知事の定例記者会見(平成24年4月26日)

公開日 2012年05月02日

更新日 2014年03月31日

知事の定例記者会見

平成24年4月26日(木曜日) 14時00分から14時55分  第一応接室

産業振興計画の進捗状況
南海地震対策に関する国への政策提言
中山間対策
尖閣諸島問題
京都府交通死亡事故
南海地震対策
原発再稼働(1)
固定価格買取価格と電力需給
伊方原発への対応
高知市発砲事件
日高村地域振興
新エネルギーの普及
ゴールデンウィークの予定
原発再稼働(2)
小沢元民主党代表の無罪判決

配布資料
 飛躍への挑戦! 産業振興計画 [PDFファイル/1.13MB]


産業振興計画の進捗状況

(知事)発表する尾﨑知事
 お手元に、産業振興計画の進捗状況についてお示しした資料をお配りさせていただいておりますが、特に明日、産業振興計画についていくつか新しい動きがありますので、簡単に紹介させていただきたいと思います。その資料をもう一度ご覧いただければと思います。一つは、資料の12ページにも出ている話ですが、明日から産業人材育成プログラム「土佐まるごとビジネスアカデミー」をオープンいたします。そのオープニングセミナーを、明日実施することとしています。

 こちらは、様々な社会人教育の一連のプログラムというものを、県主催で多くの産学官の協力をいただき提供していこうとするものです。いろんな産業人材育成に関して、そのいろんな経営や経済学などを基礎から学ぼうと思う方も、さらにはより応用編、実践編を学ぼうとする方も、いろんな方にご参画いただきたいと考えているところです。

 いわば、高知県全体として、ちょっとした社会人大学院のようなものが高知県の中に生まれてくるようなイメージを描いて作った一連のプログラムです。これは、多くの方に是非ご参加いただきたいと、そのように考えているところです。

 そして、もう一つは、明日開催する防災関連産業についての交流会です。これも12ページの上のほうに書いてありますが、第1回の「防災関連産業交流会」をスタートさせることとしております。
 高知県の様々な製品や技術を使って地震に備えていく。南海地震対策を進めていくにしたがって、いろんな県内の防災関連産業が盛んになっていく。その経済力によってますます南海地震対策が進んでいくというようなプラスのスパイラルを描ければという思いであります。

 県内には、いろんなシーズ[可能性を生む素材]があると思っていますし、また、いろんなニーズ[必要とされている技術や能力]があると思っています。このシーズとニーズをマッチングさせる交流会を皮切りにしまして、今後いろんな技術支援や設備投資支援、さらに販路開拓支援というかたちにつなげていって、一連の防災関連産業の育成という取り組みを行っていきたいと考えています。
 この防災関連産業の育成や人材育成の関係の取り組みは、産業振興計画の一環として明日スタートする新しい一連の取り組みになります。

 あわせまして、この産業振興計画の取り組みだけにとどまるものではありませんが、明日、中山間対策推進本部の第1回の会合を開きます。中山間対策として、「集落活動センター」の第一弾を6月から7月くらいにオープンさせるべく、今、準備を進めておりますけども、その取り組み状況から始まって、全庁的な中山間対策の進捗度合いや今後の計画についてお互い確認をしていくという第1回の会合を開催したいと考えているところです。


南海地震対策に関する国への政策提言

(岡林:高知新聞記者)
 高知新聞の岡林です。
 幹事社質問ですが、まず一点目です。2013年度の政府予算に向けた重点政策提言を今月からスタートされました。地震関連とか特別措置法の制定をはじめ半数ほどが南海トラフ巨大地震の地震想定に関するものだったかと思います。
 知事は、内閣府(中央防災会議)の防災対策のワーキンググループの委員にも入られましたけれども、あれだけ大規模な揺れであるとか津波の想定になると、なかなか行政の対策としても難しくなると思いますが、この提言に込めた県としての思想とかポイントなどについて、まずお聞きしたいと思います。

(知事)
 まず、何と言いましても、南海トラフの超巨大地震に備えていくことを国策の中心にドンと据えていくべきであると思います。これが何といっても、訴えの一番のメインメッセージです。
 東海地震については、特別の法律を設けていろんな手厚い対応策をとってきました。これは非常に重要なことだと思います。東南海・南海地震についても、それに準ずるかたちでの備えはされてきましたけれども、今回新しい想定が出てふり返ってみれば、残念ながら今の国の対応策では不充分だと言わざるを得ないと思います。

 三連動型、もっと言えば五連動型の地震も起こり得ることを念頭において、それにどうやって備えていくのかということを国策の中心に据える。そして、かつ、それを不退転の決意で進めることを行っていくためにも、南海トラフ超巨大地震対策特別措置法(仮称)という法律を作って、国全体としての備えを進めていくことが重要です。何といってもこれが一番のメッセージです。

 個別の話で言わせていただければ、そういう法的措置をとることによって、まず、予知の体制をしっかり確立していくということ。さらには、いざという時の避難施設なども含めたいろいろな施設整備などを着実にスピード感をもって行っていくということ。また、事前の復旧復興体制の整備に向けたいろんな取り組みを進めていくということ。こういうことを進めていかないといけません。そのための財政措置をしっかり講じることも、追ってしていく必要があると思います。

