令和5年7月7日 知事の記者会見

公開日 2023年08月03日

1 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策について①
2 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策について②
3 マイナンバーカードへの国民の信頼が揺らいでいることについて①
4 マイナンバーカードへの国民の信頼が揺らいでいることについて②
5 高知県出身の国会議員の存在の重要性について
6 四国新幹線の整備について①
7 四国新幹線の整備について②
8 土佐清水市での教員のハラスメント事案について
9 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策について③
10 新型コロナウイルスの感染状況の発表内容について
11 新型コロナウイルス感染症における高齢者施設での集中検査の財源について
12 新型コロナウイルスの感染拡大防止におけるマスク着用の必要性について
13 マイナンバーカード総点検における国への要望について①
14 マイナンバーカード総点検における国への要望について②
15 マイナンバー制度への知事の考えについて
16 新型コロナウイルスの感染拡大の指標について
17 新型コロナウイルス感染拡大による医療機関の逼迫時の対応について①
18 新型コロナウイルス感染拡大による医療機関の逼迫時の対応について②
19 参院選徳島・高知選挙区における高知県ゆかりの立候補者について①
20 参院選徳島・高知選挙区における高知県ゆかりの立候補者について②
 

(司会)
ただ今から、知事記者発表を始めます。それでは、幹事社質問をよろしくお願いいたします。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策について①
(井上・高知新聞社記者)
 まず、新型コロナウイルスの感染状況についてお伺いします。
 全国的に感染拡大の傾向が見られ、沖縄ではすごく感染が広がっています。そして、有識者からは第9波が始まった可能性があるという指摘もあります。実際、県内での定点把握でも感染者の増加傾向が見られております。
 全数把握ではなく定点観測となったことで、増減の傾向は伺えても、なかなか実際把握が難しいという現実もあろうかと思います。
 知事は県内の感染状況の現状、そして今後の見通しをどう捉え、感染拡大防止が後手に回らないように、具体的にどういった対策を講じていくのか、考えをお聞きいたします。

(知事)
 新型コロナウイルス感染症は今、定点観測方式になっておりまして、今週水曜日に発表させていただきました最新の数字では、県内では平均で5.43人、前週と比べると1.07倍ということですので、余り大きな変化はありませんけれども、1カ月前と比べると2倍程度になっていると。総じて言いますと、第8波までと比べると緩やかではありますけれども、着実に増加傾向が続いているということではないかと思います。
 ただ、全国的な水準、これが先週の数字でみますと6.13人に対して、高知県が5.00人ということですので、比べれば、全国の水準よりは低い位置にあるということではありますし、全体増加傾向というのは、やはり5月以降、社会経済活動が活発化していることを反映したものだろうと考えています。
 入院者数が最新の数字で41人ということで、この水準は、医療体制への影響が懸念をされるような状況までには至っていないのではないかと受け止めています。
 ただ、全国的にも感染は増加傾向、沖縄県などでは、かなり医療に逼迫の傾向も見られるということですし、有識者の中からは、第9波が始まった可能性を指摘する声もあるということです。
 厚生労働省も第9波入りということまでは、また認められていないと思いますけれども、
 夏場に向けて、増加傾向が続く可能性はあるということは言われていると思いますので、引き続き、本県としても状況の推移を注意深く見守っていかなければいけないと思っています。
 県民の皆さんには、こうした状況にもございますので、いわゆる基本的な感染対策、健康管理を継続していただくことをお勧めしたいと思います。
 基本的な感染対策と言いますとマスクということになりますが、現状では特に医療機関、そして、高齢者施設に訪問される場合には、マスクの着用を特にお勧めしたいと思っています。
 県としては、保健所で様々なご相談に対応していく他に、特に高齢者の方々、あるいは基礎疾患をお持ちの方にはワクチンの追加接種をお願いしています。
 また、高齢者施設などへの支援を中心に取り組んでいますが、今後、感染が拡大していくような時点におきましては、現時点で想定しておりますのは、特に高齢者施設におきましてのクラスターの発生というのが、第8波までの経験を踏まえましても、1番警戒すべきところだと思っております。
 そういう状況になりましたら、直ちにご希望がある施設については、いわゆる集中的検査を実施していくこと。これが当面の大きな対策ということになろうと思いますし、さらに、感染状況が大きく拡大することが見込まれる場合には、国ですとか他県の情報なども踏まえまして、より踏み込んだ形で感染対策を県民の皆さんに呼びかけていくことを想定しているのが現在のところです。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策について②
(井上・高知新聞社記者)
 先ほどは、高齢者施設で必要であれば集中的検査を実施というお話がありました。
 これまでのコロナの5類移行前には、例えば各施設の従業者に対して無料検査キットを配布するなどの処置を行っていました。
 そういったことを想定されているのでしょうか。

