと守っていくと、そういう取組をしっかりやっていただいたのではないかというふうに思っております。

 この中で皆さん方がいかに頑張っていただいて、またその中でも規律正しく仕事をしていただいたか。昨年1年間、知事部局においては懲戒処分が1件もなかったということの事実が、それを物語っているのではないのかなと、そのように思っておるところです。

そして県民の安全・安心の確保のために警察、県警本部の皆さま方も本当に頑張られた。この点について心より敬意を表したい、そのように思う次第です。

(新しい年を迎えて)

 そして、今年、平成23年を迎えることとなりました。この平成23年、私は今年が正念場だと、そのように思わせていただいております。いろいろな意味で正念場だと思っています。まず経済の面についてどうかということでございますが、言うまでもございません。今年は去年に比べれば龍馬ブームの追い風、こちらは弱まることとなるでしょう。去年はスムーズにいったことが今年はそれほどスムーズにいかないということも多々出てくるのではないかと思います。

しかしながらここで挫けてはいけないのであって、ここで踏みとどまって継続して前に進んでいくということをしていかなければならない。元の木阿弥となってしまうか、それとも県勢浮揚に向けて確かな前進、これを成し遂げることができるか、その分かれ目となるのが今年だと、そのように思っておるところでございます。

(昨年の蓄積を生かす)

 ある意味、追い風は今年は少なくなるかもしれません。その分、辛いことも出てくるでしょう。しかしながら他方で恐れることはないと私は思っています。私たちは去年1年間で成し遂げた大きな、多くの財産をもう既に持っておるんだ、そのように思っています。

地産外商を進めていくにしても、地産外商を進めるための仕組み、公社、さらには「まるごと高知」もそうでありますけれども、このような仕組みが十分に整い、そして機能し始めました。その過程で多くの有益な対外的な人間関係もたくさんでき上がった。さらには対外的に売り込んでいく時の苦労、しかしその苦労から得たいろいろなノウハウ、こういうものも蓄積しつつあります。

地産外商を例にとって申し上げましたが、この点は他の観光にいたしましても、いろいろなものづくり、産業にいたしましても、全てにおいて思い当たる節があるのではないのかなと思うところでございます。

去年築き上げたこのノウハウというもの、これをしっかりと土台として今年はこれを具体的な成果にしていくための取組をしっかりと進めていかなければなりません。元の木阿弥なのか、そうではなくて確かな前進を成し遂げることができるのか、今年はその正念場の年だと思っておるところでございます。ぜひとも、皆さま方と共に一緒に頑張らせていただきたいと思っておるところでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(日本一の健康長寿県構想)

 そしてまた、その他の面においてもいろいろな形で、今年は非常に重要な年だと思っています。日本一の健康長寿県構想でございますが、いよいよ2年目となります。産業振興計画の取組においても、大いにこれは実感したところでございますが、計画を立てて1年やってみて、実際に実行していく過程において、多くのいろいろなご意見を県民の皆さまからも賜ることがあります。実行段階においていただいたご意見というのは、本当にこれは知恵の宝庫だと思うわけでありまして、これを踏まえて今年しっかりと計画の改定、バージョンアップというものを実施をする。そうすることによりまして、長寿県構想の推進、これをより確実なものにしていきたいと、そのように考えているところです。

(教育分野の取組)

 また教育の分野につきましても先ほども申し上げました、例えば体力テスト、平成20年から22年にかけての改善率、これは全国1位でありました。そしてまた学力テストにつきましても、中学校の平成19年から22年にかけての改善率は全国1位、小学校の改善率は全国6位という状況でございました。やればできるということが実感できた3年間ではなかったかと、そのように思わせていただいております。

私も多くの県民の皆さまから、この教育現場の状況についていろいろお話を伺うこともございます。引き続き厳しいご意見もありますが、温かい励ましの言葉もいただくようになってきた。本当に教育現場の皆さま方のご努力に心より敬意を表したいと思いますし、県教委の皆さま方のご努力に対しても敬意を表させていただきたい、そのように思っておるところです。

全国平均並みに、高知県の子どもにも全国の子どもたちと、少なくても同レベルの教育を与えてあげたい。子どもたちのためにそういう教育態勢を築いていきたいという思いで取組を進めてこられ、また知事部局としてもそのバックアップをさせていただいてまいりました。何とか今年、その目標達成に向けてさらに大きな1歩を踏み出していけるかどうか。引き続きキーワードとなりますのは、授業を変える、放課後を変える、この現場での取組が徹底されることとなるかどうかだと、そのように思っておるところです。

真にこの点が徹底されるかどうか。子どもたちの心一人ひとりに届いていくように、この点が成し遂げられていくかどうか。今年はそういう意味において、この点においても正念場の年であろうと、そのように考えておる次第でございます。

(進めるべき政策と財政事情)

 インフラ整備、津波対策の取組でございます。インフラ整備については昨年の国の予算編成の過程において、大きな前進がございました。土木部の皆さん、また東京事務所の皆さん、本当に大いなる活躍をしていただきました。また引き続く補正予算の中で膨大な事業がある中、本当に現場の皆さんに頑張っていただいて、必死になって事業化を進めていっていただきました。インフラ整備が着々と進みつつあると、そのように思っています。この傾向を続けていかなければなりません。

