令和元年9月13日  知事の記者発表

公開日 2019年10月23日

配布資料:令和元年度9月補正予算(案)の概要[PDF:3MB]

9月補正予算案の概要
(知事)
 県議会9月定例会を9月19日に招集いたします。今回提出する議案は予算案では令和元年度一般会計補正予算など予算議案が2件、条例その他の議案が14件、報告議案が23件、合計39件です。9月補正予算案の概要について私からご説明いたします。
 今回は五つの基本政策の加速、さらには台風10号による被害への迅速な対応、そしてその他の事項、大きく言いますとこの三つの事項に分かれます。経済の活性化について、急いで対応すべき事項について補正予算を計上させていただいています。また、日本一の健康長寿県づくり、さらには南海トラフ地震対策など、非常に需要が多い項目について、また予算措置が可能な事項については補正予算での対応をさせていただいています。併せてインフラの充実と有効活用の部分については、国費の内示が想定したよりも多かったことを踏まえて、必要なインフラ整備をさらに加速していこうとしています。
 併せまして、台風10号による被害への迅速な対応が必要であるということで、昨年の7月豪雨以降の対応について、全力を挙げてきたところですが、台風10号においても、災害によるダメージがかなり見受けられるということで、今後の大きな災害を防ぐためにも、迅速に対応していこうと、いわゆる通年をあげた豪雨対策の一環としてこの対応措置を取らせていただきたいと考えています。
 併せまして、オリンピック聖火リレーに関連する予算も計上させていただいております。
 (資料の2ページを指しながら)こちらがその金額、規模についてです。85億2,324万円余りという補正を行わせていただきます。県債残高及び投資的経費については以上です。
 併せて、9月の議会に財政収支の見通しについて、毎年報告をさせていただいておりますが、本年度も、(資料の3ページを指しながら)こういう形で追記をさせていただきました。南海トラフ地震対策などの対策を行っていくこと、大規模事業もまだ残っているということもありまして、財政的な負担というものは大変大きなものがありますが、その中で、先々の見通しを立てていきながら、投資的経費の進度調整なども的確に行って、財政の安定を図るということに取り組んできました。こちらをご覧いただきますと、今後についても、財政措置は見込まれますが、南海トラフ地震対策などを遂行していきましても、財政については、こういう形で対応できるのではないかということを見通せている段階です。
 併せて、県債残高について、どうしても3か年緊急対策に対応しますので、トータルの残高そのものは膨らんではいますが、これはいわば、いろいろな対策の前倒しを行おうとするものであって、この3か年緊急対策を除いたいわゆる平準化ベース的には、県債残高も一定のレベルで維持できると思っています。
 しかしながら、引き続き本県の財政運営というのは国の動向に大きく左右されるということがあります。国に対しまして、一般財源の確保などについて、積極的な提案を行うとともに、併せてスクラップ&ビルドなどを徹底していくことが引き続き重要であると考えています。
 主要事業についてですが、国際観光の推進を図っていくためにということです。この6月に中国最大のOTA(Online Travel Agent、インターネット上のみで取引を行う旅行会社のこと)、もっといいますと世界で2番目に大きなOTAであるCtripさんと協定を結ばせていただきました。この機を生かしてエンドユーザーに向けた情報発信を大幅に強化していきたいと考えているところです。
 本県の(旅行)商品の造成数は、海外セールス拠点がだんだん拡大し、増えてきています。海外セールス拠点などを設けたことによって、海外の旅行エージェントさんにおいて、様々な旅行商品を作ってもらえる数は随分増えてきました。次は、これを通じていかに宿泊人数を増やしていくかということで、そういう観点からやはり大事なのは、エンドユーザーに対して高知の知名度を上げて、商品そのものの購入金額、購入数を増やしていくということを心がける。これが第2の段階だと思いますので、引き続き、他の一連の営業に関わる施策に合わせて、こういう情報を発信していきたいと考えています。
 OTAを通じて、一般の皆さまに普及するのが最も効果的だろうということです。6月に連携協定を結んだ最大のメリットを生かしきりたいと思っています。
