公開日 2015年02月20日
知事の記者発表
平成26年2月14日(金曜日) 9時00分から10時18分 第一応接室
平成26年度一般会計当初予算(案)の概要
平成25年度2月補正予算(案)の概要
第2期日本一の健康長寿県構想バージョン3のポイント
高知県建設業活性化プランの概要
南海トラフ地震対策(1)
当初予算(案)のポイント(1)
南海トラフ地震対策(2)
第1次産業の競争力強化(1)
当初予算(案)のポイント(2)
土佐電気鉄道
当初予算(案)のポイント(3)
新図書館及び新資料館
移住促進
女性の活躍の場の拡大
南海トラフ地震対策(3)
米軍機の低空飛行訓練
第1次産業の競争力強化(2)
配布資料
1 平成26年度一般会計当初予算(案)の概要 [PDFファイル/39.11MB]
2 平成26年度の主な組織改正の概要 [PDFファイル/1.71MB]
3ー1 第2期日本一の健康長寿県構想Ver.3のポイント [PDFファイル/12.85MB]
3ー2 第2期日本一の健康長寿県構想Ver.3
(1)表紙、目次、目指す姿 [PDFファイル/9.93MB]
(2)保健分野 [PDFファイル/20.3MB]
(3)医療分野 [PDFファイル/15.27MB]
(4)福祉分野 [PDFファイル/39.61MB]
(5)人材育成、中山間対策、地震対策、各福祉保健所のチャレンジプラン [PDFファイル/21.32MB]
4 高知県建設業活性化プラン [PDFファイル/4.69MB]
平成26年度一般会計当初予算(案)の概要
(知事)
県議会2月定例会を2月21日に招集します。今回、提出する議案は、平成26年度一般会計当初予算など予算議案が37件、条例やその他の議案が61件、合わせて98件です。
(資料 平成26年度一般会計当初予算(案)の概要により説明)
(資料の3ページを示しながら) 平成26年度一般会計当初予算案の総額は4,527億円であり、対前年度予算増71億円になります。当初予算が4,500億円超となるのは9年ぶりです。国の経済対策に伴う地域の元気臨時交付金を81億円活用するなど、財政健全化と県勢浮揚を目指したパワフルな政策を両立させた予算案になっています。
「課題解決先進県を目指した取り組みの推進」ということで、5つの基本政策それぞれについて挙げさせていただいています。
まず第1点目は、経済の活性化に向けて、「第2期産業振興計画」をバージョン3としてさらにバージョンアップしています。かなり大型であり、かつ実効性のある施策にバージョンアップをしたと考えています。
第2点目は、「南海トラフ地震対策の抜本強化・加速化」を図っていくために、地震発生直後の命を守る対策を引き続き最優先で取り組むとともに、助かった命をつなぐために応急期の対策を大幅に充実・強化しています。
第3点目は、「日本一の健康長寿県づくり」について、第2期日本一の健康長寿県構想を先ほど(日本一の健康長寿県構想推進会議で)バージョン3として改訂しました。この改訂した構想に基づき、医療環境の整備や健康づくりの支援、さらには高知型福祉の基盤整備の推進を図ります。当初予算額が(前年より)若干減っているのは、あき総合病院の整備(終了)やねんりんピックの終了という要因により剥落しているものであり、施策全般としては事実上、プラスの方向です。
第4点目は、「教育の充実と子育て支援」について、高知県教育振興基本計画重点プランに基づき、「知」「徳」「体」のさらなるステップアップに向けた取り組みを進めます。
第5点目は、「インフラの充実と有効活用」です。当初予算額はかなりプラスになっていますが、南海トラフ地震対策を加速したことにあわせて、過年度に着手した南海トラフ地震関連事業や新図書館整備などの大規模建設事業が平成26年度においてピークを迎えることで、事業規模が非常に大きくなっています。
経済対策補正予算を加えた予算ということで言えば、平成25年度が1,140億円、平成26年度が1,079億円になりますので、比較的高止まりしており、平成25年度と同レベルぐらいかと思います。
このように5つの基本政策を進めていくことに加えて、この5つの基本政策に横断的に関わる政策を2点挙げています。
第1点目は、「中山間対策の充実・強化」について、引き続き集落活動センターの普及・拡大を図るなどの取り組みを進めていきます。
第2点目は、横断的に関わる政策として平成26年度から新たな柱として挙げているのが、「少子化対策の抜本強化と女性の活躍の場の拡大」を図る取り組みです。
待ったなしの少子化対策について、私は国家的な課題として取り組んでいくべきだという話を全国知事会なども通じて訴えてきました。本県においても、この少子化対策の取り組みを抜本的に強化したいと考えています。
また、この少子化対策という観点や生産年齢人口の減少という観点、さらには、何といっても多様な価値観をこの世の中においてより活かしていくべきであるという観点から、女性の活躍の場の拡大に向けた取り組みを今回、大幅に強化しました。
今後、この5つの基本政策と横断的に関わる2本の政策で平成26年度の県政を進めていきたいと、我々の考えをまとめさせていただいたところです。
(資料の4ページを示しながら) 施策と財政の健全性の両立について掲げています。経済の活性化、それから、南海トラフ地震対策などを大幅に強化しながらも、併せて財政の健全性を確保するように努めました。
まず、県税収入や地方譲与税等の増により、前年度を上回る一般財源を一定確保することができました。対前年度比30億円の増、1パーセントのプラスとなっています。
あわせて、職員の定数削減など行政のスリム化を推進していくとともに、地域の元気臨時交付金など国の有利な財源の獲得に努め、一定金額を確保して活用します。さらに、有利な緊急防災・減債事業債が、本県の働きかけも実り延長されるので、これを大いに使わせていただく予定です。
さらに、もう一つは、ここに非常に意を払ったわけですが、平成25年度に引き続き、「課題解決先進枠」を設け、スクラップアンドビルドの取り組みを十全〔十分に整っていて万全〕に徹底しました。その事業見直しの効果として14.6億円、見直し件数145件と、前年度より金額、件数ともに拡大しています。
他方で、直ちに講ずべき対策には積極的に対応することで、南海トラフ地震関連予算は、平成25年度当初予算に比べて100億円プラスとなっています。さらに、東日本大震災の発生前に比べれば約3倍の規模であり、今、全速力で南海トラフ地震対策を進めている状況です。
一連の取り組みを通じて、このように南海トラフ地震対策をはじめ、積極的に施策展開を図っても財源不足額は104億円であり、前年度の141億円より大幅に圧縮しています。
さらに、退職手当の見込み額が増額するにも関わらず、退職手当債の発行を前年度同額に抑えるなどの取り組みも行い、あわせて財政調整的基金の取り崩しをさらに抑え、将来への備えを一定確保する形になっています。
この結果、財政調整的基金残高は、昨年の9月推計比で約30億円増加をしています。これには二つの対策をとっています。一つは、こういう形で財源不足額を圧縮し、退職手当債の発行を抑えたという平成26年度当初予算における対応です。もう一つは、補正予算による対応として、平成25年度予算の執行段階の精査で、基金の取り崩しを一部取り止めました。それらによって平成25年度当初予算編成時から約69億円の基金残高を増加させることができました。
トータルでいくと、平成25年度2月補正後の基金残高は270億円ということで、昨年9月時点での推計に比べてプラス42億円となっています。そして、平成26年度当初予算後の基金残高は208億円ということで、昨年9月時点の推計に比べて30億円増になっています。
あわせて県債残高の推移では、こちらも平成26年度末推計で対前年度比43億円減ということであり、引き続き県債残高を減らしていく傾向は続いています。
こういう形で、何とか財政健全性の確保と施策の展開を両立するように努めたということが、今回の予算の姿になります。
