公開日 2016年08月08日
梼原町・四万十市の原子力災害避難計画
まるごと高知
参議院議員選挙の投票率
合区選挙
参議院議員選挙
地方創生推進交付金
地方創生
クァンタム・オブ・ザ・シーズ寄港
とさでん交通
原発関連
舛添知事の政治資金問題
【動画】知事の定例記者会見
(知事)
お手元に、産業振興計画の進捗状況についての資料をお配りしておりますので、ご参照ください。以上です。
(長田・朝日新聞記者)
4月下旬の再稼働を目指す伊方原発に関して、先日梼原町が県内で初めて避難計画を策定するなど動きが出ていますが、県としての対応はいかがでしょう。
(知事)
本県は、国が原子力災害に備えた計画の策定を義務付けている原発から半径30キロ圏内の重点区域に入っていないわけでありますけれども、万が一の事故に備えるという観点から平成26年9月に高知県原子力災害対策行動計画を策定したところです。そして、この行動計画に基づいて、梼原町と四万十市において地域の防災計画や避難計画の策定に向けた取組を進めておられますので、我々としても一緒に連携しながら検討・協議を重ねてきたところでございます。四万十市と梼原町ともにそれぞれ避難計画を作られたわけでありますけれども、あくまで、まだバージョン1ということかと思いますので、しっかりと訓練を積み重ねていって、さらに磨き上げをしていくということが大事だと考えています。
先ほど申し上げましたように、県の行動計画は平成26年9月に策定しているところであり、併せて、県としての避難行動計画についても、恐らく7月中には策定できるのではないかと考えています。
原子力の問題について言えば、やはり複合的な災害として起こる可能性が高いわけであります。例えば南海トラフ地震対策行動計画を踏まえたうえで、原発についての避難行動はどうなるかということなどを踏まえて、あくまで最悪の事態の想定として避難計画づくりを進めているという状況でございます。しかしながら、7月中に完成するこの計画も、あくまでバージョン1に過ぎないので、さまざまな訓練などをして、毎年磨き上げを行っていきたいと考えているところです。
ただ、いずれにしても、この避難計画は最悪の事態を想定し、危機管理の観点から作っているものであります。何と言っても大事なことは、そのようなものが必要となる事態を引き起こさないということだろうと考えておりまして、四国電力さんに対して引き続き安全対策を強く求めていきたいと考えています。四国電力さんには、ぜひその点、徹底をお願いしたいと思っています。
(長田・朝日新聞記者)
6年目を迎えた東京銀座のまるごと高知は、昨年度、過去最高の売り上げを記録したということですが、その要因と今後の課題を教えてください。
(知事)
まるごと高知の売り上げは、昨年度が4.71億円で前年度比6.8%増ということで過去最高になっております。最初のころは3億円台でしたから、それに比べて随分と伸びてきたものだと思います。ひと言で言えば、全体として地産外商に取り組む力そのものが、だんだんと向上してきたということが大きな背景にあるのではないのかと思っています。
それに加えて、昨年については、地方創生関連事業に伴う「まるごと高知プレミアム商品券」も後押しになったのではないかと思います。
いくつかデータをお示ししますと、地産外商の事業に取り組まれる事業者さんの数(地産外商公社・県が支援する展示商談会等に出展する事業者数)が平成22年当時には34社でしたが、平成27年度には延べ数で553社、実数でいっても173社でありますから、大体5倍強位まで数が増えています。また、県外の取引先ですが、平成23年度当時は県内の事業者さんと取引をしていただいている卸売事業者さんや小売業者さんといった県外の事業者さんは350社でしたが、現在は942社まで拡大をしています。
また、成約1件当たりの平均金額を見ましても、平成23年度には概ね50万円でしたが、平成27年度は160万円位になっています。
高知県ではプロモーションを単独で担当する部署を設けて取組をしてきており、例えば、昨年は広告換算効果(TVのみ)60.6億円相当のプロモーションを行うことができています。年によって若干上下しますけれども、最初は10億円台だったのに対して、大体50億、60億という水準をずっとキープし続けられるようになってきております。こういうことが、高知県の地産外商力というものが向上してきたことの大きな背景になっているんじゃないかと思います。
その証拠に、まるごと高知で取り扱う商品のアイテム数も随分増えています。開店当初は800アイテム位だったそうですけれども、現在は1,700アイテム位を常時取り扱わせていただいているということでありまして、多くの事業者の方がいろんな形で地産外商に取り組まれるようになってきたということが背景になっているのだろうと思います。