 IT・コンテンツ関連産業についてですが、当初の見込みよりも多くの企業さんに来ていただくこととなりましたので、その部分について補正をさせていただきます。企業立地件数が平成27年度段階で6社でしたが、現在20社。さらに追加で4社の皆さまと、今前向きな形で話し合いをさせていただいているところです。これらの部分について、新たに補正予算を組んで対応させていただこうとしています。
 (資料の6ページを指しながら)こちらにありますように、企業訪問をして誘致をさせていただくことに加えて、人材育成の取り組みを充実させ、さらに言いますと、高知においでになったとしても、首都圏など、いわゆる全国的なIT・コンテンツネットワークとしっかりつながっていくことを心がけて今まで対応してきました。一定うまくいっているのではないかと思いますが、引き続き、対応策について、さらなる強化を図っていきたいと考えています。
 (資料の7ページを指しながら)こちらは森林経営管理制度に合わせた補正予算になります。これは航空測量によって、一定森林資源の基礎データを計測していただいているところでして、これを生かして、それぞれの事業者の皆さま方にとっても使えるデータにしていくための加工を行っていかなければなりません。これを行うことによって、森林簿や林地台帳等の精度が向上できて、結果として現地調査が加速化することにより、さまざまな取り組みが効率化できます。
 さらに併せまして、災害時にも活用できるということで、この取り組みは急ぐものだと考えています。
 療養病床から介護病院への転換ということですが、当初想定したよりも、はるかに多くの皆さま方が転換を意図されているということで、こちらに対応していくための予算を計上させていただいています。
 住宅の耐震化についてですが、こちらはとにかく急ぐ課題です。とにかく全速力で、住宅の耐震化をしていかなければなりません。多数の市町村で上乗せ補助を実施して対応していただいておりますし、さらには、ご本人がいわゆる現金を全額準備しなくても、事業者の方に対して、申請者に代わって補助金をお支払いしていく代理事業制度も徹底していくことなどを通じて、住宅の耐震化の取り組みというのを加速してまいりました。さらにもっといいますと、供給能力の強化ということも非常に重要なわけですが、こういう形で工務店、設計事務所などの数も増えてきているということで、引き続き、住宅の耐震化を加速していかなければならない。そして、それが可能になってきている状況にあります。
 国の内示が当初の見込みを上回ったことを受けて、機を逃さずに耐震改修等を加速していきたいと思っています。住宅の耐震改修・設計・工事の年間見込みについて1,200棟を想定しておりましたものを1,550棟まで増やすなどといった対応を図る予定です。
 公共施設のインフラ整備について、国の内示増に合わせて道路事業について、砂防事業、都市計画事業、さらには海岸、漁礁、漁港の事業などについて、加速していくことになります。
 台風10号による被害への対応ということですが、これは実は豪雨災害による河川被害への対応というのは、本県の豪雨災害対策の肝となるものでありまして、スピード感をもって対応していかなければならないものです。
 平成30年7月豪雨なども含め、それまでに堆積した土砂等の除去が大変急がれるところなのですが、まず平成30年の9月補正で特に治水安全度が低下した河川について対応を図るようにしてきました。さらに、国の国土強靱化3か年緊急対策を活用し、令和元年度の当初予算等で、その次の重点順位である河川についての対応を図り、現在、2月補正と当初予算を合わせて46河川についての対応をしています。(昨年の9月)補正予算では207河川、(2月補正と)当初予算では46河川です。
 令和2年度の当初予算において、鏡川など20河川に対応していけば、この平成30年7月豪雨とこれまでの出水により堆積してきた土砂は、概ね除去できる見込みとなります。ただ、その中で、この台風10号によって新たな箇所が発生しました。こちらについても速やかに除去していくことで、この秋、もしくは来年におきる被害を防ぐことが非常に大事です。
 河川事業については54河川について、当年度の非出水期に堆積した土砂を除去して、翌年度の洪水期に備えることが可能となるということです。さらに、道路事業、海岸事業、耕地事業などにつきましても対応を図っていくということとなります。
 その他、スマート農業を活用した取り組み、牧野植物園におけるフラワーイベントの開催、さらに漁業就業者の育成、東京オリンピック聖火リレーの開催などについて、予算計上させていただいています。
 私からは以上です。
 

