令和4年4月28日 知事の記者会見

公開日 2022年05月09日

1 大型連休中の新型コロナウィルス感染拡大防止について
2 高知県人口が68万人を割り込んだことについて
3 高齢者施設の医療体制構築について
4 五台山展望施設の閉鎖について①
5 五台山展望施設の閉鎖について②
6 地域医療構想について①
7 地域医療構想について②
8 3年ぶりのよさこい祭り開催について①
9 3年ぶりのよさこい祭り開催について②
10 新型コロナウィルス感染症の4回目のワクチン接種と連休後の感染拡大について
11 牧野富太郎博士生誕160周年と今後の施策の展開について
12 トンガ沖津波の避難検証について

知事定例記者会見冒頭説明資料[PDF:426KB]

(司会)
 ただ今から、知事記者会見を始めさせていただきます。冒頭に知事から新型コロナウイルス感染症の現状等について説明があります。

  (知事)
 それでは、まず私から、新型コロナウイルス感染症の最近の状況、そして、ゴールデンウィークに向けました、県民の皆さんへのメッセージについてご説明させていただければと思います。
 まず、最新の感染状況です。本日、感染者数193人、病床占有率16.3%という数字になっています。全体的な大きな傾向は先週ご説明申し上げましたのと変わっておりません。
 2月半ばの感染者数、あるいはベッド占有率を見ましても、第6波の感染ピークと言えると思いますが、その後、概ね3月の半ば以降は感染者数で平均150人程度の水準が続いております。ここ2日ほどやや増えている傾向 はありますけれども、ベッドの占有率も10%台の後半で、安定的に推移してきていると考えます。
 ここ3週間の感染者数の1週間ごとの数字を見ますと、上下はありますけれども、概ね横ばいの水準で推移しておりまして、下げ止まり、ないしはなかなか第5波までのように、感染者数が下がってこないという意味で  は、高止まりと言っていい状態だと思います。
 こうした状況の中で、今度の連休を迎える形になっております。
 一番重視しておりますベッドの占有率は16.3%、重症の病床は4.2%という水準ですので、警戒レベルという判断は据え置きと考えています。
 直近7日間の感染者数は、先週との比較では若干増となっておりますが、3週間比較で見ますと、大体横ばいという範囲内で推移していると見ております。
 クラスターの発生状況です。
 2週間ごとの発生件数は増加傾向にあると考えます。特に学校、職場関係が増えておりまして、ここ2日ほど200人近い感染者、あるいは200人を超える感染者が続いているのを中身で見ますと、学校であったり、保育園で あったり、クラスターも含む若い方々の感染者が多く出ていることが大きな要因になっていると考えます。その意味で、医療の逼迫に繋がる高齢者の方々の感染が増えている訳ではない点は、一つのポイントであると思って います。
 これらを踏まえ、ゴールデンウィーク期間中のお願いにつきまして、改めてこの機会に申し上げたいと思います。
 特にゴールデンウィークになりますので、県民の皆さまは、外出の機会が増えてくると思います。
 全てに共通ですけれども、いわゆる基本的な感染防止対策、マスク・手洗い・三密回避、あるいは換気の徹底、こういった対策を取っていただいて、ご自身の身体に入る直前のところで、最後の防御をしっかりしていただ くことをお願いしたいということです。
 混雑している所などの感染リスクが高い場所には、できるだけ近寄らないことを心がけていただきたいことを改めてお願いしたいと思います。
 それから、他県との往来につきまして、これも現時点で国は県境を越える移動などについて、昨年、一昨年のように自粛であったり、行動の制限を求めることは特段ないという考え方を表明されております。それが基本だ と考えますけれども、他県に移動する際には、その移動先の各県の知事が出されているメッセージをお調べいただいて、それに沿って行動していただくことを基本としていただきたいと存じます。
 また、旅行あるいは帰省などによりまして、特に高齢の方とお会いになる予定があるケースなど、感染防止の必要性が高い場合には、旅行前にワクチンの3回目の接種を済ませるか、それが難しい場合には、抗原定性検査 などによりまして、陰性であることを確認した上で、旅行に出かけていただくことをお勧めしたいということを申し述べたいと思います。
 会食について、これも特に変わりはありませんけれども、基本的な感染防止対策の実施といったこと。特に、多人数での会食の機会がある場合、感染防止をしたいという必要性も高いことだと思いますから、こういった場 合は、繰り返しになりますが、3回目のワクチンの接種、または検査での陰性確認を経た上で実施していただくことが望ましいと考えております。
 また、旅行あるいは帰省で県外から高知県にお入りになる方々につきましても、このような考え方に留意いただいて、感染防止対策をしっかり取っていただくことをお願いしたいと思います。
 最後に、連休中の無料検査体制の拡充についてお話ししたいと思います。
 県内で、国の財源を使い行っております無料検査につきましては、1点目は飲食、イベントなどの社会経済活動を安心安全で行っていただくためのもの。
 2点目は、感染していないかどうか、無症状だけれども不安だという方の不安解消のために使っていただくというものがございます。
 県内で無料検査が受けられる所として、連休中に臨時で設けるのが、高知県の臨時抗原定性検査センター、これは高知駅付近に連休期間中、臨時で設けることにいたしております。
 この他、既に設けております空港におきます民間の検査機関。そして、高知市中心街のPCR等検査センター。また、県内全域の薬局等で受けられるもの。それぞれの検査体制がございますので、無料の検査で陰性を確認 いただくことが、感染拡大防止と社会経済活動の回復、実施の両立をさせていく意味で、非常にキーになる大事な取り組みだと考えておりますので、県民の皆さんにもぜひ積極的に活用いただいて、安心安全な感染防止対策 を取った上で、社会経済活動を回していただくことにご協力をいただければありがたいと思います。
 私からは以上です。

