令和3年12月8日 知事の記者発表

公開日 2021年12月16日

1 12月補正予算追加分の知事の考えについて

2 ワクチン・検査パッケージ等定着促進事業のメリットについて

3 インフラ整備を12月補正で予算化することについて

4 3回目のワクチン接種前倒しに対する受け止めについて

 

 

【記者発表(最終)】R3.12月追加記者発表資料[PDF:780KB]

(司会)
 ただいまから、知事記者発表を始めさせていただきます。冒頭に知事から令和3年度12月補正予算追加分の概要についてご説明申し上げます。

(知事)
 県議会12月定例会への提出予定議案の追加分についてご説明いたします。追加します議案は、令和3年度の一般会計補正予算など予算議案2件になります。これらは、いずれも国の経済対策に係ります補正予算に対応するためのものでして追加分ですので、先だってご説明申し上げました当初提案分とは議案としては別になりますけれども、提出日としては明日・開会日に一緒にお出しして、ご審議いただこうと準備しております。
 それでは、内容について簡単にご説明申し上げます。今回の追加分の全体像ですけれども、一般会計で235億円余りという規模になっております。すべて、今国会で審議中ですけれども、国の経済対策に係る補正予算に関わ るものでして、その中で、特に年度内、早い時期に執行していく必要があるものにつきまして、今回、追加提案の形でお諮りすることになっています。
 大きく言いまして1点目がコロナの感染予防・感染拡大防止対策でして、1つには臨時医療施設の整備など。またワクチン・検査パッケージに必要になります検査を無料で実施することに必要になる経費を計上しておりま す。こういったものが21億円余りになります。
 続いて、経済影響対策が7億7,000万円になっております。この主な中身が事業の継続、雇用の維持のための生活福祉資金の貸付原資の積み増し。それから、経済活動の回復対策として、観光キャンペーンの期間の延長のた めに必要な財源を手当したいといった中身が入っております。
 その他としまして、これも広い意味で経済対策の一環です。200億円余りでありますけれども、いわゆる公共事業等の社会資本整備の事業を追加しておりまして、基本的には、国の5か年対策を活用して、防災・減災といっ たインフラ整備を進めていくものが中心になっている中身です。金額的には公共事業の追加といったところが大きくなっているとご理解ください。
 歳入・歳出の主な中身ですけれども、経済対策分に加えて、当初予算に計上した部分の国の内示が見込みを下回ったものを今回調整させていただくものもありますけれども、歳入の方で見ていただくと、主が国庫支出金130 億円ほど、県債が90数億円ということでして、公共投資・建設事業になりますので、国の補助金と地方負担分は県債で賄うパターンが中心になります。合わせまして235億円ほどの規模になります。
 歳出面では、経常経費系統の部分が32億円ほど、これは医療とか経済影響対策。投資的経費の方が経済対策としての国土強靭化の関係の公共事業等の追加。こういったものに200億円余りで、先ほどの数字と大体対応して いる中身になっていることがお分かりいただけると思います。
 主な事業についてご説明いたします。
 まず、感染予防・感染拡大防止対策で、医療提供体制の充実です。先月末に新しい計画を作りました。病床確保、宿泊療養施設の確保、自宅療養の体制整備、こういったものについては、既に予算計上しておりますが、今 回、臨時医療施設「やまもも」を活用して、感染が大変拡大した時期には臨時医療施設を整備するとしておりますので、そのために必要な経費を予算計上いたしております。この医療施設を運営するために必要になります医  療従事者への報酬などの中身と、いわゆるロジスティックの面を民間の事業者に委託して、切り盛りを助けていただこうという部分と合わせて計上しているところです。
 それから、感染拡大防止のもう一つの大きな項目は、PCR等検査の無料化に要する部分で大きく2種類あります。1種類が、感染が比較的落ち着いている時期、あるいはある程度の感染が一定程度拡大したものの、社会 経済活動は両立させて実施していく場面を想定したものです。
 これが、ワクチン・検査パッケージ定着促進事業と称しているものです。ワクチン・検査パッケージというのは、感染がある程度拡大しましても、ワクチン接種を受けていること。ワクチンをアレルギーなどの理由で受け られない方については検査をして、陰性の証明を出していただく。そういうことで飲食店で人数制限の対象から外れるとか、県境をまたぐ旅行もしていただける。国が再開を検討していますGo Toトラベルも、県境をまたいだ 旅行についても参加する時には、このワクチン・検査パッケージを取っていただいて、参加していただこうという計画がされているところです。
