知事の定例記者会見(平成25年10月31日)

公開日 2013年11月07日

更新日 2014年03月31日

知事の定例記者会見

平成25年10月31日(木曜日) 14時00分から14時54分 第一応接室

やなせたかし氏への追悼
ねんりんピックよさこい高知2013
産業振興計画の進捗状況
日米共同統合防災訓練(1)
TPP
土佐電気鉄道
減反政策(1)
全国学力・学習状況調査
南海トラフ巨大地震対策特別措置法案
集団的自衛権
減反政策(2)
特定秘密保護法案
日米共同統合防災訓練(2)
県民世論調査

配布資料
飛躍への挑戦! 産業振興計画 [PDFファイル/1.83MB]

やなせたかし氏への追悼

 

(知事)
 10月13日にお亡くなりになりました、やなせたかし先生に対し、心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 やなせたかし先生は、皆様方もご存知のとおり、本当に高知県にとりましては大変な恩人であられました。「まんが甲子園」の第1回から審査委員長を務めていただき、20回を超える大会にまで成長しています。まさに、やなせたかし先生が育ててくださった「まんが甲子園」でした。
 また、香美市の「やなせたかし記念館アンパンマンミュージアム」の建設や南国市への「やなせたかしロード」の設置など、様々な勇気を私達に与えてくださいました。さらに、多くのキャラクターも制作いただいて、地域の活性化に多大なるご貢献を賜ってきたところであります。

 平成23年11月には、高知県名誉県民顕彰を我々としてお渡しさせていただいて、先生のご功績に対し、心からの感謝を表してきたところです。近年は、体調のご都合で高知のほうにお帰りになることは叶いませんでしたけれども、様々な形で先生の元気なお姿に接していただけに、突然の訃報に大変残念に思っているところです。
 やなせたかし先生には、本当に心から感謝を申し上げておりますし、また、そのご訃報に接しまして本当に心からのお悔やみを申し上げ、そして、先生のご冥福をお祈り申し上げたいと思います。

ねんりんピックよさこい高知2013

会見する尾﨑知事(知事)
 ねんりんピックについてお話をさせていただきたいと思います。終了後の記者会見でもお話させていただきましたが、「ねんりんピックよさこい高知2013」では、県外から本当に多くの選手、役員の皆さんにおいでいただいて、盛会のうちに終了することができました。
 台風27号による災害が心配をされる中、また、(ねんりんピックに関する)様々な予定の変更が心配される中にあり、本当に多くの皆様方が大変献身的なご努力をいただきまして、台風のダメージを最低限にとどめ、大会を無事終了することができたと思っています。

 大月町のフィッシングが中止になりましたことは、誠に残念でしたが、安全・安心という観点からしまして、この点はやむを得なかったことではないかと思います。また、中央公園の前日祭が中止になるという残念なことがありました。しかしながら、先ほど申し上げましたように、本当に多くの皆さんが献身的にご努力いただきまして、例えば、中央公園のイベントも土曜日の午後には復活することができましたし、色んな形で取り組みを進めることができたと思っています。
 改めまして、「ねんりんピックよさこい高知2013」の開催にあたりまして、本当に多くの県民の皆様方に大変ご尽力を賜りました。この点について実行委員会の会長といたしまして、本当に心から感謝を申し上げたいと思います。

産業振興計画の進捗状況

(知事)
 お手元に産業振興計画の進捗状況について、定期的にご報告するために作っているリポートを、今月もお配りしていますのでご参照いただきたいと思います。

日米共同統合防災訓練(1)

(長田:朝日新聞記者)
 10月25日に台風で中止になった日米共同統合防災訓練についてです。南海トラフ地震に備えた訓練が重要なことはもちろんだと思いますが、今回の訓練については、米軍の使用機材がオスプレイだけだったことから、訓練の主目的が「沖縄の負担軽減の増長」、あるいは「オスプレイや在日米軍への国民や沖縄県民への抵抗感を和らげることではないか」、「防災というのは、その名目に利用されているのではないか」と指摘する有識者が多かったように取材して感じました。知事は、そうした指摘についてどうお考えでしょうか。今後の再訓練の見通しも併せてお伺いします。
 また、10月16日午後、オスプレイ2機が大豊町と高知市の上空で目撃されましたが、高知市の市街地を飛行した点について日米合意に違反するのかしないのか、また、事前通知が無かったことをどう考えるのかをお聞きします。併せて、オレンジルートでの米軍機の低空飛行訓練の見通しについてもお聞かせください。

(知事)
 1点目の「主目的は防災というよりも日本政府が唱えていた沖縄の負担軽減とオスプレイや在日米軍への抵抗感の緩和だったとの見方もあるが、そういう指摘についてどう思うか」ということであります。
 こちらについて言わせていただければ、従前より我々は申し上げているますように、今回の訓練はあくまでも防災目的だと受け止めています。なぜかというと、一つは、経緯として昨年12月、防衛省防災業務計画に災害発生時の自衛隊と在日米軍の連携が位置付けられていることを踏まえて今回の訓練に至ったということ。もう一つは訓練の内容として、捜索と救難のための人員搬送、艦船での医療救護と患者搬送、孤立地域への物資輸送など、一連の内容を見ますと、これは防災訓練のメニューではないかと思います。

