令和4年3月24日 知事の記者会見

公開日 2022年04月03日

1  新型コロナウイルス感染症対策について①
2  南海トラフ地震対策について①
3  南海トラフ地震対策について②
4  新型コロナウイルス感染症対策について②
5  ウクライナ避難民の対応について①
6  ウクライナ避難民の対応について②
7  ウクライナ侵攻の受け止めについて
8  新型コロナウイルス感染症対策について③
9  新型コロナウイルス感染症対策について④
10  脱炭素の取り組みについて①
11  脱炭素の取り組みについて②

(司会)
 ただいまから、知事定例記者会見を始めさせていただきます。冒頭に知事から説明がございます。

(知事)
 それでは、冒頭に新型コロナウイルス感染症の感染状況に関しまして、県民の皆さまに申し上げたいと思います。
 まず、県内の感染状況についてです。感染状況を示す指標のうち、我々は医療のひっ迫度合いを示す意味で、病院のベッド占有率を最も重視しています。この状況を最近1週間で見ますと、現在の県の対応ステージは「特 別警戒」でありますけれども、この判断の目安としております25%という水準を昨日まで7日間続けて下回っている状況にあります。
 また、新規の感染者数も緩やかな減少傾向が続いておりまして、最近の1週間で見ますと、前の週と比べて約3割減少という状況です。
 ワクチン接種が進んだこともありまして、高齢者の感染者数も大幅に減少している状況です。こうした状況を総合しますと、新規の感染者の減少によりまして、最も重視する病院のベッドの占有率も、当分の間は25%以下 の水準で安定的に推移すると見込まれます。
 以上のような判断を前提としまして、本日、県の対応ステージを「警戒」の段階に引き下げることとしました。ここに至りますまでに、県民の皆さん、事業者の皆さん、また医療従事者の皆さん、いろいろな形でご努力い ただき、協力いただきました。この場をお借りしまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 そして、この対応ステージの引き下げに伴いまして、県民の皆さまにお願いしてまいりました各種の行動制限も徐々に緩和してまいりたいと思います。このことについて、2点申し上げたいと思います。
 1点目は会食などの制限についてです。会食につきまして、これまでは4人以内、あるいは2時間以内といった具体的な人数、時間を示した形で一律の制限をお願いしてまいった訳ですが、明日からは、人数につきまして は可能な範囲で規模を縮小、時間につきましては可能な範囲で短縮していただく形でのお願いに切り替えさせていただきたいと考えます。
 ただし、会食中におきましても会話が主となる時間帯におきましては、極力マスクを着用していただく。いわゆるマスク会食を励行していただくことについては、引き続きお願いしたいと思います。
 併せまして、次の点についても特に留意いただければと思います。それは、端的に言いますと、新規の感染者数は第5波までの時のように減少はしていないということです。
 減少はしてきておりますが、若い世代を中心とした感染者数は、引き続き多数にのぼっておりまして、1日当たりの感染者数が150人前後という規模が続いている中で対応のステージを下げることにしています。これは、オ ミクロン株はやはり感染力が大変強いことの表れでありまして、第5波のデルタ株の流行の時と違い、収束までに時間がかかっていると言えると思います。
 そうした意味で、今回のステージの引き下げは第5波までのケースと違いまして、感染自体の封じ込めの目途が立ったということではなく、むしろある程度の感染者数の発生は引き続き避けがたいけれども、重症者の多発 や医療のひっ迫につながるリスクがかなり下がったことを意味しているに過ぎない点が、特にポイントであると考えます。
