公開日 2021年04月13日
(司会)
ただ今から、知事定例記者会見を始めさせていただきます。冒頭、知事から発言がございます。
(知事)
1点、本県における新型コロナウイルスの変異株について、ご報告を私から申し上げます。本県においては、先週19日に2人がこの変異株に感染している疑いがあると公表をしたところです。その後、検体を国立感染症研究所の方に送付しまして、詳しく分析してもらいました。その結果、昨晩、お二人とも型としては、イギリス型の変異株であるということが判明しました。このイギリス型は従来型に比べて、感染力が増しているということなどが懸念されますけれども、ワクチンの有効性に大きな影響はないと考えられているタイプのものとお聞きしているところです。
変異株につきましても、従来の型と同様の感染防止策が有効だとされておりますので、県としては、引き続き感染者周辺の検査を幅広く行っていくということと併せて、県内で感染された陽性者につきましては、今後も全て変異株の、いわゆるスクリーニング検査を行い、早期に探知し、適切に対応してまいりたいと考えております。
私からは以上です。
(司会)
それでは、質疑に入ります。まず、幹事社からの質問をお願いします。
(姫野・テレビ高知記者)
幹事社から質問をさせていただきます。
まず、1都3県での緊急事態宣言の解除についてお伺いしたいと思います。先だっての対策本部会議の後のぶら下がりでも、同様の質問があったかと思いますけれども、エリアによっては過去最多の感染者数の確認ですとか、再拡大の傾向がある中ですのであらためてお伺いしたいと思いますが、1都3県での緊急事態宣言の解除、このタイミングについて知事の受け止めがどうか。また期間中の県経済への影響について、去年4月の時期と比べて、現段階でどういった対策を取られていらっしゃるか、お願いします。
(知事)
1都3県の緊急事態宣言の解除ですけれども、これにつきましては、国の分科会の判断の目安である、いわゆるステージ3相当のレベルまで関連の指標が下がったということを捉えて判断されたと受け止めています。この1都3県の状況等を見ますと、この指標のうちで特に病床の占有率が、まだ3月初めの段階では高かったということが問題で、引き続き緊急事態宣言を2週間ほど延長するという判断になったというのが、この前段での判断だったと考えます。
この点、病床の占有率も先週のタイミングではステージ3相当まで下がったということ。そして、新規の感染者数は下げ止まりしていたり、むしろ増加傾向という指摘もあったわけですけれども、この緊急事態宣言が二カ月半にも及んでいるということで住民の方々の集中力といったものがどこまで持続できるかというところが、相当懸念されている状況でもあったと考えます。
その意味では、このまま漫然と緊急事態宣言を続けていってしまうよりは、一度リセットして、今後の感染拡大に備えていくためにも、この緊急事態宣言というカードを取っておく方がいいという判断をされたのではないかと、私としては受け止めたところです。
それから、県経済への影響についてです。特に昨年の緊急事態宣言と比較してですけれども、昨年の4月、5月の緊急事態宣言は全国を対象に行われたということですし、比較的幅広い業種に様々な制約がかけられたということだと思いますので、それと比べますと、今年1月の緊急事態宣言は地域的にも経済の部門についても、限定的なものになったということは言えると思います。
ただ、長期間に及んだということがあるのと、特に本県の経済に関していいますと、やはりいずれにしても一番打撃を受けているのは、観光に関連する旅館、ホテル、交通運輸、あるいは飲食業、こういった業種が非常に大きな打撃を受けているということだと思います。打撃を受けていること自体は、昨年の4、5月と変わらないわけですが、昨年の感染拡大により、ただ今申し上げた県内の事業者の方々が、大変な打撃を受けて、経営体力をかなり消耗しているという中に、昨年末からまた今年初めにかけて本県でも感染拡大があり、また国も緊急事態宣言が、大都市圏中心に行われたということもあり、いわばダブルパンチ、トリプルパンチのようになっているという意味では、累積したベースで考えますと、本県経済が受けた影響、打撃というのは、昨年の4月、5月の時点よりもさらに大きいと考えなければいけないと思っております。
県独自の給付金などを通じて事業の継続と雇用の維持を図っていくということ。あるいは、まずは地産地消ないしは、観光面ではいわゆるマイクロツーリズム、近場の観光から始めて、商品の拡大を図っていこうと、今県としても呼びかけし、様々な手立ても取っておりますけれども、やはり今、本格的な回復にはまだ時間を要すると見ざるを得ないと考えております。
