公開日 2012年03月27日
更新日 2014年03月31日
<12>これまでの取り組みの総括(3)福祉分野 〔平成24年3月27日〕
平成22年2月に策定した「日本一の健康長寿県構想」。
これまでの約2年間の取り組みを通じて見えてきた成果や課題を紹介します。
今回は福祉分野です。
1 ともに支え合う地域づくり
こどもから高齢者、障害者など誰もが気軽に安心して利用できる「あったかふれあいセンター」は、「集う」を中心に地域の実情に合った小規模で多機能な福祉サービスの拠点として、今年度は31市町村40か所で実施しています。
健康づくりや世代間の交流、外出支援などによる介護予防の効果や、訪問活動による生活課題の把握などを通して必要な支援へのつなぎを行うなど、既存の制度サービスでは行き届かない、きめ細かな支援を行っています。
24年度は、「訪問・相談・つなぎ」「生活支援」の機能をより一層強化することで、福祉サービスの拠点としての活動の充実を図ります。
また、福祉を支える人づくりと担い手の確保については、今年度、高知県社会福祉協議会に総合的な福祉人材の育成を行う「福祉研修センター」を新たに設置しました。24年1月末現在で、延べ159の研修を行い、6,118人が参加されています。今後も引き続き、福祉の専門職や地域福祉の担い手の育成をこれまで以上に進めていきます。
2 高齢者が安心して暮らせる地域づくり
中山間地域では、多様な介護ニーズがありながら、利用者が点在していることで訪問等の効率が悪いため、在宅介護事業者の参入が十分に進んでいませんでした。このため、今年度から採算性の厳しい地域での訪問介護や通所介護などのサービス提供に対し、訪問及び送迎の費用の一部を市町村とともに助成しています。この結果、昨年12月末現在で、13市町村、63の事業所が助成を受け、437名の方への介護サービスが確保・充実されました。
24年度もこの助成を行い、中山間地域での介護サービスの充実を図ります。
認知症の早期発見、早期治療の体制づくりでは、医療と介護の連携により、認知症の方やその家族の支援を行うため、昨年4月に「認知症疾患医療センター」を新たに設置しました。また、介護の悩み等に関する相談や支援を行います「認知症コールセンター」では、昨年4月から1月末までに353件の相談があるなど、地域における認知症の人とその家族への支援を行っています。
今後も、地域ごとに介護家族が交流する場づくりへの支援などに取り組みます。
3 障害者が生き生きと暮らせる地域づくり
発達障害への支援体制づくりでは、児童精神医学分野の世界的な権威であるスウェーデン ヨーテボリ大学のC.ギルバーグ博士と連携して、子どもの発達や心の問題に対応する専門医師の養成に取り組むこととしており、昨年11月には、ヨーテボリ大学と本県との間で、協定を締結しました。
今年4月には、ギルバーグ博士のご指導のもとに、共同研究や症例検討などを行う「高知ギルバーグ発達神経精神医学センター」を設置し、全国の児童精神医学を志す若手医師の受入先となるように取り組みを進めていきます。
また、高知医療センター精神科病棟の整備を行い、4月には、本県の精神科医療の拠点となる「こころのサポートセンター」(精神科、児童精神科)がオープンします。
このセンターでは、四国では初めてとなる児童精神科の専門病床を備え、発達障害や精神疾患などで入院が必要な子どもを受け入れるとともに、児童虐待など心のケアが必要な子どもの診療も担います。
4 次代を担うこども達を守り育てる環境づくり
共働き家庭も、そうでない家庭も、みんなが安心して子育てができる環境づくりを推進しています。市町村等が行う休日保育や病児・病後児保育、延長保育への助成など、保護者の多様な働き方に応じた保育サービスの充実に取り組むとともに、児童クラブや子ども教室への助成を行い、県下の86%の小学校で実施されています。
また、仕事と家庭の両立の推進など子育てしやすい職場環境づくりに積極的に取り組んでいる「次世代育成支援認証企業」が、今年度(2月末現在)、新たに24社増えるなど、子育て支援の取り組みが広がっています。
今後も、子育て家庭が気軽に集い、交流できる場として、子育てサークル等のネットワークづくりの推進、地域子育て支援センターのさらなる機能強化への支援など、すべての子育て家庭が安心して子育てできる環境づくりに取り組みます。
来年度からも、こどもから高齢者、障害者などすべての県民の皆様が、ともに支え合いながら生き生きと暮らすことができるよう「高知型福祉」の取り組みを進めていきます。
【第2期に向けて】
「日本一の健康長寿県構想」につきましては、今後4年間を第2期と位置付け「4年後、10年後の目指す姿を明らかにし、県民と成功イメージを共有する。」ことなど、目標をより一層明確にし、各種の施策を発展させる形で、今年2月に改訂しました。
県民の皆様とともにバージョンアップした構想の実現に向けて、保健、医療、福祉の各対策に全力で取り組んでいきますので、これまで以上にご協力いただきますようお願い申し上げます。
次回からは「第2期」構想の取り組みを紹介していきます。
【問い合わせ先】
構想全般について 健康長寿政策課 電話 088-823-9683 電子メール 131601@ken.pref.kochi.lg.jp
福祉分野の取り組みについて 地域福祉政策課 電話 088-823-9090 電子メール 060101@ken.pref.kochi.lg.jp
<11>これまでの取り組みの総括(2)医療分野 〔平成24年3月27日〕
平成22年2月に策定した「日本一の健康長寿県構想」。
これまでの約2年間の取り組みを通じて見えてきた成果や課題を紹介します。
今回は医療分野です。
1 即効性のある医師確保の仕組みを構築し、県民の皆様の期待に応える!
