同行二人

修行の道場

四国八十八カ所の霊場(寺院又は札所ともいう)は、弘法大師が創建したという説はありますが、定説ではないようです。

いろいろな願いをかなえてもらうための、弘法大師信仰の一形態で、その確立期は、室町時代末期又は徳川時代初期といわれています。

霊場一巡の全行程は約1,450キロメートル、徒歩で40日から60日かかりますが、近年では、車で一週間もあれば巡ることもできるようになりました。

しかし、その反面この便利な時代にあって、あえて「歩き遍路」で巡る人の姿も見かけます。

高知県では、24番の最御崎寺から39番の延光寺まで16か所。札所数が少ない割に距離は長く、高知県の札所巡りは別名「修行の道場」ともよばれています。

四国八十八カ所(高知県札所)

札所巡りの写真2

■二十四番【最御崎寺(ほつみさきじ)】 室戸市室戸岬
名勝室戸岬の突端。遍路道近くに弘法大師修行の御蔵堂があります。本尊など重要文化財。東寺ともいいます。

■二十五番【津照寺(しんしょうじ)】 室戸市室津
俗に津寺。藩主山内一豊を海賊から救ったので「かじとり地蔵」と呼ばれています。昔から漁業関係者の信仰が厚い寺として有名です。

■二十六番【金剛頂寺(こんごうちょうじ)】 室戸市元
行当岬の頂上にあり、西寺ともいいます。
境内の霊宝殿には密教関係の重要文化財があります。

■二十七番【神峯寺(こうのみねじ)】 安田町唐浜
四国霊場の中でも五指に入る難所。土佐の関所と言われましたが、最近は車で近くまでのぼれます。本尊十一面観世音(秘仏)。

札所巡りの写真3

■二十八番【大日寺(だいにちじ)】 香南市野市町
昔は大寺でした。今は小さくなりましたが、重要文化財の大日如来像は高さ147センチで本県随一の巨像です。

■二十九番【国分寺(こくぶんじ)】 南国市国分
天平11年(739年)聖武天皇が諸国に建てた国分寺の一つ。
本堂は長宗我部元親が建てました。

■三十番 【善楽寺(ぜんらくじ)】 高知市一宮
明治元年(1869年)神仏分離令により一時廃寺。本尊は国分寺へ。その後、明治9年に安楽寺に移され、昭和4年に復興。平成6年に土佐一ノ宮善楽寺となり、安楽寺は奥の院となりました。

■三十一番【竹林寺(ちくりんじ)】 高知市五台山
本尊の文殊菩薩など19体の仏像と本堂は重要文化財。
本坊裏の庭園も名勝で、土佐の文化財の宝庫と言われています。

札所巡りの写真4

■三十二番【禅師峰寺(ぜんじぶじ)】 南国市十市
海岸に近い標高100メートルの小高い丘に立つ。
仁王像2体は重要文化財です。

■三十三番【雪蹊寺(せっけいじ)】 高知市長浜
寺名は、長宗我部元親の法号にちなんでつけられました。真言宗から臨済宗に転宗。仏像16体が重要文化財。

■三十四番【種間寺(たねまじ)】 高知市春野町秋山
弘法大師が唐から持ち帰った五穀の種をまいたことから、種間寺という名前がついたといわれています。

■三十五番【清瀧寺(きよたきじ)】 土佐市高岡町
境内では、台座を含め15メートルものジャンボな薬師如来像が目をひきます。厄除け信者が多い寺です。

■三十六番【青龍寺(しょうりゅうじ)】 土佐市宇佐町
横浪スカイライン入り口の大橋を渡り、約2キロの所にあり、本尊は「浪切り不動」と呼ばれ、海上安全の霊場として知られています。

札所巡りの写真5

■三十七番【岩本寺(いわもとじ)】 四万十町(旧窪川町)茂串町
昭和53年に新築した本堂天井には、四国をはじめ、秋田、鹿児島などから老若男女が寄進した575枚の絵が張られています。

■三十八番【金剛福寺(こんごうふくじ)】 土佐清水市足摺岬
足摺岬先端の自然に囲まれ、古刹の風格十分。景観は八十八ヶ所で一番美しいといわれています。開基弘法大師にまつわる「七不思議」があります。

■三十九番【延光寺(えんこうじ)】 宿毛市平田町
赤亀が銅鐘を背負って現れた伝説があります。その鐘は、高知県でもっとも古い鐘といわれており、重要文化財です。

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