(知事)
 感染がかなり拡大をしてくるという段階になれば、健康政策部に確認しましたら5月までの第8波対応の中で、ある程度、県でも備蓄した検査のキットはあるということですから、そうしたものを配布させていただいて、集中的検査をさせていただくことは考えたいと思っております。

 

 マイナンバーカードへの国民の信頼が揺らいでいることについて①
(井上・高知新聞社記者)
 マイナンバーカード、今保険証の一体化をめぐるトラブルが全国的に相次いで発覚しています。そして、それを基に国民からの信頼を損ない不安が広がっており、全国の自治体でカードを返納するような動きも出てきています。
 政府は秋頃までに、こういったトラブルの再発防止も含め、総点検をする方向性は出していますが、まだなかなか具体的な点検の仕方や内容が分からず、自治体の中には作業の膨大さの懸念なども広がっております。
 そういったことを受けて、知事はこれまでに何度もカードのトラブルと、マイナンバー制度自体が否定されるものではないと、切り離してお話はされていましたが、国民の信頼というものがあってこそ、この制度が成り立つと思うのですが、改めてご所見をお伺いいたします。

(知事)
 今回、一連のトラブルが生じています主な原因は、人為的なミスであったり、関連する行政サービス側のシステムの問題であったりということが、ほとんどだと思っておりますので、これは急速にカードの普及が進む中で、一時期に大量に事務処理を行わなければならなかった事情があることは、確かだと思いますけれども、それにしても結果として、個人情報に関わるトラブルが頻発していると。そして、結果、マイナンバー制度そのものに対しても、国民の信頼を大きく損なっている事態になっていることは、ひと言で言って非常に残念だという思いです。
 ただ、マイナンバー制度はデジタル社会の基盤だと思いますし、行政サービスの効率、あるいは利便性向上を考えますと、文字通り要となるのがマイナンバー制度だと思います。
 これがあるから、例えば引っ越しをされる、転職をされる時に市役所に届け出をすれば、関連の行政サービスのところへ情報連携がスムーズにされて、いちいち手続きをしなくても、ワンストップで必要な手続きが終わるということであったり、保険証の利用に関して言えば、今までの治療歴であったり投薬歴、検査歴が分かって、重複して検査したり、あるいは投薬をしたりということもなくなる、あるいは過去の治療歴を踏まえて、より適切な医療サービスが提供できる、そういう積極的な、ポジティブな意味が大いに期待されているわけですので、そういったものが、今回の様々な事務処理のミスによって全部否定されるとことは、行き過ぎではないかと思います。
 あえて申し上げますと、保険証の紐付けのミスなども、全国で7,000件くらいの規模でありますが、今マイナンバーカードの普及は7千万枚という規模になっておりますから、1万分の1という確率のミスのために、大半の1万倍のところの方々の将来的なものも含めてですが、利便性なり、高度な行政サービスを否定するというのは行き過ぎではないか。 もちろん、7,000件でも個人情報に関わることですから、このミス自体は大変遺憾なことですし、信頼回復のためには早期に手を打っていくことは当然だと思いますが、ある意味、今申し上げたような規模感であったり、将来的にも含めて期待されるマイナンバー制度によるメリットは、同時によく考えた上で冷静な判断をしていかなければいけないという部分はあるのではないかと思います。
 そのためにも、制度に対します国民の皆さんの不安や懸念を払拭すること、そして、メリットも理解をいただいて、信頼を回復していくところは、何よりも大事だと思いますので、この点、自治体にも相当の事務負担が出てくることは想定されますけれども、総理自身も総点検の本部を設置して、いわゆる紐付けが正確に行われているかどうかを、秋までに点検する方針を示されているわけですので、県としても、国、市町村と一体となって、点検を行っていくこと、結果については速やかに公表するということを通じて、国民の皆さん、あるいは県民の皆さんの信頼回復を、まずは最重点に取り組んでいきたいと考えています。

