公開日 2022年08月10日
(司会)
ただ今から、知事定例記者会見を始めさせていただきます。冒頭、知事から発言があります。
(知事)
1点、私の方から報告させていただきたいと思います。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の推進体制についてですが、県としても、新たな組織を設置することを決定しました。正式に発足しますのは来週2月8日ということになりますけれども、県庁の中に課長級である企画監・ワクチン接種推進担当という職を置きまして、この企画監が推進室の室長を兼ねる形で、ワクチン接種推進室という組織を新たに設けます。
組織体制としては、専任を5名、兼務を5名、合わせて本庁で10人体制という形で進め、主な役割としてワクチンの流通の担当、それから、医療従事者への接種については、県自身が調整をしていく。3月中旬ごろからということになっておりますので、この事務にあたる担当。そして、市町村への支援、あるいは住民の皆さんへの接種、高齢者の方々から4月以降スタートするとされているものですが、この支援。
もともと、このワクチン接種そのものは、市町村が実施自治体となっておりますし、特に高齢者ですとか住民の方々、医療従事者以外は市町村で主体的に調整もやっていただくということになっております。その意味で、実務上の支援の体制として、県の場合、先行しておりましたのは各福祉保健所、こちらの方でいわば市町村に寄り添う形で、さまざまなサポート、ご相談を受けたり、いろんな応援をしたりということを既に先行してやってまいっておりました。これに加えて、今回本庁の方でもそのいわば司令塔的な機能を果たせるように、そして、専門の電話相談等を看護師さん等に行っていただけるような、相談の窓口も担当するというような機能を、本庁で新たに組織を整備をして対応していこうということにしたところです。
そして、市町村については、今回、あらためて、福祉保健所で市町村サポートチームをつくります。それぞれ、7名から10名ぐらいの体制で当たっていただくことになりますけれども、それに加えて、地域で防災駐在をしているスタッフが、例えば住民の皆さんが集団接種のときに集まる場所の足回りのお世話とか、そういった支援をする。また、各市町村役場に県から駐在をしております地域支援企画員。この職員が、例えば集団接種の会場などでマンパワーが足りないといった場合には、物理的な応援もしていく。我々県との実務的なつなぎ役をやっていくという形で、重層的に市町村をサポートしていく形を想定しております。高知市は自らで保健所もお持ちですから、県の本庁の推進室と直接やり取りして必要な連絡調整に当たっていくと、そういう考え方です。
こうした形で、現在各市町村も含めて、国の方も含めてワクチン接種の準備は鋭意進んでいるわけですが、県としてもこうした形で専任者を含む体制を本庁に整備をすることで、しっかりと遺漏なくワクチン接種を進めてまいりたいと考えております。
私からは以上です。
(司会)
それでは、質疑に入ります。まず幹事社からの質問をお願いします。
緊急事態宣言による関西戦略への影響と、ジェットスター高知-関空便の無期限停止について
(池田・高知放送記者)
幹事社、高知放送です。二つ質問をさせていただきたいと思います。
まず1点目、関西戦略についてですが、緊急事態宣言が関西圏でも延長される見込みですが、知事が掲げている関西戦略への影響をお伺いできればと思います。また関連して、先日ジェットスターの関西空港便の(無期限)停止が決まりましたが、その受け止めをお願いします。
(知事)
1点目の関西戦略への緊急事態宣言の影響、これは策定スケジュールへの影響という趣旨だと思います。スケジュール的には何とか年度内には、この関西戦略を完成をさせて、来年度から具体的な取り組みをスタートさせたいと考えておりますが、これについては変更なしにスタートさせたい、スタートできると結論としては思っております。
