令和5年4月10日 知事の記者会見

公開日 2023年04月13日

1 県議会議員選挙の結果について①
2 知事の新年度への思いについて
3 連続テレビ小説「らんまん」について
4 4年ぶりのよさこい祭りの通常開催について
5 JR四国の路線存廃の議論について①
6 JR四国の路線存廃の議論について②
7 JR四国の路線存廃の議論について③
8 JR四国の赤字路線存廃協議会の設置の提案について④
9 よさこい祭りの経済波及効果について
10 県議会議員選挙への知事の対応について①
11 県議会議員選挙への知事の対応について②
12 県議会議員選挙での特定政党議席の伸びについて
13 統一地方選挙の投票率向上策について
14 災害時の安否不明者等の氏名公表について①
15 災害時の安否不明者等の氏名公表について②
16 徳島県知事選挙の結果について
17 男性管理職の育児休暇取得について
18 岸田内閣のこども・子育て政策について
19 県議会議員選挙の結果について②
20 県議会議員選挙の結果について③

(司会)
 ただ今から、知事記者会見を始めさせていただきます。それでは、幹事社質問をよろしくお願いします。

 県議会議員選挙の結果について①
(山﨑 ・高知新聞社記者)
 幹事社から3点質問させていただきます。
 まず、県議選についてお伺いします。
 昨日、県議選が投開票されました。
 その結果、自民党会派が過半数割れとなるなどの結果になりましたけれども、会派勢力の変動をはじめとした選挙結果や濵田県政に与える影響、新たな議員への向き合い方など、どのようにお考えでしょうか。
 あわせて、過去最低を更新しました投票率に対する受け止めもお聞かせください。

(知事)
 県議会議員選挙が昨日行われ、新たな任期を今月末から開始されます37人の県議の方々が決定されました。
 今お話がございましたように、自民党会派は過半数割れ、会派の構成は今後月末までに行われるということだと思います。
 現時点で自民党の党籍を持たれてる方で比べますと、3名が減少ということでして、これは県政与党の第1党としてお支えいただき、あるいは助言もいただいてきたのが自民党ですので、私としては、その自民党が3議席減という結果については、率直に残念な結果だと思います。
 ただ、中身を見てますと、投票率が大変低い中で、保守系無所属の方との競り合いの中で競り負けたというケースが、この減少の要因としては大きいのではないかと見ています。
 また、候補者の方々への報道機関からのアンケートの結果なども拝見しますと、自民党に入れ替わる形で当選された保守系無所属の方も、例えば県政運営に関しては、与党的な立場をおとりになる、ないしは県政の現状について一定の評価をしている方が多いと見ています。
 その意味では、県議会と執行部との間の構図に大きな変化は、あまりないのではないかと受け止めています。
 そうしたことがございますので、会派構成が今後どうなっていくかということに関わらず、これまで同様に執行部から議会に対しては、さまざまな政策について詳細かつ丁寧に説明をさせていただくということ。そして、執行部と議会は、県政運営の中での車の両輪だと思いますので、緊張感を持ちながらも建設的な議論を行っていくこと。それによって県政のよりよい方向を見いだしていくこと。
 そういった共に働いていく意味での協働の関係が、議会との関係で築ければいいのではないかと思っております。
 また、この選挙戦を通じまして、当選されました新議員の皆さまは、県民の皆さんから、いろいろなご意見をお聞きになっておられることだと思います。そういったご意見を改めて、あるいはご提言も含めまして、そうい った地域の皆さんの声をこの機会にまたお聞かせいただけることができればありがたいと思っているところです。
 そして、投票率に関してですけれども、過去最低を更新する形の低投票率になったことは、誠に残念に思っております。
 もちろん投票率がどうなるかというのは、一般的に対決の構図があり接戦が報じられましたり、大きな争点があったりという時には、一般的には投票率が上がりますし、そうでないときには下がる傾向もあります。
 今回、選挙戦を通じまして議論になりましたのは、経済面での対策だとか、あるいは人口減少対策といったことがメインだったように思います。
 しかし、これを具体的な対策のレベルとして、どういう対策を講じていくのかという点についてまで掘り下げて、明確な対立軸が提示されたかというと、なかなかそこまでいかなかったことが、県民の皆さんの関心が今一歩高まらなかった結果、投票率が過去最低を更新ということになったのではないかと私としては考えております。
 ただ、民主主義の基本は選挙・投票だと思いますし、私自身もそうですが、県議会の議員も当選された以上は、自分に投票していただいた方だけではなく、県民の皆さん全体の利益を考えて行動していくことが求められると思います。
 その意味でも、できるだけ幅広い方が投票に参加いただいて、投票率が上がる状態が一般的には望ましいと思います。
 我々も日ごろからさまざまな形で情報発信していくことも含め、県民の皆さんに、県政あるいは、地域の課題に十分に関心を持っていただく努力を日常的にしていくことも必要ではないかと改めて感じております。