 

 マイナンバーカードへの国民の信頼が揺らいでいることについて②
(井上・高知新聞社記者)
 なお、関連してですけれど、政府は現行の保険証を来年の秋に廃止する方針自体は、まだ変わっていないのですけれども、それを全否定はしなくても、一旦、立ち止まって、信頼回復であったり、制度をもう一度考え直すべきではないかという議論であったりも、一方で出ておりますが、その辺りについてはどうお考えでしょうか。

(知事)
 私に言わせれば、事実上、もうそういう方向になっているのではないかという感じはいたします。もちろん、物事については目標の期間というのは必要だと思いますから、総理自身も言外のニュアンスとして、必ずしも来秋というところに、絶対的に執着されるわけでは、必ずしもないようなニュアンスの発言もあったのではないかと思います。
 ただそれはそれとして、目標として、いわば大きな方向性としての期限は持った上で、しかし、保険証の廃止についていけないという方に関しては、期限後の1年間は、紙の保険証で対応が可能、その後も当面、いわゆる資格の確認証の発行によって、マイナンバーカードを持たなくても保健医療を受けることができるという方針は出ておるわけですから、その方針の中で、代替的な手段をできる限り活用していくことで、いわば段階的に、保険証のマイナンバーカードへの移行を実現していくのが現実的な方策であるし、そうした形で、国民の皆さんの信頼を回復していくという方法を取るのが、私としてはベストの方法ではないかと思っております。

 

 高知県出身の国会議員の存在の重要性について
(竹村・テレビ高知記者)
 参院徳島・高知選挙区の補欠選挙についてお伺いします。
 高野光二郎氏が参議院議員を辞職したことにより、10月に補欠選挙が行われることになりました。各党の候補者がどうなるのか、そして、当然ながら選挙結果がどうなるのかは全く分からない状況ではあるのですけれどれも、高知県出身の国会議員という存在の重要性について、知事のお考えを改めてお聞かせください。

(知事)
 高知県は全国に先行して少子高齢化、そして人口減少が進んでおりまして、これに伴って経済規模が縮小していく。あるいは過疎化が進展していくという一種の課題先進県ともいうべき状況でして、これは全国的に見ましても、どちらかと言いますと農村的な傾向を持つ地域の共通の課題というような状況に今なっていると思います。
 本県の選挙区から選出される国会議員の皆さま方は、こうした課題をいち早く肌で感じておられることだと思いますし、それを踏まえて、5年後、10年後の我が国の将来像を語っていただく上では、全国の議論をリードしていただくような重要な役割が期待されているということではないかと思います。
 そうしたことに加えまして、本県の代表として選出された議員として、国と県との橋渡し役という役割も、私としては大いに期待されるのではないかと思います。
 高知県は率直に申し上げまして、財政力でいいますと全国一、二を争うような、いわば貧乏県、財政窮乏県ですから、いろいろな部分で県の課題解決を図っていこうとするときに、国の力を引き出す、国の力を借りることが必要不可欠ですから、高知県の実情を良くご理解いただいて、課題解決に向けて、こういう形で国の力を借りられるのではないかという知恵も出していただいて、そして、国と県との間の橋渡し役をしていただくと。そのことが私自身、県政の責任者として、一番、本県選出の国会議員の先生方にお訴えをしているところですから、今回、補欠選挙が行われることになりますけれども、私としてはそうした点を胸に秘めながら、行方を見守りたいと思っております。

