令和4年11月17日 知事の記者会見

公開日 2022年11月22日

1   外国人観光客の来県状況について
2   新型コロナ対策について
3   新型コロナの県内の感染状況について
4   新型コロナ第8波への対策について①
5   国に対する新型コロナ対策の提言について①
6   国に対する新型コロナ対策の提言について②
7   寺田総務相の選挙費用問題について
8   健康保険証の廃止方針について①
9   健康保険証の廃止方針について②
10   森林環境税について①
11   森林環境税について②
12   森林環境税について③
13   森林環境税について④
14   新型コロナ第8波への対策について②
15   公立学校の教職員の不祥事ついて
16   2期目への出馬について
17   新型コロナ第8波への対策について③
18   新型コロナ第8波への対策について④
 

(司会)
  ただ今から、知事記者会見を始めさせていただきます。まず、幹事社から質問をお願いいたします。

外国人観光客の来県状況について
(小宅・毎日新聞記者)
 外国人旅行客についてお尋ねします。先月、外国人観光客の訪日条件が大幅に緩和され1カ月が経過しました。
 観光立県を掲げる高知県にとっても、追い風になり得る要素だと思います。
 現状での外国人の来県状況はいかがでしょうか。また、今後に向けた課題や県として必要とする施策などについて考えを教えてください。

(知事)
 これまで本県におきましては、水際対策の緩和も見据え、今年度の早い時期から、例えば台湾、香港、韓国、シンガポールといった諸外国の旅行会社に対しセールス活動を行ってまいりました。
 また、その際には、大阪観光局とともに作成した「本県への周遊モデルルート」を提案させていただくことにより、関西と高知の連携による強化戦略に基づく取り組みも行ってきたところです。
 こうした取り組みなどによりまして、10月には、関西国際空港経由で約150人のシンガポールからの本県へのツアーが開催されました。
 また、香港、韓国、アメリカ、オーストラリア、タイといった国からも、それぞれ十数人といった規模ですけれど、順次ツアーが催行されることなどにより、本県にも徐々に外国人観光客が訪れはじめていると受け止めております。
 一方で、日本発着の国際線の回復状況をコロナ前と比較しますと、羽田、成田といった首都圏の主要空港でも半分程度。そして、関西国際空港におきましては、4分の1程度の回復にとどまっているということでして、まだ回復途上にあるのが外国人観光客の全体の状況だと思っております。
 そして、今後のインバウンド需要の回復の動きを取り逃がさないように当面の国際線の回復状況も見ながら、まずは現地の旅行会社へのセールスを加速していきたいと思っております。
 私自身も先月末に韓国にまいりました際に、旅行会社へのトップセールスを行ってきたところです。
 さらに申し上げますと、大阪・関西万博も見据えまして大阪観光局あるいは関西エアポートとの連携を強化し、本県へのインバウンド需要を増加させていくことも必要だと考えておりますので、中長期的には、例えば関西国際空港と高知龍馬空港との路線の復活といった課題への取り組みも含めて進めていく必要があると考えております。

 新型コロナ対策について
(林・高知放送記者)
 私からは、政府のコロナ対策についてお伺いします。
 先ほど行われた新型コロナ対策本部会議で示された対応の目安の変更にもつながることになったことですが、政府は(11月)11日に新型コロナ分科会を開いて2段階の対応強化策を決めました。
 都道府県が外出自粛を要請する対策強化宣言と、それでも医療が逼迫する場合に発令される医療非常事態宣言で、出勤の大幅抑制及び帰省・旅行の自粛も求めることが可能となります。
 これについての知事の見解をお願いします。