 もっと言いますと、防災訓練であったということもあり、情報の開示度が従前とは全く異なっていたことも、防災目的であったことを裏付けるのではないかと思っています。
 沖縄の負担軽減という観点からいくと、確かにオスプレイが沖縄にいる日数が、例えば1日、2日減ったことでもって、ささやかなりとも沖縄の負担軽減に結果として結びついた側面はあるのかもしれません。しかしながら、沖縄の負担軽減として求められているものは、この程度のことにとどまるわけでは当然ないのであって、沖縄の負担軽減問題を論ずるのであれば、より本格的な沖縄の負担軽減策をしっかり考えていくことが重要ではないかと思っています。

 先の9月県議会でも、申し上げさせていただきましたが、沖縄の負担軽減という観点から二つの点が重要だと思っています。一つは平成24年に日米安全保障協議委員会(2プラス2)で決定しました、海兵隊約9,000人のグアム及び日本国外への移転、さらには嘉手納基地以南の米軍施設の返還という日米で合意した事項について、しっかり行っていくことで沖縄全体としての負担軽減を図っていくことが、まず第一に重要ではないかと思います。
 その上でなお、様々な訓練について、県外への負担をもっと行っていくべきだという議論も出てくるでしょう。そういう中で、全国で公平に負担を分かち合っていくことが重要ではないかと思っています。
 そういう点において、現実問題として本県も既にオレンジルートで様々な米軍による訓練が行われてきているということは、沖縄の負担軽減を考える際に付言をさせてもらいたいと考えています。

 いずれにしても、オスプレイが1回、2回県外に飛んだから沖縄の負担軽減だと、結果的にささやかなりともそうなっている側面はあるでしょうけれども、ただ、当然のことながら、その程度のことでとどまる問題ではなく、別途しっかりと議論すべき問題だと私は認識しています。
 2点目の「再訓練の見通しはどうか」ということですが、現段階で分かりません。ただ、在日米軍の皆さんとも共同で実施する防災訓練は有益だという考え方について、我々の認識は変わっていないということです。
 3点目の「高知市の市街地上空を飛んだ点についてどうか」ということですが、確かに市街地上空でありますけれども、いわゆる低空飛行ではなかったと聞いております。そういうことからいけば、直ちに日米合意違反ではないのだろうと思います。

 ただ、10月25日に行われる予定だった日米共同統合防災訓練について、非常にセンシティブ〔慎重を要する〕な議論が行われていることは多くの皆さんもご存知なわけであり、やはり、そういうことを考えていただいた時に、あの段階で不用意に高知市上空を飛んでいくことがどういう影響を及ぼすのかということは、もう少しデリカシーをもってこちらに考慮していただきたかったという気持ちがします。
 いずれにしても、事前に連絡が無かったことも含めてどう考えるかという話ですけれども、我々は、例えば嶺北地方のオレンジルートにおける訓練も含めて、引き続き事前連絡を求めていくという立場に、当然変わりはありません。

TPP

(長田:朝日新聞記者)
 交渉が大詰めを迎えているTPPについてです。米など重要5項目について、細分化された586品目ごとに関税撤廃の影響を精査する考えが自民党内で浮上して、既にもう検証作業が始まっているようです。これに対して自民党が公約で掲げていた聖域がなし崩しになるのではないかという指摘がありますが、知事はどうお考えでしょうか。

(知事)
 確かに、聖域がなし崩しになるようなことがあってはいけないと私も思っていますので、10月22日、国に対して政策提言を行ってきました。TPP政府対策本部の佐々木国内調整総括官、また、吉川農林水産副大臣のところにお伺いし、我々の懸念をお伝えしてきたわけです。
 重要5品目について、実際にそのタリフライン〔関税の対象項目をさらに細目ごとに分類した品目〕の中をひとつひとつ見ていくと、何百もその品目があるわけです。仮に輸入が自由化するようなことになってしまうと、どういう影響を及ぼすかということについて、しっかりと検証していくことが非常に重要だろうと思います。単に、今の段階で輸入実績がないから、関税を撤廃しても影響はないだろうと単純な考えでやられては、本当に蟻の一穴〔ちょっとしたことが原因で大きな失敗を引き起こす〕になりかねないんだろうと思います。

 先ほどの政策提言でも強く申し上げてきたところですけれども、例えば、現段階で輸入実績がないものであっても、それが入ってきたことによって、その5品目の同じカテゴリの中で代替品が一切使われなくなってしまうという影響を受けたり、また、一部の産地だけは生き残れることになり、結果として他の産地は駆逐されるということが起こってしまう可能性があるわけです。
 聖域として守るべきとされたこの5品目について、それぞれのタリフラインひとつひとつの影響を慎重の上にも慎重に見極めていただいて、影響のあるものについては、しっかりと交渉において死守するということを是非お願いしていかなければならないと思っています。

 10月22日に実際、政府にお伺いし、私自身話をしてきまして、都会と田舎で大分危機感が違うという印象を受けました。その場でテレビの取材を受けた時にも申し上げたんですけど、「田舎でこの話をすると、目がつり上がってくる方がたくさんいらっしゃいます」という厳しい空気感をできるだけお伝えするように努めたところです。
 また、ちょっと時間がありましたので、私が霞ヶ関にいた時の知り合いといった関係者で、特に農業に関係する人にもちょっとお話をする機会をもちまして、できるだけ空気感を伝えてこようと努めました。