(司会)
 それでは、各社からの質疑に移ります。質問される方は、社名とお名前を発言いただいてから質問をお願いいたします。

 

 四国新幹線の整備について①
(古谷・読売新聞社記者)
 先月の4県の知事会議で議論になった四国新幹線についてお伺いしたいと思います。
 ひとつは、徳島の知事が淡路島ルートではなく、岡山のルートという話になり、4県がまとまったと思うのですけれど、それについての受け止めと、今後、国への要望活動はどうしていかれるのか。高知県では、建設の期成同盟をつくっていらっしゃると思うのですけれども、ただ、基本計画ができて、ちょうど50年になると思うのですけれど、現状への思いなどをお伺いできればと思います。

(知事)
 今回の四国知事会議におきまして、四国新幹線の整備についても議論が行われました。
 特に徳島県の場合は、岡山ルートの他に、いわば本音のレベルとしては、関空から紀淡海峡の海底トンネルを通すのが、徳島までは1番ショートカットになるわけですので、そちらの方のルートについても強い思いをお持ちで、結果、四国4県の中で足並みが、必ずしも揃っていないのではないかというご指摘を中央サイドからもいただいてきた。そのことが、ある意味、四国新幹線の整備の運動を四国サイドから中央に対して訴えるときに、迫力をやや欠く一因となっていたのは事実だと思います。
 その意味で、今回、後藤田知事が就任されて、徳島も四国の他の3県と足並みを揃えて、岡山ルートという方向性をお示しいただいたとことは、四国新幹線の実現に向けての環境整備という意味では、大きな意義がある一つのご判断だと受け止めております。
 ぜひこの機会に、四国新幹線の整備が前に進むように期待しているところです。
 具体的な実現に向けての動きで申しますと、これまでも四国4県の経済団体などで整備の促進期成会を組織して、国に政策提言をする。あるいは機運の醸成を図るために、各地でイベントの開催をするといったような取り組みをしてきております。
 本年に入りましても、6月に本県単独の形での政策提言を実施しましたし、今の予定では、8月には4県選出の国会議員の先生方、あるいは四国の経済界の方々、そして各県の知事などが東京で一堂に会する形で、四国新幹線整備促進期成会の大会を開催する予定で、今準備を進めているところでして、この機会に、関係の省庁や政党関係者に具体的な形での要望活動を行いたいと思っております。
 国は、今まだ整備が途上である北陸新幹線、あるいは北海道新幹線の整備が先決というのが基本的なお立場ですし、財源問題などを考えますと、なかなかハードルが高いという思いはありますけれども、まず四国4県がまとまってこないと話になりませんという状況であったのが、一段高いステージに立てるのは、大きな前進の要素だと思いますので、この勢いを持って実現に向けて前進ができるように努力してまいりたいと思っています。

 

 四国新幹線の整備について②
(古谷・読売新聞社記者)
 四国新幹線をつくる意義として、例えば南海トラフに備えて、トンネルを通しておけば、中央とのライン確保できるのではないかというような声もあるようです。
 その辺りはいかがお考えでしょうか。

(知事)
 一種のリダンダンシー(交通ネットワークの多重化)の議論だと思いますけれども、土讃線などは、大正時代につくって以来、基本的には大きな改良も行われていないわけですし、災害発生時、特に南海トラフのような大規模災害が発生したときの、さまざまな救援のルーツを持っておくという意味においても、四国新幹線の整備の意義は大きいと思いますので、そういった観点も含めて、この実現の必要性については、いろいろな機会に訴えていきたいと思っております。

 

 土佐清水市での教員のハラスメント事案について
(山﨑・高知新聞社記者)
 2点お伺いさせていただきます。まず1点目です。土佐清水市の教員のセクハラ問題についてお伺いさせていただきます。土佐清水市の小学校の教頭だった男性教員が、セクハラを働いたということで、少なくとも2人の講師が教員への道を結果として断念した形になっております。この一連の事案に関して言えば、県教委への報告の遅れなども問題になっておりますが、これの事案に関する知事の受け止め、考えをお聞かせください。