ただ、今後に向けてやはり課題はあるだろうと思っています。何事につけ、一定取組が進んでいくと、新しい隘路と言いますかボトルネックにさしかかる、ぶつかるということはあるわけでして、例えば、食品加工分野では取引が大きくなればなるほど、生産過程における衛生管理の問題などに、しっかり取り組んでいかなければなりません。HACCP(ハサップ)(※1)対応ができている事業者さんでないと、より大きな商談にはなかなか結びつかないという場合も出てきているそうです。ですから、衛生管理の高度化とか新たなボトルネックになり得る部分についての対応を強化していくということが第一に重要だろうと思います。
それからもう一つ、私どもとしてしっかり考えておかないといけないのは、海外向けの取組についてです。先駆けとなるいくつかのケースが出てきているとは言いながらも、まだ多くの事業者さんに広がってきているというところまではいっていないと思います。海外との取引については独特のノウハウがありますので、さらにこの点については蓄積をし、対応を強化していくということが大事なのだろうと思っております。
※1:HACCP(ハサップ):Hazard Analysis and Critical Control Point
食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある微生物汚染等の危害をあらかじめ分析し、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような 対策を講じればより安全な製品を得ることができるかという重要管理点を定め、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理の手法
(長田・朝日新聞記者)
参議院選についてですが、公選法改正で投票率を上げるための施策が自治体の裁量でとれるようになりましたが、県内で利用はほとんどありません。初の合区導入で投票率の低下が懸念される中、投票率の動向はどう思われますか。
(知事)
投票環境改善の取組は、基本的に市町村の選管(選挙管理委員会)と県の選管の所掌事務ですので、私からコメントするべきことではないかと思いますが、一般論として言わせていただきますと、投票は非常に大事な権利ですから、できる限り投票しやすい環境となるようにしていくということが大事なんだろうと思っております。
ご質問の投票率についてですが、私としても今回の投票率の動向については心配だなという感じを受けています。各社さんの世論調査の結果などを見ていても、期日が近づいてきても関心が高まってないように見えるというところもある。さらに、私もいろんな方とお話をしていて、やっぱりまだまだ関心が低いなということを肌感覚で感じているところであります。これから選挙戦も中盤から後半に入ってきますので、ぜひ一層関心が高まっていただければと思っているところです。
経済環境の変化も見られていく中において、これからの国政をどうしていくのか、また安全保障環境なども大きく変わっていく中において、我が国の安全保障の体制についてどう考えていくのかなど、いろんな大きな争点がある選挙でありますから、ぜひそれぞれの皆さま方がしっかりと投票に行っていただくことが大事だろうと思います。
(木田・時事通信記者)
今回初の合区選挙ということで、公示を迎えてみて改めてこの合区選挙について、どのようにお感じになっているのかお聞かせいただければと思います。
(知事)
ひと言でいうと、やはり、合区の範囲というのは広すぎるんじゃないのかということは、すごく思います。それと、県というのはそれぞれの伝統と文化を持ってきているわけで、やはり徳島県と高知県で違うところがある。そういう中で一つの選挙区と言っても、なかなか難しいところがあるのではないのかと思います。
ただ、現在行われている参議院選挙については、この合区でやるということに決まって、実際執行されているわけですから、この選挙そのものについてはしっかりとそれぞれ候補が訴えをし、両県の民意をくみ取っていただきたいと思うわけでありますが、やはりこの合区というのは一時的な制度であり、変更しなければならない制度だろうと思います。
ぜひ、各県それぞれの代表を国政に送っていくことができますように、少なくとも参議院についてはそうあるべきではないのかと思っております。
(池・高知新聞記者)
