平成30年3月28日  知事の定例記者会見

公開日 2018年05月21日

演台の寄付受納
財務省の決裁文書改ざん①
太平洋クロマグロの漁獲規制
嶺北移住者の性被害
町村議会のあり方に関する研究会による報告
財務省の決裁文書改ざん②
旧優生保護法
四国電力伊方2号機の廃炉決定
石川県知事7選と多選
佐川前理財局長の印象
中山間地域における高校再編
公文書改ざん問題による憲法改正議論の遅れ
香南工業用水道事業

演台の寄付受納

(知事)
 はじめに、この演台が本日から新しくなりました。これは、高知県建具協同組合の皆さんから、同組合の創立50周年事業としてご寄付をいただいたものです。県産のスギ、ヒノキを活用していただいておりまして、こういう赤味のヒノキの木材は現在、大変貴重とのことです。建具協同組合の皆さんに、心から感謝申し上げたいと思います。

財務省の決裁文書改ざん①

(木田・時事通信記者)
 学校法人森友学園の国有地売却に関する財務省の決裁文書の改ざんが明らかとなりました。尾﨑知事は財務省のご出身ですが、この受け止めをお願いします。

(知事)
 決裁文書を改ざんして、その改ざんした文書を国会に提出するということはあってはならないことだと思います。こういうことが起こったということは、非常に由々しきことだと思います。その原因の解明をしっかりして、しかるべき形で再発防止策を講じていくことが非常に大事だろうと考えております。
 私も、財務省で17年ぐらい仕事をしておりました。途中、出向もしたりしていましたけれども、正直申し上げてこんな話は聞いたことがありません。この話を聞いたときは、本当に驚きました。何でこんなことになってしまったんだろうと、本当にびっくりしたところですけれども、いずれにしてもあってはならないことです。何故こういうことが起こったのかを明らかにして、そして、しっかりと責任の所在も明らかにした上で、再発防止策を講ずることが大事だろうと思います。

太平洋クロマグロの漁獲規制

(木田・時事通信記者幹事社)
 太平洋クロマグロの小型魚について、水産庁は資源管理を強化するとし、現在の漁獲量が上限を超過した分について、次の漁期、今年の7月から来年の6月までの漁獲量から差し引くとしています。高知県も現在の漁期の上限を超過していますが、県としての対応をお聞かせください。

(知事)
 次期管理期間の漁獲の上限が、超過分差し引かれることについては、沿岸漁業者の皆さまにとって非常に厳しいことになるだろうと考えております。次期管理期間からは、資源管理法に基づく管理が始まりますので、いわゆる法律に基づく管理となります。そういう意味では、より厳格な管理が求められますので、期間を通じて、適切な管理が行われていくように、県としてもしっかり対応しないといけません。
 そういうことで、例えば漁業種類別や海域別、時季別の、県としての計画をしっかりと作って、周知徹底を図っていくと。また、年度途中においても、漁獲の達する割合に応じて、事前警告措置をとらせていただくという形で、私どもとしてもしっかりと割り当て数量を遵守するための取り組みを進めたいと思っています。
 併せて、割り当て数量を遵守していくことになると、いわゆる漁業収入が、前年に比べて減じてしまう方も出てくる可能性もあります。そういう場合について、例えば、漁業収入安定対策事業、これは一定、減額分を補填する事業ですが、こういうものの充実も図られてきているところですので、こちらについて、ぜひ皆さんに活用していただくよう呼びかけていきたいと思います。

嶺北移住者の性被害

(森岡・朝日新聞記者)
 今インターネット上で、嶺北に移住していた方が、嶺北にいたときに性被害を受けたというようなブログが、結構拡散されていて、NPO法人ONEれいほくというところの関係者が、性被害の加害者になっているというような話らしいです。このNPO自体で調査をしている段階らしいんですが、県としても何か調査をしたり、対応とかを考えていかれるのでしょうか。

