知事の定例記者会見(平成26年1月23日)

公開日 2014年12月17日

更新日 2014年12月17日

知事の定例記者会見

平成26年1月23日(木曜日) 14時00分から14時42分  第一応接室

日米共同統合防災訓練(1)
公共工事の入札不調問題(1)
土佐電気鉄道
「高知家の食卓」県民総選挙
日米共同統合防災訓練(2)
旭食品との地産外商の連携
談合問題
公共工事の入札不調問題(2)
高知家
東京都知事選
日米共同統合防災訓練(3)

配布資料
 飛躍への挑戦! 産業振興計画 [PDFファイル/1.88MB]

(知事)
 産業振興計画の進捗状況について、資料をお配りしていますのでご参照いただきたいと思います。

日米共同統合防災訓練(1)

(野口:NHK記者)
 来月7日に予定されている日米共同統合防災訓練について、オスプレイを含む米軍機の使用をめぐり、県民からは未だに不安の声が寄せられています。
 国も普天間基地の負担軽減策としてオスプレイの訓練をできるだけ県外で行うようアメリカと調整しているということですが、今後、防災目的以外で県内での訓練が増える可能性について、知事はどのようにお考えか所見をお聞きします。

(知事)
 昨年、滋賀県の饗庭野(あいばの)演習場で行われたような訓練は、本県の場合、大規模な演習場がありませんので、なかなか行いにくいのではないかと思います。他方で、オレンジルートを飛行する様々な訓練などが増加していく可能性は、確かに否定できないと思います。
 沖縄の負担軽減という問題について、私は従前から申し上げているとおり、日米安全保障協議委員会(2プラス2)の日米合意に基づいて進めていくことが、沖縄の負担軽減にとってやはり本筋ではないのかと思います。1万9千人の海兵隊を約9千人減らすことは、非常に大きな負担軽減につながっていくのではないか。また、嘉手納以南の基地の返還も大きな負担軽減につながっていくのではないかと思います。
 これに加えて、軍事訓練の県外への移転も必要となっていく中で、全国的に各県がそれぞれ負担を引き受けていくことを覚悟しなければならないと思います。

 しかしながら、本県の場合は、(米軍機の低空飛行訓練で)既に相当の負担をしてきている県だということを忘れないでいただきたいと思います。この負担を引き受けるにあたっては、全国で公平に負担を分担することを、国には考えていただきたいと思います。
 これまでも「赤ん坊が夜中に泣き叫ぶような訓練はやめてもらいたい」ということを国に訴えてきました。過度な負担を特定の県に求めることはやめてもらって、平等に負担を引き受けていく形に是非していただければと思います。
 そういう意味で、平等に各県が引き受けていく中において、本県も負担していくことは、一定覚悟しなければならない部分もあろうかと思いますが、既に相当の負担をしていることを忘れてもらいたくないと思います。

公共工事の入札不調問題(1)

(野口:NHK記者)
 公共工事の入札不調問題について、県発注工事の落札者が決まらない不落や不調が増加し、県と高知市が一体整備をしている新図書館の着工も遅れる見込みとなっています。人件費や資材の高騰が原因とも言われていますが、こうした状況は今後も続くと見られ、南海トラフ地震対策にも影響が懸念されるところだと思います。
 積算方式の見直しなど、県として今後どのような対策をとっていくのか、知事の所見をお伺いします。

(知事)
 不調や不落が増えているのは、全国的な傾向だと思います。その背景として、やはり、先ほど資材の高騰というお話がありましたが、さらにその背景をたどっていけば、景気が段々上向いてくる中で、公共事業、さらには民間の事業も激増しており、それに供給側(建設業界)が追いついていないことが大きな背景としてあると思います。本県としても、この問題には迅速に対応していきたいと思います。