今までアドバイザー会議は秋に2回開催しておりますし、本年1月には、各アドバイザーから直接ご意見をお伺いする機会も持ちました。また、会議体という意味では、県の産業振興策全体をモニターする産振本部会議、また庁外の有識者の方々からという意味では、産振計画フォローアップ委員会、こういった会合でご意見も頂戴をしております。そういう意味では、この関西戦略の中身については、相当程度固まってきていると考えております。
今後のスケジュールですけれども、今月の半ばぐらいには、この関西戦略(案)の最終形を取りまとめて、皆さんに発表させていただきたい。いわゆるパブリックコメントをかける手続を経たいと考えております。その上で、2月県議会でのご意見、そして3月に3回目のアドバイザー会議を大阪で予定しておりますが、これは緊急事態宣言下で開催が難しいということに仮になれば、ウェブで行うとか、あるいは個々のアドバイザーの方々に県の職員が回り、持ち回りのような形で行うとか、代替的な手段はあり得ると思いますので、そういった手立ても考えた上で、年度内にはこの戦略の策定を最終決定まで持っていきたいと考えております。
それから、ジェットスターの関空便の無期限停止への影響というご質問です。この点は、確かに痛手ではあります。特に観光客の本県への誘客ということを考えた場合に、関西戦略の柱として、一つは大阪観光局との連携、もう一つは関西の3空港を一体的に運営している関西エアポートとの連携などによって、国内外の観光客の誘客を図りたいというのが一つの柱としてあります。現実に、西日本でもこの関西の3空港と航路を持っているのは高知県と、多分鹿児島ぐらいだったのではないかと思いますし(※脚注:2019年航空輸送統計調査(国土交通省)によれば、西日本で関西の3空港と航路を持っているのは、高知県、鹿児島県、長崎県、沖縄県があります。)、特に先々のインバウンド誘客を考えますと、関空と高知が直結しているというのは、非常に大きな意味があるという思いがありました。
ただ、昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大があり、実際問題としては昨年の春から、この関空便が運休状態にあったというのはご案内のとおりです。今回それに加えて、無期限の運休という形の経営判断をジェットスターの方がされたということであり、結果、本県への移動手段の選択肢が一つ失われることになりますし、また、いわゆるLCC(格安航空会社)としての需要の高さも期待されましたので、そういったものが当面失われることは、確かに痛いというのは事実です。
ただ、今現在はこのコロナの感染拡大で観光が大逆風にある中で、致し方ない経営判断をされたと受け止めておりますけれども、今後コロナウイルス感染症の終息ですとか、あるいは大阪関西万博に向けたインバウンド需要の回復ですとか、こういった環境好転の機会を捉えて、あらためて航空会社に対しては、この路線の再開に向けた働きかけを行いたいと考えているところです。
(池田・高知放送記者)
給付金についてですが、年末年始の飲食店の営業時間短縮要請についてお伺いします。
現在の県内の感染状況を踏まえると、感染拡大防止に一定の効果はあったと思われる一方で、規模の大小にかかわらず金額が一定というのは、不公平感があるという意見もあります。今後、経営状況が苦しい飲食店などにどのような支援策をお考えか教えてください。
(知事)
年末年始にかけて、営業時間の短縮要請を飲食店の方々にお願いしました。お話にありましたように、その効果として、また県民の皆さんの協力もあり、年明け以降感染が落ち着きを取り戻してきているということだと思います。その際の協力金についてですが、これは国の方でも大きな枠組みを設定され、最初は1日2万円といわれてましたけれども、これを年末年始、4万円ということで増額して、その8割は国の臨時交付金で支援するという新しい枠組みを提示されておりました。
この国の枠組みを活用してできるだけ多くの支援を、飲食店の皆さんにお届けしたいという考えのもとに、一律での協力金の方式を採用して支援を行ったということです。1日4万円ということで、ほぼ1ヵ月近くになりますから、最大で100万円あまりという規模の支援になりますので、特に小規模な飲食店の皆さんにとっては、それなりに一息付ける規模の支援を受けたということではあると思いますが、逆に今お話がありましたように、ある程度規模が大きなお店にとっては、もう少し規模に応じた支援を考えてもらいたいというお声が強く出ていることは、私どもも承知をしているところです。
