シリーズ『さらなる飛躍への挑戦を続ける第2期産業振興計画ver.3』

公開日 2022年08月08日

(5)「高知家」プロモーションとの連動による「外商」のさらなる加速化! [平成27年2月18日]

 今回は、切れ目ない「高知家(こうちけ)」プロモーションの展開と、「高知家」のコンセプトのもと、県産品の販売拡大に取り組む「地産外商」についてご紹介します。

1 「高知家」プロモーションの展開

【「高知家」の認知度の向上】

 「高知県は、ひとつの大家族やき。高知家」のコンセプトのもと、平成25年6月にスタートした「高知家」プロモーション。地産地消・地産外商、観光、移住の取組と連動させ、県産品の販売拡大や観光客の増加、移住者の増加といった、具体的な成果につなげていくよう取り組んでいます。
高知家 このプロモーションは、「高知家」の認知度の向上を大きな目標にしており、本年度の県民世論調査では、県内で「高知家」を知る方はおよそ9割でした。また、首都圏や関西圏エリア5,000人を対象としたアンケートでは、昨年度は22%だった認知度が、本年度は目標の25%を大きく上回る33%となり、およそ3人に1人の方に認知していただけるようになりました。
 これは、様々なプロモーション活動に加え、県民の皆様を中心に15万個を超えるピンバッジをご利用いただいたことや、また、県内外の企業の方々にロゴを使用していただいたことなど、まさに官民協働で、多くの皆様に「高知家」を盛り上げていただいたおかげだと考えています。


【高知家統一セールスキャンペーンによる県産品の販売拡大】

 本年度の「高知家」プロモーションでは、「高知県のええもん、ぜーんぶおすそわけやき。高知家」をスローガンに、高知の食文化や自然、家族のように温かい県民性といった魅力を、食や観光、移住などと関連付けながら全国に向けて発信してきました。また、県産品の認知度向上や販売拡大といった具体的な成果につなげていくため、「高知家統一セールスキャンペーン推進本部」を設置し、重点的にプロモーションを行っていく8品目を設定しました。
 本県が日本一の生産量を誇る「ニラ」「宗田節」、実は隠れた銘茶である「土佐茶」、世界ジオパークに認定された室戸の「海洋深層水関連商品」、高知オンリーワンと言っても過言でない「土佐文旦」、フルーツトマト発祥の地である高知の「トマト」、品質管理にこだわったマダイなどの「ブランド養殖魚」、日本3大和紙産地のひとつである「土佐和紙」を選定し、首都圏のマスメディアなどに取り上げられる話題を提供しながら、関係団体と連携して官民協働でのセールス活動を展開しています。今後は、県原産の地鶏と軍鶏をかけあわせ、味と肉質に優れた「土佐はちきん地鶏」を加えた9品目とし、さらなる販売拡大に向けてプロモーションを展開してまいります。

県産品

【来年度に向けて】

 来年度は、高まった「高知家」の認知度をさらに向上させるとともに、「高知家」を知っていただいた方々に、高知のものを買う、高知に行く、高知に住むといった具体的な行動をとっていただけるためのプロモーションを大幅に強化していきます。
高知県のええもん、ぜーんぶおすそわけやき。 具体的には、「高知家」の魅力あふれる家族の方々が登場するプロモーション動画やポスターなどを新たに作成し、高知や高知県産品の素晴らしさを直接発信する、あるいは、若手社会人など特定の読者層を持つ雑誌等とタイアップして高知県産品の魅力を効果的に伝える特集記事を掲載する、といったプロモーションを展開したいと考えています。4月早々には、こうしたプロモーションの中身を打ち出して、3年目の「高知家」プロモーションをスタートしたいと考えていますので、ぜひご期待ください。

 

2 地産外商のさらなる加速化

【地産外商公社の活動成果】

居酒屋産業展の高知ブース アンテナショップ「まるごと高知」を拠点として外商活動を展開している地産外商公社では、昨年度、「まるごと高知」を活用した試食・商談会を139回開催するとともに、卸業・小売業者や飲食店への営業訪問を761件実施するなど、精力的に仲介・あっせん活動を行いました。こうした活動の結果、昨年度の成約件数は3,333件、成約金額は12億3千5百万円となりました。

成約件数・金額の推移

 加えて、「まるごと高知」の昨年度の売上も4億2千万円余りと、オープン以来初めて4億円を突破するなど、県内事業者の皆様との官民協働による外商活動の成果が大きく伸びてきました。

 

