知事の記者発表(平成24年9月13日)

公開日 2012年09月19日

更新日 2014年03月31日

知事の記者発表

平成24年9月13日(木曜日) 9時00分から9時53分  第一応接室

9月補正予算の概要
南海トラフ巨大地震対策(1)
小水力発電事業
南海トラフ巨大地震対策(2)
公正取引委員会の調査
国政の動向(1)
オスプレイ
国政の動向(2)
国政の動向(3)
南海トラフ巨大地震対策(3)
原発稼働の動向
いじめ問題

配布資料
 平成24年9月補正予算の概要 [PDFファイル/20.06MB]
 まるごと高知REPORT VOL.8 [PDFファイル/3.58MB]


9月補正予算の概要

(知事)
 県議会の9月定例会を今月19日に召集することとしました。提出議案の全体像についてですが、今回提出する議案は、平成24年度一般会計補正予算など予算議案が4件、条例その他議案が14件、報告議案が21件の合計39件です。そのうち、まず9月補正予算についての概要を説明させていただきたいと思います。

(資料1 平成24年9月補正予算の概要により説明)

発表する尾﨑知事
(資料の2ページを示しながら) 今回の9月補正予算ですが、総額は35億900万円の予算になっています。3つの柱があり、まず第一に、何と言いましても、『南海トラフ巨大地震対策のさらなる拡充・加速化』を図っていく予算を計上しています。8月29日に新しい想定が出たことは、先日、記者会見をさせていただいたとおりですが、新たな想定を踏まえた対策の見直しを着実に実施していく必要があろうかと考えています。
 この南海トラフ巨大地震対策の柱が3つあります。まず、一番目は、「災害時要援護者の命を守る対策の加速化」をしていくこと。二番目が、「民間活力を生かした防災対策の推進」を図っていくこと。三番目が一定の「防災・減災対策に資するハード事業等の推進」を図っていくことになります。

 まず第一の柱です。災害時要援護者の命を守る対策の加速化として、特に、3つの施設に対しての対策を加速したいと考えています。まず、第一は医療機関、第二は社会福祉施設、第三が保育所・幼稚園等の高台移転の検討の後押しです。
 この医療機関の総合的な防災対策の推進については、例えば社会福祉施設でも、それぞれの施設の防災対策指針を作って施設にお配りし、具体的な対策を進めようとしていますので、医療機関においても、災害対策指針の作成をこれから行っていくために関係予算を計上しています。
 さらには、明らかに必要不可欠な機器、特に自家発電装置と通信機器ですが、これが充分に整備されていない病院があります。耐震整備など、いろんな取り組みを進めていますが、あわせて、こういう必要不可欠な機器について緊急的に配備を図っていくための支援を行っていきたいと考えています。こちらの予算が1億700万円余りになっています。

 次に、社会福祉施設における利用者の安全確保の取り組みを支援するということです。明らかに浸水が予測される施設において、今後、高台移転や高層化等の検討が行われていくことになろうかと思います。しかし、こちらを進めていくためには様々な課題があります。実際、入所者との関係ですとか、移していくためのいろいろな課題として、例えば土地をどうするか。さらに、その土地関係の規制などをどうするか。いろんな課題がこれから想定をされているところです。県内で大体10くらいの施設を選ばせていただいて、その施設の方々と一緒に具体的な課題を洗い出していき、対応策を検討していくという取り組みを進めていきたいと考えているところです。

 このような検討を進めていく中で、具体的にどういうところについて政策的な対応をしないといけないのか。さらには、どういうような支援策があれば、高台移転や高層化等の取り組みが進んでいくのか。そういうところを洗い出していきたいと思っています。
 施設の方々にとっては、具体的に高台移転などを進めていくための準備行為を行っていくことになるでしょうし、我々としては、今後いろんな政策提言などをしていく。さらには、我々として政策を練り上げていくうえで、一つの大きな検討材料が得られることになると考えています。

 避難用スロープ等を利用される方が確実に避難するための施設整備。さらには、救助用資機材などの整備。医療機関(への対策)でも申し上げましたが、このような関連の施設整備等について、今すぐやったほうがいいに決まっていることですから、こういうものの施設整備等に対して、一定の支援をさせていただきたいと考えています。こちらは9,200万円余りの予算計上になっています。

 次に、保育所・幼稚園等の高台移転の検討を後押しと書いてあります。こちらも先ほど社会福祉施設で申し上げたものと同じで、保育所・幼稚園等を高台に移そうとした時に、例えば場所をどう選定していくのか。さらに、どのような課題があるのかといったことを具体的な調査等を進めて事実上の準備行為を加速化していく。あわせて我々としては、いろいろな政策的なインプリケーション[意味あい]を得ていく。そういう取り組みを進めていきたいと考えています。

 こちらにも書いてありますように、災害時要援護者対策を進めていくことは、一つの大きな柱ですが、その中でも特に高台移転等の具体化に向けて、一歩を踏み出していきたいと考えています。ただし、新たな一歩にしか過ぎません。今後、国への政策提言を行い、さらには、我々としての政策を新たに打ち立てていくことも含めて、さらなる対策を今後検討していくことになろうかと考えています。