 ポイントは3点あると思います。まず1点目は、様々な資材や労務単価などの積算をしっかり見直し、「積算価格と実勢価格の乖離の解消を図る」ということです。この点に関して言えば、国は近日中に労務単価の見直しを行っていくということですから、その見直しにも迅速に対応していきたいと思います。
 2点面は、我々発注する側が、「十分な工期を確保するように心掛けていく」ということです。やはり、様々な資材を集めたり、人を集めたりする必要がある中で、一定の期間はかかるということもあるでしょう。それを可能とするような十分な工期の確保を図るということです。
 3点目が、「工事の平準化を図る」ということかと思います。ある一時期に過度に集中するとか、ある一時期は過度に閑散になるといったことにならないよう、できるだけ平準化をするということかと思っています。

土佐電気鉄道

(野口:NHK記者)
 明日、土佐電鉄の臨時株主総会が開かれ、新しい社長として県庁OBの片岡氏が就任する議案が出されることになっています。
 経営陣が刷新され、県庁OBが入ることで、今後の土佐電鉄にどういったことを期待していきたいのかをお聞きするとともに、土電関連予算の凍結や新年度当初予算への影響について、どのようにお考えになっていますか。

(知事)
 株主総会の前日ですので、あまり詳しい話を申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますが、明日の株主総会で様々な決定がなされるでしょう。土佐電鉄は、高知県の公共交通という、本当に重要な役割を担っている企業ですので、その決定を受けて、会社内外の意見や指摘を真摯に受け止めていただきながら、県民の皆様の信頼と安心を獲得できるような経営を進めていただきたいと思います。

 予算の関係については、週明けの1月27日に「中央地域公共交通再構築検討会」が開催されることになっています。その場において、土佐電鉄として今後どういう対応をしていくのかということについて、土佐電鉄側からお話があるのではないかと。また、委員の皆様からもいろいろお話があるのではないかと思います。そこでのご議論を踏まえて、我々としてどう対応させていただくか総合的に判断させていただきたいと思います。
 まずは、1月27日の検討会がどうなるかを我々としても見させていただきたいと思います。

(池:高知新聞記者)
 株主総会の前ですので、詳しい話は控えたいというお考えは理解できます。ただ、民間企業に県のOBを推薦するという形自体が大変異例なことだと思いますので、片岡さんを推薦された、あるいは、県から民間企業の社長の人事に推薦しなくてはならなかった理由をお聞かせください。

(知事)
 これまで土佐電鉄からいろんな形で我々に対して協力要請がありました。一般的な協力要請、さらに、昨年12月には取締役会を経て、川竹専務から「副知事に取締役候補を派遣してもらいたい」という要請もありました。それを踏まえて、我々はご提案をさせていただいたということです。
 人選として、「なぜ片岡さんなのか」ということを申し上げれば、公共交通の担当理事を務められ、中央地域の公共交通の問題に非常に造詣の深い方ですし、また、競馬組合の管理者として現在の高知競馬の立ち直りのきっかけを作られ、その経営改善に大いに貢献されました。

 そういった諸要素を勘案し、県として(土佐電鉄からの)要請に応えて候補者を提示させていただくという観点から、適任の方ではないかと判断をさせていただきました。
 県としては、あくまで取締役候補者を推薦させていただいたという役割に留まったと思っています。何と言いましても大事なのは株主の皆様方のご意思ですので、明日の株主総会の決定がすべてだと思います。

(池:高知新聞記者)
 (土佐電鉄の)要請により、(取締役に推薦した)片岡さんに求めるものやミッションを、知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 あくまで仮定の話としてお話をさせていただきたいと思います。明日の取締役会で、仮にも片岡さんが取締役に選任されることになるのであれば、まず第一に行っていただきたいことは、県民の皆様の信頼に応えるような経営の確立をしっかり行っていただきたいということです。会社一丸となって効率的で、そして持続可能な経営体制の確立を行っていただきたいと思います。
 なぜかと言うと、何と言いましても、県民の皆様の生活に関わる公共交通を担っている会社ですから、やはり県民の皆様にとっても期待が大きいと思いますので、その期待に是非応えていただきたいと思います。