 その中で、「高知みたいな非常に先端的な農業をやっているところでも、そんなに懸念がありますか?」ということをおっしゃった方がいらっしゃいました。いわば、園芸農業を先進的にやっているところじゃないですかという意味だと思いますが、そういうご指摘がありました。だから逆に、きちんと話を伝えて良かったと思ったんですけど、園芸農業をやっていても中山間地域では米の生産が主力であり、高知県の農業にとってまだまだ大きなメインエンジンなんです。やはりそれをしっかり守ってもらわないといけませんという話です。

 少し安心しましたのは、吉川農林水産副大臣が「タリフラインについて、ひとつひとつ影響をしっかり精査していくというやり方をします」という話をされたことと、「過去の自民党の決議、そして、衆参農林水産委員会の決議を踏まえた対応はします」という話をおっしゃっていましたし、また、事務方の関係者の皆さんもおっしゃっていましたので、その点はやや安心ですが、そこをしっかり守ってもらわないといけないと思います。

 586品目ですけど、今、輸入実績がないから関税を撤廃してもいいというのは、関税がかかっているから輸入実績がないだけかもしれないわけです。実際、代替品がしっかり関税で守られているから、輸入しなくても済んでいるような状況があるのかもしれないんです。状況を変えた結果として何が起こるのか、しっかりとした検証が絶対的に必要だと思います。
 今後、政治レベルでの働きかけ、さらには実際に交渉を担当している事務方にしっかりと伝わっていくような形での働きかけを、私自身の持っている色んなネットワークも活かして、我々の危機感をしっかり伝えていきたいと思います。

土佐電気鉄道

(長田:朝日新聞記者)
 西岡寅八郎県議をめぐる問題についてです。9月県議会最終日に、西岡県議に対して、説明責任を果たすことはもちろん、県議会議員としての社会的道義的な責任を果たすことを求める決議が可決されました。西岡県議が所属する自民党は賛否が二分しましたが、知事は、決議可決をどう受け止め、西岡県議は今後どういった対応をとるべきだとお考えでしょうか。

(知事)
 やはりこういう決議が可決されたことは非常に重いことであると思います。そして、この決議に従って西岡議員は政治家として責任を果たされるべきだと思います。

(西森:高知さんさんテレビ記者)
 先ほどの西岡議員の責任を果たされるべきというのは、議員辞職も含めてということですか。

(知事)
 (県議会の)決議に書かれているように、「説明責任を果たす」、「社会的道義的責任を取る」ということです。取り方がどういうものであるかについては、私が、今ここで言及することは不適切だと思いますけれども、この決議の趣旨に従って責任を果たされるべきだということです。
 まずは、説明責任を果たさなければならないでしょう。そして、社会的道義的な責任の取り方は色んなことがあり得るんだろうと思います。それは説明責任を果たされ、世の中がどう反応されたかも見極められて、政治家として社会的道義的な責任の取り方を自らご判断されるべきだと思います。

減反政策(1)

(竹村:高知新聞記者)
 政府与党が減反政策について見直しを進めています。大規模稲作農家への支援の集中と、中小規模・零細については日本型直接支払制度でという動きがありますが、まず、減反について、知事が賛成、反対をどうお考えになるのかと、今の減反見直し全体についてのお考えをどういう進め方がいいのかも含めてお願いします。

(知事)
 やはり、米の過剰生産、価格の低下という状況の中で減反政策を一定追及せざるを得なかったという歴史的な背景はあるんだろうと思います。
 ただ、そういう中で減反をしても、実際に米の価格が上がらなかったじゃないかということが1点。また、減反政策そのものが農家の自主的な経営判断を妨げることになってはいないかという点。この2点は確かに、その指摘としてあり得ることなのだろうと思います。
 ですから、全く見直しをすべきではないとまでは言いません。よくよく減反のあり方について議論をしたらいいと思います。ただ、その時に忘れてもらっては困るのは、「大規模農家だけが成り立って、中小規模の農家が成り立たなくなるような政策だけは絶対とってもらっては困る」ということを申し上げたいと思います。

 従前から申し上げているんですけど、日本の農業の4割は中山間地域です。棚田など中山間地域での小さな田などによる農業が、生産量及び就業者数の4割を占めているという状況です。日本の農業を守るといった時に、この4割のものを守らないで、日本の農業を守るとは言えないと思います。
 もっと言えば、こういう中山間地域の農業は、中山間で暮らす人々にとっての基幹産業であり、生活そのもののわけです。そういうものが成り立っていくような形で、引き続き日本の農業政策はあるべきだと思っています。ですから、減反政策の見直しにあたってもその点が十分配慮されるべきだというのが1点目です。

 そして、2点目として、日本型直接支払制度について、我々の政策提言で訴えてきたことでありますけれども、農家のいわゆる生産コストが、1ヘクタール当たりとかの生産コストで見た場合、日本全国それぞれの条件によって全然違うわけです。やはり、そのコストが高い地域に特に配慮したような直接支払制度をしっかり検討すべきだということを、政策提言で訴えてきましたけれども、この点もしっかり反映していただく必要があるのではないかと思っています。
 かなり唐突に報道されましたので、我々としても正直、一体、今どういう状況なのかということで、情報収集に努めている状況なんですけれども、今、2点申し上げたことは、どういう形で制度の見直しが行われようとも、我々として大事なポイントだと思っていますので、訴え続けたいと思います。