(資料の5ページを示しながら) 先ほど申し上げた課題解決先進枠の拡充によるスクラップアンドビルドを促すための政策については、例年に比べて予算編成における対応を2点強化しました。
1点目は、裁量的経常経費にマイナス5パーセントのシーリングを設定し、見直しの契機を作りました。2点目は、削減した予算額の1.5倍まで新しい施策を要求可能とする仕組みについて、予算枠を拡充し、さらにスクラップアンドビルドを促すように心掛けました。
これにより、事業の見直しが約14.6億円、145件の見直しが行われ、前年度に比べて金額ベースで5.1億円プラス、件数で51件の見直し増という形になっています。
この見直しにはいろんなタイプがあります。具体的には、既存で取り組んでいたものの中身をその事業の進捗状況にあわせて大幅に拡充し、従前の施策に安穏とせず、きちんと見直したものがあります。
例えば、欧州輸出加速化事業費補助金では、ユズの輸出がフランスでうまくいったと。そこで安穏としているのではなく、次に進めていこうと促す形にしていったというものです。また、事務事業の見直しでは、健康づくりに関する啓発事業について、特定健診の受診や高血圧対策など、それぞれの項目ごとに啓発していたものを統合することによって、コストは大幅に抑え、かつ、一度にお伝えするほうがより啓発効果は大きいのではないかと。
このように安くてより効果的な取り組みを進めていこうという形で見直しを行ったものや、システム統合によってコストを大幅にカットしたものなど、様々な見直しを行ってきました。
こういう見直しによって生み出した財源を活かし、課題解決先進枠として、今の時代に求められる新たな施策の展開を図っていくことを促しました。
この課題解決先進枠の取り組みは2年目になりますが、まだまだ見直した事業の中身について言えば、改善すべき点も多いと思っています。もっとドラスティックに見直せるはずじゃないか。もっと知恵を練り、コストを削減しつつ効果を上げることが考えられないかという点もあると思っています。
この事業の見直しと新たな課題への対応という、新陳代謝を図っていく取り組みについて、今後もさらに工夫を重ねていきたいと思います。
ただ、今年はマイナス5パーセントのシーリングを設定した上で、事業の見直しを行いましたので、スクラップアンドビルドの効果を大いに出せる形になっているのではないかと思います。
(資料の6ページを示しながら) 平成26年度一般会計当初予算案の全体像は、先ほど申し上げたとおりですが、トータルで1.6パーセント増となっています。来年度は県税収入が3.9パーセント増加する見込みです。しかしながら、県税の全体に占める割合は11.8パーセントであり、いわゆる自主財源が3割程度であることにかわりませんので、引き続き厳しい状況です。
(資料の7ページを示しながら) 次に、5つの基本政策関連予算のポイントについてお話をさせていただきます。
まず、経済の活性化として、「第2期産業振興計画バージョン3の推進」では、5つのポイントについて書かせていただいています。
1番目が、「高知家」プロモーションを引き続き展開していくということです。この「高知家」プロモーションと地産外商、観光振興、移住促進の施策をより具体的に結びつけ、さらなる加速化を図っていきたいと考えております。
2番目の観光については、今年4月から観光キャンペーン「リョーマの休日~高知家の食卓~」を進めていきたいと考えています。あわせて、国際観光戦略を少し強化したいと思っています。具体的には、ランドオペレーター〔宿泊や観光地、現地の交通手段などの手配〕的なサービスを高知県において提供していくことで、もう一段、国際観光を推進できないだろうかということを考えていきたいと思っています。
また、広域観光の取り組みとして、「楽しまんと!はた博」終了後のフォローアップをしっかりさせていただくとともに、「高知県東部地域博覧会(仮称)」の取り組みについて、新たにスタートさせていきます。
地域型の観光を、食を活かしてさらに進めていこうということ。さらに、国際観光について加速をしていくための具体的な仕組みを新たに設けたということです。
3番目の移住促進策のさらなる強化では、アクティブな情報発信により地域が求める「人財」を誘致します。地域アクションプランやいろんな福祉の取り組みにしても、地域で新しい「人財」を必要とするシーンはたくさん出てきています。そういう地域のニーズを全国に発信し、都市部の民間事業者とも連携して、必要と思われる「人財」を都会からどんどん誘致してくる取り組みを進めていきたいと考えています。
移住者を受け入れるための仕組みづくりとして、住宅の確保対策を強化するとともに、民間で活発に移住支援をしている方々とのネットワークをしっかり作り上げていきたいと考えています。
4番目の第1次産業の競争力強化に向けては、農業、林業、水産業それぞれにおいて、骨太の取り組みを進めていきたいと考えています。
農業については、「農業担い手育成センター」を創設して、新規就農者の確保をさらに強力に進めます。また、「次世代施設園芸団地」の整備については、国の事業を取り入れて行っていきたいと考えています。新しい園芸農業の時代を切り拓いていける担い手を育てていく仕事をしていきたいと思っています。
林業については、高知おおとよ製材が昨年始動しました。平成26年度は、CLTの普及促進のための取り組みをさらに進めたいと思っています。また、県産材の販売力強化のため、内航船を利用した出荷への支援を行うなど、一歩踏み出していきたいと思っています。
水産業については、「高知家の魚パートナー店(仮称)」として全国500店舗にご協力いただき、本県の魚を店舗で売り込んでいただこうと思います。また、築地にできる「全国漁港マーケット(仮称)」に本県の水産物を売り込んでいく拠点づくりに対する支援を行いたいと考えています。あわせて、養殖業の協業化の推進を図っていきたいと考えています。安定的な生産量の確保とともに外商を強化する取り組みを進めようと考えています。
5番目のものづくりに関する取り組みについて、今回、施策を抜本的に強化しました。これまでは、「ものづくり地産地消センター」として取り組みを進めていたものを、「ものづくり地産地消・外商センター」という形で改組をして、各企業ごとに専任担当者を配置し、さらに県外からアドバイザーを招くことなど、産業振興センターの外商支援部を強化することにより、各企業ごとのビジネスプランづくりから商品開発、設備投資、そして販売促進まで一貫した支援を行っていく取り組みとして抜本強化する予定となっています。
また、新たなコンテンツビジネスの創出に向けた取り組みを強化します。
こういった取り組みを進めていくにあたっての大きな特徴として、様々な対外的な連携を強化していくこととしています。これまでは県内企業と官民協働で推進させていただきました。今後さらに、県内企業とともに県外企業との官民協働を一層推進していきたいと考えています。
移住促進の取り組みについては、県外からの引越しなどで運送会社の皆様と連携させていただきました。(地産外商などの取り組みについては、)県外の食品メーカーの皆様や食品卸業者の皆様とも連携させていただいています。こうした県外企業とのパイプを太めていくことで、地産外商の具体的な推進に努めたいと考えています。
また、四国4県による四国地方産業競争力協議会において、新たな四国の成長戦略を策定しているところですので、こちらの動きとも連動させて、4県でやることで新しい壁を乗り越えられるものは、是非そうしていきたいと考えています。
(資料の24ページを示しながら) さらに、産業振興計画の推進にあたって非常に大きなポイントであり、特に心掛けたのが、「地産地消・地産外商」と「観光振興」と「移住促進」のそれぞれの取り組みを一体的に実施していくことです。
今回の観光キャンペーンは、「リョーマの休日~高知家の食卓~」キャンペーンで行っていこうと考えています。観光振興のために、例えば首都圏のマスメディアに訴えかけていくような取り組みをいろいろ行っていますが、「高知家の食卓」という形でPRしていく中で、食や産地のPRをあわせて行い、地産外商につなげていきます。
