令和元年6月定例議会での知事提案説明(追加提案)

公開日 2019年06月19日

令和元年6月県議会での知事提案説明(追加提案) (6月19日)

 ただいま追加して提案をいたしました議案に関しまして、ご説明を申し上げます。
 第15号議案は、新たな管理型産業廃棄物最終処分場に関しまして、佐川町加茂における地質調査や基本設計、長竹川の増水対策や上水道整備への支援などの実施に要する経費として、総額1億9千8百万円余りの歳入歳出予算の補正並びに総額6千7百万円余りの債務負担行為の追加に関する一般会計補正予算を提案しようとするものであります。

 県が新たな施設整備に向けて取り組んでおります管理型産業廃棄物最終処分場につきましては、開会日における提案説明で申し上げましたとおり、知事として、佐川町加茂を新たな管理型産業廃棄物最終処分場の建設予定地に決定させていただき、先月31日、佐川町及び佐川町議会に対しまして、施設整備の受け入れについて、正式に申し入れを行わせていただきました。
 その後、佐川町議会におかれましては、今月7日に開会した定例会などにおいて様々な視点からご議論をいただいた上で、賛成多数で新たな施設を受け入れる方針を決定していただきました。
 また、佐川町におかれましても、施設を受け入れる方針を決定され、今月16日に加茂地区の住民の皆様にその旨をご説明されました。その際、住民の皆様から、「なぜ仁淀川水系にばかり処分場を作るのか」、「住民の不安は解消されていない」といったご意見があり、町長からは「町としてはご心配の声はしっかりと受け止める」、「地区が良くなったと思ってもらえるよう全力で県に要望し、行動したい」と理解を求められたとお伺いしております。
 その上で、一昨日には、佐川町長及び佐川町議会議長から、地域住民の安全の確保や生活環境の保全、不安の解消を図ることなどを前提として、施設の受け入れを受諾する旨のご回答を正式に文書で頂戴しました。
 佐川町、佐川町議会の皆様におかれましては、管理型産業廃棄物最終処分場の受け入れという大変重い課題に関して真摯にご検討をいただき、受諾賜りましたことに対しまして、改めて心より厚く御礼を申し上げます。
 あわせて、受諾の条件として非常に重要な宿題もいただいたと受け止めており、誠実に対応してまいりたいと考えております。

 この新たな管理型産業廃棄物最終処分場は、県内事業者の経済活動を下支えする大変重要な施設であり、仮に、現在のエコサイクルセンターの埋立てが終了する時点までに後継となる施設が完成していなければ、県経済、ひいては県民生活に多大な支障を来すことが懸念され、早急な施設整備が必要不可欠であります。

 他方、当該施設の整備にあたっては、住民の皆様のご理解が最優先であると考え、これまで、誠意を持って対話を重ね、できる限り丁寧に説明を行うよう努めてまいりました。その中で、例えば地下水への影響に関して、処分場内部の水は外部に一切出さない構造で、その水もわずかできれいであること、地下水を常時監視していくといったことなど、様々なご不安の声に一つ一つ丁寧にご説明を重ねてまいりました結果、施設の安全性などへのご不安の声は減少し、一定のご理解が得られつつあるのではないかと受け止めております。しかしながら、長竹川の増水や地下の空洞の有無など、依然として施設の安全性や周辺の生活環境について、住民の皆様にご不安やご不満の声が残っていることを県として重く受け止めております。

 このため、今後、住民の皆様のご不安やご不満をしっかりと解消していくため、佐川町のご意見も十分にお伺いしながら、施設整備に向けた取り組みと併せて、地域住民の皆様の不安を解消するための取り組みや、地域の振興につながる取り組みなどに真摯に対応をしてまいります。

 仮に、本日提出いたしました議案をお認めいただけましたら、まず、施設整備に向けて、地形の状況を詳細に確認するための測量調査や、地下の空洞の有無などを調べる地質調査のほか、洪水の発生を防止するための調整池の整備などを含む施設構造の基本設計に速やかに着手してまいりたいと考えております。あわせて、この詳細な調査などを進めていく過程においても、住民の皆様に一層のご理解をいただくため、節目節目で調査結果などの情報を丁寧にご説明させていただき、ご意見を頂戴する場も設けてまいりたいと考えております。
 また、今後の調査結果などにより、施設整備が不可能と判断される致命的な事態が明らかとなった場合には、その内容を佐川町や住民の皆様にお知らせした上で、佐川町加茂での施設整備を中止することといたします。

 あわせて、地域住民の皆様の不安解消のため、施設周辺部における安全対策、いわゆる周辺対策に取り組んでまいります。具体的には、加茂地区を流れる長竹川の改修に向けた測量調査や、建設予定地の周辺における上水道の整備への支援にもつながる井戸の利用実態調査及び水質調査、進入道路のルート案を複数作成して再検討するための調査などに速やかに着手してまいります。加えて、国道33号の交通安全対策につきましては、県から国に対して積極的に要望活動を行ってまいります。

 こうした様々な安全対策を実施したといたしましても、地元の住民の皆様の中には「なぜこの地域に処分場を作るのか」といったご不満や負担感が依然としてお残りになるものと考えております。そうしたお気持ちを少しでも和らげ、せめて「その分については地域が良くなった」と思っていただけるよう、地域の振興につながる取り組みをしっかりと実現してまいります。
 この地域振興策につきましては、住民の皆様からのご意見を踏まえ、県と町による協議の場において具体的な内容をとりまとめた上で、両者で協定を締結し、着実に進めてまいりたいと考えております。

 今後、このたびの議案をお認めいただけましたら、これまで申し上げた一連の取り組みに関し、佐川町議会や住民の皆様のご意見を踏まえた上で、県と町で確認書を締結したいと考えております。あわせて、これらの取り組みを円滑に実施するため、佐川町からご要望のありました職員派遣又は職員駐在などの人的支援につきましても実施してまいります。

 引き続き、新たな管理型産業廃棄物最終処分場の整備については、その都度、進捗状況を県議会にご報告させていただき、議員の皆様方のご意見をお伺いいたします。また、情報公開と丁寧な説明を通じて、佐川町、佐川町議会、加茂地区の皆様にご理解とご協力を賜るよう、誠意を持って、真摯に取り組んでまいる所存であります。

 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

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