(知事)
 政府は、今後の第8波におきましても、オミクロン株の特性を前提にする限りは、法律に定めます「まん延防止等重点措置」ですとか「緊急事態宣言によります行動制限」といった法律に基づく強い措置は行わないのが基本的な方針だと理解しております。
 そのために、できる限り社会経済活動を維持しながら、医療の危機的な状況を回避するための枠組みとして、対策強化宣言ですとか、医療非常事態の宣言といった仕組みを新たに政府の分科会で取りまとめたと理解しております。
 感染拡大で医療が機能不全になりますと、通常の診療などに大きな制限が掛かりますし、そうなりますと、県民の皆さんの生命、健康を守ることが難しくなることも考えられますので、外出自粛あるいは、帰省・旅行の自粛の要請を行うことについては、一定程度やむを得ないものだと考えてはおります。
 こういった政府の分科会の取りまとめを踏まえまして、本日、県としての対応の目安の見直しを行ったところです。
 今後の第8波に向けましては、医療が危機的な状況に陥りませんように先手先手で対策を講じていくということですし、感染拡大期になりまして、対策強化宣言、あるいは医療非常事態宣言といった、外出等の自粛の要請をせざるを得ない局面になりましても、知事会議でも提言で申し上げましたが、昨年のこの時期、政府によって提案されていたワクチン検査パッケージですね、ワクチンを例えば3回接種していれば、外出自粛の対象にはならないとか、あるいは検査で陰性が確認できれば旅行もいいですと。
 こういったワクチン接種や検査を通じて、社会経済活動との両立を可能にしていく枠組みが非常に大事になってくると思います。
 そうした枠組みの頭の整理については、政府に改めてお願いしたいと思いますし、その財政措置も含めて、県としてもそういった手立てを使っていくことで、社会経済活動との両立を担保していくことがポイントではないかと考えているところです。

(司会)
 それでは各社からの質疑に移ります。
 社名とお名前の発言をしていただいてから質問をお願いいたします。

 新型コロナの県内の感染状況について
(井上・高知新聞社記者)
 コロナの現状ですけれども、今、知事のご認識として、高知県は第8波に入っているのか、または、入り口という認識なのでしょうか。

(知事)
 これは先ほどの本部会議でも申し上げましたけれども、第8波の入り口に差し掛かっている状況だと思います。
 全国的な状況を見ますと、第8波入りがある意味、時間の問題という感じも正直いたします。
 週明けに相当感染者が増えまして、これはもう第8波かなと思ったこともありますが、ここ2、3日は何とか踏みとどまっている部分もありますので、総括すれば、第8波の入り口に差し掛かっているという表現が今のところは正しいと思っております。

 新型コロナ第8波への対策について①
(井上・高知新聞社記者)
 今後、本格的に第8波入りすることへの備えについてです。
 高知県内の第7波の反省点だったり総括から見えてきたりした課題、それに対応すべき第8波への対策として、力を入れていくところはどういったところですか。

(知事)
 大きく言って2点だと思います。
 本日の本部会議でも改めて確認し指示しましたけれども、一つは医療・検査の体制の確保です。
 第7波の時は発熱外来が非常に逼迫して、救急も相当負担が増えたことがありますから、できるだけ医療機関に負担をかけないために、特に若い方々、重症化リスクの高くない方々がセルフ検査で陽性の判定をし、自宅療養を基本に対応していただくことに必要なオンラインの診療センターを設置し、21日から運用をスタートするように本日取り決めましたし、そういった形で医療の負荷を少なくしていくということ。
 もう一つは、特に第7波では、高齢者施設、あるいは高齢者の方々が入られる医療機関でのクラスターが多発したことがございますので、ここを何とか防いでいきたいということで、これは先手を打っていく意味で、特にこうした高齢者施設などの従事者の方々について、週2、3回の頻度で検査を行っていく。外からウイルスを持ち込まないことをやっていこうということですとか、万が一、発生した場合に、その高齢者施設がしっかりと医療機関のサポートを受けられる連携体制を予め整えておくと。
 これがまだ出来ていない高齢者施設なども半分余りあると報告を受けておりますので、こういう所は、高知市などとも協力してサポート体制を構築していくのがポイントだ思っています。

 国に対する新型コロナ対策の提言について①
(古谷・読売新聞社記者)
 先ほどの知事会議のご発言についてお伺いします。
 大きな柱は、ワクチン接種の推進と医療非常事態宣言が出る中での社会経済活動の両立というお話だったと思うのですが、一番、提言として訴えたかったことをご説明いただけたらと思います。