 加えまして、国全体としてのソフト対策が、残念ながら、今のところできていない状況です。東海地震対策地震大綱と東南海・南海地震対策大綱が、それぞれ別々に作られているということではいけないだろうと思います。やはり、三連動、五連動型を意識した新しい地震対策大綱、それに伴う応急活動要領を作っていく必要があるのではないのかということです。そういうことを強力な意思を持って進めていくためにも、立法に基づいた措置が非常に必要ではないかと思います。

 加えまして、個別に、それぞれの避難施設の整備における投資のこと、さらには堤防の整備。それから、いざという時、早急に警戒できるような道路の整備の必要性ですとか、さらには、前方展開型の防災拠点の整備の必要性ですとか、より使い勝手のいい高台移転のあり様についての制度整備ですとか、そういうことについて訴えさせていただきました。

 個々個別の事項については、県がこの1年間くらい研究してきた中で、是非とも必要と思えるものですとか社会福祉施設の高台移転なども入っていますが、いずれにしましても、国策の中心に据えての対応を国に対して求めていきたいと思います。

 県としては、県でできることを全速力で今後も進めていくことが非常に必要だと考えているところです。あわせまして、国としてやっていただかなければならないことについては、国に対してしっかりと訴えていきたいと思います。
 今後、南海トラフ地震に対応する中央防災会議のワーキンググループの委員の一員として、いろんなかたちで積極的に発言していきたいと思います。


中山間対策

(岡林:高知新聞記者)
 2番目なんですけど、県内の中山間地域の人口がこの50年間で22万人減少したという、調査の結果が去年出ました。そのことに対する率直なご感想と、この背景には、我が国の産業政策であったりとか国土政策の帰結という問題、流れがあると思うんですけど、明日、今年度の中山間総合対策本部の第1回会合で集落活動センターなどの対策を打ち出していくわけですけれども、(その内容が)今の流れに対する対策として十分なのかという部分もございます。そうした部分に対するお考えをお聞きします。

(知事)
 この50年間で22万人、中山間の人口が減ったわけです。これは、よくよく因数分解して見てみる必要があると思います。
 最初の10年くらい、昭和35年から昭和45年くらいまでの間で、大体11万人くらい減っています。これは、都市化政策の一環だろうと思います。そして、加えて平成2年くらいから自然減が加わってきて、今に至ってトータルで22万減っていると、そういう状況になっています。

 昭和35年から昭和45年くらいまでに、11万人くらいトータルで人口流出をしたことが、その子世代の人口減少を生んで、結果として今の自然減につながっているということなんだろうとも思われます。そういうことから考えますと、戦後からの大きな一連の都市化という国全体の大きな流れの中で、本県なんかは二段構えと言いますか、二段にわたって人口減少がずっと続いてきたということなんだろうと思います。
 こういう問題に対してどのように対応していくかということ、これこそ、まさに総合力が試されるところだと思っています。

 そもそも、人口減少が進んでいるからこそ本県のようなところでは、「官から民へ」では済まないんだと、官民協働で取り組みを進めなければならないんだということで、地産外商政策を中心に据えた産業振興計画などを全力で進めてきました。また、福祉のあり方についても、そういう過疎化が極端に進んでいくような状況にも対応できるような高知型福祉の推進ということに努めてきたりもしています。

 いろんな意味で、この人口減少が急激に進んでいるということを前提にして、それに対してどう立ち向かっていくかということを政策の中心に据えて、いろんな政策を取っていくということが必要だと思っています。
 引き続き、産業振興計画の取り組み、地産外商の取り組み、さらには地域地域の資源を生かす地域アクションプランの取り組みとか、さらには高知型福祉の取り組み、さらにはドクターヘリなどを通じた過疎化に対応できる医療体制のあり様とか、こういうものの総合的な取り組みを進めていきたいと思っているところです。

 そのような全体的な取り組みを進めていくうち、それぞれの施策の効果を最大限発現できるようにするための仕組みの一つが、集落活動センターだと思っています。いろんな施策を中山間に今後投入していくことになります。今までもしてきましたし、これからも、ますますしていくことになるでしょう。全体的にやっていきます。
 そして、集落活動センターという拠点を設けていくことで、その政策がシナジー効果[相乗効果]を発揮できるようにしていきたいと考えているところです。また、集落活動センターだけでということではなくて、全体としての政策があって、加えて、そのような拠点というのを二階部分として加えていくやり方で、全体としての対応を図りたいと思っています。

 そして、もう一つあります。先ほど、この50年の流れで話をしましたけど、昭和35年から昭和45年にかけて約11万人減少したと言いました。これは、都市化が進んだ結果だろうと思いますが、それから50年経って、今度は、戦後の一連の都市化の反動といいますか、恐らくその逆の流れが起こり始めているのだろうと思います。
 いつも申し上げていますけども、例えば東京だけで、この急激な毎年何十万人というかたちで増えていく高齢者人口というのを本当に受け止められるのだろうかと。それがもう1回地方に回帰していくという時代が必ず来るだろうと思っています。

 この高齢化時代に備え、それに伴う様々な課題に直面している高知県が、課題解決の先進県を目指すということを常々申し上げてきました。処方箋を真っ先に全国に先駆けて示していくことで、この都市化の反動として、都市から地方へという大きな流れというのを、高知県が大きく受け止めていきたいと思っているところです。
 都会から帰って来られるUターンの方、Iターンの方を大きく受け止めていって、それに伴って、若い人達の新しい職なんかも同時に生み出していけるというふうになっていければと考えています。
 後者のほうについては、大きな方向観だと思っています。ただ、課題解決先進県を目指すというのは、そういう大きな時代の流れにも沿うものだと、私は思っています。


