知事の記者発表(平成25年11月29日)

公開日 2013年12月09日

更新日 2014年03月19日

知事の記者発表

平成25年11月29日(金曜日) 9時00分から9時53分  第一応接室

12月補正予算の概要
南海トラフ地震対策(1)
高知家
新資料館及び新図書館
消費税の軽減税率
南海トラフ地震対策(2)
参院選1票の格差
軽自動車税の増税
カゴメとの包括協定
土佐電気鉄道

配布資料
平成25年12月補正予算(案)の概要 [PDFファイル/5.37MB]

12月補正予算の概要

(知事)
 県議会12月定例会を12月6日に招集します。今回の提出議案は、予算議案が平成25年度一般会計補正予算など8件、条例その他議案が44件、報告議案が1件。合計53件となります。この補正予算の概要についてご説明させていただきます。

(資料1 平成25年12月補正予算(案)の概要により説明)

会見する尾崎知事
(資料の2ページを示しながら) 今回の柱は大きく2つです。1つは、「南海トラフ地震対策のさらなる充実強化・加速化」。もう1つは「産業振興計画の推進」です。そして、その他の事項があります。総額は62億1,600万円で債務負担行為は85億2,400万円になります。この62億円という12月補正予算の規模は、(例年、国の経済対策の有無で)大きく変動しますが、いわゆる経済対策が無い時期の補正予算としては比較的大型の予算になろうかと思います。

 「南海トラフ地震対策のさらなる充実強化・加速化」について、まず、発生直後の被害を軽減するための取り組みとして、保育所の高台移転に伴う施設整備を支援します。具体的にこういう形で高台移転の支援をしますのは、これが県内第1号になります。
 また、この財源としては、県職員の給与の特例的な減額の部分を「高知県職員等こころざし特例基金」として積み立て、高台移転等の財源に充てる措置をとることとしています。
 また、新たに改正された(耐震改修促進法の)法施行に伴い、ホテルや病院など大規模建築物の耐震化対策を加速するということで、9月補正予算で大規模施設の耐震診断を3件実施することとしていましたが、この12月補正予算で、さらに追加的に病院などの耐震診断と設計を後押しさせていただくことになります。

 そして、応急対策については、9月補正予算から第2期行動計画に基づいて本格的に取り組みをスタートしたところですが、今回の12月補正で応急対策をさらに追加的に実行します。
 1つは、応急対策活動用の燃料備蓄設備を高知市と共同で整備していくことで、いざという時の応急対策を行っていくための県有車両等の燃料備蓄の推進をしていきます。さらにもう1つは、消防防災航空隊や県警航空隊の基地をかさ上げするための造成工事を実施することとしています。

 ご存知のように、L2クラス〔極めて発生頻度の低い最大クラスの巨大地震〕の津波がやってくると、現在、高知空港の消防防災ヘリなどがあるところも浸水する恐れがあります。このヘリコプターが浸水すると、情報収集活動や救助活動、さらには色んな物資の搬送等に大きな障害が生じ得ることになります。
 そのため、この基地をL2クラスの津波の想定高よりも高いレベルまでかさ上げして、いざという時にもこのヘリコプターが使い続けられるようにしていく取り組みをしていきたいと考えています。9月補正予算からスタートした応急対策活動のための対策をこれからさらに加速していくことになります。

 2番目の柱が、「産業振興計画の推進」です。1番目のポイントは、来年4月1日段階から来年度の施策を途切れなく円滑に実施できるよう、事前に予め準備をしておこうとする予算を計上させていただきます。併せまして、来年4月1日以降の施策内容を充実します。
 1つは、「高知家」プロモーションのさらなる戦略的な展開を図っていくため、「高知家」プロモーションを充実していきたいと考えています。
 さらにもう1つは、観光キャンペーン「リョーマの休日~高知家の食卓~」を推進するための経費と、龍馬パスポートが来年から5段階になるようにステップアップの段階をさらに拡大していくことで、新しくバージョンアップするために必要な経費を12月補正に積ませていただき、4月1日から始められるように準備をしていきたいということです。

 あと、土佐まるごとビジネスアカデミーについても内容を充実して、4月1日時点からスタートできるようにするため、募集開始を3月ごろと考えています。例えば、就職が決まりましたとか、引越しをしましたとか、4月からの準備をしている方々が応募できるという意味においても、12月補正予算で計上させていただいて準備を始めたいと思っています。
 (土佐まるごとビジネスアカデミーの)バージョンアップと書いてありますが、いくつかバージョンアップのポイントがあります。講座の中身を充実していくこともありますが、もう1つは、女性向けの企業支援を行っていくための講座を設けようという取り組みを行うとか、入門編が終わった後に次の基礎編の方へ速やかに移ることができるように、講座のタイミングをうまく調整しました。時期をずらすことによってステップアップを順調にしていきやすくするためのカリキュラムの見直しなども行ったところです。