 第二の柱として、「民間活力を生かした防災対策の推進」を図っていきたいと考えています。こちらは予算として2,000万円。債務負担行為1億3,500万円を計上しています。
 民間事業者の皆さんが行う、地域住民のための、新たな避難施設の整備を支援する取り組みを行っていきたいと考えています。避難路・避難場所や津波避難タワーを今年度350箇所ぐらい県内で作っていく必要があるため、急ピッチで進めているところです。
 とにかく避難路・避難場所をたくさん作らないといけません。いざというとき、津波から逃げられる避難空間をたくさん作っていくことが必要となってきます。それを進めていくために官としても今後一生懸命やっていきますが、あわせて民間活力を生かすことで、よりその整備を加速化していくことができないだろうかと考えているところです。

 いろいろな事業者の皆さんが、従業員の皆さんのための避難施設を作る。あわせて近隣住民の皆さんが利用可能な避難施設も整備することが追加的に行われる場合に、それに対して特別の支援をさせていただきたいと考えています。いわば、その公益への貢献に着目をさせていただいて、今、県が行っている設備投資のための補助金の要件緩和を行っていくという取り組みをしていきたいと考えているところです。こうすることによって、設備投資を後押ししていき、そこを一つのインセンティブ[人の意欲を引き出すために外部から与える刺激]として避難施設の整備がさらに進んでいくという形にもっていけないかと、考えているところです。

(資料の3ページを示しながら) 「防災・減災対策に資するハード事業」については、このたび、(国の全国防災対策費等の内示増に伴い)こちらの関連予算について一定増額し、約27億円程度の増額補正となっています。様々な堤防整備や排水機場の耐震化、長期浸水対策には、非常に重要なものとして、浸水域の燃料タンクの防災対策の推進を図りたいと考えています。
 また、室戸市にある地震・津波観測監視システム陸上局舎の整備の前倒しを図る取り組みを進めていきたいと考えています。

 第二の柱が『産業振興計画の推進』です。こちらへ新たな産業づくりへの挑戦を加速と書いてありますが、特に、防災産業の育成について非常に多くの参加者の方を得ていますし、関心も非常に高いということですので、防災産業の地産地消を進めていくためにも、県内での巡回展示会のニーズが非常に強いことから追加的に開催をする。そのために県内4箇所で実施するための経費を計上させていただいています。
 新たな小水力発電所建設に向けて、公営企業局で具体的に着手をしたいと考えており、その関係予算も計上しています。
 あわせて、本県への移住をテーマとしたテレビドラマが放映されることを踏まえて、それに関係した移住プロモーション事業を推進していきたいと考えています。そのための予算計上もしています。

 また、足腰を強め、地力を高める取り組みを強化するということで、国の方で設けられている青年就農給付金という制度の利用者が非常に多いということで、当初169人分ぐらいで想定していましたが、258人ぐらいのニーズがあるということです。一次産業の新規就農者を増やしていくことが、産業振興計画の柱でもあります。時機を逸せず加速するための取り組みを補正予算に計上して行っていきたいと思っています。また、土佐あかうしの生産基盤の強化に加えて、中山間地域の生活用水・生活物資の確保のための施設整備等に支援していきたいと考えています。

 最後の柱が『日本一の健康長寿県構想の推進』です。障害者自立支援対策臨時特例基金を活用した整備。さらには、あき総合病院の電子カルテシステム導入等について補正予算を計上させていただいています。

(資料の4ページを示しながら) こちらをご覧いただきますとお分かりいただけますように、(補正額は)総額35億900万円になります。
 経常的経費は、前年度9月対比でマイナス0.9%となっていますが、投資的経費はプラス0.6%。トータルでは去年に比べてマイナス0.6%。9月補正後では、ほぼ前年度並みの予算規模を確保した形となっています。
 このような補正対応を行いましても、なお県債残高の推移についていえば、県の実質的な借金は逓減傾向〔だんだん減る方向〕を維持できる予想となっています。
 次に、普通建設事業費の9月補正後予算の推移でいきますと、平成24年度854億円ということで、若干でありますが、南海地震対策の加速化を反映して、このような予算増という形になってきています。

(資料の5ページを示しながら) 今回、9月議会には、今後の財政収支の見通しについても発表させていただくこととしています。これは、毎年9月議会に提出させていただいておるものですが、財政運営を行っていくにあたって、中長期的な見通しを常にもって行っていくことが極めて重要であるという考え方のもと、毎年、発表させていただいています。
 平成23年9月の昨年段階で推計を出したものと、新しく推計したものですが、ご覧いただきますとお分かりいただけますように、平成24年度段階で財政調整的基金は146億円の見通しでしたが、今回、平成24年度末段階で215億円程度確保できる見通しとなっています。