(知事)
 土佐清水市の学校の現場におきますハラスメント事案については、報道などでも取り上げられておりますし、6月県議会の中でも議論になったことでして、事案の概要は私としても承知しております。若くて弱い立場の臨時講師に対して、管理職が立場を利用して執拗に交際を迫るといったような事案だと考えておりまして、全くあってはならない悪質な行為で断じて許されないと思っております。
 特に先に高知南高校だったと思いますけれども、教育実習生へのハラスメント行為があった直後でもありますので、こうした事案が連続して発生していることについては、大変重く受け止めておりますし、県の教育委員会においては、この事案についてぜひ厳正に対処してもらいたいと思います。
 また、市の教育委員会と県の教育委員会の連携に関して、土佐清水市の教育委員会側から、8月の事案についての報告が、その時点で直ちには県教育委員会になかったということでして、これは、市の教育委員会のお考えとしては、要は、処分に当たるような事案ではなくて、一種の是正指導といったケースに当たるもの。従って処分権者である県教委への報告は、その時点では不要と考えていたというお考えだったようでありますけれども、今となってみれば、可能性として懲戒処分を行う可能性があるような事案であれば、できるだけ速やかに、情報共有を図っていただいておくことの方が、より迅速な対応ができた、あるいは、ハラスメント事案の発生を未然に防止できた可能性もあったということではないかという思いもありますので、そういう意味では、この件について、私は事実関係までは、今の時点で確認できているわけでありませんけれども、やはり、今後の問題としては、懲戒処分が必要な可能性がある事案については、できるだけ前広に県教委にも市町村の教委から情報を共有をしていただくことが望ましいのではないかと思っております。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策について③
(井上・高知新聞社記者)
 新型コロナの関連なのですけれど、今後拡大した場合には、高齢者施設への集中検査の可能性なども言及されておりました。
 一方で、例えば無料検査センターの再設置であるとか検査キットの配布など、一般の県民への今後の対応は、どのようにお考えでしょうか。

(知事)
 現在、対応を考える基本線が、第5類にもう移行しているということですから、季節性のインフルエンザ並みの対応が基本だと思います。
 一時期に比べますと、検査キットも比較的安い値段で、薬局などで手に入る状況になっていると思いますから、そうしたものを活用して検査していただくことが、基本ではないかと思っているところです。
 現実に、今沖縄県などは、医療の逼迫という状況もかなり進んでいるようですけれども、一つには、現実問題として、財政的な余力の問題もあると思いますが、季節性インフルエンザ並みの対応ということで、無料の検査までの対応は行っていないということですから、先々そういうことでいいのかどうかという問題はあるかもしれませんが、それは別として、当面、今の視野にある範囲としては、季節性インフルエンザ並みの対応ということを基本に検討していくことになるのではないかと思っております。

 

 新型コロナウイルスの感染状況の発表内容について
(中田・高知民報記者)
 今、9波の入口で沖縄では非常に深刻な状態になりつつあって、それは遠からず、高知県にも訪れるであろうということは、蓋然性はかなりあると思います。
 それでいくと、夏ごろに非常に厳しい状態がくるのではないか、8月や9月に、新型コロナウイルスの感染拡大を予防しなくてはならないわけですけれども、その面で高知県は死亡者が多かったという轍を踏まないためにも、今、感染拡大の入口のときに啓発を強める必要があると思います。
 発表の仕方が、数は出るけれど、今ひとつよく分からないというか、5.43人っていうのは、それが何なのというふうにしか捉えられていないと思うのです。
 発表の仕方の改善、注意喚起のあり方をもっと県民に伝わるあり方にする必要があるのではないでしょうか。

