公開日 2010年02月08日
更新日 2014年03月19日
知事の定例記者会見
平成22年2月2日(火曜日) 14時00分から14時50分 第一応接室
産業振興計画の進捗状況
全国学力テスト(1)
新しい歴史資料館(1)
永住外国人への地方選挙権付与法案
全国学力テスト(2)
新しい歴史資料館(2)
小沢民主党幹事長の資金問題
新しい歴史資料館(3)
「龍馬博」と400万人観光への取組
米国艦船の寄港
公共事業の配分通知
高速道路の無料化
航空路線の維持
産業振興計画の数値目標
(知事)
最初に、産業振興計画についてご説明させていただきたいと思います。お手元に3種類の資料(会見資料 本気で実行!産業振興計画 [PDFファイル/1.79MB]、産業振興計画!―実行元年の活動実績― [PDFファイル/2.41MB]、TAKE OFF PLAN 150days [PDFファイル/1.98MB])をお配りしていますけれども、最初が「本気で実行!産業振興計画」というのでございまして、従来より、毎月毎月リニューアルして、公表させていただいていますが、進捗状況について細かく記録をしているものであります。
そして、追加でお配りしておりますパワーポイントの資料がありますけれども、こちらは、産業振興計画の実行元年の活動実績について、できるだけ分かりやすくお示ししようとして作成したものであります。1月に行われましたフォローアップ委員会で、発表させていただいておりますけれども、それぞれご覧をいただきますと、1ページにありますように地産外商、食品加工、1次産業、商工業、観光、それぞれについて、どのような仕事をしてきたのかということについてお示ししてあります。
3ページをご覧いただきたいと思いますけれども、これは地産外商の成果がどうであったかということです。例えば、上段のボックスの2番目に書いてありますけれども、県外での売り込みの機会が、昨年度の約4倍になったということ。1月18日時点で48件ということであります。大企業グループとの連携が開始をされました。その結果としまして、例えば、商談成立が、既に確認されているだけで45件、1月22日現在で商談中と思われるものが200件程度ということでございます。
さらには、海外への売り込みということですけれども、下にありますようにシンガポールでは定番化(したものが)6品目、そして香港では、即日成約(したものが)12品目ということでございました。私どもとしましては、この地産外商の活動は、着実に成果が上がってきているのではないかなと思わせていただいております。
また、5ページをご覧いただきたいと思いますけれども、食品加工の分野について、上段にありますように、さまざまなスーパーバイザーの皆さんによる販路拡大の支援をしていただいた結果として、下にありますように、ユズ香油企業の工場を県外から誘致することができるようになったとか、さらには、トマトジュース工場の増設、芋菓子製造工場の増設、これが具体の雇用の創出に繋がっていくということであります。
さらに、6ページをご覧いただきたいと思いますが、土佐はちきん地鶏、ユズ、米粉、シイラ、メジカ、キビナゴ、しめさば、乳製品という形で、さまざまな形で食品加工の分野、具体的な成果に結びつきつつあるということかなと思わせていただいています。
7ページをご覧いただきたいと思います。担い手の確保ということでありますが、農業の分野については、新規就農者161人ということでございまして、前年度114名から41%増えたということであります。こういう形で、担い手確保についても前に進み出しております。
8ページをご覧いただきたいと思いますけれども、農業分野におきましても、それぞれの集出荷量が増えてきたことでありますとか、さらには、下にありますように、先日、私自身もお伺いさせていただきましたが、東急ストア、セイミヤ、関西スーパー、おおさかパルコープ、こういったところと高知野菜について、また畜産品について、パートナーシップ協定を結ぶことができております。実際に販路開拓という点で、土佐はちきん地鶏、土佐あかうし等々の地産地消を推進していこうではないかということで取り組みを進めて、結果として、土佐はちきん地鶏の取扱店は33%増加をするという形で、具体的な成果も出てきていると考えているところです。
11ページをご覧いただきたいと思います。商工業の分野では、それぞれ人材育成の分野、例えば、工業技術センターでの技術研修には、昨年度の約8倍の方が受講をいただいております。さらには企業立地、今年度中に、9件の企業立地が実現する見込みということでございまして、これによって新規雇用が400人、出荷額90億円増の予定ということでございます。
また、12ページをご覧いただきたいと思います。新しい産業への挑戦ということで、企業研究会を実施しておりますけれども、平成21年度中に4件の新しい事業化プランが認定されると、平成22年度には、21件が事業化の予定となっているところです。