 であればこそ、人数の制限を具体的な数値を示しては申し上げませんけれども、やはりマスク会食のような基本的な感染防止の対策はしっかりと取っていただきたいということです。ただ、現実にマスク会食の徹底と申し ましても、例えば20人、30人という大人数の規模の会食を、特にお酒を伴うような形で行うとなった時に、どこまでマスク会食を徹底できるかという点については、不安を持たれる方も少なくないのではないかと思います。
 また、そういった多人数の会食になりますと、仮に感染が発生しますと、非常に大きなクラスターの発生にもつながりかねないことがあります。そういった意味で、多人数の会食については、感染拡大の防止という必要性 が比較的高いのではないかと思いますし、同じような意味におきまして、例えば結婚披露宴なども規模を縮小して行っていただくにしても、一生に1回の機会ですから、極力感染は出したくないという思いが強い方も多いの ではないかと思います。
 そういった意味で、ぜひとも感染を避けたい。感染の危険性を下げたいという必要性が高い場合は、結論になりますけれども、できるだけ参加者全員があらかじめ検査をしていただいて、全員が陰性であることを確認し て、安心して会食いただくように、県として強くお勧めしたいと考えます。そのために、県では無料検査の枠組みも新年度に入りましてからも継続しまして、手続きなどにつきましてサポートさせていただきますので、ぜひ 無料検査をご活用いただきたいと考えます。
 以上が1点目の会食についてです。
 2点目が観光のキャンペーンについてです。
 観光需要の回復に向けた取り組みとしまして、今回のステージの引き下げに合わせ、まずは県民の皆さんの県内旅行を対象としたキャンペーンを明日から再開することといたします。ただ、これにつきましても、感染防止 との両立という観点から、ワクチン検査パッケージ制度を活用していただくことが条件となりますので、この点、ご協力いただきたいと存じます。
 現状、ワクチン検査パッケージはワクチンの2回の接種、あるいは検査による陰性の確認という方式で、当面行っていくことになります。
 これについては、恐らく近日中にワクチンは3回の接種、あるいは検査での陰性の確認に切り替わっていくのではないかと想定しています。これは国の方針如何ということになりますけれども、いずれにいたしましても、 感染防止との両立を図りながら、観光需要の拡大を図っていきたいと考えております。
 また、事業者の方々にはガイドラインに基づきます感染防止対策の徹底をしていただいた上で、お客様をお迎えいただくようよろしくお願い申し上げます。
 そして、最後に基本的な感染防止対策の徹底について、改めてお願い申し上げます。
 感染状況が改善してまいりましたので、徐々に社会経済活動の回復に軸足を移してまいる局面となります。ただ、第5波までの時と違いまして、未だに多数の新規感染者が毎日発生している状況の中での取り組みになりま す。感染防止対策は引き続き怠ることのないようにお願いしたいと思います。特に、これからの時期は年度代わりを迎えまして、県をまたぐ移動、あるいは普段会わない人との接触の機会が増える時期になります。その意味 で、リバウンドが生じやすい条件が揃っている時期になりますから、リバウンド防止に向けた十分な警戒が必要だと考えております。
 ただ、お願いします中身は以前からお願いしております、マスクの着用ですとか3密の回避、さらには換気の徹底といった基本的な感染防止対策です。こうした対策を引き続き徹底いただきまして、徐々に社会経済活動を 回復して、日常を取り戻していく方向で県としても精一杯努力してまいりたいと思います。県民の皆さまのご理解、ご協力を心よりお願い申し上げます。
 私からは以上です。