尖閣諸島問題

(岡林:高知新聞記者)
 三点目です。ちょっと本県とは関係ないんですが、地方自治体の長である石原知事が、中国も領有権を主張している尖閣諸島の買い取りを表明して、いろんな方面で波紋を呼んでいます。
 これに伴って、国が買い取りを検討するような姿勢を示したりということもあるんですけども、この問題に対する知事の所見をお聞きしたいです。

(知事)
 私は、財務省にいた時、海上保安庁の予算を担当していたことがあって、尖閣の警備を特に行うため、長期に対戦できる専用の巡視船の建造予算を予算化したことがあります。
 何が言いたいかというと、もう随分前から、この尖閣諸島をどうやって守るかということについて、国レベルで必死になって検討を重ねてきた経緯があると思っています。正直、こういう領土問題、もっと言えば、外交問題全体として、ある意味、その硬軟取り混ぜた駆け引きというのが非常に重要だと思います。

 やっぱり主張すべきところはしっかり主張する。特に、領土の問題などについて言えば、守るべきは毅然として守るという対応が必要なんだろうと。しっかりと毅然として対応しながらも、他方でしっかりと柔軟な対話というのを繰り返していくということ。この両方をしっかりやっていかないといけないんだろうと思います。毅然とした対応ができないと、外国からは軽んじられるということになりかねないと、よく言われたりしますけども、外国もそういう思いで、それぞれ対応されているのではないでしょうか。

 他方で、そればかりだといつも摩擦が生じて、緊張ばかりが高まっていくということでもいけないのであって、そういう対応をしながらも対話はしっかりとしていくということ、これを積み重ねていくことが重要ではないでしょうか。
 今後、いろんなかたちで海洋協議が行われることになっていくでしょうし、さらには、日中国交正常化40周年の流れの中で、いろんな対話の機運が高まってきています。この対話というのをしっかり重んじていくことが重要だと思っています。

 ただ、ご本人に聞いてみないとわかりませんけれども、恐らく、石原知事が言われたい最大の事は何かと言うと、毅然とすべき時に毅然と対応すべきではないかということについて、政府に喝入れをしたいという意図があられたのではないかと思います。
 これについて、国のほうでこのメッセージを受け止めて、例えば、国有化など、いろんなことを考えるとおっしゃったりもしているようです。そこの帰趨(きすう:最終的に行き着くところ)については、まだわかりませんけど、いずれにしてもこういう問題は硬軟織り交ぜたしっかりとした対応をしていくことが、私は重要だと思っています。

 もう一つ。中央政府の間というのは、やはりいろんなことがあると思います。だからこそ、地方政府間でしっかり友好関係というものを高めていくことは非常に重要だと思います。国と国との関係というのは、多層的な関係が築かれれば築かれるほど安全度というのは高まっていくのだろうと思いますし、相互のウィンウィンの関係[お互いにとって利益のある関係]というのが築かれると思います。

 日中国交正常化40周年を一つの起点として、日本と中国との間でも地方政府間の交流を厚くしようという動きが出てきていると思っていますし、本県も先日、安徽省の省長さんがおいでになっていただき、安徽省との間で新しい覚書[高知県と安徽省との交流・協力を深める覚書及び観光、農業、林業、教育の各分野の覚書]を結びました。より実のある交流というのをさらに活発化しようという流れになってきています。

 NPO同士の交流ということもあるでしょうし、国民同士の交流ということもあるでしょうし、そういう多層的な関係というのを築いていき、全体として友好な関係というのを築いておく土壌というのをしっかり涵養しておくことが、個別課題について緊張感が高まった時、その解決に資することにもつながるのだろうと思います。
 この問題について、深く思うことの第二の点というのは、この40周年という機会をとらえて、是非、地方政府間での交流の発展というのをさらに図っていくよう我々としても努力を重ねたいと、そのように思います。


京都府交通死亡事故

(福井:テレビ高知記者)
 新年度に入りまして、京都で園児児童等が犠牲になる事故が相次いで起きている問題に関して、県(高知県交通安全推進県民会議)のトップとして、知事が事故についてどういうふうに受け止めていらっしゃるのでしょうか。
 県警ですとか県教委とか、あるいは地域の住民であったりボランティアであったり、いろんな方々との連携した取り組みなど、県内の防止についてお考えになっているようでしたら、併せてお伺いしたいと思います。

(知事)
 交通事故に関して言えば、本県では、3月に非常事態宣言(交通死亡事故多発全県警報)を出したところです。この時期、交通死亡事故が続けて発生しました。その後、若干沈静化の方向になっているので、やや安心はしています。やはり、あのような重大事故が起きる事自体、非常に残念なことです。逆に言いますと、大いに気を引き締めて対応していくことが必要だと思っています。

 重大事故につながりかねない幾つかの原因というのがあります。本県ですと、一番力を入れてきたのは、例えば飲酒運転の撲滅などです。さらには、京都府の事故では、無免許に加え、極端に長時間にわたる運転を続けてきたということや、仲間がいながらお互いそれを止めることができなかったことも非常に残念なことだと思います。
 本当に残念な事故ですけれども、逆に言いますと、こういう事故を重く受け止めて、もう二度とこういうことのないように徹底していくことが重要だと思います。