さらに、観光につきましては、14ページをご覧いただきたいと思いますが、昨年の延べ宿泊者数及び観光施設への入込客数は、一定程度の増加をしてきているのではないかというふうに推定されます。7月から9月時点の延べ宿泊者数につきましては、全国では2.1%減に対し、高知県は2.6%増加。また7月から11月までの施設の入込客数は、全体では6.8%の増になります。その後、1月16日より「土佐・龍馬であい博」が開幕したわけでございますけれども、非常に入込客数等は、増加しております。「龍馬博」開幕から9日間の状況を調査しました。それによりますと、中央観光施設の14施設についての調査では、対前年比185%でございまして、85%増という状況になっています。
かなりお客さんが来てくださるようになったなという印象を受けているところです。龍馬の生まれたまち記念館400.6%、県立坂本龍馬記念館243.3%、アンパンマンミュージアム159.7%、そして龍河洞129.9%ということでございますから、それからそれぞれ100%を引いた分が増分ということになりますけれども、こういう形で入込客数は、かなり増えてきているなという感じであります。
そしてまた、「土佐・龍馬であい博」とそれぞれの社中であります。(メイン会場である)「高知・龍馬ろまん社中」では、1月31日までの16日間で入込客数は、累計2万573人、そして安芸、梼原、土佐清水を入れました4社中の合計で3万1,367人の方に入っていただいております。
それと、あともう一つ、「高知観光情報発信館とさてらす」、こちらの方の1月31日までの入場者数は、4万6,625名ということになっています。ただこれは、入口のセンサーでカウントしていますので、職員の出入りということもありますから、そこは若干割り引かないといけませんけども、相当数の方に入っていただいているということでございます。
「土佐・龍馬であい博」は、これから1年間継続していくということになるわけでございますけれども、私はこの1年間という期間、これは短いと思っています。あっという間に1年間というのは過ぎていきます。ある意味、日々状況を把握して、日々改善策というのを講じていくことをしていかないと、例えば、3カ月経ってから改善策を講じる、その効果が効き始めるのが3カ月後、すると、残りの6カ月しかその効果は及ばないということになるわけでございます。それではいけない。日々PDCAサイクルをしっかり回して改善策を講じていくと、そのようなきめの細かい対応というのが非常に必要ではないのかなと思っているところであります。
現在、各パビリオンの状況について、例えば、入場者数などについて日々把握をするような態勢を取っておるところでございますけれども、400万人観光推進チームというものを設置しまして、各地域、各地域での状況、これはパビリオンだけではありません。各それぞれの観光地の状況というのをきめ細かく把握をさせていただき、その結果というのを、よいところはもっと伸ばし、そして改善すべきところは改善をしていくという形での対応というものを図っていくようにしていきたいと考えているところです。
この「土佐・龍馬であい博」の機会を最大限に活かし切って、地産外商を大幅に進めていくための礎を築いていきたい、そのように思っているところです。
今後の産業振興計画関係の予定ということになりますけれども、2月4日に、一部において専門部会が開催されることとなっています。特に、観光は専門部会を開催します。そして、ポスト龍馬伝に向けての対応策について具体的なところの議論をしていただくという予定となっています。
その上で、2月12日に第8回の産業振興推進本部を開催しまして、産業振興計画の改訂について、この県庁側の産業振興推進本部の案というものを確定していきたいと思っています。その上で、フォローアップ委員会の先生方にご説明し、2月17日に記者発表をさせていただきたいと考えておるところです。今度の平成22年度予算におきましても、この改訂内容というものをしっかりと折り込ませていただくということになります。
議会でのご審議をいただいた上で、3月末に、もう一度産業振興計画フォローアップ委員会を開催させていただき、ここで最終的に平成22年度から実行する、新しくバージョンアップした産業振興計画が確定するということになります。
因みに、3月末に行います産業振興計画フォローアップ委員会、こちらにおきましては、地域アクションプランの進捗状況についてご審議をいただくと共に、新しく追加されることとなる地域アクションプランについてもご検討いただくということになる予定でございます。
産業振興計画、こちらも不断のPDCAサイクルを回して実行すべき改善策を講じていきながら、平成22年度からは、さらにバージョンアップした形で実施をしていきたいと考えているところです。
全国学力テスト(1)
(頼富:NHK記者)
4月の全国学力テストに関しまして、文部科学省は、去年の夏ですけれども、今までの悉皆調査を改めて全国およそ1万校を対象にした抽出調査をする方針を決めました。知事は、この9月の記者会見で、国が抽出調査に変更した場合には独自策を講じるとして、県独自にテストを実施する意向を示しましたが、予算措置の有無も含めて見解をお示しいただけたらと思います。
(知事)
