令和4年2月16日 知事記者発表

公開日 2022年03月01日

1  南海トラフ地震対策について①
2  南海トラフ地震対策について②
3  南海トラフ地震対策について③
4  南海トラフ地震対策について④
5  令和4年度当初予算案について①
6  グリーン化について①
7  グリーン化について②
8  グリーン化について③
9  グリーン化について④
10  グリーン化について⑤
11  令和4年度当初予算案について②
12  ガソリン税のトリガー条項について
13  県財政のあり方について
14  財政調整的基金について
15  保健所等の体制強化について
16  高齢者施設等の頻回検査について
17  関西圏との経済連携について①
18  関西圏との経済連携について②
19  令和4年度当初予算案について③

R4当初予算記者発表資料[PDF:3MB]

(知事)
 来週から2月定例県議会が開催されます。提案いたします議案、特に当初予算の概要につきましてご報告したいと思います。
 2月定例県議会を2月22日に招集します。提出します議案は、令和4年度の一般会計予算など予算議案が43件、条例その他議案が28件、報告議案が3件、合わせまして74件を予定しております。以下、令和4年度の当初予 算について概略を説明します。
 当初予算の規模ですが、一般会計の規模で4,821億円、前年比で4%程度の増になっております。予算編成におきましては、県勢浮揚の施策を着実に実行しながら今後の財政運営を見据えた予算を編成していく立場で編成い たしました。ポイントは4点挙げております。
 予算規模でご覧いただきますと、前年比4%増と積極的な予算を組んだことが一つ挙げられます。
 2点目です。まずは、現状を考えましても新型コロナウイルス感染症への対策に万全を期すことはもちろんですけれども、それは前提としながら、ウイズコロナ・アフターコロナの時代を見据えまして、特にデジタル化、 グリーン化、グローバル化といった時代の3つの潮流を先取りして施策を進化させるところに特に意を用いました。また、関西圏との連携、中山間地域の対策強化も重点的に対応したポイントと言って良いと思います。
 3点目につきましては、いわゆる公共事業等の投資的経費の規模の確保です。防災・減災への対応も考え、投資的経費938億円、前年を上回る規模の投資的経費は確保して、コロナ禍で苦しんでいる県内経済の下支えという 観点でも力を発揮してもらおうと予算編成しています。
 ポイントの4点目です。今、緊急に必要な予算を計上していく中で、将来的な財政の持続可能性も確保していく役割とする予算編成にしました。具体的には、特に今年度の2月補正予算、これは当初予算と一体的に編成し た訳ですが、先々の財政運営に備えていく観点から、特に財政調整的基金残高を一定程度確保していくことに意を用いました。
 以上がポイントです。予算の規模は、4,821億円、前年比で4%、186億円増でして、投資的経費についても前年を上回る規模を確保しています。
 そして、この予算の政策体系としてまず特出しすべきものとしては、感染症対策がございます。宿泊療養、自宅療養への対応も含めまして昨年の当初予算で組んだところから倍増。当初予算で必要な予算をしっかり組んで おくということが、一番のポイントと言えると思います。
 その上で、5つの基本政策、そして3つの横断的な政策といった体系ごとに整理させていただいております。
 また、横串を刺すものとして、特にデジタル化、グリーン化、グローバル化に力を入れて重点的に予算配分しようという考えで編成したところです。
 また、関西圏との連携、中山間地域の対策にも特に意を払ったとご理解いただきたいと思います。
 投資的経費は、938億円を確保しました。公共事業等、その他の普通建設費、それぞれについて所要額を確保しました。
 そして、将来にわたる財政の持続性確保です。ほぼこれは国の地方財政対策による部分も大きい訳ですが、まずは一般財源の総額を確保していくこと。最終的には確保のために財政調整的基金の中から104億円を取り崩す形 になりました。そして、歳出につきましては、スクラップ&ビルドを徹底して財源を生み出していく努力をしました。最終的に財源不足額が144億円、前年比で69億円、ほぼ倍近い増加になりました。これは、実質的な地方 交付税の減。特に地方交付税の代わりになっております臨時財政対策債という赤字地方債の発行額がかなり縮減されたこと。そして、全体的に今年のように税収が回復の過程にありますと、地方交付税に依存度が高い農村部 と言いますか、地方の財政基盤が脆弱な県については、どちらかと言いますと割を食う形になっていく傾向があることも反映して、実質的な地方交付税の減少が大きく効いたということです。144億円の財源不足に関しては、 県債を当てるほか、104億円の財政調整的基金の取り崩しで収支の均衡を図る予算編成を行ったところです。
 ただ、こうした中でも退職手当債や行政改革推進債は、かつては70億円程度目一杯発行していた時もありますが、令和4年度の発行は40億円に抑制する対応をしました。
 特に今年度の2月補正予算におきまして、基金の残高を確保するというやりくりをして何とか乗り切ろうと対応しています。
 財政調整的基金の見通しです。今進行しています令和3年度の税収、地方交付税も当初予算をかなり上回る収入が見込まれる。歳出などについても不要が見込まれるものがありますので、この部分につきまして、財政調整 的基金を2月補正で上乗せして余力を確保した上で、今回、財源不足が増えてしまいましたので、令和4年度の財政運営に備えるという対応を取りました。
 この点、将来的な見通しにつきましては、ベースになる試算は今年度の中期試算を見ますと、概ね安定的な残高は見込めると考えています。
 また、県債残高につきましては、過去、特に3ヵ年の国の国土強靭化の対策が取られてきた。そして、それに続く形で、5ヵ年の加速化対策が取られていることがあって、その分、公共事業の上積みがございますので、一 時的に県債の残高は増加していきますが、これについては、国の償還時における財源措置も手厚いこともございますし、これが完了すれば、中長期的には残高的にも落ち着いていく、低減に向かっていくという見込みを立て ているところです。
 コロナ関係の地方創生臨時交付金の活用についてです。
 本年度、繰り越し的なものも含めまして、総額347億円の配分がされている訳ですが、過去、感染の波に対応した経済対策等々で活用した部分がございますので、来年度繰り越して使える部分としては、31億円余りになり ます。そうした部分につきましては感染予防、感染拡大防止対策、そして、経済影響対策に活用していくことで当初予算に30億円余りを繰り越して充当することにしています。
 コロナの感染対策についてです。感染拡大がありましても、県民の皆さんに安心して対応いただける予算をあらかじめ組んでおくという考えで対応しております。感染予防の対策としてはワクチン接種、感染防止対策に必 要な物資の支援、検査、あんしん会食推進の店の認証制度に必要な事業を引き続き計上した中身になっています。