 知事の新年度への思いについて
(山﨑・高知新聞社記者)
 4月に入り新年度を迎えました。
 濵田知事の任期、最終年度となります。
 秋には知事選挙も控える中、政策面で力を入れたいことなども含め、本年度どういう年にしたいとお考えでしょうか。
 お聞かせください。

(知事)
 私の今の任期の最終年度ですので、一つは従前から申しておりますが、今年は成果にこだわる年、そして、県民の皆さまにできるだけ、その成果を実感していただける年にしたいということがございます。
 その意味で、施策の具体的な中身で力を入れたいというのが二つございます。
 ひとつは、今回の「らんまん」を生かした観光需要の回復、これを今年度、目に見える形で実現したいということです。
 いよいよ放送の開始に伴いまして、現実に多くの観光客が本県にいらしていただいていると思います。
 牧野植物園の入場者などを見ましても、前年度比で1.6倍ぐらいのペースで推移しているということですので、先月末から始めました県内全域を対象とした観光博覧会の滑り出しは順調だと思います。
 これを何とかしっかり持続して、今年は観光事業のV字回復、さらにはでき得れば、この「らんまん」を通じました本県のイメージアップというところにも力を借りまして、県産品の外商拡大、こういった効果も出していければありがたいと思っております。
 もう1点が関西圏との経済連携の強化、これもできるだけ県民の皆さんに成果を実感いただけるような形に持っていきたいということです。
 観光面での入込客数ですとか、外商面での金額的な実績もそうですが、当面この戦略を行っていく上での拠点となります「アンテナショップ」の整備計画の具体化を進め、これを成功に導いていくというところも、本年度、特に力を入れていきたいということです。
 そうは申しても、秋の知事選挙で2期目を目指していくことを表明させていただいたわけですので、2期目をにらんで、より長い目で見て、例えば、5年、10年のスパンで見て、どういう方向性を目指していくのかということについてのビジョンをしっかりお示ししていく。また、そのための種まき、仕込みの部分も怠りなくやっていくことが大事だと思っております。
 その意味で、かねてより申し上げてよりますデジタル化、グリーン化、グローバル化という新しい時代の潮流を先取りしていくところに意を用いてまいりたいと思います。
 また、横断的な政策に関して申しますと中山間地域に関しては、まさしく5年、10年先を見た時の高知県内の中山間地域の再興のビジョンを描いていくことを今年度、ぜひ成し遂げたいと思っております。
 こういった10年後、20年後の姿を描いていくこと、そのための準備をしていくことを通じまして、後で振り返った時に、今年は転機の年だったと、いい方向に弾みがつく年であったと評価をいただけるように頑張りたいと思っております。

 連続テレビ小説「らんまん」について
(山﨑・高知新聞社記者)
 NHKの連続テレビ小説「らんまん」の放送が始まりました。
 オープニング映像などで本県の映像が流れていますが、これまでの放送をご覧になられた感想ですとか、本県観光への期待感などをお聞かせください。