(司会)
 それでは、幹事社質問をよろしくお願いいたします。

 大型連休中の新型コロナウィルス感染拡大防止について
(大山・高知新聞社記者)
 大型連休の県内の人出をどう見込まれているのかをお聞きした上で、それを踏まえてなのですが、オミクロン株の派生型のBA・2の置き換わりも進んでますし、先ほど知事からもお話があったように、現状でも新規の感 染者が下げ止まりであったり、今週になってから特に増えているような状況にあると思います。
 大型連休中の往来が恐らく拡大する形になると思いますし、その中でさらなる感染再拡大につながるという懸念の声も聞こえます。
 そのことに対する知事の認識であったり、危機感、あと県としての対応策をどのようにお考えになっているのかを教えてください。

(知事)
 まず、連休中の人出の見込みはどうかという点についてです。この点は、政府も今年は3年振りに緊急事態宣言だとか、まん延防止等重点措置によります移動制限、あるいは自粛の要請がない年だと表明されておりますの で、全国的に人出の増が見込まれることは確かだと思っています。
 実際、県内の旅館・ホテルの方々、あるいは県内で関係いたします公共交通機関の方々に見通しなどを伺いましても、コロナ前ほどではないけれども、少なくても昨年、一昨年に比べれば多くの人出、利用客が見込まれる のではないかという見通しを持っておられると思います。
 そうした中で、人の移動が増えることは、人と人の接触の機会が増える。普段ないような接触の機会が増えることですから、感染症の拡大という観点に立ってみれば、感染の再拡大のリスクは、当然のことながら上がって くることは確かだと思っています。
 ただ現状、感染者数に関しては、週によって増減はありますけれども、大きな基調としては横ばいの基調ですし、医療の提供体制を示しますベッドの占有率も10%台後半で安定的に推移していることですから、こういった 状況をベースにしますと、新規の感染者数については、ある程度の増加は、避けられないかもしれないことは十分に認識、覚悟はしながら、そのことだけに右往左往することではなくて、医療提供体制の逼迫につながってい ないかどうか。ここのところをよく注目し、医療の逼迫につながらないところを防衛線、生命線として対策を講じていくという考え方に立って、支障を生じない範囲であれば、社会経済活動をできる限り回していくスタンス で臨むという認識で対応してまいりたいと考えています。
 ただ、そうした中で、新規の感染者数が再拡大しないに越したことはない訳ですから、ポイントになりますのが、やはり3回目のワクチン接種、これがまだの方はできる限り急いで受けていただきたいと考えますし、移動 等に伴う中で、特に感染防止という必要性が高い場合には、3回目のワクチン接種が済んでおれば、これはこれで一つ安心の要素ですが、まだワクチンの接種がお済みでない方は、抗原検査などによります陰性の確認をした 上で、会食であったり旅行であったり、お出かけいただくことに意を用いていただくことが一番のポイントではないかと考えます。
 そのため、高知駅前に臨時で設けます無料検査の拠点などについても、ぜひ活用をお願いしたいということは、県民の皆さまに呼びかけたいと思います。
 そして、県民の皆さまへの呼びかけといたしまして、基本的な感染防止対策の徹底をお願いすること。そして、県境を越えて移動される場合には、移動先の知事が出されている要請を事前に確認した上で、その要請に沿っ た行動をお願いしたいということを改めて申し上げたいと思います。