 2点目の医療提供体制の充実に関して、特に拡充分だけお話しておきますと、宿泊療養につきまして増額し必要な予算額を確保しています。もちろん、医療機関などにベッドを空けていただくことへの補償につきましても 所要額を計上させていただいています。
 そして、経済影響対策についてです。今、これはまさしく第6波が継続中ですから、当初予算ではなく、今進行中の令和3年度の計上予算、予備費などを活用し経済対策、雇用対策に係る県独自の措置を講じております。  また、新年度の予算におきましては、特にコロナの第6波の収束も睨みながら、収束後に予定されます観光キャンペーン等に要する経費、そして、事業者の方々がこのコロナ禍を契機に新分野に進出していくことを応援して いく補助金を計上しているところです。
 また、予備費につきましても、ここのところ2年間のコロナ関係での充当実績を踏まえまして、昨年度よりは上積みした予備費を計上させていただくことをお願いすることにしております。
 重点的に取り組む3つの時代の潮流に対応した予算の中身などについて、簡単にご説明したいと思います。
 1つ目は、時代の潮流の中でのデジタル化の推進です。大きく言いまして、行政、生活、産業、あらゆる分野においてデジタル化を進めていくことにより、利便性の向上、あるいは生産性の飛躍的な向上につなげていきた いということです。
 まず行政面につきましては、特に住民の皆さんに身近な行政を担当します市町村と共同して、行政事務のオンライン化を推進していくことで、電子申請、入札参加資格の電子申請システム等々について、アドバイザーの設 置なども含め充実を図っていくことにしています。
 2つ目のポイントとして、デジタルデバイド対策。特に高齢者のように、なかなかスマホを使うのが難儀だという方々にトレーニングしていただくために、活用サポーターを養成する事業。そして、中山間地域でモデル的 にドローンなどを使って生活の利便性を上げていく事業。そして、遠隔カメラによる観察という事業を活用して生活用水の安全確保対策を講じていくといった予算も計上しています。
 中山間地域では、ヘルスケアモビリティ事業。車の中に遠隔医療に必要な機器を積み、中山間地域に出かけて、患者の皆さんのオンライン診療、あるいは投薬指導などを提供していく事業を展開すること。
 そして、教育の場面でもデジタル教育、遠隔教育などを含めまして引き続きデジタル化に対応していく事業を計上しております。
 また、一次産業におきましては、これも過去5年間、続けています農業分野におけるIOPの推進事業につきまして引き続き所要額を計上しています。
 それから、森林情報のデジタル化などにより林業もデジタル化を進めていく。
 そして、水産業におきましてもできるだけ収益を最大化、極大化していく観点から、色々なコストをトータルで予測できるシステムを開発していく取り組みを始めることにしております。
 そして、社会資本の整備、特に建設業分野におけるデジタル化につきまして、河川航空レーザ測量といった取り組みと併せ、建設業の皆さまのデジタル化を進めていくための支援を引き続き計上しております。
 次に、潮流の2つ目としてのグリーン化です。2050年カーボンニュートラル宣言をしまして、国に呼応し県として、2030年に向けたCO2の47%以上の削減を目指していく方針を示したところです。
 このために、3本柱での対策を講じていくとにしています。
 1つは、CO2の削減に向けた取り組みでして、電気自動車、太陽光発電、水素供給設備、いわゆる燃料電池ですね。こういったものの整備を進めていくこと。そして、森林の整備を進めていく観点から、さらに広く言え  ば、林業、森林関係の予算の全体がここに入ってくることになろうかと思いますが、この中では特に再造林の整備に焦点を絞って挙げさせていただいています。
 そして、2点目がグリーン化の関連産業を育成して県の産業振興につなげていくことでして、省エネ設備の導入、プラスチック代替素材を開発していくことで産業振興につなげていくことなどについての支援。
 そして、SDGsを意識したオール高知の取り組みとして、SDGsの推進。
 そして、県自身が率先垂範をしていくということで、県有施設のグリーン化に取り組む予算も計上させていただいています。
 そして、グローバル化についてです。1つは輸出拡大でして、これは今、ユズ、土佐酒、冷凍マグロが稼ぎ頭ですが、そういった食品加工施設、冷凍設備の増をしっかり県内で整備していくことが輸出促進につながってい く上で必要ですので、こういった施設の整備を支援していくこと。
 また、インバウンド観光につきましても、関西との連携を軸にしっかりとコロナ収束後に備えておくこと。そして、外国人材の受入に関しても、日本語教育の充実等も含めて対応していく中身を計上しています。
 そして、5つの基本政策それぞれにつきまして、ポイントを絞ってご説明したいと思います。経済の活性化につきましては、5つの重点ポイントを産業振興計画の改定に掲げまして、7つの基本的な方向に沿って対応して いくことにしています。
 具体的な中身ですが、デジタル化で先ほど申し述べた以外に中小企業等のデジタル化が入ってきます。
 また、事業化支援について申しますと、事業戦略などをしっかりと練り直して事業展開を図っていただくことを支援させていただく中身が入っています。
 そして、外商活動の全国展開につきましては、特に関西圏との経済連携強化です。
 これは昨日、既に組織としては発足しましたが、関係者にお集まりいただき、関西圏の外商強化対策を協議すること。一段と外商対策を強化していくためにどういった新たな展開が考えられるかということについてご議論 をいただく体制を組むことにしています。
 また、高知家プロモーションですとか、県産品を贈答品として使っていただくことを後押ししていく事業を新規に計上していること。観光分野では、食を前面に出して観光キャンペーンを実施していくことと併せまして、 デジタルデータを活用してマーケティングをしていく取り組みも新たに展開してまいります。
 そして、人材育成、担い手確保に関して申しますと、移住の促進、事業承継、土佐まるごとビジネスアカデミーの展開、外国人材の受入、そして、働き方改革に関わる事業を計上しております。
 次の基本政策であります日本一の健康長寿県づくりです。1つは健康寿命の延伸、2つ目には、高知版の地域包括ケアシステムをもう少し進化させて共生社会の実現を目指していく。そして、子育て支援として高知版ネウ ボラなどの取り組みに数値目標を掲げ、バージョンアップをしながら引き続き推進してまいります。
