知事の記者会見(平成29年を迎えるにあたって 平成29年1月1日)

公開日 2018年03月06日

 

<年頭所感>
はじめに
産業振興計画の推進
日本一の健康長寿県づくり
教育の充実
南海トラフ地震対策
インフラの充実と有効活用
中山間対策、少子化対策と女性の活躍の推進
高知県の強みの発信
国への対応(1)
県勢浮揚を目指して

<質疑>
幕末維新博
スポーツの振興(1)
国への対応(2)
人口問題
県政課題
組織改編
スポーツの振興(2)
平成29年度地方財政対策

【動画】年頭所感

 

【動画】記者との質疑応答

<年頭所感>

はじめに

 高知県民の皆様方、あけましておめでとうございます。2017年の幕開けにあたりまして、1年間の所感についてご説明させていただきたいと思います。
 まずは、県民の皆様方には非常に良き新年をお迎えになられたことと心よりお喜び申し上げます。今年1年も、私自身、また県庁をあげて県勢浮揚に向けて全速力で取組を進めてまいります。ぜひともご指導、ご鞭撻、そしてご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。

産業振興計画の推進

 今年1年間、経済の面におきましては、第3期産業振興計画に基づきまして、地産外商の取組をさらに強化し、拡大再生産の好循環につなげていけるよう取組を強化してまいりたいと考えております。昨年1年間は、年間を通じて有効求人倍率が1倍を超え、高知にとりまして史上初と言えるような状況でありました。一定経済の活性化に向けての手応えも感じられるようになってきたところであります。しかしながら、真に県勢浮揚を成し遂げていくために、また地域に若者が残ることのできるような高知県づくりを進めていくために、さらに取組を強化していかなければならないと考えているところでございます。これまでの取組の土台の上に立って、拡大再生産の好循環を実現できるような、そのための力強い歩みを踏み出していけるような年にしていきたいと考えております。
 それでは、具体的な諸点について、お話をさせていただきたいと思います。
 まず、地産外商の点についてです。外商の強化につきましては、今年は特に海外への輸出、そして国際観光の推進ということに力を入れていきたいと考えております。昨年1年間、海外への輸出ということにつきまして、新たな挑戦をいくつか行ってまいりました。従前より輸出を行っておりましたユズに加えまして、土佐酒の輸出振興を本格化させる取組を進め、さらに防災関連産業、木材、水産物、海産物の輸出にもチャレンジを始めた年でございました。昨年1年間で培ったノウハウを活かして、今年は輸出の本格的な展開について、より力強い歩みを踏み出していくことができればと考えているところです。
 国際観光の推進という観点からは、昨年1年間大型客船がたくさん高知に寄港するなど非常に明るい話がありました。今年も昨年以上、既に60回を超える予約もいただいている状況でございます。これを大きなきっかけとして、さらに国別のプロモーションを徹底していくことなどを通じて国際観光の展開を図っていきたいと考えているところです。
 そして2点目でありますが、観光という観点からは、今年は3月4日に「志国高知 幕末維新博」が開幕することとなります。現在、準備の最終段階でございまして、それぞれにおきまして準備を急ピッチで進めているところであります。そして、この1月の半ば過ぎぐらいから、幕末維新博についてのプロモーションを大々的に、全国的に行っていきたいと、そのような仕掛けを講じていきたいと考えているところでございます。
 今年は大政奉還150年、そして来年は明治維新150年という記念の年になります。この2年間に「志国高知 幕末維新博」を開催していくことを通じて、高知県内において、歴史と自然と食を生かした地域における周遊ルートをしっかりと確立をしていき、後々まで高知の観光の基盤となるようなものを作り上げていきたいと考えています。そして、これらを確固たるものとしていくことを通じて、410万人を超える観光客、これがほぼ高知県の現在の実力だろうと思いますけれども、これをさらに435万人、龍馬伝のときのような状況、さらにはそれ以上の数字まで実力を引き上げていけるように取組を強化していきたいと考えているところでございます。
 そして、この「志国高知 幕末維新博」の取組を通じて、ぜひ高知の若い人たちにも、そして全国の若い人たちにも、私どもとしての誇りと言うべき土佐の歴史を学んでいただいて、そしてそこから何か将来の志を導き出すきっかけをつかんでいただけるような企画にしていければと考えています。
 地産の強化という観点から、極めて大事だと考えております点は三つであります。第1が生産性の向上を図ること、第2が付加価値の向上を図ること、そして第3がこれらを効果的に実現していくためにも事業戦略の策定支援を徹底していくということです。
 高知県は残念ながら、土地が決して広いわけではありません。そして人口も減少局面にあることは皆さんご存じのとおりであります。そのような状況の中において、海外にも通用するような外商につなげていくためにも、生産性を上げることでコストを下げ、さらに加えて創造性も生かすことで付加価値の高い商品を作っていくということが極めて大事だろうと思います。そして販売面も含め事業戦略を明確に策定し、自らの製品で地産外商を展開していく。そういう力強い動きが県内各地に生まれ出すようになっていくことが極めて大事だろと考えているところです。
 こういう観点から、各産業分野におきまして生産性の向上と付加価値の向上、そしてこれらを支える事業戦略策定支援を徹底してまいりたいと考えております。
 一次産業の分野におきましては、生産性向上のために、例えば農業分野では次世代型こうち新施設園芸システムの普及の取組を進めており、これらの点をさらに徹底してまいります。
 林業分野におきましても、高性能林業機械の導入や森林組合におきます生産性向上のためのプロジェクトを進展させるなどの取組を進めてまいりました。これらの点をより徹底していく年になろうかと思います。