(福井:テレビ高知記者)
 具体的に対応などお考えですか。

(知事)
 高知県の場合は、もっと前の3月に非常事態宣言を出して対応していました。交通事故死が多発したことで、むしろ早い時期から非常に危機感を抱いて対応してきました。


南海地震対策

(西森:高知さんさんテレビ記者)
 地震関連で二つお伺いしたいんですけれども、まず一点が、4月下旬に出されるという予定だった国の検討会の詳細な想定が、5月下旬ぐらいにずれるんじゃないかというお話もあります。一方、県の避難の対策の見直しに使うためのそういったデータを県独自でもその国の情報をプラスして出すというお話もありましたが、例えば、国の詳細情報を待たずに出されるというお考えや予定はあるんでしょうか。

(知事)
 はい、あります。
 5月の上旬から中旬くらいにかけて、新しい津波の浸水予測などについて、できれば出せないかということで、今、準備を進めているところです。国の10メートルメッシュの新しい想定を待って出せれば一番よかったのですけども、5月末どころか、場合によればもっと遅れるかもしれないということです。他方、県では、いろいろ津波避難対策なども既に全速力で進めていますし、さらに、その見直しを行うこと自体も待ったなしの課題だと思っています。

 (3月31日に出された)50メートルメッシュの国の想定を使っても相当程度のことはできるのではないかと思っていまして、ちょっとまだ精度の点においては、当初、意図していたものよりは若干劣ることになるかもしれませんけれども、津波避難計画の見直しを行っていくためには相当有意なものが得られるのではないかという見通しはありますので、5月の中旬くらいまでには、新しい浸水予測を出したいということで、今、準備を進めています。

(西森:高知さんさんテレビ記者)
 もう一点なんですけれども、知事が提案された地下シェルター構想なんですけれども、今後、その運用面とか安全面を検討しながら実現に向けていくということだと思うんですけれども、津波が来ている時に地下に逃げるというのは、住民の心理的にもかなり負担があると思うんですが、あえてこの地下シェルターという構想を提案された思いやお考えを、改めてお伺いします。

(知事)発表する尾﨑知事
 それは必死の思いです。
 どうやって34.4メートルの津波から人の命を守るのか。高齢者の方の命を守るのか。それはもう必死に考えて、もう水平に逃げるのでは間に合わない。そうすると、垂直に上へ逃げる。とてもじゃないけれども、城西館(10階建てのビル)の上ぐらいまであるような34.4メートルのところまで数分の間で上がって行けるかというと、それは無理だろうと。だとしたら、現実的な対応策としてどうすればよいかということを考えていく中で、地下に潜るという発想であれば高齢者の人も救えると、そういう思いで考え出したことです。

 だから、これは、どうやったら、あの34.4メートルという津波から人の命を守れるかということについて必死に考えて到った結論だと思っています。
 ですから、いろいろ大胆だとか言われたりしますけど、私は大真面目です。その他に人の命を守る手立てがあるのであれば、それも大いにウェルカムです。いろんな手立てを是非生かしていきたいと思います。

 逆に言いますと、これは国にも申し上げたんですけど、あのような厳しい想定を世に問うようなことをされるにあたっては、こういうふうに厳しいんだけど、他方で、こうすれば人の命は守れますということを、是非同時に出していくことが非常に重要ではないかと私は思います。

 非常に残念なことですけど、一部の地域では、今まで一生懸命避難訓練をしていたのが、あの津波想定を聞いて、「ああ、もうこれはしても仕方がない」と避難訓練を止めたとか、そういう所もあると伺っているところです。そういうことではいけないのであって、こういう厳しい状況であったとしても、「こういうところに活路が見出せるんですよ」ということを同時に示していくことが、是非必要だと思いました。

 3月31日から、ずっと必死になって考えていたんですけど、そういう中で出てきた案の一つです。
 実際は、地下だけじゃなくて、例えば、山腹にトンネルのように、防空壕みたいな横穴を抜いて、その中にシェルターを作るとか、縦に空気口を抜いておくとか、そういう対応策だってあったりします。いろんなタイプが地形に応じてあるのではないかと思っています。

 さらに、もっと言えば、避難路方式のほうが有効な所もあるでしょうし、タワーのほうが有効な所もあるでしょう。避難ビルが有効だという所もあるでしょう。地形によってどういう物理的な対応策が有効かということは、それぞれだと思います。
 それからもう一つ。非常に大変なことになるかもしれませんが、どうしても生活上、高台に移ったほうがいいだろうという施設も出てくるだろうと思います。

 いずれにしても、その土地土地の地形に応じて、その対応策は様々だと思いますが、選択肢が無いという状況ではいけないと私は思います。
 5月の中旬くらいまでに新しい想定を出します。それに応じて、もう一段、津波避難計画の見直しをそれぞれの市町村で行っていき、その多様な選択肢の中からどれを選ぶかは、それぞれの市町村、それぞれの地区地区で決めていくという作業を全速力で進めたいと思っています。

(古川:NHK高知記者)
 その地震に関連して、今、新たな浸水予測を県独自で出されるということですけど、6月の補正予算について、今、具体的に知事の中でイメージしている新たな対策はありますか。