(知事)
 すみません。その話は今初めて伺いましたので、どういう内容か調べて、その上で対応を考えさせていただければと思います。

町村議会のあり方に関する研究会による報告

(木田・時事通信記者)
 総務省の研究会が26日に、小規模市町村の議会維持に向けて少数の常勤議員らによる集中専門型議会、兼職・兼業議員による多数参画型議会を選べるようにする制度を提案する報告書を公表しましたが、この報告書の受け止めはいかがでしょうか。

(知事)
 今回、研究会の報告書としてこれだけ速やかにご対応をいただいたこと自体については、本当に感謝申し上げたいと思います。そういう中において、いわゆる集中専門型、さらに多数参画型という形で、町村議会の在り方の選択肢を広げようと検討いただいていること自体は、非常に歓迎すべき方向だと考えているところです。
 他方で、実際に、例えば集中専門型や多数参画型という制度そのものが、今問題となっている大川村において当てはまるのかどうかについて言えば、より現実に即した、より深い検討が必要だろうと考えています。
 本日も開催しているところですが、高知県と大川村との間で検討会議を開催してきていますけれども、この会議の場において、より詳細に大川村の皆さんと一緒に検討させていただきたいと思います。 
 詳細な検討をすることで、例えばこの点についてはもっと改善をとか、例えばこういう方向でとか、新たな私どもとしてのいろいろな考えが出てくると思いますので、その考えに基づいて、政策提言なども行っていくことになるのではないかと考えているところです。
 まだ、あくまで研究会の報告書が出された段階ですから、これをスタートとして、いろいろとより現実に即して考えていく。またさらに政策提言をしていく。そういう形でより実効性ある形での成案が得られるようになってくればいいと思います。
 ただ、これだけの短期間で、しかもこういう非常に難しい問題について、幅広い選択肢を提示いただく形になったことは、本当にありがたいことだと思っています。

(大野・高知新聞記者)
 関連しまして、選択肢が広がったというようなご指摘があったんですけれども、例えば、兼業・兼職の禁止、一つのパターンにおいてはこれも緩和するというような方向性が出ています。具体的にもう少し、県と大川村の提言内容に即したところがどういうふうに生かされたのかとか、注目ポイントみたいなところがあったら教えてください。

(知事)
 大川村の関係で非常にポイントとなったのは2点だと思っています。非常に人数が少ない、絶対的に人口が少ない中において、町村議会議員の定員を確保していくため、立候補者を十分に確保していくためにということですが、多くの方が一人でいろんな仕事をされていることを考えると、兼業禁止規定があまり厳し過ぎると、なり手になっていこうという方々がどんどんどんどん少なくなっていってしまう。資格を満たす人が少なくなってしまうのではないかという問題が一つ。いわゆる兼業の問題です。
 そしてもう1点が、やはり、暮らしていけるということでなければ、なかなか議員のなり手がいないのではないかいう問題があります。兼業について一定緩和できないかということと、もう一つは十分な報酬を確保していくためにはどうあるべきかということ、この2点が論点になってきたんだと思います。
 私どもの政策提言の中でも、基本的にはこの2点を柱として提言させていただいてきたところですが、今回、両方満たす一つの案にはなっていませんが、それぞれを満たすためにはこう考えられるのではないかという形での提起はなされたわけです。
 報酬を上げるのであれば、専門型として専業的に仕事をする態勢が必要となってくるのではないか。また、そうなったら人数が少なくなってしまう可能性があるので、その分を補うために議会参画員などという制度で、より幅広く議員を集める制度を考えてはどうか。兼業の規制を緩和するという観点であれば、一部議決事件から除外をするという対応も図っていきながら、多数参画型の対応を図っていくことも考えられるのではないかなど、それぞれの論点について、選択肢が示されたことの意義は大きいだろうと思っています。
 これからより詳細に詰めて検討しますけれども、兼業規定をもう一段緩和できないかという問題と、生活給の保障ができるのかという問題をそれぞれ別々の問題として分けて本当に通用するかどうかということについては、検討を深めなければならないだろうと思います。
 ただ、それぞれの規定、それぞれの条件、困難を克服していくためには、こういう点が満たされなければならないのだという考え方がきちんと示されていることは本当に意義深いと思います。だから、そこから本格的にさらに議論を深めていくことができるだろうと思っています。