全国学力・学習状況調査

(宮崎:高知新聞記者)
 先日、全国学力・学習状況調査について、文部科学省が知事などにアンケートをとった調査結果が公表されましたが、その中で、「市町村教育委員会が学校別に公表できるようにすることが望ましい」というのは、全国で4割の知事が「望ましい」と答えていますが、知事は、全国学力・学習状況調査の公表について、どのようにお考えになっていますか。

(知事)
 私がどのように回答したかということですが、2つあります。1点目は、「学校だけでなく当該学校を設置している教育委員会も公表できるようにすべきだ」と回答しました。
 ただ、そのうえで、市町村の順位付けに結びつけるべきでないという観点から、「従来どおり市町村教育委員会だけが公表できるようにし、都道府県教育委員会は公表できないようにすることが望ましい」というお答えをしました。

(宮崎:高知新聞記者)
 都道府県教育委員会が公表できない(ようにするのが望ましいということですか)。

(知事)
 そうです。県立学校について県教育委員会が公表できるようにすることはあり得ると思いますが、市町村のそれぞれの結果について、県教育委員会が公表できるようにすることは望ましくないという判断をして回答しました。

(宮崎:高知新聞記者)
 学校別の公表については、市町村教委が学校別公表はできる(ようにするのが望ましいということですか)。

(知事)
 市町村教育委員会が学校別の結果について公表できるようにすることはあり得ることから、そういうふうにすべきではないかと回答しました。ただ、都道府県教育委員会が市町村別の結果について、上から公表すべきではないというお答えをしました。

(宮崎:高知新聞記者)
 市町村教委が学校別に公表することの意義をどのように考えていらっしゃいますか。

(知事)
 市町村教育委員会もその市町村の中にある各学校のあり方について、責任をもっていただく必要があるんじゃないかということが、やはり我々としての趣旨です。
 市町村教育委員会がその市町村の教育において非常に大きな責任を持っているという意味においては、学校に任せているだけではなくて、市町村教育委員会としても十分責任をとるような体制にすべきだろうということを申し上げたいと思ったところです。

 他方で、その市町村教育委員会として、市町村によっては従前より申し上げているように、小規模なところを公表してしまうと、個別の学校全てについて、もっと言うと、クラスの状況まで分かってしまうようなこともあるだろうということで、公表の是非については、市町村別に判断ができるようにすべきではないか。市町村は一定、自由度を持っておくべきだという観点です。
 そういうことで、県教育委員会として、市町村の結果についてオープンにすることはすべきではないという回答をさせていただいたということです。

(宮崎:高知新聞記者)
 確認なんですけど、市町村が公表すべきというのは、市町村内の各学校の結果についてという理解で構わないんですか。

(知事)
 (『各学校の結果の公表について』のアンケートの質問形式は)三択なんです。「1.学校だけでなく当該学校を設置している教育委員会、市町村立学校であれば市町村教育委員会も公表できるようにする」のが第1の選択肢。「2、従来どおり学校だけが公表できるようにし、教育委員会は公表できないようにする」のが第2の選択肢。そして、「3.その他」です。私は、「1」だと答えました。
 それから、その理由についての質問もあり、これも選択肢から選んでいるんですけど、「全国学力調査も定着してきており、自治体の判断に任せたほうがよい」というのが一つ。もう一つは「教育委員会には設置する学校の状況や自らの教育政策についての説明責任がある」というのが理由です。

 ただ、「気を付けたほうがよいと考える事項」の質問に、「提供された結果だけではなく、分析を踏まえた今後の改善方策等を併せて示すことが必要である」と「児童生徒数が少人数の学校については、個人が特定されるおそれがあるため配慮が必要である」という事項にマルを付けました。
 そして、大きな質問文2(『各市町村の結果の公表について』)ですけど、1の選択肢が、「市町村教育委員会だけでなく都道府県教育委員会も公表できるようにする」であり、2の選択肢が、「従来どおり市町村教育委員会だけが公表できるようにし、都道府県教育委員会は公表できないようにする」、そして3の選択肢が、「その他」であり、その中で私は「2」の「従来どおり市町村教育委員会だけが公表できるようにし、都道府県教育委員会は公表できないようにする」という答えを選択して答えました。

 だから、報道によって、最初の質問文(『各学校の結果の公表について』)だけに着目して話をしている場合がありますけど、その後者のほうも大事だと思います。

(池:高知新聞記者)
 その選択肢の問題でちょっと何と言いましょうか、趣旨が分かりにくいところもあるかと思うんですが、要するに知事は積極的な公表については、どう思われているんでしょうか。

(知事)
 正直なところ、学力向上、もっと言うと「知」「徳」「体」を含めた教育の充実にあたって、全国学力・学習状況調査の学校別の結果を公表するかしないかということについては、公表したからといって大きな教育上の効果が出るとか出ないとか、そういう問題ではないんじゃないかと思っています。
 教育改革の取り組みとして、「知」「徳」「体」の教育を進めていくにあたっては、地味ながらもやるべきことをひとつひとつ積み上げていくことが大事なのであって、学校別の結果を公表すれば、教育改革が進むだろうというような形にはならないんじゃないかと、私は思っています。