(知事)
 今の感染状況の公表の仕方、いわゆる定点観測方式での医療機関の平均値の1週間に一度の報告だけを見てもなかなかどう評価すればいいのか、分かりにくいと。前週からの増減と、あとは、全国の数字との、あくまで平均値でありますけれども、比較程度しか判断の要素がないという部分をもう少し充実できないかというご趣旨だと思います。
 この点は、私自身も、もっと厚生労働省にリーダーシップを取ってもらいたいと。いろいろな知見が全国レベル、あるいは海外レベルも含めて蓄積するのが厚生労働省だと思います。
 例えば、インフルエンザですと、既に、数値が10人で注意報、30人で警報だと、非常に分かりやすい目安も示されておるわけですから、そうした形の国民の皆さんに分かりやすい指標、判断の基準をお示しいただきたいと、かねて厚生労働省に申し上げておりますけれども、現時点でまだ実現しておりませんので、また、改めまして厚生労働省などに対しては、そういった意見を申し述べたいと思っております。
 それ以外に関しまして、我々ができることといたしますと、過去の第8波までの感染状況、特に、オミクロン株との前と後では、現実には、かなり別のウイルスと思った方がいいということも言えると思いますが、最近の8波辺りの状況に置き換えてみたときに、どういった状況にあるかといったことについて、どういう形で、県民の皆さんに分かりやすく情報提供ができるか、ご説明ができるかということは少し研究してみたいと思います。
 ただ、いずれにしても、第8波までのところで本県の場合、特に高齢者施設、あるいは高齢者がお入りになっている医療機関でのクラスターの発生で、死亡者がかなり多く発生したという教訓は、生かしていかないといけないと思いますので、当面、かなり流行の勢いが増してきたと判断しましたら、早い段階で、この集中的検査などを高齢者施設に対して行うことは、先手を打つ形で考えてまいりたいと思っております。


 新型コロナウイルス感染症における高齢者施設での集中検査の財源について
(中田・高知民報記者)
 高齢者施設の検査等は、予算的には国からは直接はないわけですけれども、それは県でいろいろ工夫して、財源を賄ってでも迅速に取り組むということですか。

(知事)
   今回の集中的検査、今考えてますのは、手持ちの検査キットの中から融通しようということで考えております。残念ながら、季節性インフルエンザ並みの扱いということですから、県で検査キットを買い上げてといった場合に、国の交付金の対象になるかならないかという点に関していいますと、現状ならないのが結論です。
 そのことは、今の現実の判断の前提とせざるを得ないことだと思いますけれども、先々そういうことでいいのかどうかということについては、これは事態の推移にもよることだと思いますので、我々として、もう少し国に踏み込んだ対応を求めていく必要があると考えた場合には、知事会などとも相談の上で対応はご相談したいと思っております。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大防止におけるマスク着用の必要性について
(中田・高知民報記者)
 (新型コロナウイルスの感染拡大という)事態にならないためには、県民の啓発というか、注意喚起が一番大事だと思うのです。
 今執行部の皆さんも、議会の皆さんもほとんどマスクをされていないようです。例えば知事がマスクなしで基本的な感染対策をお願いしますと言っても、ちょっと迫力に欠けるというか、本気度が伝わらないというか、そこは切り替えのフェーズにはまだ入っていないと、恐らくもうちょっと高くなれば、知事がマスクを付けてアピールする段階も必要だけれども、まだそこには至っていないということでしょうか。そろそろ切り替えるときではないのと思うのですけれど、いかがでしょうか。

(知事)
 その点については、現時点ではあらゆる場面で、2月以前のようにマスクの着用を励行するという局面までは、まだ至ってないという判断を現時点ではしております。
 ただ、特に高齢者の施設であったり、医療機関に訪問するようなとき、私自身もマスクは常にポケットに携行はしておりますから、必要があれば、いつでも着用できる体制は取っておりますし、現実に医療関係者とお会いする中では、高齢者の方々と日常的な接触が多い看護師などは、看護協会などの会合に招かれてまいりますと、皆さんもマスクされてる状態ですから、そういう状況のときは、皆さんのお気持ちを踏まえて、私自身も着用しておりますので、現時点では状況に応じて、必要な場合には、マスクは着用できる体制を取っているとご理解いただけたらと思います。

 

 マイナンバーカード総点検における国への要望について①
(栗原・時事通信社記者)
 マイナンバーカードについてお伺いします。総点検ということで、地方にとっても作業が増えることがあると思いますけれども、政府に対して、具体的にどのように点検をするかというような要望であるとか、あるいは、予算に関してあてがってほしいというような要望はありますか。