 ワクチンを受けられない方が検査で陰性を確認する時に、ワクチンの接種は無料で国が行っていますから、検査についても、このパッケージを取るために検査が必要だという方については、無料で実施する体制をつくろう ということでして、基本は県内の薬局、そして民間の検査機関などにおいて、検査していただいて、飲食とか旅行の際のパッケージとして使っていただくものです。こういったものが8億円、あるいは民間事業所分1億円と いうことになっております。
 もう一つの柱は、これは以前、第5波の時なども中央公園で実施した実績がありますけれども、感染が極めて拡大した時に、一般の方々の中に、ご不安に思われる方が多くなると考えますので、ステージがかなり上がった 段階で臨時の検査会場を設けて無症状の方でも検査を受けていただくこと。こういったことに必要な予算を確保しておこうということです。これが8億4,700万円となっております。
 この2本の無料検査によって、感染拡大防止対策に万全を期したいということです。
 それから、経済影響対策に関しまして、特に観光事業の喚起策について、今回追加計上が大きいものがございます。一つが観光のトク割キャンペーン、今まで県内旅行につきまして50%の割引でやってきた訳ですが、これ の時期をゴールデンウィークの連休前日まで延ばすのと、県内在住者に加えまして隣接県の在住者も対象にしていくということでして、この事業のスキームそのものは国の補助金をもらって実施していくことでございます。 先ほど言いましたワクチン・検査パッケージを年末からは活用して、参加いただこうと準備しております。
 もう一つが、これは県独自の観光リカバリーキャンペーン、交通費用の助成で、1件最大5,000円の交通費用を助成して、高知から離れたところにお住まいの方でもぜひ来ていただきたいと。地理的なハンディを解消してい くことを狙った助成です。これも拡充の内容としては、期間を連休前まで延長したいということで所要の経費を今回計上させていただくことにしています。
 大きな3本目の柱のインフラ整備の加速化でして、今回補正予算に追加されました5ヵ年の加速化対策なども活用しまして、この加速化対策以外の部分も含めまして、237億円の経済対策分としての増額補正をする。他に減 額分等もありますので、トータルで200億円余りという数字になっております。
 中身は、道路、河川、砂防、港湾、海岸、漁港、都市計画、耕地、造林、治山、林道といった中身になっております。昨年の5か年加速化対策については、2月の補正予算でメインでやった訳でありますけれども、それに 比べて若干規模としては少なくなっておりますが、これは全国的な予算の規模が縮小している影響を反映したものでして、全国に占めるシェアは、決して取り負けてはいませんということを書いています。
 その他の主なものです。感染予防・感染拡大防止対策としては、現在始まっております3回目の接種をスムーズに進めていくために、精力的に接種にご協力いただいた医療機関などに報奨金のような形でお金をお支払いす るというもの。これが3億円余りです。
 それから、事業継続・雇用維持に関しまして、障害者の方々の就労継続支援事業をやっておられる事業所におきまして、事業が不振で新しい事業に乗り出す場合に支援する助成の制度を、今回、新規に計上しております。
 また、休業等により収入が減少する方への生活福祉資金の原資の上乗せということ。そして、その他、既決の予算の中で対応している部分もございます。
 それから、その他の主な事業ですが、これは事業者の方々への支援ですが、国が設けております、経済状況が厳しい事業者の方々への保証料を軽減した支援制度がございます。国の制度におきましても、保証率0.2%分は本 来事業者に負担いただかないといけないことですが、その分を県が肩代わりする形で利用しやすくして、この資金繰りの支援と経営支援、いわゆる伴走支援的な支援をセットで行っていく。新たな融資制度に乗っかっていた だくことで、この制度を使いますと既存の債務の借り換えもできるということですから、これをぜひ積極的に活用いただこうと、後押ししようと、県としても支援する予算を計上する中身です。
 その他、原油価格の高騰対策なども、その予算を活用しまして、融資制度で対応する内容を記載させていただいております。
 今回の直接のコロナ対策は、34億円ほどということになりまして、トータル、昨年度、一昨年度からの累計で言いますと1,400億円を超える規模になっています。
 以上が、私からの説明です。よろしくお願いします。