(知事)
 放送開始後1週間余りですけれども、一言で申しますとNHKに大変力を入れていただいて、いい番組を作っていただいているのではないかと思います。
 「らんまん」の中では、数多くのシーンで高知の風景が映し出されておりますし、土佐弁が飛び交うドラマです。
 さすがに広末涼子さんの土佐弁はネイティブスピーカーで、ぴったりはまっていると感じますし、観光振興、そして、高知県のブランディングにつながっていくものとして、改めて期待しています。
 ドラマのストーリでは、先週、広末涼子さんが演じます主人公のお母さんとの悲しい別れのシーンもございましたけれども、今日からは名教館(めいこうかん)に通い始め、いよいよ植物学者への道へと物語りが動き始めるということですし、この後、神木隆之介さんの出演も始まりますから、ますます全国の注目を集めることになるのではないかと思います。
 こうした中での観光への効果、期待感ですが、牧野植物園の来園者が、先月末の観光博覧会開始後、前年同期比で約1.6倍で推移をしている。
 また、博士のふるさと「佐川町」あるいは「越知町」の方々にお聞きしても、大変多くの方から、かつてない多くの観光客においでいただいてるといったお話も聞いています。
 春らんまんの花がたくさん咲く時期に、幸先の良いスタートを切ることができたのではないかと思います。
 今後もこの勢いを落とすとなく、今後の観光振興につなげていきたいと思いますし、本県の草花の美しさ、自然の豊かさを全国に、そして、海外も含めて発信していける機会にしていきたいと改めて思っております。

 4年ぶりのよさこい祭りの通常開催について
(伊藤・NHK記者)
 今日、よさこい祭りの4年ぶりのフルでの開催が決まりました。
 それについて知事の受け止めをお聞かせください。

(知事)
 コロナ関係の状況も年明け以降、第8波の流行も落ち着きを見せてきていること。
 そして、5月の連休明け以降は、国全体として特段の事情なければ、季節性のインフルエンザ並みの扱い「いわゆる5類」の扱いに変えていくことで、脱コロナの道筋が明確に見えてきている中ですので、こういった状況を踏まえて、よさこい祭振興会で、4年ぶりの通常開催という大枠の方針を決定されたことではないかと思っております。
 この3年間、なかなか思うに任せず、中止であったり、代替的な開催、規模縮小という形で十分に楽しんでいただけなかった部分もありますので、ぜひ、コロナの感染状況も落ち着きを見せる中で、久方ぶりの通常開催で、高知県をいよいよ元気にしていただけることを私としても心から期待したいと思っております。

 JR四国の路線存廃の議論について①
(古谷・読売新聞記者)
 JR四国の社長が3月の末に存廃の協議会をどうするかという議論を、新年度に始めたいという発言をしてます。
 そういった協議会の設置に対する知事の受け止めと、存廃の協議会ができるということは、何か廃止の方向にちょっと進んでしまう恐れもあるかと思うのですけれども、その辺りの知事のお考え、受け止めをお伺いできればと思います。

(知事)
 国全体として、新しい検討会の報告も踏まえて、ローカル線の問題について打開を図っていこうという動きがある中ですので、JR四国側からの申し出があれば、この点については真摯に受け止めて検討しなければいけない問題だと思います。
 ただ、JR四国は、今まさしくローカル線の存廃を含めた問題が焦点化していますJR西日本だったり東日本だったりとは、JR四国発足の時の赤字補填といいますか、収支均衡の図り方のスキーム自身が違うという問題もあります。
 そういうこともありますし、元より我々としては、廃止を前提とした協議は、話が違うだろうと思っております。
 どういった形で、JR四国側の問題提起、申し入れが行われるのかということも注視しなければいけないと思います。
 さらに、愛媛県と歩調を合わせた対応もしていかなければいけない問題だと思っておりますので、具体的にお話がございましたら、愛媛県ともご相談させていただいた上で、地域交通をどう守っていくかという観点から必要な対応を取っていきたいと思っています。

 JR四国の路線存廃の議論について②
(古谷・読売新聞記者)
 先ほどおっしゃった真摯に受け止めるという部分は、協議会設置の申し出があったら、賛同されるということですか。

(知事)
 公式な組織を設置するところまでいくかどうかというのは、これは一つの、かなり大きな判断ですから、現時点で協議会の設置までを視野においているわけではありません。
 いずれにしても、まずご相談があるであろうと思いますから、入り口のところから聞く耳を持たないということではいけないだろうと思っています。

 JR四国の路線存廃の議論について③
(古谷・読売新聞記者)
 今回の場合、国の声掛けで再構築の協議会を設置できるという方向になっています。
 今後、国に対して求めたいことは何でしょうか。