(知事)
 この点については、昨日全国知事会の平井会長(鳥取県知事)が河野大臣と面会をしていただいて、知事会としての考えを伝えていただいたと承知しております。我々としては、今、情報が少ないといいますか、国との実質的なやり取りが十分できていないというところに、いささかフラストレーションを感じているところがありますので、平井会長からも申し入れていただいたように、中央との意思疎通をもっと密にしていただきたいということ、そして、作業の具体的な方針をできるだけ合理的なものを早くお示しいただきたいということを地方の声も踏まえて、早急に対応いただきたいということをお願いをしていることだと思います。
 もし、財政的な負担が生じるということであれば、その点についての手当てもしっかりと要請させていただいていることだと思いますので、知事会長からの要請におおむね今の答えに尽きることだと思いますが、私自身も今の県庁内の状況をお聞きしますと、入ってくる情報が大ざっぱに7月の末までに、いわゆる住基の4情報以上の詳しさで確認をしてひも付け作業をしたかどうか、していれば、それ以上の点検は恐らく必要ないということであろうと、していなければ点検が必要ということになるのであろうというところぐらいまでは分かっているのですけれども、そこから先の細かな点検の手法であったり範囲であったりということは、必ずしも明確でないところが、ますます不安感を募らせている部分があります。
 ただ、国民の皆さんの信頼回復を図るという意味では、二度目の間違いは許されないという、かなり緊張感の高い作業を強いられるわけですら、国はしっかり地方と意思疎通を取っていただくということを、特に求めたいと思っております。

 

 マイナンバーカード総点検における国への要望について②
(栗原・時事通信社記者)
 意思疎通が足りないのではないかというところで、回数が足りないのか、そもそも情報が少なすぎて、自治体が分かりにくいところがあるのか、どういうところなのでしょうか。

(知事)
 それはおっしゃる通りだと思います。最終的には、ひも付けの対象になる、29でしょうか、その事務、それぞれの担当の省庁のところで、担当の部署と県なり市町村の担当の部署とやり取りをしないと、まとまっていかない話だと、これはこれで理解できるわけですけれども、それもかなり断片的であったり、必ずしも横の連携が取れてるかどうかよく分からないといったところがありまして、全体像がよく見えない中で、作業だけは特にやり方によっては、相当な作業量が生じてくるのではないかという不安感ばかりが高まっているという状況ですので、ある意味、この状況を早く解消してもらいたいというのが今の思いです。

 

 マイナンバー制度への知事の考えについて
(栗原・時事通信社記者)
 それであってもマイナンバーカード自体への信頼性は、これまで通り変わりはないというお考えでよろしいでしょうか。

(知事)
 マイナンバー制度そのものは、マイナンバー制度を要として、いろいろな行政サービスの番号とのひも付けをして、効率性だったり利便性を上げていったりと、高度な行政サービスをしていく上で不可欠だと思いますので、その部分が、今回の、いわば事務処理のミスで否定されるということにはならないと思っております。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大の指標について
(井上・高知新聞社記者)
 もう一度の新型コロナの状況の話に戻ります。
 何度か知事も流行の局面を判断されて、高齢者施設への対策などのお話がありましたけれども、流行の局面を今、定点観測という形ですけれども、どのように把握するのか、国全体の把握に沿っていくのもあるでしょうけれども、高知県独自で何か把握していく術はお考えでしょうか。

(知事)
 正直、高知県独自で自信を持ってというものがあるわけではないと思っています。やはりいろいろな情報、知見が蓄積するのが厚生労働省だと思いますから、そちらの意見ないし、示される基準、考え方、ガイドラインがぜひとも待たれると思います。
 ただ、あえて皮膚感覚的に申し上げますと、やはり救急医療の逼迫状況が過去の経験を見ましても、現実に県民の皆さんの生活に一番のダメージが及んでき得るところだと思います。そういう意味で沖縄県がそれに近い状況であるという話もお聞きます。
 また新しいフェーズにコロナも変化している可能性もありますから、ある程度、要警戒という段階になれば、今であれば、沖縄県なども含めてですけれども、感染状況が先行していると思われるような他の県とも密に情報交換をして、厚生労働省にも強く情報の提供、ないしはアドバイスを求めるというようなことで、判断の参考にしていきたいと思っております。