医師確保の取り組みにつきましては、若手医師の減少、地域の偏在、診療科の偏在という医師の3つの偏在の改善を進めるため、大学や関係機関と連携して医師確保対策を抜本強化してきました。
その結果、近い将来には高知大学医学部の地域枠の定員の拡大や奨学金制度などにより、本県で新たに職に就く医師は増加していくものと考えています。このため、高知大学医学部に「高知地域医療支援センター」を設置し、医師不足地域への医師の適正配置やキャリア形成支援による人材の育成を着実に進めて、県内医学生や若手医師の県内定着率の向上につなげていきます。
また、地域や診療科によっては医師不足の状況が待ったなしの状態になっているところもあることから、高知医療再生機構が中心となって、医師確保のための情報収集や県外在住医師へのアプローチを強力に進めるとともに、県内に赴任する医師への支援の充実など、即効性のある対策を進めています。
特に、今年3月には聖マリアンナ医科大学(神奈川県川崎市)と協定を締結し、本県の地域医療支援を目的とした寄附講座を開設します。このことにより同大学との人的交流や派遣医師の受け入れを進めていくことで、地域医療の底上げや医師の確保につなげていきたいと考えています。
これらの取り組みを着実に進めることにより、現在、不足している地域や診療科の医師の確保を図り、高知県の医療提供体制を更に充実していきます。
2 ドクターヘリの導入を契機とした救急医療体制のさらなる進化
昨年3月に高知医療センターに導入したドクターヘリは、1日平均1件の出動件数となるなど、本県の救急患者の救命率の向上と後遺症の軽減に大きく貢献しています。また、東日本大震災に際しては、高知DMAT(災害派遣医療チーム)とともに出動、被災地での患者搬送を行うなど、その力を十二分に発揮しています。ドクターヘリのほかにも、県の消防防災ヘリや3つの救命救急センターのドクターカーなどが活動しており、これらの連携を密にし、救急医療の質を一層向上させることに取り組んでいます。
また、救急現場や患者さんなどの映像を動画で救急車から病院に送ることにより、患者さんの様子を病院でも見られるようにして、適切な搬送先や搬送の方法を選定するといった、ICT技術を用いた医療機関と消防機関との連携の仕組みの検討を行っています。この仕組みの実現には、システムの機能や使いやすさの向上、常時映像を見て指示できる医療機関側の体制づくりなどといった課題もありますので、今後も引き続き救急医療協議会などを通じて専門家のご意見も聞きながら検討を進めていきます。
3 県立病院の機能充実
県立あき総合病院と県立芸陽病院では、安芸保健医療圏の二次救急など地域の医療を支える中核病院となるよう、26年4月のフルオープンに向けて、病院本体の建設などハード面・ソフト面での整備を進めています。今年4月には両病院を統合し、名称も「県立あき総合病院」に改め、精神科医療も含めて一体となった総合病院として生まれ変わります。
県立幡多けんみん病院では、幡多地域の中核病院として、地域でほぼ完結できる医療を提供しています。また、今年4月からは「地域がん診療連携拠点病院」に指定されることになりました。今後も更にその機能を強化していきます。
来年度からも、県民の皆様が、地域で安心して医療を受けられるとともに、いざというときの救急医療へのアクセスも確保できるよう、医療分野の取り組みを進めていきます。
次は福祉分野を紹介します。
【問い合わせ先】 健康長寿政策課 電話 088-823-9683 電子メール 131601@ken.pref.kochi.lg.jp
<10>これまでの取り組みの総括(1)保健分野 〔平成24年3月27日〕
平成22年2月に策定した「日本一の健康長寿県構想」を着実に実行するため、「日本一の健康長寿県構想推進会議」を四半期ごとに開催し、PDCAサイクルを通じて、常に点検・見直しを行ってきました。約2年間の取り組みを通じて見えてきた成果や課題を保健、医療、福祉の分野別に紹介します。今回は保健分野です。
1 受けよう!特定健診・がん検診~受診率向上の取組強化~
働き盛りの40、50歳代の死亡率が高い状況を改善するため、がん検診や特定健診の検診日等の情報をお知らせする個別通知、電話勧奨又は直接訪問など、市町村と連携して徹底した受診勧奨を進めてきました。その結果、がん検診につきましては、個別通知など新たな取組を行った市町村では、実施前に比べて受診者が2割程度増加するなど、受診率の向上につながっています。
来年度からは、受診促進のさらなる強化のため、がん検診と特定健診の同時実施など利便性の一層の向上、市町村や地域の団体からの受診勧奨に加えて、事業主や医療機関からの受診勧奨の強化などに取り組んでいきます。
2 予防可能ながん対策の徹底的実行!
特に、2種類の予防可能ながんに対する徹底した対策に取り組んでいます。
一つは、子宮頸がんの予防です。子宮頸がん予防ワクチンの接種費用に対する国の助成制度が開始されたことに伴い、平成23年1月から希望するすべての中学1年生から大学1年生に相当する年齢の女子に対する子宮頸がん予防ワクチンの接種を進めています。昨年12月末までに、対象者の約76%の方が接種を開始しています。
もう一つは、肝がんの予防です。肝細胞がんの約9割が、B型・C型の肝炎ウイルスの感染によるもので、ウイルスに感染したまま治療せずに長期間経過すると肝がんへと進行する可能性があります。しかし、初期の段階では自覚症状がないため、検査を受けたこともなく感染しているかどうか分からないままの方が多くいます。
このため、まずは、肝炎ウイルス検査を受診していただくよう、テレビやラジオなどを活用した広報と福祉保健所や県内358の医療機関での無料検査を行っています。また、感染している方をしっかりと治療につなげるため「地域肝炎治療コーディネーター」による医療機関での受診の働きかけや肝炎治療費の助成などを行っています。
予防に勝る治療はないと言われます。来年度もこうした取り組みを継続しますので、「予防可能ながん」について、より一層ご理解をいただきたいと思います。
3 しっかりとした歯科保健対策の推進!