 そして水産業分野におきましても、生産性の向上、付加価値の向上という観点からも養殖業の振興ということが極めて大事だろうと考えて取組を進めてまいりました。併せて黒潮牧場の整備など、沿岸漁業においても効果的な漁業ということを追求してきたところであります。これらの様々な取組がいよいよ本格的な実現段階に入ってくる。今年は、そういう年だと考えているところです。
 さらには、食品加工の分野において、1,000億円産業を目指してさらなる取組、レベルアップを図ることができないかということを模索しております。食品産業のさらなる支援を行っていくための拠点の整備について本格的に検討を進めるとともに、拠点ができるまでの間におきましても、食品加工分野をソフト面、ハード面を含め強化できるような策について本年度から着手していきたいと考えております。
 また、ものづくり企業の事業戦略策定支援につきましても、平成28年度から着手をしたところでありますけれども、これらの取組をさらに徹底していきたいと考えています。生産性の向上という観点からは、IoTやAIなどの新たな先端的な取組を高知において取り込んできて、人が少なく土地が狭いという様々な不利・不便を克服する手段として、また地産外商のシーズにつなげていくことができるような新たな産業化のための手段として、取組を進めていければと考えているところです。
 そしてもう一つ、生産性向上という観点から、働き方改革を模索していくことも大事だろうと考えています。ワークライフバランスの実現とともに働き方改革を実現していくことで、高知においても全体的な生産性の向上につながるような取組ができないか、この点もぜひ模索をしてまいりたいと考えているところでございます。
 地産外商の成果を拡大再生産の好循環につなげていくということが、第3期産業振興計画の大きなテーマということになります。拡大再生産施策について、第1の取組としては移住促進、さらには担い手確保の取組をさらに徹底していくことが非常に大きなテーマです。平成27年度には518組の方に移住していただいていますが、年1,000組を実現することを目指して努力を続けています。ただ、単年度1,000組を実現できればいいということでは決してございません。1,000組の移住レベルを定常化していくということが最終的な、平成31年度以降の目標ということになってくるわけであります。これを実現できてこそ、人口が社会増減プラスに転ずるという展望がでてくることとなります。これをぜひ実現させていかなければなりません。移住促進を図っていくにあたって極めて大事なことは、この移住促進の取組が人材の誘致につながること、そして地域における様々な担い手の確保につながっていくことだと考えています。地域に新しい挑戦が始まったことに伴って、さらに言えば後継者が不在となったことに伴って、様々な人材ニーズがあります。この地域の人材ニーズを的確に移住につなげていけるような仕組みづくりをさらに強化できないのかという点について、今年模索を続けていきたいと考えているところです。
 それぞれの地域に一次産業から三次産業までの多様な産業群を集積させていく。その際、高知の得意技である一次産業などの地域産業を核としてクラスターを作っていく。これが第3期計画の拡大再生産策の2本目の柱ということになります。この取組について、現在16のプロジェクトをスタートさせました。今年早々にそれぞれのプロジェクトについて、クラスタープランというものが出来上がっていき、それぞれについて本格的な実行段階に入るのが今年だと考えているところでございます。市町村の皆様、民間の皆様方と協働させていただきながら、地域に多様な仕事を生み出していけるよう取組を進めてまいりたいと考えています。
 そして、第3の柱は起業や新事業展開の促進です。昨年は起業サロンの取組を立ち上げるなど起業促進の取組につきましても新たなスタートを切りました。ココプラの取組と組み合わせて、さらにはIoT、AIの振興、コンテンツ産業の振興などの取組と組み合わせていくなどということを通じて、新たな起業や新事業展開がスムーズに進んでいくような支援、サポートのインフラを整備していけるように努力をしていきたいと考えているところです。
 この拡大再生産の諸施策、さらには海外への輸出促進の取組は第3期産業振興計画の大きなテーマであります。昨年は1月から3月にかけて、これらを実現し得るような施策を練り上げる時期を過ごし、そして4月以降これらの施策について実行をスタートしたわけでありますが、昨年はこれらを実現していくための基礎、スタート地点となるような様々な取組を一生懸命実施してきた年だったと考えています。
 輸出促進につきましても、昨年はどのように展開すれば輸出がうまくいくかということを、海外に行ってみて、いろいろお話も聞いてみて模索をした年でありました。クラスターにつきましても、具体的なプランづくりをスタートさせたという年でありました。起業につきましても、新たな手探りをスタートさせたという年だったと考えています。そして4月以降の様々な取組を通じて、具体的にこういう方向で展開をしていけばそれぞれについてより効果がもたらされる、第3期計画で目指した成果を上げられるのではないかという方向観が一定見えてきているという状況にあると考えています。
 今年1月から3月にかけて、この第3期計画の残余の部分について全力で実行していきますとともに、4月以降にはこの第3期計画をさらに改定して、第3期計画バージョン2としてバージョンアップをさせていきます。拡大再生産策の実現に向けて確かな歩みを踏み出していけるような年にしていきたいと考えているところでございます。
 拡大再生産策について、昨年はどちらかというとアウトプット的な成果に留まっていたところが多いと思いますが、今年はアウトカム的な成果も一つ一つ出していける、そういう年に進化をしていきたいと考えているところです。
 以上が産業振興計画によります経済活性化の取組についての私の年頭の所感でございます。