台風10号による被害への対応等について
(大野・高知新聞記者)
 台風10号の被害への対応についてお伺いしたいと思います。確認ですが、ご説明では、計画的に掘削を行うことで予防的に拡大しないようにしようという中に、プラスαで当年度の非出水期に、今回の台風10号で土砂が溜まったり、流木が来たところを、今回の補正(予算)で対応するということですね。

(知事)
 当年度の非出水期に、台風第10号により堆積した土砂を除去するということです。「非出水期に堆積した土砂」ではありません。
 「非出水期に、10号台風により堆積した土砂を」ということです。

(大野・高知新聞記者)
 今回の台風の被害を受けて、また新たに底に溜まったりしているところの対応ということですね。

(知事)
 ちょっと解説をさせていただくと、(資料の12ページを指しながら)「平成30年7月豪雨等これまでに堆積した土砂等の除去を実施しているところ」と書いてあります。今回、豪雨災害対策を通年で行っていこうということで対応を考えたときに、いろいろ調べていくと、平成30年7月豪雨で堆積した土砂というのもありますが、例えば、平成26年も大規模な洪水などがありましたが、そういうところで堆積した土砂等も、十分撤去しきれてないということが明らかになってきています。
 これまで累積してきたものを、とにかく急いで除去しようということで、平成30年9月補正で対応させていただいていたところ、さらに国土強靱化の3か年緊急対策という予算が新たに計上されることとなりました。我々も中小河川対策を大いに強化してほしいという政策提言もしてきたところでしたが、この3か年緊急対策を生かして、一挙にこれまでの負の蓄積を取り除こうではないかということを加速しているところです。
 併せて今後、その予算の規模にもよりますが、随時発生するたびに取り除くという体制を取っていこうということで、この台風10号等の対策について、今回計上させていただこうとしています。とにかく、発生する度に除去しておかないと、累積していって大変なことになる。さらにいえば、大規模な被害も出てくる。人命に関わることがあってはいけませんし、さらには、大規模な経済被害なども出てしまうかもしれない。
 とにかく、いろいろな防災のケースを調べていく中で、事前に対策を講ずることが1番大事で、このことが人命を守ることにつながりますし、また予算的にも財政負担という点でも、経費を大幅に軽減できるということが分かっているわけですから、事前防災を徹底するということで、この対策を取らせていただこうとしています。

(大野・高知新聞記者)
 その都度、心配を消していくような、このような補正の対応の仕方というのは、今まではなかったことについてはどう思いますか。

(知事)
 二つあります。やろうとしてきていましたが、一つははっきり申し上げて予算がなかなか大変で対応できなかった。ただ、中小河川対策について、国の制度として随分手厚くなりました。ですから、我々として対応を加速できるようになった。これは政策提言の成果だと思っていますが、それができるようになった。それが一つ。
 さらに、緊急3か年対策によって、総額もさらに手厚くなった。このダブルの影響があってより迅速な対応が可能になったということかなと思っています。
 

国際観光の推進について
(西浦・NHK記者)
 国際観光の推進のところでお伺いします。今回、中国市場を目的とした取り組みだと思います。今後、他の地域も含めて具体的に検討されると思いますが、外国人観光客誘致に関しての知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 外国人観光客の入り込みという点においては、たくさんおいでいただいていて、大変ありがたいことなのですが、宿泊という観点からいけば、この2年、3年伸び悩んでいるところがあります。これには、やはりいろいろな要因があると思います。
 一つには、こちら側の受入態勢をさらに強化していかないといけないということもありますが、やはり海外の旅行会社に対して、もう一段働きかけをして、いわゆるプロ筋の中での知名度を上げるということが大事だったわけです。それは大分叶ってきたのかなと。ただ、これからは、エンドユーザーに対して働きかけをしていくことが大事だろうと。
 順番としては、まず商品造成がなされて、それから一般のプロモーションだと思います。一般のプロモーションだけしても、(旅行に)行くとしたときに、商品がないということになると、次につながらないということになりかねないので、そういう意味においては、次のステージに移らなければならない段階だろうと思っています。ただ、そのときに、迂闊に例えばテレビコマーシャルをしたとしても、いわゆる広大な海にしずく1滴ということになりかねない。どういうやり方が最も効果的なのかということを職員も我々も一生懸命模索をしてきたところです。
 このCtripさんという、非常に影響力の高いOTAの皆さんと対応させていただくことができれば、費用対効果が最大限効果が発揮できるのではないかと考えているところです。
 今後は、いわゆるエンドユーザーに向けた情報発信というのは、費用対効果をどうやって取れるか、ものにするのかということが非常に難しいところなので、それぞれの現地現地の特性に合わせた形でのプロモーションを展開できるように努力したいと思います。多分、いくつか試している中で、やはり、デジタル系の発信というのが有効ではないかと仮説を持っています。いくつか、仮説を試していきながら対応していきたいと思います。
 