【事業者の意欲の高まり】

 このように外商活動が大きく飛躍してきたのは、地産外商の主役を担う多くの県内事業者の方々が、公社の機能を活用しながら意欲的にチャレンジしてこられた結果です。10月に県内事業者29社の方々に対して県が行ったヒアリングでも、今後、県外向けの取引が増加すると見込んでいる方々が9割を超えるなど、外商拡大に取り組む意欲が一層高まっていると感じています。

パートナー協定 さらには、地産外商をより一層推進するため、6次産業化と地産外商の推進に関するパートナー協定の第一弾として、旭食品株式会社との間で協定を締結しました。旭食品株式会社と県内事業者とのビジネスマッチングに40社の参加をいただき、既に26社との取組がスタートするなど、民間事業者同士の連携による具体的な事業展開も進んでいます。

 

【公社の機能強化】

 こうした県内事業者の方々の意欲の高まりを好機と捉えまして、さらなる販路開拓・販売拡大につなげるため、公社の機能強化を図っていきます。
 1点目は、公社の体制を強化し、活動範囲を全国に広げることです。首都圏では、新規顧客の開拓を加速化させるため、外商部門を増員するとともに、これまで県が外商活動を支援してきた関西、中部、中国、四国、九州についても、公社が首都圏で培ってきたノウハウやネットワークを活かして、さらに踏み込んだ支援を行うため、関西、中部を担当する職員を新たに大阪に配置し、中国、四国、九州を担当する職員を高知事務所に増員していきます。
 2点目は、公社の持つ県産品データベースのバージョンアップです。体制強化に伴い、公社の活動範囲が大幅に広がることから、県内事業者やその商品の魅力を、県外バイヤー等の方々によりアピールできるようバージョンアップを図ります。
 また、「まるごと高知」については、本年度末で満了する賃貸借契約を平成34年度まで継続することとしました。引き続き、外商の拠点として最大限活用するとともに、「高知家」プロモーションともしっかりと連動して、新しい商品の掘り起こしや魅力ある店づくりに全力で取り組んでいきます。

 

【県内事業者の成長を後押し】

 地産外商をさらに進めていくには、県内事業者の地産外商へのより一層の参画や、売れる商品づくり、そのための生産体制や人材育成の強化といった地盤固めが不可欠です。また、各事業者が外商活動に取り組む中で明らかになってきた、さらなる成長を遂げるためのボトルネックとなっているポイントを解決し、より高い「外商」のステージに上がっていただくことも必要です。このため県としては、専門家や関係機関の支援も得て企業の総合的な成長を支援する取組をより一層強化していきます。
 さらには、生産量日本一という強みを持つユズを中心としたプロモーションなどが奏功して成果を伸ばしている輸出や、地産外商活動の基本となる衛生管理や食品表示の適正化に向けた取り組みなどもスピード感を持って推し進めることで、「外商」のさらなる加速化を図り、事業の拡大や雇用の増加といった具体的な成果につなげてまいります。

[お問合わせ先]  地産地消・外商課  電話:088-823-9738  電子メール:120901@ken.pref.kochi.lg.jp
 

(4)各分野の取り組みの概要  観光分野(後編) [平成26年12月22日]

 前編では、「観光商品をつくる」、「PRする」、「もてなす」の3つを連動させ、観光入込客数の増加に向けて挑戦する取り組みについてご紹介しました。
 今回は、スポーツツーリズムと国際観光の取り組み、そして今夏の豪雨災害を受けての誘客対策などについてご紹介します。

【スポーツツーリズムの推進】

 スポーツを主目的とした旅行、いわゆるスポーツツーリズムについては、プロスポーツのキャンプ等だけでなく、アマチュアスポーツの合宿・大会の誘致や、地域密着型イベントの開催などにも力を入れて取り組んでいます。
 最近では、アマチュアスポーツの合宿や大会による来県者数が年々増加しており、平成25年度にはスポーツツーリズム全体で約5万9千人の方々にお越しいただきました。(対平成23年度比1万1千人増)。

 本県の豊かな自然環境等を活かした競技種目の一つに、まず、サーフィンがあげられます。広く太平洋に面している県内各地には、国内屈指のサーフスポットが多数あり、その中でも全日本選手権大会が開催された東洋町生見海岸は、消波ブロックなどの人工構造物が無く、約2kmの海岸線が伸びていることなどから、日本サーフィン連盟の関係者からも「日本国内でも有数のスポット」と高い評価をいただいています。今後も引き続き、全日本クラスのサーフィン大会や合宿の誘致に取り組んでいきます。
 また、山、川、海などの変化に富んだ本県の地形は、サイクルスポーツにも適しており、近年、全国的に人気の高まっているサイクリングイベントの開催や、国内外のサイクリストの誘客などにも力を入れて取り組んでいるところです。