 これをご覧いただきますと分かりますように、平成26年度は少し前年の予想より少なくなりますが、長期的にはこういう形で財政調整的基金を逓増〔だんだん増える〕させていくことが可能となる見通しとなっています。
 平成25年度のところを見ていただきますとお分かりいただけますように、単年度の収支が今までの推計よりも悪くなっています。これは、平成23年9月の段階で見込んだよりも南海地震対策をさらに加速化していく必要があるだろうということで、このような見通しをたてたものです。一定見込まれる事業などがありますので、そういうものを見込んで、この財源不足99億円の赤字を見込ませていただいています。ただ、このように南海トラフ巨大地震対策について抜本強化を図っていくことを見込んでもなお、中長期的に安定的な財政運営の見通しが立てられたものと考えているところです。

 あわせて、県債残高についても、このような南海トラフ巨大地震対策の強化を図ってもなお、一定こういう形で漸減傾向は維持できるという現段階での見通しとなっているところです。
 ただ、いろいろ不確定要因があることについても注意をしておかないといけないと思っており、社会保障と税の一体改革による歳入歳出への影響。さらには、現在こういう形で見込んでいるものよりも、さらに南海トラフ巨大地震対策のさらなる強化の必要性が生じていく見込みもあるだろうということ。これはやはり念頭においておかなければならないと考えています。

 一方で、これまで実施してきた行政改革が、引き続き財政事情の改善に寄与する見通しも一定得られているところです。よくよくこの財政運営についてのプラスの要因、そしてマイナスの要因を両方とも見通していきながら、アクセルとブレーキをうまく使っていき、中長期的に安定的な財政運営をこれからも心掛けていきたいと考えています。

(資料の6ページを示しながら) まず、南海トラフ巨大地震対策の全体像ということで、それぞれの予算報告の特徴的な点についてまとめさせていただいたものです。県による第一弾の想定を踏まえて、6月補正以降、このような形での取り組みを進めてきましたが、9月補正以降で、今後こういう形で対策を進めていくという全体像です。
 まず、住民避難対策として、何と言っても津波からの避難空間づくりに全力を挙げていきます。先ほど申し上げたように、避難路・避難場所を326箇所、津波避難タワーを33箇所、全部で今年度350箇所ぐらい作っていく予定ですが、これをとにかく全力を挙げて進めていきます。

 さらには、非常に津波に強い津波避難タワーの設計方法の標準化ですとか、垂直避難の方法の技術検討を進めていきます。津波避難シェルターについては、概略設計を10月を目処に発表させていただきたいと思っています。
 さらにもう一つは、地域の特性や課題を踏まえた対応を進めていくということで、建築物の耐震対策等や公共土木施設の耐震・津波対策などを補正予算で大きく計上させていただいています。

 そして、冒頭お話をさせていただきましたように、災害時要援護者の避難支援等をもう一段加速していきたいと考えているところです。
 さらに、何と言っても、この避難空間の数をたくさん増やしておくことが、とにかく重要です。避難をされる方にとって、たくさんの選択肢があるという状況を作っておくことが大事であり、そのために民間活力を生かすことで、一層の整備の加速化を図っていきたいと考えています。

 あわせて、こちらにあるように、応急時、復旧時、復興時の対策のための諸計画の検討をさらに進めていき、何とか年度内には新しい行動計画の策定につなげていきたいと考えているところです。
 平成23年度、平成24年度中に、南海地震対策の抜本強化を図り、平成25年度から実行していくことを従前から申し上げてきました。健康長寿県構想や産業振興計画などを総合的に考えていきながらこの対策を進めてきたところです。今年度内には新行動計画を策定し、PDCAサイクルを回しながら、平成25年度以降に徹底して人的被害を限りなくゼロに近づける。そして、被害を最小化して早期復興を可能にしていく取り組みを進めていきたいと考えています。

 国への働きかけも引き続き継続して、何としても(南海トラフ巨大地震対策)特別措置法の制定に結び付けていきたいと考えているところです。

(資料の7ページを示しながら) 27億円の増額補正を図り、公共土木施設の防災・減災対策のさらなる加速化を進めていくという話を申し上げましたが、こちらにそれぞれの箇所を書いてありますので、また、ご覧いただきたいと思います。

(資料の8ページを示しながら) 高知港、須崎港、室戸岬漁港、安芸漁港の対策や道路の対策を行います。さらには、橋梁の耐震化の対策として、緊急輸送道路上の104橋梁の耐震対策の補正もあり、何とか27年度には完了する見通しです。

(資料の9ページを示しながら) 医療機関の総合的な防災対策として先ほど申し上げたように、まず何といっても災害対策指針を作っていき、あわせて緊急に必要な備品の配備を行っていきます。
 これらは、あくまで全体の中での一プロセスにしか過ぎず、今後、平成25年度には、災害対策指針を踏まえて、医療機関の抜本的な支援策を検討させていただき、さらには、耐震化、高台移転などの新たな対策について具体的な検討を進めていくことになります。

(資料の10ページを示しながら) 社会福祉施設についての地震防災対策として、先ほど申し上げたように、たくさんの施設が今回、浸水域に入ることが予想されています。9月補正では、高台移転に向けた準備を開始し、さらには、必要な施設整備等を行うために支援する取り組みとなっていますが、これも全体のプロセスの一部にしか過ぎません。そのため、平成25年度当初予算において、国に対する高台移転等の具体化についての政策提言を行い、さらに我々としてどういうことができるかを考えるということ。そして、安全対策シートの最終とりまとめなどを踏まえて、さらにハード・ソフトの一連の新しい対策を進めていきたいと考えているところです。