 ですから、私自身としては、この学校別に公表するとかしないとかという問題よりも、具体的にどうやって授業の改善を図っていくか。そして、子供達の補習の体制とかを具体的にどうやって作っていくのか。体力向上のためのプログラムをどうやって作っていくのか。そういうことを具体的に議論をし、積み上げていくことのほうが大事だと、私は基本的にそう思っています。
 そのうえで、学校にしろ、市町村教育委員会にしろ、それぞれの地域において教育として行ってきた結果について、県民の皆さんや市町村民の皆さんにしっかりと説明責任を果たすべきだろうと思っています。

 県としても、例えば、学力テストの結果について、県全体としての分析した結果を詳しくお伝えをし、また、それに対応して「こういう政策をとる」ということをずっとご説明もさせていただいてきました。市町村であってもそういう説明責任をしっかり果たすべきではないのかと思っているところです。
 ただ、小さい市町村が非常に多いことと、特に公表の仕方によっては、その点数だけに伴った序列化や順位付けみたいなことが自己目的化してしまうという恐れがあることも確かだと思っていますので、そういう点において、都道府県教委が頭越しに公表するということは馴染まないだろうと。これは従来どおりの考え方ですが、私はそのように思っています。

 繰り返しになりますが、私は、学力テストの結果を公表すれば、いきなり教育改革が進むといった、そんな単純な問題なのかと思っています。県ごとの事情の違いがあるでしょうから、他の県のことについて私が良い悪いと言うことは差し控えさせていただきますけど、少なくとも高知県の状況を見た時には、学校別の成績の公表だとか、そういう公表のあり方について従前より踏み込んだようなやり方を別にしなくても、やるべきことをひとつひとつ積み上げていくというやり方でもって、学力向上などの目的は果たせるのではないかと思っています。

(宮崎:高知新聞記者)
 (質問1『各学校の結果の公表について』の回答に)1番を選んでいるということで、積極的に公表すべきだという知事の姿勢に見えるんですけど、そういうわけではないという(ことですか)。

(知事)
 学校のみならず、市町村の教育委員会もしっかりと説明責任を果たすべきという観点から入れたんです。学校が判断するべきであって、市町村教育委員会は関係ないということではないでしょうと。確かに場合によっては、市町村として仕事を果たすために公表することが非常によい手段である場合もあるのかもしれません。やはり、市町村としても、そこはしっかり判断すべきではないでしょうかということを申し上げたくて、私は「1」の選択肢にマルを付けたということです。

南海トラフ巨大地震対策特別措置法案

(福井:テレビ高知記者)
 南海トラフ巨大地震対策特別措置法案のことでちょっとお尋ねしたいんですけれども、この臨時国会で審議される見通しということで、9月県議会のほうで知事も成立に向けた期待感をお話しされたと思いますけれども、(東日本大震災が発生した)2011年3月11日以降、9県知事会議等を立ち上げられて、いち早く国に対して国策の中心に据えての対応を声を大きくして訴えてこられ、県としても全速力でその対策を進めてきたと思います。
 そういった対策を進めながらも、感じていらっしゃる南海トラフ巨大地震対策特別措置法案の重要性といいますか、その意義について今、改めてどういうふうにお感じになっていらっしゃるでしょうか。

(知事)
 やはり、南海トラフ巨大地震対策特別措置法案の意義というのは、南海トラフ沿いに連動型の巨大地震が発生し得るということを、国が正面から受け止めた対策として規定しようとしていることが、一番大きな意義なんだろうと思います。
 今までは、必ずしもその三連動型の地震の発生を前提とした対策ではなかったわけです。ですから、東海地震対策大綱と東南海・南海地震対策大綱が今も別々であり、応急対策活動要領についても別々に作られています。今、日本国においては、この南海トラフ沿いで連動型の地震が発生するという前提での組み立てにはなっていないわけです。

 ただ、今回の法案は、具体的に色んな施策について定めていることもありますけれども、何と言ってもまず基本的な認識として、連動型の地震が起こり得るという前提のもとに立った法律になっています。この前提を率直に認めるところから、色んな国策がどんどん変わっていくことになると思います。まず、その意義は何と言っても大きいと思います。
 そして、津波からの避難についての様々な特別措置、さらには事実上、個別の高台移転も一定可能となるような一連の措置など、法律に盛り込まれている各種施策には非常に有意義なものが多いと思っており、法案の早期成立を本当に是非お願い申し上げたいと考えています。

 今後、仮に法律が成立することとなれば、その法律に関連した政省令について色々議論が行われていきますでしょうし、先ほど申しました地震対策大綱や応急対策活動要領についても見直しが行われていくことになると思います。
 こういう議論に、9県知事会議としてもしっかりと声を上げていって、我々の主張がしっかり反映されるようにしていきたいと思います。昨日も、内閣府の政策統轄官のところにお伺いして、申し入れてきたところです。

(福井:テレビ高知記者)
 今、おっしゃっていただいた政省令もそうだと思うんですけど、法案が成立した以降のことで考えられる課題というのは、高台移転等も含めてありますでしょうか。

