平成24年12月県議会での知事提案説明

公開日 2012年12月12日

更新日 2014年03月19日

平成24年12月高知県議会定例会での知事提案説明 (12月12日)

1 国政の動向について

2 12月補正予算について

3 南海トラフ巨大地震対策について
(1)県版の震度分布・津波浸水予測(第2弾)について
(2)津波からの避難対策
(3)地震・津波対策の総合的な推進
(4)総合防災拠点構想
(5)その他
 (消防庁のヘリコプター受け入れに向けた対応)
 (新図書館等複合施設及び新資料館の整備状況について)

4 第2期産業振興計画の取り組み状況
(1)ものづくりの地産地消・外商
(2)外商推進本部の戦略品目(ユズ)の海外展開
(3)移住促進
(4)日本ジオパーク全国大会と国際観光ネットワークの構築
(5)こうち型地域還流再エネ事業スキームについて

5 中山間対策の取り組み

6 児童生徒の体力向上と生涯スポーツの振興について
(1)高知県体力・運動能力、運動習慣等調査について
(2)高知龍馬マラソンの開催

7 その他
(1)高知新港振興プランについて
(2)四国8の字ネットワークの整備について
(3)森林環境税の延長について

8 談合防止対策について

9 議案


 本日、議員の皆様のご出席をいただき、平成24年12月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。

 ただ今提案いたしました議案の説明に先立ちまして、当面する県政の主要な課題についてご説明を申し上げ、議員の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思っております。

 

1 国政の動向について

 

 今月4日、第46回の衆議院選挙が公示されました。

 現在、我が国には、デフレからの早期脱却に向けた経済の再生や消費増税を含めた社会保障と税制の抜本改革、あるいは原子力の位置付けをはじめとするエネルギー政策などといった、数多くの政策課題が山積しており、今回の総選挙は、日本の将来をも左右する極めて重要な選挙と位置付けられます。

 各政党におかれましては、今回の選挙戦を通じて、今後の我が国が進むべき針路について活発な政策論議を展開されますことを大いに期待したいと思います。

 

2 12月補正予算について

 

 今議会では、産業振興計画の推進や南海トラフ巨大地震対策等のさらなる拡充・加速化への対応など、総額3億8千万円余りの補正予算案を提出しております。

 第一に、産業振興計画の推進に関しては、地域の再生可能エネルギー資源から得られる経済効果等を地域内に最大限に還流させるための、官民協働の新たなスキームを創設し、その第1弾となる発電事業に着手することなどに必要な経費を計上しております。

 第二に、南海トラフ巨大地震対策等のさらなる拡充・加速化への対応に関しては、国の経済対策を積極的に活用し、道路橋梁の耐震化や河川の護岸整備、砂防・急傾斜地の崩壊対策を実施するなど、防災・減災対策のさらなる加速化などに必要な経費を計上しております。

 第三に、人事委員会の勧告に基づく期末手当の見直しなどによる人件費の減額等も行うこととしております。

 

3 南海トラフ巨大地震対策について

 

 次に、南海トラフ巨大地震対策についてご説明申し上げます。

 県においては、東日本大震災の発生以降、これまでの想定を大きく上回る揺れや津波にも対応できるよう、市町村と連携して対策の加速化と抜本的な強化に努めますとともに、様々な計画の見直しにも取り組んでまいりました。

(1)県版の震度分布・津波浸水予測(第2弾)について

 今月10日には、本県が今後の南海トラフ巨大地震に備えるための対策を検討する際に判断の基礎となります、第2弾の震度分布・津波浸水予測を公表いたしました。

 今回お示しした震度分布・津波浸水予測は、本年8月に内閣府が公表した最大クラスの予測に本県の最新の地形や地盤の特性などをより詳細に反映したものであり、これまで以上に精緻な内容の予測となっております。

 震度分布につきましては、県内各地に設置されている震度計の記録などから得られた情報も踏まえ、地震動の伝わり方を反映したものとしておりますし、あわせて、揺れの強さだけでなく、体が感じ取れる揺れの継続時間についてもお示しすることといたしました。

 他方、津波浸水予測につきましては、10メートルメッシュ単位での最新の地形データを用いるとともに、県内158河川における津波の遡上計算を詳細に行いました。また、厳しい想定条件の下においても、県民の命を守る対策が着実に進められるよう、堤防が機能しない場合の浸水の範囲と深さについても推計しております。