今回、抽出調査ということになったわけでありますけれども、他方、抽出されなかった部分(小・中学校)についても希望があればテストを受けることができる制度になっているわけです。県としましては、従来、私が申し上げていますとおり、悉皆的な調査が必要だと考えておりますので、そのための費用は県の方で負担をするのでありますから、抽出されなかった部分につきましては、いわゆる希望できるという、その制度を使わせていただいて悉皆的に調査をしていきたいと、そのように考えています。
そのための予算措置も平成22年度予算に計上をします。また、現時点で、全ての市町村教育委員会が、この希望すればという部分について参加する意思を表明していただいておるところでございまして、悉皆的に調査をするということについての条件は整ってきているのではないかなと考えておるところです。悉皆調査をしなければ、一人一人の子どもの状況というのを、全国比較の中で把握していくということはできないということでありますから、ぜひとも悉皆調査は必要です。
そしてまた、平成20年度、平成21年度とかけて、学力向上、そしてまた体力向上等々、さまざまな形で、教育施策というのを進めてきておるところです。それがどのような効果をもたらしてきているのか。どのような点は改善していかなければいけないのかということをきめ細かく把握する必要があると、私は考えております。そのためにも、悉皆調査をするということは、ぜひとも必要です。
そしてもう一つ、抽出によってテストを受けたお子さんには、その結果というのを知らせてあげることとなります。受けてないお子さんに対しては、その結果が知らされないということではどうなんでしょうか。私は、そうでないお子さんにも、やはり自分の学力状況を把握していくということについての権利があるんだと、そのように思っています。
全てのお子さんに平等に、全国比較の視点の下で、学力状況というのをお知らせしていくと、そういうこともぜひとも必要ではないかなと考えています。
以上のことから、悉皆調査を実施する。そのための予算措置を行う方針であります。
新しい歴史資料館(1)
(頼富:NHK記者)
高知市鷹匠町にある「山内家宝物資料館」の移転をめぐりまして、移転先の候補として高知財務事務所跡地とか、県立図書館跡地など、高知城の東側が取りざたされています。県は、先日、高知市と連携しまして中心商店街の東西軸エリアの活性化検討会を立ち上げており、移転先次第では、商店街への観光客誘致とか効果というのが見込めると考えられます。候補地の選定の進捗状況について教えてください。
(知事)
新歴史館については、いろいろな要素を考えて、立地についても選定していかないといけないだろうというふうに思いますが、まず第1の視点というのが、完成可能な時期がいつになるんだろうかということです。山内家資料6万7,000点、非常に貴重な、本当に貴重な資料だというふうに思っています。高知の宝というだけじゃなしに、日本の宝だと私は思っています。これをしっかりと守っていくためにも、早くしっかり保存できるような施設が必要だということです。やはり、できるだけ早い時期に完成するということが必要ではないかというのが第1の視点。
そしてもう一つは、あれだけの資料というものを、多くの国民の皆さんにしっかり分かりやすく展示していくということが、ぜひとも必要だと思うんですよね。さらには、いろんな学問研究に資するようにとか、さらに観光振興にも資するようにとか、いろんなことを、今後考えていきたいと考えているわけですが、そのためにも、施設整備にあたっては、一定の自由度が必要だというふうに思います。いろいろな施設の、その施設の作り方について、いろんな意図した形で、いろいろ工夫ができるような施設整備の自由度。中身の作り方の自由度が、ぜひとも必要だというふうに思うわけです。建物の構造、さらには、その中でのいろんな仕組みについて、県の方で、できるだけ自由度を持って設置できるような場所が必要だろうと思います。
そしてもう一つは、新歴史館を作るということになれば、できれば、私は、一石二鳥、三鳥の効果を発揮するものになってもらいたいと思っています。高知城に来られた観光客の皆さんが、高知市の中心市街地へどんどん足を向けていっていただけるような、そのような仕掛けというものもしていきたいと考えているところでして、そういうのに相応しい立地場所というのを考えていきたいと思っているところです。
このような、完成可能な時期、それから施設整備の自由度の問題、さらには、中心市街地への誘客効果等々の点を勘案すれば、私は、現在、高知財務事務所跡地というのが有力ではないかというふうに考えているところですが、ただ引き続き、他の候補地となる可能性も否定したという段階にはございません。他の候補地との比較考量を行っていきながら、最終的にどの場所がいいかということを決定していきたいと考えているところです。
(頼富:NHK記者)
やはり、中身の自由度が必要だというところになりますと、高知財務事務所跡地への新築という案が、今のところは(有力だと考えられますが。)
(知事)
有力な案ですけども、ただ、他の場所についても否定したという段階にはありません。比較考量をしていかなければなりません。
永住外国人への地方選挙権付与法案
(頼富:NHK記者)
