公開日 2019年11月25日
カーニバル00 in 高知について
知事選について①
台風・豪雨対策について
知事選について②
大臣の辞任について
萩生田文部科学大臣の発言について
教育政策について
知事選について③
英語民間試験について①
英語民間試験について②
厚生労働省が行った再編・統合について議論が必要とした公立病院などの実名の公表について
知事選について④
知事選について⑤
英語民間試験について③
南海トラフ地震対策について
カーニバル00 in 高知について
(知事)
冒頭に私から1点、お手元にもお配りさせていただいていますが、「カーニバル00in 高知」がいよいよ開催まであと2日という状況になりました。これに合わせまして、チラシも完成いたしました。いろいろ会場のことや、それぞれの講座の内容、講師の概要など、非常に分かりやすく記載されたチラシです。ぜひこちらを皆さんにご参照いただきたいと思うところですし、併せまして、チケットについて、既に完売となった講座もたくさん出てきているところですが、まだ残りもあります。明日11月1日の10時からオーテピア西敷地のメイン会場で手売り販売と電話予約の受付も行わせていただきますので、ぜひ皆さん奮っておいでいただければと思います。
非常に多くの多彩な講師陣の皆さまがお出でになる貴重な機会ですから、皆さんにぜひ、この機会を生かしていただきたいと思います。奮ってご参加をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
知事選について①
(竹村・テレビ高知記者)
知事選について、知事が後継候補に指名された浜田さんを含めまして、現在3人の方が立候補を表明しています。構図が固まりつつありまして、12年振りの知事選挙になるという公算が強まっていますが、これについての受け止めと、改めて知事選のポイントが、どんなところにあると考えていらっしゃるか、教えてください。
(知事)
今回の知事選については、いわゆる現県政の継続か、それとも新たな県政を求めることとなるのか。もっと言えば、現県政の継続か中断か、そのことが問われているということかと思います。この現県政の継続か中断かということについて、それぞれの候補の皆さま方の政策的な方向性はどうかということとともに、それぞれの候補者の皆さま方が、いわゆるどういう形で実行力をお持ちになっているか。このことも問われてくるということではないかと思います。
現県政の継続をする。その方向性とともに、それを実際になし得る実行力があるかどうかという点について、そういう候補か。それとも、現県政は中断しようという候補なのか。そして、それに基づいて、どういう政策を打ち出していこうとされる候補なのか。実行力はどうか。そういうことが問われるということではないかと思います。
12年振りの選挙戦ということですので、ぜひ活発な政策論争が展開されることが期待されるところではないかなと思っています。
台風・豪雨対策について
(竹村・テレビ高知記者)
台風第19号などによる豪雨で全国に甚大な被害が広がっています。高知県でも千年に一度の豪雨を想定した浸水、鏡川、国分川の浸水予想が公表されまして、かなり衝撃的な内容だったと思いますが、その両方を踏まえて、今後の高知県の台風対策・豪雨対策・洪水対策の方針などの考えがありましたらお願いします。
(知事)
台風第19号からそれ以降にかかります一連の豪雨災害において、本当に多くの皆さまがお亡くなりになりました。本当に心から哀悼の意を表させていただきたいと思います。また、多くの皆さまが引き続き被災をされて、大変ご苦労しておられる。1日も早い復旧・復興を願うところであります。
高知からも、福島県本宮市に応援の職員を派遣させていただいているところですが、我々として、まずはこの被災地の復旧・復興に力を尽くしたいと思っています。
併せて、今後の豪雨災害に対する対策について、やはり強化をしていかなければならない。そういう様々な貴重な教訓も今回得られているということではないかと思います。一言で言わせていただくと、従前想定していたような雨量、それに基づく準備、対策では足りないということかと思います。異常気象と今まで言われてきたものが、だんだん異常ではなくなってきているというような中において、雨量の想定なども引き上げていって、それに対して備えていく、対策を講じていくということが非常に重要ではないかと思っているところです。
また、今回の水害で非常に留意しなければならない点がもう1点あると思っているのは、やはり流域型の洪水といいますか、極所極所において、想定を超える雨量が降ったということに加えて、流域全体としてどうかという視点を持って、対策を講ずるということが非常に大事かと思います。
私も昨日、改めて深く勉強させてもらったんですが、例えば阿武隈川流域ですと、阿武隈川のほぼ河道に沿って台風が進行していった。流域全体に非常に多くの雨が降った結果として、特に狭隘部において堤防が破堤する状況になってしまったというふうに、お話を聞いたところです。