 さらには、津波による浸水域の広がりをより現実のものとして実感していただくための新たな取り組みとして、推計結果に加えて、過去実際に津波が襲来した際の痕跡も併せてお示しいたしております。

 こうした新たな情報も提供することで、県民の皆様に、より現実に即した避難行動の検討を行っていただけるものと考えております。

 なお、今回の公表に際しては、単に推計結果だけを示して、いたずらに不安をあおったり、あるいは、反対に油断につながってしまうことなどのないよう、予測を行ったねらいや、避難する際の望ましい行動のあり方を伝えるメッセージを加えるといった、様々な工夫を凝らしております。

(2)津波からの避難対策

 県としましては、これまでも沿岸の市町村に対しまして、津波避難計画の見直しを要請してまいりましたが、今回の震度分布・津波浸水予測の公表を機に、市町村や各地域の皆様には、避難路や避難場所の再点検を含め、津波避難計画の実効性が確保されているのか、近々中間取りまとめを行います「津波からの避難方法の選択に係るガイドライン」なども参考にしていただきながら、改めて確認していただきたいと思っております。

 そして、各市町村におかれては、必要となります避難路や避難場所などの整備をさらに進めていただきますとともに、住民の皆様がいざという時に迅速かつ冷静に避難していただくための避難訓練などにも積極的に取り組んでいただきたいと考えております。

 県としましても、こうした市町村の取り組みに対して、これまでにも増して、全力で支援してまいります。

(3)地震・津波対策の総合的な推進

 東日本大震災の発生以降、直ちに、発災時における命を守るための対策の見直しに着手するとともに、応急、復旧・復興期を見据えて事前に講じておくべき対策の見直しについても検討を進めてまいりました。

 こうした見直しを踏まえて現在取りまとめを行っております、次の南海地震対策行動計画、いわゆる新行動計画には、このたびの震度分布・津波浸水予測も反映し、県民の皆様の命を守るための対策と初動・応急活動に必要となる事前対策に加えて、速やかな復旧・復興につながる対策についても盛り込むこととしております。その上で、避難路・避難場所の整備などの命を守るための対策と助かった命をつないでいくための応急対策については、平成25年度からの3年間で概ね完成させることを目指してまいります。

 また、多くの人口や建物が集中し、発災時に大きな被害が想定される高知市の地震・津波対策については、県と高知市の関係部局同士によるカウンターパート方式により、県市で連携した取り組みを進めております。先月、第1回の連携会議を開催し、要援護者を含む避難対策や長期浸水対策としての排水ポンプ場の耐水、耐震化の推進など12の分野において、県市の取り組みの現状と課題を共有するとともに、それぞれの役割分担を明確にした上で今後の対策を進めていく必要性があることについて確認いたしました。

 今後は、それぞれの課題に関係する部局間での具体的な協議を進め、今後の対応策について協議が整った事項から、対策を実行してまいります。

(4)総合防災拠点構想

 今回公表いたしました震度分布・津波浸水予測によれば、南海トラフ巨大地震が発生すると、強い揺れと大津波による甚大な被害が県内各地で発生し、道路が寸断されることなどにより、県内の多くの地域が孤立状態に陥ることを覚悟する必要があります。

 こうした状況の下においても、一人でも多くの被災者の方々を救助・救出し、発災後の生活をしっかりと支援していくためには、可能な限り被災地に近い場所において、応急救助活動や支援物資の受入れなどを行う必要があります。

 このためには、県外からの支援物資や消防、警察、自衛隊などの応急救助機関をスムーズに受け入れ、速やかに最前線の災害現場に送り出すことを可能とする機能を備えた総合防災拠点を、できるだけ被災現場の近くにおいて整備することが有効と考えられます。

 総合防災拠点の整備に向け、これまで関係機関の有識者からなる策定委員会において、応急救助隊の受入れや支援物資の荷捌き、災害時の医療活動への支援などといった必要となる機能の整理をしていただくとともに、最大クラスの津波でも被害を受けないことや緊急輸送道路に近接していることなどといった立地場所の選定条件などについても検討を行っていただきました。

 こうした検討の結果を踏まえ、県としましては、先月、県内全域のカバーを可能とする4カ所の広域拠点と、その活動を補完するための4カ所の地域拠点から成る、全体で8カ所の総合防災拠点の構想案をお示ししたところです。

 今後、それぞれの総合防災拠点について、最前線の被災地における医療活動を補うための施設や支援物資を備蓄するための施設、あるいは情報通信機能などの整備の必要性について具体的な検討を行い、本年度内には基本構想の策定を終えるよう努めてまいります。