(司会)
 それでは、質疑に入ります。まず幹事社からの質問をお願いします。
新型コロナウイルス感染症対策について①
南海トラフ地震対策について①
(古谷・読売新聞記者)
 先にコロナの件から聞かせていただきます。
 まず、先ほどの引き下げの理由の中で、封じ込めの目途が立った訳ではない。それでも敢えて引き下げた理由について、まずお伺いしたいのと、もう1点は、南海トラフ対策ですけれども、事前復興のガイドラインが先 日、大体まとまりました。これについての知事の受け止めと、それとどうしても策定は時間との競争になってくると思うのです。
 その中で、住民合意を求めるという項目もあります。どの段階までの完成度を目指すのか。あるいはどこまで市町村に県として働きかけをするのか。新年度の南海トラフ地震対策について、現段階での知事のお考えをお聞 かせください。

(知事)
 まず、コロナ対策に関してです。今回は第5波までとの比較で申しますと、収束に向けた目途が立ったというところまでは、言えないだろうと申し上げました。方向性として、収束の方向に向かっているのは確かですけれ ども、1日に150人という感染者規模ですから、重症化はしにくいとはいえ、人数の規模から言うと、第5波までの時と全く意味が同じではないということを申し上げたかったということです。
 この点は、私自身の解釈ですが、国も先週、まん延防止等重点措置を全国一斉に解除された中で、国もある意味、大きな方針展開をしたと受け止めております。
 基本的には第5波までは、封じ込めを目指していくことが基本だったと思いますが、今回のオミクロン株の第6波のまん延防止等重点措置の解消に関して言うと、私は、ある意味、はっきりとコロナとの共存の方向に舵を 切ったと受け止めております。
 ある程度の感染者、恐らく全国で3万人、4万人という規模の感染者は、依然として発生している訳ですけれども、かつてに比べ、規模は半減したことを踏まえまして、ある程度の新たな感染者の発生は、ある意味、致し 方ないということは前提としながら、その中での重症者の発生、医療のひっ迫、ここだけはギリギリの防衛線として守っていくという方向に切り替えて、社会経済を回していかないと社会経済が傷んでしまう。もう既にかな り傷んでいて取り返しがつかなくなってしまうと。そういう判断をされたと、私は受け止めております。
 そうした基本的な構造の認識を、私、県内についても同じような状況だろうと思っておりまして、感染状況も総合的に今までの推移を判断し、年明け以降、3ヵ月近くになるという時間の経過も考えました時、ここはある 程度の新たな感染者の確認が避けられないにしても徐々に社会経済活動の回復に軸足を移していく判断をすべき時期だ決断したとお受け止めいただきたいと思います。
 それから、南海トラフ地震対策の事前復興のまちづくりの計画策定指針についてです。
 これにつきましては、東日本大震災の教訓を受け、できるだけ早期に生活の再建、あるいは生業の再生が可能となりますように、あらかじめ事前復興のまちづくり計画の策定をしていただくのが望ましいと。そのための指 針づくりをしようということで、今、最終的な取りまとめ段階にあります。この指針の中では、復興のパターンが地形に応じて違ってくるであろうということで複数のパターンをお示ししたり、応急期から復興期に至るまで の、いわゆる取り組みのタイムラインを提示したりする。そして、住民の皆さんとの合意形成に向けた計画策定の進め方について指針をお示ししようとしています。
 こうしたものを参考に、沿岸の市町村が事前に復興まちづくり計画を策定する際に、参考としていただけることを期待しています。
 今後、地域地域で発災後のまちづくりが議論されまして、慣れ親しんだ地域で希望を持って住み続けられることができる。そういった復興まちづくり計画が早期に策定されますように、県としてもしっかり支援していきた いと考えております。
 そして、手順としては大きく3段階を示しております。
 まずは行政の内部でのたたき台をまとめること。次に住民の皆さんに議論をいただいて、住民のコンセンサスを得る過程。3つ目に、この計画を実際に実行していく、着手していく過程です。
 そうした中で、住民の皆さんのどこまでの合意形成が必要かというのは、一義的には各市町村のご判断だと思います。
 できるだけ、多くの住民のコンセンサスを得て、策定されることが望ましいと思いますが、私自身はそこまで到達しなくても、住民の皆さんが議論を俎上に載せて、必要なデータをオープンにして議論していただく。そこ で、ある意味、論点整理ができると。ここだけでもかなりの大きな意味があるのではないかと。仮にそうした過程の中で被災することになっても、かなりの助走ができているという意味では、その後の早期の復興につながっ ていく意味は、論点整理段階でも大きいのではないかと思います。
 ただ、それで良しとは思ってはおりませんで、できる限り住民の皆さんの合意を得られる形で、計画を策定いただくことが望ましいのではないかと考えております。
 それから、新年度の南海トラフ地震対策の重点的に取り組むべき事項ですけれども、第4期までの行動計画によりまして、想定します県内での死者数は、平成25年当時の約4万2000人から8,800人まで、8割程度減らすこ とができたということですが、今後、死者数を限りなくゼロに近づけていくためには、まだまだ課題があると考えています。
 この内、10項目については重点課題に位置づけて取り組むことにしていますけれども、特にポイントとなると考えるのは、いわゆる自助・共助・公助の中でいえば自助に属する取り組みではないかと思います。
 想定死者数に直接関係してまいります要素としては、揺れを感じて、直ちに避難していただく方々の早期避難意識率です。これが、理想は100%ですが、現実は70%前後程度でして、これを100%に上げていくことで死者を 限りなくゼロに近づけていくことになる訳ですが、ここがなかなか、ある意味難しいところです。
 早期避難という意識付けですとか、室内の家具の固定であったり、食料とか生活必需品の備蓄であったりといった点につきましても取り組みを進めていくことが、被災者数、あるいは被災の規模を極小化していくために非 常に重要だと考えています。
 このために、防災マナーのコンテストなどを新たに試みましたけれども、こうした新たな試みも含めて、県民の皆さんへの啓発に力を尽くしたいと思います。
 さらに、復興まちづくりの計画の事前策定ですとか、被災者の個別支援体制、こういった新しい取り組みにも鋭意取り組んでまいりたいと考えております。