高知龍馬空港の新ターミナル構想について
(西浦・NHK記者)
 昨日、高知龍馬空港の検討会議で、新ターミナル建設の構想といいますか、計画案が示されました。外国人観光客の誘致に向けた高知龍馬空港の効果的な使い方は、どのようにお考えか聞かせてください。

(知事)
 今の高知空港は、ありがたいことでもあるんですが、満杯状態になってきて、国際チャーター便などを誘致するときに、そこが制約になりかねない状況になってきています。高知空港としての現在のキャパを生かしきれているという意味においてはありがたいことですが、さらに本県の観光を飛躍させていくという観点からは、空港のキャパをより一層有効に生かせるような仕組みが必要だと思っています。間違いなく、空港のキャパを増やしていくことは大事だと思いますが、それをどういう形で行っていくかということについては、まだいろいろと詰めていかなければならないところは多いのではないかと思います。先々の需要見通しに対応してキャパを増やしていくわけですから、その需要見通しそのものが、世界を相手にどういう需要が取れるかということを考えることになるわけですが、そういう意味においては一定不分明なところもあるわけです。それらの点も踏まえていきながら、どういう手順でどういう整備をしていけば最も効果的であり、手戻りがないかとか、よく考慮して対応していくということになるかと思います。ただ、いずれにしてもゴーであるのは間違いないと思っています。
 

知事選について①
(大野・高知新聞記者)
 少し議案の外ですが、改選の争点は何だと思われますか。まだ構図が固まってない、それと政策も出てない状態ですが。

(知事)
 少なくとも私どもとして訴えさせていただきたいのは、いわゆる現在県政として行わさせていただいていくことを継続するのか、それともやめるのか、大きな方向転換をするのか、そこが大きな争点になるのではないかと思っています。何とか県勢浮揚を図りたいということで産業振興計画の取り組みを行い、中山間地域が多いこの高知の中で福祉の充実を図ろうということで日本一の健康長寿県構想を進め、そして南海トラフ地震対策に全力を挙げてまいりました。教育改革も進めてきました。
 こういう取り組みについて、これを引き続き継続していこうということなのか。それとも、そうではなくて大きな方向転換を図るべきだということなのか。そこが一つ争点になるのではないかと思っています。私としては何とか継続させていただきたいということを、県民の皆さまに訴えさせていただくということではないかと思っています。

(大野・高知新聞記者)
 後継指名された方の政策づくりに、知事はどれぐらい関与していきますか。

(知事)
 ご本人がつくられることですからね。ただ、私としては、いわゆる政治家と政治家としてアドバイスを送らせていただくということは当然だと思っています。
 

知事選について②
(大山・高知新聞記者)
 今の知事選の質問に関連してなんですが、これまで尾﨑県政というものを支持して、推薦もしてきた野党が、知事が後継指名された浜田さんに対立候補を立てるという方針を出されました。そのことについての受け止めをお願いします。