そういうことで、今回飲食店以外の取り引き先ですとか、あるいは外出自粛要請で影響を受けた飲食店以外の事業者の方々への新たな支援制度を、先週発表させていただいて、今申請に向けて相談を受け付けているところですが、さらに、2月補正の予算においては、事業規模に応じた、もう少し具体的に言いますと、従業員の数が多い事業所には、もっと手厚い支援ができるような、新しい支援策、給付金の制度を設けたいということで、今検討を鋭意進めているところでして、そういった制度の対象に飲食店の方々もさせていただき、比較的規模が大きな飲食店の方々にも、追加的な支援策を講じる方向で考えたいと思っております。
(司会)
次に、各社からの質問に移ります。質問される方は挙手をして、社名とお名前を発言していただいてから質問をお願いします。
(松原・毎日新聞記者)
緊急事態宣言についてお伺いします。政府が1ヵ月程度の延長を考えているという報道がありましたが、その受け止めと、また緊急事態宣言が延長されることによって、その地域との往来等について、何らかの対応策をお考えか教えていただきたいです。
(知事)
お話がありましたように、今、報道されているところでは本日、方針が政府の方で決められるということですが、緊急事態宣言が先月から出されている都府県のうち、10都府県では、今延長の方向だと伺っております。
確かに、新規の感染者はかなり減ってきていると、東京の数字などからもそういう状況は見て取れますけれども、いわばストックベースの指標である最大確保病床の占有率、いわば医療提供体制のひっ迫状況。こちらの方はなかなかすぐには改善をしない、依然としてひっ迫状況が続いているということですから、もともと西村大臣が言われていた緊急事態宣言の解除の目安となるステージ3、この基準を、病床の占有率の指標がなかなかクリアできていないということだと思いますので、延長はやむを得ない判断ではないかと考えます。
そうした中でも、やはり全国的に宣言が特に大都市部で行われている状況では、やはり全国で社会経済活動を元に戻していくには、どうしても制約がかかるという思いがありますので、できるだけ、今回延長される期間内に感染状況が収束することを期待をしたいと思います。
本県の対応については、また改めて必要な手続を経て考えたいと思いますが、基本的な方向性としては、今緊急事態宣言の対象地域との間の往来は必要最小限でとお願いしておりますが、この考え方は引き続きお願いしていくことになると思います。また、こういった全国的な状況も勘案して、今県民の皆さんの会食については、4人以下、2時間以内といった具体的な数字を示した形で自制をお願いしておりますけれども、こういった点をどうするかについては、2月7日までということでお願いをしておりますので、今週中には検討して方針を決定して、あらためてお知らせしたいと考えております。
(松原・毎日新聞記者)
ということは、4人以下2時間以内という会食の制限について、それが延長される可能性もあるということなんでしょうか。
(知事)
現時点では延長する、しないという明確な方向性を持っては考えてはおりませんので、可能性があるかないかといわれれば、あると考えています。
(松原・毎日新聞記者)
本日、県内の新型コロナウイルス感染者数が66日振りに0になったということですが、こちらについての受け止めもひと言お願いできればと思います。
(知事)
このこと自体は大変嬉しいニュースであり、県民の皆さん、また事業者の皆さんのご協力の賜だと思います。
ただ、全国的にはまだ緊急事態宣言が続くと言われている状況ですし、昨日の県内の感染状況を見ても、やはりスナック経営者の方が、はしご酒されて、マスクを外して会食され、カラオケとか返杯というような所で感染に至っているという話も、つい昨日報告を受けたところですから、やはりここで直ちに気を抜いてしまうと、元のもくあみに戻りかねない、危うい状況だというのは引き続き続いている。種火は残っている状況だと思いますので、具体的にどういった形でお願いするかということはもう少し時間をいただいて判断したいと思いますが、県民の皆さんには引き続き感染拡大防止策の徹底には、注意を払っていただきたいというお願いをしたいと思います。