 2番目は、「新規就農者の育成と生産性の高い農業の実現」です。平成26年4月に「担い手育成センター(仮称)」を設置したいと考えています。今年4月から6月にかけてJAの生産部会の皆様方にご協力いただき、それぞれの農家の将来像についてじっくりと話し合いを重ねていただきました。例えば、10年後をにらんだ時に、この集落の中で、農業をやめられる方がどれだけいるだろうか。それに伴って新しく就農される方はどれぐらいいるだろうか。そういうことを皆さんで話し合いをしていただきました。

 その結果、10年間で約16パーセントの就農者が減ってしまうんじゃないかということが大体分かってきたところです。であれば、10年間で毎年280人ずつ新規就農者を育成していく必要があるのではないかと。今、産業振興計画の年間目標は230人の新規就農者を確保することであって、去年は260人以上新規に就農していただいたわけです。ただ、もう一段、施策を強化していきたいという思いもあります。後でもう一度詳しく説明しますが、この「担い手育成センター(仮称)」を設立させていただきたいと考えています。

 3番目の「その他」です。まず、工業用水道事業会計の経営健全化のための債務解消です。会計処理の仕方が変わったために、工業用水道事業会計が債務超過に陥ってしまう可能性があります。しかしながら、それでも事業継続ができるようにするため、この際、積年の課題でした工業用水道事業に伴う一連の問題を一挙に解決したいと考えています。
 併せて、定数削減などによる人件費総額の減額も補正しています。

(資料の3ページを示しながら) (12月補正予算の)金額です。62億円となっており、規模感は先ほど申し上げたとおりです。県債残高については、引き続き減少傾向を維持していくことに変わりはありません。
 普通建設事業費については、(増額補正により)1億円増えて1,152億円ということで、平成16年ぐらいの時の水準よりも少し高いレベルになっています。やはり、規模感としては、かなり大きいと思っています。

(資料の4ページを示しながら) 「南海トラフ地震対策」についてです。平成25年6月に第2期の行動計画を策定して、この行動計画に伴うものを6月補正、9月補正として、トータルで24億円の補正を重ねてきました。さらに、この12月補正予算により29億円の補正予算を組ませていただくことで、対策を加速していきたいと考えています。
 発生直後の被害を軽減するための対策として、1つは「揺れに備える」という点では、先ほども申し上げた大規模建築物等の耐震化に対する支援を行います。「津波に備える」という点では、第1号となる保育所等の高台移転に対する支援を行います。

 加えて、財源としては、職員等の給与特例減額分を積み立てた基金を活用します。
 応急対策の速やかな実行を、これから概ね3年間で概成させていきたいというのが県政上の目標です。そのために必要となる燃料の確保や航空隊基地の移転整備の取り組みをスタートさせたいと考えています。

(資料の5ページを示しながら) 「保育所・幼稚園等高台移転施設整備事業費補助金」です。既に去年9月、高台移転のための色々な施設を調査する補正予算を計上して取り組みをスタートしていました。いよいよ、その調整が相成り、具体的に高台移転をスタートさせていきたいということです。
 こちらの資料にあるように、最大浸水深別で0メートル以上浸水する保育所や幼稚園等は、全園数314園のうち122園あります。15メートルから20メートル浸水するかもしれないところが1つ。10メートルから15メートルが9つあるという非常に厳しい状況です。しかも、津波が10分から20分以内に到達するところが10園あるという中で、乳幼児1人では当然のことながら避難できません。

 他方、職員のみでは限界があります。とにかく、子どもたちの命を守らなければなりませんし、また、もう1つは、お子さんだけじゃなくて、必ず周りの人が助けに行きます。1つの保育所や幼稚園等に伴って何百人の命が失われてしまう可能性がありますので、とにかく、保育所や幼稚園等の高台移転を急いでいきたいと考えています。
 今、高台移転を検討中の施設が、9市町19箇所25園です。移転先が決定したのが3市町3箇所6園あり、その中で土佐清水市の3園が具体的に市側の準備も整ったということで、この度、予算計上させていただいて高台移転をスタートします。
 この高台移転を後押しする補助対象施設は、保育所・幼稚園・認定こども園です。

 補助要件は、津波浸水予測区域外へ移転することです。補助基準額は、それぞれ(施設の定員規模等に応じて)設定しますが、併せて、継続的な保育の提供を確保できるBCPの部分も後押しできるようにしたいと考えています。
 補助率は、県の予算も当然のことながら国の使えるものは使い、トータルで4分の3までの補助を行うことで、大いに取り組みを加速させたいと思っています。補助期間は平成27年度まで設けています。
 「高知県職員等こころざし特例基金の活用」については、職員等の給与特例減額分を原資にして、この度、総額28億円の特例基金を積み立てました。この特例基金を使って、保育所や幼稚園等の高台移転を大いに進めていきたいと考えています。