(知事)
 まずは私として、これまで12年間の県政において、いわゆる国政野党の立場にお立ちの皆さま方にも大変バックアップをいただきましたし、また、さまざまに有意義な形でご指導、ご鞭撻もいただいてきたところでございまして、もうこの点については本当に心から感謝を申し上げたいと思います。この感謝の気持ちというのは今でも変わっていないと、そういうつもりです。
 浜田候補について、これからどういう対応をされるかということについては、まだ決まってるのかどうか、私もよく分かりません。報道であくまで承知している以上には存じ上げませんが、ただ、国政においてはいわゆる自公政権対野党共闘という形での対立というのはあると思います。国政の対立軸というのは、例えば安全保障の政策であったり、さらには憲法の問題であったり、やはり国を二分するような大きな争点というのがあるわけです。
 ただ、高知県ということで言わせていただければ、この厳しい状況の中で、いかに県勢浮揚を図っていくかという点においては、恐らく考え方として一致できる方々も多く、そういう中で、国政において対立している中でも、尾﨑県政についてさまざまに応援を賜ってきたということではないかと思っています。
 今後新たな県政に向けて政治活動が続いていくわけですが、ぜひできれば、志を同じくする方については一緒に対応していただくということとなればありがたいことだと思っています。

(大山・高知新聞記者)
 関連で、これまで支援してきた中に、知事が自民党から衆院選に出馬するということを受けて、それに対する反発というのが起きたと聞こえてきますが、そこの受け止めをお願いします。

(知事)
 先ほど申し上げたように、今度国政に挑戦をするということになるのであれば、やはり国政は政党政治ですので、その政党をどういう政党とするのか、どの政党での出馬を目指すのかということについて明らかにしないというのは、国政において対応させていただこうとする者として、いかがなものかと思っています。ですから、国政として私は自由民主党から(出馬する)ということを希望させていただいておりますが、ただ、他方で県政ということとなれば、またそういう政党政治とは異なるスタンスというのがあり得るんではないかということです。県勢浮揚を目指して、志を同じくさせていただく方は一緒に取り組みをさせていただきたい。これまで私はそうさせていただいてきましたし、ぜひ次もそういう形になれればありがたいなと思います。

(大山・高知新聞記者)
 少し一般論になりますが、最近の知事選で言うと埼玉、岩手もそうですが、与野党対決という構図があります。野党側では今後も与野党対決の構図で知事選をというような声もありますが、そのことについてどのようにお感じでしょうか。

(知事)
 それは県の事情によるということではないでしょうか。ただ、高知は非常に厳しい状況にある中で、力を合わせて高知に活力をということで、対話と実行の取り組みをさせていただいてまいりました。ありがたいことに、本当に多くの皆さまに応援いただいて、心から感謝をしているところですが、引き続き力を合わせるということが必要だという側面もあるのではないかと思っています。
 

四万十市のメガソーラーについて
(中田・高知民報記者)
 四万十市のメガソーラーですが、県条例とか四万十市条例に基づいて、間もなく正式に受理をして、今の状況なら許可はせざるを得ないというのが(四万十)市長さんのご判断ですが、許認可権は知事にあると思いますが、委譲してるんでしょうか。

(知事)
 多分。

(中田・高知民報記者)
 その業者さんにしたら、要は努力義務だからいいんだ、ということでかなり強行に、訴訟なんかも結構ちらつかせたりしている状況の中で、性善説に立っているような側面がいろいろとあると思いますので、地元ではなかなか対処できず、非常に苦慮しています。反対の声も猛烈に上がっていますが、それを県としてどうご覧になっていますか。

(知事)
 四万十市においては、条例に照らして適切に判断をされるということとなるんでしょうが、県としても、やはり四万十川の風景を後世に引き継ぐとか、四万十川を活かした地域の振興を図るという、四万十川条例の趣旨に沿ったものとなるように助言をしていかなければならないと思います。
 そういう中で、本県が策定したガイドラインでは、地域の関係者に対する事業内容の説明、協議を行って、地元の合意を得た上で事業を進めていただくよう求めているわけでして、このガイドラインに沿って、地元理解を得るための努力を丁寧に行っていただきたいということは、我々も事業者の皆さまに働きかけていかなければならないと思っています。