 高知県人口が68万人を割り込んだことについて
(中川・高知さんさんテレビ記者)
 県の推計で今月1日時点での県の人口が68万人を割りました。そのことについて知事の受け止めと、今後の政策の展望などを教えてください。

(知事)
 今回、高知県の推計人口が68万人の大台を割り込んだことは、大変残念な結果だと考えています。
 ただ、この問題について、かねてから申し上げておりますように、近年の高知県内の人口減少の大きな要因は、自然減です。
 これは、人口の年齢構成に伴うものでして、高齢者の方々が若い方々に比べて、圧倒的に多いことが背景にございます。結果、亡くなられる方が新たに生まれる方よりも多いことで生じてくる自然減と言われる人口減少、 ここの部分はある程度、不可避な部分がございますので、今後も基調として、人口の自然減が続いていくことは避けがたいというのが、正直な見通しです。
 ただ、できるだけこの自然減も含めまして、人口の減少幅は少なくしたいという思いは、かねてより持っているところで、この自然減が避けられないにしても幅を縮小してくということ。それと、もう一つの人口減少の要 素としては、社会減がございます。社会増減は、就職ですとか進学に伴いまして、県外との出入りをされる人口の増減になりますが、これも現状、年間2000人弱程度の社会減という数字が続いている状況ですから、この社会 増減については、何とかできるだけ近い将来に、これを均衡させる。プラスマイナス0にしたいという数値目標を掲げて取り組んでいるところです。
 自然減の問題につきましては、いわゆる少子化対策ということですから、県民の皆さんが出会い、結婚されること。そして、妊娠・出産されること。そして、子育ての段階に至る。こういった人生のそれぞれのライフステ ージにおいて、まず結婚しよう、子どもを持とう、そして、子育てをしようというところに若い世代の県民の皆さんが意欲を持って前向きに取り組んでいけるような少子化対策を進めていくことだと思います。
 特に、子育ての支援サービスの充実をしていくことがございますし、県庁でも取り組んでおりますけれども、男性職員の育児休業を取りやすくして、しっかりと配偶者をサポートしていただくような子育て環境の充実に取り組む。
 こういった面も含めて、自然減をできるだけ少なくしていくことにしたいと思いますし、ある意味、そういった子育て環境の改善は、社会増減の改善という点でも、プラスの側面はあり得るのではないかと思っております。
 一方、社会減に関して言いますと、これは何で社会増減が社会減になっているかということを考えました時に、やはり高知に若者に魅力のある仕事が少ないことが、根本にあると思っておりますので、各産業分野のデジタ ル化を進めていくことで、高付加価値の、いわば稼げる仕事、高い給料が払える仕事を増やしていく努力ですとか、具体的にはアニメ産業、あるいはIT・コンテンツ産業といった若者、特に女性の方々が魅力を感じて仕事 に就いていただける産業を創出する、育てていくことによって、若者が県外に流出していくことを防いでいく。あるいは、いわゆるU・Iターンを促していくことが必要だしポイントだと思っています。
 こういったことと相まって、移住促進の取り組みをしっかり進めていくことも大事だと考えておりますから、今年度は特に移住者の方々の住宅確保に対して、対策を抜本的に強化したいと考えておりますので、移住者の方 を呼び込む対策をさらに強化していきたいと考えております。