 健康寿命の延伸につきましては、いわゆるポピュレーションアプローチと、特に糖尿病などについてですが、リスクの高い方々に焦点を絞ったハイリスクアプローチを並行して進めていくことにしています。このハイリス クアプローチについては、既にやっておりますのは、人工透析に入る直前のかなり重症化が進みつつある方を対象とした事業ですが、新たに糖尿病の重症化予防に関して、それよりももっと前の段階の予備軍と言われるよう な方々を対象としてデジタル技術を使って効率的に介入していく新しい事業に取り組むことにしています。
 それから、地域包括ケアシステムの構築についてです。これにつきましては、ヘルスケアモビリティ事業の他に、県東部地域におきまして、訪問看護の支援センター、あるいは看護学校機能なども含めた多機能支援施設を 整備していくための事業に着手します。その他、あったかふれあいセンター、地域共生社会に関連しまして、重層的支援体制の整備ですとか、ヤングケアラーの支援体制の強化も盛り込んでいます。医療的ケア対策、福祉介 護の人材確保にも力を入れます。
 子育てに関しては、地域における子育て支援センターの充実、市町村が小規模なファミリーサポートセンターを整備することを後押ししていくこと。
 出会い、結婚、子育て支援に関しては、若い方々に向けた情報発信を強化していくことを新たな取り組みとして盛り込んでいます。
 教育の充実、子育て支援です。教育大綱に基づきまして、生きる力を身につけてもらうことを主眼にして、1つ目はチーム学校の推進。個々の先生の努力に依存するのではなくて、学校が組織として対応していくこと。教 科の縦持ちが象徴的な取り組みですが、今回は小学校の高学年において教科担任制も導入される機会でもありますので、組織力を向上させていく観点からの事業も新たに展開してまいります。
 そして、2点目の基本方針として、特に厳しい環境にある子どもたちへの支援の充実。ヤングケアラー、医療的ケア児といった厳しい環境にあるお子さんたちへの支援。これを支える体制として、スクールソーシャルワー カーの活用事業も充実させることにしております。
 デジタル化に関しては、デジタル教育そのものに加え、遠隔教育などをさらに拡充していく中身を入れております。
 そして、地域との連携・協働、就学前教育等々に関し、いわゆる保幼小の連携事業の拡充。必要な県立学校の施設整備についても予算を計上させていただいています。
 不登校対策です。不登校対策のプロジェクトの充実と併せまして、保幼小中の連携モデルの中で不登校対策も取り組んでいくことを今回、新たに計上しております。
 働き方改革につきましては、校務支援員の拡充、そして、アンケートシステムを入れていくことによって事務負担を軽減していく取り組みも実施してまいります。
 南海トラフ地震対策です。今回、第5期の3ヵ年計画、行動計画に切り替える時期になります。想定される死者数が東日本大震災の直後、県内で4万2000人と想定されていたのが、これまで4期の取り組みを重ねたこと で、想定死者数は約5分の1、8,800人まで縮減が可能となりました。今後3ヵ年は第5期の計画でこれをさらに概ね半減に図っていく取り組みを進めてまいります。このために、命を守る対策として引き続き住宅の耐震化な どを進める他、特に自助の取り組み、共助の取り組みにつきまして、県民の皆さんへの新たな手法も含めて啓発を強化していく中身を計上しております。
 命をつなぐ対策として、インフラの整備、情報システムの整備、いわゆる浦戸湾の3重防護の対策と併せまして、消防防災ヘリコプターの機体の更新経費も計上しております。
 また、生活を立ち上げることとして、本年度はいわゆる事前復興に関して検討会を設けて検討することにしています。来年度は、これを踏まえて具体的に各市町村で事前復興のまちづくり計画を策定いただくことについて 支援していくこと。
 また、中小企業の皆さまにBCPを策定していただくことを後押ししていくことを拡充していきたいと考えております。
 インフラの充実に関してです。これは産業振興、そして防災という観点から必要なインフラ整備を着実に進めてまいります。道路、都市関係に関して言いますと、橋梁の耐震化等、四国8の字ネットワーク、そして生活道 におけます県道などの1.5車線化等々の整備を着実に進めてまいります。
 河川、海岸等につきまして、河川の改修などの災害防止、浦戸湾の3重防護対策、港湾の整備、防波堤整備を進めてまいります。治山砂防の分野におきましても必要な治山、地すべり対策などにつきまして鋭意進めてまい りたいと考えております。
 中山間対策です。本年度10年ぶりに実態調査を実施しましたので、これを踏まえ、1つには、集落活動センターに加え小さな集落への支援を強化すること。これを様々なパターンを想定して新たな展開を図っていくことに しております。
 デジタル化という点も、特に中山間地域の生活の利便性向上が産業振興という点から重要だと考えています。モデル事業ですとか、ヘルスケアモビリティ事業、遠隔教育などを充実してまいります。また、人づくりに関し ては、移住事業との連動、地域の元気応援事業、特に住宅につきまして、移住者の方々の住宅確保が移住者確保の上でも喫緊の課題となっておりますので、空き家対策などの抜本的な強化に向け大幅に充実を図っていくこと にしています。
 少子化対策についてです。これにつきましては、出会い、結婚段階への支援から子育て段階への支援までを含め引き続き支援してまいります。また、女性の活躍の場の拡大という観点から、ファミリーサポートセンターに ついても制度の拡充を図っていくことにしています。
 文化芸術・スポーツ振興です。文化・芸術につきましては、まんが甲子園のグローバル化を推進していくこと。県史の編さんを進めていくこと。スポーツに関しては、地域スポーツの振興、スポーツツーリズムの推進につ きまして、さらに力を入れてまいりたいと考えております。
 その他、119番通報の増加をできるだけ抑制していくことを狙った事業、そして、看護職員などの賃上げ、これは国の施策に対応したものです。食肉処理施設の整備、牧野植物園の磨き上げ整備事業もいよいよ大詰めになっ てくるということでして必要経費を計上しています。
 最後に、本年度の2月補正予算です。大雑把に申しますと、税収がコロナで見込んだほどには落ち込まなかったという意味も含めまして、当初予算よりは交付税がかなりの増額となっています。
 一方で、公共事業などにつきまして、国費が見込みを下回ることもございました影響で、国庫支出金の減などが見込まれます。こうした結果、経常経費の中では、将来の県債の償還に備えた財源の確保といった点について 手当することと、公共事業等について減額補正をするといった中身になっております。
 主な増額要素としては、コロナ対策、震度情報ネットワークの更新、四国カルストの県立自然公園の整備、とさでん交通支援が入っているのと、金額的に大きいのが、特に地方交付税については、法定5税の増収もありま したので地方交付税がかなり増えています。増収部分の多くの部分が地方債の償還に備えて貯金しておくようにという国の示唆もあり、将来の県債の償還に備える対応をしている中身です。
 以上、走り走りですが予算の概要です。よろしくお願い申し上げます。

