平成25年度 新規採用者辞令交付式での知事挨拶

公開日 2013年04月01日

更新日 2014年03月18日

〔平成25年4月1日(月曜日) 正庁ホール〕

 本日晴れて高知県職員として採用されました皆さん、ようこそ高知県庁においでてくださいました。私たちといたしましても、皆さんの若い力がこの高知県庁に新たに加わってくれることを嬉しく思っております。
 皆さん方がこの高知県庁において、大いに仕事をされ、仲間を増やし、そして有意義な人生を送っていかれますよう、心からお祈りをいたしたいと思います。

 先ほど、宣誓書をお読みになりました。その宣誓書に書いてあることが全ての原点です。簡単なことのようで、当たり前なことのようで、そのように貫いていくことが時に難しい時もあります。全体の奉仕者として誠実且つ公正に職務を遂行すると書いてあります。こうでなければなりません。是非、皆さん、その宣誓書を身近に置いて、迷った時は、その宣誓書に立ち返って、私はどうするべきか考えていただきたいと思います。

 今、高知県は皆さんご存知のとおり、人口減少と高齢化の急激な進展の中で、様々な課題を抱え、これを解決しようと取り組みを進めているところです。
 また、南海トラフ巨大地震。これにも備えていかなくてはなりません。私はいつも言っています。高知県は非常に課題が多いですが、しかし、高知県だけの問題ではない。人口減少・高齢化というのは、いずれ全国も同じような状況に陥っていくこととなります。災害に備えなければならない。今、そのように自覚し始めた県はたくさん新たに出てきました。
 私たちは、ある意味、課題の先進県なのであります。だからこそ、長い間苦しんできたからこそ、貯めてきたノウハウを活かして、課題解決の先進県となり、そのノウハウを例えば地産外商であったり、または移住促進であったり、そういうものに繋げていく。「後続の県から頼られる、羨ましがられるような県になってやるぞ」という意気込みでこれから仕事をしていきたいと考えておるところです。

 皆さんはこれから、仕事をしていただくに当たって、県民の皆様方のために仕事をしているのだということ。これを常に忘れないで頑張っていただきたいと思います。もちろん自分の人生や自己実現を図ることも非常に大事なことです。家族の幸せも大事なことです。併せて県民の皆様方のために頑張るんだということを常に忘れないでいただきたいと思います。所属している組織のためではありません。上司のためでもありません。県民の皆様のために仕事をする。そうでなくてはなりません。

 先ほど、課題解決の先進県という話しを申し上げました。新たな課題に立ち向かっていかなければならないのです。だからよく公務員に対して批判されるような前例主義でことが済む訳がありません。もちろん前例も一つの参考事例として参照することはありますでしょう。先人の知恵に学ぶことも大事です。しかしながら、多くの場合、それだけでは済まないことがたくさんあります。本当に新しい施策を県民の皆様のために一生懸命考えていかなくてはなりません。そういう時が今、来ているのだと思っています。
 今、ここに庁議メンバーである、各部のトップの皆さんがおいでになっていますが、私と各部局長の皆さんとの議論の中においても、前例にこんなことはないから止めましょうなんていうことはありません。どうやればこの課題を解決できるのだろうか。もっと言うと、高知県が抱えているこの問題の本当の所の一番の問題点はどこにあるんだろうか。それを解決するには、どういう処方箋を施していくべきなのか、そして具体的にどうやっていくべきなのか常にその議論をしています。
 皆さんは県民の皆様方のためにという発想のもとで新しい知恵を働かせていただいて、真の意味で誠実さを持って新しい道を切り拓いていく。そういう公務員になっていただきたいと思います。法令を遵守する公正な職員になっていただきたいと思います。
 毎年言っているのですが、絶対こういう公務員にはなってもらいたくない公務員像が一つあります。それは、仕事をやらないことの言い訳ばかりが上手な小役人には絶対にならないでください。県民の皆様方のために、この課題を解決するために、どうあるべきか一生懸命に知恵を絞って汗をかく。そういう公務員になっていただきたいと思います。是非、頑張ってください。

 少し先輩面して恐縮でございますけど、そういう公務員になっていくためにも大事なこととして、是非、皆さんこれから「知・徳・体」それぞれを大いに研鑽に励んでもらいたいと思います。
 一つまず、「知」の点。これだけ変化が激しい時代です。それぞれ、皆さん学校も出られて来られたことと思います。学校で学んだことでこれから一生、生きていける。そんな時代ではありません。常に学び続けるということが非常に大事だと思っています。私も常に毎日、毎日、本を読み新しい勉強をしようと心がけています。色々な分野について是非、これから研鑽を積んでいってください。
 職場で仕事の仕方を学ぶといことも勉強ですからね。是非、職場に行ったら好かれる職員になってもらって、挨拶もしっかりして、「おはようございます」「申し訳ございません」「ありがとうございます」「失礼いたします」当たり前の挨拶ができる職員になって、そして皆さんとしっかりコミュニケーションとることで、先輩方に可愛がられる職員にもなってください。そうすれば先輩方は多くのことを教えてくれるようになりますから。モーツァルトも最初は模倣だったことは皆さんご存知のことと思います。まず先輩から学ぶ。その上で日々常に学び続け、知性を鍛えていくことを一生、忘れないでいただきたいと思います。

 そしてもう一つ「徳」。これを磨くということも大事なんだと思います。是非、色んな意味で常に公明正大な仕事をするんだという、今、持っている皆さんの志をいつまでも忘れず、取り組みを続けていっていただきたいと思います。県民の皆様方のために働いているんだという原点の中の原点、これを是非忘れないでいただきたい。それぞれの組織に所属するとどうしても、それぞれの組織の考え方に埋没しがちになる時があります。そういう時、是非、外の皆さん、例えば同期・友達とかそういう皆さんを是非、大切にしてください。県庁外の皆さんとの付き合い、これを県庁に入っても忘れないでいただく、そうすることでもって広い視野を忘れないでいくこともできるだろうとそのように思っています。

 それと何と言っても大事なのは「体」です。心身ともに健康に気を付けてください。一定、節制もしていただきながら健康維持のための努力をしていただきたと思います。最初の頃は特に五月病と言われたりしますが、最初の頃、非常にきついなと思うことも出てくるでしょう。僕も24年前、初めて公務員として就職をして3ヶ月くらい、朝から晩まで怒られて本当に辛かったことを憶えています。五月病なんてことも言われたりしますが、でも大丈夫ですから。多くの社会人がそれを乗り越えて今、立派な社会人になっています。みんなができることは、必ず皆さんにもできます。「みんなも乗り越えたんだから、俺もできる、私もできる」と思って頑張ってください。そして、本当に辛ければ周りの上司とか先輩とかに相談をしてみてください。

 知・徳・体を磨いて県民の皆様のためになる公務員になっていただきたいと思います。

 繰り返しになりますが、課題解決の先進県を目指した取組みを進めていこうとしています。全国に先駆けて色々な仕事をすることになるでしょう。高知の地に在りながら全国の色々な人を相手にこれから仕事をしていくことになるのだろうろうと思います。皆様方が今、持っている「志」これを大いに大事にしていただいて高知県民のために活躍できる職員になっていただきたいと思います。

 皆さん、是非がんばってください。そして皆さんの高知県庁での生活が本当に幸多きものとなりますよう、心からご祈念をいたします。皆さん、共に頑張りましょう。

 

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