(天野:朝日新聞記者)
 (土佐電鉄という)民間会社に高知県が関わっていくわけですが、どこまで踏み込んでいいものかといった辺りの知事のお考えと、将来的な出資の可能性があるかどうか(をお聞きします)。

(知事)
 当たり前のことですが、あくまで民間会社として、民法や商法等の法律に従って、まず第一に自立性を大事にされるべきだと思います。
 ただ、非常に県民生活に影響が大きいことと、何と申しましても血税を財源とする様々な補助金を今までも投入してきている会社であるということを考えても、経営が安定し、県民の皆様に応える仕事をしていただくようになるかどうかは、県民の等しい関心事であると思います。

 そういう観点からいけば、会社の自立性は当然のことながら法令に従って遵守してもらわなければなりませんが、土佐電鉄の様々な経営に関するお話をさせていただく場として、先ほど申し上げた検討会があるわけです。こういう検討会の場を通じて、我々も副知事が委員として入っていますし、さらには委員として入っている関係市町村の皆様がそこでいろいろ発言し、注文を付けさせていただく場合もあるのではないかと思います。
 将来的な出資の可能性がどうかについては、全くそんなことが議論になるような段階になっていないのではないかと思います。

(池:高知新聞記者)
 今回、(県が)推薦された片岡さんを含めた人事の議案が、明日、株主総会で通ることが土電関連の来年度当初予算、あるいは現在凍結中の補助金を解除する条件になるのでしょうか。

(知事)
 株主総会のご議論に我々が条件を付けることはあり得ません。あくまで私達は、株主総会の議論を見守らせていただくしかないと思っていますし、それに尽きると思います。

「高知家の食卓」県民総選挙

(植村:高知放送記者)
 先日、「高知家の食卓」県民総選挙の投票が終わりました。投票率の速報値とその投票率に関する知事のご所見をお願いします。

(知事)会見する尾崎知事
 まず、「高知家の食卓」県民総選挙2014について、本日お集まりのマスコミの皆様には、県民総選挙のPRに関して、大変ご協力をいただきましたことを感謝申し上げます。本当に皆様にはお世話になりました。
 また、県民の皆様をはじめ、この投票にご協力をいただきました関係者の皆様、市町村の皆様など、多くの皆様が投票の呼び掛けをしていただきました。この場をお借りして、心より感謝を申し上げたいと思います。
 投票総数は、1万4千票超という状況であり、投票率が大体4.5パーセント前後という感じです。結論から言わせていただくと、かなりの方が投票していただいたのではないかと考えています。

 実は、1月初旬に2千票ぐらいでしたので、ちょっと心配していましたが、県民の皆様に呼び掛けをさせていただき、そして多くの皆様にご協力をいただきました。県の職員も頑張って、あちこち出向いていき、投票の呼び掛けをさせていただき、その呼び掛けに熱く応えてくださった方もたくさんいらっしゃいまして、おかげで1万4千票超まで投票総数が伸びてきました。
 そういう意味では、相当の数が集まったと思っていますので、本当に感謝を申し上げたいと思います。

 やはり、1万票を超えるぐらいの票数になってくると、例えば、様々な全国的な世論調査などで集めているサンプル数よりも一県単独ではるかに多いことになるわけですので、投票結果に対する信憑性は相当なものになってくるのではないかと考えています。
 この「高知家の食卓」県民総選挙で選ばれたお店の信憑性は、投票総数に関わるところがあるので、そういう点からいっても、「高知家の食卓」県民総選挙のプロジェクトにおける所期〔期待している事柄〕の目的は、一定達成できる票数になっているのではないかと思っています。

 今後、3月9日の「土佐のおきゃく」の時に、投票結果を公表させていただきたいと思っています。また、投票結果をまとめ、高知の地元の皆様がお薦めする店はこういうお店で、しかも県民の投票で選んだので本当に信憑性があるデータであることを、県外の旅行エージェントや県外の皆様に訴えさせていただき、高知県全体の観光客の増加につながるようにしていければと思っています。

