平成24年度 新規採用者辞令交付式での知事挨拶

公開日 2012年04月03日

更新日 2014年03月17日

〔平成24年4月2日(月曜日) 正庁ホール〕

 本日より高知県庁で一緒に働くこととなるみなさん、ようこそ高知県庁においでていただきました。心から歓迎いたします。
 皆さんと共に一緒にこれから高知県民の皆様方のために一生懸命、働いていくことができること、本当に心から嬉しく思います。

 新規採用の職員の皆さん、いよいよ高知県庁の職員としての仕事が始まることとなるわけでございます。今、高知県は色々なことに挑戦すべく、一生懸命努力をしております。
 ある意味、先例のない世界を自らどう切り開いていこうかという様々な挑戦を行っているところです。皆さんもご存知のとおり、全国的にも人口減少・高齢化の問題が叫ばれるようになってきました。そしてまた、巨大災害にどう備えるかということについても、様々な議論がなされるようになってまいりました。
 高知県はこの人口減少・高齢化問題に約20年以上前から、そういう状況に突入いたしました。そして皆さんご存知のとおり高知県こそまさに巨大地震に立ち向かっていこうとしている県であります。あらゆる意味において、これから日本全国が抱えていくであろう様々な課題、こういう課題に真っ先に直面したのが高知県であります。そしてその問題を何とか克服しようとみんなが一生懸命、努力して、挑戦しているのが高知県であります。

 人口減少・高齢化に伴い経済が縮んでいくという問題。この問題に立ち向かっていくために産業振興計画の取り組みを一生懸命進めてきました。外からお金を稼いでくることの出来る力を持たなければならない。田舎ほど縮こまってしまってはいけない。足元の経済がどんどん小さくなっていく中で、小さくなっていく足元の経済に頼りっきりでは、ジリ貧です。そうではなくて田舎だからこそ外に打って出ていって、外から外貨を稼いでくるんだという挑戦を今、行っているところです。

 日本一の健康長寿県構想。人口減少・高齢化がどんどん進んでいく、そういう中において、日本でも例を見ないほど過疎化が進んで高齢者の方々の孤立化という状況がたくさん起こっています。そういうところほど、地域社会で支えあっていかないといけないんですが、そういうところほど支えあいの力が弱まっているという問題があります。だから、意図的・政策的に支えあいの力を作り出すんだという高知型福祉という新しい取り組みを全県下で進めようとしているところです。

 教育改革の取り組み。残念ながら学力も体力も4年前には全国最下位レベルでした。そういう中においてどうやって、子供達の学力をつけ、体力をつけ、そして徳育を育んでいくのかということを多くの皆様とともにこの問題に挑戦してきて今、少しずつ改善の兆しが見えようとしてきているところです。

 南海地震対策。これも焦眉の急であります。これだけの巨大地震を経験した私たち。来るべき南海地震、南海トラフ超巨大地震に対しても着実に備えを進めていかなくてはなりません。新たな科学的知見が分かってくるだけに我々としてやるべきことやらなければならない処方箋の数もどんどん規模・量ともに拡大してきていると、そのように考えています。毅然としてこの問題に立ち向かっていかなくてはなりません。

 そして人々の生活を支えるインフラ。残念ながら色んな意味で全国最下位レベルの整備率であります。どうやってお金がない中で知恵を出して整備を進めていくのか、色んな挑戦が行われてきました。1.5車線的道路という言葉を知っていますでしょうか。2車線がなかなか造れない、でも、せめて1.5車線で人々の暮らしを守って行こうじゃないか、お金がない中でみんなが出した知恵であります。例えばこういう挑戦を行ってまいりました。

 巨大な挑戦をしているからこそ、また多くの仕事をこなしていかなければならないからこそ、新しい技術の発展に多くの人が知恵を凝らさなければなりません。多くの人々が様々な仕事をしているからこそ、コンプライアンスの遵守、アカウントアビリティこれをしっかり果たしていくことが重要となってきます。会計事務をはじめとして様々な業務の効率・公正性・中立性これが非常に強く求められている。それを強く意識して取り組みを進めてきたところでございます。