 このプロセスの一環として、高台移転等のための取り組みとともに今回行うのが、この3つです。施設整備として、避難用スロープを設置する緊急避難用施設の改修。そして、必要な資機材の確保。あと、もう一つが訓練・研修等の後押しもさせていただければと思っています。

(資料の11ページを示しながら) 保育所・幼稚園等の高台移転のための準備を加速化していく取り組みも行っていきます。こちらにあるように、移転場所の選定やいろんな計画づくりを市町村とともに進めていきたいと考えているところです。また、保護者の方からの高台移転を望む声が非常に強いことから、そういったことも踏まえて、まず準備を行っていくための取り組みを後押しさせていただきたいと思っています。今後、さらなる対策の検討も進めていかなければならないと考えているところです。

(資料の12ページを示しながら) 民間活力を生かした津波避難施設の確保では、先ほど申し上げたように、設備投資を後押しすることを一つのインセンティブとして、避難施設の整備を進めさせていただければと考えています。
 従業員の皆さんのみならず地域住民の避難スペースとして、50平方メートル以上、100平方メートル以上整備される方に対して、それぞれ2分の1、3分の2以内で事業費への支援をさせていただきたいと考えています。加えて、このような整備をされた方が、今年から施行している中小企業設備投資促進事業費補助金をお使いになろうとした時に、要件緩和を行うか、もしくは補助率を上げるという対応を図っていきたいと考えています。

 要件緩和について、この中小企業設備投資促進事業費補助金は、新規雇用一人以上が一つの補助要件になっています。ただ、いろんな形で事業を縮小しながら、しっかり体質強化をしたいと思っておられる方には、新規雇用一人以上ということもきついと思われるかもしれません。一方で、公益的貢献という観点からも一人以上雇用するということは、なかなか譲れないところでもあるわけですが、このような避難スペースを作るという公益的貢献をしていただく方に対しては、新規雇用が無い場合でも、この設備投資補助金の助成対象とするという要件緩和を行いたいと思っています。

 あわせてもう一つは、新規雇用を行い、かつ、避難所スペースも作られる場合には補助率の嵩上げを図っていく取り組みを進めていきたいと考えています。設備投資を後押しすることでインセンティブとしていただきながら、避難スペース確保に大いに取り組んでいただくと。設備投資と避難施設整備がともに「Win-Win」〔関係する両方がともにメリットのある状態〕の関係でもって、大いに避難スペースがたくさんできるようになっていければと考えているところです。


(資料の13ページを示しながら) 新エネルギーの推進については、地蔵寺川発電所(仮称)の建設を公営企業局の方で取り組んでいきます。

(資料の14ページを示しながら) こちら以降については、主要事業の概要をそれぞれ個別にご説明していますので、またご覧いただければと思います。
 加えて、お手元に今後の財政収支の試算について、お配りさせていただいています。それから、6、7、8月分のまるごと高知リポートもお配りさせていただいていますので、またご覧いただければと思います。


南海トラフ巨大地震対策(1)

(高梨:NHK記者)
 今回の9月補正予算案の南海地震対策費用について、改めて、どういう意味があり、どういうふうに使っていきたいか、知事の考えをお聞かせください。

(知事)
 今回の南海トラフ巨大地震対策の関連予算について、一言で言えば、新しい想定に対応して取り組みを加速化するとともに、今まで取り組んでこなかった新しい分野に踏み出していくという内容の予算となっています。
 新しい分野として、特に災害時要援護者対策について加速しました。中でも高台移転などに本格的に踏み込んだというのが一つ。そして、民間活力を生かした取り組みを新たに柱として打ち立てたというのが二つ目になります。

 災害時要援護者対策については、今までいろんなヒアリングやご相談をさせていただいてきました。具体的にその取り組みをもう一段加速できるようにしていきたいと思っています。
 それから、民間活力を生かして避難場所を作る取り組みは今まで構想は考えてきましたが、具体的に踏み出したのが、今回が初めてということになります。
 いずれにしても、新想定を踏まえて、いろんな取り組みを加速するとともに、そういう新しい取り組みを加えてきたということです。


小水力発電事業

(小笠原:高知新聞記者)
 新エネの小水力の件ですけれど、県の公営企業局が、直接的に事業参入するというところで、そこが一つのポイントではないのかなと思うんですが、このような形で県が直接的に手がけるということに至った理由や背景、(事業参入への)意欲というようなところをお伺いできればと思うんですが。

(知事)
 この新エネルギーの一連の諸事業ですが、一番意を用いているのは、地域にその利益を還元させる仕組みを作りたいということです。
 県外から誘致した企業が発電事業を行って、その収益を県外に持っていくというのではなくて、発電による収益が県内に還流する仕組みを作っていきたいと考えています。
 例えば、太陽光についても、地域の特性や実情に合った発電事業主体の設立への支援や、県内民間企業の施設整備にかかる工事受注機会を拡大するための推進主体のあり方を含め、何とか地域にメリットを還流できる仕組みができないか、いろんなパターンを頭に描きながら取り組みを進めているところです。