(資料の6ページを示しながら) 土佐清水市の保育所の高台移転への支援については、県内第1号ということで、清水保育園、旭保育園、浦尻保育園の3つの保育園を統合し、高台へ移転されるものです。最大津波浸水深が10メートルから15メートルという深さもさることながら、津波の到達が非常に短い時間でやって来ますし、また地盤も液状化することが予想されているところに立地しているものもあります。
 私も、「対話と実行行脚」でこの保育園をお伺いさせていただきましたが、本当に保護者の皆様が泣かんばかりにこの高台移転のお話をされていました。私も一緒に避難場所まで歩いて行きましたが、この山自体も若干、地形的に山崩れなどを起こすんじゃないかと不安なところもあり、「一番安全なのは向こうの高台に逃げることですが、そこまで子供を連れては逃げられないので何とか保育所の高台移転を」というお話でした。

 土佐清水市の皆さんと鋭意お話をさせていただき、土佐清水市役所の皆さん方が大変熱心に全力で取り組まれ、今回、こういう形で高台に3つの園を統合して、標高50メートルのところに新しい保育園を作ることになりました。
 今後、こういう高台移転の必要なところが、県下にたくさんあると思います。是非、今回の土佐清水市の第1号に続いて、第2号、第3号と増えていくように、我々県としても全力で応援させていただきたいと考えています。
 既に、宿毛市の小筑紫保育園、それから、中土佐町の上ノ加江保育所も高台移転の準備を進められているので、準備の整ったところから随時、高台移転を現実のものにしていきたいと思います。

(資料の7ページを示しながら) 「高知家」プロモーションです。移住促進のための取り組みとして、産業振興計画のパンフレットなどでもずっとご説明させていただいていますが、大きく段階が4つあります。
 そもそも高知を知らない、関心がないという人に高知を知ってもらう。そして、高知を好きになってもらう。そして、行きたいという気持ちになってもらい、少なくとも1回は観光で来てもらう。来てもらった方にリピーターになっていただいて、できれば、住もうかと思っていただくという一連の段階を通じて移住促進につなげていきたいと思っています。

 今年6月にスタートしました「高知家」プロモーションでは、特に高知を知ってもらい、好きになってもらうという段階を強化していくため、(「高知家」の特設)ウェブサイトでは、70万ページビューを是非達成したいということで取り組んできました。11月20日時点でもう既に76万2千ページビューと、目標は達成できている状況です。
 また、「高知家」ピンバッジも5万個以上配布させていただいています。ありがたいことに、県民の皆さんとともに、この「高知家」プロモーションを進めさせていただいているところです。
 タイアップさせていただく企業さんの数も増えてきました。カゴメさんも今日、東京で包括協定を結ばせていだたく予定となっています。

 今までの投資の広告換算効果ということでは、あくまでも広告換算効果のみですけれども、各種メディアへの露出を見させていただきましたら、「高知家」予算としては約3,300万円かけてきたところ、テレビなどメディア等への露出を広告費に換算すると約3億1,200万円ということです。少なくとも投資に対して10倍の広告を見た時の換算効果はあるということで、相当の効果が出てきていると思っています。

(資料の8ページを示しながら) 「高知家」プロモーションの検証では、「高知家イメージ調査」を実施しました。無作為抽出で、首都圏・関西圏エリアに居住する20代~60代の男女5千人の方にインターネットで調査しました。ちなみに、比較の対象として、移住希望が非常に多いとされる長野県と最近、活発にプロモーションをしている広島県、香川県、熊本県をベンチマークとして、同時に調査をしました。
 この調査の結果、高知県の愛着度・好感度63.6パーセント、観光意向度58.6パーセント、移住意向度18.2パーセントといったように、比較的高い評価をいただいていることが明らかになっています。

 また、5年以内に高知においでいただいた方の好感度が84.9パーセント、観光意向度、リピート意向率が75.4パーセントと約4分の3、移住意向度が32.5パーセントと約3分の1ということからも、結果としては結構高いんじゃないかと思っています。
 さらに、『「高知家」というプロモーションはご存知ですか?』という質問に対しては21.9パーセントと5人に1人がご存知であり、さらに、『この1年間で高知県への興味が上昇しましたか?』という質問に対しては、上昇した方が20パーセントです。ちなみに、「くまモン」の熊本県が21パーセントで、香川県が16パーセントですので、高知県の20パーセントというのは相対的に高いという結果です。一言で言うと、「高知家」プロモーションの効果が出始めているのではという感じです。

 もう1つ、高知県への観光経験や「高知家」の認知・非認知と、高知県へ行きたいとか、住みたいといった意向との関係を調査しました。高知県の観光経験無しで、「高知家」をご存知ない方の好感度は54.7パーセントです。ただ、「高知家」をご存知の方は好感度63.9パーセントです。行きたい度は、高知家非認知51.4パーセントに対し、高知家認知が61.5パーセントです。住みたい度が高知家非認知14.0パーセントに対し、高知家認知が18.7パーセントに上昇します。
 この結果から、「高知家」を知っていただくと一定、好きになっていただき、行きたい、住みたいと思っていただくことが分かったところです。