やはり流域全体でどうかという視点。これもまた大事かと思います。そういう厳しい想定を置いた上で、ハード対策の強化、そして併せてソフト対策の強化をしていくことが大事だと思います。
国土強靱化に伴って、今緊急の3か年対策というのが行われているわけですが、改めて本当に3か年でいいのかということも含め、しっかり対応策を検証していくことが大事だろうと思いますし、併せて、ソフト面においても改めて対策の強化が全国的に求められていくだと思います。
本県においては、去年の7月豪雨災害において、安芸川の氾濫など非常に厳しい状況がありました。ですので、今特にボトルネックとなった箇所の対策等々について、ハード対策に全力を挙げているところですが、併せて台風災害に対して、様々ないわゆるタイムラインに沿った対応策というのを、これまでの経験を踏まえて作ったりしているわけであります。
今後も、今回の東北、東日本における一連の豪雨災害なども踏まえて、見直すべきところはないか。そういう検証というのはぜひ重ねていきたいものだと思います。
併せてご質問のありました、鏡川及び国分川について浸水想定区域を公表させていただいたところです。これは正確にいいますと、平成30年の7月豪雨や、さらには今回の台風第19号などを受けて対応したということではなくて、もともと水防法の改正に基づいて、平成29年から作業を進めてきたものをちょうど今の時期になって、公表することになったということですが、ただ、今回の東日本においての一連の教訓にもやはり沿った想定ということになっているのではないかと思っています。第1点がやはり想定する雨量について、いわゆる従前の計画降雨というものから、想定最大規模降雨というものに変更して、最悪の事象に対して対応しようとした。そういう想定であるということが一つ。
それともう1点が、やはりピンポイントでそれだけの降雨があったということに留まらず、流域全体で降ったらどうなるのかということを想定して作った想定区域だということです。ですから、結果としては非常に厳しいものとなっています。
このことについて2点。一つは、やはり正しく恐れるということが大事だろうと思います。これは決していつも起こる、頻発するという状況のものではなくて、今までの事象から照らせば、千年に1度の大雨が降った場合についてということです。雨量についても、昭和30年代前半以降から、それぞれの地域でどれだけ最悪な雨が降ったかというのは大体分かっていますから、その全ての地域でその最悪レベルの雨が降った場合というのを想定した上で、しかも、その雨がピークとなって降る時期に、ちょうど最大級の満潮位に達しているという前提で作ったものです。
全ての領域が最悪で、かつその最大の雨量が来たときに、最大の満潮位に達していると、そういう極めて厳しい前提を置くと、ああいう想定になります。合わせて、鏡川ですと、72ヵ所決壊する可能性があるということで発表させていただいていますが、実際には72ヵ所同時に破堤するわけでは決してありません。1か所、2か所破堤すると、後は破堤しないということです。それぞれの箇所が破堤すると起こる浸水域を全部重ね合わせるとああなるということですから、そういう意味においては、極めて厳しい前提、かつ重ね合わせによって計算された想定だという前提でもって、ぜひご理解をいただきたいと思います。
実際には、想定でお示しした浸水が部分的に実際に起こり得るということです。我々としても、そこのところの説明はさらにしていかなければならないと思います。
ただ、やはり本当に最悪の事態になると、それぞれの地域でああいうことも起こり得るのだということは、ぜひ県民の皆さま方には念頭に置いていただいて、例えば、避難勧告など出た場合において、迅速に避難をしていただく。そういうことにつなげていただきたいと思いますし、実際に、周りが浸水で外に逃げることも危なくなったりした場合などは、例えば垂直避難をするとか、そういうことを、ぜひ心がけていただき、避難行動などにつなげていただければと思っているところです。
今後も、我々として、本当に最悪に備えるという視点から、こういう想定なども発表させていただき、県民の皆さまへの啓発活動にもつなげさせていただきたいと思っています。
併せて、そういう想定などをしていく中で、足りないと思われるハード整備などについては、しっかり着実に進めていくということが大事だろうと思っているところです。
知事選について②
(大野・高知新聞記者)
知事選について、9月の会見のときも聞いたことですが、当時は立候補を表明された方はお一方だけだったので、構図という面で知事の見解をお伺いしたいです。政党勢力でいうと、国政与党、野党の対決というような形になりそうですが、とはいえ、これは高知県の県知事選です。
そういう意味でいうと、後で手を挙げられた方は7月の参院選にお出になった方でもありますし、強弱はあるとは思いますが、構図で政党勢力的な争いがありそうだということなので、9月のときも少しお聞きしましたが、県政のトップを決める選挙において、国政の(与党と)野党に勢力が別れて主張を戦わせるということが、馴染むのかどうか。県議会でもそうですが、政党勢力が意見を戦わせているというところでいうと、そういうのもありなのか。