政府は、今の国会で永住外国人への地方選挙権付与法案の提出を検討しています。参政権をめぐっては、民主党や公明党は前向きに受け止める一方で、自民党や国民新党は反対の方針を打ち出すなど、与野党内でも意見が分かれています。地方自治に絡む問題でもあり、知事の考えをお聞かせ願いたいと思います。
(知事)
現在の地方自治の中で政策決定をしたことが国の政策にいろいろと影響を及ぼすシーンというのが、ものすごく増えてきているんだと私は思っているところです。ですから、地方参政権の付与の問題というのは、単に地方の生活の問題ということに留まるのではなくて、やはり、国政へも重大な影響を及ぼす可能性がある問題なんだというふうに捉えるべきではないのかなと考えているところです。
こういう点を考えれば、これはやはり、地方参政権の付与の問題は、国全体、国政全体にも係わる問題だというふうに捉えて、国民的な議論というのを徹底的に尽くした上で判断をしていくということが必要じゃないのかなと思っています。慎重の上にも慎重な検討を重ねて決定をしていかないと、拙速な形での決定というのは、私はちょっと、事の重大性からして、それではいけないのではないかなと、確実な、慎重な対応というのが必要ではないのかなと、そのように思っています。
メリット、デメリット、どういう問題が起こり得るのか、これを徹底して議論をして結論を出していかないと、いろいろな影響を及ぼしていく問題ではないのかなというふうに思っていますから。地方参政権だから地方だけの問題だ、なんていうことでは決してないと思います。私は、国全体に係わる問題だと思っていますから、慎重な上にも慎重に、相当時間をかけて議論をしていくということが必要だと思います。
全国学力テスト(2)
(服部:毎日新聞記者)
学力テストですけれども、予算措置ということで、希望利用の分は、国の方がデータの分析はしてくれないんですよね。
(知事)
そうですね。
(服部:毎日新聞記者)
その辺の、県が分析をするための経費ということで(予算措置をするということでしょうか。)
(知事)
(内保:共同通信記者)
山内家の宝物資料館ですけど、可及的速やかにというご趣旨だったと思うんですが、いつ頃までに候補地を決めるというような、時期的な見通しというのはあるんでしょうか。
(知事)
今度、平成22年度予算では、基本構想を作っていくために必要な経費というのを予算計上していこうかと思っているところなんですけれども、これから2月、3月も検討を続けていきます。また今度、議会でも活発なご議論をいただけるのではないかと思っていますが、そういうものも踏まえた上で、この基本構想を検討していく中で決定をしていきたいと考えています。平成22年度の少なくても上半期ぐらいには決定していかないと、時間があまり経ちすぎるといけないので、そこは、やはり早い判断というのが求められるんじゃないかなと思いますけどね。
いろいろ材料が必要ですので。文化庁にいろいろ照会をしたりとか、そんなようなことが必要だったりしていますので、今、大車輪でそういう情報を集めて検討を進めているところです。
(服部:毎日新聞記者)
資料館は、山内家の資料を核にということでいいのですか。
(知事)
そうですね。山内家(資料)を核にしていきますけども、ただ山内家資料6万7,000点の特性というのは、本当に活かさせていただきたいというふうに思いますね。
ご存知のとおり、山内家資料は、戦国時代から明治時代までをカバーしています。さらにその中には、山内家の内部に留まらず、他の戦国時代の大名家とのいろんなやり取りとか、手紙が残っておったりとかですね。それから藩政時代についても、非常にきめ細かい形で資料が残っている。しかも、これが素晴らしいのは、1個、2個、バラバラに残っているというのではなくて、時系列的にピタッと残っているわけなんですよね。
ですから、ものすごく深く、そして幅を持っていろんな歴史のことについて検討できる素晴らしい資料だと思うんですよ。深いというところについては研究に活かしていきたいと思うんですが、もう一つの幅を持っているという点については、これを機に、高知のさまざまな歴史との関わりが、この資料を核とすることで、関わりを持たせていくことができるのではないかと思うわけですよね。ですから、この関わりを持ち得るというところを最大限に活かしていきたい。
この新歴史館でいろいろと歴史展示をしていく。その関わりのある部分についても展示をしていく。そして、その関わりある部分について、より深く知りたい方は、例えば、歴史民俗資料館に行ってくださいとか、県立坂本龍馬記念館に行ってくださいとか、安芸の歴史館に行ってくださいとか、そういう誘っていくような機能も持っていきたいというふうに思っています。
いわば、そういう意味においては、「ハブ&スポーク[一つの拠点に他の拠点が複数つながる構成のこと]」という言葉がありますけど、高知県の歴史観光のハブとなるような施設にもしていきたいと思いますね。山内家資料の幅の広さで、そういうことが可能になるんだと思っております。
(亀岡:朝日新聞記者)
高知財務事務所跡地を一応、考えていることのようですけれども、その可能性の一つとして、国の方とはそういうやり取りは始めていますか。