(古谷・読売新聞記者)
先日予算の知事査定のときも知事からご発言をしていただきましたけれども、新年度予算の査定をされている最中だと思いますが、今の段階で結構ですけれども、新年度の予算に対する知事のお考え、その中で特に防災関係について力を入れたいということがありましたらお伺いしたいと思います。
(知事)
今、令和3年度の当初予算の編成作業まっただ中ですので、まとまった形でコメントができる状況ではありませんが、大きな方向としては、コロナウイルスの感染拡大防止対策、あるいは経済対策、こういったものをしっかりやっていくというのが足元の一大課題ですから、これを前提としながらコロナ後の状況も見据えたデジタル化、グリーン化、あるいはもう少しさらに先を見据えたグローバル化、国際戦略的な問題、そういった少し中長期も含めた目配りもしっかりした上で、財政の健全性確保にもそれなりの道筋が描けるような。ちょっと欲張りですけれども、そのような予算編成ができたらと思っております。
防災の面に関してですと、今一番議論をしておりますのが、いわゆる復興まちづくりについての検討会を設けて、県として指針的なものを設けていくことにしてはどうかという議論をしており、東日本大震災において、そういった事前の議論が十分になされていなかったということがあり、震災後の復興のまちづくりが必ずしもスムーズにいかなかったと。それまで住んでおられた方が、故郷に戻ってくることがスムーズに進まなかったという反省を踏まえて、できるだけあらかじめ、復興後の在り方も議論しておくことに意味があるという考え方に至った取り組みであり、この点、検討会を設けて、指針を作るという方向で議論をしたいという検討をしているところです。
(古谷・読売新聞記者)
少し具体的にお伺いできればと思うんですけれども、例えば指針という部分、言葉でいうと簡単な言葉であるんですけれども、例えば、知事の頭の中にあるのはどういう面での指針と理解すればいいでしょうか。
(知事)
指針と言いながら、何か一つの方向を決めて、みんなその方向に向かって行きましょうというよりは、東日本大震災のときの経験を正しく踏まえて、いろんな被災地でも、被災の仕方と復興の仕方でパターンがあったんだと思います。そこは地理的な環境も違いますし、置かれた町の産業構造も違う中で、いろんなパターンを分析した上で、この復興後のまちづくりを考える上で、どういった選択肢が青写真としてあり得るかというところを考えていく上での、道しるべを提示する指針というようなイメージなのではないかと思います。
その意味で、住民の皆さんのコンセンサスがひとつにまとまれば、それはベストですけども、必ずしもそこまでいかなくても、そこにいくまでのプロセス、論点の整理ができる。実はこういった選択肢がある、という共通認識が、住民の皆さんの中でできる。これをアシストできる指針を設けるというのが、県として目指す到達点ではないかと考えています。
(古谷・読売新聞記者)
先ほど東日本大震災の話がありましたけれども、間もなく10年を迎えます。当時消防庁でかかわってらっしゃったと思うんですけれども、今東日本大震災10年を迎えるにあたって、知事として今後、こちらで南海トラフ地震対策に生かしていかなければならないこと、今のまちづくりもそうなんでしょうけれども、10年前の思いで今何かよぎることがあれば、お聞かせいただければと思います。
(知事)
10年前の東日本大震災は本当に想像を絶するといいますか、消防庁に当時私も勤務しておりましたから、備えてはいたつもりではおりますけども、それをはるかに超えるような規模の震災であったと思います。高知県の場合は、その反省も教訓も踏まえながら、南海トラフ地震対策にどう実効性を持たせていくかというところが、今の課題だと思っております。