(司会)
 それでは、各社からの質疑に移ります。質問される方は挙手をして、社名とお名前の発言をしていただいてから質問をお願いします。

 南海トラフ地震対策について①
(古谷・読売新聞記者)
 南海トラフ対策でお伺いしたいと思います。先ほど生活を立ち上げるというポイントがあったと思うのですけれども、別冊に、災害ケースマネジメントというのが入っているのですけれども、これは鳥取中部地震でも災害 計画があると思うのですけれど、その狙いと知事が描いているイメージをお伺いできればと思います。

(知事)
 この点は、県議会でも議論があった点だと思っています。特に災害時におきまして、いわゆる災害弱者と言われるような方々の対策を考えました時に、災害への対応、いわゆる非常時と言いますか、平常時でない点におい て、どういった形で的確な対応ができるかということをあらかじめ考えておくことが必要であるという問題意識に立った取り組みを進めていこうと。簡単に言いますとそういった中身であると思います。

 南海トラフ地震対策について②
(古谷・読売新聞記者)
 災害ケースマネジメントは、個別の状況に応じた、確か生活支援の方法だったと思うのですけれども、そういうイメージを持っていらっしゃるのですか。

(知事)
 この点については、今、私、詳細な説明を担当部から受けておりませんけれども、県議会でもご指摘いただいた宿題と受け止めておりますので、しっかり対応していこうということです。

 南海トラフ地震対策について③
(古谷・読売新聞記者)
 それともう一つ、事前復興という話がありました。市町村への働きかけというお話でしたけれども、具体的にどういう働きかけをして具体化していくのかお伺いいたします。

(知事)
 今年度、事前復興に関しては、検討会も作りまして一種のガイドラインと言いますか、指針的なものを策定させていただくところまで進みます。検討会の中には特に沿岸部の首長にも参加いただいたということです。そう いったガイドライン、指針を参考にしていただきながら、具体的に市町村で、最終的には住民の皆さんの議論も含めて検討していただく、事前復興のまちづくりの計画をつくっていただくことへ結びつけていくことであろう と考えております。そういったところへ向けて、東日本大震災での経験、先行していろんな取り組みでの教訓も踏まえていただきながら住民の皆さんの参加もいただくプロセスも交えながら、検討いただくことをサポートし ていければと考えております。