(知事)
 1点目は、法律で良い方向での考え方が規定をされていますけれども、問題はその詳細です。例えば、対象施設をどうしていくか等、政省令で定められることとなっている部分も多いので、法律では良いことを書いているけど、政省令で骨抜きになっていることのないよう、政省令がしっかり良いものになるように、我々としても目を光らせていないといけません。また、我々として、非常に現実感のある様々な準備に伴って得てきた知見を政省令に反映できるようにしていくことが非常に大事だと思います。
 2点目は、法律はできても予算無しではいけないのであって、やはり、南海トラフ地震対策を進めていくにあたって必要な予算措置がしっかり確保できていくように、こちらもしっかり政府に対して働きかけをしていくことが大事だと思っています。

集団的自衛権

(池:高知新聞記者)
 9月定例会の一般質問で、知事の答弁の中に、集団的自衛権の行使について一定認めるべきだと思っているという言及がありました。この「一定」というところについて、知事のイメージをもうちょっと詳しくお聞きしたいんですけれども。つまり、どういったものが認められて、どういったものが認められるべきでないのかと。
 例えば、議論にあるのは、地球の裏側まで行くのかとか、あるいはイラク戦争の時、大量破壊兵器が無かったにも関わらず、アメリカと追随して戦地に行く可能性もあったわけで、どこまでが集団的自衛権として認められるべきだという、知事のお考えをお聞きしたいんですが。

(知事)
 まず第一に、集団的自衛権を認めるのか認めないのか、0か1かみたいな議論はちょっとおかしいと思います。どういう集団的自衛権であれば認められて、どういう集団的自衛権であれば認められないのかということについて、細かく議論をしていくことが非常に大事だと思います。
 逆に言うと、0か1かという大雑把な議論をしてしまうと、際限がなくなってしまう可能性もあり、非常に危険だと私は思っています。今、様々な類型化の議論が行われており、4類型とか5事例というのが出てきていますけれども、「こういう場合ならどうだろうか」「ああいう場合ならどうだろうか」ということをしっかりと議論をしていくことが、まず大事だと思います。

 その上で、私は、まだ自分自身、全ての類型についてこうすべき、ああすべきという考えが固まりきっているわけではないんですが、少なくとも、頭上を同盟国に向かってミサイルが飛んで行っている場合、これを打ち落とせるのに打ち落とせないでいるということは、「よろしからず」と思っています。無辜(むこ)〔罪のない〕の同盟国の国民を見殺しにする行為であり、また、それが連鎖して日本国民も著しい危険にさらす行為になってしまうのではないかということを考えた場合、これは認めるべきではないかと。1類型を少なくとも認めるべきということであれば、私は、集団的自衛権について一定認めるべきということになるのではないかと議会答弁で申し上げたところです。

 ただ、あわせて申し上げましたように、この集団的自衛権の中で、どの範囲まで認めるのかという話ですが、逆に言うと、その自衛の目的を越えるものについては認めるべきではないということは明確だと思っています。また、自衛の目的を越えるものについて認めるべきではないからこそ、それを法的に担保する措置も必要ではないのかと思います。

(池:高知新聞記者)
 自衛の目的の解釈が、多分、一番難しいところなんだろうと思うんですけど。例えば、同盟国との関係で言って、アメリカがイラクまで攻め込んで行くという時も、自衛だと言われたら自衛になってくるのかもしれないし、テロ対策だ何だと理由はいくつでもつけられるわけで、自衛の範囲と知事はおっしゃるけど、そこはどうなのでしょうか。

(知事)
 多国籍軍に参加して、イラクに攻めて行くことに日本が参加するということは、自衛の範囲を越えているんじゃないかと思います。逆に言うと、そこは越えていることが明確な部分なんだろうと思います。
 ただ、シーレーン〔船舶の海上航路〕上において、自国の艦船を守っている時に、一緒に共同作戦を張っている外国の艦船が攻撃された場合はどうするのかといったことについては、やはりまだまだ議論があるのではないかと思います。
 とにかく、今の時代の判断が何十年後、半世紀後、1世紀後、とてつもない誤りにつながっていく可能性だってあるわけですので、個別に「こうだったらああだろう」、「ああだったらこうだろう」ということをとにかく慎重に、しっかりと国民的議論にも付していくことが非常に大事だと思います。

(池:高知新聞記者)
 この前も県議会の質問で出ましたが、憲法第96条の改正であるとか、あるいはその憲法の解釈の変更であるとかという質問がありました。
 安倍首相がこの前、内閣法制局の長官に、集団的自衛権の行使を容認する立場にいらっしゃる元フランス大使の方を人事で充てられて、解釈の変更ということも可能になっている状況ではあると思うんです。それと憲法第96条、そもそもの改憲のハードルを下げることの是非論もあります。
 その手続き面で、大きく言うと3つあるのかと思っているんですけど、一つは「憲法第9条の解釈を変更して集団的自衛権を容認するのか」、それと「憲法を改正するにしても、第96条を改正して改憲のハードルを下げた上で集団的自衛権を認めるような改憲をするのか」、それとも、「現行の憲法の手続きに基づいて議論を進めるべき」といった、主には三択なのかと思っているんです。
 知事ご自身は答弁の中で、認めるべきとされる集団的自衛権の内容が現行憲法では認められないということになるのであれば、憲法改正を目指して改めて国民的議論に付すべきだというふうにおっしゃられたんですが、先ほどの3点から言ってどういうふうに理解したらいいんでしょうか。