日米共同統合防災訓練(2)

(天野:朝日新聞記者)
 オスプレイの関係について、先だって防衛大臣とお会いになった時に、「軍事訓練に協力してほしい」という要請はありましたか。

(知事)
 一切ありません。小野寺防衛大臣からは、あくまで防災訓練のお話として、南海トラフ巨大地震が発生した時、最悪の場合における本県の被害想定を踏まえて、「地形的な問題を考えても高知県の場合は、道路が寸断されるような地形であり、空からの様々な支援や援助が不可欠ではないかということを鑑みて、自衛隊としても米軍と協力しながら防災訓練を実施し、今後の対処能力を高めたい」というご趣旨のお話がありました。
 それについての協力要請が私にあったということです。以後、その関連について私もお話をさせていただきました。

旭食品との地産外商の連携

(古宇田:日経新聞記者)
 先日、神戸の方で旭食品をはじめとしたトモシアホールディングスが会見をしまして、そこで非常に強調されていたのが、地元の産品をどんどん積極的に全国に売っていこうと。まさに、高知県が取り組まれている地産外商を今からどんどんやっていくことを宣言されていました。
 既に旭食品とは、いろいろやられてきたとは思いますが、これまで旭食品とどういった取り組みをされていて、今後さらに関係を強化されていくお考えはありますでしょうか。

(知事)
 旭食品は、高知が誇る全国的な卸会社ですので、地産外商戦略を進めていくにあたって、当初からアドバイスをいただいたり、展示商談会の機会を紹介していただくなど、本当にいろいろなご協力をいただいてきました。
 今後、地産外商を本格的に進めていくためには、旭食品に限る話ではないですが、官民の協働、しかも、県外との大きなパイプを持つ事業者の皆様との協働が、非常に重要だと思います。

 これまでも全国的に展開されている大手の卸会社の皆様方と協力しながら、県産品の展示商談会をさせていただいていますし、バイヤー達のアドバイスを基にして、商品開発につなげていくような取り組みも行っているところです。
 今後さらに、旭食品との関係を深めさせていただければ、地産外商を進めていく上で、非常に効果が大きいと思っていますので、こうした地産外商に繋がり得るパイプを高知県の地域地域、さらには新たに頑張ろうとしている多くの皆様方につなげていくことが我々の仕事だと思っています。

談合問題

(池:高知新聞記者)
 県内の談合問題について、昨年12月末に談合を主導した3社の幹部と国交省の出先事務所の元副所長を合わせて8人が、官製談合防止法や刑法違反で起訴されました。
 今後、県の対応として注目されるのが、刑法犯の刑が確定した時に、12ヶ月の営業停止をその対象業者に処するという建設業法に基づくルールがあると聞いていますが、今回の件は、3社とも最長で14ヶ月の指名停止を昨年の秋にやっと満了したところであって、建設業法に基づく営業停止も前回の独占禁止法違反の際に、既に45日間処されていて、満了している状況です。
 公判がおそらく今年3月末ぐらいになるんじゃないかと言われていますが、今回改めて刑が確定した場合に、県としてこの建設業法に基づくペナルティにどう対応されるのか、知事のお考えをお聞きします。

(知事)
 このポイントとしては、2点あります。まず、1点目は、3社のうち2社は国の許可業者ですので、この対応は国ともよく相談して決めていかなければならないということです。
 2点目は、先ほどお話もありましたように、こういう事例は前例のないことであり、そういう中で我々としてどう対応していくのかということを法令にも照らしながら、また、いろんな事情も勘案しながら、今後、慎重に検討していかなければいけない課題であると思います。

