平成27年10月30日 知事講話

公開日 2015年11月12日

〔平成27年10月30日(金曜日) 正庁ホール〕

 昨日、再選をさせていただくこととなりまして、本日からまた新たな気持ちで登庁をさせていただいたところであります。先ほどは、玄関で暖かく迎えていただきまして、本当にどうもありがとうございました。改めて県庁の皆さんと一緒に仕事させていただくのだと、新鮮かつ緊張するといいますか、かつうれしいといいますか、そういう気持ちになったところであります。

 昨日1日でありましたが、地域を回らせていただき、そして無投票という形で再選をさせていただきました。これまでも、いろいろと厳しいお声も頂いてきましたが、他方で、一定評価を頂くお話もございました。これは県庁職員の皆さんが本当に日夜、一生懸命、県勢浮揚に向けて頑張っていただいたお陰でありまして、皆さんのこれまでの8年間のご尽力に、私といたしましても心から感謝を申し上げます。本当に皆さんどうもありがとうございます。

 いよいよ3期目に臨むわけでありますけれども、これからの4年間は、これまでの8年間の土台の上に立って、より重要な課題、より根本的な課題に踏み込んで、挑戦をしていくことで、何とか県勢浮揚に向けての具体的な道筋をつけ、「この道を進んで行けば県勢は確実に浮揚するであろう」と多くの方に思っていただけるような結果を出していきたいと考えておるところであります。

(地産外商の成果を拡大再生産の好循環へ)
 これまでも地産外商の取り組みを進めてまいりました。ご案内のように、一次産業、二次産業、三次産業と、それぞれの地産外商の取り組みは、スタートした当初に比べ、大きく前に進んでまいりました。

尾﨑知事 有効求人倍率も、本当に悲願であった1.0倍、この水準まで達することとなりました。一時期、0.3倍台まで下がったこともありました。そのことを考えますと、本当にある意味、夢のようでうれしいことでありますし、一つの到達点に達したと思うわけであります。しかしながら、正社員の有効求人倍率はいまだ0.5倍にすぎず、また地域間格差も非常に大きいものがあります。地域地域で若者が誇りと志を持って働くことのできる高知県を作り上げ、人口減少社会に負けない高知県を作り上げていくためには、正社員となれる仕事を、より地域地域に作り出していくことが求められていくのだろうと思います。

 地産外商の取り組みを拡大再生産の好循環につなげていくため、担い手を確保し、地域地域に一次産業から三次産業までの一定の産業群を、それぞれの地域の強みを核として生み出していき、そして地域地域で様々な新しい事業にチャレンジしようとするような機運が生まれてくる。そういう状況を作り出せてこそ、本当の意味で県勢浮揚につながり得る好循環のパスにつながっていくということになるのだろうと考えているところであります。地産外商の成果を拡大再生産の好循環へ。このチャレンジに、これからの4年間、是非、皆さんとともに取り組ませていただきたいと考えております。

(教育改革、日本一の健康長寿県の実現)
 教育、そして福祉の分野においても、より根本的な課題にチャレンジしていくことが大事だと思います。教育改革の取り組みしかり、さらには子どもたちへの様々な対策しかり、続けていけばいくほど、より根本的な課題が見えてまいります。子どもたちの命を守り、将来を守っていくためにも、厳しい環境にある子どもたちへの対策に本格的に踏み込んでいかなくてはなりません。そして、そうであってこそ初めて、知・徳・体、バランスのとれた形での本当の意味での改善につながっていくのだと思います。何よりも、命を守らなければならない、将来の夢を守らなければならない、そのように思います。

 また、高齢者の皆様方が、いわゆる孤立化とも言われるような厳しい状況にある中において、いかに中山間地域において、高齢者の方々の暮らしを守れるような、住み慣れた地域で暮らし続けることのできるような、そういう福祉のネットワークを張り巡らせていくか。これもまた大きな課題だと思います。

 これまでも、こういった課題について、一定のチャレンジがなされ、成果が出てきたものもあると思います。例えば、教育の面では、放課後の学習、この学びの場の拡充などの取り組みが続けられてきました。そして、福祉の分野においても、あったかふれあいセンターのネットワークが県内各地に広がってまいりました。

 これまでの取り組みの土台の上に立って、県民の皆様が住み慣れた地域で暮らし続けることができ、厳しい環境にある子供たちの将来が守られるような高知県となるよう、皆さんとともに、これからの4年間も取り組みを進めさせていただければと思う次第であります。

(南海トラフ地震対策、インフラの充実)
 そして、南海トラフ地震対策について、これはもう言うまでもないことでありますが、この4年間、命を守る対策、なかんずく最も弱点であった津波対策に徹底して注力して取り組んでまいりました。

 これからの4年間、命を守る対策も対処すべき領域をさらに広げていかなくてはなりません。火災対策も、揺れ対策も、さらに強化をしていかなくてはなりませんし、応急期、復旧・復興期の対策についても、取り組みをさらに強化していかなくてはならないと思います。