(大野・高知新聞記者)
 この報告書に対して、全国市議会議長会と町村議会議長会が意見表明をされていまして、全体的には先ほどおっしゃったようなところについての細かな指摘というのも、専門家らしい指摘もあるんですけど、トーンとして国側が新制度の枠組みというのをつくって、地域がそれを選ぶというというのは、地方分権の改革に逆行するという、割と批判的なトーンでの意見表明がなされていますけど、この点についてどういうふうに受け止めていますか。

(知事)
 そういう形で最終的な決定をやってしまったらそうだと思います。しかし、今回はあくまで有識者の方が、まさに課題に直面している自治体がある中において、スピード感を持って一定の解決策案を出そうとされたものですから、今回はまずスピード重視ということでご提案をいただいたということではないでしょうか。 これから、成案を得る段階において、それぞれの市町村議会の皆さんのご意見を幅広く聞いていただきたいと思います。高知県としても、そういうプロセスの中において、しっかりとご提言をさせていただきたいと思います。
 全国市議会議長会の皆さんや議会の関係者の皆さんのおっしゃることは、そのとおりだと思います。ですが、そのご意見を反映していく機会というのは、まさにこれから来るのだろうと思います。

財務省の決裁文書改ざん②

(玉井・さんさんテレビ記者)
 文書改ざん問題に戻りますけど、佐川さんの答弁拒否、刑事訴追による答弁拒否に対して、どのようにお考えですか。

(知事)
 証人喚問の制度で、証言拒否が法的に認められた権利になっている中においては、一定の限界があったのかなとは思いました。
 今回、大きく言えば二つ。総理や財務大臣などの関与はなかったということは明確にされた。これは証人喚問の中で一つ方向性として明確にお答えになられたことだろうと思いますが、もう一つ、国民が一番知りたいのは、なぜああいう改ざんが行われたのか。どのような経緯で行われたのかということだと思いますが、後者については証言拒否によって、全く明らかにならなかったわけです。証人喚問によっては明らかにならなかったわけですが、これが最後まで明らかにならなくていいわけがないのでして、これは絶対に明らかにしないといけません。
 今後の捜査によって明らかにされるということもあるのかもしれませんが、やはり私としては、財務省の自浄能力を期待するという観点からも、自ら調べて自ら明らかにするということが大事ではないかと思います。ぜひ、そういう方向で、自ら明らかにするということを徹底して行っていただきたいと思います。

(小島・NHK記者)
 念のため伺いますが、県庁内での文書の改ざんとか書き換えといった問題はないのかというところと、また実際においては通知を出したりすると思いますが、県としての対応、そして組織としての責任の取り方、どうして起きたかというところの調査を自ら財務省が行っている状況、また捜査機関もありますけども、その責任の取り方について、どう考えるか、その3点をお聞かせください。

(知事)
 その責任の取り方というのは財務省の問題についてですか。

(小島・NHK記者)
 はい、お考えを含めて。

(知事)
 今回の責任をどうするかということは、経緯を明らかにしてからだと思います。経緯が明らかになる中で、責任問題が明確にされていくということではないかと思います。
 そこの経緯が明らかになっていない段階で、責任問題を論じていることについては、そこはしっかり経緯を見てからという姿勢も必要ではないかと思います。
 それと、県庁の中において文書の改ざんが行われていたかどうかということについては、これは行われていないと思います。文書の情報公開をするのであれば文書情報課になりますし、議会に提出する文書であれば政策企画課になります。何と言っても総務部になるわけですが、少なくともそちらにおいて、そんな憶えは全くないということです。
 私自身も当然のことながら、そのようなことは全くもってしていませんので、現在文書の改ざんが県庁の中で行われているという認識は全く持っていません。しかしながら、もしも、仮に今後疑わしい事案が出てきたときには、徹底して調べるということは間違いのないことです。
 また、この改ざん以前の問題として、今までもこの文書に関係して問題になっていたのは、保存のあり方が的確なのかということです。そういうことで、今、公文書の管理に関する条例を新たに制定していこうとしています。今度、公文書館ができることに合わせて、30年度中に有識者の皆さまにもご協力いただきながら公文書の管理に関する条例の素案をつくっていこうとしているところですが、この条例づくりの中に今回の改ざん問題を踏まえて、こういうことが起こらないようにするための備えをしっかりと入れ込んでいくような検討も加えていかなければならないと思っております。