引き続き、感染拡大防止は大事ですけれども、片方で緊急事態宣言は解除ということでもありますので、社会経済活動の回復という点も、徐々にではありますが、こちらについても、取り組んでいかなければいけない状況だと受け止めております。
(阿部・読売新聞記者)
新型コロナのワクチン接種についてですが、
まず、来月から始まる高齢者の優先接種のワクチンの供給量などの見通しと、一般接種がいつから始まるのかという見通し、また、現時点で課題などがあれば教えてください。
(知事)
まず、県内の高齢者の優先接種のワクチンの供給量の見通しです。4月分のワクチンの配分につきましては、厚生労働省から連絡が既にあり、本県の高齢者人口に占める比率ですと11%程度、1割ちょっとというようなことで、4月については、高齢者の全体の数からいいますと限定的な接種、試行的なものになると受け止めています。
このため、各市町村でご準備いただいておりますけれども、数として1割ぐらいに限られていることもありますから、まずは高齢者の方々のうち施設に入居されている方々ですとか、病院に入院されている方々、こうした方々にまずまとめて、その場に出向いて接種するということを先行してスタートしようという計画の市町村が多いと承知しております。
県内で一番手になるのは、高知市及び土佐市、それぞれ1箱ずつ配分しますので、4月12日の週から開始できるようにご準備いただいていますが、4月中毎週、国の方から配分がありますので、4月中には少なくても全市町村にまず行き渡るということ。その上で、各市町村1箱というところを上回って国から配分がある部分は、高齢者人口が多いところに傾斜配分していくということ。そして、市町村の接種計画をお聞きして、4月の県内の配分の計画を決めたというところです。
ただ、繰り返しになりますが、約1割程度ということですから、本格的な接種は5月以降ということになります。全国的には、5月以降はワクチンの配分量が大幅に増加して6月末までには、全高齢者が2回接種できる数量が配分される見込みだとお話を伺っておりますので、その点を期待しています。
ただ、高齢者についても5月、6月分が具体的にどのタイミングでどれだけの量が配分されるかという連絡までは、まだ来ていません。そして、今お話がありました一般接種の開始の見通しにつきましても、この点については、国の方からワクチンの配分の具体的な予定がまだ全く示されていないというのが現状ですので、県内でいわゆる一般接種について、現時点でいつから、どんな形でという見通しをつけることは困難な状況だということです。
一方で、ワクチン担当の河野行革担当大臣が先だって、小規模な自治体では、4月の下旬にも一般接種ができるケースがあり得る、というような見解を述べられたという報道に接しております。
本県では現在、各市町村が、高齢者向け接種の日程などの具体的な計画を立てている真っ最中ですから、一般論として河野大臣はそう言われたと思いますけれども、このご発言の前提は1000本単位で各地に配っていくので、高齢者が極めて少ない市町村では、残った部分を無駄にするのではなく、一般の人に回すことも考えてもいいと。あるいは離島などのエリアでは、そういうこともあり得るとおっしゃったということだと思います。県内では具体的に、一般の接種まで早くやろうというような方針を決めているという市町村は、現時点ではないと承知しております。
そして、現時点での課題と対応についてですが、1点目は国からのワクチン配分の見通しが非常に不透明だということ。それ故に、全体の各市町村での接種計画の策定が、極めて難しいという状況だということが課題の大きな1点目だと思います。この点は、知事会の方でも、外国相手の交渉なので大変なことは理解できますが、国から示していただかないと、このワクチンの供給スケジュール、配分量、そこから先の作業を、現実に我々も市町村も進められないというのが実情ですから、国の方では1日でも早く、こういった情報を地方に届けてもらいたいという話を、知事会などのツールも通じて提言しているところです。
2点目が、接種のスケジュールが確定できないことが主な要因ですが、接種を行うための医療従事者の確保が、特に市町村で苦慮されていると受け止めています。引き続き、福祉保健所の方とも連携して取り組んでいきたいと考えています。
3点目の課題としては、接種の際の副反応に対する不安感の解消です。国の方からは随時、副反応の事例が報告されていますけれども、県としても、正確な情報を広報して、県民の皆さんの不安感の解消に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
(司会)
次に、各社からの質疑に移ります。質問をされる方は挙手して社名とお名前を発言してから質問をお願いします。
(甲斐田・時事通信記者)