 南海トラフ地震対策について④
(古谷・読売新聞記者)
 事前復興は、非常に幅広いものがあると思うのですけれども、特に知事がその中で重要だとお感じになっている部分はどういうところでしょうか。

(知事)
 これは地域、地域によって中身が変わってくることは地理的条件も違いますから、あるとは思います。ただ、特に私自身が大事だと思っておりますことは、考えられる選択肢について、先行する事例なども参考にし、各地 域の実情も勘案していただきながら、たたき台的な考え方を行政が1つまとめて、住民の皆さんとよく議論しキャッチボールしていくことが一番肝要ではないかと思います。
 そうした中で、比較的早い段階でコンセンサスがスムーズにとれたものについては、そういったものがそのまま事前復興の計画になっていくと思います。現実になかなかいろんなご意見もあって難しい部分がございまして も、議論を通じて大きな論点整理ができれば意義があるのではないかと考えています。そういった観点で各市町村の実情に応じて、いわば行けるところまで行っていただくことが肝要なポイントなのではないかと思っており ます。

 令和4年度当初予算案について①
(大山・高知新聞記者)
 予算全体のことについて改めてお伺いしたいのですが、去年は反転攻勢の予算という打ち出し方をされていたと思います。今年の予算は、全体としてどんなイメージで何を狙った予算なのか教えてください。

(知事)
 残念ながら、コロナ禍、まだ収束にはほど遠いということでありますから、今の状況を考えましても、まずはコロナ対応について万全を期すことはしっかり措置をしながら、いつまでもコロナの対応に追われることではな いはずでありますし、そういうことであってはいけないと思っておりますので、むしろアフターコロナの時代をにらんで新しい時代への扉を開いていく予算にしたいという意味です。
 そのために、新しい時代をリードするデジタル化、グリーン化、そしてグローバル化、そういったものを時代の流れを先取りして、県の施策を進化させていくことに特に意を用いたということです。これ以外の横断的な課 題として、関西との経済連携、中山間地域の振興にも目配りをした予算と考えております。

 グリーン化について①
(大山・高知新聞記者)
 その中でグリーン化についてお伺いしたいのですが、予算上というより、これまでの施策の説明等でも、グリーン化は知事の中でかなり大きな施策だと思うのですが、この予算を見ると、高知らしい施策というのが分かりづらい形になっている、あまり目立たない気もするのですが、高知らしさというところの知事のこだわりであったり、打ち出した原因であったり思いを教えてください。

(知事)
 グリーン化、これはいわゆる地球規模の問題でもありますし、財源的な分担ということで特に産業振興などについて申しますと、国が役割を負っている部分もありますので、県の予算として見た時に、金額的に桁が少ない のじゃないかという印象があるのではないかと拝察いたします。
 ただ、高知に関しまして、私は、自然の豊かさという高知の特色、良いところを生かしていける。そして日本全体、全世界に貢献できることがグリーン化という問題の肝だと考えています。その意味では森林面積率日本一 の高知県ですから、森林を活用して木材の利用を日本全国に、あるいは世界的に押し進めていくこと。そこの先頭に立っていくことが一番大きなポイントであると思います。
 これは、究極を言えば、県の林業予算全体がそうだということになりますから、今回グリーン化ということで束ねた予算の中では、そこまでは入れておりませんけれどもそういったこと。
 そして、自然の豊かさということで、日照時間だとか降水量というところを言いますと、太陽光発電、小水力発電といった再生可能エネルギーを、高知でももっと導入していけると思います。
 さらに、高知の伝統的な産業で言いますと紙がありますので、この紙産業におきます蓄積した技術を生かしてプラスチック代替素材の開発につなげていくこと。
 さらに高知は、熱源等々のガスがLPガスを使っていること。都市部では都市ガスのグリーン化というのは大企業を中心に取り組まれると思います。高知県も典型的にそうですけれども、農村部とか地方部においてプロパン ガスが主体になっている中で、プロパンガスのグリーン化、木質バイオマスの推進。
 また、海の水生生物を使った研究に県としてもコミットしていく。これはメインは国の基金等を使ってということになる訳ですが、これも県として一緒になってやっていくこと。こういったところが高知らしい取り組みの 代表選手ではないかと思っております。

 グリーン化について②
(大山・高知新聞記者)
 グリーン化で追加で質問ですが、先ほど、全世界に貢献できると、おっしゃっていましたが、このことによって、そのイメージも含めて、高知が先進県だから県内の産業振興にもつながり得る、成長につながるという理解で構わないのでしょうか。

(知事)
 イメージで直ちに産業振興になるかどうかというのはありますけれども、1つは、再生可能エネルギーですとか、代替素材ですとか、省エネ設備の開発を通じて直接的に産業振興につながる、お金が稼げるというのは、一 番望ましいパターンだと思います。
   ただ、そこまで行かなくても、高知が持っている自然が、例えば国民、あるいは全世界の食であったり、エネルギーであったり、水であったり、生活を支えていく、全世界の持続可能性というものを支える大事なパーツを 高知が担っていることを県民の皆さんに実感していただいて、全世界とともにある高知、日本の都市部とともに共存・共栄をしていく高知という姿を感じていただくことが大事なポイントではないかと思います。

 グリーン化について③
(大山・高知新聞記者)
 一方で、グリーン化というのは、産業振興計画の横軸というのか、あるいは柱にもされていると思います。そういう意味で言うと、県民からすると、やっぱり経済につなげて欲しいという思いが出てくるのではないかという気がするのですが、その辺はどうお考えでしょうか。