 本年度は、四国4県の知事や経済界の代表者などで構成する「四国地方産業競争力協議会」において、四国4県が協力してサイクリストの誘客拡大を目指す取り組みを開始。サイクリングの盛んな台湾や韓国などのメディアを招き、四国一周コースを実際に走行していただき、沿線の観光地や宿泊施設等の情報を含めてプロモーションの強化を図るとともに、サイクリストが安全・快適に走行できる道路環境の整備を進めることとしています。
 本県もこうした取り組みに即応し、毎年3月に開催されている「四万十・足摺無限大チャレンジライド」の大会コースに目的地までの距離や方向を示す路面表示、いわゆる「ブルーラインを設置することとしました。今後、さらに国内外に向けて、サイクリングに最適な地としての本県の魅力をPRする等、サイクリストの誘客を積極的に推進していきます。

サイクリスト

 

【国際観光の推進】

 国際観光の分野では、東アジアを主なターゲットとして、海外でのプロモーション活動を強化してきた結果、台湾を中心に観光客数は着実に伸びており、昨年の本県の外国人延べ宿泊者数は初めて2万人泊を超えました(平成22年:15,970人泊→平成25年:20,830人泊)。平成26年上半期も、前年同期と比べると全国平均を6ポイント上回る38.4%増の13,760人泊となっており、特にリピーター層の多い台湾と香港からの宿泊者が大幅に増加しています。

 こうした中、今年度からは、国内外での商談会や旅行博への参加機会を大幅に増やすなど、本県の露出拡大を図るとともに、他県との競争に打ち勝つため、本県ならではの体験ツアーの造成やおもてなし体制の整備などに積極的に取り組んでいます。
 具体的には、本県を訪れた外国人観光客から「高知県人ならではの温かい人柄によるおもてなし」や、「豊かな自然の恵みを生かした農業体験や漁業体験、食体験」などが高い評価を受けていることから、東京や関西圏を巡る一般的な日本への旅行では得られにくい、本県が持つ強みを最大限活かした「本物の日本」を感じていただける旅行商品づくりを進めているところです。さらに、海外旅行会社や県内外国人留学生を対象に、県内受入施設のモニターツアーを実施するなど、外国人のニーズに合った観光素材の発掘と受入地域の拡大を図っています。

 また、国際観光を進めていくためには、県内各地で外国人観光客の受入態勢を整備していく必要があります。中でも観光庁の調査で外国人が日本での旅行中に困ることのトップに挙げられる「無料公衆無線LAN(Wi-Fi)環境」は、対応が急がれる課題です。今年、県が実施したアンケート調査によると、観光施設の22%、宿泊施設の64%がWi-Fi環境の整備が完了しており、特に宿泊施設での整備が増えていますが、引き続き関係者の皆様と協力し、宿泊施設や主な観光施設へのWi-Fi環境の整備に取り組んでいきます。

 他方、本年10月に外国人旅行者向けの消費税免税品目が拡大され、新たに食品や化粧品などの消耗品が対象に加わりました。今後、県内関係団体の皆様と連携し、県内の外国人向け消費税免税店の拡大を進めていきたいと考えています。

 本県への外国人観光客は、他の都道府県と比べるとまだまだ少ない状況です。2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、本県の認知度を高めるためのプロモーション活動を強化するとともに、市町村や民間団体の皆様と連携しながら受入態勢の整備を進め、外国人観光客のさらなる誘客に取り組んでいきます。

外国人観光客

 

【災害に見舞われた今年度の誘客対策】

 本年7月までの県外観光客入込数は、主要道路の交通量や公共交通機関の利用状況などから推測しますと、過去2番目となる407万人の入込があった昨年をやや上回るペースで推移していました。
 しかしながら、8月の二つの台風や大雨によって、例年観光客がピークを迎える時期に旅館・ホテルの予約のキャンセルが相次ぐなど、観光分野全般に大きなマイナスの影響が発生しました。このため、これらの広範な影響を補うべく、マスメディアへのタイムリーな情報発信や、関西の大手旅行会社主要店舗における店頭キャンペーンの実施などの緊急誘客対策を速やかに展開したところです。
 加えて9月補正予算において、テレビや雑誌での情報発信事業や旅行会社と連携した個人・団体旅行客向けの旅行商品の露出強化に取り組むなど、10月から12月にかけて集中的に誘客対策を実施しています。