 さらに、5年以内に高知県の観光経験ありの方々は、「高知家」を知らなくても好感度が82パーセントあります。さらに「高知家」も知っていると92.0パーセントまで好感度が達すると。「高知家」を認知することで、もともと好感度の高い方々の層を、さらに引き上げることができているということです。
 単純に一言で言うと、高知県に観光経験がなく、「高知家」のことも知らない人の好感度は54.7パーセントですが、5年以内に高知県に観光したことがあって、「高知家」のことも知っていると、一挙にこの54.7パーセントが92.0パーセントまで上がることを意味しているわけです。

 このデータを基に「高知家」プロモーションの今後の方向性を考えた時、やはりここは、さらに前へ進んでいくべき時期だと判断させていただいたところです。高知県はそもそも、かなり高い潜在能力があり、来ていただければ、さらに良さを実感していただけることがこのデータで分かります。
 そして、「高知家」の認知度は、かなり高いんじゃないかと。「高知家」プロモーションを知っていただくことで高知県に対するイメージがさらに向上することが分かりました。

 こういうことから、「高知家」プロモーションは一層の投資効果が期待でき、さらには、「高知家」プロモーションは、具体的な成果に結びつき得ることを実感させていただきました。そういうことで今後、「高知家」プロモーションを継続・強化していくため、「高知家」の認知度をさらに上げていく取り組みを進めていきます。
 そして、具体的な物事に結びつき得ることが確認されたところですので、「高知家」プロモーションのキャンペーンとともに、県産品の販売拡大、観光客増、移住者増といった一連の施策群とタイアップし、より一層結びつきを強めていきたいと考えています。

(資料の9ページを示しながら) 平成25年度段階における「高知家」プロモーションの狙いは、(高知県を)知らない人に好きになってもらうことでしたが、もう一段、この「高知家」プロモーションを行きたくなるとか、住みたくなるという、より具体的な行動変容につなげる段階のところをターゲットにして、「高知家」プロモーションを強化していきたいと考えています。
 ベンチマークもしっかりと設定し、高知家認知度を平成26年度に25パーセント、平成27年度に30パーセントまで上げていくという数値目標も掲げながら、このプロモーションを展開したいと考えているところです。

 来年4月になって、しばらく予算の都合上でプロモーションができなくなるといったことがないようにしていきたい。しかも、こういうものは、一定更新していかないと飽きられてしまうので、切れ目なく話題を提供できるようにしていきたいと考えています。
 さらに、イメージ調査で、実際に60代への発信が弱いんじゃないかとか、「食」を中心にした発信がより有効じゃないかとか、もう一段「住む」を意識した発信をしてはどうかといったことなど、色々分かってきた点があります。

 こういったことを踏まえて、露出強化を狙っていきたいと考えています。やはり、インターネットだけじゃなくて、車内の貼り広告をして高齢の方にも見ていただきましょうといったことも狙っていきたいと考えています。
 そして、露出を強化していきながら、併せて官民協働による観光振興施策、移住促進施策、地産外商の一連の施策とタイアップしたセールスをより強化していきたいと考えています。
 具体的な成果につなげるため、「高知家」プロモーションを2年目の段階としてやっていきたいと考えているところです。

(資料の10ページを示しながら) 「担い手育成センターの整備」です。先ほど申し上げたように、今後の新規就農者の状況について、今年4月から6月にかけて各生産部会で色々お話をいただきました。その結果を推計すると、今後10年間で約16パーセント、担い手が減るんじゃないかということが予測されています。また、新規就農者は最近増えているんですが、やはりまだ就農後3年間から5年間の販売額が500万円程度と、かなり厳しい状況で経営していることが分かってきています。

 そういうことから、担い手育成のためのさらなる取り組み強化とともに、もう一段経営管理の後押しをさせていただくような取り組みなども今後、農業の担い手育成という観点から必要ではないのかと考えています。
 産業振興計画の農業産出額の目標は、人口減少が進む中において1,050億円を目指すことを狙っていますが、残念ながら、まだ目標に届いていません。県民の皆さんの1人当たりの所得をしっかり確保していくためにも、この農業産出額の目標を目指した取り組みを進めていきたいと考えています。
 その農業者の皆様を支援するための取り組みとして、この「担い手育成センター(仮称)」を作って新規就農者の育成をする。基礎技術の研修をしっかりできるようにして、例えば、篤農家〔熱心で研究心に富んだ農家〕の方に新規就農者の育成をお引き受けいただくにあたっても、まず基礎段階を学んでいただくことがしっかりできるようにする。そして、経営管理の基礎研修もしっかり行い、併せて、先進技術もお伝えしましょうと。

 さらに、研修終了後に就農に向けた農地や住居等の情報とのマッチングをこの施設で一定できればいいと考えています。また、研修生の受け入れ枠の拡大をするためにも、長期研修用宿泊施設も整備していきます。
 もう1つは、農業者や指導者の学びの場です。さらなる発展を目指す皆様方の取り組みも後押しできるように、整備していきたいと考えています。
 オランダ型の農業を今、農業技術センターで開発しています。その開発した技術を、既に農業をどんどんやっている方にもお伝えしていくことで、全体、いわばトップランナーをさらに強くするという取り組みなどもできればいいですし、その方々が先生になって、若い人に教えていただくようになっていければいいと思います。