その中で私自身知事着任後、特に市町村レベルでの受援体制、外からの応援受け入れがスムーズに行われるかどうかというところが、初動対応の大きな分かれ目になるという思いがありましたので、この点の点検と補強をしっかりやってもらいたいという指示を出して、年次計画で順次進めているところです。
そうした問題を含めて、10年というのは一般的にもよくひと昔と言われますから、一つ心配をしておりますのは、県民の皆さんの意識の面、ハード面では確かに避難タワーの整備等々進んでおりますけれども、地震の揺れが収まった後、すぐに避難をしようと考えていただける県民の皆さんは、意識調査によりますと、比率が少し下がってきてるのではないかという指摘もありますので、いかにその県民の皆さんの意識が希薄にならないように、あらためて防災意識というものをしっかり持っていただくことに意を払いながら、ハード・ソフト両面の対策を着実に進めていくことが大事と思っております。
(加藤・朝日新聞記者)
ワクチンの新組織についてお伺いしますが、現在ワクチンの情報について、各自治体から情報が不足しているという声が散見されると思います。今回の新組織の立ち上げで、特に県内で支援の必要性があることや、また国への情報提供についての要望などがあればお聞かせください。
(知事)
今回の組織と必ずしも直接関係があることでもありませんけれども、おっしゃるように市町村、あるいは我々県としてもこのワクチン接種に関しての情報がなかなか詳細、確定的なものが出てこないことにもどかしさを感じているのは事実です。
特にその一つ目が、恐らく特に当面対応しなければならない医療従事者の方、あるいは高齢者の方々に接種すべきワクチンは、ファイザー社製のものだろうという前提のもといろんな準備をしておりますけれども、配備される具体的な量だとか時期だとか、詳細はまだまだ明らかになってない状況だと思います。
ワクチン接種をしていくことになりますと、その接種をするための物理的な場所と、その接種の実務を行う医療従事者の方々の確保の段取りをつけていくことが一番大事になってくるわけですが、具体的な日程感がつかめないというところが、いよいよ細部を詰めていこうというなかで、ネックになっていると思いますので、この点はぜひ国に、いろいろ制約はあると思いますが、早目早目に情報提供をお願いしたいと思います。
2点目はかねてから申しておりますけれども、やはり副反応を中心とする安全性であったりあるいは有効性、こういったところについて、まだ薬事承認前ですので出しにくいとは思いますけれども、この不安感が住民の皆さんにあるというのは、もっともかなという状況だと思います。この点を速やかに国の方に分かりやすく情報提示してもらいたいという点があります。
3点目は、昨日河野大臣の方からいい方向のニュースが聞かれたかと思いますけれども、市町村や県の費用負担は、どういうやり方をするかにもよるかとは思いますけども、到底足りないんではないかという声が、特に都市部の自治体から全国的に聞こえていたように思いますので、この点、市町村を中心に自治体で必要な費用はきっちり国で支えていただくという点について、あらためて国に要請をしたいと考えます。
(大山・高知新聞記者)
緊急事態宣言の延長について1点追加でお伺いしたいんですが、先ほど関西戦略については影響はないということでしたが、今回の1カ月の延長による、県経済や県民生活に対して見込まれる影響をどんなふうに考えているか、教えてください。
(知事)
今の情報ですと、延長は3月上旬までの1カ月程度と思いますので、この間、少なくとも感染拡大地域や緊急事態宣言の対象地域と本県の間の往来については、県としても必要最小限にしてくださいというお願いをしますし、これも全国的な移動に関してもその地域から出ていくことについても、国からは、一般的に県境またぎの不要不急の外出は自粛をという方向でのアナウンスがされるんだろうと思います。
ということを前提としますと、例えば観光をはじめとする人の往来に関しては、なかなかその回復をたどっていくという道筋に乗るには、なお時間がかかると考えざるを得ないと思いますし、先ほどお話がありました飲食店やこれに関連をした事業者の方々への影響も含めて、経済面の影響はより長期間に及んでいくことを、想定をせざるを得ないと思っています。その意味で、当面昨年12月の時間短縮要請の影響に焦点を置いて、先週、専決の補正予算を決定しましたけれども、続いて今検討中の2月補正の予算では、この緊急事態宣言の延長も視野に置いた中で、どういう支援ができるか、すべきかも考えていく必要があると思っております。