「歯と口の健康づくり」は、豊かで幸福な人生と切り離すことはできません。県民の皆様が生涯を通じて歯と口の健康づくりに自ら取り組んでいただくことと、そのために適切な時期に歯と口の保健サービス、医療等を受けることができる環境を整備することを基本理念とする「高知県歯と口の健康づくり条例(愛称:歯ハハ条例)」に基づき、今年3月に「高知県歯と口の健康づくり基本計画」を策定します。
この計画に基づき、食育を含めた基本的な生活習慣の形成とフッ素の利用促進を中心とする「むし歯予防対策」、良好な歯口清掃習慣の定着を推進することによる「歯周病予防対策」、介護を要する方等が必要な時に適切なサービスを受けられる環境を整備する「高齢者等の歯科保健対策」を主な施策として、県民の皆様とともに「歯と口の健康づくり」を推進していきます。
来年度からも、県民の皆様が、自ら病気を予防し、生涯を健康に暮らすことができるよう、市町村をはじめとする関係団体の皆様と連携しながら、保健分野の取り組みを進めていきます。
次は医療分野を紹介します。
【問い合わせ先】 健康長寿政策課 電話 088-823-9683 電子メール 131601@ken.pref.kochi.lg.jp
<9>バージョンアップした「日本一の健康長寿県構想」 〔平成23年6月9日〕
日本一の健康長寿県構想は、県民の皆様が健やかで心豊かに、支え合いながら生き生きと暮らすことができる県づくりを進めるために、平成22年2月に策定しました。
市町村や関係団体の皆さまのご協力もいただきながら、保健、医療、福祉のそれぞれの分野で取組を進めてきましたが、構想策定から1年が経過し、それぞれの分野の取組を進める中で見えてきた課題、県民の皆様の要望や情勢の変化などに迅速に対応するため、平成23年2月に構想を改訂しました。
また、今般の東日本大震災では、改めて「医療連携体制」や「地域の支え合いの力」などの大切さが明らかになっていますし、日頃から住民同士の支え合いがしっかりしている地域では、いざというときにも、地域の力が十分に発揮されています。
「日本一の健康長寿県構想」の取組を進め、保健、医療、福祉の仕組みをしっかりと整えていくことが、そのまま、大災害が起こった時の備えにもつながっていくものと考えています。
今後、防災の観点も加味しながら、「日本一の健康長寿県構想」を一層推進してまいりますので、県民の皆様には、これまで以上にご協力いただきますようお願い申し上げます。
【改訂版のパンフレットができました】
○改訂版のパンフレットは、県庁の県民室、福祉保健所、ローソンやファミリーマートに置いていますので、ぜひご覧ください。
※「日本一の健康長寿県構想」は全98ページで、健康長寿政策課のホームページに掲載しています。
【改訂の主なポイントをご紹介します】
≪保健分野≫
1 受けよう!特定健診・がん検診 ~受診率向上のさらなる加速化~
特定健診やがん検診を受診するきっかけとして、直接の「声かけ」が有効であることが分かってきました。受診勧奨に取り組む地域の健康づくり団体の活動を市町村とともに支援していきます。
2 予防可能ながんにしっかり対応
この数年で治癒率が改善されるなど、治療環境が整ってきたウイルス性肝炎への対策を大幅に拡充し、早期発見・早期治療に向けた取り組みを強化します。
また、子宮頸がんについては、国の交付金を活用するとともに、本県独自の対策も加え、中学校1年生から高校3年生に相当する女子への予防ワクチンの接種費用に対して、市町村を通じて助成しています。
3 「高知県歯と口の健康づくり条例(平成23年4月施行)」を契機に、歯科保健対策を推進
豊かな人生には歯と口の健康が欠かせません。高知県歯科医師会と連携してシンポジウムを開催するなど、県民の皆様に歯と口の健康づくりに関する知識と理解を深めていただく取組を進めます。
≪医療分野≫
1 即効性のある医師確保の仕組みを構築し、県民の皆様の期待に応える!