(司会)
 それでは、各社からの質疑に移ります。質問される方は、社名とお名前の発表をしていただいてから質問をお願いいたします。

 高齢者施設の医療体制構築について
(田中・NHK記者)
 コロナの次の感染拡大への備えについてお伺いします。
 高齢者施設でのクラスターが相次いだと思うのですけれども、国でも、各県の施策であったり、実態調査の取りまとめをされていたりするかと思います。
 高齢者施設での医療体制を今後どのように構築していくか伺えますか。

(知事)
 この点につきましては、今回の第6波の感染の中でも大きな反省点の一つだと考えています。特に2月中旬ごろの感染のピーク時、感染者数が1日に300人を超える日もあることがございましたが、その中でも特にポイント になるのが高齢者の方の比率も非常に高まって、このことが医療の提供体制の負荷を直接高めたということもございます。
 また、そこに至る前にも、特に高齢者施設でクラスターが続発して、非常に対策に苦慮をされたことがございます。
 この経験を踏まえまして、今後の第7波に向けての対策として、2つの大きなポイントを県としては考えております。
 1つは、高齢者施設の感染症に対します対応力を向上していくことです。
 より具体的には、患者の発生時に備えまして、事前準備を徹底しておくことだと考えております。第6波の2月半ばの時は、とにかく感染力が強いオミクロン株でして、高齢者施設の中で感染者が確認されると、あっとい う間に感染が拡大してしまう状況があちこちの施設で見られました。
 これに対しては、ある程度たった時点から県内の医療施設に勤務されております看護師さんの中で、特に感染防止の管理にお詳しい、資格を持っておられる看護師さん方を派遣して、動線を制限するといった対策を急ぎ取 った訳ですが、残念ながら、時既に遅しのタイミングになってしまった施設も少なからずあったということですから、現在、県内で感染防止の管理に大変詳しい専門家の方々をあらかじめピックアップして、高齢者施設で感 染の兆候があった時には、直ちにそういった方々に施設に入っていただいて、感染防止対策の強化の指導をしていただける体制を整えているのが1つの対策です。
 また、各施設におきます従事者の方々に対しまして、基礎的な知識についての研修なども行って、体制を整えているところです。
 もう1点は、医療の支援体制も強化していく点から考えまして、感染が発生した場合に、早期にその施設内で薬物治療が実施できる体制を整備していこうということです。
 このためには、当然、お医者さん、そして薬剤、機材の整備が必要になってまいりますので、具体的には、入院に協力いただけております医療機関のご協力もいただきながら、事前に、高齢者施設の感染事例が発生した場 合に、そういった施設に出向いて薬物治療などをしていただける体制を、相談をして整えていくことが大事だと考えております。
 そういった体制を整えた上で、いざという時には必要な人員、あるいは機材を高齢者施設に派遣して、直ちに治療にあたることができる体制を、現在、保健所単位で整えているところです。

 五台山展望施設の閉鎖について①
(中田・高知民報記者)
   五台山の展望施設についてお聞きします。県議会で土木部からは、展望施設を使って「おもてなし」をしたいという方針が説明されていましたが、一転閉鎖という話になりましたけれども、それは、知事が何か判断された のか、また、そういう話は事前に知っていたのか。
 なぜ、高知県庁らしからぬ、二重基準と言いますか、倒壊の危険の高い建物で「おもてなし」をしますという話が出てきたのか。その背景をお伺いします。