(知事)
 まだ、4月末ですからわかりません。
 しかし、6月の補正予算でも、当然、津波対策関係は予算として計上しないといけない部分というのは出てくるのではないかと予測しています。

 特に6月の場合というのは、現予算で執行できるものも結構あったりするし、あえて補正でないといけないかということも、詰めないといけませんので、ちょっと今の段階では断定できません。
 ただ、いろんな対策が出てくる可能性はあると思っています。


原発再稼働

(池:高知新聞記者)
 原発の再稼動に関連していくつかお聞きしたいんですが、まず今週の月曜日、橋下徹大阪市長が首相官邸に行って、福井県の大飯原発の再稼動に反対の表明をするとともに、その際に、政治家が安全性の判断を主導するのはおかしいという指摘をされています。それと加えて、8つの提案という中に、100キロ圏内の都道府県の安全協定を結ぶべしというのがありまして、この橋下さんの動きというのが衆院選に向けた大阪維新の会の布石という見方もあるにはありますが、原発事故の広域にわたる被害というものを念頭におけば、実際に滋賀県や京都府の知事も安全協定に関して、あるいは大飯原発の再稼動に関して反対しているという動きが出ています。

 そうした政治家が決めるのはどうだという考え方についてが一点と、その100キロ圏内というエリアの考え方、つまり、もっとわかりやすく言うと、原発の立地場所の地元というのはどこなんだということだと思うんです。
 つまり福井県なのか大飯町なのか、そうじゃなくて関西全域なのかというエリアの設定の仕方なんだと思います。この提言について知事はどう思われるか。

(知事)
 その100キロ圏内というのは、地元はどこかという問題に関わるということですか。

(池:高知新聞記者)
 はい。それは、まさしく、伊方(原子力発電所)のことでもお聞きしたいんですが、知事はこの間ずっと、伊方の再稼動に関しては、中村知事を含め愛媛県側の判断をまず尊重して、その上で高知県としても判断したいというスタンスでおられますが、100キロ圏内の提言とかも踏まえて、高知県として、伊方原発に対してどういうふうに今後対応されるのか、何か変化とかあればお聞きしたい。その3つをまとめてお願いします。

(知事)
 まず、原発の問題を政治が判断するのはどうかという話について言えば、技術の問題はやっぱり技術者が判断すべきだと思うし、政治の問題は政治家が判断すべきだと思うし、そこのところが捻じ曲がってはいけないと思います。技術の問題を政治家が判断し、政治の問題を技術者の判断に任せるということであってはいけないんだろうと思います。

 原発の再稼動という問題は両方が絡む問題で、技術の問題として、科学技術の問題として大丈夫なのかという検証がまずしっかりなされていて、そのうえで、その点についてどうやって国民の皆さんに信頼感を持ってもらうかということを全体としてどうコーディネートしていくかという辺りが政治の責任であって、最後は、そのコーディネートしたこと全体を国民が信頼してくれるかどうか、信頼されるように努力を傾けるという仕事をするのが政治家だと、そう思うわけです。

 今回の再稼動の基準について、果たしてそうなったかどうかということについて、まず、技術者の間でも非常に見解が分かれている状況が続いています。それから、技術者が判断したことを一つの核としながら、全体として国民に信頼してもらえるような手順をちゃんと踏むことができたか、そういう陣立てを整えることもできていたかということについても、残念ながら、結果としてみれば、地元自治体の市長さんや県知事さん、府知事さんも皆さん反対をしておられるということもあるし、さらに、「(再稼働のための暫定基準の作成を)4月3日に指示して6日に答えが返ってきたが、そんな短時間でいいのか」という議論を巻き起こしてしまったりと、必ずしも成功してないんだろうと思います。

 政府としてこの問題について国民の信頼が得られるような説明の仕方は何なんだろうかということを、もう一回全体として見直しをしてから説明をされることが必要ではないのかと私は思っているところです。
 政治家は全体として、国民に対して信頼を持っていただけるような答えを紡ぎ出していくために、また、そのような説得ができるようにするために、全体としてどうコーディネートしていくかを考えるところに一番の責任がある。そして、最終的に結果に責任を負うというところに一番なすべきところがあるのだろうと思いますが、何と言っても、そこのところがうまくいってないということではないでしょうか。

 技術者の皆さんも、答えを出したことについて、お互い技術者の間で「うん、これなら大丈夫ですね」というところまで徹底した議論を重ねてもらいたいと思うし、今までも重ねてきてくれてたのではなかったのかと思ったんです。人によって言う事が違ったりするところは、ちょっと残念です。いずれのレベルの問題としても煮詰まってない感じを受けざるを得ないと思っています。

 次に、100キロ圏内の問題ですが、例えば、京都府とか滋賀県が「被害地元」という言い方をされていることについて言えば、極めて合理的なことをおっしゃっているのではないかと思います。

 30キロ圏内の中に、それぞれの府県は入っているわけですから、単なる地理的な県境というものだけで、判断できる問題ではなくて、やはりそういう物理的な影響の及ぶ範囲ということを踏まえた対応が必要だろうと思います。この辺りは、私は技術の問題だと思います。技術的に割り切って考えるべき問題で、いざ事故が起こった時に物理的な被害が及び得るところまでいろんな説得の対象範囲を広げていくことは、当然ではないかと思っています。