(小島・NHK記者)
 先ほど財務省に17年いらっしゃったということですが、考えられないですか。

(知事)
 出向もしていましたけどね、

(小島・NHK記者)
 やっぱりあり得ないということですか。

(知事)
 あり得ないです、正直なところ。1回作った決裁文書を後から書き換えるなんて聞いたことがありませんし、まして国会に提出する資料を改ざんするなんてことはあってはならないことだと思います。聞いたことありません。

旧優生保護法

(小島・NHK記者)
 旧優生保護法の関係で、県内では健康対策課を中心に調べて175人の個人名などを特定することができたということで、課長からは本人や親族から相談があれば丁寧に対応していきたいというようなお話がありましたけども、県として175という個人につながるものがあるということに対して、それに対して何か考えていることはございますか。

(知事)
 旧優生保護法下で強制的に不妊手術が行われたことについては、本当に遺憾なことだと思います。まず、この175名の皆さま、ご家族から個別にご相談があれば、県としてまずは丁寧に対応させていただかなければならないと考えています。
 そのうえで、例えば調査をどうするかとか、それから今後の対応についてどうしていくのかとかいうことについては、まずは国の方で対応方針を決めていくことになろうかと思いますので、国の方針が定まればそれに従って速やかに対応していきたいと考えております。

四国電力伊方2号機の廃炉決定

(大野・高知新聞記者)
 伊方原発について、先日、知事もコメントを発表されていますけれども、2号機の廃炉というのを四国電力が決めました。県として四電ないしは愛媛県に対して何かアクションなりを起こしていこうというふうなおつもりがあるのか。2号機の廃炉ということについて、例えば電力需給がどうかとか電気料金はどうなるのかと、そういう県民レベルでの心配も出てくるのかなという気もしますが、そこの点について何か対応される予定はありますか。

(知事)
 その点は既に四国電力の皆さんには申し入れてきていることですので、今の段階で新しくすぐさま対応するということは考えていません。ただ、いずれにしても、原発への依存度は低減させていかなければならないと考えてきた中において、今回2号機が廃炉になることは、具体的に原発への依存度を低減するものとして歓迎したいと思っております。
 従前より、もし2号機を再開することになるのであれば、3号機のときにやらせていただいたように、その必要性と安全性について徹底して勉強会で議論させていただくということは申し上げてまいりましたが、今回廃炉をお決めになられたということですので、これは歓迎したいと考えています。

石川県知事7選と多選

(木田・時事通信記者)
 11日に石川県知事選で谷本正憲氏が現職で最多となる7選を果たしましたが、この受け止めと改めて知事の多選に関するお考えをお聞かせいただければと思います。

(知事)
 正直なところ7選ということは、今まで24年間やられて、プラス4年間これから知事職に就かれるわけです。私、全国知事会の懇談会などで、全国の知事さんといろいろお酒も入った中で親しくお話をさせていただくこともありますが、谷本知事さんなどのように長くやられている方のバイタリティには、感服つかまつります。大したものだなと思います。正直、私なんかはもう日々四苦八苦しながら県政の仕事をさせていただいているわけですが、これを24年間、28年間と続けていく、しかも県民の皆さんからの支持をずっと受け続けていく形で、保ち続けていく形で仕事をされるということはすごいことだと思います。
 石川県や福井県などの北陸地方は県民の皆さんの幸福度、県民所得なども非常に高くて、本当にいい方向でそれぞれの地域が発展されているということではないかと思います。ぜひぜひ、こういう先輩の知事さんたちからいろいろ学ばせていただきたいと思います。
 それはそうですけれども、他方で多選の問題について、少なくとも私の考えから言わせていただければ、また過去の高知県政治ということにひるがえって考えてみても、また高知県の今置かれている現状ということで考えてみても、一定多選については制限があることは間違いないんじゃないかと思います。
 従前より私は3期12年が区切りではないかというお話もさせていただいてきました。それは3期12年で全く成果が出ないということであれば、そのときには今までの方向が間違っていたということになるのでは、というお話をさせていただいてきました。しかしながら、もし3期12年の中で培ってきた方向性が一定効果を上げているのであれば、そこから先の、例えば4期というようなこともあり得るんではないかともお話をさせていただいてきたところです。これは私自身の問題というよりも、高知県の一般論としてそういうこともあり得るのではないかということをお話させていただいてきたところです。
 少なくとも高知県のように非常に厳しい環境に置かれている県においては、時々の県政運営のあり方が正しいかどうかを4年ごとに判断していく中で、1期1期どうしていくべきなのかということを判断していくと。本人もそうでしょうし、また、当然のことながら県知事選挙という形を通じて県民の皆さまにご判断いただくということが大事じゃないかと思います。まとめて何期までと言えるような状況ではないのではないでしょうか。1期ごとに判断していくということだと思います。