(司会)
 それでは、各社からの質疑に移ります。質問される方は挙手をして社名とお名前を発言をしていただいてから、質問をお願いいたします。

 12月補正予算追加分の知事の考えについて
(伊藤 NHK記者)
 補正予算案を新型コロナの面で見ますと、医療提供体制であるとか、社会経済面であるとか、かなり幅広い内容になってるかと思うのですけれども、改めて内容に関して知事のお考えと、加えて、これをもとに社会経済面、医療体制面について、今後どのように取り組んでいかれたいか、いま一度お聞かせいただけますか。

(知事)
 今回の追加提案分は、共通項は、国の経済対策、そして補正予算に計上されたもので、年度内に急いで執行する必要があるものを計上させていただいたということです。その中で感染状況が落ち着いてはいますけれども、 やはり当面コロナの対策ということ、第6波への備えをしっかりしなきゃいけないと。その中で特に新しい対策の柱の1つになる臨時の医療施設、この部分の必要な経費がまだ予算計上できておりませんでしたので、この部 分は急ぎ対応させていただくということ。
 そして、経済影響対策に関しても、今、社会経済活動の回復の局面にありますけれども、これも今の予算では年度内を走りきれるかというと、まだ足りない部分があるということですから、この部分も国の対策も活用し て、手を打っていこうということがありますし、後、全体の大きな経済の下支えという意味で、ないしは、これはもう少し先をにらんで南海トラフ地震対策とか豪雨対策とかいった災害に強いインフラ整備ということで、こ れも今回の補正予算でまとまった規模の国の予算が措置されますので、ここの部分はできるだけ早く事業に着手できるように補正予算に計上していこうということでして、コロナ禍、第6波への警戒はしっかりと行いなが ら、経済の回復に軸足を移して今歩もうとしている局面にありますから、そういう経済状況の中で必要な対策を打つための予算を今回お願いする中身だと考えております。

ワクチン・検査パッケージ等定着促進事業のメリットについて
(甲斐田 時事通信社記者)
 ワクチン・検査パッケージ制度があると思うのですけれども、これが大阪ですと、例えば飲食店でこの検査パッケージを取得している人が、人数制限なしで飲食店を利用できたりですとか、制度によるメリットが、まだ余り県民に周知されてないのではないかという指摘もあるのですけれども、そのあたりについて、より周知を活性化させるような施策ですとかは検討されていないのでしょうか。

(知事)
 特に事業を構えて予算計上することではありませんけれども、現状、背景としてありますのは、感染状況が大変落ち着いていますので、特に県内で、例えば飲食・会食について、人数制限をお願いしている状況にはありませんので、その意味では、余りその飲食店の事業者からすると、このパッケージをうんぬんする実用的な必要性が余りないのが、正直な局面ではないかと思います。
 もちろん一部、10月末に県内でありました200人規模の宴席、私も参加しましたけれども、その際には別に規制はかかっておりませんでしたけれども、自主的にワクチン・検査パッケージのような取り組みを主催者がされたことはございましたので、現時点で言えば、制度的に必要だということに飲食の場合、余りなっていないことはございます。
 ただ、今後の感染拡大の状況によりましては、具体的に人数制限をまたお願いせざるを得ない場面が生じる可能性はありますから、そういった場面になりますと、人数制限、例え、ば県として4人以内でお願いする時に、 このパッケージをお持ちであれば、それにカウントしない形で参加いただけることにもなってまいりますし、より具体的に必要性が出てくる場面としては、県境を越える旅行ですね、これについていろんなキャンペーンで公  的な割引を適用される場合には、パッケージを取っていただくことを条件にする線で準備していきますので、その意味では、そちらの方がより当面は確実にこのパッケージを取っていただくことの必要性が高くなる局面も出 てこようかと思いますから、そういった事業を実施するに際して、パッケージを取っていただく必要があることを、事業の周知宣伝の中で、県としてもしっかりPRさせていただこうと思っております。

 インフラ整備を12月補正で予算化することについて
(大山 高知新聞社記者)
 公共事業の予算の関係で1つお伺いしたいのですが、今回、政府が補正予算で措置はしましたが、あえて12月でなくても2月でも予算的には組めたと思いますが、これを12月に措置した意図であったり、狙いを教えてください。