 ただ、問題は、大飯と伊方の場合とでは、地理的な事情が違うと思います。伊方の場合は、同じ30キロ圏内といっても愛媛県でとどまります。高知県は50キロ圏内になった時に梼原町の一部と四万十市の一部が少しかかるという状況になるわけですが、そういう意味においては、京都府や滋賀県が抱えている事情というのは、これは技術の問題で割り切って考えたとしても異なっているのではないかと、そのように思っています。

 ただ、いずれにしても、甚大な事故が起きた時に、一定影響を受ける可能性のある地域として、隣県高知県としても、(安全性の確保について)重大な関心を寄せているところでありますから、その安全性の確保の問題についても四国電力と勉強会を開くというかたちで、積極的にいろいろな対応を強力に求めていくことをずっと続けています。

 安全協定を結ぶというかたちになるかどうかは別として、いずれにしても、我々も今後異常な事態が生じた時に速やかに通報してくれる体制づくりとか、隣県という物理的な位置関係として必要な安全対策を講ずるために必要ないろんな措置について、特に通報体制だと思っていますけれども、四国電力との間でしっかりと約束を結ばさせていただくことは、当然必要なことだと思っています。

 従来、伊方の話については、愛媛県の判断というのをまず信頼して、そのうえでまた我々としても判断させていただくということを申し上げてきました。この点は今も変わっていません。
 この我々として判断させていただくことについて言えば、やはり安全対策についてしっかり講じられているか、伊方発電所として、四国電力さんとしてどうか。それからまた国としてどうかということを、しっかり我々としても見極めさせていただくということがあります。

 それと、先ほど言ったような、いざ異常が起こった時には通報してもらえる体制をしっかり整えていくことも重要だと思います。
 加えまして、これは当然、今後考慮されると思っていますが、南海トラフ巨大地震の新しい想定を踏まえて、それがどういうふうな影響を及ぼすのかということについても、これは当然検討しておられるだろうと思いますけれど、これについても、見解というのを示していただくということは、やはり重要なことだろうと思います。

(池:高知新聞記者)
 橋下徹氏が言っている安全協定というのは、おそらく再稼動の条件として、地元が合意をして協定を結ばないと再稼動したらいけないという意味じゃないかと思うんですけど、知事の先ほどおっしゃった通報の協定とか、通報の約束事みたいなこととは、ちょっとニュアンスが違うんじゃないかと思うんですが。
 お聞きしたかったのは、伊方の再稼動に関して、橋下徹氏が言っているような安全協定を結ぶお考えはあるかどうかです。

(知事)
 橋下徹氏が言っている安全協定というのは、どういう内容ですか。

(池:高知新聞記者)
 再稼動するうえでの条件に、原発から100キロ圏内の都道府県と安全協定を締結するというような趣旨だと思うんですが。

(知事)
 私が言っているのは、異常が起こった時に通報を行うことも安全協定の中核的中身だと思います。
 橋下氏の言っている安全協定の中身が、私もよくわからないから、「どう思いますか」と言われてもよくわかりません。

 ただ、安全対策を求めたうえで、その異常事態について速やかに対応できるようにするということは、最も重要なことです。だから、そういう意味においては、その通報体制をしっかり確立しておくことは、もともと必要なことだと思います。
 この点は、ずっと前から我々は訴えてきたことです。


固定価格買取制度と電力需給

(池:高知新聞記者)
 経済産業省の昨日の委員会で、再生可能エネルギーの発電の固定価格買取制度の価格の原案を決めたということで、比較的事業者寄りという評価がされていますけど、結局これで太陽光発電を中心に、高知でもメガソーラーの計画がありますけども、新エネルギーが飛躍的に伸びるんじゃないかというお話がある一方で、月曜日には、この夏も原発が再稼動しない場合の電力需給の見通しも示されました。
 これによると、四国の場合、2010年並みの猛暑でも節電をすればギリギリではあるけれども、0.3%の余力があるという評価が出ています。この二点について知事の評価をお聞きしたいと思います。

(知事)
 (太陽光発電の)42円という価格は非常に良かったと思います。それから、風力発電などの一連の価格などを見ていても、これで新エネルギー関係は、採算性に明るい見通しが出て、一挙に事業が進んでいくのではないかという大きな期待感を持っています。

 本県にとっては、非常に追い風となる金額だと思っていますし、あともう一つ、期間が20年になったでしょう。設備の償却期間が15~17年と言われている中で、20年間続いていくということは、採算性の確保という点においては、ものすごく明るい話だと思います。
 新エネルギーの普及を進めていくという従来の政府の方針を裏付ける政策であり、これを大いに進めていきたいと思っている我々にとっても、非常に良いニュースだと受け止めています。

 あと、電力の余力の問題について、0,3%プラスということです。正直なところ、マイナスでなくて良かったとは思いますけども、他方で(既存の発電設備の)いろいろな点検の時期を延ばしたりしながら対応していくようであり、綱渡り的な状況であることは間違いのないことだろうと思います。もう少し状況を見極めていかないといけませんし、こういう数字自体について、是非、いろんなかたちで検証を積み重ねていっていただきたいと思います。いずれにせよ、一定の状況が見えてくれば、節電などの対応を全体として強化していくことも必要になってくるのではないかと思います。
 ちなみに、県庁も通常より1ヶ月早く、5月1日からクールビズを実施します。去年からそういう対応を始めているところです。