さっき経済環境であるとか安保とかっていうのをおっしゃいましたけど、今回の参議院選挙の争点についてどんなふうにお考えになってて、この公示されて1週間で中盤戦に入ったところですけど、これまでの高知県も含めてですけど、全国的な議論の状態について、どんなふうにご感想をお持ちかということをお聞かせください。
(知事)
今回の参議院選挙というのは大きく3点、国全体として議論されていくのだろうと思います。
第1点目は、これまでアベノミクスの政策が採られてきている中において、今後経済政策というのはどうあるべきなのかということについての議論を徹底して行っていっていただく必要があるだろうと思います。選挙中はいろんな声が聞こえてきますから、ぜひ民意をくみ取っていただいて、今後の新しい経済政策づくりにも生かしていただければと思います。
国際環境の変化、新興国リスクがある中において、イギリスのEU離脱の問題が果たしてどうなっていくのか、この辺りの影響も見極めていかなければならないでしょう。さらに言えば、地方創生、間違いなく私は全体としてよいベクトルに向かっていると思いますけれども、しかしながらまだまだ道半ばなところがある。そういう中において、今の道を継続していくのか、継続していくにしてもどういう点を変更していくべきなのか、等々ということについて、よく議論してこの選挙期間中を通じて把握した民意をもとに、新しい政策づくりに生かしていっていただきたいのがまず第1点です。
第2点目としては、社会保障と消費税の問題。この問題は、ぜひご議論いただきたいと思います。社会保障についてはいろいろと充実をしていかなければならない事項がたくさん出てくるだろうと思いますし、それをしないと痛みを伴うということになってくるだろうと思います。今回は延期という判断になったわけでありますが、社会保障を充実させるためには、オリンピックの前の年ということになるかと思いますけれども、そのときにまた増税をするかしないか、必ず私はするべきだと思っていますが、その判断の時期がもう1回来ることになるでしょう。こちらもまた痛みを伴うところです。しかし、社会保障の持続可能性をしっかり確保していくために、やはり痛みに耐えなければならないのではないかという点について、いいところも悪いところも両方明らかにしていきながら、ここをしっかりとどうしていくべきなのかということについて、論議をしていただきたいと思います。それが2点目です。
そして3点目でありますけれども、今後、安全保障関連法制の変更が行われて新しい法律が施行されていく。他方で、国際環境において中国や北朝鮮の問題等さまざまな緊張関係が言われるようになってきている。そういう中において我が国の安全保障はどうあるべきなのかということについても、しっかりと議論をしていくことが大事だろうと思います。安全保障をしっかり確保しながらも、他方で一定、専守防衛という形で戦後築き上げてきた我が国の路線というのは守っていかなければならない。その場合、果たしてどうあるべきなのかいうことについての議論はしっかり行われるべきだと思います。
この3点が国全体として議論が必要なことかと思っています。その上で、これは議会でもご答弁申し上げたんですが、この合区の問題を考えるにつけ、地方の人口減少の問題、裏返して言えば東京一極集中の問題が背景になっているわけです。こういう問題についても、改めて思いをいたしていただきながら、いろいろと政策論議が行われるとありがたいと思います。合区は残念ですが、今回の選挙は合区のもとで執行されることになります。それはやむを得ないとして、そもそもこういうことになってしまった背景として、この中山間の衰退と東京一極集中があります。この問題について、これで本当にいいのかという議論が深まっていくということを期待いたしております。
(池・高知新聞記者)
先ほど知事も言及されてましたけれども、地方創生に関してお聞きしたいのですが、昨年度の補正で出た加速化交付金というのは補助率が10分の10ということで、認定の要件も比較的使いやすかったというような市町村の評判も聞きますけれども、今年の当初予算の推進交付金に関しては、補助率が2分の1になったうえに適用される要件もちょっとハードルが高くなったということで、市町村側から不満の声を聞いております。これに関する知事のご見解と、その制度の改善に向けてどんな、何かアクションを起こされるようなお考えとかありますでしょうか。
(知事)