(知事)
 こういう場合であれば認めるべきだとされるものが、場合によっては、個別的自衛権の延長だと解釈されることがあるかもしれません。それであれば、現行憲法で読んでいくことは可能だろうと思います。
 しかしながら、無理だろうと思われるものについて、無理を通して解釈の変更でいくというやり方はしないほうがいいだろうと私は思っています。堂々と憲法改正についての議論をしたほうがいいと思います。

 ただ、個別的自衛権なのか、集団的自衛権なのか、それとも、個別的自衛権の延長として読めるかどうかといった点については、大いに議論をしたらいいと思います。
 正直、憲法ができた時と今とでは、科学技術に著しい差があります。例えば、頭上を飛んで行くミサイルを日本に飛んできた段階で、これがアメリカに行くミサイルだと判断し、速やかに日本で迎撃することができるシステムというのは、憲法を作った当時には無かったわけです。
 ところが、今の時代、科学技術の発達によってそういうことも可能になるかもしれないという時代になっているわけです。やはり、時代の状況にあわせ、科学技術の発達の度合に応じて解釈や条文のあり方など、色々変えないといけないところも出てくるでしょう。であれば、解釈でしっかり読み込めるものであればいいですけど、読み込めないものであれば、やはり、改憲論議をしっかりすべきであると思っています。

 もう一つは、憲法第96条のハードルを下げることについて、色んな議論がありますので、よくよく考えたほうがいい側面があるんじゃないかと思っています。というのは、今の時代の状況にあわせて憲法を変えやすくするということであるかもしれませんが、他方で言うと、憲法を悪い方向に容易に変えやすくすることにもつながるわけです。
 やはり、米国の憲法だって、決してそんなにハードルは低くないと思いますけれども、徹底して議論して憲法の修正にずっとつなげてきているわけであり、私はどちらかと言うと、憲法第96条は現行のまま残しておいて、徹底した議論を行っていくべきではないかと。やはり、こういうことで必要ではないでしょうかということを堂々と訴えていき、徹底して議論し、結果として現行手続きに従って判断をするべきではないかと思います。

(池:高知新聞記者)
 内閣法制局の長官を変えた、安倍首相のやり方についてどう思いますか。

(知事)
 そこまでは分かりません。

減反政策(2)

(竹村:高知新聞記者)
 先ほどの減反のことで、ちょっと確認したい点があるんですけれども。知事は先ほど、全く見直さないというのではないが、よくよく議論しなければならないとおっしゃっていましたが、全く見直さないわけではないとすれば、どういう点から見直しをしたほうが(いいと思いますか)。

(知事)
 見直すべきだとされている方々の主張にも、分かる点はあるということを申し上げているんです。だから、見直さないというわけではないが、かと言って、私が見直すと言っているわけではなく、一切つつくことは許されないとは言いませんということです。
 なぜかと言うと、減反を通じても、一定、価格が安定したとはならないんじゃないかという議論があります。それから、農家の経営意識を妨げているのではないかという指摘もあります。そういう指摘には、一定見るべきものはあるんじゃないかと思っていますので、そういう視点から、この政策の有り様を議論してみること自体、否定するものでは当然ありません。

 ただし、減反政策そのものについて、大規模農家中心になって、中小規模農家の切り捨てにつながるような政策であっては絶対いけないということが1点目です。そして、2点目として、日本型直接支払制度等において中山間地域に特に配慮すべきという政策提言をしていますが、その点も極めて重要だという両方を申し上げたいということです。

(竹村:高知新聞記者)
 11月末までに制度見直しも含めて、具体的検討案をまとめるということで、先ほど知事がおっしゃったように時間があまりにもない中で、何か降って湧いたような話で進んでいっているという印象があるんですけれども、その点については徹底した議論をすべきという(お考えでしょうか)。

(知事)
 そういうことをやってもらいたいです。我々もまた、状況によっては、政策提言などもしないといけないと思います。
 他方で、日本型直接支払制度についても従前になく、例えば、地域別の有り様などについての議論がされているんじゃないかという雰囲気は感じています。
 だから、相当活発に両面を議論しているんだろうとは思います。ただ、今の段階で全容を我々としても掴めていないものですから、早く全容を掴んで政策提言などをしていかないといけません。

(天野:朝日新聞記者)
 今の減反との絡みなんですけど、結局、TPPがあって、減反が出てきたじゃないですか。何となく流れ的に、新自由主義の方向にまた戻っているのかなという印象がどうしてもするんですけど、その辺りは(どうお考えでしょうか)。

(知事)
 「強いものがより強く」というだけでは済まないのが農業なんだということをよくよく訴えていかなければならないと本当に思っています。
 先ほど言われたような方向にいっているから、こうなった可能性というのも当然あるわけですが、そうだとまだ断定できる状況ではないでしょう。我々としては、中山間の農業などの必要性や意義をしっかり訴えていき、もし、新自由主義的な考えが非常に強くなっているのなら、それに対するアンチテーゼ〔ある理論・主張を否定するために提出される反対の理論・主張〕としての考え方をしっかり強く主張しないといけないと思います。