(知事)
 この問題について、かつて国は一種の傍観者的な立場で、地元が残したいのだったら地元で汗をかけばという雰囲気すら漂っていたことからすれば、国も重要ないち当事者としてしっかり協議に加わっていく。そして、スキームの再構築に関して必要があれば、鉄道ないしはバス輸送も含めてだと思いますが、必要な施設整備に関して、国としても財源措置を講じ、新しく公共事業のスキームを整えることを今回望まれていると思いますから、 その意味では国の立ち位置に関しては前進はしてきていると思います。
 ただ、それをもって中身について、国の意見どおりに動いていくことでは、必ずしもないと思います。
 そうした新しいスキームも含めた中で、地域交通を守っていく、あるいは改善していくことに関して、どういった選択肢があり得るのかといった点を実務的に検討していくことが必要な問題だと思っています。
 そこにいく前提の問題として、国鉄改革の時のスキームとの頭の整理をまずしっかり入り口でしておく必要があるだろうと考えているところです。

 JR四国の赤字路線存廃協議会について④
(古谷・読売新聞記者)
 基本的なスタンスとしては、予土線になると思うのですけれど、存続を強く訴えていくことは変わりないということでよろしいのでしょうか。

(知事)
 繰り返しになりますが、地域の交通手段をしっかり守っていくという大前提に立つ中で、話し合いをしたいという申し出があれば、そこは、しっかりまず耳を傾けていくことが必要ではないかと思っております。

 よさこい祭りの経済波及効果について
(玉井・高知さんさんテレビ記者)
 よさこい祭りの経済波及効果が96億円という話がよさこい祭り振興会の総会で出ていました。
 県としてコロナでダメージを受けて、これから観光需要を盛り上げていこうという中において、仮に96億円ぐらいの経済波及効果が、今年度の夏にもたらされたとすれば、ダメージを受けた高知県観光において、観光回復に向けてどんな意味合いを持つのか教えていただけますか。

(知事)
 私も96億円の具体的な内訳について、現時点では承知しておりませんけれども、よさこい祭りが実施されることで、県外から多数の方がおいでになると。
 そういった中で宿泊の需要が生じたり、そこに至る準備の過程で、衣装であったりセットなどの装いの準備であったり理美容の業界も含めて大変大きなお金が動くと。
 祭りが実施されれば想定された経済効果がここ3年ほどはほぼゼロであったり、ほとんど期待できなかったりということだったのだと思います。
 ですから言い換えますと、今回通常どおり実施されれば、県外からたくさんの方においでいただいて宿泊もいただけますし、いろいろな形でいわばお金を使っていただく、お金を落としていただくところが積み上がって、一定の多分想定で積み上げた場合、96億円ということだと思います。
 この部分が今までなかったからこそ、国のコロナ臨時交付金などを財源として、いろいろな給付金であったり需要喚起策であったりを県、市町村、国などが財政的にてこ入れをしなくてはいけなかったということだと思います。
 これに置き換える形で、本来の民間の経済需要が発生していくことで、要は自立的に経済が回っていく体制にスムーズに移行していくことが期待されると思いますし、ぜひそうあってほしいと思っております。

 県議会議員選挙への知事の対応について①
(中田・高知民報記者)
 県議選に関してです。
 一つは知事は今回の選挙にあたっては、特別なことがなかったら抑制的にするということで、基本、応援などにはタッチしないという話をされていました。
 確認ですけれど、今回はそういうことはあったのでしょうか。

(知事)
 3月下旬の話だったと思いますが、私自身が体を運んで特定の候補者の応援をしたりということは行っておりません。

県議会議員選挙への知事の対応について②
(中田・高知民報記者)
 そういう要請もなかったということですか。

(知事)
 結果的には、そういう要請もなかったということで結構です。

 県議会議員選挙での特定政党議席の伸びについて
(中田・高知民報記者)
 もう1点、野党の共産党の議席が伸びてるということについては、どう見ていますか。

(知事)
 直接的には、四万十市の選挙区で元職が返り咲きをされたという部分で、共産党の議席が増えられたということだと思っています。
 全体的に投票率が伸びない中で、共産党を支持される方々、物価高なども含めまして、いろいろな県政に対する強い思いがある中で、得票を集められて結果、当選されて1議席増という形になったと受け止めております。