地方創生加速化交付金という交付金が(平成27年度)補正予算で措置されていましたが、今度、地方創生推進交付金が(平成28年度)当初予算で措置されることとなったわけですから、地方向けの財源として地方交付税、いわゆる一般財源たる地方交付税との区別をつけなければならないということ自体は分かります。分かりますが、区別をつけるためにあまりにもハードルの高い制限を付け過ぎてしまうと、地方創生に資する交付金ということにはならないのであって、やっぱり「角を矯めて牛を殺す」という結果にならないように留意すべきだろうと思います。ですから、一般財源との区別をつけるという問題と実質的に地方創生を後押しするものとなることとのバランスをいかに考えるか、ということが大事なんだろうと思います。
おそらく、執行し始めてまだ数カ月しか経ってないので、制度の産みの苦しみといいますか、スタート時点における苦しみがあるのかなという印象は少し受けます。先駆的ないわゆる好循環を大きくしていくような事業や良いものを広げていくような事業、さらにはこの循環の中でのボトルネックを解消しようとする事業、こういうものを応援するというその発想自体はすごくいいと思います。
また、システム全体をとらまえていこうというような考え方でもあり、これも良いと思います。ただ、細かい要件について、例えば地域間の連携が絶対的に必要で、地域の連携ということになるためには、関係の自治体全てで予算計上してないといけないという話がつい最近になって聞こえてきたとかですね、今さら6月議会も終わっているのに対応できませんよね、という話もあると伺いました。
制度設計してきたものを執行していく過程において、今の段階ではやや厳しめな方向にかじが切られていて、結果として、さっき言われたような不満といいますか、使い勝手の悪さということにつながってしまっているんじゃないのかな思います。
地方創生をなせるかどうかというところが最終目的なわけでありますから、実際に申請されてくる案件をいろいろと見ていただいて、地方創生をなしていくために、それぞれの事業を円滑に進めるためには制度設計の運用のあり方はどうあるべきかということについて、検討を重ねていっていただきたいと思います。
知事会として、6月1日に緊急提言をして、もっと使い勝手の良いものとなるようにしてくださいというお願いをしました。また、7月下旬に開催されます全国知事会においても、関連の提言をまとめていこうとしているところでして、全国知事会の総意として、使い勝手の良さを確保するようにということを訴えていくことになるんだろうと思っています。
まだ年度当初でもあり、なかなか難しい制度設計の分野に入り込んでいるので、ちょっと一時的な混乱があるというところもあるんじゃないでしょうか。これを一時的なものに終わらせるためにも、今の段階でみんなの声をよく吸い上げていただいて、新しい運用のあり方に生かしてもらいたいものだと思います。
(池・高知新聞記者)
安倍首相がですね、この一連の地方創生に関して、「異次元の政策」であるとか、あるいは「これに失敗すれば日本はない」とか、結構大きなことをおっしゃってる、看板を上げてるわけですけども、それと比べると、ちょっとさっき知事もおっしゃったその使い勝手の悪さとか考えると、ちょっと今ひとつかみ合ってない感じがするんですけども、「異次元」とか「これに失敗すれば日本はない」とかっていう、その看板に見合った制度になってるかどうか。そのあたりの評価をお伺いします。
(知事)
異次元というのは地方創生についてですね。
(池・高知新聞記者)
ええ、はい。
(知事)
地方創生については、産業振興計画の取組をこの7年間ずっと取り組んできて、市町村の皆様と一緒にいろいろと取り組んできた中において、例えば県の産業振興計画でも県と市町村政との連携協調というのは非常に大きなテーマになってきました。そして、その連携協調を図るための具体的な手段として地域アクションプランをしっかりつくって、ともに実行していこうということをずっと続けてきたわけです。
そういうことに取り組んできた立場から見れば、地方創生という一連の政策によって、各市町村において総合戦略がつくられ、本県の場合は、市町村全部で基本目標として「地産外商を進める」「移住促進を進める」「中山間対策を行う」、そして「少子化対策を行う」、この四つの柱ですべての市町村、おおむねですけれども、それぞれ総合戦略がつくられたところです。
地域アクションプランという形で一緒に連携をしてきて、地方創生によってこの取組が先ほど申し上げたより体系的なものにそれぞれステップアップしてきた、このこと自体、ある意味異次元というにふさわしいのではないかと思います。
交付金の使い勝手が悪いという問題があること自体は、それはもう間違いないことだろうと思います。交付金自体の使い勝手の悪さはぜひ改善してもらいたいと思いますが、それぞれの市町村が人口減少に負けない社会づくりをするための総合戦略をつくって実行し始めているということは大きいことだと思います。