(5)その他

(消防庁のヘリコプター受け入れに向けた対応)

 東日本大震災や近年の大規模な風水害を目の当たりにし、消防防災ヘリコプター「りょうま」の活動への期待が高まる中、本県に対しまして、消防庁から新たな消防防災ヘリコプターが来年度中に無償貸与されることとなりました。消防防災ヘリコプターが2機態勢となりますことで、南海トラフ巨大地震の発生時には、より機動的な救助や情報収集のための初動活動が可能となりますし、現在、耐空検査等のために年間約3カ月間生じております活動の空白期間が解消されるなど、災害時の対応力の抜本的な強化に結びつくものと考えております。

(新図書館等複合施設及び新資料館の整備状況について)

 本年3月、国から南海トラフ巨大地震による震度分布や津波高に関する想定が公表されまして以降、その地震動や津波浸水が及ぼす建物への影響などを考慮し、各県有施設の今後の整備の進め方について検討を重ねてまいりました。

 こうした中、現在、実施設計を行っております新図書館等複合施設及び新資料館につきましては、発生頻度の高い安政の南海地震クラスの地震に対してその機能が確保されることを基本とするものの、県内外の多くの皆様にご利用いただく施設であることや、津波浸水時の避難場所としても活用することなどを踏まえ、最大クラスの地震に対して少なくとも人命を守ることができる性能を有することを第一に、今後の整備を進めることといたしました。

 今後は、新図書館等複合施設は平成27年度中に、新資料館は平成28年度のできるだけ早い時期にオープンができますよう、スピード感を持って整備を進めてまいります。

 

4 第2期産業振興計画の取り組み状況

 

 次に、産業振興計画についてご説明申し上げます。

 第2期計画の推進にあたりましては、計画に掲げた10年後の成功イメージや産業分野ごとの数値目標の実現に向け、PDCAサイクルに基づく不断のチェックを行いながら、これまで以上にアウトカムを意識し、全力で取り組みを進めております。

(1)ものづくりの地産地消・外商

 昨年6月に開設いたしました「ものづくり地産地消センター」には、この11月までで既に288件と、昨年度の218件を大きく上回るペースで相談が寄せられております。また、ものづくり地産地消推進事業費補助金を通じて、これまで、49件の試作品開発などを支援してまいりました。例えば、食品産業の分野では、高野豆腐の絞り機などといった生産の効率化につながる機械が開発されておりますし、本年度重点的に支援しております防災関連分野では、津波避難タワーのゴンドラといった新たな製品が開発されるなど、具体的な成果が表れ始めております。

 また、メイド・イン高知の機械製品を県外に売り出していくため、産業振興センターに新たに外商支援部が設けられるとともに、金融機関や経済団体などで構成する「機械系ものづくり企業外商支援会議」を設置するなど、支援体制の強化を図ってまいりました。こうした官民が協働した支援体制の下での売り込み活動を強化することで、県外企業との商談が成立した事例も出てきております。

 先月29日からの3日間、防災や食品、新エネルギーなどに関連する100を超える企業や団体の皆様からのご出展をいただき、本県の優れたものづくりの技術や製品を知っていただくための「ものづくり総合技術展」を開催いたしました。延べ1万5千人を超える方々にご来場いただき、ものづくりの地産地消に関する理解を深めていただくまたとない機会となりましたし、新たな製品開発や取引の拡大につながる企業間の交流も盛んに行われ、大変意義のある取り組みとなりました。

 本県の製造業が元気を取り戻すためには、県内企業のものづくりに向けた動きが活発化することが何よりも欠かせないことから、今後とも、官民が一体となった取り組みの強化に努めてまいります。

(2)外商推進本部の戦略品目(ユズ)の海外展開

 他方、海外に向けた外商活動につきましては、食品分野において新たな成果が表れてきております。

 10月21日から5日間、フランスのパリで開催されました世界最大級の食品トレードショー「SIAL(シアル)2012」に日本で初めてユズ玉を出展し、SIALの主催者による注目商品にも選ばれ、現地では大変な人気を博しました。期間中に20カ国、500件近くの商談を受けるなど、輸出の拡大に向けた大きな手応えも感じており、昨年パリで開催いたしましたユズの賞味会を契機とします官民協働の欧州への戦略的なプロモーション活動が、まさに実を結びつつあるものと考えております。