安全・安心の確保という観点から、南海地震対策につきましても、特に人の命に関わる部分について、計画づくりの段階から本格的な実行の段階へとシフトアップをしていかなければならない年だと、そのように考えております。津波避難タワーの整備、こちらを始めといたしまして、様々な取組について、全力で進めていきたいと、そのように考えておるところでございます。

 そういう中において、中長期的な県の財政事情、こちらの安定ということをしっかり図っていかなければなりません。単年度単年度の1つ1つの事業について、県民の皆さまに対してしっかりと説明責任を果たしていく、そういうことも非常に重要であろうかと考えております。

また働きやすい環境づくり、他方、規律正しい環境づくり、こういうものをしっかりと築き上げていかなければなりません。引き続き総務部、監査委員事務局、会計管理局はじめ皆さま方におかれましては、縁の下の力持ちとして大いにご努力を賜りたいと、そのように考えておるところでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

県警本部におかれましても、引き続き治安の確保、安全・安心の確保に向けてのご努力をよろしくお願いしたいと、そのように思います。

(成果を生み出す)

 先程来申し上げてまいりましたけれども、産業振興計画にいたしましても、日本一の健康長寿県構想にいたしましても、教育改革にいたしましても、いよいよ今までの取組を土台として、具体的な成果というものを生み出していくということが非常に重要な年になってきていると思います。また、そうすることに向けての機は熟しつつあると、そのように考えておるところです。

実行元年を経て、いろいろな取組を始めました。昨年、挑戦の年、大いに前向きに展開をしていく中で様々な取組についての、いろいろな仕組みができてきていると、そのように皆さんも思われるのではないかと、そのように思います。もう一度言いますが、例えば「まるごと高知」という仕組みができました、食品加工の工場をつくっていく、それが今年の3月ぐらいから一斉に立ち上がって、稼働し始めるとか、例えば仕組みができて、これが動き出すというのがいよいよ今年となるわけでございます。具体的な成果を生み出していかなければならない、そういう年が来ているのだと、そのように思わせていただいております。

 そのために、私自身の自戒の念も込めて、庁議メンバーの皆さま方、県庁職員の皆さま方に3点お願いを申し上げたいと思っておるところでございます。この点をぜひよろしくお願いしたいと思います。

(正念場の年)

先程来申し上げておることでございますが、第1に今年は正念場の年という自覚をぜひ持っていただきたい。正念場です。ある意味いろんな辛いことがあるかもしれませんが、ぜひ、挫けないでしっかりと今までの取組を継続、発展させていく、そういう姿勢を持っていっていただきたいと、そのように思うところです。去年のようにはうまくいかないことも多々出てくるでしょう。しかしながら、その中において、ここで挫けて諦めたり、もう一つ言えば飽きてしまって取組を止めてしまってはいけないのであります。その継続をしっかりとお願いしたいと、そのように思います。

(官民協働とコミュニケーション)

 そして第2点目でありますが、これが一番重要なことだと私は思っていますが、成果を上げるためには、官民協働、官民共に働くということが実現できなくては、これは絶対になし得ないのであります。県庁職員だけがいかに頑張ったとしても、民間の方々にもその頑張りを認めていただき、一緒にやろうやということにならなければ成果を生み出すことはできません。去年、一昨年と、この官民協働ということに、皆さま方、大変、意を配っていただいたと、そのように思うわけでございますが、特にこの点については、今年それを成し遂げていくんだということで、しっかりお願いをしたいと思います。

官民協働の態勢をしっかり築いていくためにも大切なこととして、今、県は何をしようとしているかということについて、しっかりと分かりやすく県民の皆さま方にお伝えをしていくということが非常に重要だと、そのように思っております。通り一遍の広報ではいけないのであって、本当に県民の皆さま方にご理解をいただけるような広報、これを職員一人ひとりがぜひ心掛けていただきたいと、そのように思う次第です。

 そしてもう1つは、県民の皆さんから実行段階だからこそのいろいろなご意見をいただくことが多くなってくると、そのように思います。この点は、去年皆さんも大変実感をされたところではないかと思うわけでありますが、ご意見に対して、しっかりと私たちの思いとか考えを、しっかりと相手の心に届くようにご説明をするということが非常に重要だと、そのように思っております。おざなりな通り一遍の答え、それではいけない。

本当に相手と信頼関係を築けるような、そういうコミュニケーションというものをしっかりと心掛けていただきたいと、そのように思います。逆にそれができれば、官民協働でやろうやという話になれば、物事は自然とうまくいくようになっていく。ただそんな過程でも挫けたくなるようなことが出てくるかもしれないですが、そこは強い意志でもって、継続の意志でもって頑張るんだと、そういうことなのではないかなと思っております。

(部局間の連携)