 豪雨被害を受けての即座の対応と、今秋から年末にかけての誘客策を通じて、本県への旅行需要を喚起し、昨年に引き続き400万人観光を達成したいと考えています。

 

【本県観光のさらなる飛躍を目指して】

 前回から2回にわたり、観光振興の取り組みについてご紹介いたしました。
 県では、これからも引き続き、地域の観光資源の磨き上げや「食」を中心としたプロモーションに加え、オフシーズンの誘客に有効なスポーツツーリズム、国際観光、さらには観光客の満足度を高めるためのおもてなし体制の整備等を総合的に進めることで、観光入込客数400万人台の定着と、さらにその先の435万人を目指し、全力で挑戦してまいります。

[お問合わせ先]  観光政策課  電話:088-823-9708  電子メール:020101@ken.pref.kochi.lg.jp
 

(3)各分野の取り組みの概要  観光分野(前編) [平成26年12月5日]

 高知県の県外観光客入込数は、産業振興計画がスタートした平成21年頃までは310万人前後で推移していましたが、第1期産業振興計画の3年間の取り組みによって平成22年は435万人、23年は388万人と大きく伸ばすことができました。
 平成24年度からの第2期産業振興計画では、本県観光をさらにもう一段上のステージに引き上げるために、県内各地域で「観光商品をつくる」、観光商品を県外に向けて「PRする」、本県にお越しいただいた観光客にご満足いただけるよう「もてなす」の3つの取り組みを中心に進めてきました。

 そうした結果、平成25年の県外観光客入込数は、第2期産業振興計画で平成27年度末の目標として掲げた400万人を2年早く達成し、407万人となりました。これはNHK大河ドラマ「龍馬伝」の放送された平成22年に次ぐ史上2番目の客数です。また、観光総消費額は、平成22年の1,010億円を超え過去最高の1,102億円となりました。
 この「観光商品をつくる」、「PRする」、「もてなす」を一つのサイクルとして県内全域で推進してきたことや、何よりも地域の関係者の方々や県民の皆様にそれぞれの立場で懸命に観光振興に取り組んでいただいたことが結果として表れ、本県の観光は一段上のステージに移行できたのではないかと考えています。
県外観光客入込数・観光総消費額の推移
 

【さらなる強化策】

 平成26年度は、本県の大きな強みである「食」を前面に出した観光キャンペーン「リョーマの休日~高知家の食卓~」を中心とした施策を展開しているところです。
 具体的には、今後、本県の持つ強みである「食」を徹底的に売り込むブランド戦略をさらに進めるとともに、以下のような「観光商品をつくる」、「PRする」、「もてなす」の3つの取り組みをしっかり連動させて、観光に携わる方々はもちろん県民の皆様とともに、さらなる誘客に取り組むことで、年間400万人台の県外観光客の定着を目指してまいります。
 

【観光商品をつくる= 地域の「食」にかかわる観光資源の磨き上げ】

 ご当地グルメや食の体験など「食」を活かした観光商品づくりでは、地域ならではの食材などの資源をどのように磨き上げ、旅行者のニーズに対応できる満足度の高い商品に仕上げていくかが重要となります。
 この考え方のもと、地域の方々が主体的に取り組みを進めていくことができるよう、観光人材育成塾「とさ旅セミナー」を実施し、各地域で観光を担う方々や推進役となるリーダーの育成を図ってきました。

 平成26年度は、これまでの取り組みをさらに発展させ、大手旅行会社や観光や地域づくりのプロデューサーなど全国区の専門家から、マーケットの動向や最新の旅行トレンド、それらを踏まえた観光商品作りのノウハウを学んでいただく機会を設けることとしました。
 また、これらの専門家の方々には、県内各地の現場を訪れ、それぞれの地域の実情に応じた具体的なアドバイスをしていただくなど、全国的にブランド力のある観光商品づくりを地域の方々と一緒になって進めているところです。

 また、平成25年度に開催された「楽しまんと!はた博」では、幡多地域の6市町村が連携して主体的に取り組んだ結果、観光施設などへの入込客数が対前年比16%増の146万人となりました。このはた博に続き、平成27年度には安芸地域で「高知家まるごと東部博」、平成28年には高幡地域で「2016奥四万十博」の開催に向けて準備を進めています。こうした地域博覧会を通じて、地域における持続的な旅行商品開発の仕組みが強化され、県全体の観光の底上げにも繋がるよう、地域の皆さまと一緒に取り組んでいきたいと考えています。
楽しまんと!はた博   高知家まるごと東部博
 