(池:高知新聞記者)
 指名停止の時に県議会が請願を採択したこともあって、知事は指名停止の一部短縮をしました。ただ、この3社については、まさしく談合を主導した役割であるということで、短縮措置から除外して、当初のペナルティのまま指名停止を貫かれたと思います。
 (一方で、)建設業法のルールを見ると、県知事の裁量で(営業停止期間の)増減ができるという条項もあるようです。こういったことから考えて、今回の処分は知事ご自身の裁量で、重くも軽くもできる状況にあると思いますが、その辺りの裁量の部分をどういうふうに考えていますか。

(知事)
 先ほど申し上げたとおり、これからじっくり考えないといけない問題であると思っていますので、今、予断をもってどうするかは言えないと思います。

(池:高知新聞記者)
 最長で12ヶ月間の営業停止になることは、その間、仕事ができなくなるということです。以前、知事が指名停止の短縮をされた時に、重視された高知県経済への影響という考え方が、改めて浮上するような形になるんじゃないかと思いますが、その辺りはどうですか。

(知事)
 いろいろ考えないといけないでしょう。先ほど申し上げたように、本県だけでは決められませんので、国がどういう対応をするかもよく勘案しないといけない話だと思います。
 いずれにしても、そのご質問にお答えするには、まだ時期が早過ぎます。これからじっくり、いろいろなことを考えていきたいと思います。

公共工事の入札不調問題(2)

(井上:高知新聞記者)
 先ほど、(公共工事の)不落の質問に対するお答えとして、3つのポイントを述べた中で、2点目は「十分な工期を確保する」ということでした。
 図書館と新資料館は、本来なら昨年12月に契約する予定が来年度になるということで、半年ほどの遅れが生じるかと思っていますが、「十分な工期を確保する」ということは、それ以上に開館が遅れることがあり得ると(いうことですか)。

(知事)
 まだはっきりしたことは言えませんが、それ以上遅れることも、やはり覚悟しなければならないと思っています。今度の2月議会に予算を一部見直して提出させていただき、おそらく契約議案が6月議会ぐらい(の提出)になるのではないかと思います。
 正直、この図書館や新資料館の話を始めた頃は、私も就任した直後くらいでしたので、その時には想像もつかないような(入札の不落・不調が相次ぐと言う)状況になっています。こういう状況を踏まえて工事が円滑に進んでいくだけの対応をしっかり図らないといけません。その中には一定、工事の遅れも覚悟しなければならないと思っていますが、どのくらい遅れるかということは、まだはっきりしていません。

(井上:高知新聞記者)
 3点目におっしゃった「工期の平準化」について、公共工事はどうしても年度主義のため、年度で切ることがありますが、それをまたぐような発注の仕方も今後は考えていくのですか。

(知事)
 端境期(はざかいき)対策は、やはり考えていきたいと思います。これも全国的な課題であると思いますが、年度当初はほとんど(工事の発注が)なくて、途中から急激に増えてくるという波の大きさがあります。全体の事業量が少ない時は対応できますが、事業量が増えてきた時には大きな負荷がいろんな方面にかかっていると思います。
 やはり、できるだけ平準化して円滑に工事が進んでいくような形で、法令上許される範囲内での端境期対策をしっかり講じていくことが重要ではないかと思います。

高知家

(尾崎:共同通信記者)
 2013年は、高知県として「高知家」のコンセプトコピーを発表し、「高知家の唄」を作るなど、結構テンポよくいろいろ宣伝するアイディアをどんどん出してきたと思います。2014年も、かなり矢継ぎ早にどんどん打っていくという話があったと思いますが、今後はどのようなことをやっていきたいのでしょうか。

(知事)会見する尾崎知事
 「高知家」プロモーションの観点で言えば、2014年のポイントは二つあります。1点目は「切れ目なく発信していく」ということです。まもなく産業振興計画のフォローアップ委員会もありますので、その場でも改めてご説明させていただきたいと思いますが、年度を通じて複数回の「高知家」の新しいプロモーションが展開できるようにしていきたいと考えています。
 2013年はどちらかと言うと、「高知家」というコンセプトをお伝えすることが非常に大きなポイントでしたけれども、今度は、「高知家」に絡めて高知県内のいろいろな地域のいろいろなことを知ってもらえるよう、全国にお伝えできるようにしていきたいと思います。