争点は継続か中断かということをおっしゃったと思いますが、そういう与野(党)に別れて、県内の有権者が全県選挙をするということについて、見解をお伺いしたいです。
(知事)
ご指摘のように基本は県政マターについて、どういうスタンスを取るかということ、これが県知事選挙における最大の争点になるんだろうと思います。産業振興計画の継続なのか、それともやめてしまうということなのか。南海トラフ地震対策を継続するのか、それともやめてしまうのか。長寿県構想を継続するのか、それともやめてしまうのか。教育改革を継続するか、それともやめてしまうのか。
そういうことがまず第1の争点ということだと思いますが、恐らく、国政マターについて、いわゆる現在の国の一連の政策について、反対して国と対抗するスタンスを取っていくべきなのか。それとも、国の政策の中で使えるべきはしっかり使って、国の勢いも生かして県政を運営しようとするのか。どちらがいいかという構図にもなるだろうと思います。
ですから、国と連携できることは連携して、そして国の政策を生かして県政運営をしようとするのか。国の政策に対して対抗していく形で県政運営を行っていこうとするのか。どちらがいいかということ。このことも一つ大きな争点になるだろうと思います。
(大野・高知新聞記者)
県のトップとして国にどう向き合うかということでしょうか。
(知事)
そういうことですね。もちろん個別事項については、県民の利益優先ですから、個別事項について、国に対してどちらのスタンスを取るにせよ、言うべきことを言わなければならないことは多々あると思います。
それはもちろん当然のことだと思いますが、総じて、国に対して国政の現在の運営に対して反対する立場から県政運営を行うのか、国の今の国政の一連の事項について、この流れを県政に生かそうという立場から県政運営を行おうとするのか。どちらがよいかということが問われている選挙ということではないかと思います。
大臣の辞任について
(大野・高知新聞記者)
ちょっと県政とは違いますが、大臣が辞任したことについて、見解をお伺いしたいです。内閣の改造があって、知事も期待感を示しておられたと思いますが、短い間に2人、閣僚がお辞めになっている。重大な法案の審議をめぐってということでもなく、政治家としてどうだというようなジャンルの不手際、不祥事の引責という形だと思いますが、これはどういうふうに捉えていらっしゃいますか。
(知事)
一言でいうと、やはり非常に残念なことだと思います。まだ内閣が発足してから短い期間の間に、2人の方が、それぞれ個人的な事情によって、辞任に追い込まれるということについては、これは極めて残念と言わざるを得ないと思います。
また、もう1点思いますのは、そういう不祥事として報道されて、速やかに辞任がなされ、そして速やかに後任が選ばれていくということについて、新たに選ばれた梶山大臣も、それから森大臣も、一緒に仕事をしたことがあって、よく存じ上げておりますが、やはり大変実力のある方です。そういう意味においては、速やかに国政の継続に努められているということは言えるだろうと思います。
ただ、とはいいながらもやはり、この短期間の内に2人も辞任ということに至ったということは、残念と言わざるを得ないと思いますね。
(大野・高知新聞記者)
内閣の奢りとか緩みとか、そういうものはお感じになりませんか。
(知事)
やはり個別のそれぞれの大臣を任命するときに、それぞれの事情について、一言でいうと十分把握できていなかったということが言えるんじゃないでしょうか。奢っているからそういう人がなったというのとはちょっと違う。もう少し個別事情かと思います。
(大野・高知新聞記者)
首相の任命責任というのは、どのようにお考えですか。
(知事)
もちろん結果責任として、任命責任はあると思います。
(大野・高知新聞記者)
よく言われるのは、任命責任が私にあると言って、何も責任を取らないじゃないかというような野党側の批判もありますが、責任というのは、どのようにしてあざなえるというか、果たしていかれるべきだと思いますか。
(知事)
国政において一番大事なことは、それぞれの大臣がしっかりとした仕事をするということだと思います。ですから、まずは非常に大事なこととして、任に耐えられなくなった場合は交替をしてもらって、そして任に耐える方をしっかりと任命するということ。まず一番大事なことはその点ということではないかと思いますし、その上で、任に耐えなくなった原因に基づいて、再発防止策を取るということになるんでしょう。
ただ、これが特に個人的な事情の場合、それを内閣全体として、どう責任を問うていくかということについては、個々個別の事情というのがあると思います。
萩生田文部科学大臣の発言について
(大山・高知新聞記者)
国政の話が出たので関連なんですが、萩生田文科大臣がテレビ番組で、英語の大学入試について、自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえればというような発言をされました。野党側は批判を強めていますが、知事の受け止めはどうでしょうか。