 今後、ユズ果汁100トンの成約を目標に、現地の商社などとも連携してこうした商談の成約に向けて積極的な支援を行いますとともに、国内においても「まるごと高知」を拠点として、首都圏に向けたセールス・プロモーション活動を強力に展開してまいります。

(3)移住促進

 10月から四万十市を舞台に、都会から地域おこし協力隊として移住してきた若者を主人公とする連続テレビドラマ「遅咲きのヒマワリ」が放映されております。県では、本県のPRや移住の促進を図るため、この放映に合わせて、ドラマのホームページの活用や首都圏におけるテレビ、JR車内でのCMの放送など、複数のメディアを活用したプロモーション活動を積極的に展開しております。こうしたプロモーション活動により、県の移住ポータルサイト「高知で暮らす。」には、ドラマ開始後約1カ月半の間に、昨年度の年間5万件を上回る15万件余りのアクセスがあるなど、その効果も表れてきております。

 こうした高知県への関心の高まりを生かして、本県への移住の拡大や地域経済の活性化に結び付けていくためには、県全体での対策に加えて地域が主体となった具体的な取り組みが重要になってまいります。

 このため、9月に立ち上げました庁内の移住促進プロジェクトチームにおいて、本県の強みや移住者のニーズに加え、実際に本県に移住された方々の声なども整理した上で、具体的な数値目標の設定と併せて、今後の施策のあり方などについて検討を進めているところです。

 今後とも、市町村との連携をこれまで以上に強化し、経済団体など民間の皆様のお知恵もいただきながら、移住促進に向けた施策の抜本強化を図ってまいりたいと考えております。

(4)日本ジオパーク全国大会と国際観光ネットワークの構築

 室戸市において、先月2日から5日にかけて開催されました「第3回日本ジオパーク全国大会室戸大会」では、全国50地域から約500人もの関係者の皆様が参加する中、日本ジオパークネットワークのつながりの強化に向けて、今後の地域間の交流活動を活性化させるための、様々な取り組みが行われました。

 今大会には、その準備の段階から、室戸ジオパーク推進協議会をはじめとする地元の多くの住民や学生の皆様が様々な形で参加され、内外から官民が一体となった素晴らしい大会であったとの評価がなされたとお伺いしております。

 また、開会式におきましては、本県から「国際ジオパーク・ツーリズム・ネットワーク」を構築して国際観光交流の輪につなげていくことを提案させていただき、海外のジオパーク関係者並びに大会参加者からご賛同をいただいたところです。

 県としましては、世界ジオパークの持つブランド力を最大限に発揮できますよう、室戸ジオパークのさらなる磨き上げを支援してまいりますとともに、世界との交流ネットワークの輪を広げることで、県東部及び県全体の観光振興の底上げにつなげてまいりたいと考えております。

(5)こうち型地域還流再エネ事業スキームについて

 本県が持つ再生可能エネルギー資源を地域の活性化につなげていくためには、地域が主体となって発電事業に取り組むことが効果的であります。こうした形で事業を進めていくための運営主体や資金調達のあり方等について、これまで検討を深めてまいりました。

 今回、こうした検討の結果を踏まえ、地域に発電事業によるメリットを最大限に還流させることが可能となる「こうち型地域還流再エネ事業スキーム」を取りまとめました。今回のスキームは、県、地元市町村及び県内企業などが応分の役割分担を行い、その割合に応じて収益を分配するという基本的な考え方の下、三者での出資により発電事業主体を設立し、売電収益を地域へ還元するというものです。県が主体的にかかわることで、事業ノウハウの不足を補い、資金調達などのハードルを引き下げることにより、やる気のある市町村や民間企業の参加を促し、県内企業の施工、保守管理などの受注機会の拡大等とも併せて、地域経済の活性化につなげていくことが可能となります。

 このスキームに基づき、市町村との調整を進めてまいりました結果、その第1弾として安芸市でメガソーラー発電事業に着手したいと考えており、さらに、今後、他の市町村との調整も図りながら、県内全域にこうした取り組みを広げていくこととしたいと考えております。

 

5 中山間対策の取り組み

 

 次に、中山間対策についてご説明申し上げます。

 今月1日、仁淀川町の長者地区に、県内3カ所目となる集落活動センターが開設され、本年度中にはさらに、梼原町の初瀬地区や松原地区、さらには黒潮町の北郷地区の3カ所で同センターの立ち上げが予定されております。また、来年度に向けましても10カ所以上の地域で立ち上げに向けた協議が進んでおり、集落活動センターごとの支援チームによるサポート活動をはじめとする、全庁を挙げた積極的な支援に努めております。