 平成26年度から平成28年度までの3年計画で、このセンターの設立を図っていきたいと考えていますが、まず、平成26年度は、各種施設整備に先行して研修内容の充実を図りたいと考えています。例えば、オランダ型で学んできたものをベースとして、炭酸ガス施用などの増収技術の習得もできるような研修も行えるようにしたいと考えています。そのために必要な機器を今回の12月補正予算で計上させていただいているところです。
 平成27年度には、今後、先進技術の実証機能を強化するとともに、さらに研修を充実していくため、新設のハウスを作り、さらには就農支援の取り組みの機能をさらに付加していきます。
 平成28年度は、新たに長期研修用宿泊施設の完成を終えて、長期の研修生の受入人数を20人から40人まで倍増していくことを考えています。

(資料の11ページを示しながら) 「工業用水道事業会計の経営健全化に向けた取り組み」です。中筋川ダム関連工業用水道事業については、中筋川ダムが平成10年に完成しました。利水と治水の両方を目的としたものであり、治水面では今までも大いに効果を発揮してきたと思っています。しかしながら、利水面では西南中核工業団地等に工業用水の供給を計画していましたが、その整備には至っておらず未事業の状況です。
 香南工業用水道事業については、平成14年に完成しました。昨年7月に一部給水を開始しましたが、まだ8分の7が未稼働という状況です。

 こういう現状であり、料金収入が無いものですから、一般会計の借入金残高は、借金返済のためなどの維持費の支払いにより、年々増加している状況です。
 そういう中で、平成26年度から全国統一で新たな公営企業会計制度として、減損会計が適用されます。そうなると、工業用水道事業会計全体が、この2つの(工業用水の)影響で債務超過になってしまい、一般会計からの貸付もできなくなります。その結果、現在の工業用水道事業は継続できなくなります。実際に、全部で54社の方が県下で利用しているわけですから、どうしても事業を継続させていかないといけませんし、財務上の問題を解決しなければならないことが第一です。

 もう1つは、香南工業用水道事業について、高台移転のニーズを考えた時に、企業立地のポテンシャルが非常に高まっていることから、引き続き、全面稼動に向けた取り組みを継続する必要があると考えています。

 中筋川ダムについては、一般会計への移管等の対策の検討要請を議会からもいただいています。さらに、企業債の元利残高も繰上げ償還が可能な金額にまで、年々減らしているという状況になってきたわけです。
 今回、一般会計からの補助金を支出することで、企業債や借入金の債務を解消し、債務超過状態とならないようにする。そして、工業用水道事業全体の事業を継続できるようにする。さらに、香南工業用水道事業については、引き続き用水型工業立地を粘り強く働きかけるとともに、震災に強い高台の工業団地整備による新たな給水先の確保を図る取り組みを強化したいと考えています。

 一方、中筋川ダム関連工業用水道事業については、事業廃止も視野に入れざるを得ない状況だと考えています。ただ、事業廃止を行う場合の費用負担免除等の制度が、現在は残念ながらありません。この制度の創設について国に働きかけていく必要があると考えています。
 そういうことで、今回、実質的な補助額として18億円を両工業用水道事業会計に投入させていただくことにより、長年にわたり本当に大きな課題であったわけですが、この解決を図りたいと考えています。

(資料の12ページを示しながら) 個別事項については、こちらに記載させていただいていますので、ご覧いただければと思います。

南海トラフ地震対策(1)

(福井:テレビ高知記者)
 高台移転についてですけれども、先日、成立しました南海トラフ(地震対策)特別措置法の支援というところでも、子どもたちの施設が対象になっていたと思うんですけれども、今回、県独自の補助を打ち出すのは、その特別措置法の適用を待たずして速やかに全速力で対策を進めていこうとする県の姿勢の表れということでよろしいんでしょうか。

(知事)
 まさにそういうことです。(南海トラフ地震対策)特別措置法ができても、まだこれから政省令の整備も必要ですし、その予算措置についても、まだこれから具体的に議論していくことになるわけですから、やはり時間がかかります。
 従前より申し上げているように、国からの力を是非、色んな取り組みにあたって引き込んでいきたいと思っていますけれども、ただ、その国からの力を引き込んでくる前にあっても、県としてやれることはどんどん進めていきたいと思っています。
 ただ、国の力を取り込んでくることができれば、その取り組みのスピードや規模感が飛躍的に拡大するだろうと思います。県独自でやると小規模でしかできませんが、我々ができる範囲内で、全力で取り組みを進めていき、そして、国の力が具体的に使えるようになった段階で、それを大いに引き込んで、より取り組みを加速していきたいと思っています。

 そして、もう1つ、高台移転となりますと、非常に色んな調整が必要になってくるわけです。移転先をはじめ、移転に伴って色々と普段の利便も変わってくる場合もあったりしますから、時間がかかるわけです。そういう意味においても、早い段階から、この高台移転が具体的なものになることを、多くの皆様に見ていただくことで、各地の地元調整や市町村における調整を加速してもらいたいという思いもあります。そういうことで今回、(補正予算を)計上させていただいたということです。