 この小水力発電も、その地域にということのまず第一歩になろうかと思います。公営企業局自ら発電事業を実施することで、県内にその利益を落としていくということもあります。あわせて、県内のいろんな皆さんに参画をしていただくことでもって、地元にできるだけ、この発電の利益を落としていくことができないかということも考えています。
 今回は、やや大型の事業ということもあって、公営企業局自ら踏み出していきますが、ポイントとなるのは、県内の主体が実施することで、県内に新エネルギーのいろんな諸事業に伴う利益を還元していくことを狙っています。

(小笠原:高知新聞記者)
 例えば、民間の動きを待つというようなこともあろうかと思うんですけども、県の公営企業局の資金調達力であるとか、水力発電のノウハウとか、そういうものが手っ取り早く生かせるというような(こともあっての事業参入ですか)。

(知事)
 そういったこともあります。小水力発電とは言っても、ちょっと規模が大きくなってくるので、建設や運営は公営企業局でやっていきます。ただ、地元の皆さんのいろんな参画を得て、売電収入を還元していくような方法を考えていきたいと思っています。


南海トラフ巨大地震対策(2)

(倉沢:毎日新聞記者)
 保育所とかの高台移転なんですけども、かなり沿岸部の市町村と首長さんも意欲的だとは思うんですが、知事の中で今回の補正予算で下準備をしていくという形になると思うんですけども、具体的に高台移転に向けての目処といったものが頭の中でイメージとしてあれば教えていただきたいのですが。

(知事)
 概ね、次のように考えています。
 まず、やってみることでいろいろな課題が浮かび上がってくると思います。例えば、都市計画の線引きはどうあるべきなのかということから始まり、さらに、こういう施設の特性上、やはり地域に根ざしているところがありますので、そこはどういうふうに解決していくべきなのかということをいろいろ考えないといけないことがあるだろうと思います。今は、準備行為ですが、かなりいろいろ考えるべきことはあるだろうと、まずは、そこのところをしっかり洗い出していきたいと思いますし、我々も一緒に知恵を出していきたいと思います。

 そこで得られた知見を二つのことに生かしたいと考えています。まず一つは、国に今までいろいろ政策提言を行ってきましたが、国もやっぱり個々個別のケースに応じていろいろ検討させてもらいたいということも言ってきたりと、やはり個別性があるんだと思います。ここで得られた知見をもって、国への政策提言を今年度中に間に合うものがあれば速やかに行っていきたいと思います。また、来年度の新しい予算要求につなげていけるものがあればやっていきたいと思います。

 あわせて、これで得られたいろんな知見の中から、私達としても、新しくこういうことをやってみたらいいんじゃないかと考えられることもいろいろ出てくると思います。それを平成25年度当初予算の編成過程に生かしていければと思っているところです。
 実際、当初予算からになるのか、一定は補正予算からになってしまうのか、その辺りは分からないですが、何らかの形で平成25年度中にもう一歩踏み出していければと思っています。
 最後に、高台移転の話は、抜本的に進めていこうとすると、どうしても、(南海トラフ巨大地震対策)特別措置法も含めて、国の力強い大きな歩みが、どうしても必要になってくると思います。そのため、(南海トラフ巨大地震対策)特別措置法の制定を強く訴えてきていますので、是非、成し遂げていきたいと思います。その点を国の皆さんにもしっかり考えてもらいたいと思います。


公正取引委員会の調査

(池:高知新聞記者)
 今月4日付けで公正取引委員会が、国交省と県の発注事業に絡む談合問題で、県内の関係業者に処分案の事前通知をしました。正式決定は、1、2ヶ月後と言われますが、まず今の事態に対して知事の受け止めを聞きたいのと、既に、一昨日、県の発注事業については、当該処分案を示された業者に関して、彼らが落札した場合は契約を保留するという新しいルールもお作りになりましたが、今後の大きな県のスケジュール感といいましょうか、まず、その処分案が出た時に厳罰をもって対応するのか、それとも他県でもありましたが、地域経済や雇用のことも考えて、一定その辺の配慮をしたような指名停止や違約金であるとか、そういった柔軟な対応というものを考えていらっしゃるのか、その2点について知事のお考えをお聞きしたいんですが。

発表する尾﨑知事(知事)
 まずは、この受け止めということは何度もいろいろ申し上げてきましたけど、正直申し上げて、公正取引委員会から大規模な調査を受ける事態に至ったということは非常に残念だと思います。
 いろんなコンプライアンス対策などを進めてきているわけですが、こういう事態に至ったことは、本当に忸怩たる思いです。

 今後のスケジュール感といいますか、今後どういう対応を図っていくのとかということについて、やはりこれからいろんなお声も聞きながら熟慮していかなければならないだろうと思います。まずは、公正取引委員会の方から正式に決定が下った段階で、我々として、しっかりと適切な対応を行うことになろうかと思っているところです。
 どういう形で対応していくのかという話ですが、確かに、いろいろ経済に対する影響などを心配されるお声は、私もいろんなところからお伺いします。しかしながら、南海トラフ巨大地震対策やいろんなインフラ整備など、やらなければならないことは多いわけです。こうしたやらなければならないことが非常に多いだけに、これらをしっかりと進めていくためにも、まずは、コンプライアンスがしっかり守られるという状況を作り出していくことが、重要ではないのかと思っているところです。