(知事)
それは、先ほど申し上げたように、可能性があるかどうかということは、いろいろ情報を集めていかなければいけませんからね。それで、担当者が高知財務事務所に出向いて情報収集を実施しましたところ、高知財務事務所としては、売却については、まず地方公共団体に購入意思の照会を行った上で、鑑定評価に基づく価格での売却を行うということでありますから、県としても用地取得は可能ではないかというふうに判断しているということです。
(亀岡:朝日新聞記者)
財源に関してはどう考えますか。
(知事)
その財源がどうなるかということも、先ほど申し上げた比較検討の大きな材料になってくるというふうに思いますけどね。
ただ一つだけ言えることは、山内家資料を、今のままで置いておいてはいけないということです。いずれにしても、山内家資料を、しっかりと保存・展示するための施設というのは作らなければならないということですね。ですから、その中で、この新歴史館という形にしていくことによって、どれだけ増分が出るんだろう。他方で、増分に見合う以上の、遙かに見合う以上の効果が出るようなものとするには、どういうことができるんだろうかと。そういうことを、よくよく考えていって、最終決断をしていくということかと思います。
(亀岡:朝日新聞記者)
県単独事業でやられるということですか。
(知事)
作り方、作る場所によっても違ってくると思いますから、そこの検討は、まだ結論が出ていません。
(畑本:読売新聞記者)
先ほどですね、平成22年度の上半期には検討をしておかないといけないというふうな言い方をされたんですが、場所についても、(検討に含まれるのですか。)
(知事)
場所も決めていかないといけないんじゃないかなと思っていますね。そうしないと、早く作っていかなければいけいないのじゃないかと思っている中で、あまり先伸ばしということもできないんじゃないかと思っていますから。
(服部:毎日新聞記者)
場所なんですけど、県立図書館の移転先もまだ決まってないんですけど、その跡地というのも視野の一つに入っていますか。
(知事)
(畑本:読売新聞記者)
国政の方でお伺いしたいのですが、小沢さんの資金問題ですね。報道されていますし、今の政権にとって足かせのような状態にもなっていますけども、これについては、小沢さんが国民に十分説明できているのかどうかということが一つポイントになると思うんですが、地方自治体の首長としてみてですね、同じ政治家でもありますし、今の説明の仕方が十分に国民に届いているとお感じになるかどうか聞かせていただきたいのですが。
(知事)
記者会見を実施されてご説明をされたわけですけれども、その後ですね、世論調査の中では、まだ十分ではないのではないかというご意見がかなり多かったというふうに承知をしているところです。やはり国民の皆さんが納得したという形になるまで、私は、ああいう問題は繰り返し、ご説明をしていかれるということが大事ではないかと思っていますけどね。
新しい歴史資料館(3)
(半田:高知新聞記者)
山内家の資料館に話を戻しますけど、条件ですよね。県立図書館の改築はかなり先ですが、条件を早く、しっかり保存とかいうことにすると、高知財務事務所跡地への移転というのは、単に有力とかいうレベルではない思いが知事にあるのではないかと思うんですけれども、いかがですか。
(知事)
先ほど申し上げたとおりです。
(半田:高知新聞記者)
有力なということですか。
(知事)
有力な選択肢ですね。完成可能な時期、施設整備の自由度、中心市街地への誘客効果などと言いましたが、もう一つは、単純に言えば財源問題というのもありますしね。ただ、同じ立地場所でもどう作るかによって財源は全然違ってくるので。ただ、ご存知のとおり、同じ場所でも、安く作れば、その分いろいろ施設の自由度はどうなんだろうかとか、充実度はどうなんだろうかとか、そういうようなところも出てきたりしますから、いろんな問題を、パズルを解いていくように考えていかないといけないというふうに思っています。
「龍馬博」と400万人観光への取組
(小林:高知新聞記者)
それに付帯して、300万人から400万人観光を目指してポスト龍馬伝をどうするかというのは、非常に、知事も熱心に観光施策をお考えなんですが、外から来る観光客が何を高知に求めてくるんだろうかということを深く考える上で、やはり、高知城が年間20万人、それを、300万人を400万人にするには、もっと来るような、例えば中心市街地、はりまや橋も含めて一体的に高知の県都の観光地を、桂浜もそうですけど、それをどうすればいいのかということをもう1回、これでいいのかというのを考える必要もあるのかと思うのですけど、あるいは高知城の今の在り方とか、本当にあの見せ方でいいのかとか、その辺に関してはどういうご認識をお持ちでしょうか。
例えば、彦根城なんかは、話しを聞くと二の丸、三の丸はいろいろ復元したり、能の舞台なんかも作ったりして、20万人が100万人、ちょっと数字ははっきり分かりませんが、かなりの数を誘客(している)。「ひこにゃん」とか、キャラクターなんかもいますけど、ああいう形で非常に人が集まる形にできているように伺いますけど、そういったことなど踏まえてどうなんでしょう。