【PRする= 「食」を前面に出した観光プロモーションの実施】

 本県の大きな強みでもあります「食」をこれまで以上に活用して県外からの誘客につなげていくためには、“カツオのたたき”のように既に全国的な知名度が高いものはもちろん、県内各地域の豊富な食の情報を県外に向けて効果的に発信していくことが必要です。
 あわせて、「食」で売り込んでいる地域は全国に多くあることから、いかに他県との差別化を図り、高知の食をPRしていくかということが大きなポイントになります。

 このため、県民の皆様が観光客にお薦めしたい飲食店を選ぶ全国初の取り組みとして、「『高知家の食卓』県民総選挙2014」を実施。平成25年12月から平成26年1月の投票期間中に、県内から1万4千を超える投票をいただきました。その結果を3月9日に公表するとともに、皆様からの投票を基にお薦めの飲食店を紹介した「高知家イチオシグルメガイド」を作成し、3月末から県内の観光施設などで配布しています。
 また、この総選挙で選ばれました飲食店の協力を得て、「1品サービス」など各店舗で受けられる特典をつけた旅行を商品化するなど、旅行会社と連携した取り組みも進めています。

 さらに、首都圏を中心とする様々なマスメディアに情報発信を行い、旅行雑誌や旅番組で高知の食文化や産地の魅力を紹介していただくとともに、旅行会社が商品化するプランの中にお薦めの「食」を中心とした新たな周遊プランも取り入れていただいています。
 来年1月から2月にかけてさらにバージョンアップした「『高知家の食卓』県民総選挙2015」を実施し、あらゆるチャンネルを活用した「食」のプロモーションに取り組み、こうしたPRを積み重ねていくことで、本県の「食」のブランド化を図り、県外からの誘客につなげていきます。
「高知家の食卓」県民総選挙2014
県民総選挙 投票箱ほか
  ※『「高知家の食卓」県民総選挙2014』特設サイト (http://www.attaka.or.jp/sousenkyo/2014/)
 

【もてなす= 「龍馬パスポート」による周遊・リピーター対策のさらなる深化】

 平成24年4月から始めた「龍馬パスポート」は、平成26年8月に利用者が8万人を超えました。そのうち約8割が県外の方となっており、県内の周遊やリピーター増につながっています。
 「龍馬パスポート」を使って、県内500以上の施設で買物や飲食、観光体験などをしていただきますと、スタンプが集まると同時に、様々な特典が受けられます。また、スタンプ数に応じてパスポートがステージアップしていく仕組みが大好評となっています。
 平成26年4月からは、今までの「青、赤、黒」の3段階から「青、赤、ブロンズ、シルバー、ゴールド」の5段階にするとともに、最終的なゴールとして「殿堂入り」するシステムにリニューアルしました。
 ステージアップに当たっては、パスポートの参加施設での宿泊や体験プログラムの参加を必須条件とするなど、県内各地を周遊したり、リピーターとして来高いただくことを促す仕組みを取り入れています。

(後編へ続く)

[お問合わせ先]  観光政策課  電話:088-823-9606  電子メール:020101@ken.pref.kochi.lg.jp
 

(2)「ものづくり地産地消・外商センター」が本格的な活動をスタート [平成26年8月1日]

 シリーズ2回目となる今回は、高知発のものづくりをサポートする「ものづくり地産地消・外商センター」の取り組みについて、ご紹介します。

【これまでの取り組み】
 本県では、全国に15年先行して平成2年から出生数が死亡数を下回る「人口自然減」状態となっており、その影響もあって県内の経済市場はどんどん縮小しています。
 こうした状況に打ち勝っていくため、とりわけ機械工業の分野では、県内で必要とされる機械設備の製造や食品加工などの「ものづくり」の工程をできる限り県内で行う「ものづくりの地産地消」と、より活力ある県外市場にモノを売って「外貨」を稼ぐ地産外商の施策を展開していくことが重要です。
 そこで、まず、第1期産業振興計画では、県内事業者間で付加価値を生み出す仕組みを広げていくため、平成23年6月から(公財)高知県産業振興センター内に「ものづくり地産地消センター」を設置し、ものづくりに関する支援策の紹介や事業者同士のマッチングなどを行ってきました。
 続いて、第2期産業振興計画では、県外での受注拡大に意欲ある県内企業を支援するため、平成24年度に「外商支援部」を産業振興センター内に設置しました。同支援部では、都市部での見本市等に高知県ブースを設置したり、県外有力企業との商談会を開催したりと積極的に外商機会を確保し、新規取引先の獲得、受注拡大に向けた取り組みを進めてきました。
 そうした結果、農業用機械や防災関連製品などにおいて全国展開ができる製品が生まれ、産業振興センターの外商支援に関わる売り上げも平成24年度の7社2億5千万円余りから平成25年度には25社16億円余りへと大きく伸びるなど、着実に成果が表れ始めています。