(知事)
ご本人も謝罪して撤回をされているということですから、そのとおりだと思います。正直なところ、民間の英語試験を導入するという問題については、教育再生実行会議の中で様々に議論されている中でも、それぞれメリットを挙げる議論もあれば、デメリットを挙げる議論もあったと思います。本県のような、高知のような田舎において、私も実際に学生のときには、受験も高知でしましたが、やはり田舎になれば不利ということが実際にあり得るということは確かなんだろうと思います。ですから、やはりこの点については、田舎の人は田舎の人で、仕方ないんだからではなくて、田舎においてもしっかりと平等な条件を整えるということ。このことが極めて大事ということかと思います。
ですから、民間試験の導入を行っていくに当たっては、田舎の学生さんたちも不利な条件にならないということを確保すべく、一生懸命努力しなければならないということかと思います。
この点の姿勢について、文科大臣のご発言については、やはり誤解を生む点があって、謝罪し撤回をされたということかと思います。
(大山・高知新聞記者)
知事も、子どもの貧困対策について力を入れてこられました。今回の大臣のご発言というのは、その考え方に相反するものであると思いますし、謝罪して撤回していますが、もともとそういう考え方なのではないかというような批判があるかと思います。
大臣の資質やその考え方というものについては、どう考えますか。
(知事)
それは謝罪して撤回されたということじゃないかと思います。
ただ、今回の民間の英語試験に留まらず、やはり一連の教育の取り組みをしていて思うのは、田舎において、教育機会という点において不利な点があるということ、このことは今回、改めてクローズアップして議論すべき諸点だろうと思います。
何とかこれを乗り切ろうということで、高知県の対策として言えば、デジタルの力を借りて授業の配信をしていく。例えば、高知市内でやった受験指導などにかかわる授業を中山間地域にも配信をしていく。そういう取り組みなどを進めようとしています。
実験的な取り組みを始めて、来年4月から本格化しようということで話もしているところですが、やはりできる限り、この教育の機会ということについて、田舎だから不利という状況を廃止する。田舎でもできる限り平等な条件で勉強ができるようにするということ。このことは、本当に政府を上げて取り組まなければならないことだと思います。
私は、このことは教育再生実行会議でも強く発言してきたところであって、デジタルを生かした遠隔授業の実施などについて、ぜひ応援をという話もさせていただいてきたところですが、今回は、民間の英語試験に伴って、こういう議論が沸き起こりました。ただもっというと、その背景にある中山間などにおいて、教育環境が不利な条件にある。そのことを何とか是正しなければならないという、より骨太な議論につながっていってくれればなと思っています。
教育政策について
(大山・高知新聞記者)
知事選で野党陣営から、尾﨑県政の教育政策について、学力テストの点数を重視しすぎていて、例えば、不登校などが増えているというような指摘を主張されていますが、この点についてはどうお考えですか。
(知事)
一言でいうと、学力テストの結果というのは、真の学力が付いたかどうかというのを測定するための一つの指標です。一番の目標としているのは、社会に出て生き抜いていくための知・徳・体、全ての基礎的な力をしっかり身に付けられるようにする。そういう教育をしっかり施すということが一番大事なことだと思います。その点は、学校現場に対しても、これまでも徹底をしてきたところですし、基本的に教育改革の一連の政策というのは、そういう考え方に基づいて展開をしてきたものだと考えています。
しかし他方で、そういう取り組みをして基礎学力の定着をしっかり図っていこう。将来夢を持ったときにその夢が実現できるような、困難に直面しても、それを乗り越えていけられるような基礎学力をしっかり身に付けさせてあげようと、そういうことを政策の基本として据えたとして、それが本当に叶えられているかどうかということを測定する何らかの指標は必要です。その中で、学力テストというのが、もし悪問の塊だというならば、それは指標として使ってはいけないかもしれませんが、十分練り上げられた一定良問によって構成されているものだと思っています。その学力テストの結果というのを、一つの指標として使うということ。このことは何らおかしいことではないと思います。
もちろん、学力テストの結果が上がることを自己目的とするような運営をしているということであれば、それは是正をしていかないといけないだろうし、その点は学校運営において、改善をすべきポイントだと思いますが、一連の学力が身に付いたかどうかということについて、これを一つの指標として使うということは大事なことです。ゆえにもって、それを数値目標として掲げるということは、何らおかしいことではないと思います。