日本一の健康長寿県づくり

 続きまして、日本一の健康長寿県づくり、そして教育分野の取組についてお話をさせていただきたいと思います。
 健康長寿県構想につきましては、第3期構想を昨年4月からスタートさせました。第3期構想におきましては、それまでの第1期、第2期の取組とは異なり、五つの分野にテーマを絞り、テーマを絞った分施策をより骨太なものにしようということで取組を進めてきたところであります。第1が壮年期の死亡率の改善を図るということ、第2が住み慣れた地域で住み続けられる高知県をつくるということ、第3が厳しい環境にある子どもたちへの支援を充実させるということ、そして4番目が少子化対策をしっかり進めていこうということ、そして5番目が福祉・医療における人材不足の問題に対応するなど産業としての持続的発展に貢献できるような施策を展開していこうということでございます。
 それぞれにつきまして、例えば壮年期の死亡率の改善につきましては、健診の受診率の向上が図られるですとか、健康パスポート事業がスタートするでありますとか、さらには厳しい環境にある子どもたちへの対策につきましても、地域において子育て世代包括支援センターが立ち上がり、母子保健から福祉へのバトンタッチの仕組みがスタートするなど、それぞれの分野において様々な取組が展開し始めたという状況であろうと考えています。今年におきましても、昨年1年の実行状況を踏まえてPDCAサイクルを回し、それぞれの施策をさらに強化していかなければならないと考えており、現在その検討を進めているところです。

教育の充実

 教育分野につきましては、昨年はある意味、大きな飛躍を遂げた年であったと考えています。と言いますのは、昨年3月に教育大綱を策定いたしました。私も教育委員会の皆様とともに、総合教育会議制度のもとでこの教育大綱の策定に携わらせていただきました。そして、高知県の教育が抱えるより根本的な課題に正面から向き合う形で教育大綱に従った施策を展開し始めたところであります。
 第1がチーム学校の取組を進めるということであります。学校の現場にOJTの取組を根付かせ、それに伴って教員の指導力をさらに向上させ、さらには学校の外部の専門家との分業体制、協業体制をしっかりと敷くことによって先生方には子どもたちと向き合う時間をよりしっかりと取っていただくようにし、そして組織として当たることでより教育力を向上させ、子どもたちの「知・徳・体」を育む力を強化させる取組を徹底しようと、そのスタートを切った年でありました。
 また、厳しい環境にある子どもたちへの対策をしっかり行うということで、放課後の学習支援の取組などを充実させてまいりました。そして、これらの取組をしっかり行うためにも地域の皆様方との協働が大事だという観点から、学校支援地域本部の取組の拡充などをスタートさせました。今年におきましても、昨年1年間の取組状況をしっかりと検証したうえで、教育大綱や教育振興基本計画のバージョンアップを図っていくことを検討していきたいと考えているところです。
 そういう中におきまして、日本一の健康長寿県づくりと教育の振興の二つに共通に関わる点として、今年は特に2点について大幅に取組を強化をしたいと考えています。
 第1の点が厳しい環境にある子どもたちへの対策をさらに強化するということであります。教育の取組にしても、そして日本一の健康長寿県づくりの取組を進めるにしても、高知県には厳しい環境にある子どもたちがたくさんおられますので、こうした子どもたちへの対策をしっかりと講じていくということが私どもの責務だと考えているところであります。地域の皆様とも協働させていただいて、そして市町村の皆様とも協働させていただいて、子ども食堂の取組を強化する。さらには地域における(出産前から各段階に応じて子育てを支援するフィンランド発祥のサポート制度である)ネウボラ的な取組を強化する。そういうことにしっかりとチャレンジをしてまいりたいと考えているところであります。
 そして第2の点ですけれども、少し趣の変わる話でありますが、今年からスポーツの振興ということにさらに力を入れてまいりたいと考えております。スポーツの振興について、競技力の向上をしっかり図っていく、さらには生涯スポーツの振興を図っていく、そして、障害者の皆様方のスポーツの振興をしっかり図っていく。こういうことを通じて全体として、県民の皆様方の健康を増進し、さらには子どもたちにおける「知・徳・体」の教育効果も及ぼし、さらには交流人口の拡大につながる。そのような形での産業振興ということにもつなげていくことができればと考えているところです。
 厳しい環境にある子どもたちへの対策を強化することやスポーツの振興を図る取組を強化することにつきましては、全て部局横断型の課題だと考えております。それを成し遂げていくための庁内の組織体制の在り方も含め、現在鋭意検討を進めているところでございますけれども、この4月から本格的な実行に移していけますように、検討を急いでまいりたいと考えているところです。