これは、高知だけではありません。他のすべての都道府県においてもそういう取組がスタートし、この総合戦略をつくる中でそれぞれの市町村が自分たちの強み・弱みを分析し、そして具体的な事業を展開していこうとしています。
言われますように、既存の事業の二番煎じのようなものからスタートするものだってありますでしょう。それは今までの過去の蓄積の土台の上に立ってやるということもあるでしょう。しかしながら、総合的な体系の中に位置づけられ、しかも自らそれぞれ考えて、取組をスタートさせたということ自体は非常に意義深いことだと思います。
むしろ私はこの地方創生というのは、それぞれの市町村が自分たちで総合戦略を考えて実行しようとし始めるということに一番大きな意義があると思っています。我々もぜひそういうものであってもらいたいということで、政策提言を重ねてきたわけです。産業振興計画の仕組みなどをずっとご説明して、こういうものを後押ししてくれるような地方創生をやってもらいたいと、促していくような地方創生であってもらいたいということをずっと訴えてきたところなんです。私はこの計画づくりを行っていくというソフト面が非常に意義深いと思っています。
(池・高知新聞記者)
看板倒れではない。
(知事)
と思いますね、それはほんとにそう思いますよ。
(高田・日本経済新聞記者)
昨日、大型客船のクァンタム・オブ・ザ・シーズが寄港し、市内もかなりにぎわったようです。その感想と報告を受けた部分と、今後、受け入れをさらに目指していく中で、貨物船との関係や受け入れ・おもてなしの関係など、課題とかあると思います。その課題の部分、取組の部分と最終的にこれから港湾計画をまた新しく作っていく中で、どの程度の数を大型客船のですね、受け入れる余地があるのか。今これから作るところだと思うんですけども、数のイメージというのは、あるんでしょうかということ、その点についてお尋ねします。
(知事)
昨日、私も歓迎式典に行って来ましたけれども、あの船の大きさにはほんとに驚きました。また、100台近くのバスが運行しているというのはほんとに壮観なことだと思いました。バスで移動された人数を把握していくと、大体4,700人位の方が中心市街地においでになられたということでして、店によってそれぞれ売り上げや来られた人の数とかに差はあるんでしょうけれども、全体としてみれば随分な人数の方においでいただいたなと、ありがたいことだなと思っています。
これからの課題も幾つかあると思いますけれども、あれだけの大型の船が来るとやはり高知新港が少し渋滞をしましたので、この対策についてはもうひと工夫要るのかなと思っています。今までの11万トンクラスの船から16万トンクラスの船ということになると、港としての受け入れ態勢についてもう一段の対応が必要だなと思いました。これが1点目のご質問へのお答えになります。
2点目として、こういう大型客船で来ていただいたお客さんたちにいかにリピーターとなってもらって、もう一度この高知に来ていただくようにするかということがあります。今度は、陸の上で泊まっていただくようにできるかということが大きな課題なんだろうと思います。免税の窓口ができたり、いろんなカードも使えるなど様々な工夫がなされて、いろいろなおもてなしの体制が整ってきつつありますけれども、さらにこちらを向上させていくということが大事だろうと思います。
3点目ですが、まだ岸壁のキャパからいけば大型客船を受け入れる余裕があります。8月は多分ほぼ毎週、大型の客船が来ることになっていると思います。お配りした資料の19ページの今後の主な予定と書いてあるところですが、7月19日、8月12・14・22・23・29日とすべて10万トンを超える大型客船が来ることになっています。
オンシーズンになってきたことで、これだけ多くの客船に来ていただけるのはありがたいことだと思います。これで大体25位ですが、オフシーズンも含めて考えればまだ増やせると思いますから、できるだけ多く来ていただきたいと思います。まだ今の段階で新しい数値目標はありませんが、報告で聞いてるところによれば、来年、再来年についても予約については出足好調だということです。
(柴山・毎日新聞記者)
新港の渋滞以外に何か受け入れ態勢で課題とか、立ち回り先を何か増やせればとか、そういうような課題は何かありますか。
(知事)
立ち回り先は入港時間にもよるので、長ければもっと行けますし、短ければ短いなりに対応するということになるんだろうと思います。