【更なる強化策】
 このような成果をもう一段拡大し、本県経済のさらなる活性化につなげていくため、本年度は、産業振興計画に基づいて積み上げてきた一連の施策を拡充するとともに、産業振興センターの「ものづくり地産地消センター」と「外商支援部」を統合して、新たに「ものづくり地産地消・外商センター」を開設しました。
 同センターでは、従前に比べて支援体制を大幅に強化(H25:26人→H26:35人)して機能を拡充しており、ものづくりの地産地消から外商までの取り組みを一連のものとして強力に支援することとしています。
 6月から本格的な稼動を開始した同センターの特徴は次のとおりです。 

〈「ものづくり地産地消・外商センター」の特徴〉
(1)総合相談窓口の設置で、ものづくりに関する相談にワンストップで対応


 「ものづくりのアイデアを持っているが、何から始めたらいいか分からない」、「県外に販路開拓を行いたいが、どこに売り込めばよいか分からない」、「県内にこんな機械を作れる企業はないか」といった、ものづくりに関するあらゆるご相談にワンストップで対応します。

(2)事業化プランの策定から販路開拓までを一貫サポートする専任担当者を配置


 事業化プランの策定から販路開拓までのそれぞれの段階で直面する課題に対し、一貫して企業により添い、活用できる国や県の施策の提案、見本市の出展支援を行うなど、課題解決に取り組む専任担当者を配置します。
<サポート事例>
・事業化プラン策定のサポート
・試作開発への助成金など国や県の施策の提案
・見本市の斡旋およびサポート

(3)全国レベルのエキスパートを配置し、「全国に通用する商品づくり」をサポート


 商品の企画から量産化設計までをトータルでマネジメントする製品づくりのエキスパートと、マーケティングや経営マネジメントのエキスパートが、専任担当者とともに、生産管理体制の見直しや販売戦略の策定などについて、企業の状況に応じた質の高いサポートを行います。さらに、外部の専門家も活用し、「全国に通用する商品づくり」をサポートします。

(4)外商活動の県外サポート機能を強化


 センターの外商担当者やエキスパートと、今年度開設した名古屋事務所(1名)、東京(1名→2名)、大阪(2名)駐在のコーディネーターが連携して、県外見本市への出展サポート、県外市町村に対する製品紹介や情報収集、県外の発注元企業への同行訪問など、県外での外商活動をサポートします。
<サポート事例>
・高知県ブースを設置する県外見本市(今年度35カ所)への出展サポート
・県外の市町村への訪問などによる製品紹介や情報収集
・県外の発注元企業への同行訪問


(別添)〈「ものづくり地産地消・外商センター」の活用事例〉

サポート体制
 既に本格的なものづくりに取り組んでいらっしゃる事業者の皆さまはもちろんのこと、新たにものづくりにチャレンジされる方、農林水産業やサービス業の方で「こんな機械があれば作業効率が向上する」、「こんな商品があればお客さまに喜んでいただける」などといったアイデアやご相談がございましたら、どんな小さなことでも結構ですので、お気軽に「ものづくり地産地消・外商センター」までご連絡ください。ぜひこの機会に高知発のものづくりに共に挑戦しましょう。

【問い合わせ先】
 工業振興課 電話088-823-9720 eメール150501@ken.pref.kochi.lg.jp
 ものづくり地産地消・外商センター 電話088-845-7110 eメールmono@joho-kochi.or.jp
 

(1)第2期計画ver.3の「5つの改定ポイント」 [平成26年7月1日]

1  はじめに

飛躍への挑戦!高知県産業振興計画

 本県経済が抱える課題に正面から向き合い、県勢浮揚を実現させるため、平成21年3月に策定した「高知県産業振興計画」。

 これまでの5年間、官民協働の取り組みを積み重ねた結果、直近の平成25年においては、県外観光客の入込客数は、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の放送以来3年振りに400万人台を達成し、観光総消費額も過去最高となりました。また、平成25年度の県外からの移住者数や外商の成約件数も前年度を上回って推移するなどしており、さらに、平成26年3月・4月の有効求人倍率は、過去最高の0.82倍(5月は、過去最高を更新し0.84倍に上昇)となるなど、経済全体としても明るい兆しが見え始めております。