 是非、こういう新しい挑戦を行っている高知県庁において、皆様方の若い柔軟な力・発想を大いに生かしていただきたいと思っています。

 私は従前より申し上げています。真っ先に様々な課題に直面した高知県は課題先進県だと。課題先進県だからこそ、逆に言えば色々な問題に一番悩み苦しんできたし、色々な知恵を出してきました。だからこそ私はこの高知県を課題解決の先進県にしたい、そのように思っています。高知県が見出した新しい処方箋はこれから後に続いてくる県にとっても、これは是非とも必要だと思われるような処方箋となるはずであります。
 そのノウハウを積み上げていくことによって、高知県が後から付いてくる県にとっても頼られる県になる。そういう高知県に移住したいと多くの人が思うような県になる。そのノウハウを外に持っていって、多くの国民の皆様の役に立ち、そして結果として地産外商に繋がって、高知県民を潤すことにも繋がってくれる。そういう時代・状況を目指していきたいと考えているところです。

 是非、日本の中でも最先端の処方箋を見出す知恵のある高知県庁を目指して頑張っていただきたいと思っています。皆さん一人ひとりの努力にかかっています。

 毎年、新規採用となる皆さんに申し上げていることがあります。皆さんには、いわゆる小役人にはならないでいただきたいと思います。日々の業務をなんとかこなしてればいいや、仕事をしているという言い訳ができればいいや、こういうような小役人には絶対にならないで欲しい。そうではなくて、目の前にある課題に正面からぶつかっていって、それを克服していくための知恵を全国初で生み出していくぞ、そういうチャレンジスピリットに溢れた県庁職員に是非、なっていただきたいと思います。
 皆様方の今日の非常に緊張感溢れる、そしてやる気に溢れた表情を見ていると、皆様ならやってくれるだろうと、確信しております。
 今日、一緒に同席させていただいております、庁議メンバーの皆さんと共にこれから高知県の皆様方のために一生懸命働いてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

 最後に皆様方に社会人の先輩として、社会人としての心得のようなものをお伝えさせていただき、餞の言葉とさせていただきたいと思います。

 これから生涯勉強し続けるという姿勢を忘れないでいただきたいと思います。今の変化の激しい時代において、大学を卒業したからといって、それで勉強が終わるわけではありません。ずっと勉強し続けていかなければ、この変化の激しい時代には付いていくということはできないと思います。是非、生涯勉強し続ける姿勢を絶対に忘れないでいただきたいと思います。

 そしてもう一つ、皆さん方は誰のために働くのか。高知県民の皆様方のために、日本国民の皆様方のために働くのであります。是非とも多くの県庁以外の方々とお付き合いをしてその中から多くのことを学び取っていっていただきたいと思います。もちろんコンプライアンスの遵守ということは当然であります。その上で多くの皆さんとお付き合いして色々な話を聞いていただきたいと思います。県庁以外の人との付き合いを是非、大事にしてください。
 県庁以外の人、最たる者は皆さんが今まで培ってきた友人関係ではないかと思います。友達とのお付き合いを、社会人になったからこそ大事にしていただきたいと思います。

 最後に、これから配属される職場の皆さんから愛される人になってもらいたいと思います。職場の人に愛される人には色々な人が色々なことを教えてくれます。先程から申し上げておりますとおり、皆さんには新しい知恵を出していただくことを大いに期待しております。しかしながら、実際のところは、しばらくは仕事を色々覚えることから始まることが多いでしょう。それは当然のことだと思います。私も相当、熱い方で仕事をしてきたつもりでありますが、それでも2年・3年は教えていただくことの方が圧倒的に多かったように思います。いや、10年くらいはそうだったかもしれません。しかしながら、だんだん歳を追うごとに皆さんの創造性を発揮できるようになります。最初はやはり教えてもらうことが多いはずです。色々なことを教えていただくためにも、職場のみんなから愛される人間になるよう心がけてください。そういう人には多くのことをみんなが自然と教えてくれるようになります。是非、そうなっていただきたいと思います。

 先ほど、宣誓をされました。この宣誓書を常にみなさんの近くに置いておいていただきたいと思います。当たり前のことが書いてあるようでありますが、これを真の意味で実現していくということは非常に難しいことであります。「公務を民主的且つ効率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として誠実且つ公正に職務を執行する」ということが基本の基本であります。迷ったときにはこの宣誓書に立ち返って判断をしてください。

 それではみなさん、是非、頑張っていきましょう。皆様方の大いなるご活躍を、そして皆様方の人生に幸あらんことを心から祈念して私の歓迎の挨拶とさせていただきます。頑張りましょう。

 

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