(知事)
 具体的には、代替素材とか省エネ設備といったものが本命になってくると思います。一方で、これは先だってのフォローアップ委員会の中でも議論がございましたけれど、やはり特に製造業ですとか商工業関係で言います と、これは高知ならではというより、むしろ日本全体としてCO2削減のために、製造業の設備あるいは商工業関係の活動のCO2削減は待ったなしに取り組まなければいけないということがございますから、そういったものに うまく対応していく中でビジネスチャンスも生まれてくることだと思います。そういった形で、産業振興計画の中に掲げる産業の活性化、経済の活性化にもつなげていける道の一つだと考えています。

 グリーン化について④
(大山・高知新聞記者)
 グリーン化の個別の事業で環境不動産の施策を挙げられていると思います。これは林業振興にもつながりますし、部局では強い思いもあると思うのですが、知事のこの施策に対する評価だったり意欲を教えてください。

(知事)
 この環境不動産の考え方、日本CLT協会等と一緒になって政策提言もさせていただいています。考え方を申しますと、特に木材を使った環境に優しい建物については、しっかりと経済的な価値を評価して、それだけ価値がある財産だから、例えば都市計画で容積率の上乗せをしても良いのではないか、税制の優遇、金融の中での低利、融資などの優遇措置をしても良いのではないか、そういう枠組みを国全体として作っていくべきではないかと いう提言をさせていただいております。
 また、これは国全体の大掛かりなものまではいかないまでも、県独自でも先行的に取り組めるテーマではないかと私は思っています。まず国に提言する前に、県自身が挑戦してみよう、やってみようということで、まず県 内で環境に優しい不動産の評価や認定をしていく。そして、それを支援していく枠組みを都市計画や税制で組み立てられるかということを勉強して、できるだけ早く具体的な制度化につなげたいという思いで、前段階となる 調査・研究をやっていきたいと考えています。

 グリーン化について⑤
(大山・高知新聞記者)
 グリーン化で本年度にアクションプランを作られて、来年度はどんな年になるのかという位置づけと、知事のグリーン化に対する意欲、決意を教えてください。

(知事)
 全体像としては、本年、アクションプランを作る、本年度完成させるということですから、これに沿って着実に第一歩を踏み出すのが令和4年度だと思っています。
 ただ、このアクションプランもグリーン化の世界も日進月歩だと思いますから、そうした中身に応じてリバイズしバージョンアップしていく。それが必要だと思っておりますから、そうした観点で今回リストアップした取 り組みの進捗状況もしっかりとチェックしながら、さらなる高みを目指していく観点からも、絶えず進化していくことを目指していきたいと思っております。

 令和4年度当初予算案について②
(伊藤・NHK記者)
 予算全体のことをお伺いしたいのですけれども、先ほどコロナ以降の社会を見据えた予算の編成にされたということでしたが、改めて来年度、どのように県政運営に取り組んでいかれたいかお聞かせいただけますか。

(知事)
 当面、新年度入りする前に、今の第6波のコロナの感染拡大に何とか収束の道筋はつけたいというのが第一ですが、なかなか先は予断を許さないところもありますから、新年度に入りまして、直ちに必要なコロナ対策が支 障なく行える予算上、財政的な裏づけは、まず当初予算でしっかりしておくのが大前提です。その上で、ある意味、オミクロン株のような変異株が出てきたということは、好意的なシナリオ、楽観的なシナリオから言えば、 過去のパンデミックで見ても、これは大きく言って収束していく方向の兆しだという見方もできようかと思いますから、アフターコロナの時代へ向けて、新しい時代のキーとなるような動きを県でもしっかり先取りして、そ の先頭に立っていくという気概で取り組みたいというのがベースとしてあります。
 それが具体的にはデジタル化であったり、グリーン化であったり、そして、これはかなり収束していくことが前提になりますけれども、グローバル化であったりということだと思います。こうした成長の芽と言いますか、 新しい時代の流れの先駆けの動きは、既に県内のいろんな分野で出ていると思っています。そういったものを捉えて、高知がどう存在感を発揮できるのかということを考えた中で必要な事業、そして有望だと思われる事業を 厳選して今回の予算の中で計上させていただいたとご理解いただければと思います。

 ガソリン税のトリガー条項について
(甲斐田・時事通信記者)
 県の予算は、国の影響を大きく受けると思うのですけれど、昨今、国会でもガソリン税の上乗せ分を停止するなど、トリガー条項についての議論が進められています。国に対する知事の見解を教えていただければと思います。

(知事)
 最近の原油価格の高騰による経済の影響に関しては、国で初めて補助金による手当が行われたと承知しています。これによって、一定効果は出て来ていると思います。十数年前のガソリン高騰の時に、ガソリン税あるいは 地方税法もそうですけれども、いわゆる暫定税率として上乗せしている税率を、原油価格が高騰した時には、本則の税率まで下げるという一定の条件を書き込んだ、いわゆるトリガー条項が設けられていて、これの発動を考 える必要があるのではないかという議論が行われていることだと承知してます。
 岸田総理は、どちらかと言いますと、税制まで動員していくことに関しては、慎重な立場をとられていると思いますが、私もその点は同感でして、このガソリン税あるいは軽油引取税のいわば減税をして本則の税率に戻す と、本県でも財源に年間で数十億円の穴が開いてしまうことになります。
 国も地方も大幅な減収になってしまうことになってしまいますので、特に国に関して申しますと、これは全体的な経済政策の立場から、一定の措置を講じるという考え方はあるのかもしれませんけれども、地方の税制に穴 を開けてという形で、この原油価格の高騰対策を行うことは正直困る、財政的に穴が開いてしまっては、県が立ちいかなくなります。
 そうは言いましても、原油価格の高騰でいろいろなところで影響が出ておりまして、経済対策として緊急に講じていかないといけないことであるとすれば、今現に国は、補助金を出す形で、価格の引き下げ効果を狙った圧 力を取っている訳でありますから、そうした延長線の中で、国の責任で検討していただくのが筋だと思います。
 あと、テクニカルに申し上げますと、税制を変えるとなりますと、当然、国会の議決も要りますし、税にかかわる話ですから、さまざまな手続きが必要になり、一定、かなりの時間を要することになると思います。そうし ますと買い控え等も起こり得ますから、流通面での混乱も起こり得るということで、いろいろと税制を使って原油の価格高騰対策を講じるというのは、課題が非常に多すぎるのではないか。その中で特に地方の財源確保とい うことから言いますと、地方の財政に穴を開けられることは決してあってはならないことだという思いを持っております。