(大山・高知新聞記者)
国全体のことなので、どこまでおっしゃれるかわかりませんが、緊急事態宣言は、国の方で、1カ月以上延長したくないという考えのもとで取り組んできた結果、延長する方向になりました。この要因はどこにあるとお考えでしょうか。
(知事)
報道などからの私自身の受け止めですが、恐らくいろいろ議論があった中で、やはり社会経済活動の回復に早く乗り出したいのは山々だという人もたくさんおられると思いますけれども、しかし、ここで中途半端な形でまた軸足を移してしまうと、また感染拡大が早い時点で起こりかねない。そうすると、オリンピックの開催もますます危うくなるのではないかと。そうなってしまうと、経済回復を早くしようと思ってそちらに軸足を置いた結果、逆に経済活動、社会活動の回復にとって、かえって長い目で見るとマイナスになってしまうのではないか。
ここでこの感染拡大防止を徹底をして、とにかく火種を断つことに集中をすべき時期なんだという、判断をされたということではないかなと受け止めております。
(大山・高知新聞記者)
これまでの対応の中で、国、政府の方で足りなかったところがあるとお感じになれば教えていただきたいのと、今後1カ月間緊急事態宣言が延長される方向になりましたが、どんな取り組みを国に求めますか。
(知事)
政府に関して、緊急事態宣言の対応で言いますと、対象となった都道府県とよく意思疎通をとっていただきながらやっていただくということ、そして特にGo Toトラベルが代表だと思いますが、かねてから申しておりますが、県境またぎの移動のように、これはもう国がやるしかないという範囲は国が責任を持って、もちろん県の意見は聞いてほしいですけども、決断は国がやるしかない範囲があると思いますから、その役割分担はきっちりした上で、よく地元の都道府県との意思疎通をした上で判断をしてもらいたいですし、緊急事態宣言から外れている県の立場でいうと、経済的な打撃はある意味同じように受けている部分がありますから、それについての支援は、国も引き続きぜひ考えていただきたいという思いは持っているところです。
(大山・高知新聞記者)
少し話が外れますが、国の方でも国民に自粛等をお願いする中で、自民党と公明党の国会議員が銀座のクラブで飲食をするなどの点も批判を受けています。これは国政のことですが、政治不信が高まると、例えば知事から県民に対して呼びかけるときも実効性を損ないかねない、影響しかねないという面があるんだと思います。この国会議員の飲食についての受け止めを教えてください。
(知事)
今回こうした形で議員辞職であったり、三名の方の離党であったりは、ひと言で言うと大変残念な事態だと思います。国会議員という立場で国民の皆さんに我慢をお願いをしているというときに、いえば範となるべき立場でありながら、国民の皆さんから見ると、国民には自粛を要請しておいて自分たちは何だという思いを持たれるような行動を、結果としてされているということだと思いますから、その点については強く反省されて、ああした形で責任の所在を明らかにされたとは思いますけれども、非常に残念だと思いますし、立場を変えますと、私ども県で県民の皆さんにいろんなご不便、ご負担をお願いをしている立場のものも、あらためて気を引き締めて自らを律することに心がけないといけないという思いを強くしました。
(中田・高知民報記者)
コロナの(特措法の)罰則の件ですが、知事は、罰金の方が望ましいんだけど、過料であってもいいという意味で、罰則の導入自体には前向きな立場ですけれども、しきりに四万十市の事例をお出しになって、警察の関与をということでしたが、例えばそれが罰則があったら、去年の中村の事例などもより(調査が)困難だったのではないかと僕は想像するんですが、罰則があることによって、よけいに逃げられたり検査を受けなくなるから感染防止上マイナスであるという指摘が、医療関係者等からかなりあると思いますけれども、そこはどうお考えでしょうか。