若手医師にとって魅力あるキャリアを形成するための環境づくりに努めるとともに、即効性のある医師確保対策を強化するため、県外私立大学との連携による医師の派遣など、県外からの医師の招へいを抜本的に強化します。
2 救急医療体制のさらなる進化
本年3月のドクターヘリの導入を契機に、救急医療機関の役割分担や相互協力、最適な搬送先や搬送手段の選定など、さらに進化した新たな救急医療体制の構築に取り組みます。
≪福祉分野≫
1 あったかふれあいセンターの活動の充実
年齢や障害の有無にかかわらず、誰もがつどい、ふれあうことができる「あったかふれあいセンター」は、31市町村40ヶ所に設置されています。
「つどい」を基本に、相談・訪問活動を強化し、災害時の対応も含めて地域福祉の拠点となるよう取り組みます。
2 中山間地域の介護・障害福祉サービスの確保
利用者が少なく効率が悪い中山間地域でも、必要な介護・障害福祉サービスが受けられるよう、県独自の支援制度を創設しました。
中山間地域で、事業所から遠い地域で暮らす利用者の方々に、必要なサービスを提供する事業者に対して、県と市町村が助成を行います。
3 発達障害の早期発見・早期療育の支援体制づくり
できるだけ身近な地域において、早期に障害を発見し療育が行うことができるよう、乳幼児健診を活用した取組など支援体制の整備を図ります。
また、専門の医師が不足している現状を踏まえ、発達障害や児童問題に対応できる専門の医師を養成します。
【問い合わせ先】 健康長寿政策課 電話 088-823-9683 電子メール 131601@ken.pref.kochi.lg.jp
HPアドレス http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/131601/
<8>介護が必要となっても在宅で暮らせる仕組みづくり 〔平成23年1月27日〕
平成22年8月から、緊急用ショートステイの専用ベッドを確保する取組がスタートしました。
これは、在宅でご家族の介護をされている方の病気や怪我などにより一時的に介護ができなくなったときに、すぐに特別養護老人ホームのショートステイベッドを利用できるよう、年間を通じてベッドを確保しておくものです。都道府県単位で行うのは高知県が全国で初めてで、現在、県内の14施設で17のベッドがあります(別表参照)。開始後の5カ月で合計43人、291日の利用がありましたが、利用理由の約半数は介護者の急病や事故によるもので、また、利用日の前日や当日という緊急な申し込みが6割となっています。
この取組を始めるまで、ケアマネジャーの皆さんからは、「ショートステイを利用したくてもなかなか空きがない。」「緊急に利用したい場合にも、あちこちの施設に電話をかけてやっと見つけている。」といった声が寄せられていました。また、昨年度、特別養護老人ホームの調査を行ったところ、緊急的な利用の問合せに対し施設側が断らざるを得なかった事例が149件(うち126件はベッドが空いていないため)もありました。こうした状況では、住み慣れた家で安心して介護を受け続けることが難しいことから、県と市町村などの介護保険者が、施設の協力を得て、今年度この取組を開始しました。
また、県内の特別養護老人ホームや老人保健施設に協力いただき、ショートステイベッドの空床情報を提供する窓口を設置しました。10月からはホームページや電話での情報提供も開始しましたので、必要な時にはぜひご利用ください。
*窓口電話番号 0889-20-1650 (特別養護老人ホームコスモスの里内)
*ホームページ http://www.kochi-roshikyo.jp/modules/tinyd1/index.php?id=11
緊急用ベッド確保施設名・確保数等 | 部屋の 種類 |
|||||
安芸圏域 | 1 | 八流荘 | (安芸市) | 2床 | 多床室 | |
中 央 圏 域 |
高知市 | 2 | やすらぎの家 | (高知市) | 2床 | 多床室 |
3 | はるの若菜荘 | (高知市) | 1床 | 個室 | ||
中央東 | 4 | 陽だまりの里 | (南国市) | 1床 | 多床室 | |
5 | 香南赤岡苑 | (香南市) | 1床 | 多床室 | ||
6 | トキワ苑 | (土佐町) | 1床 | 多床室 | ||
中央西 | 7 | あがわ荘 | (仁淀川町) | 1床 | 個室 | |
8 | 春日荘 | (佐川町) | 1床 | 多床室 | ||
9 | コスモスの里 | (日高村) | 1床 | 個室 | ||
高幡圏域 | 10 | 清流荘 | (須崎市) | 2床 | 多床室 | |
11 | 梼原ふじの家 | (梼原町) | 1床 | 多床室 | ||
幡多圏域 | 12 | 千寿園 | (宿毛市) | 1床 | ユニット 個室 |
|
13 | しおさい | (土佐清水市) | 1床 | 多床室 | ||
14 | かしま荘 | (黒潮町) | 1床 | 多床室 |
本県が進める高知型福祉では、介護が必要となっても住み慣れた場所で安心して暮らすことができる地域づくりに力を入れています。今回紹介した緊急用ショートステイの専用ベッドの確保は、この中の在宅ケア体制を整える取組の一つですが、今後も高齢化が進んでいく中で、在宅生活の安心につながる緊急時の対応の必要性は一層高まるものと思われます。
このほか、高齢者の皆様が安心して暮らせる高知県を目指して、運動による介護予防や生きがいづくり、中山間地域での介護サービスの確保、介護施設のサービス充実、認知症高齢者の早期発見と支援の充実などにも、多くの関係者の皆様と一緒に取り組んでまいります。
【問い合わせ先】
高齢者福祉課
電話 088-823-9681
メール 060201@ken.pref.kochi.lg.jp
ホームページ http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/060201/syoto.html
<7>安全・安心な出産環境をつくるために 〔平成22年12月8日〕
高知県は、1歳未満の赤ちゃんの死亡率(乳児死亡率)や、生まれた時の体重が2,500グラム未満の低出生体重児の割合が全国に比較して高く、特に乳児死亡率は平成16年からの5年間のうち全国ワースト1位に3回もなっています。この要因は様々ですが、出産前後の期間(周産期)における母体の管理と医療体制の充実が、こうした状況の改善には不可欠です。