今日から聖火リレーが始まったんですけれども、県内でも基本的には予定通りの開催という形になると思うんですが、聖火リレーに対する知事の受け止めを教えてください。
(知事)
今日から、福島から東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーがスタートするということです。先だって、国の方からも組織委員会などからも、聖火リレーについてのガイドラインというのも示され、県や県の実行委員会としては、その示された方向に沿って開催の準備を行っているところです。本県では、日程としては4月の19日、20日の2日間にわたり、19の市町村で計画どおり聖火リレーが実施される予定になっておりますけれども、この組織委員会から示された感染症対策に関するガイドラインも遵守しながら、安全安心な聖火リレーを実施したいと考えており、組織委員会あるいは関係の市町村などと連携を図って準備を進めているところです。
(甲斐田・時事通信記者)
昨日、広末涼子さんが、聖火ランナーを辞退されたということです。あと、ちょっと前の話ですが、島根県の丸山知事が聖火リレーの開催の中止について言及されるなど、必ずしも安全という状況ではないのかと感じるんですけども、その辺りについてのお考えを教えてください。
(知事)
広末涼子さんの件については大変残念ですけれども、スケジュールのご都合ということで致し方ないかなと思います。また、島根県の丸山知事のお考えというのも報道に接しておりますけれども、昨今、組織委員会を巡って様々な報道があり、コロナの感染が必ずしも順調に収束に向かっている道筋が、なかなか見えないということがあって、国民の皆さんにはいろんな意見があるということが、背景にあるということではないかと思っています。
ただ、私としては、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図っていくというのがオリンピック・パラリンピックも含めて、日本社会に課せられた一つの命題だと考えておりますので、そういった意味でも感染拡大防止対策はしっかりした上で、でき得る限り国民の皆さん、あるいは全世界の皆さんに喜んでいただける、歓迎されるようなオリンピックが開催されることを期待しておりますし、それに向けての聖火リレーをできる限り高知県としても盛り上げていければという思いで、準備を進めているところです。
(大髙・NHK記者)
新型コロナについてお伺いします。今日愛媛県で50人を超える感染者が確認されていて、愛媛県は連日20人以上の確認が続いているんですけれども、知事はかねてから、このように人の移動がある状況だと、お隣の県だからといって特に県境をまたいだりという制限はしませんよというお考えを、かねてからおっしゃっていると思うんですが、今あらためて愛媛との行き来について、何か県民に呼びかけされるお考えはございますか。
(知事)
ここ2日ほど、かなり多くの感染者の方が確認されて、今日も相当の数の新しい感染者が報告されるという情報を得たばかりですので、取り立てて、特に愛媛県との関係で往来について県民の皆さんにお願いするという考えは、少なくとも現時点ではありません。
今後、いろいろな情報を収集し、特に県境を越えての移動といいますと、ある意味、国の方でどう判断されるかというところも、私としては大事な要素だと思っていますから、国の見解なども確認しながら、必要な部分については県民の皆さんに呼びかけしなきゃいかんと思います。ただ、先ほどの変異株の話に対しても、最終的にはやはり基本的な感染防止対策を、県民の皆さんにしっかりしていただくと。いわば、マスク、手洗い、3密回避に象徴されると思いますが、最後はそこに集約されると思いますので、県民の皆さんに、この点は粘り強く訴えていきたいと考えております。
(大髙・NHK記者)
厚労省から通知のあった病床確保計画の見直しについてお伺いしたいです。感染が爆発的に大きく増加しているときには、一般医療を多少制限してコロナの病床を確保するようにという、緊急的な方針をまとめてくださいというお話があったと思うんですけれども、高齢者がこれだけ多い高知県で、そういう方針をまず実現可能なのかどうかを含めて、知事の感触を教えていただきたいです。
(知事)
国の方からは、この年末年始の第3波の倍ぐらいの規模を想定して、新しい病床の確保ないしは宿泊施設も含めてということだと思いますけれども、感染拡大に向けた対応の新たな計画を4月中には作ってもらいたいというご要請があったとお聞きしています。
国の方で諸情勢を勘案して一つのガイドラインを示されたということですので、それに沿って病床のさらなる確保、あるいは宿泊施設のさらなる確保、計画づくりをしていかないといけないと思います。