(知事)
それは見方の問題でもあり、個々のケースによって違い得ることではないかと思います。そういう見方があることは私も否定しませんし、いろんな保健所の疫学調査などもあくまで法改正があった後も、基本は任意でご協力をお願いをしていくことがスタートということは何ら変わらないと思います。ただ、四万十市の件がどうかは別にしても、やはり1年いろんな仕事をやってきますと、いろんな事情があって、いろんな方がいる、なかなか素直にご協力をお願いをしても応じていただけないケースもあるという中では、最終的に場合によってはとりたくないけれども、こういう手立てをとる構えはないわけじゃありませんよと、強力に説得していくことが必要な場面というのも、全くないとは言えないと私は思ってまして、その備えが罰則ということになるという考えです。
(阿部・読売新聞記者)
ワクチン接種について教えてください。情報が錯綜してたり不確かなところも多いと思うんですが、現段階でのスケジュール感であるとか、集団接種で、個別接種で、どういうところでワクチンを県民が受けることができるのか。副反応が起きたときの相談窓口ってどうなるのかとか、どういうところまで(準備を)進めてるのかっていうのを教えてください。
(知事)
現時点ですと、詳細までは私自身もすぐにはお答えできかねる部分はありますけれども、今は報告を断片的に受けている状況ではありますけれども、やはり県内でいいましても、人口の半分を占める高知市のようなところから、中山間地域で人口3,000人、4,000人規模の町村までいろいろですから、それぞれの特性に応じて、接種場所を構えていただいてということになると思います。
その意味で、中山間地域や比較的小さな市ですと、ある程度集団で日時を決めて、できれば病院のようなところ、そうでなければ体育館であったり保健センターのようなところで集団接種をするというのを軸に考えていこうという市町村が、多いとまで言えるかどうかは分かりませんが、そんな話も聞いております。
一方で、より都市的な形態のところはなかなかそれではさばけなくて、練馬区などはかかりつけ医でやるようなことも考えておられるという情報もあり、そういった形でできるだけ市中の医療機関に、かかりつけ医的なところに、どうご協力いただくかというところも組み合わせて考えていく必要もあると検討されている話も聞いておりますので、それぞれ市町村で今、頭をひねっていただいてるという状況だと思います。
副反応などの相談ですが、また接種の段階になったときにどういう体制がとれるかというのは、またあらためて点検もし、情報収集もしたいと思いますが、当面その接種そのものの医療の面からの専門的な相談の窓口は、まさしく県の推進室のもとに相談窓口を設けまして、医療従事者の方、看護師さんなどに相談に応じていただける体制はつくりたいと思っておりますので、まずはそういうところからスタートかなと思っています。
(阿部・読売新聞記者)
スケジュール的には、医療従事者が3月、高齢者が4月、一般の方が5月というようなイメージで、現段階ではよろしいんでしょうか。
(知事)
これもワクチンを供給していただく国の胸先三寸というところはありますので、高齢者の方は早くて4月1日ということでもありますし、私も担当の部と意見交換をしていた中では、スタート時点はそうかもしれませんが、恐らく高知県のような比較的人口の少ないところであっても、何割の方が接種を受けられるかによりますけれども、例えば医療従事者への接種が3月中旬に始まっても、それでも県内全体で2万人とか3万人とかそういう数になりますので、それを受けていくとすると、2回接種を終わるまで何カ月単位の日数がかかる可能性がありますから、ある程度重層的にやっていくイメージもあるのかもしれません。例えば、医療従事者が終わったので、はい高齢者、高齢者が終わったので、はい次というよりは、同時並行で重なっていくような、特に都市部では日数がある程度かかって進んでいく、というようなイメージを持っておいた方がいいというような気が最近はしております。