日本一の健康長寿県構想の中では、「周産期死亡率・乳児死亡率の改善」を重点項目に位置付け、この対策に取り組んでいます。
対策のうち、特に県民の皆さまにも一緒に取り組んでいただきたいのが「妊婦健診」です。妊娠・出産は、病気ではありませんが、周産期の母体には大きな負担がかかり、お母さんの体とおなかの赤ちゃんに何らかの異常が生じることがあります。このため、妊婦さんには、妊娠週数に応じ定期的に医療機関や助産所で妊婦健診を受け、妊娠が順調か確認していただき、仮に異常があったときは早期に発見することが必要ですが、残念なことに、健診を受けていない、受けられない方が多くいます。
その理由としては、健診費用の問題のほか、仕事が忙しい、また、職場に健診休暇制度がなく休みづらいと考えていることなどがあります。
このうち健診費用については、出産までに最大14回分の費用の助成があります。妊婦健診は妊娠6ヶ月までは4週間に1回、8ヶ月までは2週間に1回、それ以降は1週間に1回が望ましいとされています。お住まいの市町村で母子健康手帳と一緒に14回分の受診券が渡されますので、妊娠が分かったらすぐに妊娠の届け出を行っていただきたいと思います。
また、仕事の問題は、本人だけでなく周囲の皆さんの理解と協力が不可欠です。事業主や職場の皆さんにも健診の必要性を知っていただき、また、それが出産や子育てに理解ある職場環境につながっていくことを期待しています。そのために、妊婦健診を定期的に受けることの重要性を理解いただくためのインパクトのあるポスターを作成し、10月下旬から県内の事業所にお送りしています。
一方、周産期の医療体制については、高知医療センターに設置した高知県総合周産期母子医療センターを中心に、県内医療機関、分娩取扱施設の医療従事者の資質の向上を図るための研修や、小児・産科医確保のための処遇改善の取り組みを行う医療機関等への助成を行うなど、医療体制の確保に取り組んでいます。センターではハイリスクな妊婦さんや赤ちゃんの命を守るため、母体及び新生児の搬送受入れを中心的に行い、24時間体制で医療を提供するほか、他の医療機関で受け入れ困難な場合のコーディネートの役割も担っています。また、福祉保健所では様々な相談に応じています。妊娠や出産に不安をお持ちの方は、受診されている医療機関だけでなく、お住まいの地域の福祉保健所にご相談ください。
かつて、地域社会が担っていた出産や子育てを見守ることが、都市化と過疎化、核家族化が進む今日では果たせなくなっています。だからこそ安全・安心な出産環境をつくることは社会全体の役割と捉え、皆さまとともに取り組んでまいりたいと考えています。
[お問い合わせ先] 健康対策課 電話:088-823-9678(母子・難病対策担当) 電子メール:130401@ken.pref.kochi.lg.jp
<6>「とさ禁煙サポーターズ」が誕生しました! 〔平成22年10月6日〕
9月26日、41人の第1期「とさ禁煙サポーターズ」が誕生しました。
とさ禁煙サポーターズは、禁煙のきっかけづくりや禁煙のサポートに取り組んでいただく皆様です。それぞれの地域で、禁煙に関する様々な情報を提供したり、個々の喫煙者に合う禁煙方法を紹介していただくこととなっています。
ご存知のように、たばこは、肺がんの原因として知られていますが、心臓や血管にも大変悪い影響を与えます。また、妊婦が喫煙すると、喫煙しない場合に比べて、低体重出生や周産期死亡、妊娠・分娩合併症など、母体や赤ちゃんへのリスクが大きく高まります。喫煙が原因で死亡した方は、平成12年に全国で男性9万人、女性2万4,200人の合計11万4,200人に達しています。
また、たばこを吸わない方でも、「受動喫煙」といって、周囲からの煙を吸うことで自分も少量のたばこを吸ったのと同じ状態になります。受動喫煙では、フィルターを通さない「副流煙」を吸いますが、喫煙によりフィルターを通じて吸う「主流煙」に比べ、「副流煙」の方が約2倍から4倍の有害物質を含んでいます。喫煙は、周りへの影響が大きいのです。
県では、日本一の健康長寿県構想の取組の1つ、「よさこい健康プラン」を推進しています。「運動」「栄養・食生活」「たばこ対策」「歯の健康」「こころの健康」「特定健診」の6項目を柱に、県民一人ひとりが自らの健康状態を把握し、生活習慣病などの予防に取り組んでいただくものです。
たばこ対策は、何より禁煙が一番です。たばこを常習的に吸うことは「ニコチン依存症」という病気であり、自分の意志だけではなかなかスムーズに禁煙はできません。
しかし、禁煙を手助けしてくれる方法はいろいろとあります。病院での禁煙外来で禁煙指導やカウンセリングを受けたり、ニコチンパッチなどの禁煙補助剤で、ニコチンの量を徐々に減らす方法など、自分にあった方法を見つけていただきたいと思います。
こうした禁煙へのチャレンジをサポートするのが「とさ禁煙サポーターズ」です。今年度は、「たばこ対策」の重点事業として、薬剤師の方々を対象に講習会を開催し、薬局やそれぞれの地域で禁煙を考える皆様の応援をしていただくこととしました。今月3日には、2期目のサポーター12人も誕生しました。
とさ禁煙サポーターズの方々には、修了証とともに、サポーターズバッチとシール(右の写真)を配布しておりますので、禁煙を考えている方は、バッチをつけた薬剤師さんやシールを貼った薬局を見かけたら、ぜひ気軽に相談をしてみてください。
*とさ禁煙サポーターズのお名前は、健康長寿政策課のホームページに掲載しています。(了承いただいた方のみ)
健康は、誰もの願いであり、家族や地域、社会全体にとっても大事なことです。県民の皆さま一人ひとりが自らの健康状態を把握するとともに、健康づくりを身近なことと感じて、健康づくりの気運を盛り上げていきましょう。
〔問い合わせ先〕
健康長寿政策課 電話088-823-9675 電子メール 131601@ken.pref.kochi.lg.jp
<5>こうちの健康情報誌「Salud Kochi(サルゥ・コウチ)」を紹介します 〔平成22年9月1日〕