その際に、お話のあった通常の医療を抑制してまでというお話ですが、これは程度問題ではないかと思います。第3波の中でも、例えば特に高知医療センターなどにおいては、指定医療機関として、通常であればやっていた救急の対応を縮小してということで、あるいは一般論ですが、急がない手術などについては延期してというような形で、何とか医療従事者、スタッフのやりくりをしながらコロナの対応をしてきていただいたと思います。
ただ、おそらく今後さらなる規模の大きな感染拡大を想定した場合は、医療センターだけにそういうお願いをするということではなくて、医療機関の間の連携、あるいは各医療機関の中での工夫も含めて、やりくりをしていく中で、通常の医療の活動の中でも、一部できるものは先延ばししていただくことを、より広い範囲で、必要な場合には考えていただかないと対応が難しい場合もあり得ると思います。そういった観点は持ちながら、現在208床のベッドは確保できていますけれども、年末年始の2倍の規模を考えると、さらに確保が必要だと思いますので、今までお願いしていた協力の医療機関に、さらなる上乗せをお願いできないかということもそうですが、特に公立の病院を中心に、今まで協力いただけてない医療機関に、いざという場合には、ベッドの提供のお願いも含めて、これから取り組んでいかなければいけないと考えております。
(小林・共同通信記者)
先日、札幌地裁が同性婚を認めないのは違憲だという判断を下しましたが、そのことについて、知事の受け止めをお願いします。
(知事)
今回の判決に関しては、近年国内外でいわゆる性の多様性をより尊重していこうという大きな流れが起こっているということを踏まえた、判決がされたものではないかと考えております。当事者の方々は非常に切実な思いを持って訴訟されて、今回の判決については大変評価されているという報道にも接しております。
この点は、ただ国のいわゆる家族法制の根幹にかかわる部分でもありますし、場合によっては憲法論との関係もあることですから、国会の方でも既にこの同性婚を認める法案、LGBTの方々への理解を促進していくための法案、こういったものがもう具体的に起草され準備されているような段階だと承知しておりますので、国政の場でこの同性婚の問題も含めてしっかりとした議論が行われて、新たな展開が図られることを切に期待したいと考えております。
(中田・高知民報記者)
無症状陽性者の高齢者施設従事者の検査についてお聞きします。本会議でもその旨質問があって、知事が答弁で、事業者の希望があれば検討するというような答弁もあったように聞こえましたが、いかがですか。
(知事)
これは高齢者の施設が、クラスターになった場合のリスクが特に高いということがありますから、現実にはただ、全体的な感染状況との兼ね合いがあるということだと思っています。全体に県内の感染が落ち着いている中では、検査の能力との兼ね合いもありますから、やみくもにこの検査の範囲を広げるという対応が現実問題できないわけですけれども、特に現実に施設の関係者に感染が確認された場合、これは現状でもその施設に入居されている方々あるいは職員の方々、症状がない方も含めて幅広く積極的検査していこうという対応をもとよりしておりますし、その当該施設に限らず、例えばその当該施設のスタッフが日常的に行き来している、いわゆる系列の施設だったり病院だったりが代表的なところですが、特に施設の方でご心配されているというケースはあり得ると思います。
そうした個々の感染事例の周辺部分で検査の必要性が高いと思われる部分については、できるだけ当事者のご意向などもお聞きして、こちらサイドの衛生研究所等の検査能力の課題もありますけれども、そことも照らし合わせながら、できる限り積極的な検査対応をしたいと考えております。
(中田・高知民報記者)
確かに感染者が出たら、検査を幅広くやっている印象を持ってますけれども、感染者の確認がされる前の無症状の探知というか、そこはやるお考えはないということですか。
(知事)
この点については、やはり国の専門的な知見を示していただきたいというのが本心です。今回緊急事態宣言の対象となった地域を念頭にということだと思いますが、国の方でも3万件の施設のPCR検査をという方針も出されましたが、限られたPCR検査体制の中で、比較的感染が落ち着いている中で、どの範囲で、いわば予防的な検査をやっていくのが有効かという点については、なかなかまだ専門的な知見が十分整理されてないのではないかと。また県独自でそういった判断をすることも正直難しいところがあります。