 統一地方選挙の投票率向上策について
(今林・朝日新聞社記者)
 県議選に関してもう1点お聞きします。
 先ほど、低投票率のお話が出たのですが、コロナ対策などで、だいぶ県を含めた自治体の影響力が、一般の方にも少しずつ伝わりつつあると思います。
 その中で、今回の県議選の無投票地区が過去最多であったり、投票率が過去最低であったりというような、地方の選挙は、もう非常に衰退している状況が、今回かなり明らかになったと思うのです。
 何とか投票率を上げるために、県の内容をよく知ってもらおうというお答えもあったのですが、ご自身の選挙も近く、今年の12月に任期満了になると思います。
 また、高知市長選も近づいてきている中で、何かもっと抜本的な投票率の上昇のための対策を打つお考えはありませんでしょうか。

(知事)
 この点に関しては、1候補者の立場だけで何か成し得ることではきっとないと思います。
 選挙の構図は相手方もあってのことですし、選挙の争点となりますと、その時々の経済情勢あるいは政治情勢に大いに左右されることもあろうかと思います。
 その意味では何か手品のような投票率向上策があるということでは必ずしもないと思います。
 私自身としては、知事としての任期をお預かりした4年間、特にコロナ対策も含めまして、いろいろ考え、策を尽くし、対策を講じてきたことを真摯にご説明するとともに、今後の高知県の経済社会をどう持っていきたい かということを愚直にお訴えすることに尽きるのではないかと思います。
 そうした中で、できるだけ県民の皆さんにご関心を持っていただくことが、投票率の向上につながっていくとことだと思います。
 そうした意味も含めて、県民の皆さんにできるだけ実感いただける形で成果を出していくことに力を尽くしたいと思っております。

 災害時の安否不明者等の氏名公表について①
(髙野・共同通信社記者)
 災害時の氏名公表に関して先月末だと思うのですけれども、国から自治体向けの基準を盛り込んだ指針が公表されました。
 安否不明者に関しては、これまでは自治体に委ねられる部分もあったと思うのですけれども、速やかな救助活動のために、原則としては家族の同意がなくても公表すると明記されました。
 一方で、死者の氏名公表に関しては、指針では触れられなかったことについて、改めて知事の受け止めと、あと3年前に県としての指針を策定してると思いますけれども、対応の変更などを考えていれば教えてください。

(知事)
 この点については、既に県独自での対応の考え方を整理したことがございますので、今回の安否不明者の氏名公表の中身に関しては、遅きに失したというと失礼かもしれませんけれども、おおむね県としても、既にまとめていた方針に沿ったような中身が改めて内閣から示されたと考えています。
 特に、災害発生直後に安否が不明の方に関しては、どの方の安否が不明なのかということを、あらかじめ氏名を公表させていただいた方が、ご本人がどこか別のところで健在でおられるならば、「私はここに元気にいますよ」ということを連絡していただければ、その方を捜索する努力は必要なくなります。
 その意味で捜索活動あるいは応急対策の負担軽減に役に立つとことは、比較的、皆さんのコンセンサスが得やすいものではないかと思います。
 そういったところから国としても改めて追認したということではないかと思います。
 ただ、亡くなった方ということになりますと、やはり個人情報との関係がございますし、安否不明者のような誰が見てもそういった災害救助活動の効率化に役立つところの効果がクリアでは必ずしもない、むしろ個人情報の問題と一種の知る権利の問題をどうバランスを取るのかという一種の哲学的な問題が伴う問題だと思います。
 その意味で折り合いどころとしては、できる限り被害者の遺族に同意をいただくことで、名前を公表していく方向で努力をすることが現実的な対応の一種のマニュアルではないかと県としては考えておりまして、この点については、国は今回特に言及しなかったのは、残念といえば残念です。

 災害時の安否不明者等の氏名公表について②
(髙野・共同通信社記者)
 改めて、県として対応指針の変更などは特に考えていないということでよろしいですか。

(知事)
 現時点では考えておりません。

 徳島県知事選挙の結果について
(栗原・時事通信社記者)
 徳島県知事選のことです。
 この前の前の参議院選挙で、特別枠で選出された議員がおられまして、その方が結局議員を辞められて、徳島県知事選に出ました。
 しかし、当選されることはありませんでした。
 せっかく徳島・高知の特定枠を使って出られて、その議席を無くしてまでも出られたのに、こういう結果になってしまったことについて思われることはありますか。