(知事)
 一つは、ワクチンチームリーダとしての発言です。
 これは、兼ねてからの懸案ですけれども、なかなか回数を重ねるにつれてワクチンの接種率が上がらない部分がございますので、これに関してはワクチンの有効性だったり、安全性であったりといったところを国がしっかりと情報発信していただくことが必要だと。
 特に新しい変異株に対応したワクチンが導入されたり、あるいは、小児や幼児についての接種も努力義務になったりといった新しい動きがありますが、いずれにしても、接種される方、あるいは保護者に接種の意義をしっかりとPRすることが大事だと考えます。
 この点を国において、しっかりと手当してもらいたいことをポイントとして申し上げました。
 そして、高知県としての発言としては、3点申し上げました。
 1つは、インフルエンザとの同時流行がありますから、その対策として、コロナの検査キットは薬局でも、皆さんが容易に手に入る状況になってきているようですが、インフルエンザの検査キットは、そこまでいっていないということですから、その辺の体制整備をしっかりやってもらいたいということ。
 2点目は、経済問題です。
 中小企業向けの制度融資、いわゆるコロナの無利子融資ですね、これの借り換えが今回、国において手当されました。これは非常にありがたいことでして、県の制度融資から乗り換える場合もオーケーということです。
 その際に県として、新たに負担になる保証料の一部を支援したいと考えています。
 これについての財政支援を国においてしっかりお願いしたいと申し上げました。
 3点目が、今回の分科会報告で、特に医療の非常事態宣言になりますと、外出ですとか旅行・帰省の自粛を求める対策が想定されています。
 社会経済活動との両立という点から考えますと、特にワクチンの接種済みであれば、自粛要請の対象にはならないとか、検査で陰性が確認されれば、旅行してもいいですよといった形で対策の対象から外していくと。
 去年は今頃、こういう枠組みのことを「ワクチン検査パッケージ」と称して、国も大々的に打ち出していたのですが、その後、ちょっと尻すぼみのような形になっている感がありますので、ここをしっかり政府としても整理して、改めてPRしていただくことと、無料検査などを行うことに関しての財政的な裏付けを政府でしっかりと考えてもらいたいと申し上げた次第です。

 国に対する新型コロナ対策の提言について②
(古谷・読売新聞社記者)
 医療非常事態宣言が出ることによって、過度に社会経済活動が制限されることに対しての懸念を抱いていらっしゃるということですか。

(知事)
 もう少し正確に言いますと、政府は第6波の途中ぐらいから行動制限はしないと言われる中で、今回の分科会報告では、非常に厳しい時には、医療非常事態という新しい枠組みを取ることと、その時点で旅行や帰省の自粛も求めることを対策の選択肢として出されました。
 行動制限はしない、自粛の要請だと言いながら、やはり一定の行動を制約する中身になってまいります。
 その際には、検査で陰性の方は旅行や帰省をしても大丈夫という形で経済活動との両立のための環境を整備しないと、一律に自粛ということになってしまい、社会経済活動が損なわれるのではないかという問題意識を持っていまして、そういった観点から提言をさせていただきました。

 寺田総務相の政治資金問題について
(栗原・時事通信社記者)
 寺田総務相が今追求されている政治資金問題の件についてお伺いします。
 岸田内閣の今の補正予算の審議が遅れていると言われています。
 それに伴って地方行政を所管する総務相の足元が揺らいでいることについて、どのように思われているのか、また、要望されることはありますか。

(知事)
 寺田総務相の関係の政治団体について、政治資金の処理に関して週刊誌なども含めて疑問が提起されて、国会で質疑がされていることは承知しております。
 中身について、私は当事者ではないのであまり立ち入って是非を申し上げる立場にはないと思います。
 ただ、ご質問がありましたので敢えて申し上げますと、総務相は政治資金に関する法制度を所管している大臣でもありますから、通常の政治家以上に政治資金の処理に関しては適正処理を行って、いわば他の模範となる形での行動が期待されている立場だと思います。
 そういう立場でもございますので、いろいろとご自身の政治団体の政治資金の取り扱いについて疑問が指摘されるのあれば、しっかりとご説明いただいて、疑問を払拭していただくことを期待したいと存じます。

 健康保険証の廃止方針について①
(中田・高知民報記者)
 健康保険証についてです。
 マイナンバーカードの普及にともなって、来年、廃止されるという話について、知事の受け止めはいかがですか。