南海トラフ地震対策

 4点目は南海トラフ地震対策についてです。従前より第3期の南海トラフ地震対策行動計画では八つの柱に基づいた対策を進めてまいりました。津波対策については、昨年、「『世界津波の日』高校生サミット」という非常に感動的なイベントも開催しました。私ども高知県といたしましても、黒潮町の皆様とともにサミット開催にあたって様々な準備をさせていただいてまいりました。確かに準備は大変でしたけれども、その大変さが大いに報われるような高校生たちの笑顔がサミットで見られました。我々はその笑顔に接することができて、本当に感動したところでありました。
 今年は、南海トラフ地震対策についてさらなる啓発を進め、例えば避難路の確認などの地域における取組をさらに強化していって、津波から命を守る対策の実効性をさらに高めていきたいと考えています。さらに言えば、住宅の耐震化の取組について、昨年は熊本地震の影響もあろうかと思いますが、大幅に耐震化の取組がペースアップした年であったと思っています。しかしながら、まだまだ住宅の耐震化についてはやらなければならないことがたくさんありますので、取組をさらに加速できるように努力をしていきたいと考えています。
 そして、第3期の南海トラフ地震対策の大きなテーマでありますけれども、応急期の対策につきましても実行段階に入るということでありました。この応急期の対策につきまして、例えば災害時の医療をどのように確保していくかということや、地域の避難所をしっかり確保して、そこに対する様々な支援物資の搬送をどのようにしっかり展開していくかということなどの取組につきまして、昨年1年その実行を本格化させるための準備をいろいろと重ねてまいりました。今年につきましても、まだ準備段階に留まるものもあろうかと思いますが、できるものから順次スピード感を持って実行段階に移してまいりたいと考えているところです。
 この第3期の南海トラフ地震対策について、大きく言えば住宅の耐震化を加速し、そして津波避難対策の実効性をさらに高めるように努力をするとともに、応急期の対策について一定の目途が立ったと言える状況まで持っていくことができるかが大きなテーマだと考えています。ある意味、応急期の対策ということになりますと、やらなければならないことが、急激に増えてくるわけでありまして、さらに、県だけではなく市町村や県民の皆様との連携、協働がさらに重要になってきます。また、県外の諸機関との連携も非常に重要になってくるわけでありまして、これらの取組をさらに徹底していきたいと考えています。

インフラの充実と有効活用

 そして5番目の取組はインフラの整備についてです。南海トラフ地震対策に関係する様々な重要インフラの整備が急がれるところでございます。しっかりと国をはじめ関係機関の皆様とも連携をさせていただきながらインフラ整備の取組を進めてまいります。

中山間対策、少子化対策と女性の活躍の推進

 中山間対策、そして少子化対策、女性の活躍促進のための取組につきましては、今まで申し上げた五つの基本政策を横断的に組み合わせることによりまして、今年もこれまでの土台の上に立って、さらなる展開を図ってまいりたいと考えております。

高知県の強みの発信

 今年は、幕末維新博が開催される年ということになります。それに合わせて高知県の強みをさらに対外的に発信をしていく。その発進力を大幅に強化することが一つのテーマだと考えております。昨年1年間、様々な準備をしてきたことを土台として高知県の良さを県外の皆様方により多く知っていただけるような、対外的な発信を大幅に強化していけるよう努力をしてまいりたいと考えています。

国への対応(1)

 そして、併せまして、国に対する政策提言につきましてもより一層、力強く展開しなければならないと考えています。昨年の参議院選挙におけます合区の問題に象徴されますように、残念ながら都会と田舎では考え方がかなり違うと思われる部分が拡大してきていると思っています。私どもとして、しっかりと田舎の声を東京に向けて発していくということが大事だと思っています。
 従前より申し上げておりますが、人口減少が全国より15年先行してスタートした高知県は、これから日本全体が行く道であろうところの姿を既に体現している県であります。高知の持つ人口減少に対抗するノウハウはまさに今後日本全体が欲することとなるノウハウだと考えています。私どもは「課題先進県だからこそ課題解決の先進県になりたい。」との思いを持って様々な取組を進めてまいりました。この課題解決先進県としてのノウハウを地産外商をはじめとした産業化につなげていく、防災関係の取組につなげていく等々しますとともに、併せて、国に対する政策提言にもしっかりと活かしていく。国においてもしっかり田舎を視野に入れた、さらに言えば将来の人口減少社会の到来というものも視野に入れた、そういう国政が展開されていきますように私どもとしての声をより一層上げていくべく努力を重ねてまいりたいと考えております。それが今後の50年、人口減少が進展していくであろう日本全体のためにもなるのだと考えているところです。