もし、学力テストを使わないなら、一体何を指標として使われるのか。全国比較ができるような指標があるのでしょうか。もし、指標に基づかないでやれるというならば、果たして学力の定着状況をどうやって把握するのでしょうか。把握されなければ、ある学校において非常に学力が低い。この学校を何とかしなければならない、そういう契機も得られないということです。残念ながら学力が身に付いていないクラスがあった、学校があった。その子たちに気付くことができない。結果としてフォローができないということにもなりかねない。そういうことじゃないでしょうか。
学力テストの結果によって、定着状況を把握しようとしてきたから、結果として高知市は残念ながら非常に学力について課題がある、ということを把握できたので、高知市教育委員会と一緒に連携をさせていただいて、指導主事を徹底して送り込むとか、そういう対策を講ずることができた。やはり、その施策の進行状況について把握できる指標を持っていたからできたことだと思います。私たちはそういうふうに考えています。
知事選について③
(阿部・読売新聞記者)
知事選について、お伺いします。前回の記者会見で志を同じくする方と一緒にやっていきたいということで、野党の方々にも後見の浜田さんと一緒にやっていこうと呼びかけられたと認識しているんですが、野党の方が対立候補を立てた際に、知事が勝手に落下傘の候補を連れてきて、自民党側に立って県政を進めようとしていると、強く批判しているんですが、そういう批判に対して、一緒にやっていこうと呼びかけた知事として、どのように思われますか。
(知事)
議会でも答えさせていただいていますが、私は現県政をぜひ継続し、発展をさせていっていただきたいと思っています。そのことが高知県にとって大事なことだと思っているところです。そのことを強く願う者として、ぜひともそれを成し得る方を候補の選択肢としてお示しをさせていただくということ。そのことは政治的責任を果たすことだと思ってきました。そういうことが高知県のこれからにとって大事なことだと思ってきたところです。
もし、私がそういうふうにしないで、候補が乱立する状況となった。結果として、現県政が継続されない、また中断して一からやり直しだということとなってしまっては、私は高知県民の皆さまに申し訳ないと思っています。ですから、その責任を果たさせていただこうとしているものです。それに対して、反対とおっしゃる方もお出でになるでしょうし、賛成してくださる方もお出でになるでしょう。
また、先ほど申し上げたように、現県政の継続なのか、中断なのか。そのことが今回の選挙戦において、どちらが県民の支持を得られるかということについて、これから大いなる論戦が戦わされていくということではないかと思います。
(阿部・読売新聞記者)
もし仮に、事前に野党の方々にお話を通していれば、展開は変わったかもしれませんが、その点についてどう思われますか。
(知事)
私が野党の皆さま方に話を通すということですか。
(阿部・読売新聞記者)
事前に浜田さんという方を推そうと思っているというお話を根回ししておけば、もしかしたら、こういう展開にならなかったということも考えられるのではないかと。
(知事)
事前にどういう形で(話を)していくかということについては、その他の諸事情も含めて現実的な選択肢ではなかったということではないでしょうか。ただ、最初から候補として帰ってきた浜田氏は、全ての政党に推薦願も出そうという形で対応させていただいてきています。そういう流れの中で、実際にどういうことになるかということは、議論が展開されてきたということじゃないでしょうか。事前に相談をして決めるということは、理論的にはあり得るかもしれませんが、現実的な選択肢ではありません。
英語民間試験について①
(野間・時事通信記者)
先ほど、英語の民間試験に関してのお話があったと思います。知事から田舎の学生さんでも努力できるようにというお話だったと思いますが、この制度自体の延期論について、延期するかどうか、賛否両論あると思いますが、尾﨑知事はどのようにお考えでしょうか。
(知事)
一つどうしても確認をしておかないといけないというものは何かというと、田舎でも不利ではないということを確認することは大事だと思います。そういう措置はしっかり講じられているかどうかというのは、ぜひ確認しておいていただきたい事項だと思います。
それが十分に確保できているのであれば延期しなくていいでしょうし、確保できていないのであれば、延期した方がいいのではないでしょうか。私はそう思います。そういうところを果たしてどうすべきなのかという、議論をされているということではないでしょうか。
英語民間試験について②
(中田・高知民報記者)
今の関連ですが、高知県では8個(実際は7種類)ある試験のうち、現状で2個(種類)しか受けられない。全国で1番不利な地域だと思います。今の段階でどういう形、日程になっているかというのが、まだ決まっていないという状況で、知事の話でいくと、(試験自体が)認められない状況になりつつあるのではないかと思いますが。
(知事)