  (知事)
 五台山の展望施設の問題に関しましては、元々、老朽化に伴いまして、耐震性の不足の問題が指摘されておりまして、これは平成27年度に耐震性の問題は明らかになったということです。
 また、当時、いわゆる幕末維新博の開催の予定などもある中で、できるだけ活用できる展望施設は活用していこうという考え方の前提としては、耐震性に問題なしとはしないものの、建物の中に比べれば屋上を使う展望で あれば、リスクの問題では、天井が崩れてくることは、無い訳ですから、比較の問題ですけれども、リスクは相対的に小さいという判断もあって、観光客のご要望にも応えていけるのではないかということで活用してきたと ころです。
 ただ、今回そうしたものを前提に、引き続き、来年春の「らんまん」の時期にも、ある意味その延長線で、ただし、階段は外付けにして、いざという時の避難ルートは設ける形での対策は、一定講じることで活用したいと いう考え方、プランをまとめまして、県議会でご説明を申し上げたところ、耐震性の問題は本当に大丈夫なのかと。今回は今までと比べものにならないぐらい、多くのお客様を県内外から迎えるという中で、知床の観光船の 問題ではありませんけれども、安心安全は、非常に大事な要素ではないか。そこはもう一度立ち止まって、万全の対策と言えるのかということは考えて対応すべしと強いご指摘をいただいたことが今回の判断の経緯、ベース にあるということです。
 私どもなりに改めて検討した結果、やはり、現在の施設の耐震の指標が0.23というかなり低い水準であるということ。このこと自身は、私自身も今回ご指摘があって、初めて知ったことです。
 また、ご趣旨として、特に今から多くの観光客を迎える時に、これで大丈夫なのかというご指摘は、重く受け止めなければいけないという考えを新たにいたしまして、やはり、来園者の皆さまの安全確保は最優先、第一だ という観点に立って、活用ということを前提にするのは考え直そうと。
 であるのならば、タイミングとしては、できるだけ早いタイミングで、今の施設を使用停止にすることからすると、この連休もかなり人出が見込める訳ですから、連休に入る前に停止して、安全優先で対応していく。ま た、五台山の上ですので、眺望を楽しむ施設をできる限り早い時点で、ある程度、簡便なものにならざるを得ないと思いますが、整備をしていくということと、現施設も50年ぐらいたって非常に古くなっているものですか ら、元々解体は視野に入れて、今年度の予算で、必要な予算は確保していたところですから、これも速やかに行って、施設自身のリニューアルもできるだけ早く取り組んでいこうという判断をしたところです。

 五台山展望施設の閉鎖について②
(中田・高知民報記者)
 当初は知事も含めてオーケーしていたのだけれども、耐震の指標0.23という数字を聞いて、議会の批判もあるし、知床の問題もあるから、知事が判断を変えられたということですか。

  (知事)
 私自身も、これはプライベートで「らんまん」の放映が決定してから現地へ行ってみました。確かに老朽化は進んでいるという印象は持ちましたけれども、展望台として使えなくはないという判断でやってきたと。
 数年間、利用したいという方には自由に入っていただいていた訳ですから、そのことはそのこととして、一定理由があってやってきたものだと思いますけれども、改めて、県民の代表である県議会の皆さまから、いわば、 総意として、この耐震性は大丈夫かと。仮にやるとすれば、耐震性の問題について万全を期して対応すべしというご指摘をいただいた中で、数字的な詳細もチェックして、耐震度の低さの状況、また、耐震性を確保するに は、相当な予算も必要だということも考えた場合に、安全第一を最優先とした場合のベストの策は何かと考えた時に、今回のような判断をしたとご理解ください。

 地域医療構想について①
(中田・高知民報記者)
 公的、公立病院の統廃合の病院の地域医療構想の件ですが、先日、総務省から公的、公立病院については、統廃合前提にしてはいけないという通達か方針が出て、高知県も当然、今までの議論とはニュアンスが変わってく るのではないかと思います。
 総務省の範疇ではない公的病院、例えば、農協病院も含まれますが、再編や病床を減らす議論は前提にしないで、一回、リセットするというお考えでしょうか。

