公開日 2013年12月25日
更新日 2014年03月17日
(3)「平成25年度全国学力・学習状況調査」結果の概要と、今後の学力向上に向けた取組<2> [平成25年12月25日]
今回は、「平成25年度全国学力・学習状況調査」の結果を踏まえた、今後の学力向上対策についてご紹介します。
前回ご紹介したとおり、本県の子どもたちの学力は着実に改善しています。しかしながら、中学生の調査結果はすべての教科で全国平均に達しておらず、また、小・中学生ともにB問題で問われている思考力や表現力に課題が見られます。
そこで、県教育委員会では、こうした課題の解決に向けて、基礎的・基本的な内容の定着を図っていくとともに、子ども達の思考力・判断力・表現力等をさらに高めるため、次のとおり授業の改善に取り組んでいます。
今回の調査で課題がより明らかになった中学生の数学における思考力などの育成に向けて、次のような対策を進めています。
○県内すべての公立中学校で、「授業改善プラン【数学科】」に基づいて授業を充実
○全国学力・学習状況調査の過去の問題集を作成し、各学校で活用
○教員の指導力を向上するための研修を充実
さらに、来年4月からは県内すべての公立中学校で、数学に関する思考力・判断力・表現力を伸ばすための「数学思考力問題集」を導入し、単元テストや学習シートなどのこれまでの取り組みと併せて、授業での効果的な活用を進めていきます。
新聞を活用した授業を推進するとともに、県の推薦図書リストの中から子どもたちがお薦めの本を紹介し合う取り組みなどにより、学力向上の基幹となる「ことばの力」を育成します。
本県独自の学力調査である高知県学力定着状況調査を来年1月、小学校4・5年生と中学校1・2年生を対象に実施します。
この調査を通じて、小学校4年生から中学校3年生までの子どもたちの学力状況を把握し、さらにその結果を踏まえて学習指導の充実や指導方法の改善に生かすとともに、これまでの授業改善の効果を検証して、さらなる改善につなげていきます。
各小・中学校において作成した全体計画に基づき、職場見学や職場体験などの活動を充実することで、児童生徒それぞれの持ち味を生かした「志」を醸成し、学校での生活、学習、進路選択などに目的意識を持って取り組むことができるようキャリア教育を推進します。
県及び県教育委員会では、これからも子どもたちが将来に希望を抱き、その夢をかなえる力を育成するための取り組みを全力で進めてまいります。
また、子どもたちの健やかな心身や学ぶ力を育むためには、学校での教育活動に加えて、「規則正しい生活リズム」「ご家庭での対話」「地域の皆さまとの交流」といったことも重要です。
県民の皆さまにおかれましては、今後とも温かいご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
【問い合わせ先】 教育委員会教育政策課 電話:088-821-4731 電子メール:310101@ken.pref.kochi.lg.jp
(2)「平成25年度全国学力・学習状況調査」結果の概要と、今後の学力向上に向けた取組<1> [平成25年12月7日]
今回は、平成25年度「全国学力・学習状況調査」の結果概要について、ご紹介します。
全国学力・学習状況調査は、子どもたちの学力や学習状況を把握するために、小学校6年生と中学校3年生を対象に実施されています。今年は、4月24日に、4年ぶりにすべての児童生徒を対象として、国語、算数・数学の教科の学力と、生活習慣や学習状況などに関する調査が行われました。
(1)県内小・中学生の学力の状況等について
今回の主な調査結果については、次のとおりとなっています。
すべての教科の結果が昨年度より向上しています。基礎的な知識を問うA問題では、国語・算数とも全国平均を上回り、基礎的な知識を活用する力を問うB問題では、国語で全国平均を上回っています。特に国語Aで上位の結果となっています。
各教科とも全国平均を下回り、特に数学B(思考力などを問う問題)は厳しい結果となりましたが、調査を開始した平成19年度からの伸び幅は全国トップクラスです。
昨年度と比較して、1時間以上家庭学習をする子どもの割合が、小学生で5.8ポイント、中学生で4.7ポイント増加しています。その一方で、全くしない子どもの割合は小中学生ともに減少し、家庭学習の習慣が確実に身に付いてきています。
高知県では、放課後の補充学習を週に1回以上実施した学校の割合が、小学校で82.8%、中学校で69.9%と、全国の3倍近い状況となっています。こうした取り組みの積み重ねが、子どもたちの学力向上に確実につながってきていると考えています。
(2)調査結果の分析について
今回の調査結果のうち小学生の学力については、すべての教科で、昨年度より向上しています。基礎的な知識を問うA問題では、国語・算数とも全国平均を上回り、基礎的な知識を活用する力を問うB問題では、国語で全国平均を上回っています。
一方、中学生の学力については、すべての教科で全国平均を下回り、特に数学B問題は厳しい状況にあるものの、平成19年度の調査開始からは大きく改善してきています。
こうした結果は、家庭・学校・地域、そして、何より子どもたち自身のがんばりによるものです。
また、各学校において、学習内容をより確実に定着させるため、単元テストの実施や国語、算数、数学等の学習シートの活用、放課後の補充学習など、子どもたちの現状をしっかりと把握し、日々の取り組みを丁寧に積み重ねてきたことも、着実に成果として表れてきていると考えています。
県及び県教育委員会では、今回の結果に満足することなく、引き続き課題の解決に向けた取り組みを進め、子どもたちの思考力・判断力・表現力等の育成を強化することとしています。
次回は、「平成25年度全国学力・学習状況調査」の結果を踏まえた、今後の学力向上対策についてご紹介します。