そういう意味では、感染が具体的に身近に迫った場合の高齢者施設については、我々サイドでも検査をやるべきという判断でやっているわけですが、例えばよく言われる夜の繁華街だとか、若い方々が感染を広げる最初の波を起こす部分になるといったら、そういったところに着目したところに検査をやってはどうかとか、いろんな考え方があると思いますが、その点を国の方での知見を示していただくことが、私としては期待されるところではないかと思いますが、現状なかなかそういった形での国からの助言、アドバイスというのが、あまり感染が拡大してない地域については行われてないということではないかと考えています。
(中田・高知民報記者)
総務省の接待問題ですけれども、知事もお知り合いの方も結構いらっしゃると思いますが、どうご覧になっているのかということと、高知県での接待について、あらためてどうなっていたかをちょっと聞きたいです。
(知事)
私も割と最近まで総務省に勤務しておりましたから、知り合いも何人かいます。ああした形でのいわゆる供応接待は明確に公務員の倫理規程に違反をしている事案ですし、あってはならないことだと思います。非常に嘆かわしいことだとも思っております。
現在総務省で第三者の弁護士も入って、行政判断が歪められてないかというところの検証、そしてさらに課長クラスまで範囲を広げた倫理規程違反の実態調査が行われているということですから、まずはその推移を見極めたいと思います。今まで判明している範囲で申し上げますと、あってはならないことだと思いますし、非常に嘆かわしい事象だと考えております。
県におきましては、国家公務員の倫理法・倫理規程にいわば準じた形でルールが決められており、ほぼ類似のスキームが動いているということです。ただ、大きな違いは、国家公務員の場合は、たとえ割り勘でもゴルフとか旅行を一緒に行くというのはまかりならんということになっておりますが、県の場合はそこまでは制限されていないと。
割り勘で自分の費用を払っているということであれば、いわば官民協働でいろんな仕事をしていかなきゃいけないということですから、国は割り勘でもだめだと言っているんですが、そこまで言う必要はないと。人事当局に聞きますと、過去に残念なことですが倫理規程の違反があって、現実に人事上の処分をした事例もあるようです。ただ現状、直ちに県の職員について何か具体的な実態調査が必要な状況だとは思っていませんけれども、規程としては同じようなルールがあって、過去には処分をした事例もあるというのが県の状況だと考えています。
(大山・高知新聞記者)
今の総務省の問題に関係するんですけれど、あの接待自体はもちろん問題だと思いますし、その上であの答弁を見ていると、虚偽の答弁というのか、記憶がないというのを言われたりしていますが、そのことについての感想、知事、見られてどんなふうに思われていますか。
(知事)
事実関係に係ることは私自身もよく分かりませんので、あまり立ち入ったことをコメントすることは避けたいと思いますけれども、国会の場に呼ばれて答弁を求められているということですから、記憶がないという答弁をしながら、録音の媒体の存在が分かったら、今にして思えばあったのかもしれないと答弁を覆すという形になっております。これをご覧になった国民の皆さんからすれば、やはり公務員に対する信頼感を著しく失ったという反応をされても、これはもう致し方ないと思います。その意味ではああした事態が何度も繰り返されることは、私としては大変遺憾なことですし、もうこれ以上繰り返してもらいたくないという気持ちで報道に接しているところです。
(大山・高知新聞記者)
今回の接待問題で、旧郵政省の関係の方になるのかなと思いますが、総務省は当然地方自治体とも直接かかわる省庁ですし、そうなると行政全体への信頼を損なうことにもつながりかねないと思います。古巣の総務省ですが、今後どうあるべきだ、どうあってほしいと思われますか。
(知事)
ひと言で言えば、この際、徹底的にうみを出すべきだと思います。総務省の中には地方自治の部門がありますけれども、私自身地方自治関係の部門で勤務していた関係からいいますと、地方自治体の方々とは仕事上のお付き合いがありますし、飲食をともにして、意見交換をする機会というのは少なからずありました。しかしながら、少なくとも金額的に見ても、いわゆる割り勘でやるというルールからしても、倫理規程違反というような状況というのは私は想定外でした。そういった中で、私自身の感覚からするとかなりかけ離れた供応接待が、放送・通信の事業者の方々とああいった形で行われていたということは、まさしく非常に嘆かわしいことだと思いますし、この際範囲も広げて調査をされているということですから、早く全容解明をしていただいて、二度とこういった事象が起こらないようにしていただきたいと思います。意見交換そのものは私は悪いことではないと思いますので、きっちりルールを守って、事前の届出が必要なものはしていくと。ほかの省庁では結構そういう報告があったという話も聞いていますので、1万円以上のような会食は、と、透明性を持ってやれば、私はそのこと自体はそれほど指弾される話ではないと思いますので、あるべき姿に早く移行してもらいたいという目で見ているところです。