さらに、地産外商の取り組みを進めていく中で、「高知家」のロゴを活用したり、「高知家の食卓」というキャンペーンについてPRしたりすることで、観光振興に努めていきます。「高知家」というコンセプトのもと統一的に展開することで、「高知家」の知名度を飛躍的に向上させることができるとともに、移住促進に向けた取り組みにも大いにプラスになるのではないかと考えています。
地産外商を進めていくにあたって、例えば、野菜の売り込みをしていく場合、パッケージの中に、「高知家」や「高知家の食卓」という形でロゴマークを入れてもらうだけで露出度が全然違い、飛躍的に拡大していくことになります。引越しをするにあたって、その梱包用の段ボール箱に「高知家」や「高知家の移住」という形でロゴマークを入れていただくと、飛躍的に「高知家」の露出度が上がっていくことになります。
地産外商が観光振興につながり、移住促進につながると。観光キャンペーンの取り組みが「高知家」のPRになり、あわせて地産外商につながっていくと。こういう相乗効果をもたらすように、今回、施策としては組み上げているつもりです。今後、プラスのスパイラルをもたらしていくような施策関連型の取り組みを徹底していきたいと考えています。
(資料の8ページを示しながら) 続いて、「南海トラフ地震対策の抜本強化・加速化」です。今回、362億円の予算を計上しており、地震発生直後から応急期にかけての対策を平成27年度末までに概ね完成させる目標にしたがって、平成26年度に加速化的にやるべきことを挙げています。
1番目は啓発活動です。2番目は地震発生直後の対策として、津波避難対策等加速化臨時交付金があります。これは、緊急防災・減災事業債を活用した際の実質的な市町村負担にあたる部分を県が交付金として市町村に交付する事業ですが、これを1年間延長します。そうすることで計画している津波避難タワー等115基と、津波避難路・避難場所の整備1,445箇所の完成に向けて、できるだけ取り組みを進捗させたいと考えています。
あわせて、保育所や社会福祉施設の高台移転について、保育所3施設と社会福祉施設3施設の取り組みを支援することで、高台移転を加速していきたいと考えています。また、火災対策では農業・漁業用燃油タンクの津波対策などを大幅に加速しているのが、今回の地震発生直後の対策としては特徴的です。
3番目は、平成25年度9月補正予算から強化をしてきている応急期の対策について、今回、相当踏み込んで取り組みを展開していく予定です。
まず、何と言っても大事なのは、避難場所へ逃げた後、次に行く避難所の確保です。この避難所の確保を行っていくために地域所有の集会所や公民館等の耐震を補助するとともに、井戸を掘るなどという形での資機材の整備を後押しするように予定しています。
さらに、県内8箇所の総合防災拠点の整備を引き続き進めていくとともに、今後2本の計画づくりに注力します。
一つは災害時医療救護計画です。地震発生直後に多数発生する負傷者に対する医療機能がまだまだ現状では足りていません。現地でどのように対応していくのか、災害時の医療救護計画の根本的な見直しを今、(有識者の)先生方にも入っていただいて検討を重ねています。
もう一つは緊急輸送道路啓開計画です。以上、応急期の柱となる二つの計画づくりを完成させるべく、取り組みを進めていきたいと考えています。
4番目は、復旧期・復興期の対策として、中心的な計画となるBCPの策定等とともに、災害廃棄物処理計画の作成を支援します。
こういった南海トラフ地震対策を進めていくにあたり、今回、大きな見直しを行ったのが、「南海トラフ地震対策推進地域本部」を設けるという施策です。
(資料の50ページを示しながら) この地域本部として、5つの地域ブロックに危機管理部所属の地域本部長を配置します。おそらく「地域防災企画監」という名前になろうかと思います。そして、関連職員を3~4名配置させていただく予定となっています。
高知市周辺は県庁が直轄で対応しますが、安芸、中央東、中央西、須崎、幡多のブロックそれぞれに南海トラフ地震対策推進本部の地域本部を設けたいと考えています。
この施策によって、地域に南海トラフ地震対策を進めるための組織を前方展開します。なぜ、こういうことをするかというと、津波の避難計画づくりなどについて、より実効性のある形で進めないといけませんし、そのためには地域に入っていかないといけません。地域の医療救護計画や道路啓開計画を作るにしても、やはり地域に入り込んで市町村と一緒にやっていくことが非常に重要となってきます。
これからは、地域地域での対策を行うことが大事だと考えています。そのために地域本部を新たに設けるということです。これらの組織をまず平成26年度からスタートさせた上で、随時拡充していきたいと考えています。
(資料の9ページを示しながら) 「日本一の健康長寿県づくり」については、後でご説明します。
(資料の10ページを示しながら) 「教育の充実と子育て支援」については、引き続き、学力・体力向上対策を行うとともに、「高知家の子ども見守りプラン」を推進していきます。さらに、いじめ問題対策をいよいよ本格的にスタートさせます。高校生の中途退学防止、社会人としての基礎力育成のための取り組みを進めていくとともに、「子ども・子育て支援新制度」への移行を進めていきたいと考えています。
「インフラの充実と有効活用」については、先ほど申し上げたとおり普通建設事業の規模が大幅に拡大していますが、それぞれ既に着手している関連事業がピークを迎えることによるものです。
(資料の11ページを示しながら) 「中山間対策の充実・強化」では、集落活動センターの整備推進、さらには鳥獣被害対策を進めていきます。
(資料の79ページを示しながら) 集落活動センターについては、このたび、集落支援担当の地域支援企画員総括をそれぞれの地域本部に配置したいと考えています。
市町村と集落活動センターの設置に向けた取り組みについて、より密に話し合いができるように専任担当者を置くという狙いがまず第一です。もう一つの狙いは、集落活動センターの普及促進に向けた取り組みを県として進めていく中で、今年度末には13カ所目の集落活動センターが開設されようとしています。
ただ、そういう中で地域で経済的に自活していくためにどういう取り組みをするのか。地域にある資源を活かすということもありますが、やはり地域の外から新しいアイディア、新しい力を取り込んでくることも非常に重要なポイントではないかと思っています。
そういうことで、県をはじめ関係者の皆様で知恵を出し合って、いろんなビジネスプランのパターンを考え、そして地域の皆様に、例えば「こういう形で地域の自活を図ってはどうでしょうか」というアイディアを提案させていただく提案型の整備や、普及促進を図っていくことができないかということを考えています。そういう担い手としても、地域に専任担当者を配置しようと考えています。
(資料の11ページを示しながら) 「少子化対策の抜本強化と女性の活躍の場の拡大」です。少子化対策の抜本強化については、「高知家の出会い・結婚・子育て応援コーナー(仮称)」を開設して、ライフステージに応じた様々な相談に対しワンストップで情報提供できるようにしていきたいと考えています。
そういう中において、関連する話である女性の活躍の場の拡大として、「女性のための就労支援コーナー(仮称)」をこうち男女共同参画センター「ソーレ」に設けたいと考えています。ライフステージに応じた様々な就業・起業支援を実施していくことになります。
特に、出産後の女性の再就職に積極的な企業を支援するため、出産後の女性の再就職を促進するための補助金を創設し、出産で一旦やむを得ず退職された方を雇用した企業に一定の財政的支援をする仕組みを設けていこうとしています。
あわせて、様々な女性のための起業支援講座や福祉研修センターと福祉人材センターにおける新たな福祉・介護の研修などを行っていく仕組みを強化します。