課題については、もう少しお時間をいただいて検証していくということになるんだろうと思います。従前に比べて規模が増えているので、それに伴って幾つか出てくる可能性があるのかなと思っています。今までもいろいろ、例えば両替所が少なくて混乱したことについて対策を講じたりということをしてきましたが、もう1回全体として検証させていただいて、対策をしていきたいと思います。ただ、今の段階で明らかに分かっている問題は、新港での渋滞がちょっとひどかったことかと思っています。
(高田・日本経済新聞記者)
とさでん交通についてなんですけれども、黒字を計画よりも前倒しで達成したということで、大きな要因としては燃油代が安かったということだと思うんですけど、あとはデータ経営なんかが少しずつ生きてきたんじゃないかという意見もありますけれども、株主として、これまでの取組と今後期待するものとですね、どういう点を注視されてるかということについてお考えをお聞かせください。
(知事)
今回、私も決算のデータを見させていただく中で、ありがたいな、うれしいなと思いましたのは、乗っていただいてるお客さんの数が増えていますよね。ですから、燃油代が安かったがゆえに黒字になったというのにとどまらず、乗っていただいたお客さんの数が増加傾向に転じつつあるということもあって、両方の結果が相まって黒字に転じてきたということなんだろうと思います。ですから、いい方向に展開していっているなと感じているところです。
さらに、はりまや橋での乗り継ぎ料金を割引するサービスを実験的にやって、そのデータを取ってみるとか、バスロケーションシステムを入れて、バス停留所で待っておられる方のストレス軽減、利便性向上ということにつなげるような努力もされています。さらには、今後の系統のあり方などについていろんな工夫をされるとか、観光客対応の取組へもチャレンジされるとか、いろんな意味において、非常に経営努力を徹底してやっておられるなということを力強く感じているところです。
人口減少下にありますから、決して経営環境そのものが非常に明るいというわけではないでしょう。だからこそ、経営努力がすごく求められてくる。さらにいえば、外貨を稼ぐということも意識していかないといけない。公共交通機関における観光利用、こちらをしっかりつかまえられるようにするということも非常に大事になってくるんだろうと思いますから、今後のさらなるご尽力に期待申し上げたいと思います。
今回の決算は初めての通年での決算だったわけですけれども、これまでの1年間本当にすばらしい取組をされておられると思います。しかしながら、まだ道半ばでしょうから、ぜひこれをさらに発展をさせていただきたいと思います。
(高田・日本経済新聞記者)
路線の再編とかで、少し留意してもらいたい部分とか、利便性とか考えてというのは何か会社の方にはありますか。
(知事)
このことは、常に相矛盾する要請を満たさなければならない。コストはできる限り抑える、しかしながら利便性は上げると、その両者をいかに実現させるシステムをつくり上げていくのかということだろうと思います。すべてが分かって言っているわけではないんですが、京都のシステムが理想だと思います。京都へ行くとバスでどこでも行けますよね。あちらは京都の皆さんがバスに乗っていろいろ便利良く移動されてるということもあるんでしょうが、観光客の皆さんにとっても非常にやさしいシステムになっている。結果として、外貨を稼いでると思います。
京都は京都のご苦労もあられるんでしょうけれども、高知の路線についてもさらに利便性を上げていって、結果として、観光客の皆さんも簡易に使えるような仕組みになっていければ、それが理想だろうと思います。ただ、そのために頻度を上げる、さらには路線回数、系統なんかを増やしたりすると今度はコストの面で問題も出てくるでしょうから、その相矛盾する要請のバランスをどうとっていくかということが課題だと思いますので、ぜひ知恵を練っていただきたいと思います。
ただ、そのベースとなるのはやはりデータだと思います。データ経営ということで、どういう路線がいいのかということについて、ベースとなるデータの蓄積を図られているということ自体、それに向けた一歩を着実に進めようとされておられるということなんだろうと思います。
(中田・高知民報記者)
伊方発電所についてですけども、再稼働が秒読み段階になっています。それで、今ですねやっぱり県民の中には、県の勉強会やいろいろ通じたものを踏まえてもやっぱり不安だという気持ちを少なからず持ってる県民の方いらっしゃるというふうに思いますが、そこをどうお受け止めるかということ。併せて、県は今伊方の再稼働はやむなしというか、今現時点ではやむなしということですけども、一方で、その核のごみの方はいかんですよということなので、動かせば当然ごみは出るわけで、そこは矛盾しないのかというかですね、そのあたりのお考えについてお聞かせください。