(天野:朝日新聞記者)
 東京のほうに行かれて、色んな政府の方達と会ったとおっしゃっていましたけど、感触的にはそこまで深刻な状況ではないんですか。

(知事)
 この間、話した時には、主としてTPPの話をしていましたので、減反について十分まだ情報は得られていなかったです。

(小笠原:高知新聞記者)
 そもそも論として生産調整という手段であり、高知県では、昔、橋本大二郎前知事の減反見直し発言がすごく議論になった経緯があるんですけれども、生産調整という手段そのものについて、色んな農政の歴史を踏まえた中でこういう事になっていると思うんですが、その点に関してどのように評価されていますか。

(知事)
 やはり、価格が非常に低下しており、米余り状況が続いている中で、国全体としては止むを得ない側面のあった政策だったんじゃないかと思います。
 ですけど、言うまでもなく、条件が色々違うことを踏まえた対応をお願いしたいと思います。その点についてのフォローアップというのは、中山間地域等直接支払制度などでやってきたんだろうと思いますが、どちらかというと今までは、非常に大規模農家と中山間地域の農家について、十分なコストに見合った実質的なイコールフッティング[同一の条件]になっていなかったという側面があると思っていますから、そこを従前より政策提言で訴えてきたところです。
 だから、減反の議論をする時は、同じことの繰り返しになりますけど、中山間地域の農業を、例えば、日本型直接支払制度といった形でどうやって守っていくかということをセットで議論していただく視点が極めて重要だと思います。

(小笠原:高知新聞記者)
 大元の部分では、ある程度の(生産調整は必要だったと)。

(知事)
 大元の部分では必要だと思います。ただ、価格の低下に対して、効いていないじゃないかと言われると、それは確かにあるんだろうと思います。

特定秘密保護法案

(井上:高知新聞記者)
 特定秘密保護法案について、先日、閣議決定もされて議論は進んでいるんですけど、一方では全国の世論調査で半数以上が反対という、どうしても国の情報統制ということを懸念するような意見もある中で議論は進んでいるんですが、知事はこの法案に対してどのようにお考えですか。

(知事)
 私もかつて外交官だったので、こういう特定の秘密の保護を図っていくことの重要性というのは、ある意味、身に染みて感じるところがあります。ですから、やはり特定の秘密がしっかり守られることは大事だと思いますし、特定の秘密がしっかり守られる国じゃないと、有益な情報を外国と意見交換することができないんだという主張自体についても、私自身もそうだろうと思うところはあります。

 ただ、色々懸念されている点について、色んな議論が出ていることも確かで、例えば、(特定の秘密を取り扱う職員などが)取材に対して必要以上に萎縮してしまうんじゃないかとか、さらにもっと言えば、政府が都合の悪い事を隠すためのツールとして使われてしまうようなことなっては、当然いけないだろうと思います。
 だから、秘密の保護を図ること自体の意義というのは私も大いに思います。他方で非常に懸念されている点について是非、丁寧な議論を積み重ねていってほしいと思います。

(井上:高知新聞記者)
 今、出されている法案というものが十分な内容を満たしているのでしょうか。

(知事)
 大分良い方向での修正は、図られてきているんだろうとは思います。私が今、この特定秘密保護法案について、政府に対して影響力を持っているかというと、正直持っていないとは思います。ただ、私が思うには、指定の基準をしっかりして、かつ指定したことを第三者が一応確認でき、都合の悪いことを隠蔽するために使ったことにならないよう指定の基準に合っていることを外から確認できる手段は必要なんだろうと思います。
 ただ、問題は外からも隠さないといけなくなってくるので、堂々巡りかもしれませんが、少なくとも、もう一段丁寧な仕組みというのはあるんじゃないのかと、新聞報道などを読んでいて思っているところです。

日米共同統合防災訓練(2)

(天野:朝日新聞記者)
 先ほどの(オスプレイが)高知市上空を飛んだ部分なんですけど、日米合意を読むと低空で市街地上空を飛んではいけませんとも書いているし、あと、低空でと、何か条件をつけないでも市街地上空を飛んではいけませんといったような、非常にファジーなところがあります。知事の見方としては、低空でなければ違反にならないという(お考えでしょうか)。

(知事)
 一定の高度以上で飛んでいる航空機全てといっても、それは何か現実問題としては大変なんだろうと思います。
 ただ、あってはならないのは、低空で密集地の上を飛ぶということです。現実に、オスプレイに限らず、本県では低空で嶺北地域の病院の上を飛んでいるわけですから、そういうことについては、従前より抗議を申し上げてきたとおりで、そこのスタンスは変わらないです。
 今回の高知市の上空を飛んだ事案については、高度としてはかなり高かったんじゃないかと思っています。ただ、むしろ、そちらの問題というより、これだけ10月25日(の日米共同統合防災訓練)に向けて、オスプレイの安全性といったことを色々議論している時に、不用意にそういうところを飛ぶことについて、正直もうちょっと丁寧な姿勢でいていただきたいという思いがしました。

県民世論調査

(井上:高知新聞記者)
 県民世論調査で、高知家にも関することかと思うんですが、飲酒店で初対面の人と意気投合したことがあるという数字が34.5パーセント、3人に1人というような割合だったんですけど、なかなか庁内でもそれが高い低いという主観的な部分があって、色々人によって個人差はあるかと思うんですが、知事ご自身はこの数字をどのように受け止めていらっしゃいますか。

(知事)
 東京で20年ほど暮らさせていただいた者としてみれば、極めて高いと思います。

(司会)
 以上で記者会見を終わらせていただきます。

 

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