(福井:テレビ高知記者)
 子どもたちの命を守るということで、何か知事のお考えを教えていただけることがありましたら(お願いします)。

(知事)
 やはり、小さい子どもたちが津波で犠牲になることは本当に避けたいと思っています。将来を担うかわいらしい子どもたちの命を守りたいと思います。そして、子どもたちの関連施設に何かあった時、犠牲になるのは子どもたちだけじゃなくて、周りから大人たちが助けに来ると思います。その助けに来る人たちも一緒に巻き添えになってしまう可能性があるわけですから、本当にある意味、(保育所や幼稚園等は)災害が起こった時に最も保護しないといけない、最も助けなければならない施設だと思います。
 そういうものは予め安全なところに移しておくのが一番だと思っていますので、是非それを進めていきたいと思います。

高知家

(倉沢:毎日新聞記者)
 「高知家」ですが、今年6月に「高知家」の表札を発表してから半年が経とうとしているんですけど、平成27年度までの目標を踏まえると、半年というのはスタートの期間だと思います。先ほど知事からも「効果的だ」というお話もありましたが、改めて半年を振り返っての感想と、平成27年度に向けてどういうふうにしていくかというビジョンをお聞かせ願います。

(知事)会見する尾崎知事
 (「高知家」特設サイトの)ページビューが76万回と、もともと目標が70万回でしたから、既に11月の段階で超えているのは、ありがたいことだと思いますし、そういう意味においては、(首都圏や関西圏における「高知家」の)認知度が22パーセントぐらいというのは、正直なところ、ここまで高いとは思っていなかったので、ありがたいことだと思っています。
 もう1つ嬉しいのは、募金をお願いしてピンバッジを配付するという取り組みを進めましたところ、11月18日時点で5万1,069個と、今もう5万個を超える数を皆さんがつけていただいているわけで、県民の皆さん一緒になって盛り上げていただいていることが非常にありがたいと思っています。

 他方で、こういう新しいことを運用していく中で、例えば「ホームページはもうちょっとこういうふうにしたほうがいい」とか、「こういうところをもう少し簡素化すると効果的ではないか」とか、色んなノウハウも出てきていますので、そういうものも踏まえて、数値目標も置きながら、9月補正予算でも一部改正の補正予算を組ませていただきましたけども、やはり、(「高知家」特設サイトへのアクセス)数値の状況を見ていきながら、色んな方のご意見を伺い、不断の改善を図っていきたいと思います。

 そのうえで、もともとそう考えていたわけですが、最初の段階の取り組みとして、「高知家」でやってきたことはしっかり継続していきながらも、次の段階に進めていくということです。これは多分、もう一段難易度が高いんだろうと思いますが、ある意味、「高知家」が皆さんの食卓に入り込んで行かないといけない。そうなっていきますと、もう一段難易度は高くなってくるだろうと思いますので、そういう意味において、今回の補正予算も確保させていただいて、取り組みを強化していきたいと考えています。

(池:高知新聞記者)
 「くまモン」には負けたけど、「うどん県」と、「おしい!広島県」には勝ったということですか。

(知事)
 他の県と比較するものではないんじゃないでしょうか。

(池:高知新聞記者)
 直近1年間で高知県の興味が上昇したという点で効率が良かったということですか。

(知事)
 (他の県と比べると)予算の規模は本県の方がずっと小さいので、うまくやったということではないですか。

新資料館及び新図書館

(井上:高知新聞記者)
 今回、永国寺キャンパスの契約議案も挙がっているんですが、一方で、新資料館や新図書館の一般競争入札では不調が続いており、なかなか予定の契約に至らなかったという背景をどう思っていらっしゃるかということと、それによって開館スケジュールがどれくらい後ろにずれ込むかということも含め、今後の対応をお聞きしたいと思います。

(知事)
 正直、「こんな時代が来るとは」といった感じです。全国的にものすごく事業が増えている中で、高知県にとっては超大型事業なんですけど、全国から見れば小さいということだったんでしょう。
 それともう1つは、資材の高騰についての見通しをかなり厳しく見ているということが、やはりあるんだと思います。ですから、入札が折り合わなかったということで残念ですが、今の時代背景や経済状態の背景を見た時には仕方がないのかと思っています。
 問題は、どれぐらい遅れるかということです。ここは、まだ我々で精度を重ねないといけませんので、今の段階ではっきりは言えませんが、いずれにせよ数ヶ月以上遅れるのは仕方ないと思います。