 南海トラフ地震対策について②
(古谷・読売新聞記者)
 知事のおっしゃった事前復興ですけれども、ガイドラインそのものを作るよりも、まず、議論を始めることの方が重要だと、そのことに意義があるのでないかという受け止めでよろしいでしょうか。

(知事)
 もちろん、目指すところは計画の策定が最終目標であり、目指すべき姿だと思いますけれども、いわば1か0かではなくて、そこに行くまでにしっかりデータを整えて、まず役所の中でたたき台を作り、それを住民の皆さ んにお示しして議論を始めていただく。そこのところがなければ計画策定は、到底できないと思っております。
 そして、19市町村もいろいろ事情が違いますから、全て一律に、早く計画の策定をして欲しいと申しましても、現実できること、できないことがあると思いますから、まずは行政内部の案づくり、たたき台づくり、そし て、住民の皆さんにそれをオープンにして議論を始めていただくと。幅広くという意味で言いますと、県内多くの市町村でそういったプロセスに早く進んでいただくことが大事なことではないかと考えております。

 新型コロナウイルス感染症対策について②
(村山・テレビ高知記者)
 これから経済の回復が期待されていくことになる訳ですけれども、県は今後具体的にどう取り組んでいかれるのか、期待感も含めて教えていただければと思います。

(知事)
 まん延防止等重点措置も先週3連休までに全国的にすべて解除されることになりましたし、新年度を迎えます時期として人の流れが今からこの年度末、年度初めに関して活発になると想定されます。
 具体的には4月中旬までに、職場などでは歓送迎会のシーズンだと思います。そうしたイベント、あるいは、結婚式なども行われるケースも、5月ぐらいにかけては多いのではないかと思いますので、こうしたイベント、 行事に安心して参加いただける。特にそれが、会食という形を伴う場合も多いだろうということでして、県としても手続き面でサポートしようと。また経費面でもこれは国の制度も活用してですが、無料の検査をして陰性を 確認していただければ、非常に安心して参加いただけるだろうということで、対象者の全員検査の活用プロジェクトを提案させていただいて、当面4月10日まで、県民の皆さまにご案内しております。
 国では、この無料の検査の枠組みは6月まで実施されることになりましたから、形はある程度変わる可能性がありますが、県としても無料検査のサポート自身は6月までやりたいと考えております。
 観光需要の喚起で言いますと、県民のみなさん向けの高知観光トク割キャンペーンという、県内旅行についてのキャンペーンを明日から再開させていただきます。
 4月以降は、国の方針を見ながらになりますけれども、準備が整い次第、対象のエリアを県外にも段階的に拡大していくことになろうかと思います。
 こうした取り組みを実施していくことで、本県経済の回復を目指していくのが、当面の取り組みの具体策になろうかと思いますが、なお県内の経済の状況を見まして、県内のいわば地産地消の取り組みの必要性、飲食関係 の需要回復に関して、さらにどのような支援が必要か、できるかといった点につきましても、状況を見ながらさらに検討していきたいと考えております。

(司会)
 次に、各社からの質問に移ります。質問される方は、挙手をして、社名とお名前の発言をしていただいてから、質問をお願いします。

 ウクライナ避難民の対応について①
(甲斐田・時事通信記者)
 ウクライナ情勢が非常に緊迫してる状況下で、現状、政府でウクライナの避難民の受け入れについて方針が固まってるかと思うのですけれど、高知県でのウクライナの避難民に対する受け入れの状況であったり、知事のお考えをお聞かせいただければと思います。