日本一の健康長寿県構想の取組の一つに「よさこい健康プラン21の推進」があります。これは県民の皆様一人ひとりが自分の健康状態を十分に把握していただくことで、生活習慣病などを予防することや健康寿命を延ばすことを目的とした計画です。
このプランの実行には、若い世代をはじめ一人でも多くの県民の皆様が、健康づくりを身近なことと感じて、「健康で暮らすために何かやってみよう」という気持ちになっていただき、家庭や学校、職場、地域など社会全体で健康づくりを進めようとする盛り上がりができてくることが必要です。
このため、このプランの6つの柱(運動、栄養・食生活、たばこ対策、歯の健康、こころの健康、特定健診・特定保健指導)や健康づくりに取り組む団体などの活動を分かりやすく紹介する情報誌「Salud Kochi(サルゥ・コウチ)」を昨年6月に創刊しました。「Salud」(サルゥ)はスペイン語で健康を意味する言葉です。
今年度は6回の発行を予定。毎号5万部発行しており、県内の学校や企業、団体などへお送りするほか、県庁1階の県民室、県立図書館、県内のファミリーマート、ローソン、量販店、道の駅に置いています。ぜひ手に取ってあなたとあなたのまわりの方々の健康づくりを考えてみてください。
8月に発行した第6号のテーマは、「こころの健康」です。
高知県は、自殺する人の割合が全国でも上位にあります。自殺の原因・動機は、健康問題、経済・生活問題、家庭問題など様々なことが考えられますが、自殺に追い込まれる過程では、多くの方がうつ病やうつ状態におちいっているということが分っています。ストレス社会といわれる今日、働き盛りの世代だけでなく、若い人たちにもこころの健康が保てなくなる人が増えている現状について、精神科の医師にお話を伺い、こころを健康に保つためのアドバイスなどを掲載しています。
こころの不調を抱え、不安の中で毎日を過ごしていませんか?まわりに気になる人はいませんか?悩みや不安はひとりで抱え込まずに、周りの人や福祉保健所などに相談してください。
また、サルゥ・コウチでは、禁煙や分煙に取り組む「空気もおいしい」認定店を毎号2店舗紹介しています。今回は、高知市といの町の飲食店を紹介。お得な割引券も付いています。さらに、どなたでも参加できるウォーキングなどの運動イベントの情報を載せていますので、ぜひ参加してください。
<サルゥ・コウチの今後の発行予定とテーマ>
第7号(平成22年10月) 「栄養・食生活」
第8号(平成22年12月) 「歯の健康」
第9号(平成23年2月) 「運動の推進」
第10号(平成23年3月) 「特定健診・特定保健指導」
・サルゥ・コウチのバックナンバーはこちらをご覧ください。http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/131601/
〔お問い合わせ先〕
健康長寿政策課 電話 088-823-9683 電子メール 131601@ken.pref.kochi.lg.jp
<4>ともに支え合いながら生き生きと暮らすために 〔平成22年7月 5日〕
日本一の健康長寿県構想の柱の第三「ともに支え合いながら生き生きと暮らす高知型福祉の実現」についてご紹介します。
本県は、死亡者の数が出生者の数を上回る「人口の自然減」に全国に15年先行して陥り、その傾向は今も拡大しています。また、中山間地域などを中心に人口減少や高齢化が進み、高齢者だけの世帯割合も高くなっているなど、地域社会の担い手が減っている現状があります。昨年度の県民世論調査でも、約6割の方が近所付き合いや地域での支え合いの力が弱まっていると答えています。このためにも、介護や障害者の自立支援、子育て支援など公的な福祉サービスが必要ですが、国の定める全国一律の基準では、本県のような少人数でありながら多様なニーズに対しては必要なサービスが提供されにくい状況にあります。
また、未来を担うこども達に目を向けますと、児童虐待の相談や児童相談所などでの対応件数が年々増加していますし、自閉症やADHD(注意欠陥・多動性障害)などの発達障害の受診者数も10年前の3倍以上になっています。こうした表に出づらい課題に対しては、身近な地域での早期発見・早期療育の体制整備が必要です。
このような本県の福祉を取り巻く現状や課題を踏まえ、こどもから高齢者、障害のある方などすべての県民の皆様が、安心して住み慣れた地域で必要なサービスが受けられるよう、これまでの福祉のかたちにとらわれない新しい福祉の形「高知型福祉」の実現を目指します。
具体的には、次の4つの視点で取り組みます。
1つ目は、「ともに支え合う地域づくり」です。世論調査でも弱まってきているとされる地域での支え合いの力を意図的に蘇らせなくてはなりません。例えば、昨年度から取り組みを始めた「あったかふれあいセンター」は、地域の新たな支え合いの拠点として、現在22市町村28カ所で活動を開始しています。それぞれの地域のニーズに合わせて住民の皆様が参画するこの取組を、本年度は全市町村の44カ所に拡大します(あったかふれあいセンターについては、昨年6月23日の政策トピックスを参照)。
このほか、地域の見守りを担う民生委員・児童委員の活動の支援や、地域を活動の場とする民間事業者の皆様の協力を得て「地域の見守り活動」を広げます。また、自殺予防やひきこもりの相談体制の強化のほか、具体的に地域福祉活動を進めるため、本年度、県が支援計画を策定、これを受けて各市町村は社会福祉協議会と連携して実践のための活動計画を作成します。
2つ目は、「高齢者が安心して暮らせる地域づくり」です。高齢になっても元気でお住まいの地域で暮らし続けるためには、介護が必要にならないための予防の取組が重要となります。介護予防手帳の配布や住民主体で運動機能の向上に取り組む地域リーダーの養成などを通じて、健康づくり・生きがいづくりを進めます。
また、たとえ介護が必要になっても安心して暮らすことができるよう、介護と医療の関係機関が連携して、適切なサービスを提供する仕組みづくりや、介護する家族が病気になったときなどに施設を利用できる緊急用ショートステイの取組を進めます。