(資料の80ページを示しながら) 結婚、子育て、就業支援といったいろんな支援制度がありますが、それぞれ細切れになっています。いろんな機関がいろんなことをやっていますが、全体像が見えません。そのため、トータルでライフステージを自分でイメージできることが極めて重要だと考え、ワンストップで相談に応じることのできる体制を作っていくことに今回、非常に注力しました。
「高知家の出会い・結婚・子育て応援コーナー(仮称)」は、県民世論調査に基づいたものですが、例えば、「独身者の出会いと結婚を応援する事業で利用してみたいものは何でしょうか」という質問に対して、「気軽に行ける相談場所を常設してもらいたい」ということが第1位の答えでした。これを踏まえて、こちらにあるような相談窓口を作るということです。
また、「女性が地域で生き生きと働くための行政の取り組みとして何をすべきでしょうか」という質問に対して、「育児のサービスをもっと利用しやすくする」ということが第一位の答えでした。これに対しては、「子ども・子育て支援新制度」ができますので、その移行に向けてしっかりと整備していくことが、一つの答えになろうかと思います。
あわせて、「出産等のために仕事を辞めた女性が再就職する企業への支援を行う」ということが第2位の答えでした。この答えに基づいて、出産でやむなく退職した女性を正規職員として雇用した事業主に一時金を支給する仕組みを設けています。
そして、それぞれの相談について、支援するコーナーを新設していくということです。ライフステージに応じた切れ目のない少子化対策を推進していくとともに、女性の働き続けたいという気持ちを後押ししていきたいと考えています。
平成25年度2月補正予算(案)の概要
(資料の13ページを示しながら) 平成25年度2月補正予算案については、先ほど申し上げたように、「好循環のための経済対策」にしっかりと対応していきながら、将来の財政調整的基金の残高を確保するために、減債基金のルール外の部分である69億円の取り崩しを取り止めました。引き続き、財政健全化に向けて取り組んでいきたいと考えています。
第2期日本一の健康長寿県構想バージョン3のポイント
(資料 第2期日本一の健康長寿県構想Ver.3のポイントにより説明)
(資料の1ページを示しながら) 先ほど、第2期日本一の健康長寿県構想バージョン3を改訂しましたので、ポイントをかいつまんでご説明します。
保健分野の1点目は、「高知家健康づくり支援薬局」を認定します。県内にある薬局を健康づくりの身近な相談拠点として一緒に取り組みを進めていただこうというものです。
2点目は、がん検診の受診率向上のために、職場の近くなど住所地以外の市町村でも複数のがん検診を受診できる「セット検診日」を従来の2倍に増やす取り組みを進めます。
3点目は、子どもの健康教育について、これまで小学校の低学年と高校生ではじめていたものを、平成26年度から小学校の中学年・高学年、そして中学生にも拡大して行うことで切れ目なく健康教育を推進する体制を整えます。
次に、医療分野の1点目は、「高知県救急医療・広域災害情報システム」に新たな仕組みを導入します。県内全ての救急車にタブレット端末を配置して、遠隔地であってもリアルタイムに救急車の搬送情報や救急車内の患者の症状を、動画で病院に伝えていくシステムを作っていきます。このシステムの構築を来年度中に行い、平成27年4月から始動したいと考えています。
2点目は、奨学金を受給している若いお医者さんの数が増えてきますので、そうした医学生や若手医師のキャリア形成のための研修プログラムを順次作成するなど、医学生や若手医師の育成支援を充実させていきたいと考えています。
3点目は、中山間地域での訪問看護サービスを提供する体制を構築していきたいと考えています。平成26年4月から訪問看護ステーション連絡協議会を中心に、さらに医師会の皆様とも調整をさせていただきながら、訪問看護師の派遣調整を行う仕組みを始動させたいと考えています。
4点目は、あき総合病院が平成26年4月にフルオープンすることにより、安芸保健医療圏における医療体制が大幅に強化されることとなります。
(資料の2ページを示しながら) 福祉分野の1点目は、高知型福祉の実現のために、「こうち支え合いチャレンジプロジェクト」をさらに推進していくとともに、認知症の早期発見と早期対応を図るための仕組みづくりを行います。
2点目は、福祉・介護人材の確保対策です。福祉研修センターと福祉人材センターの連携を強化します。特に、新規で福祉や介護職場で働きたいと思っている方々を後押しするよう福祉研修センターで研修を行い、その後、福祉人材センターで就業支援につなげるという仕組みを構築したいと考えています。
3点目は、自殺・うつ病対策のさらなる強化を図ります。4点目は、先ほど申し上げた少子化対策をワンランクアップしていきたいと考えています。5点目は、「高知家の子ども見守りプラン」を引き続き推進し、少年の非行防止対策を行います。
次に、南海トラフ地震対策については、1点目として災害時の医療救護体制の強化です。先ほど申し上げた前方展開型の医療救護活動を実施するために災害時医療救護計画の見直しを行っていきます。2点目は、災害時の要配慮者のための福祉避難所の整備を行います。3点目は、社会福祉施設等の高台移転を後押しする取り組みを行っていきます。
高知県建設業活性化プランの概要
(資料 平成26年度一般会計当初予算(案)の概要により説明)
(資料の70ページを示しながら) 次に、高知県建設業活性化プランを策定しましたので、ご説明します。
皆様ご存知のとおり、公共事業の急激な拡大にあわせて、全国的に入札の不調や不落が非常に増えています。インフラ整備や南海トラフ地震対策を進めていく点においても、これは看過できない問題です。そのため、この入札不調・不落への対応を先月の記者会見でも申し上げたように、しっかりと一連の取り組みを進めていくことが1点目です。
2点目は、県内建設業の活性化のための支援を強化をしたいと考えています。県外にも打って出られるオンリーワンの企業になるために、新しい技術を身につけ、地産外商にもつなげていけるような取り組みを後押しするとともに、研修や技術支援の実施などの取り組みを進めていきたいと考えています。
あわせて、県内建設業者の施工力向上です。これは建設業者の底力を強化するため、経営改善の取り組みや若者の雇用確保の取り組みなどを後押ししたいと考えています。
そして3点目は、全ての前提であり非常に重要なこととして、コンプライアンスの確立に向けた取り組みを引き続き強力に進めていくことです。
こうした取り組みにより、入札不調・不落へ対応するとともに、将来にわたって安定的にインフラ整備や南海トラフ地震対策を進めていくための基盤を整え、できれば防災関連産業の育成施策とあわせて、県内から地産外商を成し遂げられるような新しい産業を確立できるよう、取り組みを強化していくことも視野に入れたいと考えています。
南海トラフ地震対策(1)
(福井:テレビ高知記者)
南海トラフ地震に関連してお尋ねします。東日本大震災の発生から間もなく3年が経とうとしています。まず、この3年という期間は、高知にとりまして、どういった意味があったのでしょうか。また、それを踏まえて、防災の視点から見た場合、平成26年度が高知にとってどういった1年になるとお考えでしょうか。
(知事)
一言で言えば、南海トラフ地震対策を本当に全力で取り組んできた3年間だったと思います。
この3年間で注力してきたことは地震発生直後の対策です。特に、津波対策に全力を挙げてきました。避難路・避難場所の確保や津波避難タワーの整備など、一定の姿が見えてきたところはあります。ただ、これからより複雑で、より困難な分野に踏み込んでいかなければいけないと思っています。
例えば、津波避難計画づくりについても、要配慮者の皆様をしっかりケアできるように、もう一段実効性の高い津波避難計画づくりを、施設の整備とあわせて行っていかなければいけません。さらには、地震発生直後の対策のみならず、応急期の対策も行っていかないといけません。時間軸を長くとればとるほど、やらないといけないことは増えてきますので、そういうものに踏み込んでいくことになるわけです。