(知事)
 受け入れの状況、現実にどういう方を、どの程度受け入れてということに関して言いますと、私自身が把握している範囲としては、現実にまだ受け入れをされた実例は承知しておりません。ただ、現実に、知人を受け入れ ることも考えたいのだけれど、どういった形が考えられるだろうかというご相談や、企業からは、必要があれば受け入れについての支援も考えたいけれども、どういった形で対応すれば良いかという問い合わせがあったこと は、報告を受けています。
 全体を巡っての方針としては、私ども高知県でもそういうお話があれば、機会がありましたら、できる限り積極的に前向きに受け入れを図っていきたい気持ちは持っております。
 具体的に、そうした中では、住まいの確保は確かに問題になろうかと思いますので、県営住宅や県の職員住宅などにつきまして、現実に、今空き部屋で活用可能なものについては、活用できるだろうということで、準備す るように指示しております。
 また、今週の初め段階だったかと思いますけれども、国からも県ではどんな意向か、準備状況かというお問い合わせがありましたので、国ないしは関係者、知人、あるいは当事者からのご要請がありましたら、前向きにで きる限りの支援をする用意はあると、また検討もしておりますと国に対して回答を出しているところです。

 ウクライナ避難民の対応について②
(甲斐田・時事通信記者)
 実際に、他県では、ウクライナ語やロシア語で避難民が相談できる窓口をオンラインで開設したりしているのですけれども、その辺りについてはどう考えていますか。

(知事)
 そんなに、大々的に宣伝はしておりませんけれども、文化生活スポーツ部の国際交流課を窓口に、相談などは受付させていただいております。

 ウクライナ侵攻の受け止めについて
(大山・高知新聞記者)
   知事のロシアのウクライナ侵攻に対する認識、受け止めを改めて教えてください。

(知事)
 今回のウクライナ侵攻は、もう約1ヵ月になる訳ですけれども、いわば主権国家に対して、武力と実力行使という形をもって、一方的に現状変更しようというロシアの企ては、到底許すことができないと思っております。
 これは、国際社会一致をして、なんとか平和的に、できるだけ早期の停戦、問題の解決を図っていただきたいという思いで状況を注視しているところです。

 新型コロナウイルス感染症対策について③
(大山・高知新聞記者)
 国がウイズコロナに方針を切り替えたというご指摘がありましたけれど、知事も現段階で、現状を踏まえれば、当然そういう方向にするべきだ、そうすることが望ましいというお考えでよろしいでしょうか。

(知事)
 それはそれで結構です。確かに1日150人前後の規模の感染者が続いておりますけれども、だからと言って、感染者数をかつての第5波までの時のような水準まで下げて、本当に感染の収束がそこまで見えるところまで社会 経済活動の制限を続けていくことは、誤解を恐れずに言えば、社会経済全体が瀕死の状態になってしまうことだと思いますので、ある程度の感染者の発生は、ある意味致し方ないと。
 そういう意味で、コロナとの共存と言いますか、ウイズコロナと言いますか、そういう方向に、もう舵を切らざるを得ない状況に来ているのではないかと考えますし、そうしたところでの生命線は、高齢者を中心とした重 症者が増えて、一般の医療、救急医療も含めて、ひっ迫して医療救急体制が組めないということにならないところを、防衛線として考えていくことに、もう踏み切らなければいけない時期に来てるのではないかと判断しております。

 新型コロナウイルス感染症対策について④
(大山・高知新聞記者)
 これまでコロナ対策で、例えば第6波の前でも、感染者の人数ではなくて、医療提供体制に注目しようと言って、やはり蓋を開けてみたら、感染者数にスポットを当てる形に国が対応を取ってきたところもあると思います。
 重点措置に関しても、飲食店向けの対策ということで、変わらずにやられてきた面があると思います。
 今後、国にどんなことを求めるのか、どういう対策、どういう姿勢を求めるのか教えてください。