(知事)
 大きな方向性としては、マイナンバーカードが導入された動機は、社会保障そして税の事務のデジタル化を進めていくことでした。
 国民の皆さんにとって最も身近な社会保障というと健康保険だと思いますので、そういう分野にマイナンバーカードを活用していこうという方向性そのものは理解はできるし、そういう方向に進んでいくのは、いわば当然だと思います。
 ただ、マイナンバーカード導入時の議論の経過からしまして、あくまでこれは義務性はなくて、申請によってマイナンバーカードを交付する制度とされたということ。
 健康保険証などについて、マイナンバーカードの交付を希望されない方の扱いをどうするのかと。いわば強制ではなくて、あくまで申請に基づいて交付する制度として設計するという議論が行われたことがありますから、そういったところの配慮はもちろん必要だと思います。
 今回、河野デジタル相が年限を区切った形で、健康保険証の廃止まで踏み込んで、いわばマイナンバーカードに1本化という方向性を出されたことは、やはり今年度末にほとんどの国民がマイナンバーカードを保有するという政府の目標に向けて取り組みを加速したいという意図でされた面があると思います。
 ただ、その中でマイナンバーカードの交付を希望されない方々への配慮の問題や、あるいは紛失した際のセキュリティの問題などいろいろな疑問が国民の皆さんから提示されているのは確かだと思いますので、そういった問題に対して丁寧に説明し、また対策を取っていくことが求められると思っています。

 健康保険証の廃止方針について②
(中田・高知民報記者)
 今のお話ですと、やっぱり強制はいけない、あくまで任意でということをおっしゃられたということですね。

  (知事)
 今のマイナンバーカードの制度について、そういう強制的な、強制的という言葉の意味はいろいろありますが、要は交付を求めない場合にペナルティ的なことをしない意味だと思います。
 そういう強制ではなく申請に基づいて、任意の制度として導入されたという経緯は無視してはいけないと、大事にしなければいけないと思います。
 もちろん、立法論として考えれば、かなりの程度マイナンバーカードが普及してきた状況になれば、行政の効率化という点から、私は、何らかの意味で今より強制色が強い、義務色が強い形に再設計することは議論としてはあり得ると思いますが、今のマイナンバーカードについての経緯を無視してはいけないと思っております。

 森林環境税について①
(大山・高知新聞社記者)
 森林環境税のことについてお伺いします。
 先日の運営委員会で県民世論調査の結果が出されていたかと思います。その結果についてですが、9割が賛成である一方、7割は、税の使途を知らなかったという答えだったと思います。
 その世論調査の受け止めについてはどう評価されていますか。

  (知事)
 もう少し詳細な分析が必要かもしれませんけれども、私自身の第一印象的な感想として申し上げますと、県民の皆さまには、一定の負担をしてでも高知県の森林環境を守っていきたいという大きな方向性での意図と言いますか、コンセンサスと言いますか、そういうことは形成されているし、今までの高知県の独自課税としての森林環境税の実績は、一定の評価をいただいていると思います。
 ただ、具体的な中味となりますと、今回、国でも新たに森林環境の譲与税という制度もできて、かなり趣旨、目的が類似してるのではないかという議論もあるということも影響していると思います。
 そういったところとのすみわけ、区分の問題などに関して、細部も含めてですけれども、現行制度の理解が十分に進んでいるかというと、必ずしもそこまではいっていないところが数字に表れているのではないかと受け止めております。

 森林環境税について②
(大山・高知新聞社記者)
 7割が税の使途を知らないということですけれど、そもそも森林環境税の趣旨は、県民に広く森林に対して関心を持ってもらって積極的に関わってもらおうということだったと思います。
 その目的を鑑みたときに、十分に目的を果たせている状況でしょうか。

  (知事)
 税の制度の中味の詳細について必ずしもよく分かっていますとお答えをいただける比率があまり多くなかった、7割の方が細部についてはよく分かっておられないことだと思います。
 大筋として通常の税負担に比べて一定の負担を県独自でして、県独自の森林環境保全のための対策を取っていくことに関しては、理解できるということだと思います。
 具体的な税の仕組、特に使途だと思いますけれども、使途の中味、国の森林環境譲与税の制度との違いなどについて、我々の方でしっかりとPRしていくことは課題として認識しております。