 このほか、本年度は、鳥獣被害対策専門員による巡回指導といった新たな鳥獣被害対策の取り組みをスタートさせました。また、住民の皆様の移動手段の確保に向けて、地域の実態に即した運行形態の検討や導入が県内各地で広がりを見せ始めております。

 他方で、集落の活性化に向けて一歩を踏み出したいという地域の皆様の思いを後押しできますような支援策のあり方などが課題として浮かび上がってきており、中山間総合対策本部におきまして、これまでの取り組みも検証しながら、実効性のあるしっかりとした対策を打ち出せるよう取り組んでまいります。

 

6 児童生徒の体力向上と生涯スポーツの振興について

 

 次に、児童生徒の体力向上と生涯スポーツの振興についてご説明申し上げます。

(1)高知県体力・運動能力、運動習慣等調査について

 本県の児童生徒の体力は「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」が開始された平成20年度においては、全国最低クラスとなっていましたが、教育委員会が策定しましたプランを基に、県内の小中学校において取り組みを進めてまいりました結果、児童生徒の体力は上昇傾向に転じ、本年度の調査においては、中学校の男女が大幅な上昇を見せるという結果が出ております。

 全国との比較など詳細な分析は、国による調査結果の発表を待って行うこととなりますが、児童生徒の体力、運動能力を全国平均まで引き上げるとともに、生涯にわたって運動習慣が定着するよう取り組みを継続してまいりたいと考えております。

(2)高知龍馬マラソンの開催

 来年2月24日、「わざわざ高知で走ろう!高知龍馬マラソン」をキャッチフレーズに高知龍馬マラソンを開催いたします。

 この大会は、龍馬が大きな志を持って眺めた太平洋を望むコースを舞台に開催するもので、先日発表いたしました5千人を超える当選者のうち、約7割が県外の方々となっており、そのご家族やご友人など、全国各地から数多くの皆様の来県が見込まれております。

 開催にあたりましては、官民挙げて円滑な競技運営に取り組みますことはもちろんのこと、子どもからお年寄りまで、世代を超えた生涯スポーツのより一層の普及・振興を図ってまいります。あわせまして、今大会を高知の魅力を全国にアピールする絶好の機会と捉え、地域の方々のご協力などもいただきながら来県される皆様方を温かくお迎えすることで、今後の交流人口の拡大につなげてまいりたいと考えております。

 

7 その他

 

(1)高知新港振興プランについて

 先月、高知港の姉妹港などで構成されます港湾の国際ネットワーク組織「INAP」会議への出席のためインドネシアを訪問し、その目覚しい経済発展の様子を目の当たりにしてまいりました。

 来年度の第15回INAP会議は、本県での開催が予定されており、関係姉妹港との経済面や観光面での交流がこれまで以上に深まりますようしっかりと準備してまいります。

 本年6月以降、高知新港のさらなる利活用の促進に向けて、港湾関係者や学識経験者などで構成する検討会議を設け、「高知新港振興プラン」の検討を進めてまいりました。この結果、平成26年度末の水深14メートル岸壁の暫定供用を見据えた物流インフラ関連施設の整備や防災対策の視点も取り入れた産業振興策などを含む取りまとめ案を、先月末に作成したところです。

 具体的には、物流機能の強化や新たな航路誘致を進めることにより、県内企業の一層のコストダウンと利便性の向上を図ることで、地産外商や貿易振興に資することを目指すとともに、あわせて、防災関連産業などの企業誘致、耐震岸壁等を生かした防災拠点港としての利活用などにも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 今議会に取りまとめ案をご報告し、ご意見をいただきながら、今後5年間のプランとして策定することとしております。

(2)四国8の字ネットワークの整備について

 今月9日、四国横断自動車道の中土佐インターチェンジから四万十町中央インターチェンジの間が、新たに供用開始されました。県西部地域における最大の交通の難所であった久礼坂越えが解消された効果には大変大きなものがあり、走行性が格段に向上するとともに、救急搬送における負担が大幅に軽減されることとなります。あわせまして、信頼性の高い幹線道路がもう1路線確保されたことにより、災害時のバックアップ機能が強化されましたことは、南海トラフ巨大地震への備えとしても大変心強いものがあります。

 今後とも、「命の道」となる四国8の字ネットワークの整備を着実に進めるため、事業実施中の区間の整備促進や未着手区間の早期事業化に向け、関係機関と一体となって取り組んでまいります。