 県財政のあり方について
(甲斐田・時事通信記者)
 トリガー条項では、どうしても軽油引取税などの影響が出てくると思うのですけれども、今回は地方交付税が大幅に減少することで、すぐに県財政に、例えば財源不足の悪化が生じるとか、影響が出るような構造になって いると思うのですけれど、県財政の自立性をどう高めていくのが良いのか、知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 この部分はある意味、構造的な問題。もう日本の地方行政のみならず、国も含めた行政の構造的な問題だと思っています。日本の地方公共団体は、県にしても市町村にしても、国の法律で福祉、教育、安全確保、公共投 資、いろんな分野について、一定レベルの行政をちゃんとしなさいということが枠組みとして決まっている一方で、法の枠組みの中で地方税が財源として付与され、足らないものは地方交付税とか国庫支出金で国から賄われ ると。そういう構造の中で財政の均衡を保って活動しています。
 そうした中で、できるだけ地方分権を進めていくべきだという論点は、これはこれとしてありますけれども、原油価格の動向といった大きな国の経済政策にかかわる問題ですから、国の責任で、国の枠組みの中で対応して もらうのが基本だと思います。これに関して地方として、国の法律で決まった以上は、それに従ってやっていかないといけないのが、ある意味宿命ではありますが、それに対して、同じ立場に立つ全国の知事と共同して、例 えば全国知事会などを通じて提言・要望活動をしていく形で、地方の立場・考えを訴えて国を動かして、大きな国の制度の枠組みを変えさせる対応をとっていくのが、片方では必要になってくると思っております。

 財政調整的基金について
(甲斐田・時事通信記者)
 財政調整的基金の現在の残高について、知事として率直な受け止めを教えていただけたらと思います。

(知事)
 令和4年度の当初予算編成が終わったところで、財源不足がかなり拡大し、140億円余りになりました。現在、財政調整的基金の残高は、180億円ぐらいです。ですから、令和4年度の予算を組む時に出た財源不足は少なく ともカバーして、若干お釣りが出る程度の残高は確保できているということです。しかし、安定的な財政運営や持続可能性を考えますと、できるだけ毎年度の財源不足は、収支均衡が近い方向で圧縮していくことが望ましい と思っておりますし、そうしたいと思っております。最小限、望まれるレベルとして、直近の単年度の財源不足の規模、残高は確保できていることでもありますし、一般的に言われる標準財政規模の5%という目安の水準か らすれば、それを上回る規模の水準は今確保できていることだと思いますから、目標としては、こういった残高は確保しながら、しっかりと健全性を担保した財政運営をしていくことが大事な取り組みではないかと考えてお ります。

 保健所等の体制強化について
(中田・高知民報記者)
 今回の知事の予算の主な問題意識は要はポストコロナで、今、収束の兆しがあるとか、結構、楽観的なお話をされていると思って聞いていました。一つお聞きしたいのは、今、保健所がパンクしてる、機能不全に陥ってい ることは、もう全国的にも問題だし、高知県でも、やるべき検査をかなり間引きしているから、伸びが鈍化しているとお話しされました。要は、今までやっていた検査をどんどん間引きしている。要はキャパの問題があっ て、オーバーフローしてるのが実態じゃないかと思います。今回の予算の中で、公衆衛生を強めていく観点のお話はあまり感じられなかったのですけれど、そこはいかがでしょうか。

(知事)
 保健所の事務処理能力の関係から、かつて感染がこれほど拡大する前、幅広く、あるいは濃密な形で行っていた濃厚接触者の検査について、ある程度ここは端折る部分は端折って、検査も省略する形で、みなし陽性という 制度を入れた対応をしている中で、局所局所では、かつてであればもう少し検査がされてあぶり出された部分が落ちてきているという懸念のある部分は、全く否定はできないと思います。
 検査のキャパシティの減少の中で、把握漏れが出ているのではないかと懸念されるレベルまで上がってきているのではないかというお話はあるかと思いますが、大きな構造として見ますと、PCR陽性率25.3%ですから、感 染拡大期前に比べるとかなり高い水準です。全国的にこの25.3%という数字から見て、必ずしも把握漏れが非常に高いところまでは行っていないのではないかということもございます。
 現実に検査キットなどの供給に限界があることからすれば、それをいかに優先度が高いところに投入していくかというところを、アクションとしてやっていくことではないかと思います。
 その意味で、高齢者施設とか医療機関のように、特に重症化のリスクの高い高齢者の方とか、あるいは基礎疾患をお持ちの方に対する検査に滞りが生じないことを最優先に対応を図っています。さらなる検査能力の確保と いう点に関しては、これは国に対して、引き続き提言・要望をして訴えていかないといけないという思いはございますけれども、今、我々としては、でき得る能力の中で必要度が高いところを優先して、重点化をして対応し ていると考えております。