佐川前理財局長の印象

(和田・高知放送記者)
 財務省の文書書き換え問題にまた戻るんですが、知事と佐川前長官の関係性みたいなのをお聞きしたいんですが、入省が何年違いですとか、一緒に仕事をしたことがあるとか、佐川さんの印象みたいなのを知事がお持ちでしたら教えていただきたいと思います。

(知事)
 佐川さんは私より12年ぐらい先輩です。私が佐川さんと仕事をさせていただいたのは佐川さんが塩川財務大臣の秘書官であられたときです。後に主計局でも重なっていますけれど別の係の主計官だったので、主計局で仕事を一緒にさせていただいたというより、私の印象は佐川財務大臣秘書官です。当時、私は、財政分析係というところで国の財政再建目標をつくる仕事をしていました。2010年代初頭にプライマリーバランスを均衡させることが当時の財政再建目標だったんですけど、今もプライマリーバランスを均衡させることが目標になっているというのは引き継がれています。あれを初めてつくっていくときの担当補佐でしたので、大臣室も次官室も官房長室もあっちこっち行って説明して回っていましたから、そのときに佐川秘書官とお話をさせていただいたことを覚えています。
 一言で言うと、佐川さんは非常にまじめな方です。かつ本当に徹底して自らの職務を果たすというか、そういう強い意志に満ちあふれた方だったということを覚えています。ある意味いい加減な仕事は許されないというところもありましたし、そのような印象を強く受けています。それが平成13年ぐらいの話です。

中山間地域における高校再編

(五十嵐・高知新聞記者)
 高校再編計画についてなんですけど、県議会で知事が中山間地域の高校はできるだけ維持する方向で検討をすることが必要という認識を示されていますけども、これは前回の高校再編の件か何かを踏まえたお考えなのでしょうか。

(知事)
 前回の高校再編は、都市部の高校をどうしていくかという話でした。そこでも多くの皆さんが母校に愛情を持っておられる中において、大変な議論が巻き起こったわけです。今回の高校再編の議論の特徴は、中山間地域で高校の再編をどうしていくのかという問題により焦点が当てられることになりますけど、中山間地域での高校の再編は独特の要素にしっかり留意しなければならないと思います。
 何かというと、もしその地域で高校の再編をすると、例えば10校あったものが9校になるというのではなくて、1校が0校になってしまい、その地域で高等学校の教育が受けられなくなるということになると、いろんな意味において、その地域での教育機会が大幅に失われてしまうということにもなりますし、子育てをされる皆さんにとっても、中学までしか子育てがしにくくなってしまうんじゃないかというご不満も出てくると思います。そのことが、例えば移住政策や若者の定住などにもいろんな悪影響を及ぼしてしまう可能性があると思います。
 中山間地域の発展を考えていこうとするときに、一つ数が減るのではなく、高等学校が全くなくなることの影響度はものすごく大きいものがあると思っています。ですから、できる限り子どもの教育に悪影響を及ぼさないというのが第一ですが、そのうえでできる限り中山間地域の高等学校は残す方向で検討していきたいと思います。
 ただ、あくまで子どもの教育に悪影響を及ぼさないという観点も大事ですから、その両方を合わせ鑑みて、うまくそこが両立するような手段がないのか知恵を巡らしたいと思います。