やはり不利だろうと思います。自分が学生のころも、不利だと思いました。その不利な状況なのでしょうが、今までは英語の試験といっても、例えば留学だとか、一定の限られた状況の中で活用されてきたのでしょうが、これから大学入試ということになってくると、それはより一層、なお一層、イコールフッティング(同等の条件)を求められるようにしていくということが大事ではないでしょうか。ぜひ、そういうところの検証、今回の点を含め、ぜひ大いに活発にご議論をいただきたいものだと思います。
厚生労働省が行った再編・統合について議論が必要とした公立病院などの実名の公表について
(中田・高知民報記者)
それともう一つ、違う話ですけど、厚労省からの名指しで統廃合(について議論が必要)のような形で、重要な病院が軒並み名指しされて、風評被害といいますか、お医者さん集めに苦労するような状況が生まれるんのではないかと思って心配していますが、その手法についての受け止めといいますか、どうお考えでしょうか。
(知事)
この点について、二つあると思いますね。
1点はやはり、発表の仕方に唐突感があったということについては、厚労省においても、今後の対応をよく考えていただきたいと思います。事前に例えば、各県庁等に根回しをして、その上で発表するという形にしてくれれば、もう少し混乱はなかったのではないか。公立病院にも、県庁が事前に説明をしておいた上で発表していれば良かったのではないかと、そういう点の改善点はあるのではないかと第一に思います。
ただ第二に、2点目として、この公立病院の一連の問題というのは、大きな文脈の中の一つの物語、一つの施策ということになるわけで、そのことをよく踏まえた対応というのも必要だろうと思っています。
一言でいうと、地域医療構想の実現をぜひ図っていかなければならない。この地域医療構想の実現を図っていくということについて言えば、医療費の削減とか、そういう点が特に強調される場合もありますが、実際にはどうやろうとしているかというと、地域の医療需要にぴったりフィットするような供給体制というのをつくっていこうということが主で、結果として無駄がなくなって、それに伴って医療費の削減にもつながっていくことであれば、なお良しということになるだろうと思います。
そして無駄がなくなれば、当然、例えば医療費の削減にも、現実問題としてつながっていく。ただ、やはり地域の住民の皆さま方のQOLの向上のためにも、需要の状況に合わせた供給体制をしっかりつくりあげていくということが大事ということだろうと思います。例えば、高知ですと、医療が厚くて介護が薄いという中で、介護の不足が現実問題としてあったりする。さらにいえば、病床の構成についても、どちらかというと、例えば回復期というのは非常に少なくて、急性期が多すぎるとか、そういう問題もあったりする。これをできるだけ需要にぴったり合うようにしていこうと。そういう地域医療構想の実現を図っていくということには、意義深い意味があるだろうと思っています。
それを行っていく手順の問題として、日本の場合は、民間病院が非常に多いわけです。ですから、まず公立病院について、しっかりと対応した上で、その後に民間病院としての対応を図っていくということをぜひ行っていきましょう、という順番で議論していこうという政府の方針としてやってきたということです。いきなり民間のというより、まずは調整が比較的可能な公立病院から対応していこうというのが一つの考え方だと思います。
その上で、さらに公立病院の改革ということについても、今回、名指しされた病院が廃止されるとか、そういうことでは決してなくて、例えば、今、公立病院で展開している病床の中で、あまり利用されていない病床については削減してもいいのではないかとか、公立病院の経営という観点から、もっと言うと税金をあまり使わないで済むという点においても大事なことではないかと、そういう議論をしようとしている。もう一個言うと、近隣の民間病院と競合関係にあって、必ずしも官として行わなくてもよいのではないか、そういう部分については、例えば削減してもよいのではないか。そういう議論を行おうとしているということです。
ですから、そういうふうに考えれば、その地域において需要と供給をフィットさせていこうとする、その一連の流れの中で、公立病院としてまず何ができるかという議論を展開するという点において、十分意味のある議論を展開しようとしているのだと思います。
全く無体なことを言おうとしているということではないという点、その点は、やはり冷静に受け止めていくということが大事ではないかと思っています。ただ、発表の仕方とか、そういうことについて反省すべき点がないかと言われれば、やはり反省すべき点はあるんでしょうが、ただ他方で、この議論そのものをぜひ有意義に生かして検討を進めていくという視点もまた大事ではないかと思っています。
(中田・高知民報記者)
今回、名指しした指標が、非常に一面的で、一時のお客さんの数とか、患者さんの数とか。
(知事)
もちろん結論を出しているということではないので、それを一つの物差しとしてスクリーニングしておいて、そこから先、現実に、例えば本当に利用されていないかとか、重複があるかということを現実に即して議論していくということを展開していけばいいということではないでしょうか。