 より難易度が上がってくるわけでありますが、これまでの取り組みをベースとして、皆さんとともに、スピード感を持って取り組みを進めさせていただければと思います。

(積極的な政策提言)
 そして、産業振興や、教育、福祉、さらには防災対策など、全てについて、国の力も我々の追い風とできるように、政策提言力、発信力もさらに磨き上げていくことができればと考えておる次第です。是非、皆さんとともに、これからの4年間、一緒に努力をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

(基本姿勢)
 そういう中において、年度の初めと年初に、様々な基本的な姿勢について申し上げておりますが、今日は昨日の結果を受けて、特に2点について、お願いを申し上げたいと思います。

 第1点目でありますが、2期目を通じて皆さんにお願いを申し上げてきた話でありますけれども、悪い話ほど私のところに早く、率直な形で入れていただきますように、この点を是非ともお願いを申し上げたいと思います。良い話は少しぐらい遅れて聞いても問題ありませんが、悪い話はできるだけ早く把握させていただき、早く対処を始めることが大事だと思っています。悪い話というのは、決して不祥事だけではありません。実際に政策の展開を始めたけれども、官民協働がうまくいかず実効が上がらないといったことなども含めての話でございます。是非、この点を引き続きお願いを申し上げたいと思います。

尾﨑知事 悪い話が分かりましたら、当然のことながら厳しい議論となって、厳しい仕事が増えることになります。厳しい仕事に対処しなければならないからでありますけれども、しばらく数週間ほど大変かもしれませんが、それを乗り越えれば、そこから先は良い結果を生み出すことにつながっていきます。逆に言いますと、例えば、仕事がうまくいかないといった悪い話をそのまま放置しておいて、しっかりとした正面からの対処をしないでいますと、結果として、その1年間を通じた取り組みがうまくいかず、さらに言えば、県勢浮揚に向けた歩みも頓挫するなどという形で、より大きなしっぺ返しを食らうということにもなりかねないと思います。

 私自身も、皆さんからの悪い話を大歓迎したいと思います。もちろん「これはいかん。だから、こうやろう」などという話に当然なりますが、早く分かって早く対処し始めたことをもって、大いに歓迎をさせていただきたいと思います。高知県のために、県勢浮揚のために、そして、様々な良い政策が展開でき、それが結果として県民の皆様のためになるように、是非とも、この点をまず第一にお願い申し上げたいと思います。

 そして第2点目でありますけれども、県民の皆様との対話ということについて、県庁組織として、より一層取り組んでいただきたいと思います。

 もし選挙戦になっていれば、今日は朝から大川村にお伺いをする予定でありました。その後、嶺北地域を回らせていただく予定となっていたところでございました。恐らく、高知県民の多くの皆様が、「尾﨑が近くにやってきたら、あんなことも言ってやろう、こんなことも言ってやろう」と思っておられたはずであります。そのお声を率直にお伺いをして、今後の県政運営に生かしていくことは、極めて大事なことだろうと思います。

 私は、2期目にかけて、対話と実行行脚の取り組みをずっと続けさせていただいて、地域に入っていろいろとお話を伺ってまいりました。3期目におきましても、この対話と実行行脚的な取り組みを、なお一層、密度濃く行っていけるような工夫を、是非させていただきたいと思います。私自身、より一層率直に県民の皆様のお声をお伺いするように努めてまいりたいと考えておるところです。皆さんも是非、県民の皆様といろいろな形で対話の機会を持っていただいて、お声に対応していただいて、今もそうしていただいていると思いますけれども、なお一層、その点を徹底していただきたいと思います。

 そして、県民の皆様からお聞きになられた、いろいろなお声を、是非、私にも教えていただきたいと思います。何より大事なことは、私自身が県民の皆様のお声を、謙虚に、しっかりとお伺いすることを徹底することだと思っています。ただ、物理的にも、私一人だとどうしても限界があるのだろうと思います。是非、皆さんそれぞれが、例えば、仕事のカウンターパートの方や、様々な形で政策的影響が及ぶ方々などと対話の機会を持っていただいて、そのお声を聞いていただいて、日々の政策運営に生かしていただきたいですし、私にも教えていただいて、いろんな政策立案、実行に生かさせていただければと思う次第でございます。一言で言えば、対話と実行、これを県庁全体でなお一層徹底してやるということになるだろうと思います。是非、皆さんよろしくお願いをいたします。

(おわりに)
 それでは皆さん、これまでの8年間、一緒に頑張っていただきまして、本当に心から感謝を申し上げます。これからの4年間は、今までの取り組みが一過性のもので終わってしまうのか、それとも、本当の意味で県勢浮揚に向けて好循環のパスを描いていけるようになるのかの分かれ道、正念場だと思っております。私自身、全身全霊を傾けて職務に邁進してまいる所存でございます。是非、これからもよろしくお願いを申し上げます。

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