県勢浮揚を目指して

 改めて、昨年1年間は県民の多くの皆様からご指導、ご鞭撻を賜りましたことに心から御礼を申し上げます。今年、2017年におきましても県勢浮揚を目指して飛躍への挑戦をさらに続けてまいりたいと考えております。官民協働、市町村政との連携協働のもと、県政浮揚に向けてさらなる飛躍を果たすことができますように、全力でもって様々な挑戦を続けてまいりたいと考えているところでございます。ぜひとも、県民の皆様方のご指導、ご鞭撻そしてご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。そして、県民の皆様にとりまして今年1年が本当に良き年となりますことを心からご祈念いたしたいと思います。
 今年もよろしくお願い申し上げます。

<質疑>

幕末維新博

(石井・NHK記者)
 幕末維新博の関係で、知事も所感の中でおっしゃっていました、いわゆる対外的な情報の発信というのが必要かと思います。ただ、期間が長いので、事前にだけ情報発信しなければいけないというわけではないと思うんですけれども、長期的に見た情報発信の戦略について、今決定していることも含め、もう少し具体的に教えていただきたいです。

(知事)
 ご指摘のように、幕末維新博は2年かけて実行するものです。そして、2年かけてじっくりと実行していくからこそ、実行しつつ実力をつけていくというような形で高知県関係の自力を上げていくことができればということが最終的なねらいです。ですから、途中途中においても勢いを失わないようにしていくということが極めて大事だろうと思います。 まずは、1月中旬ぐらいから全国的なプロモーションを本格化していきたいと考えています。実際、プロのエージェントの方々に対するプロモーションも昨年の秋ぐらいからさせてもらっていますけれども、一般の皆様方に、高知において「志国高知 幕末維新博」をやるのですよということについてのプロモーションは、1月半ばぐらいからになろうかと思っています。
 そして、開幕までにかけて、プロモーションについて順次様々な展開を図っていきますとともに、開幕しても、時々の節目に一定の話題をつくって、それを発信していくということを企画しております。
 そして、来年はNHKの大河ドラマが「西郷どん(せごどん)」ということで、我らの観光特使であります林真理子先生原作の「西郷どん!」が放映をされることになります。この大河ドラマにも大変期待をしているところです。そして、来年1年はおそらく明治維新150周年の記念事業、こちらも政府を挙げて、おそらく自治体も巻き込んで様々な展開をされていくということになろうかと思います。
 今年1年間、段階的にプロモーションをつないで盛り上げていって、そして来年1年、大河ドラマ、さらには明治維新の記念事業などを通じて、明治維新についての様々な盛り上がり、関連した盛り上がりが出てくるだろうと思いますから、私どもの飛び石的なプロモーションの取組を、来年の盛り上がりにつなげていくことができればと考えているところです。これが第1点です。
 具体的にどういうことをするのかは、今は言えませんので、そこはお許しをいただきたいと思います。

スポーツの振興(1)

(石井・NHK記者)
 スポーツの振興の関係で、予算要求の資料を見ますと、いわゆる若い世代の高校生とか、そのぐらいの世代に対していろいろ新しい事業なんかも計画されていると思いますが、もう少しこういった点をさらに強化したいというふうなお考えがあればお聞かせください。

(知事)
 今まで教育改革の中で体力向上を目指した取組を行ったり、龍馬マラソンを行って体力増進につなげていただこうとしたり、さらには健康パスポートの取組などのように全体的に健康力増進につながるような取組をしてまいりましたけれども、残念ながらスポーツ全般の振興という観点からいけば、まだまだ本格的な展開はできていなかったのかなと考えています。
 そしてまた、国体の順位などを見させていただいても、残念ながらやや低迷しているという状況なのかなと思っています。「知・徳・体」関係の取組を進めてくる中において、いろいろとチャレンジをしてまいりました。そういう中において、いよいよ教育分野においても、スポーツの振興ということに本格的に取り組むことができる段階が来たのかなと思っています。さらには、様々な施設整備のスケジュールなどを考えても、いよいよこれからスポーツの振興に本格的に取り組んでいける段階が来つつあるのかなと思っています。国体47位で残念だったということもありますし、ちょうど機が熟しつつあるかなというタイミングに来ているということもあろうかと思いますので、スポーツの振興について、この4月から本格的に展開できるように努力していきたいと思っています。
 先ほども申し上げましたけれども、視点としては三つだと思っています。
 一つは競技力の向上を図るということです。競技力の向上を図っていくために優秀な指導者の方を招へいしてきたり、必要となる施設の整備などをしっかりやっていきたいと思っています。そういうことを通じて子どもたちが競技力向上を目指してスポーツに取り組むようになり、結果として子どもたちの「知・徳・体」すべてを鍛え、大きな教育効果を発揮するという形に展開できればと思っています。子どもたちは一生懸命競技に取り組むことを通じて、生涯にわたってそのスポーツになじむこともできるようになりますでしょうから、生涯スポーツの振興ということにもつなげていけるような取組になればと思っています。
 そして2点目が、1点目とも重なりますけれども、生涯スポーツの振興そのものにもかかわるような取組をしっかり展開できればと思っています。この点については既に例えば龍馬マラソンなどの取組をしてきているところですが、競技力向上の取組を通じてジュニアの選手だけじゃなくて、シニアなどそのような皆様も一緒に楽しめるような仕組みづくりができればと考えているところです。
 それと3点目の視点というのがスポーツの振興を産業振興につなげるということであります。これまでもプロスポーツの誘致に取り組んだり、さらにはアマチュアの合宿の誘致に取り組んだりしてきているところですが、しっかりとそれぞれのスポーツにかかる施設・拠点を整備し、さらにはそれぞれの団体における競技力向上の取組などをしっかりと行っていただく。そういうことなどを通じて、さらに合宿の誘致が進んでくるでありますとか、全国的なスポーツ大会が開催されるでありますとか、そういうことなどを誘発して、結果として交流人口の拡大、産業の振興につなげていくことができればと考えているところです。
 競技力の向上と生涯スポーツの推進、そして産業振興、これはある意味、関連した三つの輪ということになると思います。三位一体で進めていくことでお互いに相乗効果をもたらすことができればと思っています。