名指しされたとおりにせよとは誰も言っていない。議論のスタートとして、そういうことがあるということを言っているということではないかと思っています。
(中田・高知民報記者)
小児科とか産婦人科とか、公が今、担わなければ担えないようなことをやっているということは、全く考慮されていない。
(知事)
そういう所は、やめる必要はない。だけど、官がやらなくていいとか、公が担わなくていいものについては、やめたらいいのではないかとか、公がやろうとして需要があるかと思って供給体制をつくったけど、実際には使われていないというものについてやめた方がいいのではないかとか、そういう議論というのは十分にあり得るんじゃないですか。
ただ、もちろん、官でなければならない、もしくはこの地域においては官がどうしても担わなければならないというものまで全部、廃止しようということには、当然ならないだろうと思います。今回はまだ議論のスタートなのであって、その議論のスタート地点において、これから本当に必要性がどうなのかということについて議論する。地域医療構想を実現していこうという中において、まずそこの官の部分について、より深い実効性ある議論を重ねていこうとする。その議論のスタート地点だという意味においては、そういう受け止めをして、冷静に今後の議論につなげていくことが大事じゃないかと思います。
知事選について④
(清野・朝日新聞記者)
知事選で国政の与党と野党に分かれて対立、論戦になるということについて、今回、今まで県政で与党であった政党も野党の方に回るというような状況も見込まれていますが、それについて率直に違和感みたいなものを感じているのかどうなのかというところと、それがその野党の皆さんをそういうふうにした、行動を取ることについてどう思われるのかというところを改めて伺いたいです。違和感とか、なじまないじゃないかというのは感じていらっしゃるのではないでしょうか
(知事)
基本的には県政マターに基づいた議論をということじゃないでしょうか。それは、もう大事だと思います。ただ、国政に対する向き合い方をどう考えるかということについて、全くそれが県政運営に当たって関係ないかといえば、それは関係ないとは言えないのではないかというふうに思いますよ。
私は国政と県政、市町村政との連携・協調が大事だというスタンスで仕事をさせていただいてきました。もちろん、個別事項について国に物申すことは物申させていただいてきたつもりではありますが、基本的には例えば国の地方創生とか国土強靭化とか、そういう流れを活かして県政運営をやっていこう。それを追い風としてやっていこうというスタンスで私は仕事をさせていただいてきました。
ただ、それに対して、国政、今の国政はおかしいから、今の国政のそういう流れには反対をして、反対をしていくというスタンスで今後の県政運営をやっていこうと。国政と県政は対立する構図で今後の県政運営をしていくべきだっていう、そういう政治的主張というのは、それは当然あり得ることだとは思いますね。私は賛成しませんが。そういう対立軸というのはあるんじゃないんですか。
だから、国政の後押しを得て県政をやろうという考え方と、国政と対立して県政をやっていこうという考え方と、どちらが良いでしょうかという、こういう選択肢でもって、この知事選において議論をさせていただくと。そういうことではないかなと思いますね。争点にはなり得ることかと思います。
知事選について⑤
(阿部・読売新聞記者)
関連してですが、前回の会見で、統一野党の方が対立候補を出して、知事が支援されている浜田さんと全面対決になるということは、想定はされていましたか。
(知事)
当然です。それは政治ですから、初めからそういうことは想定しています。
あとは、野党でも政党の関係者の方と、それからいわゆる無所属の方とか、いろいろそれぞれによって随分、スタンスに違いがあるんじゃないですか。私はそういうふうに見させていただいています。そういう中で、できる限り多くの仲間と一緒に選挙をさせていただけるように、呼びかけをさせていただくというスタンスは今も変わりません。絶対的に選挙戦で論争していこうとされる方と、また、少しそこについては、どうするかなという余地もある方もいろいろグラデーションがあると思いますから、そういう中で、できる限り支持を広げるべく努力させていただければなと思っています。
ただ、あくまでも、国政上の対立軸が県政上の対立軸にならないのかと言われれば、それはさっき申し上げたように、なり得る側面はあるだろうと思います。
英語民間試験について③
(大野・高知新聞記者)
英語の民間試験について、言葉のニュアンスの確認ですが、「田舎でも不利ではないということは、確認しなければならない」ということは、制度そのものは良とするが、高知のような所の学生たちが不利になるような状況では延期すべきだということですか。
(知事)
「延期すべき」に主があるというよりも、「不利にならないような状況をつくり出すべきだ」それが大事だと思います。
(大野・高知新聞記者)