(中田・高知民報記者)
 条例に適合しているというところも、判断の幅がありますか。

(知事)
 あります。

(中田・高知民報記者)
 竹を植えることで、遮蔽効果で見えないからオッケーというような話になっていますが、竹が根付くと誰も思っていないようなところもあって。

(知事)
 なるほど。洪水なんかも起こりますからね。

(中田・高知民報記者)
 水も流れるところなので、何というか、市長さんをバックアップしてあげるというか、良い判断があるのではないかなと。

(知事)
 最終的に、法令違反の取り組みというのは市長さんもできないということになりますから、その中で条例の趣旨に沿った結論となるように、我々としてもさまざまな助言をさせていただきたいと思います。
 

ラグビーW杯 トンガ代表の事前合宿について
(竹村・テレビ高知記者)
 ラグビーのトンガ代表が高知を出発されます。県が中心となって誘致されて、合宿でも県民との交流などもしましたが、総括についてはどうでしょうか。

(知事)
 トンガのチームの皆さまには、高知に来ていただいて嬉しいです。ありがたいことだなと本当に思います。ぜひワールドカップでトンガのチームの皆さんが大活躍されることを心から願っているところです。私もトンガの皆さまに来ていただいたことについて、心からありがたいことだと思いましたし、これからのチームのご活躍を本当にお祈りしたいと思っています。
 行けるかどうかわからないですが、この後少しチーム練習を見に行かせていただこうと思っています。ただ、問題は飛行機等の時間があって、もしかしたら行けないかもしれない。この記者会見が何分に終わるかによって、行けるかどうか決まるというところがありますが、本当に心からエールを送りたいと思います。
 ちなみに、高知に来ていただくに当たっては、本当に多くのドラマがありまして、ラトゥさんとの出会いですよね、さらに歓迎会で申し上げましたが、うちの若き職員、林さんが、彼はこんな言い方をしたらあれですがヒラ(の職員)なわけですが、ラトゥさんとタイアップして、トンガに行って、なんと首相にまでお会いしてお願いをしてきた。本当によく林さんは頑張ってくれたと思います。またさらには、高知県のラグビー協会の皆さんもいろいろな関係者の皆さん合わせて、受け入れについて大変なご尽力をいただきました。
 本当に多くの皆さんの思いがこもって実現した、このラグビーのキャンプです。ですから、本当にこの機会というのを大事にしたいと思いますし、逆に言いますと、まずはワールドカップでトンガのチームの皆さんに大活躍をしていただきたいと思いますし、せっかくいただいたこのご縁ですから、例えば高校生の交流とか、そういうような形で今後もずっとレガシーとして残っていく取り組みにつなげていきたいと思います。
 ちなみに、トンガのポヒバ首相がお亡くなりになりました。林さんに会ってくださった首相ですが、お亡くなりになられたことについて、心から哀悼の意を表させていただきたいと思いますし、また、高知にラグビーチームを派遣いただいたことについて、本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
 

新内閣の感想について
(野間・時事通信記者)
 県政と関係ないことで恐縮なんですが、先日新しい内閣が発足し、新しく13人の方が入閣されたと思いますが、率直に皆さんをご覧になったときのご感想といいますか、受け止めをお願いします。

(知事)
 私も存じ上げている方が大変多いですが、そういう中でそれぞれの方がどういう仕事をしてこられた方かということを考えたときに、一言で言うと、特に懸案となる事項について、非常に重厚な布陣になっているということを感じます。特に社会保障分野について、4閣僚ぐらいの方が対応されていくことになるかと思いますが、やはりその道で非常に長年にわたって対応されてきた方ですし、かつ政府内においても一定影響力を持たれた方が就いておられる。特に社会保障分野については、かなり重厚な布陣になっていて、これから大きな改革が行われていくということになるのかなということを予感させるものがありました。
 また併せて、初入閣の方が非常に多いということであって、特に国民的な人気を誇っておられる小泉進次郎さんも入閣されたということで、そういう意味においては非常にフレッシュさも感じさせていただくということであり、また斬新な発想で新しい展開が行われていくのではないかという期待を申し上げます。
 

就職氷河期の就労希望者への支援について
(保田井・日本経済新聞支局長)
 全国で、いわゆる就職氷河期世代の就労ということで国の支援も始まります。それに向けて、全国的に各ハローワークでも窓口を設けたり、自治体では、兵庫県で宝塚市とか三田を中心に正規職員を来年度から若干名採っていこうということですが、県のお考えを教えてください。