消費税の軽減税率

(井上:高知新聞記者)
 消費税増税について、10パーセントに向けて軽減税率の議論も出始めたところですが、知事は、8パーセントに上がる時には「苦い薬だって飲まなきゃいけない」というような、(増税を)支持する姿勢を示していましたけれども、この10パーセントをにらんだ上での軽減税率の考え方をどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 軽減税率については、本当に基礎的に大事なものは、できるだけ軽減する努力をしたほうがいいと思います。ただ、ちょっと二律背反するところがあって、きめ細かく軽減税率を設定しようとすればするほど、むしろ社会的なコストは上がるという問題があって、ちょうどの折り合いをつけていかないといけないんだろうと思います。
 国によって、ものすごくきめ細かく(税率を)設定しているところはあります。(カナダでは)ドーナツが5個までは(外食とみなされ)標準税率ですが、6個以上買うと(その場では食べられないとされ、食料品となり)軽減税率が適用されるとか、そこまで決めている国もあるんですけど、そうすることに伴う日々の税金を払う側も、それから納める側も、色んな意味において大変だということも出てくるんだろうと思います。そこの折り合いをつけるための議論は、古くて新しい課題ですが、やはりきめ細かく徹底して行っていく必要があると思います。
 10パーセントぐらいになってくると軽減税率を設ける分野があるべきだろうと思います。

(井上:高知新聞記者)
 その分野というのは、何か具体的に思っているところは(ありますか)。

(知事)
 超基礎的なものであり、食料だとか、生きていく上で不可欠なものということになるんじゃないかと思います。その食料のうち何なのかということになるんだろうと思いますが、具体的には分かりません。

南海トラフ地震対策(2)

(尾崎:高知放送記者)
 応急対策の速やかな実行ということで、燃料確保という(補正予算)が挙がっていますけど、まず応急という期間は、自治体によって3日とか7日とか1ヶ月と違うと思うんですけど、具体的にどのような形で高知市と共同で整備していくのか、県の大体のイメージを教えてください。

(知事)
 応急期というのはある意味、復旧期との間で漠然としていると思います。
 ただ、私達がイメージしている期間というのは、津波にしろ、火災にしろ、まずは人々が安全な避難場所といわれるところに逃げて、そこで暮らしてはいけませんから、その後は避難所となる体育館などに移り、そこで何とか生き続けられるように暮らしを立ち上げていくような状態の辺りまでは、少なくとも確実にしていかなければいけないということです。

 救命の観点からいけば72時間が非常に重要だと言われます。そういう意味で3日間ぐらいは非常に重要だと思います。避難所として指定されている体育館に行って、仮にそこが孤立状態にあったとしても、水が飲めて、食べ物が食べられて、必要不可欠な薬を飲むことができるという状態が確保されていて、一定そこで生きていくことができる。そのうち支援が入ってきて、より本格的に安全度が高まっていくという状態を作りあげていかなければいけないと思っています。
 今、津波からの避難空間づくりなどに全力を上げていますけれども、これからは被災時に何とか生き長らえていくための拠点となる体育館などの避難所を、いかに一定の孤立状態の中にあっても生き延びられるようにしていくか。そういうことの整備は非常に重要だと思います。
 とりあえず3年間で概成させていきたいのはその辺りです。応急という期間はいつまでかというと、明確に何時間までとか、何日までという答えは出せませんが、目指す姿はそういうことができるようになることだと思っています。

(尾崎:高知放送記者)
 燃料タンクを高知市とどのような形で、どういう場所に整備しようというお考えですか。

(知事)
 春野に新しく高知市消防局南部分署を整備されるんですが、こちらに高知県と高知市の共同で燃料タンクを作り、そこで備蓄させていこうと考えているところです。
 実は、こういう燃料は置いておくと劣化するそうです。ずっと置いておけばいいものではなくて、だんだん劣化していくので、流通備蓄にしないといけないそうです。なので、このタンクに置かせていただいて、日頃はその中から順次(燃料を)使っていき、いざという時には一定量確保される状況を作ることにしたいと考えています。
 まだ、必要量に対しては全体で何分の1ぐらいの量にしかすぎませんが、今後、順次こういう取り組みを拡大していくことで、少なくとも県有車両に必要な燃料は、できるだけ自前で確保できるようにし、その分、他の燃料備蓄を民間に回せるようにすることを考えたいと思います。

参院選1票の格差

(清水:時事通信記者)
 昨日、広島高裁の岡山支部で、参院選の無効の判決が出ましたが、高知県は次の衆院選から1減を予定されています。そういうお立場から、無効ということは、言ってみれば、高知のような場所はもっと議員を減らすべきというようなものが感じられますが、そういうことに対して知事のお考えを改めてお願いします。

(知事)
 やはり、司法の判断というのは重く、しっかりと尊重しなければならないと思います。今後、訴訟の判断がどこまでいくのか分かりませんが、いずれにせよ司法の判断を重視すべきだと思います。また、選挙制度の改革も、一票の格差を見つめていきながら平等原則に反することのないように、しっかりと選挙制度の改革を進めていかなければならないと思います。
 他方で、「田舎の声を聞かない」、「声が国政に反映されない」ということであっては困るのであり、やはり、そういう要素も是非考えていただきたいものだと思います。

 あれだけ自由と平等を重んじるアメリカだって、上院は州代表じゃないですか。やはり、そこには色んな多様な価値観があって、しっかりバランスをとってこその民主主義だと思います。一票の価値の平等も大事な概念ですから、それを私は否定するつもりはありません。できるだけ追い求めていくべきだと思います。
 他方で、それぞれの地域や地方の実情を国政に反映させるというシステムもまた絶対的に必要だと思っており、人口の少ないところは国会議員が少なくていいというだけでは済まない話だと思いますので、「諸外国でもそういうことはしっかりと考慮してるじゃないですか」と申し上げたいです。