(知事)
 これは一言で言いますと、事業の執行の平準化のためとお考えいただきたいと思います。去年の場合は、当初予算と同時で2月補正の形で対応いたしましたが、最近大分変わってきていますけれども、伝統的に言われまし たその場合の執行上の問題点は、当初予算が成立して、年度末に予算が整って初めて設計・積算とか発注の準備ができるので、年度初めの4月・5月あたりに発注前の準備の時間がかかって、事業の空白期間が生じると言わ れまして、その間4月・5月は特に現場の建設業者が、いわば仕事がない状態。でも6月以降になってくると、当初予算に計上したものが現実に発注され、事業が動き出しますから、4月・5月に発注量が底になって、6 月・7月、夏になったらどっと増えるというような、非常に偏りが時期によってできてくることが、特に近年は公共事業の事業量も徐々に増えてきて、かなりの事業を円滑に執行していただかなくてはいけないと。ただ、い ろんな人手不足の問題などもあって、発注が必ずしも順調にいかない、不調になる場合もありますので、今の例で言えば、4月・5月に実際に事業をしていただけるような環境をつくるとすると、繰り越しという形にはなり ますけれども、2月議会ではなくて、12月議会の補正予算で計上させていただいて、執行していくタイミングで予算の成立をご協力いただければ、4月・5月の空白地帯をより無くすことができる、平準化できるのが大きな 狙いだとお考えいただければと思います。
 実際、今回、たまたまこういった形で、国の補正予算が追っかけてくる形になりましたけれども、部内の検討としては、平準化の意味で、12月に、いわゆる債務負担行為の予算だけでも、契約だけでもできるための根拠付 けの補正をお願いする方法もあるのではないかという検討を内部でもしていたくらいですので、今回はその話ではなくても、歳出予算で国から予算が計上される状況がありましたから、それを使って、年度当初に向けた、平 準化の対策を講じていこうという意図だとお考えいただければと思います。

3回目のワクチン接種前倒しに対する受け止めについて
(大山 高知新聞社記者)
 3回目のワクチン接種について1点お伺いしたいのですが、6日に岸田首相の所信表明の中で、8カ月を待たずできる限り前倒しするというようなことをおっしゃっていました。これまでは基本的に8カ月で、6カ月は例 外的にということでしたけれど、それから踏み込んだ対応になるかと思います。
 知事は、3日の会見でも状況が許したら前倒しをという思いはあるとおっしゃる一方で、その供給余力であったり懸念材料を挙げられてましたが、この前倒しの受け止めであったり、あと国に求めることを改めて教えてください。

(知事)
 いろいろな環境が整えば、オミクロン株の話もありますから、できるだけ早く接種したいという皆さんにお応えしていくことは大事なことだと思いますし、そういった状況も踏まえての総理の所信表明での方針の表明だっ たと思っています。
 ただ、一方で、実務的には、ワクチンの供給力に余力があるのかと、ここが一番の根本的な問題だと思っていまして、厚生労働大臣も率直に言われていますのは、一律に6カ月、皆さんおいて下さいと、前倒しをしていく ワクチン供給余力はないと、そこはできませんということはもうお認めになっていることでありますので、私としては、お願いとしては、国にできるだけ早く、具体的にどういう範囲の方々を、どういったスケジュール感で 前倒ししていくのかという姿を早くお示しいただきたいということに尽きると思います。
 その際には、国としてどれぐらいワクチンの供給余力があるのかということもありますし、市町村を中心にお願いしています自治体サイドで、まず、いきなり2カ月前倒しと言われてもすぐにはできないといった準備体制 の問題もあると思います。
 ワクチンの供給余力以前に言えば、各自治体でどの程度手持ちのワクチンの在庫があるのかとかいった要因もありまして、多分、状況が自治体によっても違ってきて、複雑な面があると思いますので、そういった中で混乱 を招かずにやるためには、国として一定の仕切りをしていただかないと、現場は大変困ると思います。去年の夏の職域接種の時のように、どんどんやってくださいと言って準備をしたら、今度はワクチンがありませんからと いうことになって、はしごを外すようなことになってしまうと、関係者は大変困りますので、そういうことにならないためにも、国で具体的な前倒しの中身とかスケジュール感を、ひな型的なものでもいいと思いますので、 示していただくことが肝要ではないかと思っております。

 

 

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