  (知事)
 総務省が新しい公立病院改革のガイドラインを経営強化というところにポイントをおく形で策定されて示されるという報道には接しました。
 そうした中で、ある意味これは象徴的な言い方だと思いますが、統廃合というよりは、役割分担と連携に基準を置いた方向が出されていくことは、承知しております。
 また、医療構想の問題ですから、厚生労働省からも、遠からずこのコロナの問題への対応を含めて、いわゆる感染症対応も含めたところで、今後の地域医療構想の進め方についての方向性、考え方が提示されると思ってお りますから、具体的にはそれも確認した上で、進めたいと思っています。
 1つ確かに言えますことは、医療構想で狙ってきた大きな枠組み、医療に関しますニーズが変化してきている。急性期よりは、慢性期だったり回復期だったりといったところの医療需用が現実には増えてきている訳ですか ら、それをやった形でベッドのあり方も変えていかなければいけないと。このことの大きな流れは変わらないと思っています。
 一方で、コロナの対応も考えました時に、一定程度の急性期の病床を持っておかないと、コロナの感染症対応の病床を確保して、対応に当たっていくことが現実に著しく困難であろうと、これは療養病床では難しいことも 確かですから、そういう新たな要素、要因も加味したうえで、地域医療構想の具体的な進め方は、見直しをする必要はあるということは、私自身も痛感しておりまして、この点については、厚生労働省の方針も確認した上 で、具体的な作業をしていきたいと思っております。

 地域医療構想について②
(中田・高知民報記者)
 今回、名指しにされてる5病院も、コロナでは、非常に大きな役割を発揮して、それがなかったら、とても回らなかったというご認識ですか。

(知事)
 コロナの要因を全く加味しないで、単純に療養病床と急性期の病床の数だけで判断するということでは、いざ大きな感染症が出た場合に医療が立ち行かなることは認識を新たにしているということです。

 3年ぶりのよさこい祭り開催について①
(伊藤・NHK記者)
 よさこい祭りが3年ぶりに開催の方向ということが漏れ伝わってきているのですけれども、これについて、知事の受け止めと期待感をお聞かせください。

(知事)
 よさこいに関して大きな方向性として、かなり通常開催に近い方式で開催の準備を進められているという報道は承知しておりますし、報道の中身について、いちいち確認してる訳ではありませんけれども、通常開催に近いやり方でやっていこうという考え方で進めていただいてることは、歓迎すべきことだと考えております。
 具体的な方針は、今日、恐らく主催者であります、よさこい祭振興会の合同部会で方針を固めて、連休明けに総会で決定する運びで議論が進んでいると承知しておりますので、私としては、通常開催にできるだけ近い形で ご努力いただいていることに敬意を表した上で、そういった方向で決定がされることが望ましいと考えておりますし、県としましても、開催に向け、関係者の皆さんと引き続き連携を図り、しっかりと支援していくというス タンスで対応してまいりたいと考えています。

 3年ぶりのよさこい祭り開催について②
(林・高知放送記者)
 県外から人を呼び込める有数のコンテンツである、よさこい祭りが追手筋での開催も含めた形で開催できることについて、観光振興の点から改めて、どのように感じていらっしゃるのでしょうか。

(知事)
 観光振興や経済の活性化という面で見れば、通常開催がベストと言えばベストだとは思いますけれども、現実にはまだまだコロナの収束が見据えられない状況で、ご検討いただかなければいけないこともありますし、いろ いろお聞きしますと市の中心部はともかく、周辺部の小規模な商店街の演舞会場では、体制的に、あるいは恐らく資金面も含めても厳しいというお声は私の耳にも入ってきておりましたから、そういった状況を総合的に判断 された中で、やはりメインになります追手筋、プラスその周辺のコアの部分は確保した上での開催、できるだけ通常開催に近いような開催を今、模索されていることではないかと考えています。
 その意味で、追手筋でありましたり、帯屋町でありましたり、市の中心部でよさこいが行われることが、まさしく、よさこい祭りの象徴として全国の皆さんに認知されてきた部分だと思いますから、そういった部分をコア にして開催していこうということで、議論していただいてることは、大変ありがたいと考えています。

 新型コロナウィルス感染症の4回目のワクチン接種と連休後の感染拡大について
(大野・高知新聞)
 ワクチンの4回目接種についてです。昨日の専門部会で4回目の接種の方針が了承されました。高知県も体制を整えていかなければならないところですけれども、現時点で、課題や体制整備に向けた方針があればお伺いしたいのが1点です。
 もう1点がゴールデンウイークの人出に関して、再拡大のリスクがあるのは確かということですけども、これは不幸にして、そのゴールデンウィーク後に、今は下げ止まりですけども、再び感染者が拡大基調になった時 に、医療の逼迫でいえば、第6波の最盛期のような逼迫度合いにはならないと見通しておっしゃってるのか、ニュアンスを確認させてください。