軽自動車税の増税

(中田:高知民報記者)
 軽四自動車の税金のことですが、高知県民に増税をやられるとなったら中山間等への影響は大きいと思いますけど、お考えはありますか。

(知事)
 自動車税全体の見直しをしていく中で、軽四税の増税の話は、今、どういう議論になっているでしょうか。最終的には、来週決まっていくんでしょうか。私もまだそんなに研究を重ねているわけではありませんが、影響は大きいかも知れません。
 ただ、今年の税制で、むしろ非常に影響が大きいと思っているのは、どちらかといいますと一連の格差是正策についてです。ちょっと問題かなと思っているのは、消費税がそもそも上がると、地方交付税の交付団体と不交付団体の間で大きく差がつくじゃないですか。さらに、併せて、地方法人特別税や地方法人特別譲与税の廃止の議論もされていますけど、この税が廃止されると、さらなる格差拡大につながっていくわけです。
 自動車税も消費税に合わせて調整していくために、一連の議論がされてきているんだろうと思いますけど、消費税問題に合わせて、そもそも消費税増税によって格差が拡大する。それに伴って暫定措置とされていた地方法人特別税や地方法人特別譲与税が廃止されるという議論になると、さらに、格差が拡大してしまうかもしれません。
 非常に県民生活にとって影響の大きい話ですから「しっかり格差是正策を考えてもらわないと困ります」と先週も(政府関係者に)訴えさせていただいたところです。

カゴメとの包括協定

(古宇田:日経新聞記者)
 カゴメさんと今回、協定を結ばれますけど、これまでの包括協定は流通中心だったと思います。今回初めてメーカーだと伺ったんですけど、流通と組むのとメーカーと組むのとで、今後の地産外商を進めていく上で、大分意味合いが変わってくると思うんですけど、今後もこういった形で食品メーカーと協定を結んでいくことはあり得るんでしょうか。

(知事)
 多様な職種や色んなジャンルで、移住促進、地産外商、観光推進につながっていくと思われる皆さんとは、大いにタイアップをしていきたいと考えています。
 (「高知家」の取り組みが)食卓に入っていくというのも大事だと思いますので、今回のカゴメさんは、そういう意味で非常にありがたい協定ですし、本当に嬉しいと思っています。今後も色んな企業さんや多様な皆様方とのタイアップを是非狙っていきたいと思っています。
 移住に非常に関係のある職種の皆さんと、何かすることはできないかといったことも考えたりしています。

土佐電気鉄道

(池:高知新聞記者)
 一連の土電問題に関連して、西岡寅八郎議員が先日、議員辞職をされました。それについての知事のご所見を伺いたいのがまず一点と、そのきっかけになったのかと思いましたけど、土電側が西岡さんに言われるがままに領収証を切って、それが政務調査費に不適切に使われていた可能性があるというような内容の文書が出ました。その文書の内容についての受け止めについてお聞きしたいんですけど。

(知事)
 このたび、西岡寅八郎議員が辞職されることになりました。県議会11期、非常にご功績の大きい方だけに、このたび、こういう形で辞職ということになったことについては、本当に残念だと思っています。本当に11期というのは非常に長い期間であり、ご功績も大きいと思います。
 ただ、今回、色んなご事情も勘案されての辞職ということであり、そのご判断は尊重しなければならないだろうと思います。結果として一言で言えば、こういう事態になったことは残念だと思っています。
 また、土電さんから発出された文書の受け止めについては、領収証を後で一括して発行したということであり、正直なところ、やはり、コンプライアンスとガバナンスの点において改善する余地があるんだろうと改めて感じました。
 他方で、こういう問題を、自社でしっかり調べてオープンにしていること自体は、コンプライアンスの改善やガバナンスの確立に向けて歩みを進めていることになるんだろうと思ったところです。

(池:高知新聞記者)
 土電の文書に関して、確かに自前で出してきたところの評価は分かるんですが、文書の内容が不適切に使用された可能性があるとまで言及しながら、現状は、議会事務局も一緒に調べているようですし、県の公共交通(を所管する課)も多分、一緒に調査されていると思います。何が不適切なのかが不明確なまま、文書を出してきたんじゃないかという声も出ていますけど、そこについて知事はどういうふうにお考えですか。

(知事)
 逆にいうと、それがどう不適切だったのかということについて、調査を進めていく必要があります。政務調査費に絡む話ですから、まず、政務調査費側として言えば、(県議会の)議長さんがしっかり調査をするとおっしゃいましたので、議長さんをはじめ、議会の皆様方の調査結果をしっかり見守らせていただきたいと思います。また、土電さんも内部でどういうことだったのかということについては、外部に対してしっかりご説明していただく必要があるだろうと思います。

(司会)
 以上で記者会見を終わらせていただきます。

 

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