国への対応(2)

(木田・時事通信記者)
 国への政策提言をさらに強化していくというお話がありましたが、具体的にどのような分野でどのようなことを特に国に求めたいかというのがあればお聞かせください。

(知事)
 時々のテーマがあるだろうと思いますけれども、例えば昨年ですと、南海トラフ地震対策の関係で緊急防災・減災事業債がなくなりそうになったりして、大変な危機感を持って知事会を挙げて政策提言もしたところでありました。高知県としても先頭に立って政策提言してきたつもりでありますが、その時々においてこういうテーマというのは出てきます。今年もまた年を通じていろいろ新しいテーマも出てくるだろうと思いますが、地方創生の議論を通じて、田舎を大事にしていこうじゃないかという機運というのは出てきていると思います。それでも、他方で東京などで私がいろいろと接する中において、考え方が都会重視だなと思えるようなものも多々あると感じていたりもするところでありまして、地域において産業の振興を図っていくこと、様々な人口減少に対する対策を講じていくことは、ある意味非常に総合的な取組が求められるものではないかと思います。何か1個のヒット商品があって、誰かがアイデアを出してちょっと知恵を出せば何とかなるというような簡単な問題ではなく、地方における課題というのは、あれも課題これも問題だけれども、全体として優先順位をつけて一つ一つその課題を解決し、新しい価値を創造することで、全体としての底上げがじわじわとなされてくるものだろうと、息の長い取組だろうと思っています。
 霞ヶ関において、また永田町において、地方創生に向けた取組などに息長く力強く応援していただけることとなりますよう、効率一辺倒のもとに地方が切り捨てられたりすることのないように、各分野においての政策提言はしっかり行っていく必要があると思っています。
 ただ、併せて、地方の側においてもこういう姿勢が大事なのかなとも最近つくづく思っているのですけども、このような手順・段取りで私どもとしては地方の振興を図っていきたいと思っているのです、という全体像をしっかり示していくこともまた大事だと思っています。
 おそらく、私どもが聞き取り型で政策提言をすると、非常にアドホックな(特定の目的に限られた)形で提言しているように見え、結果として単発的な取組を何か求めていると思われてしまってはいけないんだろうと思います。私どもとしてはこういう形で地産を強化し、こういう形で外商の強化につなげ、それをこういう拡大再生産のパスに乗せようとしているというシナリオを持っていますと。この部分において、ここのパーツで、そしてこのパーツで、それぞれ国としての後押しができるようにしてもらいたいという形で提言をしていくということも大事なのかなと思っています。
 一言で言うと、田舎が何をやろうとしているかということについて、しっかりと国に対して理解をしてもらう取組も強化しなければならないのだろうと思います。こういうことを通じてお互いに深い理解をし合って末永く、息長く、ある意味地方創生という言葉が日本において普通名詞になるように取組を強化して、政策提言も重ね、私自身としての取組もしっかり行っていきたいと思っています。
 具体的に言い出したらきりがありません、たくさんあります。

人口問題

(大野・高知新聞記者)
 第3期の産振計画の目標の中に、人口の社会減の解消というのが目標に入っていますけれども、県際収支が良くなるとかというのは産振と直結しますけど、あえて人口問題という目標を産振計画の中に組み込む意味といいましょうか、その目標が達成されるということのインパクトとか意味合いというのは何なのかというのを、改めてお聞きしたいと思います。