(知事)
高知城から始まる東西軸エリアの活性化について 今、盛んにご議論いただいているところですが、その中でも、高知城については、いろいろと、「もっとこう改善できないか」とか、いろいろご議論が出てきているところです。ただ、小林さんがおっしゃった、「より本格的なそういう集客施設というのを本格的に作っていくべきではないのか」とかいうことも含めて、いろんな検討が、今後あり得るんじゃないかというふうに思いますけれども。
財源の問題もありますので、そこら辺り、よくよく考えていかないといけないというふうに思いますが、一般論として言わせていただければ、今年、いろいろな貴重な教訓を、高知県は得ることができるだろうと思うんですね。それぞれの観光地が、こういう見せ方をして工夫した瞬間、すごくお客さんが来るようになったとかですね、こういう工夫をしたんだけど意外に伸びなかったとか。こういうツアーがものすごく受けたとか、いろいろあるというふうに思うんですけどね。
まず、今年の分について「土佐・龍馬であい博」を完全に活かし切るためにも、先ほどPDCAを回すと言いました。「土佐・龍馬であい博」の途中で息切れもしないように、とにかく、今年発掘したことについて、すぐさま改善を図っていくということなんだろうというふうに思いますけれども、さらに加えていって、そこで得られた、PDCAによって得られたいろいろな教訓というものを、ポスト「龍馬博」に向けた、それぞれの地域での取り組みというものに活かしていくということが、ぜひとも重要じゃないかなというふうに思っているところです。
ですから「土佐・龍馬であい博」に向けて、先ほど、私は、「400万人観光推進チーム」というふうに言いましたけど、単に「土佐・龍馬であい博」のPDCAチームではないんですね。「400万人観光推進チーム」という名前にしているということはどういうことかというと、そこでの経験を土台として、400万人に向けていろんな施策を練っていこうという思いがこもった名前だというふうに思っているところです。
(伊藤:日本経済新聞記者)
「龍馬博」でですね、現時点で見えてきた課題というのは、どういうとこですか。この間フォローアップ委員会で課題が見えてきたとおっしゃってたんですが。
(知事)
もう少し、もう1回、動態調査をしてみないといけないと思うんです。お客さまに「どこから来られて、どこへ行きますか」という調査をしてみないといけないとは思うんですけれども、端的に言って、こういうことが課題だというふうに思います。それぞれの地域のパビリオンに行っていただいてから、さらに、その周辺の、その他の地域に行かれるというところまでについて言えば、もう一段の工夫が必要じゃないかなというふうに思っているところですね。
ちょっと地名は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、パビリオンのある地域に行きました。そのパビリオン周辺のいろんな施設というのは見ていただいているんですけども、その隣りの隣りの市町村にまで足が延びているかというと、ちょっと、そこまでは足が延びてないんじゃないかということが推定をされているところです。ですから、各パビリオンからもう一段、もう1歩、2歩、足を延ばしてもらうような仕組みの強化と言いますか、それが非常に必要じゃないかなというふうに思っているところです。
それと、これは嬉しい話なんですが、「土佐コレクション[トサコレ:食どころ、見どころを紹介するリーフレット]」を、「とさてらす」に置いてあるのはご存知でしょう。非常に好評をいただいておりまして、多くのお客さまが「土佐コレクション」を見ていただいている。さらにありがたいのは、出張客の方とかが、JR高知駅に下りてから、「とさてらす」にひょいと入ってこられて、「夜おいしい所に行きたいんだけども、どこか紹介してくれませんか。」と言ったら、「土佐コレクション」で紹介するとかの形で、観光客以外の方にも波及効果が出てきているかなと思っているんです。
ところがやはり、全部で70ぐらいあるんですけど、これも売れている物と売れていない物があるんですよ。屋台というのが、ものすごい人気らしいですけど、例えば屋台コースは1個しかないんですね。もっと売れているんだったら屋台コースの数を増やしたらどうかというのもあれば。
(リーフレットを見せながら)これなんですけど、人気ナンバーワンのものらしいです。皆さんもよく行かれていると思いますけど。
他方で、残念ながらあまり売れてないのもある。そういう場合どうするかというと、売れている物のタイプの数をもっと増やす。売れてない物についていえば、止めるかもしくは改善するかということが必要になってきますよね。
ただ、やっぱり売れ筋商品は何で、そうでないものはどうか、というようなことを日々把握して、その結果というのを、こういう情報提示なんかにも日々活かしていくなんていうことも、ぜひ必要だろうというふうに思っているところですけどね。