(大山・高知新聞記者)
コロナの関係の話に戻るんですけど、先ほど病床確保計画の件についておっしゃられてましたが、知事がおっしゃったように、第3波の倍程度を確保するということになって、高知県の場合なかなか、これまでの208というのもかなり声をかけられるところにかけた上で、ある程度上限に近い数値なのかなという気もしています。先ほど公立病院中心にぜひお願いも含めてということもおっしゃってましたが、方向性としてどうやって病床を確保していこうというお考えが、今のところあれば教えてください。
(知事)
これはもう地道に数字積み上げていくということだと思いますし、まずは宿泊療養部門、軽症の方はそちらでお願いしていくということで、医療の方の負担の負荷が減らせるわけですので、宿泊部門についても確保ができないかということ、そして医療のベッドに関して申し上げますと、先ほど申し上げたように、既に10ぐらいの入院協力医療機関には協力いただいていますけれども、中には数ベッド程度とかなり限定的な協力しかいただけていないところもありますから、そういったところについて、もう少し上積みができませんかというお願いをしていくというのが一つだと思います。もう一つは今全くこの入院協力医療機関として応じていただいてない病院に新たにベッドの提供を、いざという場合にはお願いしますということを広げていくと。そういうときに、純民間の病院よりは、公立の病院は公的な資金で運営をされている病院ですから、こういうときにこそ、そうした公的な役割をぜひ発揮をしてもらいたいということでお願い、説得をしていくということがメインになるのではないかなと考えております。
(阿部・読売新聞記者)
今の質問の中で公立病院もということだったんですけど、これは例えば高知大学の学部とかも含むんでしょうか。
(知事)
公立病院といったのは、とくにいいますと自治体立ということだと思います。高知大学の医学部の附属病院については、むしろ重症者の受け入れに関して、高知医療センターがこの間の第3波のとき、ほとんど限界に近いところまで来ておりましたから、あれ以上の対応が必要になった場合を考えたときに、次なる受け手として高知大学医学部の附属病院、そしてさらには近森病院重症者の受け入れ病床に手を挙げていただいてますので、具体的にそういった優先順位でご協力いただくという方向で相談して、方向性としては了解いただいていることがありますので、どっちかといいますと、そちらの高知大学附属病院は重症者のケアという観点で、例えば中等症とか軽症の方のベッド数をたくさん受けていただくよりは、重症者のケアを分担していただくところを力点を置いてということだと思いますので、ベッドの数を増やすという意味では、そうでない、むしろ自治体立の市町村立の病院などに、もう少しお願いできないかをご相談をしていくことになると考えております。
(清野・朝日新聞記者)
あらためてなんですけど、コロナの県内の感染状況について、知事として今どういうふうにご覧になっているか。考えられる理由と背景も含めて、あらためてお伺いしたいんですが。
(知事)
現在新規の感染者数を見る限りは、比較的落ち着いた状況だと考えています。もともと5段階で区分をしている県の対応ステージから見ても、下から2番目の注意ということにしておりますから、いわば散発的な状況、1週間でも大体4人前後というのがここのところの状況だと考えています。平均して2日に1人新規の感染者が出るぐらいのペースですね。全国的な状況など見ますと、比較的落ち着いていると思います。年末年始に相当、人口比で見ると、全国的にかなり多くの感染者が確認されたというところがあったわけですけども、事業者、県民の方々のご協力をいただいて、年明け以降は落ち着いてきた中で、現在は比較的落ち着いているということだと思っています。
ただ、ついこの間まで緊急事態宣言が首都圏では続いておりましたし、全国的な状況を見ますと、やはり決して油断ならないと思います。先ほど愛媛県のお話もありましたが、すぐお隣の愛媛県でも数十人という感染者が数日間連続して、突然、ああした形で多数の新規感染者が確認されるています。そういった意味では、決して県民の皆さんには油断してはいけないということですから、一律に歓送迎会などを自粛してくださいと申し上げるつもりは全くありませんけれども、やはり感染拡大防止対策をしっかりした上で、徐々に社会経済活動を回復をしていきましょうということを、今の状況としては、県民の皆さんにお願いをしていきたいと考えています。