(知事)
 人口減少下にあっても縮まない経済をつくるということが、産業振興計画の大きな目標と思っています。かつて有効求人倍率が全国がどんなに良くても、本県が上昇しなかったときはどういう状況だったかというと、人口減少、生産年齢人口の減少に伴ってそれ以上に経済が縮んだときだったわけです。
 ところが現在、諸データを見ても、生産年齢人口は人口ピラミッドの構成に従って減少を続けていますけれども、いろんな生産量等はむしろ拡大する傾向にあって、人口減少下でも縮まない経済になりつつあります。結果、人口減少とパラレルに(並行して)求職者は減るかもしれませんが、それ以上にはるかに求人が増えて、有効求人倍率の上昇につながってきているということなのだろうと思っています。
 引き続きこうした流れを維持していかなければなりません。ところが、人口が減っている中で私たちが非常に懸念することは、新しいチャレンジをしてもその後継者がいないという状況が見えてきていることかと思っています。
 典型的な例が農業です。新しい農業を展開しようとしても、その農家の方に後継者がいないので、結果次世代型の新しいシステムを導入することをためらわれることでありますとか、地産外商の取組で随分販売額が増えてきても、残念ながら後継者がいないので新たな設備投資をためらわれることでありますとか、そういう事例が見えてきているわけです。
 これはどういうことかというと、結局、人口減少によって経済が縮む、人口減少の圧力というのはものすごく掛かり続けているということなんだろうと思います。この人口が減る、もっと言うと生産年齢人口が減ることによって、いろいろなところで空いたポストができるということです。例えば後継者がいなくて生じた空きポストをそのまま放置するということは、経済が縮むということを意味します。この空いたポストについて、そこをしっかりと県内外の若い人につなげていくことでもって縮まない、もっと言うと、その空いたポストについて新しい価値を付け加えてむしろ拡大していく、新しい創造をして拡大する経済につなげていくということが極めて大事だろうと思っています。
 それができたかどうかの疑似指標が、人口の社会減がプラスに転ずるということです。生産年齢人口は一定の減少があるわけですけれども、生産年齢人口について少なくとも社会減の面においてはプラスに転じて、しっかりと県内に人々が入ってくることで空いたポストに、もしくは新しく創造されたポストにも、しっかりと新たな人材が担い手となり、新たな取組がスタートしていくということにつなげていければと考えているところです。社会減がプラスに転ずるということは、それ自体に非常に意味のあることであり、分かりやすい目標かと思います。ただ、もっと言うと、単に社会増減がプラスになるというだけではなくて、人口減少によって本来ならば縮んでいこうとしている経済が、しっかり社会増減をプラスにすることで担い手を確保して、むしろその縮みを押しとどめるということにつなげられればと思っています。さらに言えば、地産外商の取組などを通じて新しい事業も展開され始めてきていますから、「担い手をしっかり確保して、それが次の展開につながっていくように持っていければ」という思いのもとで、人口の社会増減をプラスにするという目標を掲げているということです。
 もともと人口の社会増減をプラスにというのは、分かりやすい目標だと思いますが、ただ、その奥にある考え方というのは、人口減少によっても縮まない、むしろ拡大再生産し続けられるような経済をつくっていこうということだと考えております。

県政課題

(大野・高知新聞記者)
 尾﨑県政のこの施策の流れといいましょうか、それを少し確認したいという趣旨の質問なんですけれども、先ほどもお聞きした、12月議会でも感じたんですけれども、ど真ん中の産業振興というのが進行する中で、先ほどおっしゃいましたけど、例えば厳しい環境にある子どもたちへの支援というのがちょっと前に出てきつつあるのかな、というふうな印象を受けてます。
 それは地震対策のハード整備が一定進んで、今はどちらかというと粛々と進めていくみたいなもので、産業振興計画においても様々な工夫を凝らした仕掛け・計画というのを実行段階に移していく。それはそれで当然メインなんですけれども、もう少しじゃあ別の分野というかジャンルとかっていう、3番目、4番目あたりにあった尾﨑県政の柱みたいなところにシフトしていっているのかなというような印象を受けたんですが、その辺の力の入れ具合とかバランスというのはどのようにお考えですか。