この3年間は、緊急に取り組まなければならないことに全力を挙げてきましたので、平成26年度からは、地震発生直後の対策について、より実効性のある踏み込んだ形にするとともに、応急期の対策も含めた、より時間軸の長い対応策を本格的に始動させることになります。
それを行っていくためにも県庁の組織を改編して、地域地域に前方展開させていくという施策を今回講じることとしました。
当初予算(案)のポイント(1)
(遠藤:高知さんさんテレビ記者)
平成26年度当初予算について、9年ぶりに4,500億円を超えてきました。喫緊の課題である南海トラフ地震対策への大幅な充実・強化はもちろん、昨年から始まった「高知家」プロモーションと絡めて経済の活性化を図るということですが、改めて今回の当初予算を知事はどうお考えですか。
(知事)
財政の健全性をしっかり確保しながらも、県民生活の向上と安全・安心の確保に向けてパワフルな施策を満載した予算だと思います。
どうすればより実効性のある施策を行うことができるかということについて、庁内で相当に議論を積み重ねました。産業振興計画にしても、ものづくり関連の施策を抜本強化しました。さらには、観光振興、地産外商、移住促進の取り組みについて、「高知家」プロモーションのもとで連携をしっかりとって相乗効果をもたらし、プラスのスパイラルを作り出していく施策を盛り込むように心掛けてきました。また、南海トラフ地震対策についても、本格的に応急期の対策にまで踏み込んでいます。
かなりパワフルな施策を盛り込むことができたのではないかと思っていますが、あわせて財政健全化はしっかり進めていくという点も両立させるように心を配りました。
南海トラフ地震対策(2)
(尾崎:高知放送記者)
新しく配置する「地域防災企画監」にどのようなことを期待されていますか。
(知事)
この「地域防災企画監」には、市町村の職員としっかり連携をとり、さらに地域の集落に入っていって、地域の実情に応じたきめの細かい地域の防災対策を進めてもらいたいと考えています。地域によって津波からの逃げ方は違います。そのため、要配慮者の皆様への対応の仕方も違ってくると思います。
まず、第一は市町村との連携をとり、そして第二は集落の皆様の中に入り込んでいき、集落の皆様と一緒に考えていくことになるかと思っています。
今回、展開していく職員は地域本部長ほか合計17名ということで、それなりの規模ではありますが、順次、体制を拡大していき、より地域地域に密着した形での対策がとれるようにしていきたいと考えています。
考えれば考えるほど、地域によってとるべき対策は違います。地域により密着して対策を講じていくことが必要だと思います。また、市町村によってそれぞれ対策の進め方も違いますので、我々として地域に入り込んでいくことが大事だと思っています。
(寺田:NHK記者)
県の財政状況がよくない中で、南海トラフ地震対策へ300億円を超える大型の予算を割いていると思いますが、知事はどういう思いで南海トラフ地震対策に大きな予算を割いたのでしょうか。
(知事)
南海トラフ地震対策は、今、ピークに差し掛かっていると思います。地震発生直後の対策について全速力で取り組みを進めていくとともに、応急期の対策も命に関わりますので、こちらにも踏み込んでいくべき時期が来ていると考え、一連の施策を全速力で進めていこうとしています。
ただ、財政を大幅に悪化させるようなことがあってはいけませんので、財政健全化を引き続き進めていくことで、県債残高は減少させるというトレンドはしっかり維持してあります。さらには、財政調整的基金についても、想定以上に確保することはしっかり行っているところであり、南海トラフ地震対策を進めながらも財政健全化を同時に達成するべく心を配った形で予算編成をしています。
国の有利な資金をしっかり活用するという工夫やスクラップアンドビルドの徹底、何より行政のスリム化のため、職員の定員削減は引き続きしっかりと維持していきながらやっていこうとしていますので、双方の両立を図ることができているのではないかと思います。
第1次産業の競争力強化
(竹村:高知新聞記者)
5つの基本政策の中で、「新たな挑戦による第一次産業の競争力強化」とありますが、国はTPP絡みで大型施設園芸団地などの予算を組んできています。国が競争力強化を図るといった場合、対外国というイメージが強いと思いますが、知事もTPPには慎重に対応してほしいという政策提言を何度もされているので、その競争力強化というのは、国と一線を画すものかと思うんですけど、その競争力とは何に対してですか。
(知事)
一言で言えば、他の産地に打ち勝ち、さらには消費地に受け入れられるということです。
竹村さんも同じ問題意識であるかと思いますが、昔、高知県は施設園芸でずば抜けてトップでした。しかし、他の産地もどんどん追いついてきている中で、私達はその次に行かないといけないと思います。
ですので、特に「次世代」というところに気持ちが込もっています。この「次世代施設園芸団地」によって我々は次に行かないといけないという思いで、例えばオランダとの協定をどこよりも早く4年前に結んできたわけです。それをいよいよ具体的な形で普及させていく段階にきています。既に炭酸ガス施用は、平成25年度から普及させ始めているところですが、さらに、「次世代施設園芸団地」の整備ができれば、より大規模な形で「新施設園芸システム」を実証していくことができます。
あわせて、普及もさせていくという思いで、「農業担い手育成センター」を「次世代施設園芸団地」の隣に併設することにしています。ここで技術を実証し、一定実用的なものにした後、その技術を「農業担い手育成センター」を通じて県内に普及させていくという一連のシステムを作り上げていこうとしています。
ですから、一つ目は、他の産地に打ち勝つこと。もう一つは、消費地に受け入れられることです。この消費地には当然、国内もありますし外国もあると思います。
(竹村:高知新聞記者)
そうすることによって、高知県は生き残れるのですか。
(知事)
園芸王国として引き続き生き残れるよう、強化していきたいと思います。
(竹村:高知新聞記者)
農業3点セットとして、「農業担い手育成センター」、「次世代施設園芸団地」、「農地中間管理機構」という施策に結構大きなお金を使っていますが、この3点セットがあれば、高知県の農業をかなり強化できるという認識ですか。
(知事)
そのとおりだと思います。新しい技術を開発し、普及させて実用化をする。それを新しく就農する人だけではなく、就農してまだ期間の浅い方も「農業担い手育成センター」の生徒になっていただき、新しい技術を学んでいただいた担い手に土地をあてがう。それが「農地中間管理機構」の仕事だと思います。
もう一つは、「新需要開拓マーケティング事業」を今回強化する予定となっています。いわゆる市場の大規模流通に加えて、その市場の皆様とも協調しながら、外食・中食〔惣菜や弁当などを買って帰り、家で食べること〕などの新しいターゲットに向けた販促を大幅に強化していきたいと考えており、園芸連の皆様方ともタイアップしていきながら、新しいニーズや領域の開拓に今回踏み出していく予定となっています。
そうすることで、販売の部分についても、かなりパワフルに新しい取り組みを進めていけるのではないかと思います。
オランダとの協定や担い手育成のために篤農家〔熱心で研究心に富んだ農家〕の皆様にご協力いただくなど、地道な取り組みをずっと続けてきたその上に立ってこそ、今回の「農業担い手育成センター」の取り組みも実のある形でできると思います。
さらに、昨年はJAの生産部会の皆様にご協力いただいて地域地域における土地のあり方などについて、ご検討も賜ってきました。その取り組みの上に立って、「農地中間管理機構」の取り組みも実のある形になってきていると思います。
これまでの取り組みの上に立って、いよいよそれぞれ大きく集約化かつ大規模化した取り組みができるようになったということではないかと思っています。