 高齢者施設等の頻回検査について
(中田・高知民報記者)
 高齢者施設のスタッフへの頻回検査はされますか。

(知事)
 予防的な措置として、いわゆる集中的検査を実施するということで、順次、感染拡大した地域においてやっていくということです。具体的には健康対策課で選定し、声掛けして実施していくことで考えております。

 関西圏との経済連携について①
(井上・高知新聞記者)
 関西圏との経済連携強化についてお伺いします。強化戦略をまとめて令和3年度が1年目の取り組みでした。その成果や課題、それから令和4年度に強化するところを、もう少し具体的にお伺いしたいと思います。

(知事)
 関西戦略については3本柱で取り組んでおりまして、観光振興に関して申しますと、率直に申し上げて、特にインバウンド観光に関しては、コロナ禍の中でこれに取り組んでいく前提条件がなかなか整っていないと。アジ アから関西へのインバウンド観光客を少しでも高知に引っ張ってきたいというのがもとの志でしたが、なかなか前提のところの関西へのインバウンド観光客がほぼ皆減している状況ですから、インバウンド観光は大変厳しい 状況であると思います。この点については、ある意味、コロナの収束も見据えて、時合いが変わったら直ちに対応ができるように備えをしておくことが大事な点ではないかと思っています。
 一方で、今回、特に具体的にスピードアップして対策を強化したいと考えているのが外商部門です。外商部門は、1年目の成果はある意味まだら模様でした。
 今、木材関係はウッドショックの影響もあり、かなり県産材の売り上げは増えています。食品関係でも一部の食品では量販店での取り扱いなどについて検討しているということですが、一方で商談会などが緊急事態宣言下 で十分行えなかったこともあって、新たな売り込みの営業活動には限界があったのがここ1年の取り組みの現況だと思います。
 ここは、コロナ禍の収束の動向を見据えて、反転攻勢に出たいという点はもちろんありますけれども、外商全般について、昨日新たな対策協議会を設けまして、県内の関係者にお集まりいただいて、さまざまな分野でいろ んな活動を行っていただいておりますが、横の情報交換をしている中で、良い取り組みの他業種、他分野での横展開的な新しい取り組みができないかということ。そして、関西における新しい外商の拠点施設的なもの、これ は選択肢はかなり幅広だと思いますが、幅広の選択肢の中で費用対効果といった面も含めて、どういった方法が実現可能性が高い選択肢であるかといったことを、今年度の夏ぐらいまでにはまとめていただこうということ で、昨日スタートさせていただきました。そういった検討作業の結果も踏まえて、さらに前へ進んでいくことを目指していきたいと考えております。

関西圏との経済連携について②
(井上・高知新聞記者)
 知事がおっしゃった外商拠点が今必要だと思われた背景、それから一方で組織改正で、もうかなり体制を拡充・充実させておられると思いますけれども、そこの狙いも含めて聞かせてください。

(知事)
 関西の経済連携の強化によります県経済の活性化は、2年前、選挙で私が訴えてきた重点公約の一つでもありますし、この4年間の中で何とか形に見える成果を上げることにこだわっていきたいと思っていた分野でもあります。その意味でこの4年間の折り返し、後半戦に入るタイミングで、体制として抜本的に強化して、これに専任してあたっていただく副部長クラス、あるいは室の設置で、さらにギアチェンジをしていきたい部分があるの と同時に、特に外商拠点に関して申しますと、皆さん、やはりいろいろ議論させていただく中で念頭にありますのは、東京のまるごと高知の取り組みです。
 関西と東京、状況が違う部分もありますから、全く同じではないとは思いますけれども、都心型であるのか郊外型であるのか、あるいは官主導でいくのか、民主導でいくのか、いろんなパターンはあると思いますが、ある 意味、象徴的な意味も含めて関西戦略の進展を目に見えて県民の皆さんに実感していただいて、じゃあ自分たちも応援しようという動機づけと言いますか、方向づけのきっかけになっていく部分もあり得るのではないかと。 そういう思いもあり、少しそこは幅広な選択肢の中で調査・研究をお願いしたいと考えた次第です。

 令和4年度当初予算案について③
(村山・テレビ高知記者)
 予算というのは、県が「こうして行くんだ」という県民に対するメッセージの意味もあるかと思いますが、来年度の予算編成を通じて、知事が一番県民に伝えたいことは何ですか。

(知事)
 県民の皆さんに伝えたいことで申しますと、今現在ここ2年間はコロナ禍ということもありまして、なかなか県民の皆さんの社会経済活動も思うに任せない。県勢浮揚への取り組みということも、関西戦略も含めまして目 指してきたところがなかなか道筋が見えてこない部分も少なくない、つらい側面もかなりあると思います。
 ただ、「明けない夜はない」という言葉もございますから、いつまでもコロナ禍で社会経済が停滞しているということではないし、決してあってはならないと思います。そういう意味では、コロナ禍の収束も見据えて、次 の世代が主役になるような新しい高知県をどう構想し、そのための種まきをして、それを育てていくことに県民の皆さんとともに知恵を絞って前へ進んでいきたいのが今の私の心境でして、そういう気持ちを込めて予算編成 をさせていただいたことをお伝えしたいと思います。

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