 最後、3点目になりますが、実行段階、これは具体化が進めば進むほど部局間の連携ということが非常に重要になってまいります。この部局間の連携、これを図っていくにあたって、「うちの課の仕事ではない。」とか、「うちの部の仕事ではない。」とか、いやむしろ逆なのであって、「うちの部でもこうやる。」、「お宅の部ではそうやってるだろうが、うちの部でもこういうことをやってるよ。」、「お宅の課ではそうだろうが、うちの課でもこういうことをやるから。」といって、共に連携・協調、これを大いに強めていくということが重要かというふうに思っております。

これはそれぞれの、例えばチーフレベルとか課長補佐レベルとか、課長レベルで連携、これを積み上げていくということも重要かとは思いますが、やはり連携・協調していくためには、大きな舞台回しというのが最初にできていて、連携・協調するのが是であるという雰囲気ができているから連携・協調ができるというところが県庁機構においては、1つの真なりということじゃないのかなというふうに思っています。そういう意味において、大事なことは部局長の皆さま方、それから副部長さんから筆頭課の課長さんの方々、特に各部の幹部の皆さま方の間で連携・協調して取組を進めるのだということを明確にしていただくということ、これが非常に重要ではないのかなと、そのように思わせていただいておるところでございます。

この連携・協調がどれだけ幅の広いものになっていくかということです。例えば農業振興部と産業振興推進部、従前より本当に連携・協調をよくやっていただいてまいりました。また観光振興部と各部との連携・協調、うまくやっていただいてまいりました。ただこれからはもっと大きな連携・協調ということが必要になってまいります。

日本一の健康長寿県構想と産業振興計画、これは決して無縁のものではありません。すでに内部の会議では常々申し上げておりますが、健康福祉産業ということは大きな雇用を生んでいく大きな道だと考えてもいるわけでございます。このような健康福祉の分野と、そして産業振興の分野、これが大いに連携・協調するということも必要となってくるわけでございます。ぜひとも庁議メンバーの皆さま方、副部長の皆さま方、筆頭課の課長さん、この連携・協調の雰囲気づくり、土台づくり、こちらに大いに努めていただきたい、そのように思います。

(全国に通用する政策提言)

 1つ視点の違うことを申し上げたいと思いますが、昨年1年間、いろいろな形で国に対しても政策提言を行ってまいりました。また国におきましても地域主権、こういう方向の中で地方の意見を重視しようと、そういう大きな流れが見え、また財源につきましても、それを確保しようという取組が見えてきたこと、これについては非常にありがたいことだというふうに思っておるところです。しかしながら、政策分野においては大いに声を大にして私どもの主張を貫いていかなければならない、そういうこともたくさん出てきているのではないかなと思っています。主張を、声を大にして、説得的な主張を展開した結果、それが1つ成果を生んだということもありました。例えばインフラ整備の部分で8の字ネットワークの推進、これに大きく前に踏み出すことができたことなども、その成果ではなかったか、そのように思っております。

 いろいろな分野がございます。それぞれの分野において、国に対して説得的な主張を展開していかなければなりません。高知県としての立場をしっかりと主張し、そして国の政策に反映をさせていかなければなりません。

保健、医療、福祉の分野しかり、産業振興の分野しかりだと、そのように思っています。また教育の分野においてもそういうことかと思っています。本県の主張を全国に通用するものとすることが大事だと思っています。高知県のために何々をやってくださいといってもなかなか全国レベルでは通用しない場合が多い。この点は皆さんも経験をされてきたことかと思います。高知県の主張が日本の多くの県にとって、なるほどなと思えるものであるからこそ、高知県の主張が国の施策に反映されていくのだと、そのように思うわけでございます。

去年もそういう心構えでやっていただいてまいりましたけれども、今年はなお一層、本県の立場、これをしっかり説得していくためにも全国区で通用する議論を展開していく、そういうつもりでいていただきたい、そのように思っておるところです。本当に昨年は全国レベルでの議論を展開できたと思っています。ただ、今年の方がより具体的に直面するいくつかの複雑な事案がございます。その事案に対して、具体的に説得的な議論を展開していかなければなりません。全国区の視点でということをぜひ今年も堅持をしていただきたいと、そのように考えております。

(おわりに)

 それでは、皆さん昨年1年、本当にありがとうございました。今年は新しい年でございます。皆さま方、ぜひ健康にも留意していただきながら、成果を信じて辛抱強く、他方で明るく楽しく仕事をしていきたいと、そのように思わせていただいておるところです。私自身、一生懸命汗をかいてまいりたいと考えております。皆さま方と共に一緒に頑張らせていただきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(献血のお願い)

 それから、年始のご挨拶とは別に1点、この機会をお借りして私からお願いをしたいことがあります。献血についてでございます。

 職員の皆さま方には日ごろから献血にご協力をいただいておりまして、お陰で県内の献血者数、献血量とも増加傾向にあります。ただ、冬場は特に献血をされる方が少なく、緊急の対応に不安がある状況もございます。常に県内で使用される輸血量が確保できますことが県民の皆さまの命を守ることに繋がりますので、今後とも各庁舎での移動献血の機会や献血ルーム「やまもも」など、それぞれ利用しやすい方法で職員の皆さんが率先して献血に協力していただくよう、お願いを申し上げます。私もまいります。皆さんも率先して献血をしていただけますよう、よろしくお願いいたします。    (以上)

 

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