3つ目は、「障害者が生き生きと暮らせる地域づくり」です。県内には障害者施設がない市町村もあるなど、身近なところで必要なサービスが受けられない場合があります。このため、公共交通機関が少ない中山間地域などで、送迎付きの障害福祉サービスを開始する事業者に対し運営費の一部を助成することで参入の促進を図ります。また、障害者の働く場の確保に向けて、事業所の開拓や雇用型の福祉施設の設置を促進します。今年度からは新たに特別支援学校の在校生がホームヘルパー2級の資格を取得するための研修を実施し、今後有望な就業分野である介護福祉施設への就職を拡大するなど、経済的な自立に向けた取組を進めます。
4つ目は、「次代を担うこども達を守り育てる環境づくり」です。児童虐待への対応については、中央児童相談所内に専任の虐待対応チームを設置して、虐待対応の実施手順に沿った取組を徹底して行います。また、全ての在宅の案件について最低月1回の安全確認と再評価を行い、こどもの安全と最善の利益を最優先に取り組みます。あわせて、児童家庭相談の第一義的な窓口である市町村の相談体制の強化と学校や民生委員・児童委員などが連携して行う早期発見や見守り活動などを支援します。
このほか、子育て家庭の多様なニーズに対応する保育サービスの充実など、働きながら子育てをしやすい環境づくりに取り組むほか、独身者の出会いの場や地域のお世話焼きの仕組みづくりなど、官民協働による少子化対策を進めます。
「高知型福祉」の実現に向けて、県民の皆様のご理解とご協力をお願いします。
さて、今回で、日本一の健康長寿県構想の大きな3つの柱(保健、医療、福祉)の紹介は終わりとなりますが、ご紹介した取組は全体のごく一部です。詳しい内容は県ホームページに掲載している「日本一の健康長寿県構想」をご覧いただければと思います。
また、この構想を要約したパンフレットとリーフレットが完成し、県庁の県民室や各福祉保健所、市町村役場に置いてありますので、是非お手にとってご覧ください。リーフレットは、ローソンやファミリーマート、一部の量販店や金融機関にも置いてあります。
次回は、健康づくり情報誌「Salud Kochi」(サルゥコウチ)について紹介します。
〔お問い合わせ先〕
地域福祉政策課 電話088-823-9090 電子メール 060101@ken.pref.kochi.lg.jp
ホームページ http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/060101/
<3>県民とともに医療環境を守り育てる 〔平成22年6月 8日〕
日本一の健康長寿県構想の柱の第二「県民とともに医療環境を守り育てる」では、県民の皆様が安心して医療を受けられるよう、4つの重点的な取組を進めていきます。
まず一つ目は、「医師の確保」です。
高知県全体の医師数は、人口当たりでは全国第4位と多いものの、40歳未満の若手医師が減少していること、県の中央部以外では大幅に医師が不足していること、産科や小児科など特定の診療科の医師が不足していることの3つの大きな課題(医師の3つの偏在)があります。
この課題の解決に向けて、本年度、県と大学、医師会などが共同して「高知医療再生機構」を設立いたしました。ここでは、指導医としての資格取得や県外・海外での研修など若手医師がキャリア形成を図るための支援を行いますとともに、県外からの医師の招へい・あっせんやシミュレーション教育を受けられる拠点施設の整備など、本県の医療環境を整え、医師を確保する取組を進めていくこととしています。
2つ目は、「連携による適切な医療体制の確保」です。
医師の偏在は、地域間の医療体制に大きな差を生じさせています。専門的な治療ができる医療機関が県の中央部に集中する反面、県内には無医地区が45箇所もあります。限りある医療資源の下で、県内のどこでも一定水準以上の医療を受けられるようにするために、地域の各医療機関と県立病院、また中央部の医療機関などとの医療面の協力を進めるとともに、福祉施設や在宅での療養にも切れ目の無い医療サービスを提供することができるよう、福祉分野との連携を進める事業を強化していきます。
また、高齢者の一人暮らしや高齢者だけの世帯が多いこと、中山間地域をはじめ地理的に医療機関に遠い地域が多いことなど、本県の特徴に対しては、訪問看護の充実などの地域でのケア体制の整備と、巡回診療など医療へのアクセスを確保する取組を進めます。
3つ目は、「救急医療体制の整備」です。
救急医療には、比較的軽症な「初期」、手術や入院を要するなど重症の「二次」、極めて重症あるいは複数の診療科にわたる治療が必要な「三次」の段階があり、患者の状況に応じた適正な医療体制が必要です。
この救急医療の危機が全国的にも叫ばれており、本県でも、本来は三次救急を担う救命救急センター(高知赤十字病院、高知医療センター)を受診する患者の約80%が軽症者であることや、高知市内のわずか3つの救急病院に約45%の患者が搬送されるなど、救急医療の現場に大きな負担がかかっている実態があります。このままの状態が続くと、医師など医療関係者の過労や離職を招き、本県の救急医療の崩壊にも繋がりかねません。このため、県民の皆様に適正な受診をお願いする啓発活動や、救急医療機関の連携体制の強化など救急機能を維持していく取組を進めます。
また、中山間地域などにお住まいの皆様でも、必要な場合に迅速に高度な救急医療が受けられるよう、これまでの防災ヘリによる救急搬送に加えて、新たに救急医療専用のドクターヘリを導入します。
最後の4つ目は、「高知医療センターと県立病院の機能充実」です。
県民の皆様の健康を守るためには、それぞれの地域で必要な医療水準を確保していくことが欠かせません。この中核となるのが、高知医療センターと安芸・幡多の県立病院です。
高知医療センターは、県全体の中核的医療機関として、高次救急・高度医療を担う専門医の育成拠点の機能を強化していきます。
また、県立あき総合病院と県立芸陽病院を統合して整備する「安芸地域県立病院(仮称)」は、二次救急医療や周産期・小児医療、巡回診療などのへき地医療の拠点となるよう整備し、県立幡多けんみん病院は、地域の医療機関等との連携による機能分担をいっそう進め、地域におけるがん診療の連携拠点、地域救命救急センターなどの新たな機能の充実・強化を進めます。
〔お問い合わせ先〕
医療政策・医師確保課 電話 088-823-9667 電子メール 131301@ken.pref.kochi.lg.jp
医師確保推進課 電話 088-823-9660 電子メール 132001@ken.pref.kochi.lg.jp