県外観光客入込数・観光総消費額

移住実績

高知県地産外商公社のこれまでの取り組み成果

⇒具体的な内容等は、一般財団法人 高知県地産外商公社のウェブサイト(http://www.marugotokochi.com/ts/)をご覧ください

有効求人倍率(季節調整済み)

有効求人数の前年同月比

 このような県経済全体に見え始めた明るい兆しをより確かなものとするため、平成26年度版の「第2期産業振興計画ver.3」は、5つの改定のポイントを中心に、本県の経済全体にインパクトをもたらす、より大きな、より実効性ある施策へとバージョンアップしました。

 

2  5つの改定のポイント

◆改定のポイント1  「高知家」プロモーションとの連動による外商のさらなる加速化!

高知家

 平成25年6月からスタートしました「高知家」プロモーションをさらに強力に推進し、「高知家」の認知度のさらなる向上を図るとともに、県産品の販売拡大といった具体的な成果に繋げていきます。
また、より一層売れる商品づくりを目指して、これまで首都圏の高品質系スーパーと連携してマーケットインの視点で進めてきました商品の開発や改良の取り組みを、関西地区や中部地区にも拡充し、地区ごとの特徴に合わせた商品づくり等を進めます。あわせて、県外の専門家のアドバイスをいただきながら、「高知家」を代表するようなヒット商品づくりを支援していくなど、外商の取り組みを加速させます。

【主な強化策】

○ 「高知家」プロモーションの継続・強化(PV動画制作、「高知家」特設サイトの充実等による切れ目ない話題の提供など)と「高知家」プロモーションとの連携による「県産品」「観光」「移住」のPR促進

  ⇒「高知家」の動画は特設サイトでご覧いただけます。

○ メイドイン高知のさらなる広がりを目指す地産外商戦略の展開 など

 

◆改定のポイント2  観光キャンペーン「リョーマの休日~高知家の食卓~」を中心とした一層の観光振興!

 本県の大きな強みである「食」を前面に出した観光キャンペーン「リョーマの休日~高知家の食卓~」を中心とした施策を展開することにより、年間400万人台の県外観光客の定着を目指します。

【主な強化策】

 ▽観光商品をつくる

  ○ 来年度、東部地域で開催予定の博覧会など、地域が主体となって誘客を進める仕組みづくりを支援

  ○ 旅行会社の専門家等をアドバイザーとして招へいし、広域観光組織における旅行商品のブランド化の取り組みを支援

  ○ 高知県の強みである「おもてなし」や「自然」、「体験」を最大限に生かした外国人向けの自然型、体験型観光商品の作り込み

 ▽PRする

  ○ ターゲットを明確にした効果的な広報・セールス活動の展開

     ⇒誰もが主役(プレイヤー)になることができる「食」を前面に出したキャンペーン「リョーマの休日~高知家の食卓~」を実施

 ▽もてなす(リピーターを確保する)

  ○ 「龍馬パスポートⅡ」による周遊・リピーター対策のさらなる深化 など

リョーマの休日、龍馬パスポートⅡ

 

◆改定のポイント3  移住促進策のさらなる強化等により「人財」を誘致!

 年間の移住者数500組という目標達成に向けて、地域が求める「人財」の誘致や、移住者の受け入れ体制づくりなどの取り組みをさらに強化します。

【主な強化策】

○ 「高知家」プロモーションと連動させた移住の情報発信の強化

○ 都市部の「人財」をターゲットとした「アクティブな情報発信」や、民間企業との連携により、地域が求める多様な能力やスキルを持つ「人財」を高知県へ誘致。これにより、地域アクションプランなど新たに芽吹いている様々な事業を定着・発展させ、地域地域で新たな雇用を創出

○ 「空き家」活用の仕組みづくりや民間の移住支援団体との連携強化による移住者の受け入れ体制づくり など

 ⇒移住促進に関する情報は、特設サイト「高知家で暮らす」(https://kochi-iju.jp)または県移住促進課のウェブサイトをご覧ください。

 

◆改定のポイント4  新たな挑戦による第一次産業の競争力強化!