伊方原発への対応

(池:高知新聞記者)
 結局(電力の需給が)ギリギリでももつという状況があると。もう一方で新エネルギーが飛躍的に伸びていく可能性も出てきたと。そのうえで伊方原発の再稼動の判断に何らかの影響があるかどうか。その辺りの知事のお考えをお聞きしたいと思います。

(知事)
 伊方の原発の再開については、電力の需給の問題より、まず一番重要なことは安全性の確保がしっかりされるかどうかだということです。これは、もう間違いのないところだろうと思います。

 もちろん、電力不足の程度がどれくらいになるかにもよります。例えば、8割・9割足りないとか、5割足りないとかという話になってくれば、今度は、病院は大丈夫か、中山間の暮らしは大丈夫かという話になってくるわけで、逆の意味で生命に非常に危険な状態を及ぼす可能性があり、多くの人が職を失ってしまう可能性もある。そういうところは冷静に考えないといけないと思いますが、0.3%足りないだとか、今ぐらいのレベルという話であれば、それはもう間違いなく安全性優先で対応していくことになると思っています。

 一番最初の質問に戻りますけど、今回、安全基準が示されました。政治的にも技術的にもまだまだ煮詰まっていないところがあって、そこをもう一段しっかり詰めていく必要があるんだろうと思います。そこのところの対応をしっかりとってもらって、そして伊方原発についても、個別の事情を考慮したしっかりとした判断を行っていただきたいと思います。
 新エネルギーが普及していくから、故に原発が必要ないというところまで、今、言い切れるかどうかというのは、建設時期や実際に稼働し始めるまでの時間などの問題がありますから、まだわかりません。

(池:高知新聞記者)
 確認ですけど、その今回の需給見通しをもって、伊方の原発を再稼動する必要はないという考えには立たない(とのお考えですか)。

(知事)
 そういう考えには立ちません。需給見通しから、伊方の原発の是非を判断するということにはならず、むしろその安全性が確保されるかどうかで判断するということになります。評価の軸が違うと、そういう意味です。


高知市発砲事件

(水島:共同通信記者)
 10日前に、高知市で発砲事件があったというのをご存知だと思いますが、兄弟間の争いで、暴力団員が兄の足を撃って逃走したと。警察が緊急配備したけど捕まらず、結局、広報が12時間後になって、高知市教委とか近くの朝倉第二小学校などにも連絡がいかなかったと。結果として、午前中は集団登校とか保護者による付き添いとかがなく、下校のみの対応になったと。

 警察は、安全的に他に危害を加える可能性が無く、判断は妥当だったと言っておるんですけども、その判断に一部の校長や保護者からも「もっと早く知らせてほしい」という声も聞こえているんですけども、公安委員会を通じて県警を監督する、あるいは県民の安全を守る立場にある知事として、その判断は妥当だったかどうかということを含めて、感想をいただけますか。

(知事)
 私も秘書官を通じてですけど聞かせていただいて、確かに事態について言えば、県警が判断されたとおり、実際には安全性は確保されている事案だったようでありますけれども、だとしましても、私としては出来る限り早く関係者に知らせていくということが、やはり重要ではないかと思います。多くの人の気持ちの安心の問題にもつながっていく話ですし、それから、万が一ということもやっぱり考えないといけないと思います。危機管理の事案というのは、最悪のことが起こるという前提で基本的には考えていくことが重要であると思います。

 今回の事案については、県警としてプロの判断をしっかりされたということであろうと思っていますし、それは結果としても正しかったとは思いますが、出来る限り早く関係者に知らせることを求めていきたいと、そういうふうにやってもらいたいと思います。


日高村地域振興

(小笠原:高知新聞記者)
 日高村のエコサイクルセンターに絡んでなんですけども、地域振興策をめぐって地元村民が橋を架ける、架けそこなった云々というところで、行き違いみたいなことがあって、県の言い分は当然あると思うんですけど、結果として、村民が県に騙されたなどの声があがるような不信感があがっています。
 この問題に対して、これからの対応策というか知事の今のお考えがあれば、お聞きしたいと思います。

(知事)
 橋本知事がかつて発言をされて、橋本知事が後にちょっと違うかたちで約束をされて、その約束の解釈をめぐって、今、いろいろと言った言わないの問題になっているんだろうと、そういうふうに伺っているところです。

 この問題については、とにかく話し合いをしっかり重ねていくということが大事だと思います。日高村としてどう思われるのか、そして、住民の皆さまとしてどう思われるのか、県もしっかりと経緯をご説明しながら、そしてまた、県としても、あのような施設を受け入れていただいたことについて深く重く受け止めて、誠意をもって話し合いをしっかりさせていただくということが重要だと思っています。


新エネルギーの普及

(小笠原:高知新聞記者)
 県としては、メガソーラーを含めて、新エネ普及の立場でずっと推進していると思うんですけども、実際問題、メガソーラーにしても、民民の取り引きですよね。適地の県有地とかを持っていれば、すごく政策誘導とかしやすいと思うんですけども、残念ながら県にそういうところがないと。
 県としては、送電線の補助金などを設けておられるわけですけども、なかなか政策的に普及を進めていくというところが難しい状況にあるのではないのかなと思うんですけれども、何かそのあたりで考えられている事というのはないんでしょうか。