【問い合わせ先】 教育委員会教育政策課 電話:088-821-4731 電子メール:310101@ken.pref.kochi.lg.jp
(1)平成25年度 教育改革の取組概要 [平成25年5月28日]
教育委員会では、昨年3月に策定した「高知県教育振興基本計画重点プラン」【H24~H28】に基づき、これまでの取組の質をさらに向上させるとともに、子どもたちの夢や志を喚起し学ぶ意欲を引き出す取組を強化するなど、引き続き教育改革に積極的に取り組んでいます。
本県の教育の現状に関しては、まず、児童生徒の学力については、小学校は全国水準を維持しており、中学校も全国平均には達していないものの着実に改善しています。また、体力についても、これまで行ってきた効果的な取組により確実に成果が表れています。
他方、不登校や暴力行為などの生徒指導上の諸問題については、一定の改善は見られるものの、全国と比較すると依然として厳しい状況が続いており、まだ道半ばです。
こうしたことを踏まえ、本年度も「知」「徳」「体」の各分野において、さらなるステップアップを図るため、「高知県教育振興基本計画重点プラン」を推進していきます。
また、学校等における南海トラフ巨大地震対策についても、昨年4月に設置した学校安全対策課を中心に、ハード・ソフトの両面における充実を図り、子どもたちの命を守る対策を推進していきます。
1 「高知県教育振興基本計画重点プラン」のさらなる推進
「高知県教育振興基本計画重点プラン」をさらに推進するため、効果的な取組の継続・徹底を図るとともに、「問題解決型」の施策を充実させ、課題の抜本的な解決を目指します。
特に、全国的に社会問題となっている「いじめ」の問題や、厳しい状況が続いている生徒指導上の諸問題の改善に向けて、取組の一層の充実・強化を図っていきます。
本年度の主な取組は、以下のとおりです。
(1)学力・体力の向上に向けた取組
○学校改善プラン実践支援事業
各学校の学校改善プランに基づく学力向上の取組を支援し、学校の組織力向上と授業改善を図ることで、児童生徒の心と体、確かな学力の育成を目指します。
また、授業における単元テストの実施や、国語、算数などの学習シートを活用した授業、家庭学習、放課後学習の充実などにより、基礎・基本の定着と活用力の育成を図ります。
○ことばの力育成プロジェクト推進事業
全国学力・学習状況調査のB問題で求められている児童生徒の思考力や表現力を向上させるとともに、豊かな心を育成します。
○トップアスリート夢先生派遣事業
トップアスリートが先生となり、スポーツに対する興味や関心を高めるとともに、「夢」を持ち、何事にもチャレンジしようとする意欲を持つことの大切さを学ぶ、夢の教室を実施します。
○第3期高知県健康増進計画(よさこい健康プラン21)との連携による取組の充実
体力、運動能力の向上には、子どもの頃からの健康的な生活習慣の定着を図ることが大切であり、「第3期高知県健康増進計画(よさこい健康プラン21)【H25~H29】とも連動させながら、さらに取組を充実させていきます。
(2)心を耕す教育の総合的な推進
○道徳教育充実プラン
学校間の連携や家庭・地域と連携した市町村ぐるみの道徳教育を推進し、県全体の児童生徒の道徳性の向上を図っていきます。
○放課後子どもプラン推進事業
「放課後学びの場」において、宿題にとどまらない自主学習へと進める取組を引き続き行っていくとともに、人材バンクの充実などを通じて子どもの心を育てる体験活動の充実に取り組んでいきます。
(3)生徒指導上の諸問題の改善に向けた取組
○志育成型学校活性化事業~高知夢いっぱいプロジェクト~
不登校や暴力行為など、生徒指導上の諸問題の抜本的な改善を図るため、学校経営・学級経営を専門とする統括アドバイザーが学校に入り、学校経営の中に生徒指導の視点を位置付け、Research(調査)Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)のRPDCAサイクルに基づく組織的な取組を展開していきます。
○新たに全ての小学校に生徒指導担当教員を配置し、早い段階から生徒指導を充実させていきます。
2 南海トラフ巨大地震から子どもたちの命を守る対策の推進
学校等における南海トラフ巨大地震対策については、いかなる状況下で地震・津波が発生しても一人の犠牲者も出すことのないよう、「学校施設等の耐震化等の促進」と「防災教育の徹底」に重点的に取り組んでいきます。
本年度の主な取組は、以下のとおりです。
(1)学校施設等の耐震化等の促進
保育所・幼稚園、公立小中学校、県立学校の耐震化については、これまでも積極的に進めてきました。今後も耐震化率100%に向けて取組を推進します。
また、保育所・幼稚園等の安全確保対策を進めていくため、高台移転について、検討に要する経費への支援に加え、本年度、高台移転に伴う施設整備への支援制度も創設したところです。
これらの事業を実施することで、児童生徒の生命や身体の安全を確保するとともに、地域の避難場所としての役割も果たせるよう、学校施設等の耐震化等を促進していきます。
(2)防災教育の徹底
防災教育については、地震、津波に対する正しい理解と行動の徹底を図り、子どもたちが「自分の命は自分で守る」「他者や社会の安全に貢献できる」ようになるため、安全教育プログラムによる防災教育の指導方法を教員に徹底していきます。
また、授業等で使用するため小学校中・高学年用と中学生用に防災教育の副読本を新たに作成するほか、防災教育推進フォーラムの開催や防災キャンプの実施などに取り組みます。
次回は、学力向上の取組についてご紹介します。
【問い合わせ先】教育委員会教育政策課 電話:088-821-4731 電子メール:310101@ken.pref.kochi.lg.jp