(五十嵐・高知新聞記者)
 先日、梼原高校で生徒の92%、26人中24人が梼原中学校から梼原高校に進学したということで、学力支援だったりとか、あと部活の充実だったりということがすごい功を奏したっていうことらしいですけれども、残ってもらうための高校の活性化策について、知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 知徳体、それぞれの教育内容をしっかり確保できるように工夫するということが一つ。そのうえで域外からも生徒の皆さんが来ていただけるようにしていかないと、中山間の小規模校の活性化にはなかなかつながっていかないところがあると思います。ですから、域外から生徒の皆さんに来てもらえるようにするためにどういう工夫が考えられるのかということをそれぞれの学校ごとに考える必要があるだろうと思います。
 梼原高校は、典型的にそこを大変な工夫をされたところで、野球部という仕組みを通じて、地域を挙げて梼原高校の野球部を盛り上げていこうと取り組んでいかれています。高校が非常に充実してくる中で、例えば中学校の皆さんでも残っていこうという子どもが増えてくることになってきているんだと思います。
 集落活動センターでも、梼原高校の子どもたちを応援する取り組みをしたいとおっしゃる方はたくさんいらっしゃいますし、住民の皆さんからもそういうお話をよく聞きます。地域を挙げて外部からも、域外からも生徒さんを呼んでこられるような工夫をすることが非常に大事だと思います。それぞれの地域でそれぞれの特徴を出せるはずだと思いますので、それをぜひ工夫していきたいと思います。
 ICTなどが発達してきており、テレビ会議なんかも昔と違ってバグもほとんどなくなってきてストレスも少なくなってきていますので、遠隔地で不利だった点を相当補える工夫などもできるんじゃないかと思います。そういうことをしたうえで、中山間ゆえの特色を出した工夫を何とか考えられないかと思っています。
 まだ、私も答えがあるわけではありません。これから一生懸命考えようということです。

公文書改ざん問題による憲法改正議論の遅れ

(竹村・KUTV記者)
 文書改ざんを巡る問題のもとで、国会での憲法改正を巡る議論などが停滞していると言われていまして、高知県の合区の解消も絡んでくると思うんですけども、その点についてはどのようにお考えですか。

(知事)
 特に合区の解消問題については急いで議論をしていただきたいと思っているところです。次の参議院選挙までにあと1年3カ月ぐらいしかなくなってきました。自由民主党において今憲法改正案をまとめられて、そういう形で物事が進んでいることについてはありがたいことだと思います。ぜひ国会において、しっかりとこの憲法改正案についての議論も進めていただきたいと思います。
 合区の問題については、まずは合区を解消することが大事ですが、併せて、ぜひ今の時代における地方自治の意義というものを改めて踏まえていただいて、地方自治の規定全般の充実ということも併せて議論をしていただきたいと思っています。

香南工業用水道事業

(中田・高知民報記者)
 昨日の外部監査で、香南工水とか厳しい指摘をいただいたと思いますけども、県の主張とすれ違いといいますか、そういうことを感じたんですが、このことについてどのように受け止めていますか。

(知事)
 当時はそれぞれの時期において県勢浮揚を目指して最善の判断を積み重ねていったけれども、後々やむを得ざる事情によってああなってしまったということだろうと思います。県としては県の主張をさせていただくわけですが、ただ、客観的に外部から厳しいご意見をいただくということが包括外部監査の意義であり、今後の自戒として非常に大事なことだろうと思いますから、包括外部監査そのものは端的に受け止めさせていただいて、次の新しい中期計画づくりに活かさせていただければと思っています。

(中田・高知民報記者)
 指摘のあったのは、香南は廃止の方向も含めてということで、結構思い切った話ですけど。

(知事)
 今後の対応をどうするかという話については、まだほかにも選択肢があるのではないかと思っていますから、選択肢を幅広くとって対応を考えさせていただければと思います。

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