(知事)
 この点は最終的には、政治家としてのご本人のご判断だと思います。
 お察ししますと、ご批判は、あえて甘んじて受けても、今回どうしても挑戦したいというお考えがあったと思いますから、それはそういった姿勢も含めて、県民の皆さんの審判に問われたということです。
 その点を、私が外からとやかく言うのは差し控えた方がいいとは思います。
 ただ、以前申し上げましたけれども、特定枠という制度を当時、国会の関係者が非常にご苦労されて、いわば泥をかぶる形で、合区の解消の代替策として作っていただいたお気持ちを考えると、それを結果として無にするような判断をされたこと自体については残念だという気持ちは変わっておりません。

 男性管理職の育児休暇取得について
(栗原・時事通信社記者)
 男性管理職の育休取得についてお伺いします。
 管理職の方が育休取られることは、結構珍しいことではないかと思います。
 知事としてどのような所感をお持ちでしょうか。

(知事)
 年齢的に育休の対象になる方が管理職ということが巡り合わせとしてあまりないというのが、今お話のような事情の背景にあると思います。
 当県の該当する管理職は、国からの出向の形で比較的若い年齢で、ちょうど育休の取得の資格ができる状況になったということだと思います。
 そうした中で、私としては、かねてより男性職員も育休を取ることが当たり前の世の中にしていくと、そのために県としてもやるべきことはやりたいという思いで、育休取得の促進を図っております。
 比較的業務の遂行との関係で折り合いが付けやすい時期に、周辺もしっかりサポートをして、管理職も含めて、そういう形で男性に育休を取っていただくことは望ましい方向だと思っております。
 私としても関係の職員には、その点のサポートをしっかりしてもらうように指示しているところです。

 岸田内閣のこども・子育て政策について
(栗原・時事通信社記者)
 岸田内閣の育休・子育て方針についてです。
 岸田内閣は取得率を令和12年度までに85%を目標にしていて、給付率の引き上げも言及しておりますけれども、これについてどのように思われますか。

(知事)
 方向性としては、歓迎すべき方向性だと思います。
 男性職員も育休を然るべき長さで取得していくことは、子育て支援といいますか、子育て環境を整えていく意味で非常に大事なことだと思いますし、そのための手当てなども、現状よりもさらに充実していくこともあるべき方向性だと思います。
 ただ、この手当ての充実に関しては、まだ、たたき台のリストに載った段階にとどまっていると思います。
 今後、夏の骨太の方針ないしは、その後の予算編成などに向けて、必要な財源の確保策ないしは、具体的な制度設計をしっかりと詰めていただいて、できるだけ早く実施に移していただくことが期待されると思っております。

 県議会議員選挙の結果について②
(井上・高知新聞社記者)
 県議選の話に戻ります。
 会派の構成のお話をお伺いしましたが、個々の議員の構成を見ると世代交代、いわゆる若返りが進みました。
 また、女性が過去最多の6人に増えたり元職が3人返り咲いたりといった変化がありましたけれども、そういったところは、どのように受け止めていますか。

(知事)
 個々の候補者の方々の勝因といいますか、そういったものはいろいろな事情があると思いますから、あまりそこに立ち入ってコメントするのは差し控えた方がいいと思います。
 大きな流れとして、女性の議員が増加したこと。
 そして、若手の世代交代であったり、元職の返り咲きというような形で、いわば元職の方々にとりましては、臥薪嘗胆の日々を返り咲きという成果に結び付けられたことに関しては、敬意を表したいと思います。
 いずれにしても、最新の県民の皆さんの民意を代表される新しい37名の議員が選ばれたわけでので、そうした議員の方々と執行部としてしっかりと意思疎通して、県民の皆さんのために協働関係でいい仕事をしていく形で、新しい議会との関係が築ければいいのではないかと考えております。

 県議会議員選挙の結果について③
(井上・高知新聞社記者)
 新しい議会の中で、例えば、女性の視点が増えることであったり、若い方の目線が入ったりすることへの期待感はありますか。

(知事)
 これは一般的な話として、いろいろな局面で日本社会も多様性を尊重していくことが必要ではないか、そのことが経済社会の成長をもたらす上でも大事ではないかということが指摘される時代になっていると思います。
 その意味で女性であったり、若い方であったりという、今までどちらかというと、意見の反映の場が限られていた方々に新たにフィールドに入ってきていただいて、今までにない視点で問題提起をいただいたり、提案をいただいたりすることは、いろいろな議論の活性化であったり、より一種の包摂的な社会であったりということを目指していく上で、期待される効果が大きいのではないか受け止めております。

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