<2>病気を予防して生涯を健康で暮らすために 〔平成22年5月14日〕
日本一の健康長寿県構想の柱の第一「県民自らが病気を予防し、生涯を健康に暮らす」について紹介します。
本県の世代別・男女別の健康状態を詳しくみてみますと、(1)乳児の死亡率が高いこと、(2)40歳代・50歳代の働き盛り世代の男性の死亡率が高いこと、(3)高齢者の平均余命が全国に比べて良好であることが特徴的です。生涯を通じて健康であり続けるには、こうした特徴を踏まえたきめ細かな取組が必要となります。
まず、この5年間で全国ワースト1位が3回という、乳児死亡率の高さに対しては、妊娠中も含めた周産期からの対策が必要です。周産期とは、妊娠22週から出生後7日未満の期間をいい、赤ちゃんにとって大変重要な時期です。
乳児死亡率が高い原因には、残念ながら妊娠中の母体管理が十分ではないことが考えられますことから、まず、妊娠されている方に妊婦健康診査を受診いただき、母体管理の重要性を意識していただくよう働きかけます。また、周囲のご家族や職場、医療機関などから健診を勧めていくなど多方面からアプローチします。さらに、産科医など新生児医療を担う医師の確保をはじめとする周産期医療体制を充実していきます。
次に、40歳代・50歳代の死亡率の改善に取り組みます。
この世代の死因をみてみますと、男女とも「がん」が最も多く、また、男性の急性心筋梗塞などの心疾患や脳卒中などの脳血管疾患、自殺によるものが全国平均を上回っています。このことから、「がん・心疾患・脳血管疾患・自殺」の4つの要因に対し重点的に対策を行います。
具体的には、各市町村と連携し、40歳代・50歳代の県民の皆様一人ひとりに、がん検診や特定健康診査(40歳から74歳までのすべての方を対象とした健康診査)の重要性や受診案内をお知らせします。また、その後、受診されなかった方には個別にハガキでその理由を調査させていただき、再度、受診を促していきます。また、こうした受診率向上の取組のほか、専門医の確保や医療従事者の研修、がんに関する情報の提供など医療機関の連携による医療体制の強化・充実を図ります。
県民の皆様には、早期発見や早期治療のために、ぜひ、がん検診や特定健診を受診していただきたいと思います。
自殺に関しては、その主な原因は健康問題、経済・生活問題、家庭問題です。本県の場合は自殺者の約7割が男性となっていますが、性別や年代とそれぞれの原因に応じた対応が必要です。これまで電話で相談を受けてきた「高知いのちの電話」の24時間化に向けて態勢を整えますほか、昨年設立した、「自殺予防情報センター」を中心に電話や面接での相談を受け付けています。悩みをお持ちの方は、一人で抱え込まないで、ぜひ一度ご相談ください。
自殺予防情報センター 088-821-4506
高知いのちの電話 088-824-6300
最後に、生活習慣病の予防をはじめとする健康づくりの取組です。
生活習慣病対策の大きな柱は、運動習慣を身につけていただくことと、栄養や食生活の改善、たばこ対策、歯の健康、こころの健康、特定健診の受診促進です。こうした対策は、病気や介護の予防だけではなく、何よりも生涯を健康的に暮らすためには必要不可欠なことです。こうした取組を「よさこい健康プラン21」という形にまとめましたので、県民の皆様には、是非ご自身の健康づくりに一層取り組んでいただきたいと思います。
〔お問い合わせ先〕
健康長寿政策課 電話 088-823-9683 電子メール 131601@ken.pref.kochi.lg.jp
地域福祉政策課 電話 088-823-9090 電子メール 060101@ken.pref.kochi.lg.jp
<1>日本一の健康長寿県とは 〔平成22年4月24日〕
健康は、県民誰もの願いであり、家族や地域、社会全体にとっても大事な問題です。健康であればこそ住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らし続けることができます。
しかしながら、高知県の現状を見ますと、1歳未満の赤ちゃんの死亡率や働き盛りの40歳、50歳代の男性の死亡率が高いなどの実態があります。また、病気になった時の支えとなる医療の面では、若手の医師が不足していたり、県の中央部に病院が集中していたりといった課題があります。さらには、県内の各地域に目を移すと、特に中山間地域で人口が減り、これまで当たり前のように行われてきた地域の支え合いなどができなくなっているという現実もあります。
こうした状況を変え、住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らし続けることができる高知県を目指して、本県の弱みを分析し、これまで取り組んできた対策に新たな取組も加えて、「日本一の健康長寿県構想」という形にとりまとめました。
構想では、その実現に向けた取り組みを大きく三つの柱にまとめています。
一つ目は『県民自らが病気を予防し、生涯を健康に暮らす』
二つ目は『県民とともに医療環境を守り育てる』
三つ目は『ともに支え合いながら生き生きと暮らす「高知型福祉」の実現』です。
今後、県や市町村が連携して、この構想を実行してまいりますが、県民の皆様にも、生活習慣病の予防への取り組みや、定期的な健康診断の受診など、一人ひとりが積極的に参加していただきたいと考えています。
なお、構想は、健康長寿政策課と地域福祉政策課のホームページに掲載しています。全部で81ページありますので、25ページほどに要約したパンフレットと、県民の皆様にすぐ手に取って見ていただけるリーフレットを現在作成しています。6月には完成の予定です。是非ご覧いただき、ご意見もいただきたいと思います。
次回からは、本構想の中身を順次紹介してまいります。
〔お問い合わせ先〕
健康長寿政策課 電話 088-823-9683 電子メール 131601@ken.pref.kochi.lg.jp
ホームページ http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/131601/
地域福祉政策課 電話 088-823-9090 電子メール 060101@ken.pref.kochi.lg.jp
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