(知事)
 一番国に求めたいのは、BA2も含めて、今からのオミクロン株の先の状況がなかなか見えないところがあります。こういったことについて、海外の治験も含めて、あるいは全国的な治験も含めて、先行きをしっかり情報収 集して、読んでいただいて、こういう対策を取るのが一番効果的だということを提示していただくのは、国でなければ出来ない話ですから、国にはぜひ、そういうことを求めたいと思います。
 ただ、どうしても新規の感染者数が注目されます。非常にその病原性が高いような、特に初期の第1波、第2波の時のようなウイルスであれば、それはそれで合理性があると思いますけれども、もし大きな方向として、病 原性は低いけれども感染力は非常に強いといったオミクロン株のような新型コロナウイルスの感染が今後も主流になっていくということであれば、国に当面お願いしたいこととしては、今回のまん延防止等重点措置のメニュ ーなどにつきまして、基準を含めて、第5波のデルタ株の時までの指標になっているところが、大きな構図としては変わっていないことがあります。
 一部手直しは順次してもらってはいますけれども、基準や取るべき対策、これは今のようなオミクロン株に対応した状況であれば、飲食店対策ばかりではなく、医療機関、高齢者施設、学校、保育所等でのより実効的なク ラスター対策をメニューとして並べていただいて、各自治体が実情に応じて、必要なものを選択できる形で、基本的な対処方針の中身も変えていただくことが当面、一番求められる対応ではないかと思っております。

 脱炭素の取り組みについて①
(中田・高知民報記者)
 昨日、議会も終わりまして、当初予算も決まった訳ですけれども、知事は脱炭素、グリーン化に力を入れておられます。
 アクションプランも方向性も出て、取り組みが始まっているのですけれども、具体策が非常に乏しいと言いますか、例えば再生エネルギー等にしても目標に対して非常に中身が伴っていないように思われます。
 そこはどのように達成していかれるのか。太陽光の普及にしても、なかなか嚙み合っていない感じがするのですけれども、いかがでしょうか。

(知事)
 これはもちろん2050年のカーボンニュートラルを目指すということですから、約30年先、そして、中間目標も2030年です。ここで47%と具体的な目標を設定してということですが、こちらにしても10年近く先ですから、 1年、2年で直ちに達成できる話ではないということで、具体的なイメージが湧きにくいお話かと思います。
 今回、アクションプランを策定させていただいた中で、1つがCO₂の削減、2つがグリーン化による産業の振興、3つがオール高知の取り組みという形で具体的に大きな3本の柱を立てさせていただいて、特にCO₂の削減 に関して、太陽光の話につきましても、最終的に数字的にそこをどうもっていくかというところについては、まだ今からの議論というところはありますけれども、太陽光発電の施設の整備について、民間の事業者あるいは電 力事業者、さらには市町村経由で一般家庭で太陽光発電の設備を設置していただくことについての補助制度も今回、新たに整備したことがあります。
 こうしたものがボリューム的に十分なのかどうなのかとか、効果がどうなのかというところが今後、執行していく上で判断する部分があろうかと思いますが、2050年あるいは2030年に向けた第一歩の取り組みとしては、今 回の当初予算の中でかなり意欲的にさまざまな取り組みをさせていただいておりますので、そうした取り組みを重ねていったところの延長線の中に、当面は2030年の47%削減が見えてくる性格のものではないかと思っており ます。


 脱炭素の取り組みについて②
(中田・高知民報記者)
 例えば、一般家庭で太陽光発電の設備を設置する市町村の補助制度に上乗せする予算ですが、確か数十件で1,000万円だと思うのですけれども、推進のための力になるようなボリュームではないように感じました。中間目標 を設定した2030年と言えば8年しかない訳で、ちょっと間に合わないのではないか、また、インパクトが全く感じられないのですが、お考えを聞かせてください。

(知事)
 最終的に、特に補助金などでのてこ入れをして物量作戦でいこうということになると、これはかなり国も巻き込んでいかなければ思ったような数字が上がってこない側面があろうかと思います。
 それはそれで、もちろん視野にあります。我々が直に県民の皆さんを支援することは、もちろん不可能ではありませんけれども、とにかく市町村レベルで補助制度を持っていただかないと、広がりという面でさらに限定的 になってしまうことがあります。
 今回の予算では、市町村で補助制度をお持ちでないところに新たに作っていただくところに主眼をおいて、規模としては、ささやかとおっしゃられるかもしれませんけれども、各市町村において、まずゼロのところを1に もっていくところを重視して、今回、いわばキックオフとして、こういった補助制度を作ろうということにしました。

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