(知事)
 それこそ12月議会の答弁でも申し上げましたけど、基本的には産業振興計画についてもその他の施策についても、長期的に見れば、こういうことをやりたいという理想の姿があるわけです。しかしながら、それがすべて着手できるかというと決してそうではなく、その時々の段階に立脚して、今できることは何なのかという視点から、まずはスタートするという形になっていくわけです。
 地産外商についても、将来的には輸出の展開も図っていくようにしたいとは当初から思っていましたけれども、いきなりそこからはチャレンジできない。だから、まずは首都圏における地産外商からスタートし、それがだんだん国内全体に展開をしていって、その間に輸出振興の取組の準備を始めて、いよいよこれから本格展開に向けてもう一段ギアを上げるかという状況だと思うんです。
 すべての施策について、長期的にはこういうことをやりたいなというものはあったとしても、今の段階でできることは何かということを考えて、そして段階が進むにつれて、その長期的な目標に向かって一つ一つ、毎年毎年バージョンアップしていって、その進路に合わせて政策の進化も図るということを繰り返してきた、ということの積み重ねだと思っています。
 そういう意味において、教育改革についても最初の段階というのは、どちらかというと非常に対症療法的な施策だったと思います。例えば単元テストについて必ずしもやってなかったとか、宿題もあんまり出してなかったとかいうような状況の中において、単元テストの教材づくりをして学校の現場に配らせていただいて、それをやっていただきたいというようなところからスタートしています。
 ただ、教育改革の取組も毎年だんだん積み重ねていく中において、より根本的な施策に取り組んでいかなければならないという状況になってきたと思っています。より根本的な課題に取り組まなければならないということの典型的なものが、厳しい環境にある子どもたちへの対策ということなんだろうと思っています。
 従前より申し上げていますけれど、高知県の教育関係の指標を見ると、決して「知」だけが悪いわけじゃない。「知・徳・体」すべてにおいて、極めて厳しい結果が今まで出続けてきた。やっぱりこれらは連動しているんだと思います。その背景には共通の課題というのがあるんだろうと思っています。その共通の課題とは、厳しい環境にある子どもたちが多いということだろうと思います。
 そしてまた、日本一の健康長寿県構想の取組をしてきても、今までは虐待事案等の対応としては、児童相談所の体制を強化するでありますとか、どちらかというと対症療法型の取組を非常に強化し続けてまいりました。
 そういう中において、あったかふれあいセンターでありますとか、地域の見守り対策とか、そういう取組なども進めてきたところでありますけれども、より根本的に厳しい環境にある子どもたちに対しては、対症療法にとどまらず、より根治対策につながっていくような対策を強化していく、そういうことにいよいよチャレンジしていこうという段階に至ってきていると思っています。
 そういう意味において、産業振興計画、南海トラフ地震対策、さらに教育改革、長寿県構想、それぞれのウエイトが変わったというよりも、それぞれの施策について毎年取組を進めていく中において、毎年チャレンジするテーマについては進化させていっているわけですが、この教育改革や長寿県構想ということについては、より高知の抱える根源的な課題である厳しい環境にある子どもたちへの対策というところに、いよいよ本格的に施策を展開する段階にきたと判断し、そちらに大きく歩みを踏み出していこうとし始めているということだと思っています。

組織改編

(村上・高知新聞記者)
 先ほどのおっしゃられた教育と福祉とか、その健康長寿県の話なんですけど、知事が部局横断型の課題で鋭意新しい検討をしているというふうにおっしゃっていましたけども、実際に人事異動とかも含めていろいろ新たな部局を替えたりというようなことなども考えられているのですか。

(知事)
 健康長寿県構想や教育改革については、まだ今の体制で大丈夫ではないかと思っています。これも教育委員会、地域福祉部、健康政策部と三つぐらいにわたりますけど。ただ、スポーツについては少し考えなければならないのかなと思っていまして、教育委員会にスポーツ関係部局はありますけれども、ちょっと教育という分野にとどまらない点もあるのではないかということを検討しています。ただ、まだ検討段階ですので、はっきりしたことは言えませんが、スポーツは少し構えを大きくしていかないといけないのではないのかなと考えているところです。
 また、民間の皆様ともよくご相談させていただいて、官民協働での体制の在り方なども考えていく必要が出てくるのではないのかと思っています。

スポーツの振興(2)

(村上・高知新聞記者)
 東京オリンピック等も念頭にあるんでしょうか。選手を出したいとか。それよりも体とか体力づくりということでしょうか。

(知事)
 東京オリンピック・パラリンピックにぜひ選手を出したいというのは、確かにそのとおりであります。ただ、東京オリンピック・パラリンピックで例えば事前合宿を誘致してくるとか、さらにもっと言うと、今もたまにあってありがたいのですが、いろいろな全国大会が高知で開催されたりします。こういう取組は産業振興としても極めて大事です。スポーツ振興の取組ともう一段うまく連動させ、産業振興につなげられる合宿の誘致であったり、さらには事前合宿の誘致にとどまらず、競技力の向上、教育力の向上、生涯スポーツの向上にうまく連動していけるような仕組みづくりも、大事になってくると思います。先ほども申し上げましたが、競技力向上と生涯スポーツの向上、そしてスポーツを通じた産業振興というのは三位一体で展開すべきだと思います。
 そういうことを考えても、元に戻りますけど、少し構えを大きくしないといけないのではないかと考えています。

(村上・高知新聞記者)
 スポーツを核にして観光とか産業振興と教育とか、健康長寿県にと。

(知事)
 という形で展開できるんじゃないかと思います。

平成29年度地方財政対策

(木田・時事通信記者)
 来年度の国の予算案で地方交付税の総額が4,000億円減額され、歳出特別枠も2,500億円削減されています。この点について全国の知事の中からは厳しいという声も上がっていますが、尾﨑知事としてはこの点の受け止めはいかがでしょうか。

(知事)
 そうですね。(来年度予算について)余裕があるということでは決してないです。ただ、政府としては精いっぱいのご努力をしていただいたのではないかと思います。臨時財政対策債での対応を含めまして、一般財源について一定確保していただいているということでありますから、その点についてはご努力をいただいたと思っています。
 平成29年度(の地方財政対策)は、ご案内のように(28年度は1.3兆円あった)前年からの繰り越しが見込めず、例年になく厳しい状況にありました。だから、すごく心配していたんですけれども、そういう中においては、一定のところまで持っていっていただいたということかと思います。

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