今、議論になっているので、そこはしっかりと詰めてやってもらいたいと。
(知事)
ぜひ、そうしてもらいたいと思います。
(大野・高知新聞記者)
制度そのものをなくせ、こんなばかなことをやめろという人もいますが、どうお考えですか。
(知事)
民間試験ということについて、例えば、留学しようとしたら、TOEICやTOEFLなどを受けないといけないです。それが世界標準になっています。例えば、そういう試験で初めから高校ぐらいのときから勉強していたら、多分、留学しようとしたときにものすごく有利だろうなというのは、私自身、経験したことです。それでものすごく苦労したので。元々、英語が嫌いだったというのもありますが。
だんだんと、日本の教育の内容そのものを世界標準に近付けていって、例えば日本の学生たちが外国に留学しやすくするとか、もしくは、外国から日本に来られた方が日本の大学に進学しやすくするとかということを目指していこうとする方向性というのは、すごく大事なことだと思います。
それから、英語については、読み、書き、話すとか、いわゆる一連の総合力というのを試される時代になっているでしょうから、そういうことを測定するそのノウハウが高い方々の力を活かすという視点も大事だろうと思います。
ですから、私は民間試験の活用そのものに全く反対というわけでは決してありません。ただ、民間試験の場合、やはり田舎だと不利だという状況は否めない事実として、まだ現在も残っているでしょうから、それはできる限り解消するように努めるということが大事とではないかなと思います。田舎の知事としては、その点はやはり強く申し上げさせていただきたいと思います。
南海トラフ地震対策について
(清野・朝日新聞記者)
南海トラフ地震対策について、知事がかなり力を入れてやってこられたと自負されていらっしゃると思いますが、振り返ってみて、ここだけはちょっと自分でやり切れなかったなというか、ちょっとここはまだ足りないなというのが、もし1点だけ挙げるとするならば、どこにあるか教えていただけますか。
(知事)
足りなかったというより、これからすごく力を入れていかないといけないだろうなと思うのは、やはり復興期のグランドデザインです。このことは、非常に力を入れていくべきだと思います。決して抜けていたというつもりはありません。ただ、時系列的にいくと、これから次の4年で、もし私が知事ならば、その点を視野に入れてすごく力を入れるだろうと思っています。
発災直後の対策、応急期の対策、さらには復旧・復興期の対策。発災直後については、要配慮者の皆さま方への対策をもっと強化しないといけないでしょう。応急期の対策という観点からいけば、道路啓開計画の実効性をより高めることと、災害時の医療救護の問題について、非常に力を入れないといけないだろうと思います。残っている課題があるのは確かですが、これらはもう既に、全力で取り組もうとする体制に入っていますから。後はそれがどれだけ実行されるかということになってくるんだろうと思います。
しかし、復旧・復興期、特に復興期のグランドデザインというのは、あらかじめ描いておいて、それをバックヤードで応急期や、さらには発災直後の対策として生かしていくという点について言えば、これはこれから本格的に検討し、取り組んでいかないといけない課題ということになるんだろうと思います。私はまだこの点の、いわゆる何ていうのか、作曲はしないで知事の任を離れるということになるんだろうと思っています。
それで、このことについては、実際、短長あるんです。応急期において、どのような場所にどのような機能を配置するか、という議論は既に始めていて、応急仮設住宅はここに置こう、応急のマーケットみたいなものはこういう所に置くことになるんだろうとかというのは、各市町村で今、それぞれ決めていっている。ただ、それをさらに復興後のまちづくりにどういうふうに生かしていこうという議論に発展をさせていって、それに基づいて例えば、いろんな土地の利用規制とかにつなげていくとか、そういう議論というのがこれから求められるだろうと思います。
さらに言えば、軽くというか、それなりに着手をしているところでしょうが、まだ本格化していないのは、例えば農業全体として、BCPをどう考えるか。緊急対応というのがもう既にスタートしていますが、農業が、例えば農地がいろいろ浸かった後において、どうやって本格復興させていくかというデザインをどう描いていくか、ということについて言えば、これから議論をしていかなければならない側面なんだろうと思います。
もし、次4年、やらせていただくこととなっていたのだとしたら、多分そこら辺りの設計図づくりに全力を挙げたと思います。
(清野・朝日新聞記者)
そこに取り掛かれなかった理由は、何かあるんですか。
(知事)
時限的な問題でしょう。やるべき優先順位にしたがって、まず命に係わる問題から最優先して、発災直後の対策、応急期の対策というふうに順番でやってきて、3期12年では復旧・復興期について、検討に着手したという段階で3期12年を迎えたということだと思います。優先順位にしたがってやってきた結果だと思います。