 森林環境税について③
(大山・高知新聞社記者)
 もう一点、国の森林環境譲与税との兼ね合いです。
 県の運営委員会の中でも、例えば、委員長からグリーンLPガスに使うのはどうかという指摘もあったと思います。
 そのことについての受け止めと、今後の用途について、どう県民に具体的に説明したり、理解を得たりしていくお考えでしょうか。

  (知事)
 この点は、正直、国の森林環境譲与税もある意味、ちょっと宗旨変えをされたところがあるというのが私の受け止めです。
 元々は、所有者が不明であったり、所有者が手を入れる意思がない森林を市町村で引き受けて管理していくための財源が国の森林環境譲与税の枠組みだったと考えます。
 その枠組みの下で、特に大都市部の自治体が、それでは使い道がなかなか見いだせないということで、その財政資金を使うのでなくて、基金に積み立てておくところが続出したことが背景で、「森林環境譲与税の使途はもっと広げていいです」と、「間伐とか森林のハード整備一般に広げて何ら問題はない」と見解がある意味変わったと。国の譲与税の使途が広がったところが、正直、県の森林環境税の議論に関しても影響を及ぼしているのが事実です。
 その点は、新しい国の整理に沿って、県も森林環境譲与税を受けるわけですが、これは市町村のいろいろな支援に徹しようと。また、更新をお願いする県の森林環境税については、特に環境教育ですとか、機運醸成といった市町村の区域を超えた広域的なソフト面の施策に特化していこうという議論を検討会の中でもしていただいて、その方向についてはコンセンサスをいただいたと思います。
 その過程の中でいろいろなご意見があったのは事実だと思いますけれども、コンセンサスいただいた大きな方向の中で、我々もその中味のPRをしっかりしていきたいと思っております。

 森林環境税について④
(大山・高知新聞社記者)
 議会答弁もされていましたけれども、知事としては県独自の環境譲与税は必要だというご認識ですか。

  (知事)
 これを延長していくことは必要だという立場に立って、必要な条例議案などを準備していきたいと考えております。

 新型コロナ第8波への対策について②
(青柳・NHK記者)
 新型コロナウイルスの話に戻ります。
 県の対応の目安が今日から変わりました。
 国の分科会の新たなステージの枠組みに基づいてということだと思うのですが、一方で、波が来るたびに、いろいろと対応の仕方や発するメッセージが若干変わっていく中で、県民としてもどう受け止めていったらいいのかというところもあるかと思うのです。
 改めて知事のお言葉で、今回、示された各ステージ、県民がどう受け止めて、どういう行動をして欲しいかというところを聞かせていただけますか。

   (知事)
 大きな考え方としては、感染症への対応ですので、国に大きな構図は示していただきたい。
 しかし、現実に対策するのは都道府県、市町村になっていきますので、国の大きな設計図を前提に、より現場での適切な運用を都道府県がしていくことが一番いい形だと思っています。
 そういう意味で、今回、かねて我々も申し上げていたように、国が比較的、病床占有率の基準をしっかり数字で示し、その段階ごとの対策のメニューを示したのは、求めていた方向ですので、原則的にはそれに従う形で、それを尊重する形で、国の指針を言わば補充する形で県としての対応の目安を今回改定したということです。
 その中で特に感染が拡大した時期について、国では今回、新たに医療の非常事態宣言といった枠組みも入れて、こういった場合には、例えば、旅行や帰省の自粛など求めることがあるという枠組みも示されました。
 我々としては、そういった感染の拡大に応じた対策の必要性は理解しながらも、社会経済活動との両立もしっかり図っていきたいというところがあります。
 その点については、実際の運用をしていく中で、県民の皆さまにはワクチン接種や検査を活用していくことで、社会経済活動の両立を図っていきたいということをご説明していきたいと思っております。

 公立学校の教職員の不祥事ついて
(山﨑・高知新聞社記者)
 今年に入りまして県内で、教職員の逮捕が相次いでおりまして現在8人が逮捕されました。
 先日、臨時の校長会も開かれたということなのですけれど、県教委の話ではありますが、このことに関して知事の受け止めをお聞かせいただきたいと思います。