 2点目が、この2014年は「高知家」というプロモーションの下で「様々な取り組みを行っていく」ということです。この統一キャンペーンを行っていくことを徹底していきたいと考えています。
 例えば、2014年の春から行います観光キャンペーン「リョーマの休日」の中では、「高知家の食卓」に取り組んでいきます。この「高知家の食卓」のメインになるものとして、県民の皆様にお世話になりました「高知家の食卓」県民総選挙を実施してきたわけです。
 観光も「高知家の食卓」という形でやっていく。さらに、地産外商を進めていくにあたっても「高知家」という統一のコンセプトの下で展開していく。さらに、観光、地産外商で「高知家」を発信していく中で、それらが移住に結びついていくように仕込んでいくなど、この統一感を大事にしていきたいと思っています。

 「切れ目ないこと」と「統一して行うこと」の二つが、今年の大きなポイントだと考えています。

東京都知事選

(池:高知新聞記者)
 東京都知事選が今日始まりますが、政治家として首相にまでなった人が、地方自治の長である都知事選挙に出ることについて、県知事という同じレベルの立場としてご所見をお聞きできればと思います。
 今回、議論になっているのは、脱原発というシングルイシュー〔論点や争点を一つの議題に絞る〕で、元首相の小泉さんと組んだ元首相の細川さんが名乗りを挙げ、台風の目になっていると思います。
 シングルイシュー的な選挙で自治体の長を争うことについての知事のご所見と、細川さんの主張についてどんなふうに受けとめているのかをお聞きします。

(知事)
 まず、細川元首相が今、いろんな政策を提言され、発表もしていかれていると思いますので、本当にシングルイシューなのかどうかというところは、よく見極めないといけないと思います。
 ただ、シングルイシューでもって首長の選挙を行うのは、正直なところ、その後やらなければならない様々な仕事を考えれば、シングルイシューだけでは不適当ではないかと思います。

 他方で、様々なイシューを提起する中で原発を是非にすることは、(東京都は)一番の電力の消費地であるわけですから、あってもいいことではないかと思います。原発問題をこの際、徹底して都民の皆様が議論して、それを投票結果で明らかにしていくことは、一つの道筋ではないかと思います。
 では、原発即ゼロがどうかということについて言えば、私も脱原発です。ただ、今すぐに(原発を)止めることは、「現実問題として利用可能なコストでもって供給できる電力がどれだけ出てくるのか」ということや、「明らかに不足するのではないか」ということを考えた時に、やはり非現実的ではないかと思います。

 やはり、原発の問題は電気の問題です。電気の問題は、暮らしであり命の問題ですので、現実的な見地に立って、いたずらに政治的なパフォーマンスや発信による印象論でもって議論してはいけないのであって、現実問題としてどうあるべきなのかという議論を展開してもらいたいと思います。私は、徐々に原発への依存度は減らしていく道をたどっていくべきではないかと思います。
 ただ、細川元首相には、原発を即ゼロにしても大丈夫というお考えでしょうから、そこのところをしっかり数値的にコストの面も含めて示していただき、客観的に論じていただいて、議論されたらいいのではないかと思います。

日米共同統合防災訓練(3)

(尾崎:共同通信記者)
 日米共同統合防災訓練に使用するオスプレイの安全対策について、昨年10月に訓練を予定していた時にも各社から質問があったと思います。先日、県に防衛省から担当職員が来て、訓練時の安全対策についていろいろ説明があったと思いますが、これで十分だと思いますか。

(知事)
 過去に起きた事故の事象を踏まえて、安全対策を行っていこうというプランを出していただいているのは、間違いないことだと思います。やはり、水平飛行モードから垂直離着陸モードへの転換の時に事故が起こっている場合が多いという中で、そのモードの転換をできるだけ海上で行うようにするのは、そのとおりだと思います。
 さらに、民家の上での飛行を極力避けることも、安全対策としては確かにそのとおりだと思います。また、今回は、高度の問題についても説明をいただき、海上から陸上部に進入してくる時の高度についても、相当の高さを確保してもらう形にしようとしていただいていますから、そういう諸点を鑑みましても、一定の安全対策を講じていただいていると思います。