(知事)
 正直に申し上げて、就職氷河期世代対策とか、さらにもっと言うと、例えば30代40代になってもひきこもっておられる方々に対する対策とか、こういうものがまだ高知県は弱いと思っていまして、先日も今後長寿県構想をどういう形で改定をしていくかという中で、いわゆる若者サポートという形での対応はされていますが、本格的な就業につなげていくとか、そういうことも含めて考えていったときの対応が弱いのではないかということを議論しました。8月の半ばぐらいでしたが、ぜひここは今後政策として抜本強化をしていかなければならないところではないかという話をさせていただいております。政府のほうでも対応策が高まってくるでしょうしね。
 それに対して、我々としても対策をしっかり講じていけるように対応していきたいと思います。
 さらにもっと言うと、何といいますか、生産性が低い部分から生産性の高い部分、いわゆる非成長分野から成長していく分野に労働力がしっかり移動していけるような、そういう一定の流動性というのをもう一段高めていくということが、日本全体として非常に重要な点になってくるだろうと思います。いわゆる潜在成長力を高めていくという観点からもそういうことを考えていったときに、その就職氷河期世代の対策も含めて、この労働問題、労働雇用ということがもう一段流動性を持って、それぞれの希望に添った形になるようにするための一連の対策群というものを強化していくことが、非常に大事ではないかなと思います。それぞれの特性に応じた就職ができるように、そのための流動性を高めていく。
 さらに言えば、そのための例えばトレーニングとかを的確に受けられるようにしていくとか、そういうことも非常に重要じゃないかと思います。これは日本経済全体にとって極めて大事なことだと思いますので、そういう形にまで議論を展開させていくこともまた重要じゃないかと思います。高知でもそれができるように努力したいと思います。

(保田井・日本経済新聞支局長)
 そこで、県の職員でうんぬんと、そこまでは考えていないということですか。

(知事)
 これから私も、そういう議論をしていきます。

(保田井・日本経済新聞支局長)
 これから議論していくわけですか。

(知事)
 雇用労働政策課とか大分対応を強化していて、そういう中で、労働政策と福祉政策が一体でないといけない議論だと思うので、そういう形で議論を展開させていただければと思います。
 

自民党役員人事について
(清野・朝日新聞記者)
 先ほどの内閣改造のことに関連してですが、自民党の役員人事で幹事長の二階さんが注目されました。尾﨑さんと二階さんは中国に一緒に行かれたりとか、なかなか距離が近いと言われていますが、ご自身がこれから自民党から国政に行くとなると、二階さんが幹事長を続投したのは良かったと思いますが、その辺についてどうお考えでしょうか。

(知事)
 国土強靱化の調査会長を二階先生がされていて、そのときから大変お世話になってきたわけですし、またさらに言えば、その後、世界津波サミットでもご指導いただいてきて、そういう意味では親しいというか、ご指導いただいてきたということだと思っています。今後私が国政において、自民党から挑戦をさせていただきたいということで希望させていただいているわけですが、こういう問題は、まずは県連においてどういう形に意見集約がされていくかということが何ごともまず第一だと思いますから、その点については、既に調整も始まっていると思いますが、その調整を待たせていただくとしか、私としてはないだろうと思います。
 

ゆるキャラグランプリ2019について
(和田・高知放送記者)
 また予算とは関係ないんですが、ゆるキャラグランプリ2019の件ですが、くろしおくんが今21位ということで、この点について受け止めをお願いします。

(知事)
 素晴らしいことだと思います。もっと上に行けるのではないかと思います。皆さんの応援をお待ちしております。

(和田・高知放送記者)
 その一方で、安田町の安田朗君が3位に食い込んでいる。この点はどうでしょうか。

(知事)
 これも素晴らしいことだと思います。高知勢がトップ20の中に二つ入る。すごいことじゃないでしょうか。ぜひそうなりますように、皆さんの応援をよろしくお願い申し上げます。

お問い合わせ

総合企画部 広報広聴課
TEL:088-823-9046
FAX:088-872-5494

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