  (知事)
 一義的には教育委員会でしっかり対応をお願いしたい案件でありますけれども、公立学校の教職員の方々ですので、こうした不祥事があとを絶たないのは、大変深刻な状況だと思います。
 これが続いていることについて、私としても非常に重く受けとめているところです。
 特に、今年に入って教職員の逮捕事案に至る不祥事が続いていることに関しては、子ども達を教育すべき教職員という立場を考えますと、到底許せない中味ですし、教育公務員の社会的な信用を著しく失墜させると考えています。
 こうした不祥事を根絶するために、県の教育委員会が中心となり原因の究明、そして、再発防止策の決定・実行にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 私自身の感想を申し上げますと、やはり、こうした不祥事に関わるような教職員の方々、おそらく、教職員になられた時の初心を忘れられているのではないかと思います。
 教職員になられた時は、もっと使命感を持って「子どもたちをしっかり育てていく」という熱意に燃えていた方ばかりではないかと推測します。
 そうした使命感、初心を取り戻していただくために、研修であったり、いろいろな啓発の取り組みであったりということになるかと思いますが、そういうことを教育委員会でしっかりと設計していただいて、実行に移していただければありがたいと思っております。

 2期目への出馬について
(中田・高知民報記者)
   先日、知事のパーティーがありましたけれども、そこで次期の出馬については明言されていないわけですけれど、既定路線とは思いますが、いつごろまでには発表するお考えなのか、あまり選挙の間際まで表明しないのはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。

 (知事)
 この点は、正直、まだ1年以上任期が残っておりますから、まず、お任せいただいた任期をしっかりと全うしていくことが第一だと思ってます。
 当然、県政は私の任期で終わるわけではなく、その後も脈々と続いていきますから、そういった中で県勢浮揚、また県政の課題に取り組んでいく中で、先のことに関して然るべき時期に決断し、また表明するというのは務めだと思っております。
 ただ、通常、今までのいろいろな流れを見ますと、県民の代表である県議会の場で表明するのが通常のパターンということもございますので、そういったことは念頭に置きながら、過去の相場観と県政の取り組み状況を総合的に判断して、然るべき時期には、おそらく県議会の議論の中でご質問をいただく場面もあろうかと思いますので、そういった中で、しっかりとお答えしていくのが基本になるのではないかと考えております。

 新型コロナ第8波への対策について③
(井上・高知新聞社記者)
 再びコロナの目安の変更に話を戻します。
 ちょっと細かいところにはなるのですが、国のレベルの分類では、レベル0がなくなってはいるのですけれど、高知県のステージでは緑色、いわゆる感染観察というところはあえて残しています。
 そこの狙いは何かあるのでしょうか。

  (知事)
 これもまさしく県庁内部で議論をしたのですけれども、先々、収束の方向に向かう時、県の対応の目安をどうするのかいった時に、極端な話、感染者0が1ヵ月続いても、黄信号、注意という段階が続いていくのは、県民の皆さまに分かりにくいのではないかという私自身の思いもありました。
 国では、いわゆるレベル0は外したということですけれども、一定の線引きとして、県で線を引いて置いておくという考え方自身が矛盾することは必ずしも無いという前提に立ちまして、これはこれで維持する方針でいこうと判断したとご理解ください。

 新型コロナ第8波への対策について④
(井上・高知新聞社記者)
 一方で、対応方針のところを見ますと、今までは休業等の要請、県立学校という項目がありましたが、新しい目安ではこれが無くなっています。
 これも流れでいうと、ウイズコロナがこれから進む中で休業要請であったり、県立施設の閉館というところまで行動制限といいますか、対策を取るような場面はもうなくなるといったお考えなのでしょうか。

  (知事)
 そこは、必ずしも精緻な議論をして大きく組み替えたことではありません。
 今回は、国の分科会報告で、私の受け止めとしてはかなり従前よりは具体的に数値の基準も示しておられますし、取るべきメニューも広範に示していただいたと受け止めましたので、それに沿って整理していくことを基本に考えたということです。
 その意味で、学校の休業なり施設の休館措置が全くどの段階でもあり得ないとは思っておりませんけれども、今の時点で典型的に整備しておくひな形の中では、あえて明記はしていないと考えていただければと思います。

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