 また、このたびの高速道路の延伸は、県西部の観光振興に大きな弾みがつく絶好の機会となるものと考えております。今後は、リョーマの休日の「四万十・足摺エリア」のキャンペーンに集中的に取り組みますとともに、幡多地域の市町村や観光関係団体が一体となって進めようとしております地域主体の博覧会の開催を積極的に応援してまいります。さらに、旅行会社等に対しましても、交通アクセスの向上と地域の持つ観光資源を強くアピールすることで、積極的に県西部はもとより県全体の観光振興につなげてまいります。

(3)森林環境税の延長について

 本県の豊かな森林環境を保全するため、県民の皆様に幅広くご負担いただいている森林環境税は、本年度末で課税期間が満了いたします。

 課税期間の満了に際し、昨年度、県民世論調査や県内6地域での座談会等を通じて、県民の皆様にご意見をお聞きしましたところ、課税期間の延長について、数多くの方々からのご支持をいただきました。

 さらに、庁内プロジェクトチームでの検討や森林環境保全基金運営委員会でのご審議、あるいは、これまでの議会でのご議論なども踏まえまして、県民の皆様のご理解とご協力の下で引き続きこの税を活用し森林環境の保全などに取り組んでいく必要があるとの判断を行ったところであり、今議会に、来年度から5年間森林環境税の期限を延長することを提案いたしております。

 

8 談合防止対策について

 

 去る10月17日、公正取引委員会から県内の複数の建設業者に対し、独占禁止法に違反する行為があったとして、排除措置命令等が行われました。

 この処分を受け、県としましては、県が発注する建設工事の入札参加資格を持つ37者に対して、指名停止措置を行いました。

 公共事業への依存度が高い本県においては、今回の措置が県経済や雇用の面などで、マイナスの影響を及ぼすことが危惧されますが、他方で、建設業界におけるコンプライアンスが確立されないままでは、再び違反行為によって工事が止まるのではないかという懸念から、国の事業採択において本県の事業量が減少することとなったり、県内事業者と県外事業者間でのJVの組成や契約などに支障が生じることなども心配されます。仮にも、こうしたことが現実のものとなれば、それこそ、本県経済に与える悪影響は計り知れないものとなります。

 このため、まずは、建設業界がコンプライアンスをしっかりと確立することで、県内外の皆様に信頼感・安心感を持っていただくことが最重要だと判断し、高知県建設工事指名停止措置要綱等に基づき、厳正な措置を行ったところであります。

 あわせて、高知県建設業協会に対して、協会自らが、主体的にコンプライアンスの確立に向けて、具体的な行動を起こし、体制の充実を図っていただくための改善計画書の策定を要請するとともに、違反が認定された事業者に対しましても、コンプライアンスの確立に向けた基本方針の策定を要請したところです。先月14日には高知県建設業協会から改善計画書の骨子をお示しいただきましたので、県民の皆様の目に見えるものとなるよう、早急に具体的な取り組みを進めていただくよう、お願いしたところであります。

 他方、県としましては、今回の違反行為の背景や原因などを把握・分析することが、今後の談合防止対策を検討する上で必要となりますことから、県発注の工事で違反が認定された21者から聞き取り調査を行いました。

 その結果も踏まえながら、現在、談合防止対策検討委員会において、談合が行われにくい入札制度のあり方、あるいは、今回の談合を行うに至った背景や原因を踏まえた入札制度やペナルティのあり方などについてご議論いただいております。

 明後日の談合防止対策検討委員会において、対策の中間取りまとめを行っていただけると伺っておりますので、そのご意見を受けて、県としての対応の骨子を今議会中には、お示ししたいと考えております。

 建設業界におけるコンプライアンスの確立に向けた動きが、具体的に歩み始めたところでありますが、県としましても、業界の取り組みを支援してまいりますとともに、入札制度の見直しなどの具体的な対策を県民の皆様にできるだけ速やかにお見せできるよう取り組んでまいります。

 

9 議案

 

 続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。

 まず予算案は、平成24年度高知県一般会計補正予算などの6件です。

 このうち一般会計補正予算案は、先ほど申し上げました産業振興計画の推進などの経費として、3億8千万円余りを計上しております。

 条例議案は、高知県税条例の一部を改正する条例議案など30件でございます。

 その他の議案は、平成25年度当せん金付証票の発売総額に関する議案など6件でございます。

 以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。

 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

 

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