 コンプライアンスがしっかり守られる状況が作り出されてこそ、初めて南海トラフ巨大地震対策やインフラ整備の諸施策といった、人の命に関わる重要なものがしっかりと進められることとなっていくのではないかと思っているところです。
 まずは、しっかりとコンプライアンスが守られる状況を作り出していくためには、どうあるべきなのかということを、後々いろんな対策をしっかりと進めていくためにも、そこはしっかりと我々として、そういう状況を作り出すような対策をしていかなければならないと思っているところです。

(池:高知新聞記者)
 ちょっと二者択一的にして申し訳ないんですけど、知事のおっしゃるコンプライアンスが重要であるというお考えはよく分かりますが、例えば、さっきおっしゃったような地域経済への配慮とコンプライアンスということでいくと、まずコンプライアンスを重視するべきというお考えですか。

(知事)
 コンプライアンスがしっかり確立されていなければ、いろいろな対策をしっかりと進めていくことにならないのではないかと思います。こういう事があったけれども、コンプライアンスが守られていないということになると、また、しばらく経ってから、すぐに保留という話になってしまったら前に進まないじゃないですか。
 やっぱりここは一発パシンと、全体として公明正大にこれで再出発できるという態勢が作られてこそ、前にしっかりと進んでいけると思います。
 だから、今の段階でまず大事なことは、コンプライアンスをしっかり守っていくことをきっちり確保していくということではないのかと思っています。

(池:高知新聞記者)
 いわゆる柔軟対応といわれる減免的な対応はせずに、規定どおりの指名停止とか違約金で、当てはめていくということでしょうか。

(知事)
 まだ、どういう処分をするか、それから規定といってもいろいろ幅がありますので、その中でどれを選んでいくかということについてまで、具体的な検討を進めているわけはありません。また、具体的にどういう処分事案なのかという細かいところまで、今の段階で我々に教えてもらっているわけでもありませんので、断定的なことは言えません。
 まずは、先ほど来申し上げている大きな基本方針として、コンプライアンスをしっかり守れる状況を作り出していくことが非常に重要だと思います。そこがしっかりと確保され、これから当面は安心して前に進んでいくことが出来るという安心感を県民の皆さんに持っていただけるよう、対応していきたいと考えています。具体的なことはまだちょっと早すぎると思います。

(池:高知新聞記者)
 今議会に提出予定だった請負契約締結議案で、芸西村の和食ダム本体工事と土佐清水市と須崎市のトンネルが1本ずつ、計3件でしたけども、今日の提出予定議案には入っていませんが、それについての対応をどうされるかをお願いします。

(知事)
 1社、2社というならともかく、かなりの数の業者さんに通知が来ているのではないかと言われている状況の中で、今の段階でこの契約事案について、当初から議案として提出することはちょっとできないと思っています。
 現在、通知を受けたかどうかということについて、業者さんを調べさせていただくことを一昨日から始めたところです。その結果を見て、今回の契約時案の中に入っている業者さんの中に、通知を受けた業者さんがいないということが分かれば、追加で提出させていただくという対応をすることになろうかと思っています。

(天野:朝日新聞記者)
 逆に、入っていれば、やり直しという形に(なるのですか)。

(知事)
 もし、入っていれば、最終処分ということではないですが、保留という対応をとるわけですので、議案を提出させていただくことにはならないだろうと思っています。


国政の動向(1)

(高梨:NHK記者)
 大阪維新の会が政党を結成したことについての見解を。

(知事)
 橋下党首が第三極を提示するんだとおっしゃっていること自体、日本の政治が非常に活発に行われるという点において、非常に素晴らしいことではないのかと思います。また、その中で、地方分権をより徹底して進めていくべきだということが一つの争点になるであろうということは、期待感をもっています。

 前回の衆議院議員選挙の時に、やはり地方分権のことが議題になって、その中でもややテクニカルではありますが非常に根幹となる部分として、国と地方の協議の場の法制化を行うかどうかということを各党の公約の中で、どう謳われるかが争点になったことがありました。
 我々、全国知事会も、強くこれを求めて、争点化するよう取り組みました。結果として、全党これをやるんだということになって、これが実現をして、今、いろんな形で国の政策運営に地方の声を反映させる大きな力となっていると思います。

 今回の選挙の中でも、一般的な漠然とした形で地方分権を謳っていくということではなくて、いろんな具体的なポイントについて、是非、地方分権が次の衆議院選挙において、大いに争点化し、大きな推進力となるような動きになればと思っています。
 ただ、従前より申し上げていますように、いくつか注意しないといけない点はあると思っています。特に、消費税を地方税化して交付税を廃止するという取り組みですとか、TPP推進ですとか、非常に都市型の政策に偏って、地方切り捨てということにならないようにしてもらいたいと。
 大阪維新の会との距離感を測っていく中で、もし、そういうものを非常に重視していくあまり、ほかの政党もそういう方向に流れていくのではないだろうかということを非常に心配しているところです。