「新施設園芸システム」ができるのはもう少し時間がかかりますが、平成26年度から28年度が、本県の農業を次の時代にもっていけるかどうかという、一つのポイントの時期になるのではないでしょうか。
当初予算(案)のポイント(2)
(池:高知新聞記者)
国の経済政策と地方財政への影響ということで、今回の予算を語っていただきたいと思います。平成24年度の補正予算と平成25年度の当初予算では、アベノミクスの第2の矢である財政出動により、大幅に公共事業が増えたと思います。
平成26年度当初予算では、その安倍政権の経済政策による効果がどのように出ているのか知事のご認識をお聞きします。また、特にその中でも、先ほど話があった第一次産業の競争力強化や少子化対策は、成長戦略にかかるところかもしれませんし、あるいは、知事も委員に入っている「ナショナル・レジリエンス懇談会」で、国土強靭化の取り組みに伴う県内のインフラ整備が、今後も一定のボリュームで続いていくのかどうかという辺りのご認識も含めてお聞きします。
それと、消費税が今年4月から増税になりますが、今回の予算に対して、どのような影響をもたらしていくのかお伺いしたいと思います。
(知事)
まず、補正予算と当初予算に分けて、少しお話しさせていただきたいと思います。
補正予算に関連して言えば、昨年度のほうが圧倒的に大きかったですので、経済対策補正予算を加えた実質的な予算におけるインフラ整備の金額が若干減っているのは、平成24年度補正予算が極めて大きかったことが要因です。トータルでこの部分は減少していますが、引き続き高レベルであることには間違いないということです。
今後、当初予算におけるインフラ整備の観点で言えば、少なくとも本県については、南海トラフ地震対策として、例えば堤防の整備や液状化対策、耐震化対策をしっかり進めていくといったニーズはずっとあり続けると思います。当面は、一定規模で安定した形で事業を進めていかないといけないだろうと思います。特にこの2、3年は勝負のポイントになっていくと思っています。
あわせて、当初予算における国の経済への対応の中で、一つは交付税、いわゆる一般財源の確保という関係です。いろいろ議論がありましたが、一般財源全体の水準は一定確保してくれていること自体は我々にとって大きいですので、この点は評価したいと思います。
また、我々として、肝となる部分についていろいろ訴えてきたことが、しっかり叶えてもらっている点もありがたいと思っています。特に、緊急防災・減災事業債は、もし延長になっていなければ、なかなかしんどかったと思います。それから、昨年の補正予算にあわせて確保していった地域の元気臨時交付金についても、南海トラフ地震対策を進めなければならない本県にとっては非常に良い財源であり、ちょうどの時期にこういう交付金を作ってくれたのは非常に良かったと思っています。
そういう意味においては、国の一連の交付金事業が私達にとってみれば良い形で財源の確保につながったのではないかと思っています。これは、いろいろ国自身がしっかり考えてくださっていることもあります。さらには、南海トラフ地震対策をはじめとして一連の防災・減災対策の必要性を強く国にも訴えてきたことで、国策の中心に防災・減災対策が据わり、その結果、自ずとこういう形になってきていることは本県にとって良い方向ではないかと思っています。
消費税への対応という観点から言わせていただくと、消費税による当初予算への影響は大体13.5億円になります。この財源は基本的に社会保障関係に使っていくことになります。
今、それぞれがどういう形で対応しているか最終的に精査中ですが、一言で言えばトータルで社会保障関連が500億円くらいある中で、その充実に使われる部分と、さらにもう一つは、将来への負担のつけまわしで賄っていた部分が今回税財源として、ファイナンス〔資金調達〕されるようになる部分と、大きく二つに分かれていくことになると思います。
土佐電気鉄道
(池:高知新聞記者)
土電問題について、平成26年度当初予算も昨年度と同じ水準の土電関連予算になっているとお聞きしました。
先日、(土佐電気鉄道の)新体制が発足し、県議会が凍結していた平成25年度の関連予算も解除されて執行するということで、一応、正常化しました。その際に執行部から、「こういう理由で解除していただきたい」という説明があったわけです。
その一連の暴力団問題もさることながら、領収証問題であるとか、優待航空券問題であるとか、全体の解明がまだ済んでおらず、いくつかの問題を引きずっています。そうした問題について、この当初予算を組むにあたって、総括がきっちりできたというご認識の上で今回の予算になったのか、その辺りのお考えをお聞きしたいと思います。
(知事)
まだ、総括に向けた途中であると思いますが、今、土電の新しい経営陣の皆様は、コンプライアンスの確立に向けて真摯な取り組みをしようと意思を表明し、歩みを進めています。また、ガバナンスの確立に向けても真摯な歩みを進めています。そういう取り組みを信頼して、我々としては平成26年度当初予算を計上させていただきましたので、今後もしっかりと取り組みを進めていただきたいと思います。
(池:高知新聞記者)
公共交通に関して、中央地域公共交通再構築検討会が、今年度内に一定の再構築の案を出そうということで始まったと思います。あと2ヶ月ぐらいですが、再構築の案についての検討がどの程度進んでいて、どういう形で出来つつあるのですか。
(知事)
今年度内には、一定のスキームをお示しすることができないかということで、今、検討を進めているところですが、まだ具体的にこういう方向でと言える状況ではありません。まだ、いろんなことを考えている段階です。
(池:高知新聞記者)
年度内には何か出そうと(お考えですか)。
(知事)
簡単な問題ではないので、今の段階では分かりません。
当初予算(案)のポイント(3)
(半田:高知新聞記者)
6年連続のプラス予算となっていますが、過去5年を見た場合、景気対策の基金が終了した時に、マイナス予算になってもおかしくないような年もあったかと思います。それでも6年間プラスを続けてきたことについて、高知県の時代認識や思想があればお伺いします。
(知事)
私の時代認識や思想という観点から言えば、典型的には産業振興計画や日本一の健康長寿県構想だと思います。それぞれ施策のバージョンアップにあわせて金額も増えてきました。
人口減少や高齢化が進んでいき、県内市場が縮小していくような基調だからこそ、逆に言うと、力強く外へ打っていくための取り組みを進めていかないといけないと思います。そのための挑戦をずっと続けてきました。挑戦が挑戦を呼び、いろんな取り組みを進めてきたことの土台の上に立って、一つずつ大きな仕事ができるようになってきました。
特に今回、平成26年度当初予算に関して言えば、従前に比べてかなりパワフルな施策が打てるようになったと思っています。やるべき挑戦を今、行っていく時期に来ているということで今回、予算の拡充を図りました。そういうことをずっと続けてきた結果として、この関連予算は増えてきているということかと思います。
もう一つの要因として、トータルの予算が増えたのは南海トラフ地震対策だと思います。私が就任した時には、ここまで加速していかなければならないとは想定していませんでした。産業振興計画や日本一の健康長寿県構想、教育改革といったことについては、先ほど申し上げた形で順次取り組みを拡大していき、予算も拡大してきましたが、トータルの予算規模を拡大させた最大の要因である南海トラフ地震対策は、やはり東日本大震災を受けての結果だと思います。
(半田:高知新聞記者)
プラス予算というのは、県勢の浮揚に向けて県民へのメッセージになる要素もありますが、知事はプラス予算を前提にしているのでしょうか。
(知事)
そんなことはありません。むしろ、大事なのは中身だと思います。年度によっては、過年度に取り組みをスタートすることがありますので、規模が大きくなったり小さくなったりすることはどうしても出てきます。