他にも課題はあると思っています。物販についても、地域のイベント展示とか。ある意味、予想を越えるぐらいお客さんが来てくれていますので、ある意味、私は、機会損失になってはいないかなんてことも思っていまして、もっと物販をPRできないかとか、来ていただいた人に、もっと高知県の文化というのをPRするイベントなんかを打っていったらどうかとか、そんなようなところなんかも、それはどちらかというと、機会損失といいますか、その辺りを、もう一段活かしきる工夫というのがあるんじゃないかとかいうことを思っていますけどね。
米国艦船の寄港
(小笠原:高知新聞記者)
宿毛湾港に、今、(米国艦船の)LAKE ERIE[レイク・エリー]が寄港しているのはご案内のとおりなんですが、許可の話ではなくて、2006年以降ですね、イージス艦の寄港がこれで3回目ということで、(1月にあった)その他の米艦船の宿毛への(寄港の)打診を含めて、そういう米国の艦船の来る頻度というのは、以前に比べて、増えているのは確かなんですけれども、これに関する、いわゆる頻度が高くなっていることに関する知事の認識ですね、何かありましたらお願いします。
(知事)
頻度が増えているのかどうか、そのことについてまだ、これぐらいの期間で、頻度が増えてる、増えてないという判断をすることはできないと思いますが、それに関連して、米軍の宿毛湾港の常態的な使用であるとか、軍港化とかいうご議論がある場合もありますけど、私は、それは違うんではないかというふうに思っています。宿毛湾港は商業港ですから、基本的には民間の利用というのが、常に優先をされるわけでありまして、空いてなければ米軍の寄港というのはできない。我々は許可することはできないということになるわけでありますから、それを常態化とか、軍港化とかいう議論は、違うんじゃないかというふうに思いますね。
公共事業の配分通知
(内保:共同通信記者)
来年度の予算の関係なんですけれども、来年度の公共事業の配分方針がですね、今回、政権が代わって、民主党は、都道府県連を通じて各自治体に通知しました。これは、いろんな言われ方をするんですけども、インフラ整備というのは、本来は政府の議論なので、政府が自治体に通知するのが筋ではないかなと思ったりするのですが、知事の所見をお願いします。
(知事)
情報が入ってくるルートというのは、1個に定めなければならないということではないだろうというふうに思うんですよ。だから、複数のルートから情報が入ってくるということについて、私は、別に、それはそれで構わないんじゃないかなと思いますが、ただ、実際には、この箇所に何億円と決まったとしても、事業は、その区間の中でやることはいろいろあるじゃないですか。そういう技術的な点について、いろいろと具体的に細かく、知りたくなったりしますよね。
またそうでないと、こっちの対応というのが困ったりする場合もございます。それはやっぱり、政府間といいますか、政府の方から、国土交通省関係で言えば、地方整備局の方から、きちっと、こういうことになりましたよということを説明いただきたいなというふうに思いますけどね。それも必要だと思いますよ。そうじゃないと、詳細なところは分かりませんから。
(内保:共同通信記者)
手法について、特に何かありませんか。
(知事)
手法については、それだけというのであれば、先ほど申し上げたように地方整備局からの通知というのもないといけないと思うし、地方整備局と議論をしないといけないというふうに思っています。ですから、それだけということであれば、それはいけないと思いますけど、それもやって、地方整備局からも説明もあってということであれば構わないと思います。
高速道路の無料化
(亀岡:朝日新聞記者)
高速道路の無料化の話ですけど、今、国の方でいろいろ(議論)しておられるようですけど、6月ぐらいにはそういう(無料化の)形で試行的にやってみようかという話になっているようですが、どこの路線を無料化にしていくのか、特に地方高速道路のですね。そういう時に、高知自動車道が無料化になっていく見通しというのはどうなのか。それから、実際に、そういう無料化になるということ自体を、知事としては歓迎されるかどうか。その辺りをお伺いしたいのですが。
(知事)
無料化の試行的実験を行っていく路線というのは、恐らく今日発表されるのではないかというふうに思いますけれど、予算が当初想定されていた額から大幅に、政府の方から削られましたよね。
それともう一つ、無料化に伴う光と陰と言いますか、陰の部分の議論というのが非常に活発になってきたのじゃないのかなというふうに思っています。JRへの影響でありますとか、その他、公共交通機関全般に対する影響というのも盛んになってきたんじゃないかと思います。
結果として、高速道路の同じ無料化路線を実験的に選ぶと言っても、恐らく、当初想定していたような政策効果を目指していたものとちょっと違ってきたのじゃないかなと思うんですよ。当初は、東名とか、山陽とかいう大幹線はやらないにしても、地方の幹線を無料化することは想定されていたのではないかと思うんですね。
ですから、これは、観光振興とか、物流面とか、ダイレクトに関わってくる問題ですし、また、公共交通機関に対しても、大きな影響を与える問題だったんだろうと思いますが、今の予算規模で、推定されるところだと、どちらかというと枝線というか、端っこの方とか、交通量の少ない所が無料化されるということになってくるんじゃないのかなと。そういうことになると、例えば、観光とか、経済に与える影響というのは、やはり限定的なんだろうと思うんです。