 これから、人口減少や高齢化が進んでいき、都市部でも進んでいくことになった時、国全体でこういう状況を乗り切る体制を作っていくことが極めて重要です。また、いろんな安全保障の環境などを考える場合、やはり、自前で生きていくための諸資源を確保できるような体制をできるだけ作っていくことが、今後の国家の大きな方向として重要だと思います。
 大都市圏か地方かというところの地方の切り捨てにつながらないような形にしていかなければならんということを、我々としては非常に注視しているところです。大いに議論が活発化することはいいことではないでしょうか。投票率も上がればいいと思います。


オスプレイ

(中田:高知民報記者)
 オスプレイについて、日米間では墜落原因が人的要因で機体は問題ないということになっていますけども、受け止めをお願いします。

(知事)
 人的要因が故に墜落したということを、防衛大臣も見解を発表されている点について、(思うところが)2つあります。
 日本政府として、とにかく自分の腹に入るようにしっかり検討してくださったかどうかというのが第一。もっと徹底して検証していただいたらどうでしょうかということを、是非、言いたいと思っています。

 第二に、仮に、人的要因だから安全だということが言えるということには、私はならないのではないかと思います。人的要因でそんなに墜落するんだとしたら、機体に不具合はないのかもしれないけども、あまりにも操縦が難しい機体ということになるのではないのかと。機体の後ろを横切ったらすぐ墜落するとか、ホバリングしている後ろから追い風を受けたら墜落するとか、そんなに稀な事態なんですかと。それはやっぱり機体としてどうかということになるのではないだろうかと思います。

 人的要因だからいいのではなくて、人的要因だとしても、そうそう起こることではないので安全だと言えるのか。それとも、こんな人的要因で墜落するのであれば、やはり機体としてどうかということになるのかといった辺りの、もう一段踏み込んだ分析が必要ではないだろうかと、私は思っています。そういうことをまた、いずれご説明に来てくれる機会もあるでしょうから、おいでになりましたら、私はその事をお伝えしたいと思っています。


国政の動向(2)

(福井:テレビ高知記者)
 さきほどの国政の絡みなんですけども、各党の総裁選とか代表選が、連日、大阪維新の会とあわせて報じられているわけですが、今の動きに関する知事の受け止めと、これからの国政のあり方について、思うことがありましたら。

(知事)
 私は非常にある意味いいと思っているのは、民主党にしても自民党にしても、いろんな人が出てきて、今、いろんな議論を戦わせておられるじゃないですか。やはりこうであってこそと思うので、「私がやるんだ」という強い意志を持って、それぞれの方が活発に議論をしていただくことはすごくいいことだと思っています。是非、そういう議論を通じて、それぞれの党の中で、そのリーダーのもとで団結して、取り組みを進めていけるような体制が作られればと思っているところです。
 今後の国政に期待することといったら、何といっても、本当に決められる政治になってもらいたいと思っています。

 特例公債法案もまだ通っていません。特例公債法案がこの時期まで通らないというのは異常事態です。2年連続ともなりますと、何となく、そんなに騒がれなくなったりもしていますけど、これはもう超異常事態だと私は思っていますので、できるだけ早くこういうものは通すべきだと思います。それから、特に高知県として非常に重要なことで言えば、南海トラフ巨大地震対策特別措置法案についても前国会では審議されずに終わってしまっていますので、しっかり進めていただきたいと思います。
 衆参での議席の配分の問題など、いろいろなことはあろうかと思いますが、やはり、やらなければならないことは、山積しているわけですので、やるべきことをしっかり取り組むという政治であってもらいたいと思います。


国政の動向(3)

(天野:朝日新聞記者)
 先ほどの大阪維新の会の話の中で、地方交付税から消費税へという話がありましたけど、やはり高知は、かなり減収になるんですか。

(知事)
 それはそうでしょう。大体、納税義務者が高知県での経済活動に伴って、それを源泉として発生した税であっても、納税義務者は東京といったことはたくさんあるわけです。だから、事実上、この消費税の支払いの構造からして、本店のある都市に集中するようになっているわけです。それを地方に一定分配するような構造にしていかなければならない。まず、その税収上の構造があります。それを直せばいいのではないかということになるかもしれません。では、それを直せば、果たしてそれで納税業務がうまくいくのかということを詰めないといけないと思います。それがうえでも、なおもってして、やはり経済規模の格差はあります。若い人をたくさん生み出してきて、その若い人をどんどん都会に送ってきて、日本全体を支えてきた高知のような県もあります。それから、若い人を全国から受け込んできて、どんどん活発な経済活動をして、日本全体の経済を牽引している大都会もあります。それは格差があって当然であり、それぞれの役割分担だろうと思います。

 その時に、こっちはもう若い人をたくさん送り出したんだから、税収が少なくて当然だと。他方で若い人を田舎からたくさん受け込んでおいて、そのおかげで活発でありながら、そちらのほうは税収がたくさんあって、我々は経済が活発なんだから税収がたくさんでもいいじゃないかというのはおかしいでしょう。
 やはりそこは、いろいろな仕組みでもって分配をしていく制度をしっかり作っていかないといけないだろうと思います。