平成26年度当初予算では、より実効性のある施策にバージョンアップするといったように、その中身がどうなったかということに一番こだわっています。例えば、日本一の健康長寿県構想でも、今回かなりパワフルになっていますが金額は減っています。これは、あき総合病院の整備やねんりんピックの終了、それから基金事業が終わるということもあって剥落しています。
だから、私は金額にこだわるというよりもむしろ中身にこだわっているつもりです。
(半田:高知新聞記者)
平成26年度当初予算がプラスになった最大の理由はどのように(お考えですか)。
(知事)
平成26年度当初予算がプラスになった最大の理由は、やはり南海トラフ地震対策の事業が大きく育ってきたことと、産業振興計画や教育改革などのそれぞれの事業にしても、財政健全化等を妨げない範囲内でよりパワフルにしたからだと思います。
新図書館及び新資料館
(井上:高知新聞記者)
新図書館と新資料館の事業費の見直しについて、昨年秋に入札を行った時点と比べると、新図書館でプラス24億円、新資料館でプラス6億円、合わせて30億円という大規模な上乗せがなされています。実勢価格に反映させるという面もあれば、30億円という大規模な額を乗せることは県民の理解も得ていかないといけないと思いますが、そこについて知事のお考えを。
(知事)
やはり、全国的に事業が大いに増加している中で、実勢価格をしっかりと反映しなければ事業が進められないということです。今の時代を反映した形になっていると思います。とにかく、これらの事業効果を早期に発現することと、しっかりとした形で事業を進め、いいものを作っていただかないといけませんので、そのために必要最低限の増額をさせていただいたということかと思っています。
今度こそは入札もうまくいき、事業がスタートするようにしたいと思います。再度の延期は避けたいと思っていますので、そのために必要十分な予算を確保させていただいたということです。
(井上:高知新聞記者)
現在の予算規模に収めるような設計の見直しを行うといった考えは(なかったのですか)。
(知事)
設計の中身そのものについて言えば、ソフト面も含めて、かなり練りこんで作ってありますので、今の設計がベストだと思っています。
それから、いろんな機能をそれぞれ発揮していくために必要なものだと思っていますので、そういう点から設計の見直しという選択よりも、先ほど申し上げた事業費の増額という形をとらせていただいたということです。
移住促進
(井上:高知新聞記者)
平成26年度の機構改革について、現在の移住促進室を移住促進課へ体制を充実させるという狙いをお伺いします。
(知事)
平成25年度は、24年度に比べて移住者が大体、倍ぐらいとかなり進んできています。平成26年度以降は、二つの意味合いでさらに取り組みを拡大していくことになると思っています。
一つは、地産外商と観光振興、そして移住促進をしっかり連携して取り組みを進めていくことになります。それぞれの施策を相互にプラスの相乗効果をもたらすようにしていくためには、しっかり連携・協調するように意を払わないといけない点が増えてきますので、そういう点で業務量も増えると思います。
もう一つが、「人財誘致」という話を先ほど申し上げましたが、地域で新たな取り組みをしようとした時、地域の皆様と一緒にやる仲間に外から来てもらいたいというニーズは結構ありますので、それをしっかりと把握して、そして対外発信をして、人と(地域との)マッチングをするという取り組みを新たな事業として行っていくことになります。これもかなりエネルギーのかかることだと思います。
こういう二つのことを考えていけば、(現在の)課内室の体制では足りないのではないかと。やはり、移住促進課という体制にまで拡大していくことが重要ではないかと考えました。
他方で、地域づくり支援課のほうは、計画推進課の中で、一定融合させていくという形で、できるだけ課の数をそのまま単純に増やすという形にはしないように心掛けたところです。
女性の活躍の場の拡大
(沢田:高知新聞記者)
少子化対策の抜本強化と女性の活躍の場の拡大の事業について、昨年の県民世論調査では、女性が働くにあたっての課題が、「勤務時間が長く固定的で、家庭と仕事との両立が困難だ」というのが一番多い回答だったと思います。平成26年度当初予算の中にそれに呼応した施策がなかなか見当たらないんですけど、知事はどうお考えになっていますか。
(知事)
勤務時間が長いので、育児サービスをもっと利用しやすく、というお話だと思います。
そういう意味においては、「子ども・子育て支援新制度」について、私も「子ども・子育て会議」のメンバーになっていて、この制度創設にあたり全国知事会の代表としていろいろお話をしてきましたので、しっかりと新制度への円滑な移行に向けて取り組みを進めていくことが非常に大きな対策になっているのではないかと思います。
いずれにしても、例えば、お互いに支え合っていく仕組みや、規模的にまだ限界はありますが、単親世帯への支援といった形で行っています。
我々は、特に二つの県民世論調査(独身者の出会いと結婚を応援する事業と女性が生き生きと働くための行政の取り組み)に着目して今回、政策を作っています。
(沢田:高知新聞記者)
県民世論調査で女性が働くにあたっての課題として、第3位に挙がっているのが、「男性が家事や育児を手伝ってくれない」ということもあります。今回の施策もほとんどが女性に対するもので、なかなか男性の意識改革であるといった部分への施策が見えてこないんですけど、それについては(どうお考えですか)。
(知事)
男性の意識改革に向けてどういった施策を行ったらいいかというと、一つは、啓発促進事業をこの中でやっていくことだと思います。
(沢田:高知新聞記者)
例えば、「女性のための就労支援コーナー(仮称)」の中でやっていくということですか。
(知事)
そういうこともありますし、一連の研修もそうでしょう。予算を伴わないソフト施策の啓発事業もあると思います。
男性の育児休業の取得について、少し施策を考えられないかと議論を始めていますが、実効性のある施策になっているかというところで、まだ検討途上になっています。
まず我々として言えることは、啓発をしっかり進めていくことになるのではないかと思っています。
(沢田:高知新聞記者)
国単位の課題や地域独自の課題を解決するために、国の交付金ができたと思います。その中で高知県独自に、男性の育児休業取得を促進するための施策を打つといったことはお考えですか。
(知事)
私達が今、交付金事業として実施していきたいと考えているのは、何と言ってもワンストップでの情報提供をするという取り組みと、特に高知の場合に一番大きいのは、出会いの機会づくりの部分に非常に注力しています。研修を行ったり、出会いの場を作るとともに、独身者のスキルアップセミナーを充実させることは際立っていると思います。県民世論調査を行うと、やはりこういうものを充実させてほしいという回答が多いので、こうした施策はどちらかと言うと、高知のような地方タイプだと思います。
東京23区などの超都会タイプになってくると、待機児童対策が大きく関わってきますが、地方になってくると、出会い対策を充実することが求められてきます。そのための施策を充実するとともに、いろんな人に参加してもらうためにも気軽に行ける相談場所の常設が必要であり、今回こういう機能を一元化する形でワンストップの「高知家の出会い・結婚・子育て応援コーナー(仮称)」を設けるという施策の形になっています。
ただ、ご指摘のとおり発展途上なので、(これからも)いろんなご意見を聞き、施策の充実を図っていけるようにしていきたいとは思っています。
「男性がもっと家事を分担しましょう」ということをどう政策的に誘導していくのかということは、なかなか難しいところがありますが、やはり、何と言っても啓発事業ではないかと思っています。
(沢田:高知新聞記者)
出産後の女性再就職促進事業費補助金について、退職した女性を正規職員として雇用した事業主に一時金を支給することで、やむなく退職した方を支援することも大事だと思いますが、今まさに妊娠されている、あるいは妊娠を予定されている方が仕事を辞めずに育児休業を取得して働き続けられるための支援策は、平成26年度当初予算の中のどこにあたるのでしょうか。