(知事)
 何事もそうですが、民間の方々がやっていかれることについて官としてどういう役目を果たせるかだと思います。時には触媒役であったり、時にはコーディネーター役であったり、時には仲人役であったり、時には資金的援助者であったり、技術的支援者であったりとか、いろんな役割があると思います。産業振興計画でもいろんな対応策を今までもとってきているところです。この新エネルギーについても同じだと思います。

 県が直営でやるということは、そういう土地も実際のところなかなかないということもあり、今やっていることは、事業化検討協議会という組織を作って、関係者の皆さんに集まっていただきながら、事業を進めていくにあたっての良いコンソーシアム[共同体]ができる環境づくりをしているというのが、一つあります。
 それから、やはり適地の調査というのは、一定、技術的知見というのが要りますから、その適地を探していくことについて官民協働で、官の技術も使わさせていただきながら、その適地を探しているということをやっています。

 そして、もう一つ。これが多分大きいのではないかと思うんですけど、ビジネスモデルづくりなどについての技術支援を行うということです。「こういうかたちでこう組んで、こういうようなモデルで組んでいければ、全体として採算が合うでしょう」といったことについて、いろいろお互いに話し合い、マッチングが進んでいく中で、ビジネスモデルの構築につなげていければということを、今、考えてやっているところです。
 太陽光もありますけど、あと、木質バイオもあります。
 今回の42円という金額で随分とビジネスモデルが組みやすくなり、これで前に進めるのではないかと、そういう期待感を持っています。


ゴールデンウィークの予定

(岡林:高知新聞記者)
 今年のゴールデンウィークはどんなご予定でしょうか。

(知事)
 4月は28日、29日に仕事をして、30日が休みです。5月は1日、2日、3日に仕事をして、4日、5日、6日は休みます。


原発再稼働(2)

(高田:高知新聞記者)
 先ほど、原発の安全性の話で、最終的に政治家として知事は結果責任を負うとおっしゃいましたけれども、福島の事例を見ても原発の安全性について、結果的には想像も出来ないような悲惨な状態になるということが予想されます。
 今、知事がおっしゃった結果に責任を負うというのは、具体的にどういうイメージのことですか。

(知事)
 いろんな事態を想定してこれについて安全だと言い切れるだけの対策を出すために、いろんな人の知恵を結集しないといけません。政治家が政治家として判断できる問題なのかというと、例えば、政治家にそれだけの個人的な素養があるかというとそうじゃないということもたくさんあります。

 個人的な素養が無いのに科学技術の問題について、政治家がいいと言ったから、政治家が言ったことだからいいというのはおかしいじゃないかというのが、多分、大阪の市長さんの主張だろうと思いますし、私もそう思います。

 いろんな人の知恵を集めて、それを判断できるだけのチームをしっかり組むことができて、かつその結果をしっかり地元に納得していただける、そして関係の人に納得していただけるだけのしっかりとした手順を踏んで、結果として、国民の皆さんに納得をしてもらうところまでもっていく。そしてまた、先々にわたって、そこでしっかりとした判断をしているので、災害などが起こっても十分対応できる、そういう状態を作り出していくことを目指して政治家は仕事をしていくべきだと思います。

(高田:高知新聞記者)
 それはプロセスの話ですよね。結果に責任を負うことが、政治家の役割であると先ほどおっしゃいましたけど、結果に責任を負うというのはどういう意味なんですか。

(知事)
 そのような変なことが起こらないように最大限の努力をするということが一つです。結果として、そういうことを引き起こさないということ、安全性を確保するということ。それが責任を負うということだと思います。
 もし、起きてしまった時に、例えば、「それについてあなたが責任をとれ」、「私が辞任しましたから、それで責任がとれましたね」という問題ではないと思います。これだけの規模の話になりましたら。

 もっと言えば、命をかけても償うことのできないような状態になるのではないでしょうか。
 だから、気軽に辞任して責任がとれるなどという問題ではないだけに、逆に言うと、絶対的に大丈夫だというような状態を作り出すために、それまでの確認のプロセスというのは、いかに完全なものにするべく努力するか、そこに傾注すべきだと思います。


小沢元民主党代表の無罪判決

(福井:テレビ高知記者)
 民主党の小沢元代表に今日、無罪判決が出ているんですけど、何かそれに対しての所見というのはおありでしょうか。

(知事)
 司法の判断だというふうに思います。
 問題は、これから一挙に政治が動き出すでしょう。いろんなかたちで動き出すだろうと思います。
 課題が山積している状況だと思うので、是非、いろいろな困難な課題を解決するような活発な政治的な議論が行われる方向で、政治が展開していくことを望んでいます。

(福井:テレビ高知記者)
 判決は無罪ではあったけれども、説明責任はあるんじゃないかという点もあったりするようなんですけど、そのことについては特段ございませんか。

(知事)
 皆が、今日の判決を注目していました。極めて流動的な状況になっていくだろうという観測もある一方、他方で逆に言うと、前途の行く末というのが大体よくわかってきたので、だから議論が進むのではないかという見方もあるんだろうと思います。

 重要法案が山積しています。今のままだったら予算の5割くらいが執行できない状況にもなりかねないような状況がずっと続いているわけです。是非、私は、これによって活発な国会審議がなされて、その先一体どうなるかどうかは別として、とにかく、特に重要な法案については、徹底的な議論というのを積み重ねていってもらって、懸案の解決に努めてもらう、そういう方向に流れていってくれればいいと思います。

(司会)
 それでは以上で記者会見を終了します。

 

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