 消費税化すれば、自立度が高まるといいますけど、それは非常に均質な国家で、全ての地方において同じような経済状態が成り立っているという状況ならできることなのであって、そうじゃない現実の今の日本においてそれをやってしまったら、豊かなところはより豊かに、貧しいところはより貧しくということになりかねない。
 それを是正するための地方交付税という制度であり、いろいろ恣意的な判断があると言われてますが、一定のルールで恣意性をなくして配分される仕組みがあるわけです。それがほとんど大多数を占めているわけですので、それを廃止するとした時、代案としてどういうものを出すのか。これは早く誰もが納得するものを出していただかないと、地方の我々は不安になります。

 新財源調整制度ということも、柱としては見えていますから、交付税をなくして、消費税を地方税化して、そのうえで新財源調整制度がどういうものなのか、早く教えていただくことが必要です。
 多分、大阪維新の会の皆さんもそこは気付いておられるでしょうから、検討を進めていかれるのではないでしょうか。


南海トラフ巨大地震対策(3)

(井上:高知新聞記者)
 民間活力を生かした津波避難施設の確保の中で、新しい民間活力の促進補助金に組み合わせて、設備投資の補助金の要件拡充・緩和というところがあるんですが、その中で、新規雇用がない場合もというのが、有事に備えて公益的貢献という面から、新規雇用を行う場合の補助率引き上げという考え方は理解しやすいんですけども、新規雇用要件を無くすという場合では、要は、平時の雇用の場を守る、作るという、ある意味、官が民へお金をつぎこむ大義名分を取っ払うというような、かなり思い切った考え方だと思うんですが。

(知事)
 (この津波避難施設整備は)とてつもない公益的貢献であり、平時における安心感の確保にもつながっていくと思います。一人以上というのは、たった一人かと言われますが、ご存知のように高知県の経済状況で新規に一人雇用することは、右肩下がりの時代にきつすぎるという声も、現実にはあったりします。
 とは言いながら、全く新規雇用を一人以上もなくして、やはり公金を使うというのはいかがなものかということで、我々は一人以上をずっと続けていくこととしています。ただ、逆にこの新規雇用一人以上が無いにしても、例えば、50平方メートルとか100平方メートルといったこれだけの避難施設を作るということであれば、一人の新規雇用以上の公益的貢献ではないかと考えています。

 平時と有事の違いはあるかもしれません。ただ、この避難スペースを作ること自体が、どれだけ平時の安心にもつながるかということを考えた時に、やはり平時の保険とも言えることもあるのではないかと思います。

(井上:高知新聞記者)
 この新規雇用が無い場合というのは、いわば、今の雇用を維持するというような要件ですか。それとも雇用が減る場合も設備投資をすれば、機械が入るわけで、人の手が少なくて済むという考え方があるので、平時に雇用が減ってしまう場合でも(認めますか)。

(知事)
 基本的に減らしてということではないので、そういう内容の補助要綱にしていかなければいけませんが、新たにプラス1でなくてもいいということです。


原発稼働の動向

(清水:時事通信記者)
 民主党が2030年までに原発稼動をゼロにするという提言をまとめました。改めて知事のご意見を伺えればと思います。

(知事)
 原発の依存度を徐々に減らしていくべきだということは、従前より申し上げてきておりますから、その方向性自体は非常に歓迎すべきだと思っています。ただ、2030年という時期を明示するのなら、できるだけその工程をはっきりさせるべきだと思います。

 今回、予算対応でも新エネルギー関係が、かなり手厚く概算要求に盛り込まれているようですが、予算編成過程を通じて、その工程をしっかり示す努力を徹底してもらいたいと思います。
 勢いだけじゃいけないし、2030年にゼロにするという気持ちでもって、実際のしっかりとした工程表を作っていくことが非常に重要だと私は思います。方向性は歓迎しますが、まだ、工程表がしっかり見えてないところは大きな課題だと思います。


いじめ問題

(福井:テレビ高知記者)
 一連のいじめの問題について、知事は、どういうふうに捉えてらっしゃいますでしょうか。県内での今後の対応も含めて(お聞きします)。

(知事)
 いじめの話を聞いていると、身につまされるというか、本当にかわいそうだと思います。
 ただ、いじめの問題が影に潜んでしまって、表に出ないということであっては絶対にいけないと思います。いじめがあることがしっかり認識されて、周りの人がその問題について一生懸命取り組むようになることが、非常に重要なのではと思っています。

 教育委員会でも、必ずいじめというのはどこかにあるものだという思いでもって、とにかくいじめが行われていることを発見するぞと。そして、いじめが行われていれば、それを正面から受け止めて、対処を始めていくんだという姿勢が非常に重要だと思います。
 一番いけないのは、見て見ぬふりをするとか、やってることは分かっているのに、それについて知らんぷりをするという形で、いじめ自体が顕在化しないことだと思います。

(司会)
 それでは以上で記者会見を終了します。

 

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