ただ先ほど亀岡さんがおっしゃったように、大きいのは6月にかけての議論だと思いますね。全体としての上限を設定していく。価格を設定していく。この上限価格の設定がどうなるかというのは、これは大きな、国全体の経済に大きな影響を与えるだろうというふうに思っています。これについて、どうあるべきなのかという議論というのは、我々も活発に、いろんな声を上げていかないといけないんじゃないのかなと思っているところですけど。
併せて、特にJRの中でも厳しいJR四国、それから公共交通の中でも厳しいところ、そういうものに対する一定の支援措置支援措置も講ずることを検討しながら上限価格をどうするかという議論というのは、展開していかないといけないという話になってくるんじゃないのかなというふうに思いますけれどもね。
ただ、まだ確定的に言えないのは、今日、(路線区画が)発表になるので、路線がどうなるかによって、もしかしたら幹線やるかもしれないし、ですから、それを見てからお答えさせていただきたいと思います。
航空路線の維持
(亀岡:朝日新聞記者)
ちょっと運輸関係で、空の話なんですが、日航が、ああいう形で再スタートを切られてですね、それぞれ地方路線をどうしていくのかという議論がかなり激しくなっていまして、その中で、例えば、この近くの徳島辺りにですね、全日空が参入されるとか、いろんな動きが入ってきておりますけども、例えば、日航辺りがそれを、高知は東京便と両方入ってきているわけですけども、日航はもう撤退するとか、簡単には、そうはならないとは思うんですけども、そういうことも含めてですね、もちろん、利用者としては、両方の企業が割り振りいただいて、頑張っていただいた方が助かるんだと思うんですけども、そういう形でいうと、一方が撤退されるとか、そういう話になるかと由々しき話になると思うんですよ。その辺、県として、どういう形で、具体的には、例えば、日航を捉えて支援するような、県としての支援策みたいな考えが、おありになるのかどうか。その辺を(お聞かせください。)
(知事)
路線維持、それから利便性の向上というのは、本県にとっては非常に大きな課題だと思っていますので、高知・名古屋線、それから高知・福岡線、ともに日航さんですけど、これについては、国の空港の着陸料を県が支援する。これは、結構珍しい施策だと思うんですけど、そういう施策を去年から打ってきているとことですね。
しかも、それに留まらず、我々にとっては地産外商の機会ということでもあるんですが、名古屋の小牧空港の傍のショッピングモールの所で高知県のアピールをさせていただいたり、PRをさせていただいたりということで、利用客の増ということを狙って取り組みをやったりとか、そういう取り組みをしてきましたですね。
やはり本県が、大きく伸びていくためには遠隔地と繋がっていく公共交通をいかに維持するかというのは、ものすごく大きな課題だと思うわけですよ。これは、地産外商の促進のために非常に重要な政策だと思いますから、具体にどういう対応をしていくかということは、またいろんな、時々の検討を加えていきますけれども、その路線維持のためのいろいろな支援とか取り組みとか、そういうことは行っていきたいというふうに思ってますけどもね。
産業振興計画の数値目標
(畑本:読売新聞記者)
産業振興計画に関連するんですが、昨日、議会の経済活性化・雇用対策特別委員会の最終報告案がまとまりまして、その中で、確かにというところなんですが、数値目標のですね、産業振興計画の中に、県民に分かりやすく、結果がどうだったのかという判定ができるような目標設定を明記すべきであるという意見が盛り込まれているんですが、これについて、平成22年度のブラッシュアップの中で、実際どういったものを盛り込んでいこうという、具体的なお考えはありますか。
(知事)
徐々に徐々に、前に進んでいけばいくほど、本当の意味で、検証の可能性のある数値目標を増やしていけるだろうというふうに思うんですよ。あまりやみくもに設定した目標ということであっては、検証の可能性のある指標ということにはなりませんね。やっぱり、ある程度、詰んだ検討が行われる。
さらには、実際やってみて見えてきた課題なんていうのも踏まえた上で、その数値目標というのは、現実的な形での数値目標ですよ。もちろん意欲も含めてのことですけど、設定されてくることになるんだろうというふうに思っているところです。数値目標の設定というのは、段々、段々、数を増やしていくということになっていくんじゃないでしょうか。
今回、ご存知のとおり、地産外商公社関係で新しく数値目標を設定することになったわけですけども、あれなんかも、今まで県議会でいろいろご指摘いただきました、そのご指摘も踏まえて、新たに設定をすることとし始めたものということになります。
(中村:広報広聴課課長補佐(広報担当))
以上をもちまして、記者会見を終了します。どうもありがとうございました。
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