平成28年4月1日 新規採用者辞令交付式における知事挨拶

公開日 2016年05月30日

平成28年4月1日 新規採用者辞令交付式における知事挨拶

平成28年4月1日(金曜日) 正庁ホール

 本日付けでこの高知県職員として採用された皆さん、高知県の者として心より歓迎をいたします。本当に本日はおめでとうございます。そして、皆さんのような若い力が、この高知県庁に加わってくれたことを本当に心から嬉しく思いますし、また、頼もしく思う次第です。皆さん、この高知県に来ていただきまして本当にどうもありがとうございます。

 皆さんの前途と、県庁職員としての人生が幸多きものとなりますように、心からご祈念をいたします。

 私は毎年、新しく入られる皆さんに必ず申し上げていることですが、今、宣誓をされましたね。職務を民主的かつ能率的に、全体の奉仕者として、誠意をもって仕事をすると、そういう趣旨のことが宣誓書に書いてあります。その宣誓書に書かれてあることが、これから皆さんが公務員として仕事をするに当たっての、原点の中の原点です。常に身近に置いていただいて、迷った時にはその宣誓書に立ち返って、また、自分の判断していることが正しいかどうかということを振り返っていただければと思います。

 そのうえで、今日は新しく高知県庁に入られた皆さんに、大きく二つの話をさせていただきたいと思います。創造性を持ってもらいたいということと、誠意・誠実さを持って仕事をしてもらいたいということです。

 第一に創造性について、皆様方の新しい発想を大いに発揮していただきたいと思います。高知県は皆さんご存知のように、人口減少社会に突入した最も早い県です。人口が自然減状態に陥ったのは平成2年、全国に比べて10年以上先駆けて人口減少、自然減の状態に陥った、これが高知県ということです。

 この人口問題を振り返った時に、一部の地域を除いて、基本的に人口というのはずっと増え続けてきました。多くの時代の仕組みというのは、人口が増えて行くという前提のもとに作られていることが多い。しかしながら、自然的に人口が減少するという、今までかつて日本中が経験したことのない、そのような時期・時代に私達は真っ先に突入した、これが高知県だということです。この人口減少がもたらす影響として、経済の縮み、さらには地域における暮らしの困難さ、特に中山間地域の厳しさなど、様々な問題を引き起こしています。この問題に我々はしっかりと立ち向かっていかなくてはなりません。今まで経験したことのない領域に踏み込んで、そこに生じる色々な課題を解決していく、それを乗り越えて新しい時代を創っていくような仕事をしていくわけですが、当然、前例はありません。高知県庁は前例主義では全くありません。前例がないからやらないということは全くない。むしろ新しい時代を切り開く、創造的な政策というのを自ら考え、自ら実行していくということが求められている、これが高知県庁だと思っています。

 皆さんの新しい感性を生かして、ぜひともこの新しい時代を切り開くような政策を作り、実行していただきたい、そういう県庁職員になって、頑張っていただきたいと思います。一緒に仕事するようになってから、段々と分かってくると思いますが、産業振興計画、地産外商にしても、日本一の健康長寿県構想の取組にしても、いずれも前例に捉われているものではなく、高知の実情をもとにして、皆で必死になって考えて新しくチャレンジ・挑戦をしていくことばかりであると、ぜひ皆さんそういうつもりで頑張っていただきたいと思います。

 ただ、社会人経験が特に初めての方については特に、仕事で創造性を発揮する前に、覚えておくべき事が沢山あります。まずは謙虚に先輩方からも色々教えていただいて、基本的なことをまず学んでいただきたいと思います。その学ぶ期間が何年になるかは分かりません、何年かかかるだろうと思います。ぜひ職場でも愛される人になってもらい、しっかり礼儀正しく日々過ごしていただいて、職場の皆さん、先輩達とも良き関係を築いていただいて、その結果として多くの事を教えてもらえるような職員となって色々な事を覚え、基本的なことをどんどん吸収して、そのうえで、皆さんの創造性を大いに発揮する、そういう風になっていただければと思います。5年後か10年後か分からないけれど、皆さんの創造性を求められる時期が必ず来ます。ぜひその時に備えて、まず、最初は学ぶということからスタートしていただければと思います。それが第一。

 第二点目に申し上げたいのは、誠意・誠実さということです。県民の皆様のために、そういう思いを絶対に忘れてはいけません。公務員は必ず県民の皆様のために働き、お役に立つのだと、そういうつもりで頑張っていかなくてはならない、それが公務員というものです。そしてまた、特にこのような厳しい時代だからこそ、高知県にはそういうことが求められているのだということは、言うまでもないことかと思います。

 色々な難しい課題があります。正直、こんな課題が解決できるんだろうかと思うような課題もあります。しかしながら、それでも県民の皆様のために取り組まなければならない課題だと思うならば、誠意・誠実さを持って、その課題に正面からがっぷり四つで取り組んで行くことが求められていると思っています。

 私も常に県庁の中でそのことを言い続けてきましたし、本来であれば、結果が出ないかもしれない、後に責任が問われるかもしれないと思うような課題にも、正面から色々とチャレンジをしています、挑戦もしています。そうでなければならないと思っています。ぜひ皆さんもそういう県庁職員になってもらいたいと思います。

 毎年、言っておりますけれども、皆さん、仕事をしない言い訳ばかりが上手になるような「木っ端役人」にだけは絶対にならない、そのようには絶対になっていただきたくないと思います。県民のために、一生懸命知恵を絞って汗をかく、そのような県庁職員にぜひなっていただきたいと思います。皆さんならなれるし、なれるということで採用されているのだと思います。皆さんに大いに期待をいたします。皆さんの県庁職員としての人生、本当に幸多きものとなりますことを心からご祈念し、そして皆さんと共に、新しい高知県を切り開いていく創造的な仕事ができることを念じて私のご挨拶とさせていただきます。皆さん一緒に頑張りましょう。

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