 ただ、実際の訓練時に、徹底してもらわないといけないのであり、これまでもその点を強く申し上げてきました。
 そういう約束はしたものの、実際はできていなかったということでは困るのであって、そこは実際に、訓練を行う現場で徹底していただくよう(防衛大臣と副大臣に)申し上げました。
 その点については、(防衛省の)事務方の皆様も「自衛隊がオスプレイに搭乗して、その点を徹底する」とおっしゃられましたので、そこのところは信じていきたいと思います。

(長田:朝日新聞記者)
 県としても昨年10月同様、今回もオスプレイの安全対策の確認態勢をとるのでしょうか。

(知事)
 我々も現地に職員を派遣して、確認するようにしたいと思います。できれば、その場で「ちょっとここはどうなんでしょうか」と申し上げたいことがあれば、お伝えできるような態勢をとりたいと思います。
 ただ、県としての参加は、オスプレイを見つめているだけの参加ではなく、総合防災訓練であり、我々も防災上、例えば自衛隊の運用、それから米軍の運用がどうなっていくかを学んで、今後の防災対応に活かしていきたいと考えています。
 まだ、どのように訓練に参加させていただくかといったことを詰めているところですので、詳細は決定していませんが、いわゆる防災訓練全般の中で、県としても役割を果たせる部分については、参加させていただきたいと考えています。

(遠藤:高知さんさんテレビ記者)
 日米共同統合防災訓練について、先日の知事と小野寺防衛大臣とのお話の中で、訓練を習熟させていくノウハウは必要であるということは、共通の認識だと思います。
 訓練の必要性はあると思いますが、もし、南海トラフ巨大地震が起きた場合、改めてオスプレイの能力などを考えた時に防災面での必要性を感じられているのでしょうか。

(知事)
 おそらく災害が発生した時に使われる輸送機材は、現実問題としてオスプレイが中心になりつつあり、今後もそのウエイトが高まっていくと思います。やはり、現実に使うであろう機材を使わなければ訓練にはなりませんから、そういう現実的な視点での対応は必要であろうと思います。
 ただ、安全性についての懸念が消えていないのも確かですので、オスプレイの機材の安全対策を徹底することは強く申し上げています。

(天野:朝日新聞記者)
 先日、防衛省が(県庁に)来た時に、「一体、オスプレイに何人の人を乗せていくのか」、「一体、物をどれぐらい運べるのか」といったことを聞いても、「全然分からない」という回答です。ここまで大きな関心事になっているにもかかわらず、オスプレイの効果があるのならどれくらいの効果があるのかという数字を全く示さない(防衛省の)状況をどうお考えでしょうか。

(知事)
 まだ、決まっていないという意味ではないでしょうか。具体的なスケジュールを詰めている最中だと思います。

(天野:朝日新聞記者)
 前回の訓練も中止になる直前まで、結局分からない状況になっていて、今回改めて訓練をやるといっても分からない状況は変わっていません。そうすると、「一体、何のために使い、どういう効果を期待しているのか」という辺りが、非常に曖昧な状況であるような気がするんですけど。

(知事)
 まだ、決まっていないということではないかと思いますが、そういうところはできる限り明らかにしてもらいたいと思います。

(天野:朝日新聞記者)
 決まっていないのかもしれないですが、何となくそこが日米間で遮断されていて、結局こういう状況がずっと続いているように感じます。

(知事)
 今回の訓練では、米軍のオスプレイに日本の自衛隊側からスタッフが乗り込むと言っていましたから、そういう意味ではそんなに閉鎖的でなく、不透明でもないのではないかと思います。

(司会)
 以上で記者会見を終わらせていただきます。

 

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