(知事)
辞めないための対策より、まずは出産を機に退職した人のための再就職が一番困難なハードルではないかということで、我々としては、まずこれから踏み出したということです。
こういった対策を全部はできませんし、こんなことをやっているところもありません。これだって相当踏み込んでいると思います。
(沢田:高知新聞記者)
全国初ですか。
(知事)
全国初だと思います。我々としては相当踏み込んだつもりですが、「このほかのことはやっていない」と言われれば、どこまでやっていくのか際限がありません。
南海トラフ地震対策(3)
(大山:高知新聞記者)
南海トラフ地震対策推進地域本部について、先ほど知事が言ったように、地域に入り込んで実情を知り、きめ細かな対策をとるのはもちろん大事なことだと思います。ただ、17人という限られた人数の中で、市町村の代わりに仕事をやるという形になってしまっては、入り込み過ぎてしまう部分もあるかと思います。
市町村との関わり方や地域への入り込み方を、知事はどのようにイメージされて進めようと思われているのですか。
(知事)
市町村で、例えばどれだけの人が地域の防災対策に携わっているかということを、きめ細かく見ていった時に、市町村によっては、南海トラフ地震対策を進めている担当職員が1名だけといった場合があるわけです。市町村でも行革を進めているので、職員数が削減されて、いろんな取り組みを兼務でやっていると思います。我々が実際に調べてみると、特に町村では、1名だけでいろいろな避難計画づくりや避難拠点づくりを行っているところもあります。
そういうところへ、マンパワー的に少しでも応援できる体制を作っていかなければならないと県として思っていますし、また国もそういうことを支援していくべきではないかということを、私も「ナショナル・レジリエンス懇談会」のメンバーとして、国土強靭化大綱づくりの時に、強く申し上げました。やはり、行革を進めてきている中で、マンパワー不足問題ということについて、しっかり対応できるようにしていくことがまず第一に必要だと思います。
(大山:高知新聞記者)
市町村との関わり方のイメージが、市町村の職員の代わりを務めるということになり過すぎると・・・。
(知事)
例えば、安芸地域にしても、東洋町から芸西村まであるわけですから、一定限界はありますが、地域本部の職員が機動部隊的に応援していくことになると思います。
ただ、主体が市町村であるのは間違いありません。その市町村が主体的に取り組まれている中において、どうしてもマンパワー不足の部分はありますので、地域本部という形で市町村に入り込んで少しでも応援できればというのが第一です。
もう一つは、何といっても今後、いろんな施策の展開を図っていく上で、例えば避難計画づくりにしても、さらには応急期の医療救護体制の整備や道路の啓開計画づくりにしても、やはり地域に入っていかないとできないことがあります。
だからこそ地域に入り込んでいかせていただいて、地域ごとの実情に合わせた対策を市町村と一緒に考えていこうとすることが、地域本部の一番の主眼になろうかと思います。
災害時の医療救護計画や道路の啓開計画を作るにしても、地域でどれだけ医療資源があり、それが被災時にどうなって、それが故に、どこへどういうふうに臨時の救護所を作つって、そこにどれだけの人をどう呼んで来て、そのために道はどう確保されないといけないとか、ヘリポートからどういうものを持ってこないといけないとかを具体的に考えていかないとできないところが最終的には出てくるので、そのためには、やはり地域に入っていき地域の地形も見て、人や住居の配置も見ながら考えていくことが必要だと思います。
そういうことからいけば、やはり地域に関係スタッフを予め配置しておいたほうがいいのではないかと考えたところです。
米軍機の低空飛行訓練
(中田:高知民報記者)
平成26年度当初予算では、米軍機の低空飛行関連で、嶺北に配置する騒音測定器を増やされていますが、要するにそれは「低空飛行はやめてください」ということだと思います。
一方で、沖縄の負担軽減の関係で見た場合、「既に高知県は負担していることを配慮してもらいたい」ということが、米軍機の飛行を前提にしているかのようにも聞こえなくもないのですが、知事のお考えは。
(知事)
今後、沖縄の負担軽減は全国的な問題になるでしょう。ですから、沖縄の負担軽減を全く否定するものではありませんし、高知県としても一定の負担を負わなければならないと思います。
ただ、沖縄の負担軽減のために、別の地域が過剰な負担を引き受けなければならないということはやめてもらいたいと思いますし、全国で平等に負担を分かち合う形にしてもらいたいという話を国に申し上げています。
そういう時に、高知県の負担が全く無いことにはならないと思っています。他方で、高知県は既に相当の過剰な負担を引き受けていることになっていると思います。特に、夜中に赤ん坊が泣き出すような訓練が行われたりしています。そういう過剰な負担についてはやめてもらうよう、これからも訴え続けていきたいというスタンスです。
(中田:高知民報記者)
(米軍機の飛行を)中止するということではなくなってきたということですか。
(知事)
完全に中止ということになるかどうか。そこは沖縄のことも考えないといけないと思います。ただし、その中でも人々の平穏な生活を脅かすようなことはやめてもらいたいということは、引き続き強く訴えていきたいと思います。
第1次産業の競争力強化(2)
(竹村:高知新聞記者)
園芸農業以外の農業強化が、平成26年度当初予算の中に含まれていると思いますが、今回の予算における主な事業としては、基幹産業である園芸農業に重点を置くという認識でよろしいでしょうか。
(知事)
際立って大きくしたのは園芸農業ですが、例えば、引き続き花卉の栽培や販売促進の事業は、かなり強化して行っていきますし、さらに、水田関連の施策についても一定集約化できるものについては取り組んでいきます。さらに、ホールクロップサイレージ〔稲の実と茎葉を同時に収穫して発酵させた牛の飼料〕といった取り組みも、引き続き対策を講じていくように盛り込んでいます。
特に今回、際立って大きくなっているのは、先ほど言った「農業担い手育成センター」、「次世代施設園芸団地」、「農地中間管理機構」の部分だと思います。
(竹村:高知新聞記者)
国の成長戦略とアベノミクスとTPPの構想がなければ、実現できなかった予算であるわけですが、その辺りでは先ほど知事が言ったように、財源は良い意味で確保できたということですか。
(知事)
そうです。使えるものは使わせてもらうという話をこの前も申し上げましたが、特に今回の農業の関係でいえば、これはチャンスだと思うようなものが結構あったわけです。
例えば、「農地中間管理機構」の取り組みにしても、JAの生産部会の皆様にご協力いただいて、今後の土地の動向や後継者の動向などを調べていただきました。その時に今後、「農業担い手育成センター」を作っていこうと考えていた時だったので、それにあわせてこの土地をマッチングさせていくための仕組みが強化されるということであれば好都合であり、うまく連携できると思いました。
さらに、オランダ型の農業をモデルに農業技術センターで開発したものを、農業改良普及員が学び教えあう場を通じて普及していくような取り組みを始めていた時に、その取り組みについてさらに「次世代施設園芸団地」という形で、より有効的な事業が入ってきました。これはチャンスだと思ったので、すぐに農林水産省にも(提案を)行ってきたということで、いいタイミングでいいものがきていると思います。
多分、チャンスはいろんなところに転がっているので、そのチャンスをとにかく掴み取ってこないといけないということかと思います。(今回は)特にそれが農業において顕著であったということではないでしょうか。
(司会)
以上で知事記者会見を終わらせていただきます。
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