(知事)
 4回目接種については、厚生労働省が説明会を開催しているということですから、詳細はその中身を待ってということだと思いますが、地方の立場から言いますと、3回目の接種の際、前倒しの範囲と期間が、何度か方針 が転じて、その都度いろんな準備がやり直しになるということで、事務的な混乱もあったことですから、行き違いがないように、できるだけ早期に確定的な方針を国がしっかり示してもらうことが、まず大事なことでないかと思います。
 ただ今回の第4回目の接種方針に関しては、外国のいろんな知見が必ずしも固まりきってないと思いますから、現時点での最大公約数的な判断として、60歳以上に努力義務、その他、基礎疾患については恐らく自己申告ベ ースになるのだと思いますが、基礎疾患をお持ちの方々への接種の仕方も具体的な進め方が大きな課題の一つと思っています。
 そうしたものも含めまして、厚生労働省の説明会の結果も踏まえて、準備を進めたいと思っています。
 それから連休後の感染拡大についてですが、これはもちろん可能性としては、人の接触がかなり大きく増えることですから、想定としては再拡大の可能性ももちろん否定できませんが、医療の逼迫というところまで視野に 入れた場合は、現在、高齢者の方へのワクチン接種も相当進んで、県内のベット占有率も、かなり安定的な数字で推移していることから、いきなりここが急に逼迫に転じるという蓋然性はそれほど高くないのではないかとい う見通しは持っています。
 これはただ、もちろん予断をもって断ずることは避けるべきだと思いますから、状況を注視して、必要があれば必要な対応にかじを切りたいと思っております。

牧野富太郎博士生誕160周年と今後の施策の展開について
(栗原・時事通信社記者)
 先ごろ牧野富太郎博士が生誕160周年でした。改めてこの受け止めについてと、1年後に連続テレビ小説が始まりますけれども、この1年どう施策を展開されるのか教えてください。

(知事)
 牧野博士が今年、生誕160周年ということですし、来年、NHKの連続ドラマ「らんまん」が放映されることですから、この機会を通じてできるだけ、県内もそうですが、県外の方々に高知の自然の魅力を楽しんでいただく ための絶好の機会だと考えております。
 そうした自然体験型観光をメインとした県内観光のいわば起爆剤として、今回の連続ドラマの放映が機能するように県内の市町村、経済界の方々と一緒になりまして、オール高知の体制で取り組んでいきたいと考えております。

トンガ沖津波の避難検証について
(髙野・共同通信社記者)
 今年1月のトンガ沖の津波の避難の検証に関してお伺いしたいのですが。
 消防庁の調査で、津波の注意報が出た自治体のうち8割が避難指示を出さなかったことが分かりました。中には、あらかじめ設定されていた基準を満たしていたにも関わらず、避難指示を出していなかった。これは、高知 県内に該当する自治体があるかどうかは、明らかになっていないのですが、これを受けて、3月に国から適切な避難指示の発令を要請する通知があったと思います。
 県はどのようにこれを受け止めて、どのように指導していくのかを教えてください。

(知事)
 これは夜間だったということも恐らくあって、夜間の避難ということのリスクも判断の要素に入れられて、避難指示を出さなかった市町村もあったということだと思いますけれども、一般的には、気象台からの注意報、警 報レベルに合わせて、どの段階で避難指示を出すのかというのは、あらかじめ各自治体で地域防災計画なり、マニュアル的なもので定めているのが基本だと思いますから、それに沿った避難の指示が行われるべきだというの  が基本だと考えています。
 個別の事案に関して、どういう事情があって判断されていたのかという点に関しては、改めて、これは国からの助言なども踏まえて、県内の状況を把握した上で、必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

お問い合わせ

総合企画部 広報広聴課
TEL:088-823-9046
FAX:088-872-5494

PDFの閲覧にはAdobe社の無償のソフトウェア「Adobe Acrobat Reader」が必要です。下記のAdobe Acrobat Readerダウンロードページから入手してください。

Adobe Acrobat Readerダウンロード
Topへ