 高知おおとよ製材の稼動や担い手の増加など、これまでの取り組みにより見え始めてきた明るい兆しを確かなものとするため、第一次産業の中長期的な発展・成長を可能とする大規模かつ戦略的な施策を展開します。

【主な強化策】

○【農業】 県内の農業者を総合的に支援する2つの施設を整備し、先進技術の普及推進と新規就農者の確保を一気に加速

 ・世界第2位の農業輸出国であるオランダ並みの収量を目指し、高軒高ハウスや環境制御装置、集出荷施設を備えた「次世代施設園芸団地」を整備

 ・意欲ある農業者の方々に、収益性の高い農業技術を学んでいただくための拠点施設として、農業大学校の研修部門と環境保全型畑作振興センターを統合し、「農業担い手育成センター」を開設

○【林業】 飛躍的な木材の需要拡大が期待されるCLT(直交集成板)の普及促進

○【水産業】 「高知家の魚 応援の店」の平成27年度末500店舗登録を目指した取り組みや築地場外の「全国」漁港マーケット(仮称)」の活用による大都市圏での外商強化 など

次世代施設園芸団地、高知家の魚応援の店

 

◆改定のポイント5  「ものづくり」をビジネスプランづくりから商品開発・販売促進までを一貫してサポート!

 ビジネスプランづくりから商品開発・販売促進まで、一貫したサポートを行うことにより、県内のものづくり企業の総合力を高め、力強いものづくり産業への発展を後押しします。

【主な強化策】

○ 産業振興センターの外商支援部とものづくり地産地消センターを統合した「ものづくり地産地消・地産外商センター」を新たに設置し、次の点を強化

 ・職員数をこれまでの26名から35名に増強

 ・総合相談窓口を設置して、ものづくりに関する相談にワンストップで対応

 ・事業化プランの策定から販路開拓までを一貫サポートする専任担当者を配置

 ・全国レベルの専門人材を配置し、全国に通じる製品・会社づくりをサポート

 ・東京、大阪、名古屋2外商コーディネーターを配置し、外商活動をサポート

  (H25:東京1名、大阪2名→H26:東京2名、大阪2名、名古屋1名(新規))

 ⇒「ものづくり地産地消・外商センター」については、公式ウェブサイト(http://www.joho-kochi.or.jp/mono/)をご覧ください。

○香南工業団地の完成・分譲開始と、後へ続く新たな工業団地の整備促進 など

 

3  2つの方針

 この「第2期産業振興計画ver.3」による挑戦を続けるにあたって、次の2つの方針に基づき進めていきます。

◆方針1  各施策群同士の連携を徹底することによって、相乗効果を発揮し、プラスのスパイラルを生み出す!

高知家プロモーション2nd Seasonと「高知県」統一セールスキャンペーン

  「高知家」プロモーションを切れ目なく実施して、全国的な「高知家」の認知度をさらに向上させます。また、地産地消・地産外商、観光振興、移住促進の各施策を「高知家」のコンセプトのもとで統一的に展開し、「高知家」プロモーションとの相乗効果を生み出していきます。

 (1)プロモーションとセールスの連動

   高知家プロモーションを進めていく際には、高知家のもとで統一的に展開する「観光振興」「移住促進」「地産地消・地産外商」の各施策(高知家統一セールスキャンペーン)と、しっかり連動させていきます。

 (2)セールス分野間の相互連携

   「リョーマの休日~高知家の食卓」観光キャンペーンで、観光情報の提供とともに食と産地をPRすることによって、県産品の販売拡大にもつなげます。また、地産外商の分野では、県外で展開するフェアに「高知家」の冠をつけたり、商品のパッケージに「高知家」のロゴを活用いただくこと等により、「高知家の食卓」をPRし、観光の誘客にもつなげていきます。

 

◆方針2  様々な対外的な連携を強化!

 県内における官民協働、市町村との連携協調に加え、県外の企業や四国の他の3県との新たな連携の推進など、様々な対外的な連携を強化していきます。

 

4  おわりに

 平成26年度は、これまでの産業振興計画の取り組みで積み上げてきた一連の成果に、全国的な景気回復や、充実した国の経済対策が重なり合う、県勢浮揚には絶好の機会です。

 県では、今回バージョンアップしました「第2期産業振興計画ver.3」により、引き続き全力で挑戦を続けてまいりますので、皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

 

 次回以降は、それぞれの産業分野の取り組み内容等について、紹介していきます。

[お問合わせ先]  計画推進課  電話:088-823-9049  電子メール:120801@ken.pref.kochi.lg.jp

お問い合わせ

総合企画部 広報広聴課
TEL:088-823-9046
FAX:088-872-5494
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