(知事)
核のごみを高知として受け入れるつもりはありませんけれども、そういう問題が生じるから、また、やはりいざというときのリスクが非常に大きいからこそ、原発への依存度を低減していくべきだろうと思います。これは株主として、株主総会でも申し上げさせていただいたわけでありますけれども、やはりここのところが一番大事なポイントなんだろうと思います。
四国だけではないですけれども、2016年時点においては、全国的にの電力供給の安定性を確保しようとすると、一定原発に頼らざるを得ないということはあるかもしれません。しかしながら、その依存度を低減させていって、原発に依存せずに安定した電源を確保できるような社会の実現に向けて皆で努力をしていくということが大事だろうと思っています。ですから、そこのところをぶれずにしっかりと訴え続けていくことが大事なんだろうと思っています。
加えて、この間も公開討論会をやらせていただきましたけれども、確かにまだ不安に思っておられる方々がおいでになるわけであります。公開討論会も30人位おいでになり、いろいろお話も伺ったと聞いていますけれども、我々もこの勉強会、普通の勉強会のような取組に終始しているつもりは全くなく、840問からの質問を繰り返したりもしています。
これについてはこういう安全対策をとっています、科学的にはこれがもうベストな対応です、大丈夫です、という説明を受けても、それに加えてさらに、それがそうだとしても、仮にそうではない事態が起きたときどうでしょうかということまで繰り返し問いを重ねてきて、それぞれについて一定納得できる回答をいただいているわけであります。840問ものやりとりを繰り返していく中において、四国電力さんには緊張感を持って、それぞれの安全対策への考察を深めていただいてきたものだと思っております。しかもこれは公開でやっています。
四国電力さんに緊張感を持ち続けていただいて、安全対策についての考察を深め続けていただくためにも、ぜひこの勉強会の方式というのをこれからも繰り返させていただきたいなと思っております。
(中田・高知民報記者)
その前段部分ですけども、要は、県としては脱原発の方向に続ける努力を一応というお考えですが、地元紙の連載なんかでも何というか、あんまり四国電力がそういうトーンが感じられないというか、1号機もできたらやりたいとかですよね、何かその辺がこうかい離してるようにも見えるんですが。
(知事)
そうですね。ゆえに、今回の株主総会でも、依存度低減に向けた具体的な努力が必要だろうという株主としての私どもの考えをはっきり言わせていただいたということです。この依存度低減に向けた具体的な努力というものを積み重ねてもらいたいということは、これからも我々として強く主張し続けたいと思っています。
(木田・時事通信記者)
舛添知事の問題で、先日尾﨑知事は、現時点では納得できる説明にはなっていないので、納得できる説明をされるのがよろしいのではないかとおっしゃいましたが、今回辞任という結果になりましたが、この一連の問題をどう考えていらっしゃるかというのと、あと今回の件を受けて、知事という存在が人気者ではなくて、行政手腕が大事ではないかという声がいろんなところから上がっていますが、同じ知事のお一人として、首長のあり方としてはどのような人が理想なのかというお考えをお聞かせいただければと思います。
(知事)
舛添知事の問題について言えば、正直なところだんだんと説明が苦しくなっていかれたなというのが否めない事実だろうと思います。残念ながら、国民の皆様が納得されるような説明責任を果たせなかった結果として辞任に至ったということだろうと思います。出張の問題だけではなく、さまざまな問題が大量に出てくる中において、説明責任を果たすことができなくなってしまったということで、辞任はやむを得なかったことなんだろうと思います。
首長のあり方というのは、ケースバイケースだろうと思います。自治体の大きさによっても全然違うと思いますし、その自治体が置かれている状況によっても全然違うんだろうと思います。それと、実務型だから政治力を発揮できないわけでもなく、また、政治家タイプだから実務能力を発揮できないというわけでもなく、同じ人間であっても、ときには非常に実務的な点を強調した仕事をすべきでしょうし、ときには政治決断というものを前面に出した仕事をすべきでしょう。その時々、それぞれにおいて異なるということなんじゃないかと思います。また、自治体の大きさもさることながら、時代によっても違うんだろうと思います。
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