 

 新型コロナウイルス感染拡大による医療機関の逼迫時の対応について①
(古谷・読売新聞社記者)
 今の状況では医療機関での逼迫はないというお話がありましたけれども、改めて今後、医療機関の逼迫状況になった場合に、これまでの経験を踏まえて、どういう対策を取られるか、改めてお伺いできればと思います。

(知事)
 繰り返しになりますけれど、第5類になっておりますから、いろいろなところの判断のひとつのよりどころが、季節性インフルエンザ並みということだと思います。健康対策課とも先ほど 議論しましたけれども、過去も季節性インフルエンザでも、それが相当なひどい流行になると、救急医療などに悪影響を及ぼしたケースがあるということですから、そうした経験値ですと か、他県の状況、国の情報をトータルに判断して、医療機関の方々、あるいは消防機関関係の方々のご意見も伺った上で何ができるか、また何をすべきかというところを判断をしていきたい と思っております。

 

 新型コロナウイルス感染拡大による医療機関の逼迫時の対応について②
(古谷・読売新聞社記者)
  特に危機感を持っていらっしゃるのは、救急医療の面ですか。

(知事)
 現実には、救急医療の場面が一番象徴的に表れると思います。やはり過去のコロナのケースを見ましても、一般の救急医療であったり、一種の高度医療でも手術に人員が割けないといったりした状況になりますと、コロナの感染そのものをきっかけとして、コロナに感染されていない方々も含めて、県民の重要な医療を左右をするという局面に至っているというのが、我々からしますと、最も警戒すべき状況だと思っております。そういったところに至っているかどうかというところが、最終的な判断の一番のポイントではないかと思っております。

 

 参院選徳島・高知選挙区における高知県ゆかりの立候補者について①
(井上・高知新聞社記者)
 幹事社質問の参院補選についてのお答えで、念のための確認なのですけれども、知事は、高知の選挙区という前提のお話をされていましたが、今回の補選は、徳島と合区選挙になるわけで、そのときに高知を地盤とする候補者、徳島を地盤とする候補者、いろいろな考え方が各党にもあろうかと思いますけれども、濵田知事のお答えは、高知の地盤の候補者が望ましいとか、そういったところの話をしたわけではないということですか。

(知事)
 県選出の国会議員について、どういうことが望まれるかということですから、お話した中身は、徳島県の場合でもそんなに大きく違いはないのではないかとは思いますが、そういった意味で申し上げましたが、補選は補選として、今回は高知県のご出身の高野前議員の後の議席になりますから、素直な気持ちとしては、もちろん高知にゆかりのある方が出ていただいた方が、これは率直な感覚としてうれしいなとか、頼りになるなという抽象的な思いがないわけではありません。
 ただ、具体的には今後、各党において議論がされることだとは思いますので、具体的な対応は今後の状況、推移をよく見守りたいと思います。

 

 参院選徳島・高知選挙区における高知県ゆかりの立候補者について②
(井上・高知新聞社記者)
 なお、確認ですけども、先ほど、まさに知事の率直な思いとすれば、各党の動きを見守るのはありますけれども、率直な気持ちとすれば、高野議員が辞職された後ということもあって、高知にゆかりがある、高知を地盤とするような候補者だったら望ましいとまでは言えないかもしれないですけれど、「いいな」というところがお気持ちとしてあるということでよろしいですか。

(知事)
 具体的にどなたがという段階ではありませんから、最終的に徳島の方が出てこられても、それは高知のこともご理解ある方であれば、それは駄目だというつもりは全くありませんけれども、全くそういう具体的な候補者像が出る前の段階の、何というのでしょうか、素直な印象論として言いますと、今おっしゃったような気持ちがないわけではないというレベルだとお察しいただければと思います。

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